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ROSEリポジトリいばらき (茨城大学学術情報リポジトリ)
Title 小学校5年児童における概念「港」の形成 : 教授法及び学習適性について
Author(s) 馬場, 道夫 / 鈴木, 盈
Citation 茨城大学教育実践研究(4): 163-179
Issue Date 1985
URL http://hdl.handle.net/10109/12197
Rights
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茨城大学教育実践研究4,163-179,1985
小学校5年児童における概念「港」の形成 教授法及び学習適性について
将盈 下
木受
ほ
鈴30
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ギ鋒
道螂
場馬
Forming the Concept {Port’ as a Joint Function of
Teaching Methods and Aptitudes for Learning
Michio BABA“and Mitsuru SUZUKI**
キー。ワード:概念形成,授業,適性,小学生
教授法と学習適性の交互作用を明らかにするために,5年生に港の概念が3三時の間,
演繹,構成,帰納の3方法を用いて教えられた。別にそれぞれの教授法に対応する6つの
下位テストを含む学習適性検査がなされた。事前,事後,転移テスト及び児童による授業
の感想評定の結果,教授法による有意な差はテスト成績では見られなかったが,感想評定
では差があり,最終碍には構成群が最も良く,帰納群が最も悪かった。教授法と学習適性
の間には明確な関係が見られなかったが,帰納群の高適性群は転移テストで他にくらべて
良い成績を示した。
は じ め に
良い授業を形成するための原則は何であろうか。この素朴で古くからの疑問は,現在でも心ある
教師によって常に繰返されているだろう。その果てしのない解明の試みは,しかし,とぎれとぎれ
であるようにも思われる。多くの著名な学者や教師達が多くのことを言い,多くのことをなしたが,
それにもかかわらず,その成果は万人のものとならない。その混純の中に新たな一石を投ずること
に何の意味があるのか不明なま\に,やはりその努力をともかくもしなければならないと患いなが
ら,試みた研究のひとつが以下に述べる研究である。研究の事例は,小学校の5年生に実際の授業
の形で「港」を教えることにすぎないが,そのことを通じて,教授,学習過程の原則を追究しよう
とした最初の試みである。
* 茨城大学教育学部
**茨城大学教育学部附属小学校
一163一
教授,学習過程を構成する3要素はいうまでもなく,教師・生徒・教材であるが,授業として具
体化されると,教授法,適性,教育内容である。ここでは教育内容の変数を「港」に固定して,教
授法と適性の効果と相互作用を研究しようとする。これは,勿論,適性・処遇交互作用の考え方に
よっているのであるが,教授法を適性に合わせようという発想よりも,教授法に合った適性を見出
そうとしている。それは,教育内容の性質がある意味での明確な「個性」を持っており,それを教
える正当な手順というものはそう何種類もあるものではないと考えるに至ったからである。
教授法の種類については,本文で述べることとして,教授・学習研究で常に問題であるのは,そ
の評価法である。本研究では,事前,事後テストのほかに,当然,学習適性が測定されたが,更に
簡単な質問紙によって児童による授業の感想評定が行われ,授業のVTR記録と共に学習意欲の推
定がなされた。ここで学習意欲は,授業の評価を行う測定と扱われるほか,その授業を解釈する媒
介変数(仮説的構成)としても用いられた。いずれにしても授業の評価は,事前・事後テストと児
童の授業中の行動と感想評定によってなされた。
以上のことを前提要件として,特定の教授法と適性の間に他よりもよい関係が見出されたならば,
それはひとつの良い授業を形成する原則が明らかになったということができるだろう。万人に良い
授業はないとしても,特定の個性に良い授業の原則はあるかもしれないという期待の下に研究が開
始された。
理 論 的 前 提
教授法にどれだけの種類があるか決めることは,ほとんど不可能であろう。細かくいえば,すべ
ての教材にそれぞれの方法が考えられるからである。他方,教材を「港」の概念のように固定して
