平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)...平成27年度...

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平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要) 情報端末の筐体・ユーザインターフェース 平成28年2月 問い合わせ先 特許庁総務部企画調査課 知財動向班 電話:03-3581-1101(内線2155)

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平成27年度 特許出願技術動向調査報告書(概要)

情報端末の筐体・ユーザインターフェース

平成28年2月

特 許 庁 問い合わせ先

特許庁総務部企画調査課 知財動向班 電話:03-3581-1101(内線2155)

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本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

第 1 章 調査概要

第 1 節 調査の背景と目的

近年、中国における特許出願が急増しており、2012 年には国際調査報告書を作成する

際の先行技術調査の最小限資料に追加されるなど、中国特許文献の審査における重要性

は高まっている。このため、中国の特許文献の技術レベルを把握し、特許文献を整理す

ることは、特許庁における審査体制の構築や、的確かつ効率的な審査を行う上で必要で

ある。

また、今後、我が国の産業が持続的に発展していくために、海外市場、特に中国市場

での事業展開の重要性が認識されており、我が国企業等において、中国市場での事業展

開を念頭に置いた技術開発戦略、知財戦略の策定が重要である。

本調査では、近年、中国市場において特に注目されている「情報端末の筐体・ユーザ

インターフェース」の分野について調査分析を行う。

情報端末を代表するスマートフォンの世界市場については、2012 年に中国市場が米国

市場を上回る世界最大の規模(世界市場に占める割合 20.7%)となり、その後も順調に

拡大を続け、2014 年には中国市場が世界市場に占める割合が 35.4%にまでなった。さら

に、2014年におけるメーカー別スマートフォン販売台数トップ 10には、レノボ(Lenovo)、

華為(Huawei)、小米科技(Xiaomi)、ZTE などの中国メーカーが入っているという状況

である。一方、中国国内市場においては、出荷台数のトップ 5 にサムスン(Samsung)が

第2位として入っているものの、その他はトップの小米科技(Xiaomi)をはじめとする

中国メーカー(レノボ(Lenovo)、華為(Huawei)、酷派(Coolpad))が占めている。こ

の様に、近年、中国市場においては中国籍企業によるスマートフォンの生産・販売が急

速に拡大していると同時に、スマートフォンの中国国内メーカーも約 400 社存在してい

るとの報告もある。これら中国籍企業は、経営・販売コストの削減もさることながら、

筐体の軽量化・小型化等の技術開発を行うことによってミドルレンジ以下の普及価格帯

から低価格帯のモデルを中心に製造・販売を伸ばしている。しかしながら、近年では、

「千元スマホ」と呼ばれる低価格スマートフォン以外にもハイスペックなモデルについ

ても市場を牽引しつつある。この様に多数の地場産業を有する中国では、スマートフォ

ンをはじめとする情報端末の生産拠点として、ハードウェアの改良に関する技術開発が

多数行われていると予想される。

このような背景のもと、情報端末の筐体・ユーザインターフェースに関する特許の動

向を調査し、技術革新の状況、技術競争力の状況と今後の展望について検討する。

本調査の目的は、(1)中国企業等の技術開発動向、知財戦略を明らかにし、我が国企業

等が中国において事業展開する際の支援を図ること、(2) 中国で事業を行う世界各国・

地域企業の技術開発動向、知財戦略を明らかにし、我が国企業等のグローバルなビジネ

ス展開をする際の競争力向上を図ること、(3) 日本企業等が取り組むべき課題を整理し、

今後目指すべき研究開発・知財戦略の方向性を明らかにすることである。

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本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第 2 節 調査範囲

調査範囲を示す技術俯瞰図を図 1-1 に示す。本調査では、情報端末の筐体・ユーザイン

ターフェースのハードウェアに関する技術を調査範囲とし、以下に示す「適用対象」、「課

題」、「構造・製法・材料等の特徴」、及び「部品」に着目して調査した。

図 1-1 情報端末の筐体・ユーザインターフェースの技術俯瞰図

第 3 節 調査の方法

本調査では、特許動向、市場環境及び政策動向の 3 つの側面から調査を行った。特許

動向調査の結果を主体とし、これと他の 2 つの調査結果に基づく総合分析を行うことに

より日本が目指すべき技術開発・研究開発に関する提言を導出した。

情報端末の種別

2.課題

低コスト化

生産性向上、部品価格低減、その他の低コスト化

1.適用対象

ノートPCスマートフォン タブレット

その他フィーチャーフォンウェアラブル端末

4.部品

3.構造・製法・材料等の特徴

品質向上

通信品質向上、信頼性向上、音質向上、雑音除去、その他の品質向上

堅牢性・安全性防塵・防水、耐久性向上、耐衝撃性向上、熱対策、安全性、セキュリティ、盗難防止、その他の堅牢性

特定者用高齢者用、子供用、障害者用、その他特定者用

付加価値向上快適性、娯楽性、軽量化、小型化、薄型化、美観の向上

機能向上機能拡張、衛生・清浄、持久力、機能変更の容易化、視認性の向上、他装置との連携

操作性向上誤操作防止、操作簡易化、非接触での操作、持ちやすさ、文字入力、操作の確実化/高精度化、その他操作課題

情報端末の形状2筐体で構成ウェアラブル型 ストレート型

形状不特定その他3筐体以上で構成

その他

課題なし

形状・構造に関する特徴凹凸、湾曲、触感の変化、分割構造、電池の収容メモリカードの収容、SIMカードの収容その他の構造上の特徴(例えば、剛性の確保、空間の確保、スリット、電磁波対策、等)

製造方法に関する特徴

成形、接合、配線、その他

材料・材質に関する特徴サファイアグラス、CFRP・カーボンナノチューブ、フィルム・膜、配線用インク、その他

その他

筐体部品《本体、カバー、把手類(端末を持つための部品、部分)、電池、アンテナ、》に関する特徴、その他の筐体部品に特徴

入力部品《キー(キーボード)、スイッチ、ボタン類、ポインティングデバイス類、マイク、カメラ、センサ、その他の入力部品》に関する特徴

出力部品《ディスプレイ、スピーカ、バイブレータ、その他の出力部品》に関する特徴

タッチパネルタッチパネルに関する特徴

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要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

第 2 章 市場動向

第 1 節 調査概要

市場環境調査では、「筐体・ユーザインターフェース」技術に関する情報端末製品、EMS

(Electronic Manufacturing Services)企業、電子部品、電子材料の 4 つのカテゴリで、

市場環境の動向、具体的には、市場の成長性、主要メーカーのシェアの動向について調

査を行い、市場からみた各市場での主要企業を明らかにすることを目的とする。

情報端末製品、EMS 企業、電子部品、電子材料の各市場カテゴリで、調査対象とする

製品等を以下に示す。

情報端末製品:スマートフォン、フィーチャーフォン、タブレット、ノート PC、

ウェアラブル端末

EMS 企業:上記情報端末製品のメーカーから生産委託を受ける企業

電子部品:大型 TFT(薄膜トランジスタ)、中小型 TFT、静電容量式タッチパネル、

カメラモジュール

電子材料:タッチパネル向け ITO(インジウム・スズ酸化物)フィルム

第 2 節 情報端末市場

1. 全体市場動向

情報端末に含まれる、スマートフォン、フィーチャーフォン、タブレット、ノート PC、

ウェアラブル端末の各市場動向については、次節以降に個々に調査結果を示すが、本節

では、これらの製品の概要と生産台数からみた情報端末市場の全体動向について示す。

2. 情報端末の製品概要

情報端末として取り上げる、スマートフォン、フィーチャーフォン、タブレット、ノ

ート PC、ウェアラブル端末の各製品概要について概括する。

(1) フィーチャーフォン

フィーチャーフォンは次項で説明するスマートフォンに対比して従来型の携帯電話

機に対する名称であるが、携帯電話サービスの歴史は古く、1970 年に日本万国博覧会

に出展されたワイヤレスフォンが最初とされている。

その後、端末のポータブル化や小型化が進み、液晶ディスプレイの搭載やインター

ネットへの接続などの多機能化が進んだ。

2007 年にアップル社から iPhone が発売され、携帯電話でのスマートフォンの普及

が進むにつれ、フィーチャーフォンの需要は減少してきている。

(2) スマートフォン

スマートフォンは、1990 年代に製品化されたポータブルサイズの情報機器である

PDA(Personal Digital Assistant)と携帯電話機能が融合した情報端末として市場に

登場し、特にアップル社が 2007 年に発売した iPhone によって普及が促進した。

現在のスマートフォン製品は、その OS プラットフォームから、アップル社の iOS

と、Google 社の Android1とほぼ二分されている。

1 Android は 2007 年 11 月に発表された。

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要約

第1部

第2部

第3部

(3) ノート PC

ノート PC は、持ち運びができるパーソナルコンピュータとして、1989 年に東芝、

エプソン、NEC から製品化され、1991 年にはアップル社からも発売された。

その後、ノート PC の普及が進んだが、価格も下がり 2004 年にはレノボ社が IBM 社

の PC 事業部門を買収し、事業の再編なども行われた。

(4) タブレット

タブレットは、板状のタブレット形態の情報端末で、2010 年にアップル社より iPad

が発売され、また、スマートフォンプラットフォームである Android OSを採用された、

タブレット端末も発売された。

また、アマゾン社は、電子書籍のリーダーとしての Kindle 端末を 2007 年に市場に

投入している。

(5) ウェアラブル端末

ウェアラブル端末には、人間が身に着けて携帯する端末として、腕時計型やリスト

バンド型、眼鏡型などの端末がある。

2015 年にアップル社が Apple Watch を市場に投入し、注目を浴びた。

ウェアラブル端末の市場はまだ黎明期ではあるが、今後、大きく成長することが期

待されている。

フィーチャーフォン、スマートフォン、ノート PC、タブレット、ウェアラブル端末の

5 種類の情報端末の内、スマートフォンやタブレット端末の市場では、アップル社の製

品が各市場の成長に大きな影響を与えてきている。

アップル社のスマートフォン、タブレット等の発売時期を表 2-1 に示す。

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要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

表 2-1 アップル社の主要製品の発売時期

分類 製品 発売時期

スマートフォン iPhone 2007 年

iPhone 3G 2008 年

iPhone 3GS 2009 年

iPhone 4 2010 年

iPhone 4S 2011 年

iPhone 5 2012 年

iPhone 5c / 5s 2013 年

iPhone 6 / 6 Plus 2014 年

iPhone 6s / 6s Plus 2015 年

タブレット iPad 2010 年

iPad 2 2011 年

iPad (3rd / 4th) / iPad mini 2012 年

iPad Air / iPad mini2 2013 年

iPad Air2 / iPad mini3 2014 年

iPad Pro / iPad mini4 2015 年

ウェアラブル端末 Apple Watch 2014 年

(出典:アップル社ニュースリリースを基に作成)

3. 情報端末の市場規模の推移

スマートフォン、フィーチャーフォン、タブレット、ノート PC の生産台数を合計した

情報端末の市場規模の推移を図 2-1 に示す。

スマートフォン、フィーチャーフォン、タブレット、ノート PC を合計した市場規模は、

23 億台(2014 年)から 26 億台(2020 年)と年平均 2%で成長する。中でもスマートフ

ォンの成長が著しい一方、フィーチャーフォン、ノート PC の市場規模は縮小する。

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要約

第1部

第2部

第3部

図 2-1 情報端末の市場規模(生産台数)

(出典:富士キメラ総研、2015 ワールドワイドエレクトロニクス市場総調査、2015 年 3 月、をもとに作成)

4. 情報端末の地域別需要台数と生産台数

情報端末全体の市場として、地域別に見た需要地と、生産地域をそれぞれ、図 2-2、

図 2-3 に示す。

情報端末の地域別需要地は、中国、アジア、欧州、北米が主要な市場となっており、

それぞれ 25%、24%、18%、13%のシェアとなっており、中国、アジアで全体市場の約

50%の市場規模を有する。

情報端末の生産地域から見ると、中国が全体の 72%、アジアが全体の 23%と両国・地

域で全体の 95%の生産を行っており、生産地域は中国、アジアに集中していることが分

かる。

図 2-2 地域別情報端末需要台数(2014 年)

(出典:富士キメラ総研、2015 ワールドワイドエレクトロニクス市場総調査、2015 年 3 月、をもとに作成)

0

500,000

1,000,000

1,500,000

2,000,000

2,500,000

3,000,000

2013年

(実績)

2014年

(実績)

2015年

(見込)

2016年

(予測)

2017年

(予測)

2018年

(予測)

2019年

(予測)

2020年

(予測)

情報端末の市場規模(生産台数)

スマートフォン フィーチャーフォン タブレット ノートPC

(単位:1000台)

中国

25%

アジア

24%欧州

18%

北米

13%

中南米

10%

日本

2%その他

8%

地域別情報端末需要台数(2014年(実績))

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第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

図 2-3 地域別情報端末生産台数(2014 年)

(出典:富士キメラ総研、2015 ワールドワイドエレクトロニクス市場総調査、2015 年 3 月、をもとに作成)

第 3 節 市場別の主要企業のまとめ

本節では、情報端末市場、EMS 市場、電子部品市場、電子材料市場での主要な企業を

各市場でのシェアの情報をもとに整理した。

1. 情報端末市場の主要企業

スマートフォン、タブレット、フィーチャーフォン、ノート PC の各端末での世界市場

でのシェアの数値をもとに、各企業間の相対的な市場の強さを求めて、整理分析した。

「市場での強さ」は、市場でのマーケットシェアを基に企業の強さを相対的に表すも

ので、トップシェアの企業のシェアの値を 10 として正規化して計算している。(例:シ

ェア 30%の A 社とシェア 21%の B 社の場合は、A 社、B 社の市場の強さの値はそれぞれ、

「10」、「7」となる)表 2-2 に、各企業の国籍・地域で整理し、また、各端末別に市場

で強い企業の整理結果を示す。

スマートフォン、タブレットの今後も成長が期待されている端末市場では、アップル

(米国)、三星電子(韓国)が、市場で強いものの、中国の各企業も、1 社 1 社はそれほど

強くないものの、スマートフォン市場での主要企業の一角を占めている。

また、今後の成長が鈍化するフィーチャーフォンやノート PC の端末市場では、

Microsoft Mobile (NOKIA)、HP、Dell などの米国企業や、レノボ(中国)が各市場で強

いが、レノボのノート PC 事業が、もともと IBM から事業を譲り受けたことを考えると、

これまで市場で強みを発揮していた米国系企業が現在も市場で強いことがわかる。

中国

72%

アジア

23%

中南米

3%

欧州

1%日本

1%北米

0%

地域別情報端末生産台数(2014年(実績))

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表 2-2 情報端末市場での主要企業(国籍・地域別、端末別)

国籍・

地域 企業名

市場での強さ(注)

スマートフ

ォン タブレット

フィーチャ

ーフォン ノート PC

中国

レノボ 3 3

10

華為 3

小米 2

ZTE 2

酷派 2

台湾 ASUSTek

1

6

Acer

1

5

韓国 三星電子 10 4 8

LG エレクトロニクス 2

インド

Micromax

5

LAVA

2

Karbonn

3

米国

アップル 7 10

Microsoft Mobile (NOKIA) 2

10

HP

10

Dell

7

アマゾン

3

Google

2

Microsoft

1

日本 ソニーモバイルコミュニケ

ーションズ 2

(注)「市場での強さ」は、市場でのマーケットシェアを基に企業の強さを相対的に表すもので、トップシ

ェアの企業のシェアの値を 10 として正規化して計算している。(例:シェア 30%の A 社とシェア 21%の B

社の場合は、A 社、B 社の市場の強さの値はそれぞれ、「10」、「7」となる)

