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吸引の本音と建て前~うちはこんなふうにしています~
2015年9月5日
公立陶生病院 地域医療部在宅医療室
星野美穂子
愛知感染予防ネットワーク第27回例会
公立陶生病院
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所在地:愛知県瀬戸市病床数:701床(一般651、結核44、感染6)診療科:28科職員数:1300人(看護師732人)機能認定施設:救命センター、地域がん診療連携拠点病院
災害拠点病院、地域医療支援病院
在宅医療室のご紹介
地域医療部内にあり院内の一部署
病院・診療所(医療機関)の訪問看護
「みなし指定」を受けている
構成メンバー
師長 1名(退院調整支援室兼在宅医療室)主任 1名(地域医療連携室兼退院調整支援室)副主任1名(退院調整支援室兼在宅医療室)在宅医療室スタッフ常勤看護師5名(内 退院調整支援室兼務1名)
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患者数62名 2015年4月現在
呼吸器
神経内科
小児科
循環器
外科
呼吸器34名54%
神経内科14名22%
小児科10名16%
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診療科 主な疾患神経内科 筋委縮性側索硬化症、多系統委縮症 など
呼吸器 COPD 肺結核後遺症 間質性肺炎など
小児科 先天性疾患(染色体異常、奇形症候群)など
外科 短腸症候群
循環器 心不全
2015年4月現在
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医療処置 件数
TPPV(経気管陽圧人工呼吸) 7
NPPV(非侵襲的陽圧人工呼吸) 16
HOT(在宅酸素療法) 37
気管切開 12
経管栄養 17
膀胱留置カテーテル 2
導尿 1
HPN(在宅中心静脈栄養) 2
2015年4月現在 6
医療処置 件数
TPPV(経気管陽圧人工呼吸) 7
NPPV(非侵襲的陽圧人工呼吸) 16
HOT(在宅酸素療法) 37
気管切開 12
経管栄養 17
膀胱留置カテーテル 2
導尿 1
HPN(在宅中心静脈栄養) 2
2015年4月現在
吸引の件数
気管切開+口腔・鼻腔 12名口腔・鼻腔のみ 4名
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気管からの吸引
手順
公立陶生病院 在宅医療室
小児以外
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感染に関する部分を抜粋してあります
用意するもの
● 吸引器● 吸引カテーテル● 空容器 カテーテル(保存用・通し水用)● ティッシュペーパーアルコール綿
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吸引チューブ
交換頻度
気管用 1日1本 不潔になった場合は交換
口鼻用 気管用に使った吸引チューブを
翌日口鼻用にする
支給
指導管理料から支給
規定量を医事課と相談して決めている
それ以上使用したい方は購入
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保管容器
吸引チューブは乾燥させることを基本とする
ペットボトル、コーヒーの空き瓶など保管できるものであれば何でもよい
気管用、口鼻用 通し水用 各1本
洗い替えとして2セット準備
毎日交換する
通し水は水道水を使用する
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小児の吸引
吸引チューブは次亜塩素酸ナトリウム
ミルトン80培希釈液につける
保管容器は開口部がなるべく小さいものを使用する
通し水は水道水を使用する
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①手を洗います
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①手を洗います患者家族への指導
基本的に吸引前に手洗いその後に手指消毒を行うできなければ手指消毒でもよい
看護師
吸引などケアのある場合はプラスチックエプロンをつける
基本的に吸引前に手洗いその後に手指消毒を行うできなければ手指消毒を必ず行う
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●気管吸引は吸引チューブを持つ手に、
手袋を装着します
1.手袋をつけた手は、チューブ以外のどこにも
触れてはいけません!
2.チューブは気管内以外のどこにも触れては
いけません!
②手袋を装着します
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●気管吸引は吸引チューブを持つ手に、
必ず滅菌手袋を使用します
1.滅菌手袋をつけた手は、チューブ以外
のどこにも触れてはいけません!
2.チューブも気管内以外のどこにも触れては
いけません!