しまうと,教授法は限られたものになる。説明するか,発見させるか,その申間のいくつ々・の方法
が考えられるだけである。Eggenら(1979)の教授方略の総括でも,帰納と演繹及びそれらの多少
の変型が述べられている程度である。それでも,概念達成モデル,Tabaモデル, Ausubeiモデル
Suchman探求モデルがある。小学校の5年生に「港」の概念を教える。それも一斉授業を中心に
考えると,利用できる方法は,そう多くない。
概念を教育するためには,概念の性質をよく知っていなければならない。既に多くの心理学での
研究で明らかであるように,概念は,それを構成する共通属性の集合又は組織構造であり,多くの
事例,又は下位概念を持ち,またいくつかの上位概念に属する。また,同位概念として類似な概念
や反対概念があり,それらとの異同が明らかでなければならない。ある概念がより完全に理解され
るためには,少くとも概念体系上の位置づけが必要であり,それは概念体系の全体的理解を必要と
している。学校教育についていえば,教育すべき概念の教科又は学問上の位置づけを明らかにし,
そのことも教授しなければならない。しかし,より教育に則していえは,児童の将来を含めた生活
の中で,あるいは学力形成のために,有効な形で教育しなければならないだろう。それは,児童の日
常性との関連づけを必要とするであろうし,少なくとも単なる丸暗記的,1時的記憶であってはな
らないであろう。
f港jについて上のことに則していえば,共通属性としては,水陸交通の接点であり同時に船の
一164一
基地としての機能を有する。このため,船の接岸のため岸壁を有し,クレーンなどの荷物の積み卸
うし装置を備え,そのための付帯施設・設備倉庫,引込線,上屋,係留くいが必要になる。船の
基地としては,水,燃料の補給施設,修理施設,燈台,防波堤がある。下位概念としては,商港
工業港漁港,別の面からの分類として貿易港,避難港などがあり,それぞれに多くの事例,横浜
港東京港,神戸港,銚子港,那珂湊港,小名浜港,鹿島町,名古屋港博多港がある。同位概念
としては,空港駅,バス・ストップ㌧車庫,電車基地,宇宙基地。空港駅などは反対概念とい
えるものである。上位概念として一般にいわれている名称はない,あえてあげればやはり港であり,
交通関係施設,交通の接点,基地などであろう。区別されるべき類似概念としては,湾,入江など
がある。港を知ることの生活上の意味も多少はあろうが,それよりも社会・経済的認識を深め,拡
げることが,重要な教育目的であると考える。
港をこのようなものとして,どのような教育法が考えられるであろうか。ここで教材の論理的説
明法から「帰納と演繹」,学習過程から「発見と説明」の2要因を組み合わせると,過去の研究理論
との関係から,次の4種の教授法が考えられる。1.発見・帰納法,最も普通の発見的方法で
あって,概念事例とその名称(ここでは港)を与えて,港の共通属性を生徒に抽出させる方法。2.
説明・帰納法。共通属性を発見させるのでなくて,説明してしまう方法。港にはどのような施設が
あって,どのようになっていて,水陸交通の接点といえる……。いわば,下から上へと概念要素を
組みたてて行くので,本研究では,特に構成法と名づけた。3,説明・演繹法,通常の演繹法で,
上位概念から下位概念を説明する方法。いわゆる系統的説明である。上位概念を与えて包摂すると
いう点でAusube1(1963)の先行オーガナイザの説明的オーガナイザに近いものであろう。このほ
かに,教材論理と学習法の組み合わせからいうと,発見・演繹法が考えられる。つまり説明すべき
上位概念を学習者が発見して,自ら演繹的に説明する方略であるが,これは一連の事実を知ってい
るか,呈示されるかして,抽象的な概念やルールを自分で発見すること,科学者が仮説を立てそれ
を証明するような高度の方法論を示唆しており,著しく困難と考えられたので,ここでは省略され
ている。そこで,ヱの発見・帰納法を帰納法とし,3の説明・演繹法を演繹法として,2の構成法
を加えて,この3方法を比較研究することにする。
帰納法と演繹法についていえば,非常に多くの研究がなされている。心理学の分野で行われて来
た概念学習の手続きは,ほとんど帰納法である。多くの概念事例と負事例を与えて,概念の共通属
性を発見させている(Horton&Turnage l 976)。教授法との関係では,比較的最近TennysOnと
Parkによる文献の総括があり,更に実際的で細かい要因が研究されている。演繹法は先行オーガナ
イザの研究が中心であるが,BarnesとClawson(1975)のまとめやそれに対する批判(Lawton&