2. 電子部品市場の主要企業

電子部品市場での主要企業は、TFT やタッチパネル等の TFT・パネル系の部品とカメラ

モジュールの 2 つの分野に分けて整理分析を行った。そのうち、TFT・パネル系部品分野

での主要企業を表 2-3 に示す。

TFT・パネル系部品分野では、韓国系企業、台湾系企業が強く、特に、LG Display や

三星電子 Display、Innolux、AUO、TPK が強い。

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第1部

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第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

表 2-3 電子部品市場(TFT・パネル系部品)での主要企業(国籍・地域別、端末別)

国籍・

地域 企業名

市場での強さ

大型 TFT 中小型 TFT 静電容量式タッ

チパネル

台湾

Innolux 8 7

AUO 5 5

TPK

10

GIS

5

Wintek

4

韓国

LG Display 10 5 2

三星電子 Display 7

10

Melfas

3

日本

シャープ

10

ジャパンディスプレ

イ 7 5

中国 O-film

6

BOE 3

3. 電子材料市場の主要企業

電子材料市場での、主要企業の分析では、タッチパネルの材料となる ITO フィルムの

主要企業の分析を表 2-4 に示す。

ITO フィルム分野では、日本の企業が強く、中でも、日東電工が主要な企業であるこ

とがわかる。

表 2-4 電子材料市場での主要企業(国籍・地域別、端末別)

国籍 メーカー名 市場での強さ

(ITO フィルム)

日本 日東電工 10.0

日本 尾池工業 1.8

日本 積水ナノコート 0.5

中国 O-film 0.9

韓国 SKC Display 0.5

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第2部

第3部

第 3 章 政策動向調査・分析

第 1 節 中国の政策動向

1. 科学技術政策

(1) 科学技術基本方針1

2006 年に中国の科学技術の基本方針となる、「国家中長期科学技術発展計画綱要

2006~2020 年」(2006 年、国務院)が策定され、2006 年から 2020 年までの 15 年間の

科学技術基本方針が策定されている。

本計画概要では、「自主イノベーション能力の向上」、「コア技術・先端技術の適用に

よる課題解決と飛躍的な発展」、「主要な基礎技術・先端技術のブレークスルーによる

持続可能な成長」、「先端技術による新型産業の創出」の 4 項目を重視した方針を策定

しており、2020 年に向けて、自国の特許登録数、学術論文被引用数を世界のトップ 5

にすることなどの数字目標と、その実現のための推進戦略が定められている。

(2) 科学技術に関する現行計画と関連する計画

科学技術基本方針に基づき、科学技術に関する 5 ヵ年計画として、「科学技術第 12

次 5 ヵ年計画」と、その関連計画として、人材育成に関する「国家中長期科学技術人

材育成計画」と科学技術の活用に関する「科学技術体制改革の深化とナショナルイノ

ベーションシステム構築に関する意見」が発表されている。

① 「科学技術第 12 次 5 ヵ年計画(2011~2015 年)」(2011 年、科学技術省)

科学技術第 12次 5ヵ年計画は、イノベーション駆動型の国家への転換を目的として、

2011 年に策定され、2011 年から 2015 年までの 5 ヵ年の科学技術に関する実施計画

を定めている。

同計画では、重点科学研究計画として 6 分野、重点戦略ハイテク領域研究として 10

分野、戦略的新興産業として 7 分野を選定しており、情報端末に関わる情報技術は、

重点戦略ハイテク領域研究の 1 分野に含まれており、重点研究分野の対象となって

いる。

② 『国家中長期科学技術人材育成計画(2010−2020)』(2011 年、科学技術省、教育

省、人的資源•社会保証省等)

中国は、(1)で述べた科学技術に関する 5 ヵ年計画に加え、「人材強国」戦略のもと、

イノベーション駆動型国家実現に資する人材育成の支援を目的とする、国家中長期

科学技術人材育成計画(2010−2020)を 2010 年から 2020 年の 10 か年の計画を策定

している。

③ 『科学技術体制改革の深化とナショナルイノベーションシステム構築に関する意

見』(2012 年、科学技術省)

科学技術の成果を活用した経済社会の発展を目的として、2012 年に「科学技術体制

改革の深化とナショナルイノベーションシステム構築に関する意見」が表明された。

本意見は、イノベーションシステムの目標として、企業を R&D の中心に据えること、

イノベーション能力向上のため、国立研究機構と大学の科学研究体制を改革など 5

1 林幸秀著、JST 研究開発センター、海外主要国の科学技術イノベーション政策、

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu22/siryo/__icsFiles/afieldfile/2014/08/08/1

350746_2_1.pdf、2014 年 8 月 6 日、科学技術・学術審議会総合政策特別委員会(第 2 回)資料 1-3

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第3部

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資料編

第6部

項目を設定しており、科学技術の発展を経済社会の発展につなげることをねらいに

している。

2. 電子情報通信分野の政策1

産業政策の内、電子情報通信分野の政策として、電子情報製造業「第 12 次 5 ヵ年」計

画(工業・情報化部)2がある。

本計画の前に実施された、2006 年から 2010 年にわたる 5 ヵ年計画である、電子情報

製造業の「第 11 次 5 ヵ年」計画のもとでは、中国の電子情報製造業の販売収入が、2005

年の 3 兆 1010 億元から 2010 年には 6 兆 3945 億元に増加するなど大きな成果を残した。

一方、同産業分野において、基幹となる核心技術を外国に依存している、産業全体の

バリューチェーンが中・低級品に偏っている、OEM(他社ブランド製品の製造)ならびに

加工貿易の占める割合が高い、研究開発への資源の投入が先進国と比べて弱い、などの

課題も明らかになった。

2011 年から 2015 年の 5 ヵ年の計画として策定された電子情報製造業「第 12 次 5 ヵ年

計画」では、第 11 次の計画時の課題を解決しつつ、さらなる産業の育成を狙いとして、

電子製造業の販売収入や付加価値の向上などの目標を設定している。特に、イノベーシ

ョンに関する目標として、上位 100社の研究開発費の販売収入に占める割合を 5%以上、

情報技術分野での発明特許の申請累積件数を 130 万件にするなど、特許の位置づけを高

くしている。

また、本計画では、コンピュータや通信設備を含む 11 の重点開発項目を設定し、競争

力の強化や新たな成長分野の育成など 8 項目の主務任務を設定している。

3. 知財戦略

(1) 国家知的財産権戦略綱要(2008 年 6 月)3

2008 年に中国の総合的な知財戦略として策定された国家知的財産権戦略綱要では、

イノベーション型国家の構築等を目指して、5 年以内に知的財産侵害行為を減少させ、

2020 年には、知的財産の創造、活用の水準が比較的高い国となること等を掲げ、また、

この戦略の実行計画として、毎年、知的財産権の保護面に重点を置いた措置のための

計画である中国知的財産権保護行動計画と知的財産の創造、運用、保護、管理など幅

広い項目に関する措置のための計画である国家知的財財産権戦略実施推進計画を策定

することとしている。

① 国家知的財産権戦略綱要の目標

国家知的財産権戦略綱要では、5 年以内の実現目標として、知的財産保護の状況を

明らかに改善すること、世界トップクラスの権利付与状況を作り出すこと、侵害行

為の減少を図ること、権利擁護コストを低下させることの 4 つの目標を設定してい

る。

1 JST 中国総合交流センター、中国の科学技術の現状と動向(平成 27 年版)2015 年 3 月より

http://www.spc.jst.go.jp/investigation/downloads/r_201503_06.pdf 2 同計画に合わせて、「電子基礎材料・基幹部品『第 12 次 5 ヵ年』計画」、「電子専用設備器具『第 12 次 5

ヵ年』計画」、「デジタルテレビ・デジタル家庭産業『第 12 次 5 ヵ年』計画」の付属計画がある 3 政府模倣品・海賊版対策総合窓口、模倣品・海賊版対策の相談業務に関する年次報告、

http://www.meti.go.jp/press/2014/06/20140625002/20140625002-3.pdf、別添第 3 章、2015 年 6 月より

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本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

また、2020 年までの達成目標として、知的財産権の創造・活用・保護・管理のレベ

ルを比較的高い国の水準へと整備することを挙げている。

② 国家知的財産権戦略綱要の重点戦略

国家知的財産権戦略綱要はその重点戦略として次の 5 項目を選定している。

イ) 法律・法規・法執行・管理体制の整備

ロ) 知的財産権の創造と活用の促進

ハ) 知的財産権の保護強化

ニ) 権利の濫用防止

ホ) 知的財産文化の育成

③ 国家知的財産権戦略綱要の権利別方針

国家知的財産権戦略綱要は、特許、商標、著作権、営業秘密、植物新品種、地理的

表示・遺伝資源等の特定領域の知的財産権、国防関係知的財産権に関する法制度の

整備や取締り等の方針を明示することとしている。

④ 国家知的財産権戦略綱要の戦略的措置

国家知的財産権戦略綱要は、大学から企業への移転・活用の奨励、知財専門法廷設

置、刑事救済等の法執行水準の向上、知的財産重視の文化の醸成・教育での啓発等

を含む 9 項目の戦略的措置を設定している。

(2) 全国専利事業発展戦略(2011~2020)(2011 年 1 月)1

2011 年から 2020 年までの 10 年間の専利に関する事業戦略として、2011 年 1 月に全

国専利事業発展戦略が策定されている。

本戦略では、具体的な達成目標を掲げており、2020 年までに、専利に関する創造性

の程度、運用、管理レベルを、ともに先進国レベルに引き上げ、百万人当たりの特許

保有数量、中国外への専利出願数量とも 2011 年時点の 4 倍とすることや、2015 年ま

での達成目標として、専利の出願数量の 200 万件到達、登録数量世界 2 位、百万人当

たりの特許保有数量と中国外への専利出願数量 2011 年比 2 倍、専利審査レベルの引き

上げ、専利の保護強化を含む 5 項目の目標を挙げ、専利事業の推進を図っており、2013

年には、専利(特許・実用新案・意匠)の出願件数が 237 万件を超えた。

この原動力となったと言われるのが、税制優遇措置、出願補助金/奨励金支給、政府

購買措置、ハイテク技術の産業化の促進等の政府の各種支援策である。

(3) 中国の知的財産の助成・奨励政策

前述の専利出願の原動力となったと言われている、中国の知的財産の助成や奨励政

策について示す。

① 助成・奨励政策の概要2

中国は、国の政策として、知識産権主幹機関としての国家知識産権局により、「特許

出願助成業務に関する指導意見」、「特許出願行為の規範化に関する若干規定」、「特

許費用の減額・支払延期方法」、「知的財産権のモデル業務に関する国家知識産権局

1 日本貿易振興機構(JETRO)北京事務所 知的財産権部、中国政府による専利出願の質向上に向けた施策に

関する調査、http://www.jetro-pkip.org/upload_file/bgs2012/20150310173301.pdf、2015 年 3 月 10 日よ

り 2 ジェトロ北京センター知的財産権部、中国の知的財産における助成・奨励政策、

http://www.jetro-pkip.org/upload_file/201004230950001.pdf、第二章第三章、2010 年 3 月より

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本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

の指導意見」等の関連規定、意見を公布している。

さらに、財政部から「外国特許出願助成特別資金管理暫定弁法」(2009 年)等の規定

が公布され、これらを受け、「中国における地方特許助成政策」として地方行政区単

位で助成政策が施行されている。

② 助成・奨励政策の具体例

上述の政策の例として、北京市(北京市特許出願助成金管理暫定弁法(2007 年))の

政策の主な内容を次に示す。

イ) 特許出願助成金

特許第一出願人が北京市にあり、確かに困難のある業者等を対象とする、国内特

許出願に対する助成として、出願費(950 元/件)、実体審査費(2500 元/件)、国外

特許出願(PCT 出願をする場合)に対する助成として、出願費(1万元/件・国)を

実施している。

ロ) 特許実施資金

特許実施に確かに困難な市内企業を対象として、実用新案では 20 万元以内、発明

特許では 30 万元以内の助成を行う。

(4) ハイテク企業認定管理弁法(2008 年 4 月発布)1

2008 年に発布されたハイテク企業認定管理弁法は、「中華人民共和国企業所得税法」

第 28 条で規定されている「国が重点的に扶助する必要のあるハイテク企業は、税率を

15%に引き下げて企業所得税を徴収する」条項や「中華人民共和国企業所得税法実施

条例」第 93 条で規定されている「ハイテク企業の認定条件」等に対応する関係規定を

整備する(ハイテク企業認定管理弁法 第 1 条)目的で制定されている。

中国が重点的に補助するハイテク企業の選定は、同じく 2008 年に発布されたハイテ

ク企業認定管理作業手引き(2008 年 7 月発布・施行日)2に示されており、いくつかの

指標が定められているが、その中で知財財産権に高い比重が置かれている。

(5) 専利出願の質の向上3

知的財産の助成や奨励政策が実施され、専利の出願件数も増加しているが、一方で、

以下に示すような、専利出願の質を向上させるための取り組みも進められている。

① 専利出願の質を一層向上させることの若干意見(2013 年 12 月)

専利出願の「質」の向上を図る旨の次のような意見が出された。

イ) 質の向上の必要性等

ロ) 質向上のための施策

ハ) 不正な出願等の是正(申請者、代理人等の不正を監督等)

ニ) 専利関連サービスの充実

(データベースの構築、代理人の能力向上、コンテンツ提供等)

ホ) 適切な管理監視体制の構築

1 日本貿易振興機構(ジェトロ)、ハイテク企業認定管理弁法、

https://www.jetro.go.jp/world/asia/cn/law/tax_028.html、Copyright(C)2008 里兆法律事務所より 2 日本貿易振興機構(ジェトロ)、ハイテク企業認定管理作業手引、

https://www.jetro.go.jp/world/asia/cn/law/tax_030.html、Copyright(C)2008 ジョイ・ハンド(開澤)

法律事務所 3 日本貿易振興機構(JETRO)北京事務所 知的財産権部、中国政府による専利出願の質向上に向けた施策に

関する調査、http://www.jetro-pkip.org/upload_file/bgs2012/20150310173301.pdf、2015 年 3 月 10 日

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本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

② 国家知識産業戦略実施推進企画(2014 年)

2014 年に発表された国家知識産業戦略実施推進企画では、これまでの専利助成制度

の専利出願の質の向上を念頭に置いて、次のような改善点について示されている。

イ) 出願時の助成を登録時の助成に変更

ロ) 企業や個人の不正行為を防止するために、助成金上限額を厳しく設定

ハ) 専利が製品化に繋がるように指導

ニ) 専利の助成や奨励対象について公開される評審を活用

ホ) 数量のみを重視することなく、質及び製品化する場合の価値等で専利を評価

し、助成や奨励金を定めるべき

(6) 法令の整備状況1

中国では、知的財産の助成や奨励策が進められている一方、知的財産の権利侵害関

係の処罰の強化や、冒認出願対策の強化など、不正を排除するための知財関連法令の

整備も進められている。

これらの法令の整備状況について、その一部を示す。

① 専利法関連の改正(2008 年改正、2009 年施行)

権利侵害関係について行政処罰の強化や、賠償金額の範囲の引き上げ等が規定され

た。さらに、「知的財産権侵害および模倣品・粗悪品の製造・販売の摘発活動の更な

る徹底に関する意見」(2011 年、国務院)における、権利侵害及び模倣品・粗悪品

関連行為を効果的に摘発するために法制度を強化すべきとの指摘を踏まえて、2012

年 8 月及び 2015 年 4 月に、専利法改正草案がそれぞれ公表され、国務院法制弁公室

において改正案が検討されている。

② 知的財産権保護税関保護条例実施弁法の改正(2009 年改正、同年施行)

