はしどい学園 コンサルタント業務報告書 2008 年 3 月 中小企業診断士...
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はしどい学園 コンサルタント業務報告書 2008 年 3 月 中小企業診断士 ファーストコンサルティング 代表 乗山 徹. 工賃水準ステップアップ事業の全体像. 既存事業+工賃アップの見込める事業割合を増やす. ブリック製品の製造・販売 (ボール、ペレット、建材). 既存事業 印刷、胸章製作、珍味袋詰、割り箸袋詰等. はしどい学園. 製造・販売(卸). ブリック製品製造・販売. ( 有 ) 加賀谷ブリック. 釧路コールマイン㈱. 企画・営業・販売(代理店開拓). 製造. ファーストコンサルティング. 全体指導助言. ㈲ 加賀谷ブリック会社概要. - PowerPoint PPT PresentationTRANSCRIPT
はしどい学園
コンサルタント業務報告書
2008年 3月
中小企業診断士ファーストコンサルティング
代表 乗山 徹
既存事業+工賃アップの見込める事業割合を増やす
既存事業印刷、胸章製作、珍味袋詰、割り箸
袋詰等
(有 )加賀谷ブリック(有 )加賀谷ブリック 釧路コールマイン㈱
釧路コールマイン㈱
はしどい学園はしどい学園
工賃水準ステップアップ事業の全体像
ブリック製品の製造・販売 (ボール、ペレット、建材)
ブリック製品製造・販売
企画・営業・販売(代理店開拓)
製造
製造・販売(卸)
ファーストコンサルティングファーストコンサルティング 全体指導助言
㈲加賀谷ブリック会社概要
設立 平成 8 年 8 月 1 日
業務内容 建材の製造・販売
〒 085-0035 北海道釧路市共栄大通り 3-2-12
TEL 0154-22-6553 FAX 0154-22-6582
作業所:釧路市貝塚 3 了目 4番地 1 号
組織:社長 1 名、事務員 2名、作業員 ( 男子障害者 )1名、 利用者男子 ( 職業訓練 )3 名、利用者支援員 1 名
加賀谷社長
㈲加賀谷ブリック会社 沿革年月 沿革
平成 8 年 7 月 会社設立
平成 14 年 12 月 稚内珪藻頁岩ブリックの特許出願をする
平成 16 年 北海道立工業試験場生産技術部生産システム科の指導を受け知的障害者の作業方法の指導を受ける
平成 17 年 3 月 「稚内珪藻頁岩壁材の高機能化」で北海道立工業試験場の技術指導を受ける
平成 17 年 11 月 北海道立工業試験場の技術開発派遣指導でテーマ「光触媒機能を付与した調湿内装材を研究開発する」の指導を受ける
平成 18 年 2 月 北海道立工業試験場と「調湿内装材の製造方法」の特許を共同出願をする
平成 18 年 2 月 北海道立工業試験場との共同研究テーマ「光触媒機能を付与した調湿内装材の開発」に札幌銀行のドリーム基金「平成 17 年度研究開発助成」を受ける
平成 18 年 7 月 「光触媒とゼオライトを利用した高機能調湿内装壁材の開発事業」 ( 北海道立工業試験場派遣指導 ) で釧路市の「中小企業等活性化推進事業」の指定を受け補助金を交付される
平成 18 年 10 月 「空気浄化機能を付与した調湿内装材の開発事業」で平成 !8 年度釧路産炭地域新産業振興事業助成金交付される北海道立工業試験場と「光触媒機能を有する機能性建材の製造方法」の特許を共同出願をする
平成 19 年 6 月 北海道立工業試験場と「光触媒機能を有する機能性建材の製造方法」の特許を共同出願をする
平成 19 年 6 月 「光触媒型高機能内装材の可視光化と機械製造技術」の技術指導受ける
平成 19 年 10 月 北海道の「平成 19 年度障害者職場実習設備等整備事業」の補助金事業に採択される