Wanska l977, Mayer 1979)によると,一般に考えられたような,能力の高低や学年の高低によ
って,先行オーガナイザの効果が異るということもなかった。なお,構成法は,実際の教育場面で
は最もよく使われる方法であるにもかかわらず,ほとんど研究がない。正確にいえば,構成法は,
発見法や帰納法の統制群や先行オーガナイザの後に与えられる学習さるべき原文として与えられて
いるかもしれないのだが,それがどのような説明か明らかでないということである。しかし,本研
究で意味する構成法は,比較的明瞭なものである。港を構成する概念属性の呈示から更に全体的に
属性を包摂する上位概念を抽出,呈示することである。簡単に言えば,演繹法の逆の説明である。
ところで,本研究は,単に色々の方法で教育してみるだけでなく,適性との対応関係を明らかに
一165 一一
することが次の問題であった。適性については既に触れられているように,以前から適性処遇交互
作用(ATI)といわれて来た一連の研究パラダイムに関係している。ここで問題にするのは,教
授法に対する適性であるから,論理的に言えば,教授適性である。しかし,これでは教師の適性を
意味するととれるから,教授・学習過程を前提にして,一定の教授法に適合した学習性向として,
学習適性という用語を用いることにする(Aptitudes for learning)。そしてこの用語は,丁度,
Pe l l eg rinoとGlaser(1982)によって用いられたものである。彼等の分析は帰納的推理に限られ
てはいるが,適性を全体的に考えるだけでなく,ルールの抽出のための情報処理過程をモデル化し
て,各情報処理時間を推定し,反応時間によって彼等の理論の正当性を明らかにしょうとしたもの
であった。彼等が帰納的推理のテストとしたものは,語や図の共通点,文字と数の排列の帰納,言
語と数の論理的関係の抽出等であった。
他方,演繹法についての研究は3段論法が主になっており,例えばSternbergら(1980)の研
究では,3段論法の情報処理モデルから言語と空間,抽象能力のパラメータを算出したが,それは大
学生で行われた実験結果とよく一致している。また,範ちゅう的推理と条件文推理パラメータの相
関は,。97に達している。Derry(1984)は,テキスト文再認への先行オーガナイザの効果と,、推理と記
憶能力とのATIを示している。その効果は,テキストの内容によっても違うが,先行オーガナイ
ザの効果は推理能力の高い学生によく現れ,記憶力とは関係しないことが明らかにされた。Wright
(1977)は演繹法と帰図法の比較を小学校6年生について行い,概念水準(CLT)とのATIを
み,CLTの高得点者は,演繹法の成績が良いことを見出した。演繹法は,一般に考えられるよう
に知能程度の高い者に有利かもしれない。
第3に,構成法については,先行研究がなく推定の域を出ないが,部分から全体を構成して行く
方法をとるために,分析的能力の高い者が有利であるだろう。西谷(1970)は中学2年生の数学に
ついて事例からルールへ入るエグルール法がその逆のルーレグ法よりも,国語の成績のよい者にと
ついては良いが,国語の成績の悪い者にはかえって不利であることを示した。CoopとBrown(1970)
は,大学生について教師構造化法と独立問題解決法を比較して,前者が認知スタイル(分析一等分析)
に関係なしに,有利であることを示した。
以上の教授法論理と適性の検討から,各教授法に適した学習適性を明らかにする必要が認められ
るであろう。教授法に対する適性,つまり学習適性については,最近多くの論がなされている。た
とえばSnow(1980)は,適性過程について述べ,因子分析の結果からCattellにならって, Gc
(結晶的能力),Gf(流体的能力),Gv(具象化能力)を区別している。 Gcは言語的知識を中心
としたいわば形成されたディジタルな能力であるのに対して,Gfは非言語的で抽象的,空間的で
メカニカルであるとされる。Gvは,図形や空間関係の能力を意味している。更にSnow, Lohman
(1984)は,先行学習経験から得た能力Gcは,その能力と関連ある課題について適用され, Gf
はむしろ,新しい刺激条件を授業が含むときに活用されるとした。
そこで,演繹法帰納法,構成法のそれぞれに対応する適性をGcとGfに分けて考えて,6種
のテストを用いることにした。テスト1は,PellegrinoとGlaser(1982)も用いている数系列から