税関における知的財産保護の強化を図るため、職権による調査権限や侵害品の輸出

入者の公安当局への移送等を強化した。

第 2 節 各国・地域の政策のまとめ

前節に示した中国の施策とともに、各国・地域の政策を 2004 年から時系列的に整理し

た内容を図 3-1 に示す。

台湾では、2008 年の六大新興産業方案をはじめとする産業政策と共に、台湾・中国と

の両岸産業架け橋プロジェクトが開始され、2010 年には、中台経済関係を規定するため

の基本協議である ECFA(Economic Cooperation Framework Agreement)が締結されている。

日本、欧州、韓国では、それぞれ 2014 年に科学技術分野や産業政策が新たに策定され

て、それらの計画が進められている。

米国では、2011 年より、米国競争力イノベーション戦略が改訂され、先進製造に関す

る施策が開始されている。

1 政府模倣品・海賊版対策総合窓口、模倣品・海賊版対策の相談業務に関する年次報告、

http://www.meti.go.jp/press/2014/06/20140625002/20140625002-3.pdf、別添第 3 章、2015 年 6 月より

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本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

図 3-1 各国・地域の政策動向

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

  

  

 ●

知的

財産

助成

・奨

励政

策の

実施

●専利出願の質を一層向上させることの若干意見(2013)

●ハ

イテ

ク企

業認

定管

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法(2

008)

●国

家知

識産

業戦

略実

施推

進企

画(2

014)

●専

利法

関連

の改

正●

著作

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の改

正●

商標

法の

改正

●知

的財

産権

保護

税関

保護

条例

実施

弁法

の改

正●

権利

侵害

責任

法●

公安

機関

の管

轄す

る刑

事案

件の

立件

訴追

基準

に関

する

規定

の改

中国

国家

中長

期科

学技

術発

展計

画綱

要(2006-

2020)

第10次

5ヵ

年計

画第

11次

5ヵ

年計

画(2006-2010)

第12次

5ヵ

年計

画(2011-2015)

電子

情報

製造

業第

11次

5ヵ

年計

画(2006-2010)

電子

情報

製造

業「第

12次

5ヵ

年」計

画(2011-2015)

国家

中長

期科

学技

術人

材育

成計

画(2010−

2020)

全国

専利

事業

発展

戦略

(2011~

2020)

●国

家知

的財

産権

戦略

綱要

(2008)

台湾

産業

創新

条例 産

業発

展綱

経済

部2020重

点産

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展戦

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両岸

産業

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ト(2008~

日本

第2期

科学

技術

基本

計画

第3期

科学

技術

基本

計画

(2006-2010)

第4期

科学

技術

基本

計画

(2011-2015)

科学

技術

イノ

ベー

ション

総合

戦略

2014

日本

再興

戦略

(2014)

欧州

第6次

フレ

ーム

ワー

ク計

画(2

002-06)

第7次

フレ

ーム

ワー

ク計

画(2007-2013) (

532億

ユー

ロ)

Horizo

n 2

020(2

014-2020)

(770億

ユー

ロ)

先進

製造

分野

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米国

米国

競争

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米国

競争

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米国

競争

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戦略

(2011年

改訂

)M

ake: An A

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Move

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先進

製造

パー

トナ

ーシ

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(AM

P)

第12次

計画

(2012-2017)

科学

技術

政策

2003

科学

・技

術・イ

ノベ

ーシ

ョン

政策

2013

第2次

科学

技術

基本

計画

(577イ

ニシ

アテ

ィブ

)第

3次

科学

技術

基本

計画

(2013-2017)

第4次

産業

技術

革新

五カ

年計

画第

5次

産業

技術

革新

5カ

年計

画第

6次

産業

技術

革新

五カ

年計

画(2014-2018)

韓国

第1次

科学

技術

基本

計画

(2003-2007)

イン

ド第

10次

計画

第11次

計画

知財

関連

の動

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本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第 4 章 特許・実用新案出願動向

第 1 節 概要

本調査では、情報端末の筐体及びユーザインターフェースのハードウェアに関する技

術1を調査対象技術として、特許・実用新案動向調査について、大きく 3 種類の調査分析

を実施した。第 1 は「日米欧中韓印台への特許出願(登録特許)に関する動向調査」であ

り、第 2 は「中国への出願に関する動向調査」であり、第 3 は「中国における特許出願・

登録実用新案の無効審判状況に関する調査」である。

第 2 節 各調査の概要・留意点

1. 日米欧中韓印台への特許出願(登録特許)に関する動向調査の概要

調査対象技術について、検索により抽出される文献の件数に基づき、PCT(特許協力条

約)に基づく国際出願及び日本、米国、欧州2、中国、韓国、印度、台湾(以下、日米欧

中韓印台と略することがある)への特許出願(登録特許)の全体動向及び日米欧中韓印

台への特許出願(登録特許)の技術区分別動向について調査した。

(1) 使用したデータベース

特許文献情報の検索には、トムソンロイター社のトムソン・イノベーションを用い

た。

(2) 調査対象期間

出願年(優先権主張年)を基準に、2004 年から 2013 年の期間に出願されたものを

対象とした。

2. 中国への出願に関する動向調査の概要

調査対象技術について、検索により抽出した文献ごとに実施した読込調査による詳細

解析に基づき、中国への出願に関する全体動向及び技術区分別動向、出願人別動向、注

目出願人、注目特許等を調査した。また、注目特許について個別の分析を行った。

(1) 使用したデータベース及び調査対象期間

前述 1.(1)、(2)と同様である。

(2) 詳細解析に用いた技術区分と分類方法

検索により抽出した文献について、読込調査を行い、調査対象技術に含まれない文

献を除外し、結果として得られた特許 14,502 件と実用新案 7,354 件に対し、表 4-1~

表 4-5 に示す技術区分(適用対象、課題、構造・製法・材料等の特徴、部品の属性の特

徴)に基づいて分類した。その際、個々の技術区分の中で、1 件の特許文献、実用新案

文献に複数の分類を付与することを許している。

1 ソフトウェアにのみに特徴があるようなユーザインターフェース技術については、本調査の対象外として

いる。 2 欧州への特許出願とは、EPC(欧州特許条約)加盟国への出願及び欧州特許庁(EPO)への特許出願を意味する。

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本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

表 4-1 情報端末の種別

表 4-2 情報端末の形状

表 4-3 解決しようとしている課題

大項目 中項目

スマートフォン

タブレット

ノートPC

ウェアラブル端末

フィーチャーフォン

その他

情報端末の種別

大項目 中項目

ウェアラブル型

ストレート型(1筐体で構成)

2筐体で構成

3筐体以上で構成

その他

形状不特定

情報端末の形状

大項目 小項目 大項目 小項目

品質向上 通信品質向上 機能向上 機能拡張

信頼性向上 衛生・清浄

音質向上 持久力

雑音除去 機能変更の容易化

その他の品質向上 視認性の向上

低コスト化等 生産性向上 他装置との連携

部品価格低減 操作性向上 誤操作防止

その他の低コスト化 操作簡易化

堅牢性・安全性 防塵・防水 非接触での操作

耐久性向上 持ちやすさ

耐衝撃性向上 文字入力

熱対策 操作の確実化/高精度化

安全性 その他操作性課題

セキュリティ 特定者用 高齢者用

盗難防止 子供用

その他の堅牢性 障害者用

付加価値向上 快適性 その他特定者用

娯楽性 その他

軽量化 課題なし

小型化

薄型化

美観の向上

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本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

表 4-4 構造・製法・材料等の特徴

表 4-5 部品の属性

大項目 小項目

凹凸

湾曲

触感の変化

分割構造

電池の収容

メモリカードの収容

SIMカードの収容

その他の構造上の特徴(例えば、剛性の確保、空間の確保、スリット、電磁波対策等)

成形

接合

配線

その他

サファイアグラス

CFRP・カーボンナノチューブ

フィルム・膜

配線用インク

その他

形状・構造に関する特徴

製造方法に関する特徴

材料・材質に関する特徴

大項目 中項目 小項目

筐体部品 本体に関する特徴

カバーに関する特徴

電池に関する特徴

アンテナに関する特徴

その他の筐体部品に特徴

入力部品 キー(キーボード)、スイッチ、ボタン類に関する特徴

タッチパッド

マウス

その他のポインティングデバイス類

マイクに関する特徴

カメラに関する特徴

センサに関する特徴 指紋センサ

生体(血圧、体温、脈拍等)センサ

その他のセンサ類

その他の入力部品に関する特徴

出力部品 ディスプレイに関する特徴

スピーカに関する特徴

バイブレータに関する特徴

その他の出力部品に関する特徴

タッチパネル タッチパネルに関する特徴

把手類(端末を持つための部品、部分)に関する特徴

ポインティングデバイス類に関する特徴

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本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

3. 中国における特許出願・登録実用新案の無効審判状況に関する調査の概要

PATENT REEXAMINATION BOARD OF SIPO の審査決定査詢 (中国国家知識産権局が提供

するサービス)等を用いて、調査対象技術に関連する登録特許・登録実用新案について、

無効審判状況に関する調査を行った。

(1) 調査対象

中国国内における無効審判で、IPC コード H04M1、G06F1、G06F3 に分類される特許・

実用新案に関する無効審判のうち、2000 年以降のもので、決定書が閲覧できたものを

対象とした。

(2) 調査の方法

PATENT REEXAMINATION BOARD OF SIPO のサイト1から、IPC コード H04M1、G06F1、

G06F3 に分類される特許・実用新案に関する無効審判の結果を収集した。

4. 分析に当たっての留意点

(1) 調査対象出願についての留意点

調査対象とする母集団は、データ取得日(2015 年 9 月 14 日)までに公開等された

特許文献、実用新案文献である。出願から公開までの期間、あるいは PCT 出願後の国

内移行までの期間、データベースへの収録の遅れの影響等から、直近の出願件数につ

いては必ずしも実数を反映していない可能性がある点に注意が必要である。

また、登録件数については、データ収録の問題に加えて、審査中あるいは審査請求

前の特許が存在することから、近年のデータについては今後増加する可能性がある点

に注意が必要である。

(2) 出願人について

① 検索による解析の対象

「検索による解析」における出願人国籍・地域の特定は、原則として優先権主張に

おける第 1 国出願国を出願人国籍・地域とすることとした。第 1 国出願国が特定で

きない場合は、出願人名や出願人住所などのその他の情報から出願人国籍・地域を

特定した。

② 詳細解析の対象

「詳細解析」における出願人国籍・地域の特定は、原則として出願人住所に記載さ

れた国とした。例えば、海外の企業が、中国に現地法人を設立し、出願人住所をそ

の中国現地法人のもので出願している特許出願は、中国籍出願人による特許出願と

して扱っている。出願人住所が不明な場合は、使用したデータベースであるトムソ

ン・イノベーションにおいて出願人名から求められる DWPI 出願人コードから企業名

を特定し、その企業の本社所在地の国を出願人国籍・地域とした。これでも出願人

国籍・地域が特定できない場合は、検索による解析に基づく動向調査で特定した出

願人国籍・地域を用いた。

③ 優先権主張年について

本調査においては、特許及び実用新案の出願年として、使用したデータベースであ

るトムソン・イノベーションにおける最先の優先権主張年を用いた。最先の優先権

1 http://app.sipo-reexam.gov.cn/reexam_out/searchdoc/search.jsp

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本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

主張年とは、ファミリーを構成する特許及び実用新案のうち出願日が最も古いもの

の出願年を指す。ファミリーがない特許あるいは実用新案については、当該特許あ

るいは実用新案の出願年を指す。

第 3 節 日米欧中韓印台への特許出願(登録特許)に関する動向調査

(1) [PCT 出願]出願人国籍・地域別 PCT 出願件数推移及び出願件数比率

図 4-1 に、日本、米国、欧州、中国、韓国、印度、台湾の各国・地域籍に関する、

出願人国籍・地域別の PCT 出願件数推移及び出願件数比率を示す。

2013 年は減少しているものの、調査期間を通して出願件数はほぼ単調に増大してい

る。日本と米国からの出願が 30%以上の比率を有し抜きん出ているが、2010 年以降は

米国からの出願件数の伸びが著しい。

図 4-1 [PCT 出願]出願人国籍・地域別 PCT 出願件数推移及び出願件数比率

(2) [出願先:日米欧中韓印台] 出願先国・地域別出願件数推移及び出願件数比率

図 4-2 に、日本、米国、欧州、中国、韓国、印度、台湾の各国・地域に関する、出

願先国・地域別の特許出願件数推移及び出願件数比率を示す。

米国への出願が約 30%と最も多く、次いで日本への出願が約 20%と続く。中国への出

願は 17.5%と第 3 位を占めている。日本への出願件数は、2006 年までは米国への出願

件数と 1 位 2 位を争っていたが 2007 年以降は米国への出願件数に引き離され、2010

年以降は中国への出願件数と拮抗している。

図 4-2 [出願先:日米欧中韓印台] 出願先国・地域別出願件数推移及び出願件数比率

(3) [出願先:日米欧中韓印台] 出願先国・地域別登録件数推移及び登録件数比率

図 4-3 に、日本、米国、欧州、中国、韓国、印度、台湾の各国・地域に関する、出

661 652

794

991

1,166 1,179

1,330

1,675

2,103

1,803

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年

出願先国・地域別出願件数

出願年(優先権主張年)

日本 米国 欧州 中国 韓国 印度 台湾 その他 合計

優先権主張

2004-2013年

出願人国籍・地域

合計出願件数

日本国籍

3,772件

30.5%

米国籍

4,241件

34.3%

欧州国籍

1,949件

15.8%

中国籍

460件

3.7%

韓国籍

1,317件

10.7%

印度国籍

20件

0.2%

台湾籍

27件

0.2%

その他

568件

4.6%

合計

12,354件

7,783 7,445 8,027

9,616

11,387 11,842 11,808

13,689 15,197

11,130

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

16,000

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

4,500

5,000

2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年

出願先国・地域別出願件数

出願年(優先権主張年)

日本 米国 欧州 中国 韓国 印度 台湾 合計

優先権主張

2004-2013年

出願先国・地域

合計出願件数

日本

21,428件

19.9%

米国

31,085件

28.8%欧州

13,810件

12.8%

中国

18,863件

17.5%

韓国

13,798件

12.8%

印度

1,483件

1.4%

台湾

7,457件

6.9%

合計

107,924件

注:2012年以降は、データベース収録の遅れやPCT出願の各国移行のずれ等により、全データを反映していない可能性がある。

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- 21 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

願先国・地域別の特許登録件数推移及び登録件数比率を示す。

米国での登録が約 34%と最も多く、次いで日本での登録が約 20%と続く。中国での登

録は約 13%で第 4 位を占めている。調査期間を通して米国での登録件数が多く、次に

日本での登録件数が多い。

図 4-3 [出願先:日米欧中韓印台] 出願先国・地域別登録件数推移及び登録件数比率

(4) [出願先:日米欧中韓印台] 出願人国籍・地域別出願件数推移及び出願件数比率

図 4-4 に、日本、米国、欧州、中国、韓国、印度、台湾の各国・地域に関する、出

願人国籍・地域別の特許出願件数推移及び出願件数比率を示す。

出願人国籍・地域では、日本国籍が 30%を超えており、米国籍が 19.5%、韓国籍が

18.9%で続いている。日本国籍は、調査期間中 2012 年までは首位を維持しているもの

の、近年は韓国籍の出願人による出願件数が増加しており、未確定な値ではあるもの

の 2013 年では韓国籍が日本国籍を抜いて出願件数で首位となっている。

図 4-4 [出願先:日米欧中韓印台] 出願人国籍・地域別出願件数推移及び出願件数推移

(5) [出願先:日米欧中韓印台] 出願先国・地域別-出願人国籍・地域別出願件数収支

図 4-5 に、日本、米国、欧州、中国、韓国、印度、台湾の各国・地域に関する、出

願先国・地域別の出願人国籍・地域別特許出願件数収支を示す。

日本国籍、韓国籍及び台湾籍出願人が、米国及び中国への出願を中心に多くの出願

をしている。米国籍出願人も他国へ多く出願しているが、米国籍出願人の日本、韓国

日本

8,100件

20.3%

米国

13,670件

34.2%

欧州

3,027件

7.6%

中国

5,335件

13.3%

韓国

5,501件

13.8%

印度

1,345件

3.4%

台湾

3,007件

7.5%

合計

39,985件出願年(優先権主張年)