平成 20 年 3 月 財)法人店舗システム協会「 JAPAN SHOP SYSTEM AWARDS 2008 」奨励賞受賞
製品の特長
珪藻頁岩は、植物性プランク ( 珪藻 ) 由来の珪藻土が何万年もの時を経て、変成してできた海成の堆積岩であるため、一般的な珪藻土に比べて、湿度調整に有効な数ナノメートルの細孔をたくさん持つ。この細孔により、優れた調湿機能を発揮。特に、相対湿度 60%以上での調湿機能が一般の調湿材に比べ優れ、アンモニア脱臭機能にも優れる。
○調湿建材 ( 内装用壁材ブリック )
(玄関・居間・子供部屋・老人部屋 )
(病院・小児科医院・幼稚園 )
○調湿・脱臭品 ( ボール、ペレット)
(靴用・洋服ダンス・冷蔵庫 )
○室内調度品、置物等(特注品)
○調湿機能
○アンモニア脱臭機能
○素材の無害性
○効用の永久性、再利用性
・カビ・ダニの発生防止
・ペット、タバコなど生活臭の消臭
・ホルムアルデヒド等有害物質の除去
稚内珪藻頁岩とは 製品の特長
製品ライン
用途
前例の無い商品で素材を生かして多用途に商品化が可能!
ブリックボールの生産プロセス原料のプレミックス 粘土製形 土練機によるヒモ作成
ヒモ分割手で丸め乾燥
はしどい学園の現状作業加賀谷ブリックからヒモを搬出 分場に搬入
手で丸め
加賀谷ブリックにボールを納品
㈲加賀谷ブリックの今後の事業展開事業規模を拡大し、全国市場に展開する
◎販路拡大
ホームセンタールート、インテリア雑貨ルートの代理店開拓、ネット販売
◎生産体制の構築
アウトソーシングによるファブレス化
→製品及び容器
◎組織強化
関係各社の出資と人材確保
企業連携と役割分担
㈲加賀谷ブリック
・商品企画
・商品開発
・営業
・障害者雇用拡大
釧路コールマイン㈱
・製造アウトソーシング
はしどい学園
・製造アウトソーシング
発注
納品
発注
納品
生産能力のバッファの役割
全体スケジュール
9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月家族への事業説明職員への事業説明生産プロセス設計・人員計画製造・販売・損益計画(計数関係)販売戦略策定設備導入、作業場整備(ボール)
(試験操業 ボール)(本操業 ボール)
設備導入、作業場整備(ペレット)試験操業(ペレット)本操業(ペレット)販売店開拓卸業務職員教育訓練利用者教育訓練地域ネットワーク会議中間報告会(東京)最終報告会(東京)
会議
製造
実施項目
教育
計画
準備
販売
コンサルティング計画
9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月家族への事業説明職員への事業説明生産プロセス設計・人員計画製造・販売・損益計画(計数関係)販売戦略策定市場調査販売店開拓サポート卸業務サポート職員教育訓練利用者教育訓練サポート地域ネットワーク会議中間報告会(東京)最終報告会(東京)
会議
実施項目
教育
計画
準備
販売
準備段階の結果1.家族説明会 10月29日実施
・反対意見など後ろ向きの意見はなく皆事業に期待しているように伺えた。
・ブリック製品に対する意見が数多く出た。
どの程度の障害レベルまで作業可能かとの質問が出た。→利用者の8割は可能
ラベル説明の字が小さいと読まない。
現状、宣伝が少なく、どこで販売しているのか分からない。
商品の効果の説明や必要量の説明があった方が良い。
長く効果が持続するというが、取替え時期を明示し、ラベルに取替え日を記入できるようにす
べき。
天日で干してどの程度効果が回復するか示して欲しい。
・消費者モニターとして別の機会を設け、協力を要請した。
2.職員説明会 1 2月 3日実施