その排列法則を見出すものである。テスト2は6この単語から共通の上位概念を見出し,その例外
の1語を指摘させる。テスト1,2は帰納的適性を見るためのものであり,いずれもGcに関係し
ているだろう。テスト3は,場依存,場独立のためのテストであり,複雑な図形の中からより簡単
一ユ66一
な図形を見つけて,指導させるEFT(Embedded-Figures Test)で,かくし絵テストと言え
る。テスト4は,算数問題であるが,全体から部分を求めるという形になっており,除算,減算,
分数ルールの適用の問題になっている。テスト3,4は演繹的教授に対応する学習適性と考えられ
たものであるが,テスト3はGf,テスト4はGcに対応する。テスト5は,動物や植物,日常よ
くみられる用具を3~6に分割し,ばらばらに置いたものを再編成するものであり,テスト6は,
文章構成で,まとまった文を2~5に分割・乱置して,正しい文になるように順番をつけさせる。
テスト5,6は構成的教授法に対応した適性であり,テスト5はGf,テストGcに関係している
と思われる。なお,テスト3は杉原一昭のテスト(CEFT)を借用したものであり,テスト5は杉
原の別の下位テストを変型したものである。全体を学習適性テストと呼ぶことにする。
以上のことを前提すると,次のように仮定されるだろう。
1.テスト1,2で帰納的能力の高いと認められた児童は,帰納法で,よい成績を示すであろう。
テスト3,4で演繹的能力の高いと判定された児童は,演繹法でよい成績を示すであろう。
テスト5,6で構成的能力の高いと判定された児童は,構成法でよい成績を示すであろう。
2.小学校5年児に「港」の概念をその抽象的属性まで教えることを考えると,構成法が他の方
法に較べてよい成績を示すように思われる。これはまた児童にとって比較的なれた方法である
と考えられたからである。
なお,「港」の授業の前後に,港についての事前,事後テストが行われ,事後テストには,転移
テストが加えられ,学習効果の拡がりが確かめられるようにした。また,教授法の効果は,テスト
の成績だけでなく,興味などの学習意欲に反映されなければならない。
方 法
実験計画:茨城大学教育学部附属小学校5年児童(3クラス)について,演繹法,構成法,帰納
法の3教授法を用いて「港」の概念を3校門の間に教える。期間は1984年7月16日~20日までの5
日間にわたり,各クラス3回の授業をあてる・各群の授業計画は大略表1のようである。実験授業
表エ 授業手続き概略
群 6月 第 1 園 授 業 第 2 園 授 業 第 3 回 授 業
A 演繹群N二36
学テK ス適性卜
響鐸鱗総B 構成群N二38
〃
1. . 2.3.・確@港の港板図て台レ壁ス呈必港呈ま1認“:にの書をい・i ラ示要の承と:
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1 2 3 ・ ξ 。 ・ 5 ・ :蘇窪 i ・ 2 ● 3 ● 確 :
C 帰納群N;38
〃
1.2. 3. 4,,業@港か共ス九共わす港あ班を表港ま;の にるこかさのと1 のの通う枚通せ〃 : い例点イ 点図 はかとかせ嗜めi感 く ド をで 何 にせる解 つ い示 が 解発 想
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業;1 ・ 2 ● 3 ● ● 4 ・ 5 ・ ;前接にこ空ス駅空宇入港駅班か発ま:の:
ハ恥ド蟄礫着想1
一167一
の約1ケ月前に,前期の学習適性テストを実施し,実験授業の第1回の初めに事前テスト,第3回
の終りに事後テストを行う。事前テストとの内容はほぼ同一であるが,論文末尾の資料1,2にみ
るように事前テストの問題1が,事後テストでは2問に分けられている。これは,実験授業によっ
て港についての非常に多くの知識が得られるために,多く書きすぎて時間が不足するのを恐れたた
めである。また事後テストでは同時に転移テストが与えられた。これは資料3に示されている。こ
れは,港の属性のうち,港の本質的性質ともいうべき,水陸交通の接点,船の基地としての性質を
正確に把握したかどうかを知るためのものである。1,2,4, 6,8,9,]2,18,20の項目がこれに相当する。
また各回の授業後に,資料4に示すような,学習の確認と授業の感想が児童に求められている。
なお,銚子港と横浜港のVTRは:NH:K:の30分の番組からそれぞれ約6分と10分に抜すい編集し
たもの,港の模型図は,模造紙にポスターカラーで,港にある必要施設を模型的に画いたもので,