798 763 800 1,035 1,143 1,223 1,002 751 379 206

1,203 1,146 1,244 1,533 1,983 1,876 1,775 1,504 1,128 278

554 470 389 367 345 293 246 171 158 34

601 652 640 844 971 794 473 264 85 11

479 540 618 692 713 659 532 538 479 251

105 124 129 182 169 241 169 125 71 30

270 331 257 413 413 343 285 381 261 53

日本

米国

欧州

中国

韓国

印度

台湾

2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年

注:調査時点において審査請求前や審査中の出願が存在するため、2013年に近づくにつれて件数が減少する。

7,783 7,445

8,027

9,616

11,387 11,842 11,808

13,689

15,197

11,130

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

16,000

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

4,500

2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年

出願人国籍・地域別出願件数

出願年(優先権主張年)

日本 米国 欧州 中国 韓国 印度 台湾 その他 合計

優先権主張

2004-2013年

出願人国籍・地域

合計出願件数

日本国籍

34,120件

31.6%

米国籍

21,053件

19.5%欧州国籍

7,556件

7.0%

中国籍

7,160件

6.6%

韓国籍

20,438件

18.9%

印度国籍

84件

0.1%台湾籍

12,985件

12.0%

その他

4,528件

4.2%

合計

107,924件

注:2012年以降は、データベース収録の遅れやPCT出願の各国移行のずれ等により、全データを反映していない

可能性がある。

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- 22 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

及び台湾への出願件数に対し、日本国籍、韓国籍及び台湾籍出願人の米国への出願件

数の方が多い。中国籍出願人の他国への出願件数は少なく、印度国籍出願人を除く各

国・地域籍出願人の中国への出願件数の方が多い。

図 4-5 [出願先:日米欧中韓印台] 出願先国・地域別

-出願人国籍・地域別出願件数収支

(6) [出願先:日米欧中韓印台] 出願人別出願件数上位ランキング

図 4-6 に、日本、米国、欧州、中国、韓国、印度、台湾に関する、出願人別の特許

出願件数上位ランキング(上位 30 位)を示す。

出願件数の 1 位と 2 位は韓国籍の出願人であるが、他の韓国籍出願人はランキング

外となっている。上位 30 位のランキング内に入った出願人の数では、日本国籍の 11

社が最多で、米国籍の 8 社、台湾籍の 5 社が続く。中国籍は 2 社がランキングに入っ

ている。欧州国籍からはフィンランドのノキアが、その他の国籍からはカナダ国籍の

ブラックベリーがランキングに入っているが、印度国籍の出願人はランキングに入っ

ていない。

日本国籍

3,961件

21%

米国籍

2,627件

14%

欧州国籍

962件

5%

中国籍

5,254件

28%

韓国籍

2,435件

13%

印度国籍

3件

0%

台湾籍

3,234件

17%

2%

日本

国籍

1,680

12%

米国籍

1,680件

12%

欧州国籍

485件

4%中国籍

60件

1%

韓国籍

9,538件

69%

印度国籍

2件

0%

台湾籍

156件

1% その他

197件

1%

日本国籍

2,515件

18.2%

米国籍

2,991件

22%

欧州国籍

3,267件

23.7%中国籍

263件

1.9%

韓国籍

2,393件

17.3%

印度国籍

10件

0.1%台湾籍

723件

5.2%その他

1,648件

11.9%

日本国籍

17,491件

82%

米国籍

1,690件

8%

欧州国籍

425件

2%

中国籍

258件

1%

韓国籍

921件

4%

印度国籍

2件

0%

台湾籍

531件

2%その

110件

1%

日本国籍

6,852件

22%

米国籍

10,270件

33%

欧州国籍

1,997件

7%

中国籍

997件

3%

韓国籍

4,641件

15%

印度国籍

27件

0%

台湾籍

4,387件

14%

その他

1,914件

6%

日本

国籍

339件米国

519件

欧州

国籍

205件

中国

31件

186

印度

国籍

40件

13

その

150件

日本国

1,282件

米国籍

1,276件

欧州国

215件中国籍

297件

韓国籍

324件

印度

国籍

0件

台湾籍

3,941件

その他

122件

中国への出願18,863件

韓国への出願13,798件

欧州への出願13,810件

日本への出願21,428件

米国への出願31,085件

1680件

1690件

2991件

2627件

4641件

921件

2393件

2435件

6852件

1680件

2515件

3961件

1997件

485件

425件

962件

997件

60件

258件

263件

優先権主張2004~2013年

台湾への出願7,457件

印度への出願1,483件

339件

1282件

519件

1276件

205件215件

31件

297件186件

324

2件

27件

10件

3件

2件

0件

531件

4387件

723件

3234件

156件

13件

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- 23 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

図 4-6 [出願先:日米欧中韓印台] 出願人別出願件数上位ランキング

第 4 節 中国への出願に関する全体及び技術区分別動向調査

1. 中国への出願に関する全体動向調査

(1) [出願先:中国] [特許] 出願人国籍・地域別出願件数推移及び出願件数比率

図 4-7 に、中国における出願人国籍・地域別の特許出願件数推移及び出願件数比率

を示す。

日本国籍出願人の特許出願は、調査期間開始時期の 2004 年以降 2007 年までは中国

への特許出願件数で首位を保っていたが、2007 年以降は特許出願件数が横ばいとなり

2008 年以降は中国籍出願人に特許出願件数首位の座を明け渡した。中国籍出願人の特

許出願件数は、2008 年に前年比 70%増という急増を見せたものの 2011 年までの特許出

願件数は横ばいであった。しかし、未確定な値ではあるが、2012 年には前年比 40%増、

2013 年には 23%増という急激な特許出願件数の増加を見せている。

順位

出願人名称出願件数

1 三星電子(韓国) 8,8572 LG エレクトロニクス(韓国) 5,8213 ソニー 3,5944 京セラ 3,2475 ブラックベリー(カナダ) 3,1786 鴻海精密工業(台湾) 2,8557 パナソニック 2,7928 アップル(米国) 2,5559 ノキア(フィンランド) 2,268

10 日本電気 2,22511 富士通 2,07412 シャープ 2,06313 マイクロソフト(米国) 1,90314 東芝 1,77715 ソニーモバイル 1,68716 カシオ計算機 1,60517 クアルコム(米国) 1,49818 HTC(台湾) 1,43919 ウィストロン (台湾) 1,12720 レノボ(中国) 1,06021 モトローラ(米国) 1,01922 ヒューレット-パッカード(米国) 89523 奇美電子(台湾) 87124 インテル(米国) 86825 深圳富泰宏精密工業(中国) 86626 セイコーエプソン 83727 日立ディスプレイ 78728 ASUS(台湾) 73429 グーグル(米国) 64430 インプレッション(米国) 635

日米欧中韓印台への出願

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- 24 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

図 4-7 [出願先:中国] [特許] 出願人国籍・地域別出願件数推移及び出願件数比率

(2) [出願先:中国] [特許] 出願人国籍・地域別登録件数推移及び登録件数比率

図 4-8 に、中国における出願人国籍・地域別の特許登録件数推移及び登録件数比率

を示す。

図 4-7 に示した、中国における出願人国籍・地域別の出願件数推移及び出願件数比

率と同様に、登録件数は、日本国籍出願人が 2007 年まで首位であったが、2008 年以

降、中国籍出願人が首位となった。

図 4-8 [出願先:中国] [特許] 出願人国籍・地域別登録件数推移及び登録件数比率

(3) [出願先:中国] [実用新案] 出願人国籍・地域別登録件数推移及び登録件数比率

図 4-9 に、中国における出願人国籍・地域別の実用新案登録件数推移及び登録件数

比率を示す。

中国籍の出願人が登録件数の 90%以上を占めている。

853 984 1,032

1,277

1,551 1,482

1,542

1,860

2,233

1,688

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

1,000

2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年

出願人国籍・地域別出願件数(

件)

出願年(優先権主張年)

日本 米国 欧州 中国 韓国 印度 台湾 その他 合計

優先権主張

2004-2013年

出願先国・地域

合計出願件数(件)

日本国籍

3,053件

21.1%

米国籍

1,833件

12.6%

欧州国籍

959件

6.6%

中国籍

4,642件

32.0%

韓国籍

1,805件

12.4%

印度国籍

6件

0.0%

台湾籍

1,900件

13.1%

その他

304件

2.1%

合計

14,502件

注:2012年以降は、データベース収録の遅れやPCT出願の各国移行のずれ等により、全データを反映していない

可能性がある。

出願年(優先権主張年)

出願人国籍・地域

日本国籍

978件

22.2%

米国籍

641件

14.5%

欧州国籍

182件

4.1%

中国籍

1,195件

27.1%

韓国籍

532件

12.1%

印度国籍

1件

0.0%

台湾籍

778件

17.6%

その他

105件

2.4%

141 107 101 152 150 142 92 53 36 4

79 53 49 69 69 68 102 91 57 4

21 23 21 18 23 20 25 20 10 1

34 69 71 104 259 278 191 111 68 10

76 69 64 46 58 51 55 49 49 15

1

8 70 46 112 113 70 48 154 133 24

15 11 8 14 18 6 14 11 6 2

日本

米国

欧州

中国

韓国

印度

台湾

その他

2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年

優先権主張:2004年-2013年

注:調査時点において審査請求前や審査中の出願が存在するため、2013年に近づくにつれて件数が減少する。

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- 25 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

図 4-9 [出願先:中国] [実用新案] 出願人国籍・地域別登録件数推移及び登録件数比率

2. 中国への出願に関する技術区分別動向調査

本項では、技術区分の端末種別、端末形状、課題軸、構造・製法・材料等の特徴軸、

部品軸の 5 つの内、端末種別、課題軸の特許出願件数、登録実用新案件数の推移を示す。

(1) [出願先:中国] [特許] 技術区分別(端末種別)出願件数推移

図 4-10 に、中国への出願の技術区分別(端末種別)特許出願件数推移を示す。

2006 年以降、スマートフォンに関する出願が最多の特許出願件数となっている。

図 4-10 [出願先:中国] [特許] 技術区分別(端末種別)出願件数推移

(2) [出願先:中国] [特許] 技術区分別(課題軸)出願件数推移

図 4-11 に、中国への出願の技術区分別(課題軸)特許出願件数推移を示す。

調査期間中一貫して、操作性向上に関する特許出願が最も多い。

出願年(優先権主張年)

出願人国籍・地域

日本国籍

87件

1.2%

米国籍

76件

1.0%

欧州国籍

11件

0.1%

中国籍

6,773件

92.1%

韓国籍

60件

0.8%

印度国籍

0件

0.0%

台湾籍

328件

4.5%

その他

19件

0.3%

1 1 1 7 13 18 32 14

1 4 9 6 5 8 26 8 9

1 3 7

62 263 408 512 666 823 1,051 1,465 1,523

3 3 18 13 10 8 5

42 94 48 80 24 3 11 17 9

4 2 5 3 5

日本

米国

欧州

中国

韓国

印度

台湾

その他

2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年

優先権主張:2004年-2013年

1,034

1,393 1,496

1,991

2,322 2,359

2,768

3,287

3,856

2,601

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

4,500

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1,600

2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年

出願年(優先権主張年)

合計出願件数

技術区分別出願件数

スマートフォン タブレット ノートPCウェアラブル端末 フィーチャーフォン その他の情報端末合計

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2003-2014年

端末種別

注:2012年以降は、データベース収録の遅れやPCT出願の各国移行のずれ等により、全データを反映していない可能性がある。

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- 26 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

図 4-11 [出願先:中国] [特許] 技術区分別(課題軸)出願件数推移

(3) [出願先:中国] [実用新案] 技術区分別(端末種別)登録件数推移

図 4-12 に、中国での実用新案登録の技術区分別(端末種別)実用新案登録件数推移

を示す。

2010 年以前は、フィーチャーフォンに関する実用新案登録件数が最も多く、2011

年以降は、スマートフォンに関する実用新案登録件数が最も多い。

図 4-12 [出願先:中国] [実用新案] 技術区分別(端末種別)登録件数推移

992 1,133 1,181

1,424

1,708 1,627

1,740

2,190

2,655

1,985

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

0

100

200

300

400

500

600

700

800

2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年

合計出願件数

技術区分別出願件数

出願年(優先権主張年)

品質向上 低コスト化等 堅牢性・安全性

特定者用 付加価値向上 機能向上

操作性向上 その他の課題 合計

優先権主張

2003-2014年

課題軸

技術区分

優先権主張

2003-2014年

注:2012年以降は、データベース収録の遅れやPCT出願の各国移行のずれ等により、全データを反映していない可能性がある。

0

126

430 527

682

874

1,122

1,559

1,933 1,974

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

1,000

2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年

出願年(優先権主張年)

合計登録件数

技術区分別登録件数

スマートフォン タブレット ノートPC

ウェアラブル端末 フィーチャーフォン その他の情報端末

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2003-2014年

端末種別

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- 27 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

(4) [出願先:中国] [実用新案] 技術区分別(課題軸)登録件数推移

図 4-13 に、中国での実用新案登録の技術区分別(課題軸)実用新案登録件数推移を

示す。

付加価値向上を中心に、堅牢性・安全性、機能向上及び操作性向上に関する実用新

案登録件数が多い。

図 4-13 [出願先:中国] [実用新案] 技術区分別(課題軸)登録件数推移

(5) [出願先:中国、技術区分別] [特許] 出願人国籍・地域別出願件数推移及び出願件

数比率

図 4-14 に、中国への特許出願における技術区分別(端末種別)のうちスマートフォ

ンについて、出願人国籍・地域別特許出願件数推移及び出願件数比率を示す。

日本国籍出願人より中国籍出願人による特許出願件数が多く、値は未確定ながらも

2012 年以降、中国籍出願人の特許出願件数が急増している。

図 4-14 [出願先:中国、スマートフォン] [特許] 出願人国籍・地域別出願件数推移及び

出願件数比率

0 116

411 529

800 777

918

1,390

2,011 1,910

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

0

100

200

300

400

500

600

2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年

出願年(優先権主張年)

合計登録件数

技術区分別登録件数

品質向上 低コスト化等 堅牢性・安全性

特定者用 付加価値向上 機能向上

操作性向上 その他の課題 合計

優先権主張

2003-2014年

課題軸

技術区分

優先権主張

2003-2014年

232 295

367

511

667

798 848

1,119

1,323

942

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年

出願人国籍・地域別出願件数(

件)

出願年(優先権主張年)

日本 米国 欧州 中国 韓国 印度 台湾 その他 合計

優先権主張

2004-2013年

出願人国籍・地域

合計出願件数(件)

日本国籍

1,548件

21.8%

米国籍

1,025件

14.4%

欧州国籍

368件

5.2%

中国籍

1,849件

26.0%

韓国籍

1,053件

14.8%

印度国籍

0件

0.0%

台湾籍

1,113件

15.7%

その他

146件

2.1%

合計

7,102件

注:2012年以降は、データベース収録の遅れやPCT出願の各国移行のずれ等により、全データを反映していない

可能性がある。

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- 28 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第 5 節 中国への出願に関する出願人別動向調査