・実施計画書の説明
・工賃目標値の説明、詳細スケジュール説明と役割分担
・分場でのブリックボールの生産体制、人繰り等について再構築する事とした。
計画段階の結果
当初予定 実施結果 今後の方向性生産プロセス設計・人員計画
・生産プロセス:原材料プレミックス→攪拌・混合→型成型→切断→丸め→自然乾燥→保管→箱詰・人員配置計画作成
・丸め作業のみはしどい学園で担当・人員配置をした結果生産性悪く単価が低く赤字。
・生産プロセス:原材料プレミックス→攪拌・混合→型成型→切断→丸め→自然乾燥→保管→箱詰の全工程を実施
製造・販売・損益計画(計数関係)
・上限 4t を目標に段階的に生産アップを図る。
・丸めだけでは目標達成できない。
・全製造工程実施する事で収益を確保。・製造のみとし加賀谷ブリックに全量引き取ってもらう。
販売戦略策定 ・卸業務について市内のみとするか代理店を使い他地域に広げるか検討。
・既存販売店以外の開拓ができていない。
・卸業務は実施しない。小売は市内販売店の開拓及びネット通販を検討。
製造段階の結果
当初予定 実施結果 今後の方向性
ブリックボール ・設備導入、作業場整備( 11 月末)→試験操業(12 月上旬)→本操業 (12月中旬)
分場2階を改築し、建物と乾燥棚の設備は導入したが全プロセス用の機器は未導入。今年度は丸めの手作業のみの稼動となった。
全プロセス導入に向けて設備投資の検討。
ペレット ・設備導入、作業場整備( 2 月上旬)→試験操業(2 月中旬)→本操業 (2 月下旬)
機械の導入が補助金の関係で4月にずれ込む
2ヶ月ずれこむが予定通り製造開始。
販売段階の結果
当初予定 実施結果 今後の方向性販売店開拓 ・釧路市内の集客力のあ
る有力店開拓・既存販売店以外の開拓ができていない。・生産の不安定さを理由に断られたケースも。・釧路商工会議所の物産コーナーで展示。
・市内有力店を引き続き開拓。
卸業務 ・受注・出荷・請求等商流について作業を整理し、職員担当者決め事前準備・出荷開始 2 月
・販売に関しては受注量が少なく担当者が対応。・新聞記事等を通じた注文に随時対応している。
・基本的には㈲加賀谷ブリックを通じての販売とする。・ネット通販を検討。
教育訓練の結果
当初予定 実施結果 今後の方向性職員教育訓練 ・事業に関する役割と担
当きめ・作業を整理・明確化し、商業マナー等基礎的な事項の確認を行う。
・今年度は製造は単純作業のため未実施。・販売業務も本格化しなかったため未実施。
・次年度は製造についてはこれまで㈲加賀谷ブリックで指導していた職員が戻る。・他職員にもノウハウを広める。
利用者教育訓練 ・ ( 有 ) 加賀谷ブリックにて未経験者については実地訓練を行う。
・丸め作業のみのため訓練は特に不要・訓練とは別に ( 有 ) 加賀谷ブリックにて3名が体験実習をした。
・全製造プロセス実施に向けて本格的な教育訓練の実施が必要。
ネットワーク会議の経過第1回会議 ・企業との連携モデルである点を説明した 加賀谷ブリックの製造量に依存する事業である。 ・加賀谷社長より 事業の進捗状況の説明。 将来的にはブリックボール、ペレットははしどい学園に全工程を製造委託するつもりである。 手で丸める作業は障害者に向いている。 丸め作業は他施設に回す事も可能である。
第2回会議 園長より卸商社との商談の経過を説明 市内販売について検討 木の容器の形状について検討
第3回会議 分場の作業場所の完成予定→11月からの予定だが不確定、工期がずれるのは仕方がない ペレットの機械の導入が予定より遅れる 加賀谷社長より商業ベースでははしどい学園が当てにならないと批判 父兄をネットワーク会議にいれるよう提案、使用モニターとしても期待できる
