ブラボ・ka-te工法...建設技術審査証明事業(下水道技術) 1.技術の概要...

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建設技術審査証明事業(下水道技術) 1.技術の概要 本技術は,常温硬化型樹脂を用いたライニング材 で取付け管内を反転挿入し,既設管に密着させ温水 循環を行い硬化養生後,本管との接合部を補修ロボ ットを使用して樹脂モルタルを注入し,取付け管ラ イニング層と一体化させる工法である。 なお,取付け管内の段差や屈曲部分の角を削るこ とにより,取付け管ライニングが不可能であった箇 所の施工が可能になった。本管の修繕は,破損やク ラック等の損傷および取付け管との接合部の損傷を 部分補修する工法である。また,使用されていない 取付け管内に充填材を充填し,閉塞できる。 2.適用範囲 種:鉄筋コンクリ-ト管,硬質塩化ビニル 管,陶管 径:取付け管 呼び径 φ150,φ200 :本 管 呼び径 φ200~φ800 施工延長:取付け管 15m 以内 取付け管 4m 以内の管内充填閉塞 管 30cm 以上の部分補修 3.開発目標と審査の結果 本技術の開発目標および審査の結果は,次に示す とおりである。 (1) 取付け管を次の条件で施工できると認められ る。 ①最大延長 15m ②23mm までの継手部段差 ③最大 30mm までの隙間 ④曲り角度が 90°までの曲管 ⑤90°曲管部に発生するしわの高さが 5mm 以下 ⑥ライニング材の硬化温度が 60℃以下 ⑦屈曲角 27°までの継手部段差処理 (2) 本管接合部を次の条件で施工できると認めら れる。 ①接合部周辺における横幅 15mm または高さ 30mm までの隙間 ②流量 2ℓ/min かつ水圧 0.05MPa までの浸入水 ③樹脂充填後の管きょが水圧 15MPa の高圧洗 浄で剥離・損傷がない (3) 本管部を次の条件で施工できると認められる。 ①最大 15mm までの段差 ②最大 30mm までの隙間 ③260mm までの穴あき部 (4) 不用になった取付け管の閉塞を次の条件で施 工できると認められる。 ①勾配 45° ②延長 4m (5) ライニング材は,JSWAS K-1「下水道用硬質塩 化ビニル管」と同等以上の偏平強度を有すると 認められる。 (6) ライニング材および樹脂モルタルは,JSWAS K-16「下水道内挿用強化プラスチック複合管」 と同等以上の耐薬品性を有すると認められる。 (7) ライニング材は,曲げ弾性係数の長期試験値 が 2,000N/mm 2 以上であると認められる。 (8) 施工後の本管接合部は,0.05MPa の内水圧およ び外水圧に耐える水密性を有すると認められる。 下水道管きょおよび取付け管の修繕工法 ブラボ・KA-TE工法 総合開発工事(株),(株)伸幸 図-1 接合部樹脂モルタル注入状況

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Page 1: ブラボ・KA-TE工法...建設技術審査証明事業(下水道技術) 1.技術の概要 本技術は,常温硬化型樹脂を用いたライニング材 で取付け管内を反転挿入し,既設管に密着させ温水

建設技術審査証明事業(下水道技術)

1.技術の概要

本技術は,常温硬化型樹脂を用いたライニング材

で取付け管内を反転挿入し,既設管に密着させ温水

循環を行い硬化養生後,本管との接合部を補修ロボ

ットを使用して樹脂モルタルを注入し,取付け管ラ

イニング層と一体化させる工法である。

なお,取付け管内の段差や屈曲部分の角を削るこ

とにより,取付け管ライニングが不可能であった箇

所の施工が可能になった。本管の修繕は,破損やク

ラック等の損傷および取付け管との接合部の損傷を

部分補修する工法である。また,使用されていない

取付け管内に充填材を充填し,閉塞できる。

2.適用範囲

管 種:鉄筋コンクリ-ト管,硬質塩化ビニル

管,陶管

管 径:取付け管 呼び径 φ150,φ200

:本 管 呼び径 φ200~φ800

施工延長:取付け管 15m 以内

取付け管 4m 以内の管内充填閉塞

本 管 30cm 以上の部分補修

3.開発目標と審査の結果

本技術の開発目標および審査の結果は,次に示す

とおりである。

(1) 取付け管を次の条件で施工できると認められ

る。

①最大延長 15m

②23mm までの継手部段差

③最大 30mm までの隙間

④曲り角度が 90°までの曲管

⑤90°曲管部に発生するしわの高さが5mm以下

⑥ライニング材の硬化温度が 60℃以下

⑦屈曲角 27°までの継手部段差処理

(2) 本管接合部を次の条件で施工できると認めら

れる。

①接合部周辺における横幅 15mm または高さ

30mm までの隙間

②流量2ℓ/minかつ水圧0.05MPaまでの浸入水

③樹脂充填後の管きょが水圧 15MPa の高圧洗

浄で剥離・損傷がない

(3) 本管部を次の条件で施工できると認められる。

①最大 15mm までの段差

②最大 30mm までの隙間

③260mm までの穴あき部

(4) 不用になった取付け管の閉塞を次の条件で施

工できると認められる。

①勾配 45°

②延長 4m

(5) ライニング材は,JSWAS K-1「下水道用硬質塩

化ビニル管」と同等以上の偏平強度を有すると

認められる。

(6) ライニング材および樹脂モルタルは,JSWAS

K-16「下水道内挿用強化プラスチック複合管」

と同等以上の耐薬品性を有すると認められる。

(7) ライニング材は,曲げ弾性係数の長期試験値

が 2,000N/mm2以上であると認められる。

(8) 施工後の本管接合部は,0.05MPa の内水圧およ

び外水圧に耐える水密性を有すると認められる。

下水道管きょおよび取付け管の修繕工法

ブラボ・KA-TE工法

総合開発工事(株),(株)伸幸

図-1 接合部樹脂モルタル注入状況