(1) [出願先:中国] [特許] 出願人別出願件数上位ランキング

図 4-15 に、情報端末の筐体・ユーザインターフェースの中国への出願について、出

願人別の特許出願件数上位ランキングを示す。

国・地域別では、日本からは 11 社が入っており、最も多い。米国からは 6 社、欧州

からは 1 社、中国からは 3 社、韓国からは 2 社、台湾からは 6 社となっている。

上位 30 位中、韓国は、三星電子、LG エレクトロニクスの 2 社のみだが、それぞれ 1

位と 3 位であり、上位 30 社の中でも、特に出願数が多い。また、外国籍・地域企業が

上位を占める一方で、上位 30 位に現れる中国企業は、深圳富泰宏精密工業とレノボ、

TCL の 3 社に留まる。

図 4-15 [出願先:中国] [特許] 出願人別全体出願件数上位ランキング

(2) [出願先:中国] [実用新案] 出願人別登録件数上位ランキング

図 4-16 に、情報端末の筐体・ユーザインターフェースの中国での実用新案登録につ

いて、出願人別の実用新案登録件数上位ランキングを示す。

順位

出願人名称出願件数

1 三星電子(韓国) 9362 鴻海精密工業(台湾) 7893 LG エレクトロニクス(韓国) 6414 ソニー 5805 深圳富泰宏精密工業(中国) 3686 レノボ(中国) 3237 ノキア(フィンランド) 3178 ウィストロン (台湾) 3149 アップル(米国) 289

10 パナソニック 28111 インベンテック(台湾) 22312 日本電気 21913 HTC(台湾) 21414 奇美電子(台湾) 21215 マイクロソフト(米国) 21116 ソニーモバイル 21117 富士通 18818 TCL(中国) 17019 クアルコム(米国) 16120 シャープ 16021 モトローラ(米国) 14522 カシオ計算機 13823 ASUS(台湾) 13524 京セラ 12725 東芝 12726 日立ディスプレイ 12627 ブラックベリー(カナダ) 12328 ヒューレット-パッカード(米国) 11329 インテル(米国) 10830 セイコーエプソン 102

中国への特許出願

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- 29 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

図 4-16 [出願先:中国] [実用新案] 出願人別全体登録件数上位ランキング

(3) [出願先:中国] [特許] 主要出願人別出願件数推移

図 4-17 に、中国への出願の主要出願人別の、特許出願件数推移を示す。

主要出願人は、図 4-15 に示す、中国への出願の出願人別全体出願件数上位ランキン

グより、上位 10 社を選定した。

図 4-17 [出願先:中国] [特許] 主要出願人別出願件数推移

順位

出願人名称登録件数

1 OPPOモバイル(中国) 1832 ZTE(中国) 1553 TCL(中国) 1544 康佳集団(中国) 1295 レノボ(中国) 1286 BYD(中国) 1187 HUAQIN(中国) 1128 三星電子(韓国) 709 インベンテック(台湾) 69

10 Simcom(中国) 6511 ウィストロン (台湾) 5412 華為技術(中国) 5313 YINGYEDA(台湾) 4914 ハイセンス(中国) 4815 鴻海精密工業(台湾) 4716 Yinghuada(台湾) 3817 ウェンタイ(中国) 3318 アップル(米国) 30

19杭州アンフェノール・フェニックス・テレコムパーツ(中国)

29

19 広達電脳(台湾) 29

中国への実用新案登録

70 100 106 43 26 65 79 103 219 125

5 45 48 64 90 150 112 106 109 60

64 67 46 36 56 42 72 67 106 85

12 18 25 58 99 110 83 93 54 28

1 38 13 12 131 67 45 23 25 13

1 5 13 18 36 22 19 16 66 127

37 35 51 39 37 24 47 21 22 4

1 2 2 8 15 7 88 111 80

7 16 24 29 35 31 53 44 41 9

51 30 26 35 34 26 14 20 42 3

三星電子(韓国)

鴻海精密工業(台湾)

LG エレクトロニクス(韓国)

ソニー

深圳富泰宏精密工業(中国)

レノボ(中国)

ノキア(フィンランド)

ウィストロン (台湾)

アップル(米国)

パナソニック

2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年

出願年(優先権主張年)

主要出願人

注:2012年以降は、データベース収録の遅れやPCT出願の各国移行のずれ等により、全データを反映していない可能性がある。

優先権主張:2004年-2013年

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- 30 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

(4) [出願先:中国] [特許] 技術区分別-主要出願人別出願件数

本項での主要出願人も、前項と同様に、図 4-15 に示す中国への特許出願の出願人別

全体出願件数上位ランキングより、上位 10 社を選定している。

図 4-18 に、中国への出願について、技術区分別(端末種別)に主要出願人別の特許

出願件数を示す。

多くの出願人でスマートフォンに関する特許出願件数が最も多いが、深圳富泰宏精

密工業はフィーチャーフォンが、レノボとウィストロンはノート PC が最多となってい

る。

図 4-18 [出願先:中国] [特許] 端末種別-主要出願人別出願件数

第 6 節 中国における登録特許、登録実用新案の無効審判状況に関する調査

1. 登録特許・登録実用新案別の件数

無効請求の対象について、特許・実用新案の別で見ると、図 4-19 に示すように、特許

が 58 件(21%)、実用新案が 142 件(71%)と、実用新案に対する無効請求が多い。

図 4-19 調査対象の無効審判の特許・実用新案の件数(本調査の IPC)

2. 登録特許・登録実用新案の有効・無効件数

無効審判の結果については、無効審判全体での審判結果を図 4-20 に示している。特

許・実用新案の全体では、全部無効がちょうど半数の 100 件となっている。

533 247 174 14 206 191

326 193 308 4 183 103

415 171 167 13 135 123

329 159 124 15 71 196

137 51 15 2 272 85

117 105 163 14 38 25

181 52 52 10 106 74

97 141 186 8 17

203 122 91 9 27 80

136 63 31 3 132 72

三星電子(韓国)

鴻海精密工業(台湾)

LG エレクトロニクス(韓国)

ソニー

深圳富泰宏精密工業(中国)

レノボ(中国)

ノキア(フィンランド)

ウィストロン (台湾)

アップル(米国)

パナソニック

スマートフォン タブレット ノートPC ウェアラブル端末 フィーチャーフォン その他の情報端末

主要出願人

端末種別

優先権主張:2004年-2013年

実用新

案, 142

特許, 58 実用新案

特許

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- 31 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

図 4-20 [特許・実用新案]有効件数と無効件数

3. 無効審判請求人・被請求人の属性

請求人及び被請求人の属性を、中国企業、海外系企業、個人にわけて見た場合の、請

求人属性、被請求人属性の組合せで見た場合の無効審判件数を図 4-21 に示す。

図 4-21 [特許・実用新案]無効請求人と被請求人の属性

注:中国企業、海外企業の分類は、各社のホームページの情報から、当該社あるいは当該企業グループの

本社、本部所在地が中国国外であることが、明確に識別できる企業を海外系企業とした。

全部無

効, 100

部分無

効, 25

有効, 75

全部無効

部分無効

有効

46 18 34

18 2

11

32 21 18

中国企業

海外系企業

個人

中国企業 海外系企業 個人

無効請求人

被請求人

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- 32 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第 5 章 総合分析と提言

第 1 節 総合分析

1. 世界の特許出願の状況と本テーマの分野への出願の特徴について

世界全体の特許出願件数の推移を図 5-1 (a)に、中国を除く世界全体の特許出願件数

の推移を 図 5-1 (b)に示す。

図 5-1(a)に示すように、世界全体の特許出願件数は年々増加しているが、図 5-1 (a)

と(b)を比較すれば分かるように、世界全体の特許出願の増加は、中国への出願の増加に

よるところが大きい。

図 5-1 世界の特許出願件数の推移

(a) 全世界での特許出願件数の推移

(b) 中国を除く世界の特許出願件数の推移

(備考)各国・機関への特許出願件数を積み上げたもの。

出典:特許行政年次報告書 2015 年版 p308、特許庁

0

50

100

150

200

250

300

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

その他

欧州

韓国

日本

米国

中国

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

200

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

その他

欧州

韓国

日本

米国

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- 33 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

図 5-2 に示すように、中国への特許出願は、2009 年から 2013 年の 5 年間で 3 倍近く

増加している。一方で、中国への特許出願のうち、外国からの出願が占める割合は、年

を追って低下している。これは、図からも分かるように、中国への外国からの出願の増

加が緩やかなのに対し、中国国内からの出願が急増していることによるものである。

図 5-2 五大特許庁への特許出願の状況

(備考)

・「三極特許庁から」は、日米欧の地域からの出願を意味する。ただし自国は含まれない(例えば、「三極

特許庁内から」日本特許庁への出願は「米国+欧州」から日本への出願を意味する)。

・「三極特許庁から」のうち、欧州からの件数は、各年末時点の EPC 加盟国の居住者による出願件数。

・「五大特許庁外から」は、日米欧中韓以外の地域からの出願を意味する。

出典:特許行政年次報告書 2015 年版 p309、特許庁

2. スマートフォン等の市場動向と特許出願動向

日米欧中韓台への出願の出願人国籍・地域別の出願件数を図 5-3 に示す。

図 5-3 に示すように、図上段の中国、米国、欧州は、外国からの出願が多数を占め、

相対的に自国からの出願比率は低い。これに対して、図下段の日本、韓国、台湾は、自

国からの出願が過半数を占め、相対的に外国からの出願が少ない。この傾向を、図 5-4

のスマートフォンの地域別需要台数のシェアと照らし合わせると、需要の多い地域は、

外国からの出願も多い傾向があるといえる。

0

10

20

30

40

50

60

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

20092010201120122013 20092010201120122013 20092010201120122013 20092010201120122013 20092010201120122013

(%)

自国 三極特許庁から 韓国 中国 五大特許庁外から 海外からの出願比率

(日本) (米国) (欧州) (韓国) (中国)

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- 34 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

図 5-3 出願先国・地域別出願人国籍・地域別出願件数

図 5-4 スマートフォンの地域別需要台数のシェア

3. 中国における出願の動向

(1) 全体動向

① 中国への出願件数の増加

図 5-5 に、今回の調査対象分野における日米欧中韓印台それぞれへの出願件数の

推移と比率を示す。

図 5-5 に示すように、2012 年では、米国への出願が最も多い。中国への出願件数

は、米国に次いで 2 位であるが、増加率はもっとも高い。2004 年から 2012 年の期

間における出願件数の増加率で比較した場合、全体では、7,783 件から 15,179 件へ

と約 2 倍となっており、米国への出願件数の増加率は、約 2.5 倍である。これに対

中国

32%

アジア

20%欧州

17%

北米

13%

中南米9%

日本

2%

その他

7%

地域別需要台数(2014年(実績))

日本国籍

17,491件

82%

米国籍

1,690件

8%

欧州国籍

425件

2%

中国籍

258件

1%

韓国籍

921件

4%

印度国籍

2件

0%

台湾国籍

531件

2% その他

110件

1%

日本国籍

6,852件

22%

米国籍

10,270件

33%

欧州国籍

1,997件

7%

中国籍

997件

3%

韓国籍

4,641件

15%

印度国籍

27件

0%

台湾国籍

4,387件

14%

その他

1,914件

6%

日本国籍

2,515件

18.2%

米国籍

2,991件

22%

欧州国籍

3,267件

23.7%

中国籍

263件

1.9%

韓国籍

2,393件

17.3%

印度国籍

10件

0.1%

台湾国籍

723件

5.2%

その他

1,648件

11.9%日本国籍

3,961件

21%

米国籍

2,627件

14%

欧州国籍

962件

5%

中国籍

5,254件

28%

韓国籍

2,435件

13%

印度国籍

3件

0%

台湾国籍

3,234件

17%

2%

日本国籍

1,282件

米国籍

1,276件

欧州国籍

215件

中国籍

297件韓国籍

324件

印度国籍

0件

台湾国籍

3,941件

その他

122件

日本国籍

1,680件

12%米国籍

1,680件

12%

欧州国籍

485件

4%

中国籍

60件

1%

韓国籍

9,538件

69%

印度国籍

2件

0%

台湾国籍

156件

1% その他

197件

1%

出願先:米国

出願先:日本 出願先:台湾

出願先:中国 出願先:欧州

出願先:韓国

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- 35 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

して、中国への出願件数の増加率は、1,041 件から 2,948 件へと約 3 倍になってお

り、全体の増加率を上回っている。

図 5-5 [出願先:日米欧中韓印台] 出願先国・地域別出願件数推移及び出願件数比率

② 市場環境と出願動向

図 5-4 に示したように、中国はスマートフォンの一大消費市場である。同時に、

図 5-6 のスマートフォンの地域別生産台数シェアに示すように、中国は、スマート

フォンの世界最大の生産国でもある。このことは、本調査領域における出願が、中

国において特に増加している理由の一つになっていると考えられる。

図 5-6 スマートフォンの地域別生産台数のシェア

(出典:富士キメラ総研、ワールドワイドエレクトロニクス市場総調査 2015、2015 年 3 月)

図 5-7 に示すように、中国市場でのスマートフォンの価格帯は、比較的廉価な価

格帯では中国メーカー製品が多く、高価格帯ではアップル等の海外メーカー製品が

多い。一方で、図 5-8 の中国への出願の注目出願人別の課題内訳に示すように、中

国籍企業も含め、いずれの出願人も、低コスト化等の課題よりは、付加価値向上、

機能向上、操作性向上といった、製品の高付加価値化に関連すると考えられる課題

に関する出願の方が多い。

したがって、現在、主に廉価な価格帯の製品を投入している中国籍のメーカーも、

高付加価値の製品への進出を図っていくものと考えられる。

7,783 7,445 8,027

9,616

11,387 11,842 11,808

13,689 15,197

11,130

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

16,000

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

4,500

5,000

2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年

出願先国・地域別出願件数

出願年(優先権主張年)

日本 米国 欧州 中国 韓国 印度 台湾 合計

優先権主張

2004-2013年

出願先国・地域

合計出願件数

日本

21,428件

19.9%

米国

31,085件

28.8%欧州

13,810件

12.8%

中国

18,863件

17.5%

韓国

13,798件

12.8%

印度

1,483件

1.4%

台湾

7,457件

6.9%

合計

107,924件

注:2012年以降は、データベース収録の遅れやPCT出願の各国移行のずれ等により、全データを反映していない可能性がある。

中国

73%

アジア

23%

中南米

3%

欧州

1%

日本

0%北米

0%

その他

0%

地域別生産台数(2014年(実績))

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- 36 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

図 5-7 中国市場でのスマートフォン仕様製品の価格帯

(1 元 = 20 円) スマートフォン主要製品の価格帯(元)

1000 2000 3000 4000

中国メーカー製品

海外メーカー製品

(出典)2014 中国スマートフォンメーカーの最新動向調査、富士キメラをもとに作成

図 5-8 [出願先:中国] 主要出願人の課題別出願件数比率

図 5-9 に、スマートフォンのメーカー別市場シェア、図 5-10 に、タブレットのメ

ーカー別市場シェアを示す。

0% 20% 40% 60% 80% 100%

アップル

ソニー

ノキア

三星電子

鴻海

レノボ

華為

小米

品質向上

低コスト化等

堅牢性・安全性

付加価値向上

機能向上

操作性向上

その他の課題

課題なし

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- 37 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

図 5-9 スマートフォン市場メーカー別シェア(2014 年予測)

図 5-10 タブレット市場メーカー別シェア(2014 年予測)

③ 政策動向と出願動向

図 5-11(a)に示すように、中国への出願は全体的に増加しているが、特に、中国

国内からの出願の増加が目立っている。これは、図 5-11(c)に示すように、2006 年

に策定された「国家中長期科学技術発展計画概要 2006 年~2020 年」において目標

の筆頭に「自主創新」の方針が掲げられてから、増加のペースが加速されたと考え

られ、実際、2006 年以降、出願の増加が著しい。また、2012 年以降、一段と増加の

ペースが加速している点については、「国家中長期科学技術人材育成計画

(2010-2020)」や、電子情報製造業の「第 12 次 5 ヵ年」計画(2011 年~2015 年)

等による、政策面での支援の効果が現れている可能性が高い。

一方、図 5-11(b)にみられるように、実用新案においても、出願件数に増加がみ

られ、特許と同様に、上述の政策の実施を契機として増加していると考えられる。

Samsung24%

Apple17%

Lenovo6%

Huawei6%

Xiaomi5%

Microsoft Mobile (NOKIA)