防波堤,燈台,クレーン,タンク,倉庫などがかいてある。また,港の概念構成図は表2のようで
ある。港の施設や設備はあらかじめB5の画用紙に
表2 交通の接点と基地
ところ
港
基
地
船
撰 水陸 よよ 父父座 越葎
空 宇駅 宙
基港 地
電汽 飛 人スシノ} 工ペヤπ 衛1卜
車車 機 星スル
鉄道 陸空 地宇 よ 父道路 通路 球宙w w w
をTVカメラを通じて呈示できる。もちろん,
教師向のカラー・カメラ1台と,1台の教室全体向カメラ,12台の児童向カメラによって,
VTRに同時に記録されるようになっている。10台の児童向カメラは,児童4人に1台あてになっ
ており,固定式で1台で4人の児童をうつすことができるが,あらかじめ定められた時閤(本研究
では4秒)ごとに次のカメラに切り替えられて順次VTRに記録するようになっている。また4個
の集音マイクが天井に取り付けられており,映像と平行してVTRに録音できる。これらの装置に
よって詳細な授業記録が1人のカメラ操作によって可能である。
授業手続き:概略は表1のようであるが,授業の担当は,第ユ回・第2回の3群の授業は鈴木盈
が担当した。第3回は,B群のみ鈴木盈が担当し,予定外のことではあったが, A, C群は馬場道
夫が行った。A群,演繹群第1回のグレープ・フルーツは,実物を用意しておき,それを児童に示
しながら,輸入の経路を考えさせ,それから港の機能を考えさせようとしたものである。港の図式
はチョークで湾と航路と道路,鉄道を線画し,船,トラック,貨物列車の略画の切り抜きをそれぞ
れの場所にはりつけて,接点としての港の働きを示したものである。これは,視覚的先行オーガナ
カラーマジックとポスターカラーで簡単に彩色した
略画を用意しておき,磁石で黒坂に簡単につけられ
るようになっている。同時に,それらは文字として
もB5縦半折の画用紙に書いておき,同様に黒板に
つけられるようにしておく。これらは,生徒や教師
の発言に応じて黒板につけて行く,スライドは,主
に生徒左手の背面スクリーンにプロジェクターで隣
室より投影される。
実験の場所:茨城大学教育学部附属小学校の一室
附属教育工学センター分室として設備された部屋で
視聴覚室としても使われるようになっており,前述
の背面スクリーンのほかに,天井から4台のテレビ
受像機が下げられ,教材提示装置によって適宜教材
TV番組やVTRの呈示ができる。授業の記録は,
3台の
一168一
イザとして機能させようとしたものである。この先行オーガナイザに対して,横浜港紹介のVTR
(10分)を見せて,港の属性・機能を指摘させ,包摂させようとしたものである。第2回の授業は,
模造紙一枚にマジック+ポスターカラーで画いた港の図解を見せて,港の属性の構造化を図った後,
特に港の機能に気づかせるため,港で働く人を児童に発表させ,銚子港紹介のVTR(6分)を見
せた。VTR視聴後に,銚子港の漁業基地としての性格に気づかせ,その象徴的役割を演じる回船
問屋に焦点をあてて,児童の発表を求めた。最後に更に港の重要な属性を現わすスライド8枚を見
せて,港の属性・概念の定着を図った。第3回の授業は,港はどこに作られるかを問題とし,海は
深く,陸地には平地が必要なことを指摘し,スライドで確認する。転じて,港の反対,類似物を児
童に発表させ,概念の拡大,.体系化を図り,最後にスライドで色々な港を見せて,概念の具体化,
定着をしょうとした。
B 構成群 第1回目,初めに港にあるものは何か児童に発表させ,発言に応じてB5紙にかか
れた色づき略画を黒板にはって行く。更にスライドで港の施設・設備を見せ,その必要理由を問い,
確認した。最後にA群と同じ港の図解を見せ,まとめとした。第2回は港の機能(働き)を発問し
ておき,銚子港のVTRと横浜港のVTRを順次見せ,両者を比較し,船の基地としての性格と接
点としての意味の両方のあることを指摘する。第3回は,港はどんなところにできるか発問し,ス
ライドを見せて確認し,次いで港に似ているもの,空港駅,宇宙基地を指摘させ,その理由を明
らかにした。最後に表2に示した概念構成図を示し,児童に説明を求めた。なお,概念構成図を示
したのはこのB群のみで,A, C群には呈示されていない。
C 帰納群 第1回,初めから港の事例をスライド9枚で見せ,共通点を発表させ,略図で見せ
る。次に港には何があるか,4人1組の班に分かれて港の絵をA3画用紙に書かせ,班ごとに発表
させる。最後にA・B群と同じ港の図解を見せ,まとめとする。第2回は,B構成群とほぼ同様の
内容であるが,銚子港のVTR視聴の後に班単位の話しあいを入れ,港の働き,属性を発表させる。