ネットワーク会議の経過
第4回会議(この以降父母の会が参加) ・丸め作業を分場で開始する。作業班を再編成し、1月から作業をスタートしたい。 ・加賀谷より販路開拓が急速に広がってきた説明。 ・父母の意見として
モニターとしての意見を増やしたいリピーターは良いものは次にも買う。 ニーズと価格のバランスが重要現在の製品は見た目のでどの位消臭しているかわかりずらい、どれだけ持つのか表示
が欲しいデザインのプロ仕様が必要枕カバー、床ずれ対策シーツ、クローゼットのハンガー内に袋状でつるす、ブールの臭い
取り等多くの製品に対する意見が出た。 ・1日の作業量から月4000 kg は無理との意見が出た。 ・加賀谷社長より一連の工程を全てこなすせば当然工賃はアップできる旨話があった。
ネットワーク会議の経過
第5回会議 ・鈴木副会長、上村氏より全国の動き等助言があった。 ・加賀谷社長よりマーケティングの動き説明 ・加賀谷社長より生産性を上げる為に土練機を入れてヒモ作りもやってはどうかとの話があった。 ・釧路市が他の施設への箱詰めや丸め作業の連携をしてはどうかと提案。 ・設備投資についてはすぐ結論が出せない。
第6回会議 ・園長よりセルプ協で宣伝してくれる旨説明。 ・加賀谷社長より再度、土練機の導入により一連の作業プロセスをやると工賃アップにつながると助言 ・親の会より
350 万円~ 400 万円の設備投資は可能能力給ではなく全員のベースアップとならなければ駄目障害者がしっかり働ける職場として地域発信していく姿勢が大事だ生産性上げる試験場としての役割もある中心としてやっていく組織として拡げてゆく姿勢が必要子供が活き活きとして働ける職場をつくるべきはしどい学園には社会的責任がある
・以上を受けて全プロセス導入に向けて案をつくり理事会に挙げる事とした。
全プロセス導入の試算
設備投資項目 製造全プロセス実施の場合の工賃試算 (単位 千円)
ミキサー 200計量機 70ボール成型土練機 800ボール成型器 100その他付帯設備 200
1,370
21年度 22年度kg単価 350円 350円
kg生産 数/月 1,800kg 3,300kg売上 630,000円 1,155,000円減価償却費 20,550円 20,550円その他経費 100,000円 100,000円経費計 120,550円 120,550円許容人件費 509,450円 1,034,450円人数 50人 50人
UP工賃 額 10,189円 20,689円
はしどい学園の今後の事業展開イメージブリックボール&ペレットの製造一括請負 + 地域施設間連携
㈲加賀谷ブリック
ブリックボール&ペレットは全てはしどい学園に製造アウトソーシング
はしどい学園発注
納品
原料のプレミックス
粘土製形
土練機によるヒモ作成
ヒモ分割
手で丸め
乾燥
梱包・出荷
他施設
他施設
他施設
他施設
他施設
地域全体の工賃UPへ
今年度事業の総括・企業との連携の中で工賃アップを図る仕組みであるが、当初連携企業への依存心が大きすぎ受身の姿勢が目立ったように思う。・これまでの延長線上の作業では当初試算の工賃アップが困難な事が判明した。・思い切った全工程作業への取り組みが必要な事も分かってきて、父兄の後押しもあり、リスクも抱える事にはなるが新たな製造へのチャレンジを次年度以降実施する事となった。・障害者が消費者に喜ばれる他に類例のない優れた商品を生み出すと胸を張って言える職場づくりへの大きな夢に次年度以降更に本格的に取り組む事になる。・他施設との連携も含めて地域全体でのビジネスモデルを構築したい。・厳しいスケジュールの中での本事業への取り組みが、受身では何も達成できないという新たな気付きを与えてくれた事に感謝したい。