5%

ZTE5%

LG EL4%

Coolpad4%

ソニーモバイル

コミュニケー

ションズ4%

その他

20%

スマートフォン市場メーカー別シェア

(2014年予測)

Apple35.0%

Samsung14.9%

Amazon9.1%

Lenovo8.5%

Google7.0%

ASUSTEK3.5%

Acer2.6%

その他

19.3%

タブレット市場メーカー別シェア(2014年予測)

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本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

図 5-11 [出願先:中国] [特許、実用新案] 出願人国籍・地域別出願件数推移

及び中国における政策動向

(2) 中国における注目出願人と出願状況の特徴

中国への出願件数の多い出願人上位 30 位を、表 5-1 に示す。国・地域別では、日本

からは 11 社が入っており、最も多い。米国からは 6 社、欧州からは 1 社、中国からは

3 社、韓国からは 2 社、台湾からは 6 社となっている。

上位 30 位中、韓国は、三星電子、LG エレクトロニクスの 2 社のみだが、それぞれ 1

位と 3 位であり、上位 30 社の中でも、特に出願数が多い。また、外国籍・地域企業が

上位を占める一方で、上位 30 位に現れる中国企業は、深圳富泰宏精密工業とレノボ、

TCL の 3 社に留まる。

853

984 1,032

1,277

1,551 1,482

1,542

1,860

2,233

1,688

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

1,000

2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年

出願人国籍別出願件数(

件)

出願年(優先権主張年)

日本 米国 欧州 中国 韓国 印度 台湾 その他 合計

優先権主張

2004-2013年

出願先

合計出願件数(件)

注:2012年以降は、データベース収録の遅れやPCT出願の各国移行のずれ等により、全データを反映していない可能性がある。

出願人国籍

1 1 1 7 13 18 32 14

1 4 9 6 5 8 26 8 9

1 3 7

62 263 408 512 666 823 1,051 1,465 1,523

3 3 18 13 10 8 5

42 94 48 80 24 3 11 17 9

4 2 5 3 5

日本

米国

欧州

中国

韓国

印度

台湾

その他

2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年

優先権主張:2004年-2013年

出願年(優先権主張年)

(C) 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017

     ●知的財産助成・奨励政策の実施

●専利出願の質を一層向上させることの若干意見(2013)

●ハイテク企業認定管理弁法(2008) ●国家知識産業戦略実施推進企画(2014)●専利法関連の改正 ●著作権法の改正 ●商標法の改正

●知的財産権保護税関保護条例実施弁法の改正●権利侵害責任法

●公安機関の管轄する刑事案件の立件訴追基準に関する規定の改正

中国

国家中長期科学技術発展計画綱要(2006-2020)第10次5ヵ年計画 第11次5ヵ年計画(2006-2010) 第12次5ヵ年計画(2011-2015)

電子情報製造業第11次5ヵ年計画(2006-2010) 電子情報製造業「第12次5ヵ年」計画(2011-2015)国家中長期科学技術人材育成計画(2010−2020)

全国専利事業発展戦略(2011~2020)●国家知的財産権戦略綱要(2008)知財関連の動向

(b)

(a)

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- 39 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

表 5-1 [出願先:中国] [特許]出願人別出願件数上位ランキング(全体)

この中から、注目出願人として、ソニー(日本)、アップル(米国)、ノキア(欧州)、

三星(韓国)、鴻海(台湾)を選び1、また、中国籍企業からは、中国でのスマートフ

ォンの市場シェア上位 3 社のレノボ、華為、小米を選んで、それぞれの出願状況を比

較した。

以下、アップル、三星電子、レノボ、華為の出願状況について述べる。

アップルの特許出願は、図 5-12~図 5-15 に示すように、

① 端末種別では、スマートフォンからタブレットへ移行

② 課題別では、操作性向上の重視と付加価値向上の傾向

③ 構造等の特徴では、形状・構造を中心に、製造方法、更に材料・材質も出願

している

④ 部品の属性では、早期の段階でのタッチパネルの重視

という特徴が挙げられる。

1 印度は、全体として出願件数が少なく、比較対象として適当と考えられる出願人がないため、印度から

は注目出願人を選ばなかった。

順位

出願人名称出願件数

1 三星電子(韓国) 9362 鴻海精密工業(台湾) 7893 LG エレクトロニクス(韓国) 6414 ソニー 5805 深圳富泰宏精密工業(中国) 3686 レノボ(中国) 3237 ノキア(フィンランド) 3178 ウィストロン (台湾) 3149 アップル(米国) 289

10 パナソニック 28111 インベンテック(台湾) 22312 日本電気 21913 HTC(台湾) 21414 奇美電子(台湾) 21215 マイクロソフト(米国) 21116 ソニーモバイル 21117 富士通 18818 TCL(中国) 17019 クアルコム(米国) 16120 シャープ 16021 モトローラ(米国) 14522 カシオ計算機 13823 ASUS(台湾) 13524 京セラ 12725 東芝 12726 日立ディスプレイ 12627 ブラックベリー(カナダ) 12328 ヒューレット-パッカード(米国) 11329 インテル(米国) 10830 セイコーエプソン 102

中国への特許出願

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- 40 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

アップルは、iPhone によってスマートフォン市場を開拓したパイオニア的存在であ

り、後述の他社と比較して、早い段階で、スマートフォン関連技術の出願を行ってい

たといえる。例えば、図 5-14、図 5-15 に示されるように、2005 年から 2008 年にかけ

て、タッチパネルや形状・構造についての特許出願の注力が見て取れる。

また、アップルは、部品・部材サプライヤーと協力して、部品・部材の開発も行っ

ているといわれているが、そのことが、③の材料・材質に関する出願も行っている点

からも窺い知ることができる。

Android 陣営の企業として、三星電子の特許出願の動向を見ると、三星電子は、図

5-16~図 5-19 に示すように、

① 端末種別では、2009 年からスマートフォントタブレットが増加

② 課題別では、2010 年以降、操作性向上、機能向上、付加価値向上が増加

③ 構造等の特徴では、形状・構造が非常に多い

④ 部品の属性では、タッチパネルが増えた 2006 年以降、いずれの部品も満遍な

く出願

という特徴を挙げることができる。

三星電子は携帯端末の製品ベンダーであると同時に、他のベンダーへ携帯端末の部

品、モジュールを提供するサプライヤーとしての側面も有しており、そのことは、図

5-19 が示すように、筐体、入力、出力、タッチパネルいずれの部品も満遍なく出願さ

れていることからも見て取れる。

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- 41 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

図 5-12 [出願先:中国] [特許] 技術区分別出願件数推移(アップル)

①端末種別

図 5-13 [出願先:中国] [特許] 技術区分別出願件数推移(アップル)

②解決しようとしている課題種別

718

45 4458 58

114

91 85

12

0

50

100

150

200

250

300

350

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

出願年(優先権主張年)

合計出願件数

技術区分別出願件数

スマートフォン タブレット ノートPC

ウェアラブル端末 フィーチャーフォン その他の情報端末

合計

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

端末種別

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

注:2012年以降は、データベース収録の遅れやPCT出願の各国移行のずれ等により、全データを

反映していない可能性がある。

716

2734

44 39

6453 47

12

0

50

100

150

200

250

0

10

20

30

40

50

60

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013出願年(優先権主張年)

合計出願件数

技術区分別出願件数

品質向上 低コスト化等 堅牢性・安全性 特定者用

付加価値向上 機能向上 操作性向上 その他の課題

課題なし 合計

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

課題軸

注:2012年以降は、データベース収録の遅れやPCT出願の各国移行のずれ等により、全データを

反映していない可能性がある。

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本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

図 5-14 [出願先:中国] [特許] 技術区分別出願件数推移(アップル)

③構造等の特徴

図 5-15 [出願先:中国] [特許] 技術区分別出願件数推移(アップル)

④部品の属性

716

24 2938

31

53 48 43

11

0

50

100

150

200

250

0

20

40

60

80

100

120

140

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

出願年(優先権主張年)

合計出願件数

技術区分別出願件数

形状・構造 製造方法 材料・材質 合計

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

構造軸

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

注:2012年以降は、データベース収録の遅れやPCT出願の各国移行のずれ等により、全データを

反映していない可能性がある。

916

25 30 36 33

5948 48

13

0

50

100

150

200

250

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

合計出願件数

技術区分別出願件数

出願年(優先権主張年)

筐体部品 入力部品 出力部品 タッチパネル 合計

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

部品軸

注:2012年以降は、データベース収録の遅れやPCT出願の各国移行のずれ等により、全データを

反映していない可能性がある。

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- 43 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

図 5-16 [出願先:中国] [特許] 技術区分別出願件数推移(三星電子)

①端末種別

図 5-17 [出願先:中国] [特許] 技術区分別出願件数推移(三星電子)

②解決しようとしている課題種別

76

132 130

6041

100

128

186

308

204

0

50

100

150

200

250

300

350

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

出願年(優先権主張年)

合計出願件数

技術区分別出願件数

スマートフォン タブレット ノートPC

ウェアラブル端末 フィーチャーフォン その他の情報端末

合計

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

端末種別

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

145

注:2012年以降は、データベース収録の遅れやPCT出願の各国移行のずれ等により、全データを

反映していない可能性がある。

92

125137

52

28

76

98

128

250

153

0

50

100

150

200

250

0

10

20

30

40

50

60

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013出願年(優先権主張年)

合計出願件数

技術区分別出願件数

品質向上 低コスト化等 堅牢性・安全性 特定者用

付加価値向上 機能向上 操作性向上 その他の課題

課題なし 合計

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

課題軸

94

注:2012年以降は、データベース収録の遅れやPCT出願の各国移行のずれ等により、全データを

反映していない可能性がある。

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- 44 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

図 5-18 [出願先:中国] [特許] 技術区分別出願件数推移(三星電子)

③構造等の特徴

図 5-19 [出願先:中国] [特許] 技術区分別出願件数推移(三星電子)

④部品の属性

75

101113

45

27

6782

105

222

130

0

50

100

150

200

250

0

20

40

60

80

100

120

140

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

出願年(優先権種痘年)

合計出願件数

技術区分別出願件数

形状・構造 製造方法 材料・材質 合計

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

構造軸

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

197

注:2012年以降は、データベース収録の遅れやPCT出願の各国移行のずれ等により、全データを

反映していない可能性がある。

86

115127

49

27

68

89

118

235

138

0

50

100

150

200

250

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

合計出願件数

技術区分別出願件数

出願年(優先権主張年)

筐体部品 入力部品 出力部品 タッチパネル 合計

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

部品軸

注:2012年以降は、データベース収録の遅れやPCT出願の各国移行のずれ等により、全データを

反映していない可能性がある。

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- 45 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

次に、中国国籍の企業であるレノボ、華為の特許出願の推移を、図 5-20~図 5-27

に示す。中国への出願件数で上位のレノボは、図 5-20~図 5-23 に示すように、

① 端末種別では、2011 年まではノート PC が多く、2012 年以降は、

スマートフォン、タブレットも急増

② 課題別では、2012 年から操作性向上、付加価値向上、機能向上が増加

③ 構造等の特徴では、形状・構造が多く、2012 年以降は急増

④ 部品の属性では、2012 年以降は、筐体部品と入力部品が急増、

という特徴が挙げられる。

華為は、図 5-24~図 5-27 に示すように、その出願傾向の特徴は、

① 端末種別では、2012 年からスマートフォン、タブレットの増加

② 課題別では、2013 年の付加価値向上の増加

③ 構造等の特徴では、2012 年から形状・構造の増加

④ 部品の属性では、2011 年以降、筐体部品、入力部品が多い

という特徴が挙げられる。ただし、図 5-24~図 5-27 からも分かるように、華為は、

これまでに挙げた出願人に比べ、出願件数自体が少なく(67 件)、上記の特徴が、華

為の出願傾向を示しているといえるかどうかは、引き続き調査する必要がある。

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- 46 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

図 5-20 [出願先:中国] [特許] 技術区分別出願件数推移(レノボ)

①端末種別

図 5-21 [出願先:中国] [特許] 技術区分別出願件数推移(レノボ)

②解決しようとしている課題種別

1 5

16 22

40

28 29 23

90

208

0

50

100

150

200

250

300

350

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

出願年(優先権主張年)

合計出願件数

技術区分別出願件数

スマートフォン タブレット ノートPC

ウェアラブル端末 フィーチャーフォン その他の情報端末

合計

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

端末種別

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

注:2012年以降は、データベース収録の遅れやPCT出願の各国移行のずれ等により、全データを

反映していない可能性がある。

1 614 20

40

23 22 20

76

136

0

50

100

150

200

250

0

10

20

30

40

50

60

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013出願年(優先権主張年)

合計出願件数

技術区分別出願件数

品質向上 低コスト化等 堅牢性・安全性 特定者用

付加価値向上 機能向上 操作性向上 その他の課題

課題なし 合計

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

課題軸

注:2012年以降は、データベース収録の遅れやPCT出願の各国移行のずれ等により、全データを

反映していない可能性がある。

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- 47 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

図 5-22 [出願先:中国] [特許] 技術区分別出願件数推移(レノボ)

③構造等の特徴

図 5-23 [出願先:中国] [特許] 技術区分別出願件数推移(レノボ)

④部品の属性

1 413 19

3723 19 16

68

130

0

50

100

150

200

250

0

20

40

60

80

100

120

140

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

出願年(優先権主張年)

合計出願件数

技術区分別出願件数

形状・構造 製造方法 材料・材質 合計

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

構造軸

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

注:2012年以降は、データベース収録の遅れやPCT出願の各国移行のずれ等により、全データを

反映していない可能性がある。

1 514 18

3824 20 17

71

139

0

50

100

150

200

250

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

合計出願件数

技術区分別出願件数

出願年(優先権主張年)

筐体部品 入力部品 出力部品 タッチパネル 合計

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

部品軸

注:2012年以降は、データベース収録の遅れやPCT出願の各国移行のずれ等により、全データを

反映していない可能性がある。

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- 48 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

図 5-24 [出願先:中国] [特許] 技術区分別出願件数推移(華為)

①端末種別

図 5-25 [出願先:中国] [特許] 技術区分別出願件数推移(華為)

②解決しようとしている課題種別

0 2 3 6 6 716 22

3928

0

50

100

150

200

250

300

350

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

出願年(優先権主張年)

合計出願件数

技術区分別出願件数

スマートフォン タブレット ノートPC

ウェアラブル端末 フィーチャーフォン その他の情報端末

合計

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

端末種別

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

注:2012年以降は、データベース収録の遅れやPCT出願の各国移行のずれ等により、全データを

反映していない可能性がある。

0 2 1 2 2 4 8 14 19 20

0

50

100

150

200

250

0

10

20

30

40

50

60

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013出願年(優先権主張年)

合計出願件数

技術区分別出願件数

品質向上 低コスト化等 堅牢性・安全性 特定者用

付加価値向上 機能向上 操作性向上 その他の課題

課題なし 合計

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

課題軸

注:2012年以降は、データベース収録の遅れやPCT出願の各国移行のずれ等により、全データを

反映していない可能性がある。

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- 49 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

図 5-26 [出願先:中国] [特許] 技術区分別出願件数推移(華為)

③構造等の特徴

図 5-27 [出願先:中国] [特許] 技術区分別出願件数推移(華為)

④部品の属性

このように、同じ市場に製品を供給している製品ベンダー間でも、その出願傾向は

それぞれ異なっており、共通の特徴は見られない。その理由は、各ベンダーの情報端

末の製品トレンドは、企業戦略やユーザの嗜好、市場特性等に左右されて多様である

言われ、各製品ベンダーの多様な製品トレンドが、出願傾向にも反映されているため

と考えられる。

0 2 1 2 2 4 8 1218 18

0

50

100

150

200

250

0

20

40

60

80

100

120

140

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

出願年(優先権主張年)