次に横浜港のVTRを見せ,銚子港と比較させた。第3回目は,港に似ているところとして,空港
駅を指摘させ,スライドで空港,駅,宇宙基地を見せ,班ごとに港空港駅の特徴,機能を小さ
な紙に書き出させて,発表させた。なお,班ごとの作業の場合は,スライドの操作を児童にまかせ
て,自由にその特徴を確認できるようにした。
全体として計画した通りに授業が行われたが,わが国での授業の一般的形式である教師の発問に
生徒が答え,次第に確認・学習していく,問答法的な方法が全体に用いられた。このため,演繹法
も,教師の一方的説明というよりも,生徒に説明を求める場面がより多く見られた。帰納法は,よ
り発見的になるべきであったが,時間が不足するためもあって,かなり教師による説明がなされた
ようである。
結 果
実験計画はほぼ予定通り行われたが,第3回の授業で授業担当者の変更があり,演繹群と帰納群
は,それまでとは違う授業者によって授業を受けることになった。授業の記録は,3本,つまり,
教師向,生徒向(4人単位)12台,教室全体力’メラ,各1台のVTRによってとられているので,
一169一
詳細な分析が可能であるが,膨大なデータであるので,別な機会に公表することにした。これらの
VTRの再生によって,授業過程が検討された。
演繹群は,本来であれは,教師の説明中心に授業が展開する筈であったが,他の2群と同様に,
教師による発問,生徒による回答というパタンで授業は進行した。授業者の発言は概して静かであ
ったが,生徒の発言は活発で,スライド,VTR,カラー・略図,模造紙大の港の模型図など色々
の教材に対して,生徒の反応は積極的であった。もちろん,一部にはあくびや私語もみられたが,
全体に生徒の学習態度は積極的活発であったといえるようである。構造群や帰納群もほぼ同様の状
況で授業は進行した。構成群は,一般にみられる教師による発問,生徒の回答というパタンの授業
に近い形で授業が進行したものと思われる。表1に見られるように,第1回の授業で港にあるもの,
第2回で港の働き,第3回は港はどこにできるか,の発問がなされ,各校時にはそれぞれの回答が,
生徒の発言と他の群と同じVTRその他の資料で示され,最後に整理され,まとめられた。帰納群
は,むしろ授業者の発言,説明は比較的おさえられ,生徒の班ごとの話し合いや作業で授業が進行
した。当然各班でリーダ・シップをとる児童が見られ,その間教室は少々にぎやかになった。
(1)全体的結果 各時ごとの授業の確認の成績授業の感想評定,事前・事後・転移テストの結
果は,図1a,b,cに示してある。学習確認テストの採点は,各正答事項に1点が与えられた。授業
感想評定は,論文末尾の資料4のように,各尺度は1点が最もよく,点数が増すほど悪い評定にな
っているが,図lbでは12点が最高値になるように逆転されて加算されている。転移テストは○
×回答のため,正答は1点,誤答は一1点が与えられ加算されている。なお,各群の男女の人数は,
演繹群;男子19人,女子19人,構成群:男子17人,女子19人,帰納群:男子19人,女子ユ9人であっ
た。この人数は,3回のこの実験授業と学習適性検査を共通してすべて受けた児童の人数である。
学習確認テストの結果は,B構成群の成績が最も良く,次いで, C帰納群A演繹群が最も悪か
ったが(B>C,t=L720, df;72, P>.05)(C>A, t・=4.130, df・・ 74, P<.001),第3回
授業では帰納群演繹群の成績が下がっている(C2>C3,t ・4.201,df=37,P<.001)(A2>A3,
6
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ズ〆
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ねニニB()一一一一く)構成群 36
C ×・・ 一×帰納群 38
A△一一一△演繹群 38
×
o△
事前 事後1 2
授業回→
転移テスト
図la 学習確認テスト 図1b 授業感想評定 図1cテスト成績
一17e一
t = 4D60, df・= 37, P〈.001),授業感想評定については,やx複雑であり,第1回授業では,帰納群
Cの評定値がよく,次いでB構成群A演繹群の順になっている(C>B,t=L258, df = 72,
P>.20)(B>A,t・・: 2D65, df ==72, P<.05)が,第3回授業では,この傾向は変化して, B,