②手袋を装着します
患者家族への説明
手洗い・手指消毒をすれば必ずしも 手袋の装着はしなくてもよい
看護師手袋を装着する
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④カテーテルをアルコール綿で拭きます
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④カテーテルをアルコール綿で拭きます
患者家族への説明
チューブに付着した雑菌をふきとる
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④カテーテルをアルコール綿で拭きます
カップタイプ 60枚入り吸引回数が多い場合に使用
個包タイプ
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⑤アルコール綿で拭いたところよりも上部を手で持ちます
患者家族への説明
気管内に入れる部分は清潔を保ち、肺炎を予防する
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⑤アルコール綿で拭いたところよりも上部を手で持ちます
アルコール綿でつまんで行う場合もある
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⑥吸引圧をかけずにカニューレの中にカテーテルをゆっくりと入れていきます
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⑧吸引が終わったら、カテーテルに付いた痰などをアルコール綿できれいにふき取り水をしっかり吸い上げてカテーテルの内側もきれいにします。
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⑧吸引が終わったら、カテーテルに付いた痰などをアルコール綿できれいにふき取り水をしっかり吸い上げてカテーテルの内側もきれいにします。
患者家族への説明
有機物が残っていると菌の繁殖につながる
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⑨再度アルコール綿でカテーテルを拭き取り、アルコール綿のアルコールを吸わせ、きれいになったカテーテルを空の容器に入れて乾燥させておきます.
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⑨再度アルコール綿でカテーテルを拭き取り、アルコール綿のアルコールを吸わせ、きれいになったカテーテルを空の容器に入れて乾燥させておきます.
患者家族へ説明
アルコールは揮発性が高いので乾燥しやすくなる
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⑪吸引後は、手をよく洗いましょう
患者家族への説明
自分、家族への感染予防
看護師手袋をはずし手指消毒
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口腔鼻腔の吸引のみ
吸引が終わったら、カテーテルに付いた痰・唾液などをティッシュペーパーできれいにふき取り、水をしっかり吸い上げてカテーテルの内側もきれいにします。
カテーテルは洗っていただいてもよいです
気管切開、口鼻のみどちらの吸引でも、吸引回数が少ない場合は、吸引チューブを流水で洗って干しておいてもよいことを説明している
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その他●吸引器の貯留瓶は、1日に1回は中身を捨て
てきれいにしましょう。貯留物が多すぎると器械
の故障につながります。
●吸引カテーテルの交換は(当院の目安)
口鼻用:1週間に1回 気管用:1日1回
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気管吸引を行っているご家族に
話しを聞きました
成人3名 小児4名
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①感染という点でどんなところに気を付けて
いますか?• 毎回ではないが手を洗うようにしている
• 手が洗えないときは手指消毒をしている
• 手洗いや手指消毒はしていない。インフルエンザの季節には手袋をするようにしている
• 気管の吸引をするときに当初は手袋をしていたが、以外と感染は起こさないので、今は手指消毒のみ
• チューブの先を触らないようにする。指導を受けた時とても厳しかった
• 通し水の水はこまめに換えるようにしている
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②吸引チューブの交換は?• 気管切開 1日1本
• 口鼻用 気管用を翌日に口鼻用にする
③保管容器の交換は?• 汚れたら交換する
• 交換したことがない
• 容器の底にアルコール綿を敷き、こまめに交換している
• 1セットしか準備していない。毎日洗って使用している
• 2セット準備して毎日交換しているが、ミルトンには漬けていない
• 2セット準備して、ミルトンで消毒している32
④アルコール綿の使用は?• カップタイプを使用
吸引回数によるが、だいたい1日半ぐらいでなくなる
• 個包はめんどうで使いにくい
⑤通し水の使用は?• 水道水を使用。容器を洗って使いまわし
• 容器の消毒はしていない
• 水はこまめに交換している
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ご家族からの疑問
吸引をするときにも手袋をしたほうがいい?
通し水は気管用と口鼻用を準備したほうがいい?
訪問看護師からの疑問吸引チューブの保管は乾燥がよいのか、次亜塩素酸に浸漬したほうがいい?
保管容器は消毒したほうがいい?
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課題
指導をするときに、「なぜそれをするのか」必要性の理解がされるようにする
在宅療養後に、指導されたことができているか、
自己流になっていないかなど 吸引の手技や物品の
管理方法を確認する必要がある
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ご清聴ありがとうございました
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