合計出願件数

技術分野別出願件数

形状・構造 製造方法 材料・材質 合計

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

構造軸

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

注:2012年以降は、データベース収録の遅れやPCT出願の各国移行のずれ等により、全データを

反映していない可能性がある。

0 2 1 2 2 4 8 1320 18

0

50

100

150

200

250

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

合計出願件数

技術区分別出願件数

出願年(優先権主張年)

筐体部品 入力部品 出力部品 タッチパネル 合計

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

優先権主張

2003-2014年

優先権主張

2004-2013年

部品軸

注:2012年以降は、データベース収録の遅れやPCT出願の各国移行のずれ等により、全データを

反映していない可能性がある。

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- 50 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

4. 中国における出願人の特徴から見た中国文献サーチの必要性

前項で述べたとおり、中国への特許出願、実用新案登録は急増している。特に、図 5-28

に示すように、実用新案登録は、ほとんどが中国国内からのものである。

中国へのファミリー無し特許出願の出願人国籍・地域別の出願件数の内訳と推移を図

5-29 に、中国への特許出願、実用新案登録を、出願国籍・地域別にファミリー有出願(以

下、ファミリー有) とファミリー無出願(以下、ファミリー無)とに分類した図を図

5-30 に示す。

調査対象分野における中国への特許出願は 14,502 件で、そのうち、ファミリー無の特

許出願は 3,882 件で全体の 26.8%であるが、中国籍に限れば、4,642 件中、75.9%にあた

る 3,523 件がファミリー無出願となっている。

また、調査対象分野における中国への実用新案登録は 7,354 件で、そのうち、ファミ

リー無の実用新案登録は 6,879 件であり、全体の 93.5%を占める。中国への実用新案登

録のほとんどは中国籍出願人(6,773 件)からのものであり、その 97.2%にあたる 6,580

件は、ファミリー無しとなっている。

中国籍のファミリー無特許出願、実用新案登録を合わせると、10,103 件がファミリー

無しである。ファミリー無出願の場合、他国に他言語で出願されたファミリー出願が存

在しないから、その内容を把握するには、中国語で書かれた特許公報等を参照せざるを

得ないことになる。

図 5-28 [出願先:中国] [実用新案] 出願人国籍・地域別登録件数推移及び登録件数比率

図 5-29 [出願先:中国] 中国のみを出願先とした特許出願の出願人国籍・地域別推移

出願年(優先権主張年)

出願人国籍・地域

日本国籍

87件

1.2%

米国籍

76件

1.0%

欧州国籍

11件

0.1%

中国籍

6,773件

92.1%

韓国籍

60件

0.8%

印度国籍

0件

0.0%

台湾籍

328件

4.5%

その他

19件

0.3%

1 1 1 7 13 18 32 14

1 4 9 6 5 8 26 8 9

1 3 7

62 263 408 512 666 823 1,051 1,465 1,523

3 3 18 13 10 8 5

42 94 48 80 24 3 11 17 9

4 2 5 3 5

日本

米国

欧州

中国

韓国

印度

台湾

その他

2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年

優先権主張:2004年-2013年

100

218

275

366 389 349

394 441

603

747

0

100

200

300

400

500

600

700

800

0

100

200

300

400

500

600

700

800

2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年

出願先国籍・地域別出願件数

出願年(優先権主張年)

日本 米国 欧州 中国 韓国 印度 台湾 合計

優先権主張

2004-2013年

出願先

合計出願件数

日本

5件

0.1%

米国

7件

0.2%

欧州

4件

0.1%

中国

3,523件

90.8%

韓国

5件

0.1%

印度

0件

0.0%台湾

336件

8.7%

その他

2件

0.1%

合計

3,882件

注:2012年以降は、データベース収録の遅れやPCT出願の各国移行のずれ等により、全データを反映していない可能性がある。

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- 51 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

図 5-30 [出願先:中国] [特許・実用新案]

出願人国籍・地域別特許出願件数と実用新案登録件数

中国のスマートフォン市場における大手ベンダーであるレノボ、華為の特許出願・実

用新案登録のファミリー有無別の内訳を、図 5-31 に示す。華為は、近年、ファミリー有

り特許出願を増加させているのに対し、レノボは、特許出願・実用新案登録ともに、フ

ァミリー無が急増している。

図 5-31 レノボ・華為のファミリー有無別の特許・実用新案の出願状況

(a) [出願先:中国][特許]レノボからのファミリー有無別出願件数推移

及び出願件数比率

11193523

1936580

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000

日本

米国

欧州

中国

韓国

印度

台湾

その他

特許 ファミリー有り

特許 ファミリー無し

実用新案 ファミリー有り

実用新案 ファミリー無し

優先権主張:2004年-2013年

1 3 10 10

27

11 7

11

60

114

0

20

40

60

80

100

120

0

10

20

30

40

50

60

70

80

2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年

出願件数

出願年(優先権主張年)

ファミリー無 ファミリー有 合計

優先権主張

2004-2013年

出願人国籍

合計出願件数ファミリー無

161件

63.4%

ファミリー有

93件

36.6%

合計

254件

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- 52 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

(b) [出願先:中国][実用新案]レノボからのファミリー有無別出願件数推移

及び出願件数比率

(c) [出願先:中国][特許]華為からのファミリー有無別出願件数推移

及び出願件数比率

(d) [出願先:中国][実用新案]華為からのファミリー有無別出願件数推移

及び出願件数比率

近年、情報端末の筐体・ユーザインターフーイスの分野において、中国の研究者から

優秀な研究成果が出始めている。しかし、そのような研究者の特許出願に、ファミリー

有出願は少なく、その多くは、中国国内に留まっている。

中国の大学・研究機関による特許出願ファミリー有無別の内訳、中国籍の企業による

特許出願のファミリー有無別の内訳を、図 5-32 に示す。この図が示すように、中国の大

学・研究機関による特許出願のうち、ファミリー有出願の比率は 2.0%に過ぎず、企業に

よるファミリー有出願の比率 27.9%に比較して、非常に低くなっている。

0

4

11 8

11 13

10 10 9

52

0

10

20

30

40

50

60

0

10

20

30

40

50

60

2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年

出願件数

出願年(優先権主張年)

ファミリー無 ファミリー有 合計

優先権主張

2004-2013年

出願人国籍

合計出願件数

ファミリー無

125件

97.7%

ファミリー有

3件

2.3%

合計

128件

0

2 1

2 2

4

8

12

17 18

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

0

2

4

6

8

10

12

14

16

2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年

出願件数

出願年(優先権主張年)

ファミリー無 ファミリー有 合計

優先権主張

2004-2013年

出願人国籍

合計出願件数

ファミリー無

23件

34.8%

ファミリー有

43件

65.2%

合計

66件

0

1 1

6

14

13

6

3

5

4

0

2

4

6

8

10

12

14

16

0

2

4

6

8

10

12

14

16

2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年

出願件数

出願年(優先権主張年)

ファミリー無 ファミリー有 合計

優先権主張

2004-2013年

出願人国籍

合計出願件数

ファミリー無

46件

86.8%

ファミリー有

7件

13.2%

合計

53件

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- 53 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

図 5-32 [出願先:中国] 出願人属性によるファミリー有無別出願比率

(a) [出願人属性:大学研究機関]におけるファミリー有り無し出願比率

(b) [出願人属性:企業]におけるファミリー有り無し出願比率

次に、中国への特許出願、実用新案登録で、耐久性・耐衝撃性などの堅牢性・安全性

を課題とするもの、小型化・薄型化などの付加価値向上を課題とするものの出願人国籍・

地域別の件数の内訳と推移を、図 5-33 に示す。図 5-33 が示すように、中国籍出願人に

よる、堅牢性・安全性を課題とする出願、付加価値向上を課題とする出願件数は急増し

ている。

また、課題別の中国籍出願人によるファミリー無し出願件数と日本国籍出願人による

出願件数を図 5-34 に示す。この図が示すように、堅牢性・安全性を課題とする技術、付

加価値向上を課題とする技術は、ファミリー無し出願が多く、また、日本国籍出願人に

よる出願も多い。

0 0

3 4

6 8

11 12

19

37

0

5

10

15

20

25

30

35

40

0

5

10

15

20

25

30

35

40

2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年

出願件数

出願年(優先権主張年)

ファミリー無 ファミリー有 合計

優先権主張

2004-2013年

出願人国籍

合計出願件数

ファミリー無

98件

98.0%

ファミリー有

2件

2.0%

合計

100件

81

164 155

228

452 486

453 435

591

769

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

0

100

200

300

400

500

600

700

2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年

出願件数

出願年(優先権主張年)

ファミリー無 ファミリー有 合計

優先権主張

2004-2013年

出願人国籍

合計出願件数

ファミリー無

2,750件

72.1%

ファミリー有

1,064件

27.9%

合計

3,814件

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- 54 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

図 5-33 中国への出願における課題別の出願傾向

(a) [出願先:中国、堅牢性] [特許] 出願人国籍・地域別出願件数推移及び出願件数比率

(b) [出願先:中国、付加価値向上] [特許] 出願人国籍・地域別出願件数推移及び出願件数比

(c) [出願先:中国、堅牢性] [実用新案] 出願人国籍・地域別登録件数推移及び登録件数比率

(d) [出願先:中国、付加価値向上] [実用新案] 出願人国籍・地域別登録件数推移及び

登録件数比率

114

176 190

228 229

182

204

286

358

254

0

50

100

150

200

250

300

350

400

0

20

40

60

80

100

120

140

160

2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年

出願人国籍・地域別出願件数

出願年(優先権主張年)

日本 米国 欧州 中国 韓国 印度 台湾 その他 合計

優先権主張

2004-2013年

出願先

合計出願件数

日本国籍

540件

24.3%

米国籍

207件

9.3%

欧州国籍

102件

4.6%

中国籍

814件

36.7%

韓国籍

214件

9.6%

印度国籍

3件

0.1%

台湾籍

309件

13.9%

その他

32件

1.4%

合計

2,221件

注:2012年以降は、データベース収録の遅れやPCT出願の各国移行のずれ等により、全データを反映していない

可能性がある。

194 214

246 238 247 247 264

289

436

350

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

500

0

50

100

150

200

250

2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年

出願人国籍・地域別出願件数

出願年(優先権主張年)

日本 米国 欧州 中国 韓国 印度 台湾 その他 合計

優先権主張

2004-2013年

出願先

合計出願件数

日本国籍

548件

20.1%

米国籍

237件

8.7%

欧州国籍

161件

5.9%

中国籍

925件

33.9%

韓国籍

389件

14.3%

印度国籍

0件

0.0%

台湾籍

424件

15.6%

その他

41件

1.5%

合計

2,725件

注:2012年以降は、データベース収録の遅れやPCT出願の各国移行のずれ等により、全データを反映していない

可能性がある。

025

6280

143 133 137

249

456

418

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

500

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

500

2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年

出願人国籍別出願件数

出願年(優先権主張年)

日本 米国 欧州 中国 韓国 印度 台湾 その他 合計

優先権主張

2004-2013年

出願先

合計出願件数

日本国籍

21件

1.2%

米国籍

13件

0.8%

欧州国籍

2件

0.1%

中国籍

1,575件

92.5%

韓国籍

13件

0.8%

印度国籍

0件

0.0%

台湾国籍

69件

4.1%

その他

10件

0.6%

合計

1,703件

024

104129

171 175

223

450

553

483

0

100

200

300

400

500

600

0

100

200

300

400

500

600

2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年

出願人国籍別出願件数

出願年(優先権主張年)

日本 米国 欧州 中国 韓国 印度 台湾 その他 合計

優先権主張

2004-2013年

出願先

合計出願件数

日本国籍

17件

0.7%

米国籍

20件

0.9%

欧州国籍

1件

0.0%

中国籍

2,202件

95.2%

韓国籍

19件

0.8%

印度国籍

0件

0.0%

台湾国籍

48件

2.1%

その他

5件

0.2%

合計

2,312件

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- 55 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

図 5-34 課題別の中国籍ファミリー無し出願件数と日本国籍出願人の出願件数

5. 中国における無効審判の状況

中国での無効審判の状況を把握するため、PATENT REEXAMINATION BOARD OF SIPO の審

査決定査詢(中国国家知識産権局が提供するサービス)等を用いて、特許、実用新案を

調査した。

2000 年以降での特許・実用新案で、IPC コードの H04M1、G06F1、G06F3 が付与されて

いるものでは、202 件の無効審判が存在した。そのなかで、審査決定査詢により決定書

が閲覧できたのは 200 件であった。

上記 200 件の無効審判について、特許・実用新案の別で見ると、図 5-35 に示すように、

特許が 58 件(21%)、実用新案が 142 件(71%)と、実用新案に関する無効審判が多い。

なお、本調査の詳細解析の対象である情報端末の筐体・ユーザインターフェースの分

野では、実用新案登録では 14 件が無効審判が請求され、うち 11 件が無効とされている。

図 5-35 調査対象の無効審判の特許・実用新案の件数(本調査の IPC)

6. 日本の R&D の方向性(中国における出願動向の観点から)

(1) ディスプレイ、タッチパネル等の部品における強み

図 5-36 に、中国への出願で、筐体部品に関する出願の出願人国籍・地域別の出願件

数の比率と推移を、図 5-37 に、中国への出願で、入力部品に関する出願の出願人国籍・

地域別の出願件数の比率と推移を、それぞれ示す。これらの図が示すように、日本国

籍の筐体部品に関する出願件数比率は全体の 16.7%、入力部品に関する出願件数比率

は 17.5%を占めるに留まる。

図 5-38 に、出力部品であるディスプレイ、スピーカ、バイブレータ、その他出力部

課題

658 959 2,111 151 2,865 2,194 1,817

711 347 557 4 564 506 939

中国籍ファミリー無し出願

日本国籍出願

品質向上 低コスト化 堅牢性・安全性 特定者用 付加価値向上 機能向上 操作性向上

出願人属性

実用新

案, 142

特許, 58 実用新案

特許

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- 56 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

品とタッチパネルに関する出願の出願人国籍・地域別の出願件数を示す。各国・地域

ともディスプレイ、タッチパネルに関する出願件数は多いが、中でも日本国籍の出願

件数は多い。

図 5-39 に、中国への出願で、ディスプレイに関する出願の出願人国籍・地域別件数

の比率と推移を示す。この図が示すように、日本からの出願件数は、継続的に多いこ

とが分かる。一方で、近年、韓国籍、中国籍による出願が急増している。

図 5-40 に、中国への出願で、タッチパネルに関する出願の出願人国籍・地域別件数

の比率を推移を示す。この図からは、タッチパネルでは、我が国の出願件数の優位が、

より明確に把握できる。

図 5-36 [出願先:中国、筐体部品] [特許] 出願人国籍・地域別出願件数推移及び出願件数比率

図 5-37 [出願先:中国、入力部品] [特許] 出願人国籍・地域別出願件数推移及び出願件数比率

図 5-38 [出願先:中国] (技術区分:部品軸-出力部品)出願人国籍・地域別出願件数

420

521

592 643

779

617

739

856

992

848

0

200

400

600

800

1,000

1,200

0

100

200

300

400

500

600

2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年

出願先国別出願件数

出願年(優先権主張年)

日本 米国 欧州 中国 韓国 印度 台湾 その他 合計

優先権主張

2004-2013年

出願先

合計出願件数

日本国籍

1,173件

16.7%

米国籍

587件

8.4%

欧州国籍

335件

4.8%

中国籍

2,989件

42.7%

韓国籍

648件

9.2%

印度国籍

1件

0.0%

台湾国籍

1,166件

16.6%

その他

108件

1.5%

合計

7,007件

298

336

280

337

433 425 436

516

650

555

0

100

200

300

400

500

600

700

0

50

100

150

200

250

300

350

2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年

出願人国籍別出願件数

出願年(優先権主張年)