A,Cの順になっている。但しB-A, A-C間は有意でなく(t=1.499, df二72, P>.e1)(t・=
L947, df = 74, P>05),B-C間に差がある(t;2.925, df=72, P<.01)。3群問に有意差があ
るが(F(2,1◎9)=8.602,P〈.Ol),図1Cからも明らかなように,各増加直線は平行しており,相
互作用のないことを示している(F(2,109)=0.141,P>.05)。結局,3群間の差は,図1a
の学習確認テストとも照らし合わせても,同様の傾向であり,実験操作によって生じた差というよ
りも,実験前からあったクラス特性の差を反映したものであろう。但し転移テストは,有意差が群
間に見られなかったものの(F(2,109)= 1.264,P>05),それまでの傾向と違った傾向を示している。
特にC群,帰納群の成績のよいことは注目に値しよう。
次に問題となるのは,各適性との関係である。ここでは,教授法との相互作用のみが問題になり,
各テスト別に分析することとした。適性水準は各下位検査ごとに高中低の3水準に分けられた。分
割は,高・低各30%,中40%の人数になるように,分割点が定められ,各クラス共通の分割点が適
用された。この結果,各クラス,各下位検査別の人数比率は異ったものになった。その結果は図2
及び図3に示す通りである。なお学習確認テストの結果は,適性水準間及びそれと教授法との相互
作用がほとんどみられなかったために省略した。記入のために時間が十分でないことなど,方法,
内容にも問題があったようである。有意な相互作用を生じたのは,第1回授業の下位検査1とW,
第3回検査の斑のみである。これらの相互作用は,A群(演繹群)が適性得点が上昇するにつれて,
学習確認テストの点も上昇するのに対して,他の2群が水平又は下降の感電を示したためである。
(第1回の1:F(4,103)=3.G7, P<.05,第1回のW:F=2.46, P<.05,第3回の姐, F=2.78,
Pぐ05)
授業感想評定と学習適性との間には毒虫の関係が見られる。図2は,3回の授業すべてについて,
授業感想評定について,教授法と学習適性の相互作用を示したものである。血中F、は教授法につ
いての分散分析値,F2は学習適性の差, F,が両者の相互作用F値を示している。 F,とF2は有意な差
のあるもののみを示し,F3はすべてについて表記した。このことは図3のa,bについても同じで
ある。有意な相互作用を示したのは,第3回授業の下位テストV(分割図形の構成)で,この能力
の高い者は,構成群,帰納群で授業の感想が悪くなるのに対して,演繹群ではよくなっている。これ
は,部分から全体を構想する能力の高い児童が,港の具体的事例や負事例を見て,高次の理解を示
し,授業に良い印象を持ったものと思われる。全体として,学習適性は,授業感想と関係ない中で,
下位検査4(数的演繹)は関連のある傾向を示し,特に第1回第2回の構成群,第3回の帰納群が
その傾向が強い。また下位検査VI(文章構成)は,第1回,第2回の構成群,第3回の帰納群にこ
の傾向が認められる。いずれも言語能力の高い児童がこれらの授業に興味を持ったものと考えられ
る。逆に能力の高い群が授業に対して消極的になった場合は,第2回第3回の下位テストV(分割
図形の構成)のB,C群第3回の下位テストII(概念の非事例語の発見)であり,その間, A群
の高適性児童は逆に授業に積極的であるので,ある種の適性処遇交互作用が期待されるところであ
る。帰納群と構成群がいずれも部分から全体を組みたてて行くという点では共通しており,この方
法だと,部分から全体を推理する能力のある児童は,授業に対してむしろ興味を失うようである。
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評定値
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図2
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低 中 高
事後テストでは,学習適性と教授法との間に有意な交互作用はない。いずれも多少の変動はある
ものの,学習適性と事後テストの成績は正の連関が予想される(図3a)。移転テストでは,下位
テスト,llとIVで有意な交互作用が見られたが,こ.れらは,いずれも,帰納群の高適性児童の成績
によるもののようである。同様の傾向は,下位テスト,1,V, V:[でも見られる。これは,帰納群
一173一
の高適性児童では高次の概念形成が可能であったことを示しているであろう。これらの結果からす