日本 米国 欧州 中国 韓国 印度 台湾 その他 合計

優先権主張

2004-2013年

出願先

合計出願件数

日本国籍

747件

17.5%

米国籍

691件

16.2%

欧州国籍

346件

8.1%

中国籍

1,318件

30.9%

韓国籍

562件

13.2%

印度国籍

3件

0.1%

台湾国籍

487件

11.4%

その他

112件

2.6%

合計

4,266件

544 213 139 254 313 2 150 42

72 14 27 31 29 27 7

37 65 27 12 19 8 4

40 32 25 95 27 29 6

785 402 143 286 439 1 358 47

ディスプレイに関する特徴

スピーカに関する特徴

バイブレータに関する特徴

その他の出力部品に関する特徴

タッチパネルに関する特徴

日本 米国 欧州 中国 韓国 印度 台湾 その他

出願人国籍・地域

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- 57 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

図 5-39 [出願先:中国](技術区分:部品軸-ディスプレイ)

出願人国籍・地域別出願件数推移及び出願件数比率

図 5-40 [出願先:中国](技術区分:部品軸-タッチパネル)

出願人国籍・地域別出願件数推移及び出願件数比率

(2) 形状・構造、製造方法、材料・材質における強み

図 5-41 に、中国への特許出願の、構造等の特徴別の出願人国籍・地域別件数を、図

5-42 に、中国へのファミリー有り特許出願の、構造等の特徴別の出願人国籍・地域別

件数を示す。

図 5-41 に示すように、ファミリー無特許出願を含めた場合、製品の形状・構造、製

造方法、材料・材質に関する項目のいずれでも、中国籍の出願件数が最大であるが、

図 5-42 に示すように、ファミリー有特許出願では、いずれの項目も、日本国籍の出願

件数がトップである。

ファミリー有り出願の出願件数で分析する理由は、以下のとおりである。

① 権利を活用するためには、情報端末の生産地(中国)だけでなく、その販売地

(輸入国)でも出願する必要があること

② 中国籍のファミリー無し出願 には、補助金を目的とするものも少なからず存在

すると言われていること

このため、中国以外にも出願されているファミリー有り出願の出願件数を分析する

方が、各国・地域の技術的優位性を推し量る指標として、より有効と考えられる。

147

127 137

180

152

133 134

194

280

173

0

50

100

150

200

250

300

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年

出願人国籍・地域別出願件数(

件) 出願年(優先権主張年)

日本 米国 欧州 中国 韓国 印度 台湾 その他 合計

優先権主張

2004-2013年

出願先

合計出願件数(件)

日本国籍

544件

32.8%

米国籍

213件

12.9%

欧州国籍

139件

8.4%

中国籍

254件

15.3%

韓国籍

313件

18.9%

印度国籍

2件

0.1%

台湾国籍

150件

9.1%

その他

42件

2.5%

合計

1,657件

38 54

90

187

260

349

285

411

472

315

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

500

0

20

40

60

80

100

120

140

160

2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年

出願人国籍・地域別出願件数(

件) 出願年(優先権主張年)

日本 米国 欧州 中国 韓国 印度 台湾 その他 合計

優先権主張

2004-2013年

出願先

合計出願件数(件)

日本国籍

785件

31.9%

米国籍

402件

16.3%

欧州国籍

143件

5.8%

中国籍

286件

11.6%

韓国籍

439件

17.8%

印度国籍

1件

0.0%

台湾国籍

358件

14.5%

その他

47件

1.9%

合計

2,461件

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- 58 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

図 5-41 中国特許出願における構造軸(全件数)の出願国籍・地域別件数

図 5-42 中国特許出願における構造軸(ファミリー有)の出願人国籍・地域別件数

図 5-43 に示すように、形状・構造、製造方法、材料・材質の項目別にファミリー有

の出願件数比率を比較すると、(b)製造方法、(c)材料・材質の項目では、日本国籍の

出願人の出願件数の比率は 40%を超え、それぞれ 2位の米国籍(13.8%)、韓国籍(14.8%)

を大きく引き離している。

2,188 1,563 832 3,641 1,525 5 1,671 265

773 232 97 933 276 1 281 42

255 83 59 283 76 69 11

形状・構造

製造方法

材料・材質

日本 米国 欧州 中国 韓国 印度 台湾 その他

出願人国籍・地域

構造軸技術区分

優先権主張:2004年-2013年

2,184 1,558 829 980 1,520 5 1,377 263

772 231 96 197 276 1 248 42

255 82 59 53 76 59 11

形状・構造

製造方法

材料・材質

日本 米国 欧州 中国 韓国 印度 台湾 その他

出願人国籍・地域

構造軸技術区分

優先権主張年:2004年-2013年

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- 59 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

図 5-43 中国特許出願における構造軸(ファミリー有)の出願人国籍・地域別件数の割合比較

(a)

(b)

(c)

日本, 2,184 ,

25.1%

米国, 1,558 ,

17.9%

欧州,

829 , 9.5%

中国, 980 ,

11.2%

韓国, 1,520 ,

17.4%

印度, 5 ,

0.1%

台湾, 1,377 ,

15.8%

その他,

263, 3.0%

形状・構造

日本, 772 ,

41.4%

米国, 231 ,

12.4%

欧州, 96 ,

5.2%

中国, 197 ,

10.6%

韓国, 276 ,

14.8%

印度, 1 ,

0.1% 台湾, 248 ,

13.3%

その他, 42,

2.3%製造方法

日本, 255 , 42.9%

米国, 82 ,

13.8%

欧州, 59 ,

9.9%

中国, 53 ,

8.9%

韓国, 76 ,

12.8%

印度, 0 ,

0.0%台湾, 59 ,

9.9%

その他,

11, 1.8%

材料・材質

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- 60 -

本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第 2 節 提言

1. 日本企業の R&D の方向性

図 5-6 に示すように、中国はスマートフォンをはじめとする情報端末の生産台数におい

て、圧倒的なシェアを占めている。このことは、中国が、情報端末に用いられるディスプ

レイ、タッチパネルをはじめとする部品・部材の世界最大の市場であることを意味する。

これらの部品、部材は、機種に関わらず使用されるものであるから、これら部品・部材の

技術開発を進め、市場における競争力を確保・維持することが、極めて重要である。

中国への出願件数を(1)部品の区分、(2)形状・構造、製造方法、材料・材質の区分で分

析した結果、日本は、(ア)ディスプレイ、タッチパネル、(イ)材料・材質で技術的優位性

が認められる。

(1)の部品の区分では、図 5-36~図 5-40 に示すように、日本国籍の筐体部品に関する出

願件数比率は全体の 16.7%、入力部品に関する出願件数比率は 17.5%を占めているが、デ

ィスプレイに関する出願件数比率では、日本国籍はトップの 32.8%を占め、2 位の韓国籍

18.9%に大差をつけている。同様に、タッチパネルに関する出願件数比率でも、日本国籍

はトップの 31.9%を占め、2 位の韓国籍 17.8%、3 位の米国籍 16.3%の約 2 倍となってい

る。

このように、ディスプレイやタッチパネルに関する出願では、日本国籍の出願件数は、

他国籍・地域を大きく引き離しており、日本に技術的優位性があるといえる。特に、タッ

チパネルは、情報端末の操作の容易化に適した部品であり、操作性の向上を課題とする出

願が多く、さらに増加していることからして、今後も需要は高いと予想されるので、引き

続き、その優位性を維持するべきである。

(2)の形状・構造、製造方法、材料・材質の区分では、図 5-41 に示すように、いずれの

区分でも中国籍の出願が最も多い。

しかし、各国・地域の技術的優位性を推し量るには、ファミリー有出願 の出願件数での

分析がより有効である。その理由は、①権利を活用するためには、情報端末の生産地(中

国)だけでなく、その販売地(輸入国)でも出願する必要があること、②中国籍のファミ

リー無出願 には、補助金を目的とするものも少なからず存在すると言われていること、か

ら、中国以外にも出願されているファミリー有出願の出願件数を分析する方が、より有効

提言 1

日本企業は、部品、部材における優位性を今後も維持することが重要である。特

に、技術的に優位であるタッチパネルの技術開発を積極的に進めるべきである。

また、現状、最終製品の市場シェアで日本企業は後れをとっている。しかし、情

報端末の分野は、技術の移り変わりが早い分野であるから、日本企業は、ユーザに

新たな使用体験を提供する新しいコンセプトの端末や、その端末に用いられる部

品、部材の技術開発も進めるべきである。

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本編

目次

要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

と考えられるからである。

そこで、形状・構造、製造方法、材料・材質の区分におけるファミリー有出願を国籍・

地域別でみると、図 5-43 に示すように、形状・構造の区分では、日本国籍の出願件数比率

はトップの 25.1%を占め、米国籍の 17.9%がそれに続く。製造方法の区分では、日本国籍

の出願件数比率はトップの 41.4%を占め、韓国籍の 14.8%がそれに続く。材料・材質の区

分では、日本国籍の出願件数比率はトップの 42.9%を占め、以下、米国籍 13.8%、韓国籍

12.8%となっている。

このように、(2)のいずれの区分でも日本の技術的優位性が認められる。

特に、タッチパネルに用いられる ITO フィルムなど、今後もその需要が伸びると予想さ

れる材料、材質において、引き続き、優位性を維持すべきである。

しかしながら、最終製品である情報端末の市場シェアでは、周知のとおり、現在、日本

企業は外国企業に大きく水をあけられている。図 5-9 に示すように、スマートフォンの市

場シェアでは、三星 24%、アップル 17%に対し、日本企業は、最上位のソニーモバイルで

も 4%に過ぎない。また、図 5-10 に示すように、タブレットの市場シェアでも、日本企業

は、上位に入っていない。

情報端末の分野は、この 10 年でフィーチャーフォンからスマートフォン、タブレットに

主流が変わり、さらに、ウェアラブル端末の増加も予想されるなど、技術の移り変わりが

早い分野であり、今後、最終製品の分野での巻き返しが期待される。

したがって、ユーザに新たな使用体験を提供する新しいコンセプトの端末を創出し、そ

れに必要な部品、部材を、製品ベンダと部品・部材サプライヤーが連携するなどして開発

し、それらの権利を取得していけば、今後、日本企業が情報端末の事業を有利に展開する

ことも可能であると考えられる。

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本編

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要約

第1部

第2部

第3部

2. 製品ベンダーの動向とサプライヤーとの関係について

情報端末の分野は、技術の移り変わりが早く、部品、部材メーカーは、その時々のトレン

ドに合わせた部品、部材を開発し、市場に供給していくことが求められる。そのためには、

製品ベンダーの製品トレンドを的確に把握することが不可欠である。

本調査の結果、製品ベンダー各企業の出願傾向は、その時々で注力している技術分野や市場

戦略等に左右されており、出願傾向を分析することは、製品ベンダーの製品トレンドを把握

するための有効な手段といえる。

各製品ベンダーの出願傾向をみると、アップルは、早くからスマートフォン、タッチパネ

ルに関する出願を多く行っていること、美観の向上、薄型化などの付加価値向上を課題とす

る出願の割合が、他のベンダーに比べて多いこと、が挙げられる。さらに、材料、材質に関

する出願も行っている点が注目される(図 5-12~図 5-15)。

三星電子は、フィーチャーフォンからスマートフォンとタブレットへと出願の遷移が見ら

れる(図 5-16)。

また、中国市場でシェア上位を占める中国企業についてみると、レノボは、近年、スマー

トフォン、タブレットと共に、ノート PC の出願も増加させている(図 5-20)。

華為は、近年、スマートフォン、タブレットの特許を出願し始めている点が特徴である(図

5-24)。

一般に、スマートフォンなどの情報端末の製品トレンドは、企業戦略、ユーザの嗜好、市

場特性に左右され、多様であると言われている。本調査の結果、製品ベンダー各企業の出願

傾向が、各企業の多様な製品トレンドを反映していることが確認できたので、各企業の出願

傾向を分析することは、その製品トレンドを把握するための有効な手段であるといえる。

したがって、我が国のサプライヤーは、中国市場における各国・地域の製品ベンダーの多

様な製品のトレンドを、特許分析などを通して把握しつつ、適切な技術開発、権利取得を行

うことが重要である。

また、特に、アップルのような製品ベンダーは、新たな端末を開発するにあたって、部品、

部材ベンダーと協力して部品、部材の開発も行っていると言われ、その出願内容は、基本構

想やコンセプト的なものであるとも言われている。

したがって、製品のコンセプトのキーとなる課題(美観の向上、薄型化など)や、材料、

材質などを意識して、基本構想を具体化に必要な部品や部材、その製造方法の技術を開発し、

権利を取得することが、製品ベンダーとのビジネスを有利に進める上で重要となる。

提言 2

日本企業は、中国市場における各製品ベンダーの製品のトレンドを把握しつつ、適切

な技術開発、権利取得を行うことが重要である。特に、日本のサプライヤーは、製品の

コンセプトのキーとなる課題(美観の向上、薄型化など)を意識して、部品、部材の開

発を行い、権利を取得することが、製品ベンダーとのビジネスを有利に進める上で重要

となる。

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要約

第1部

第2部

第3部

第4部

第5部

資料編

第6部

3. 中国文献調査について

図 5-29 に示すように、中国への特許出願は、ファミリー無し出願が近年急増している。

また、中国への実用新案登録は、図 5-30 に示すように、ほとんどがファミリー無しであり、

図 5-28 に示すように、その登録件数も増加している。例えば、図 5-31 に示すように、中

国のスマートフォン市場最大手のレノボも、特許出願・実用新案登録ともファミリー無し

が急増している。

つまり、中国におけるファミリー無し特許出願や実用新案登録が増加していることは、

その技術内容を中国文献からしか把握できない特許出願や実用新案登録が増加しているこ

とを意味している。

加えて、近年、情報端末の筐体・ユーザインターフェースの分野において、中国の研究

者から優秀な研究成果が出始めているが、そのような研究者の特許出願にファミリー有り

出願は少なく、その多くは中国国内の出願にとどまっている。図 5-32 に示すように、中国

の大学、研究機関による特許出願のうち、ファミリー有り出願の比率は 2.0%であり、企

業のファミリー有り出願の比率の 27.9%に比べて、非常に低い。

したがって、日本企業が中国で事業展開するにあたって、中国文献サーチの必要性は高

まっているといえる。

特に、中国文献サーチの必要性が高いと考えられる分野は、小型化・薄型化などの付加

価値向上、耐久性・耐衝撃性向上などの堅牢性・安全性を課題とする分野である。

なぜならば、課題別の日本国籍の出願傾向と中国籍の出願傾向をみると、図 5-33、 図

5-34 に示すように、小型化・薄型化などの付加価値向上、耐久性・耐衝撃性向上などの堅

牢性・安全性を課題とする技術は、中国籍の出願件数の伸びが大きい上、ファミリー無し

出願も多く、日本国籍の出願も多いからである。

中国への出願の特徴として、実用新案が多い点が挙げられる。

このような実用新案を無効審判で無効にするためには、中国文献の調査が有効であると

考えられる。

その理由は、実用新案登録は、公知文献の組合せで進歩性を否定することが難しいと言

われており、より近い公知文献を探し出す必要があるところ、実用新案のほとんどは既存

の技術を少し改良したものと言われており、似たような改良発明が同じ実用新案登録から

発見される可能性が高いと考えられるからである。

本調査によると、情報端末の筐体・ユーザインターフェースの技術分野において、実用

新案登録は、14 件中 11 件が無効とされている。

提言 3

中国へのファミリー無し出願が増加していることから、日本企業が中国での事

業展開を行うにあたり、中国文献サーチの必要性が高まっている。特に、小型

化・薄型化などの付加価値向上、耐久性・耐衝撃性向上などの堅牢性・安全性

を課題とする分野は、ファミリー無し出願が多く、日本企業の出願も多いため、

中国文献サーチの必要性が高い。