ると,初めに仮説したように,予想されたそれぞれの適性群がそれぞれの教授法で,特に他に比べ
てよい成績を示すということはなかった。あえて言えば,帰納法で教授された場合は,下位テスト
1,9でみられるように,帰納的適法との関連が多少高い傾向があるが,構成群の場合,構成的能
力と見られた下位テストVは関連が見られず,Wの文章構成力とは雷鳴がみられた。演繹群の場合
は,演繹的と見られたEFTとの関係は明確でなく,下位テストIV(数的演繹)と関係がみられた
が,むしろ下位テストW(文章構成)の方が関連が多いようであった。
次に予想されたように,構成法は全体的に良い成績を示したが,これは,事前テストからのもの
であり,教授法の効果とは言えなかった。・ただし,感想評定値は第3回授業で構成群が良い結果を
示していた。また転移テストでは,むしろ帰納群の成績がよく,この点も予想とあまり一致しなか
った。
以上のように結果は,実験当初の予想とは異なり一義的なものではなく,多くの問題を残してい
るようである。教授手続きをより明確にすること,単純化すること,学習適性について更に分析,
検討を続ける必要があるようである。
引 用 文 献
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’
一エ75一
資料1 事前テスト
学年 組 番 氏名
1.港にはどんなものがありますか。またどんな特徴がありますか。知っていることを何でも
書きなさい。
2.港以外で,港と同じような働きをしている所があります。それはどんなところでしょう。
いくつでも書いて下さい。
3。港を作るためには,海や陸はどのようになっていなければならないでしょうか。
4.港は何のためにできているのでしょうか。大切と思うことを二つ書きなさい。
一176 一
資料2 事後テスト
学年 組 番 氏名
1.港には,いろいろなものがありましたが,港に必要なものを三つ書きなさい。
(1) 1 1 (2) 1 1 (3)
2.港でいろいろな人が働いていましたが,どんな人がいたでしょう。3人書きましょう。
(1) 1 1 (2) 1 1 (3)
3.港以外で,港と同じような働きをしている所があります。それはどんなところでしょう。
いくつでも書いて下さい。
4.港を作るためには,海や陸はどのようになっていなければならないでしょうか。
5。港は何のためにできているのでしょうか。大切と思うことを二つ書きなさい。
一177一
資料3 転移テスト
学年 組 番 氏名
1.次の(玉)~侶0)まで書いてあることは,全部港にあるものや,特ちょうや,働きです。この中
で港には必ずなければならないことに○,なくてもよいものに×をつけましょう。
(1)船が出入りする。
(2>人が乗ったりおりたりする。
(3)石油,石炭を輸入(ゆにゅう)する。
〈4)船つき場がある。
(5)漁船が出入りする。
(6>波が静かである。
(7)荷物をしらべる人がいる。
(8)陸の方にはたいらなところがある。
(9)船が休む。
働 倉庫がある。
α1)自動車を輸出(ゆしゅつ)する。
(12)海は深くなっている。
G3)荷物はコンテナで運ばれる。
¢4)コンピュータが管理している。
㈲ 燃料(ねんりょう)を船に入れる。
G6)港は湾や入り江になっているところにできる。
α7>港には鉄道がひかれている。
as)道路があって,人や車が港にやって来る。
G9)石油コンビナートがある。
⑫0)荷物をつんだりおろしたりする。
((((((((((((((((((((
))))))))))))))))))))
一178一
資料4 学習の確認と授業の感想
[学年[組翻□ 1984年[月[]日
教科[二]□校時
1 学習の確認
(1>今の授業は何の学習をしたのでしょうか。題をつけて下さい。
(2>今の授業で一番たいせつだと思ったことを書きなさい。
(3)今の授業でおもしろかったことやきょうみのわいたことがあれは書いて下さい。2つ以
上書いてもかまいません。
H じゅぎょうのかんそう
(1)よくわかったかど
うか
よく
わかっただいたいわかった
どちらともいえない
な,
りらた
なかっ
かわか
ぜんぜんわからなかった
1 2 3 4 5
とても
おもしろ
かった
かなりおもしろ
かった
どちらとも
いえない
少し
たいくつ だいくつ(2)おもしろかったか
1 2 3 4 5
(3)いっしょうけんめ
いやれたか
とてもよく
やれただいたい どちらともよくやれた いえない
少し気がちった
気がちって
こまった
1 2 3 4 5
一179一