sectio n-5 セグメント情報 · 26,233 30,490 37,540 70,717 2,752 2,270 3,182 4,393 2015 2016...

3
焼酎では、強みである樽貯蔵熟成酒の訴求による“宝焼酎” ブランドの活性化に取り組むとともに、近年のレモンサワー 人気の高まりにあわせて、関連商品の拡売に努めましたが、 市場縮小の影響から減収となりました。重点カテゴリーである 清酒も、市況の影響を受け減収とはなりましたが、“松竹梅 「天」 ”、“松竹梅「豪快」 ”、“スパークリング 清 酒「澪」 ”のほ か、吟醸酒、純米酒といった特定名称酒など、抜け・モレの ない商品戦略の推進により、2018年1-12月期において国 内出荷数量No.1を達成しました。ソフトアルコール飲料 は、“タカラ「焼酎ハイボール」 ”が引き続き伸長したほか、“寶 「極上レモンサワー」 ”や“ 「寶CRAFT」 ”などの新商品が好調 だったこともあり、大幅な増収となりました。調味料では、 本みりんの調理効果の訴求強化や、料理清酒、食品調味料 等の拡売に注力することでほぼ前期並みとなり、また原料アル コール等が増収となりました。 利益面では、運送費や販売促進費の増加により販売費 及び一般管理費が増加しましたが、売上高の増加による売上 総利益の増加がこれを上回り、増益となりました。 以上の結果、宝酒造の売上高は前期比1.7%増収の1,524億 57百万円、営業利益は前期比6.8%増益の59億48百万円と なりました。 宝酒造 (国内事業) 2018320193調149,839 152,457 -827 +4,235 -1,377 -156 (百万円) (3月期) 2019 (百万円) (3月期) 2019 売上高 営業利益 2019年3月期の売上高増減要因 152,457 5,948 152,457 百万円 (百万円) 5,948 百万円 焼酎 清酒 ソフトアルコール飲料 その他酒類 調味料 原料用アルコール等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・ 35.0 % 14.0 % 25.4 % 4.3 % 15.5 % 5.8 % カテゴリー別 売上構成比 -240 +983 焼酎 長年培ってきた独自の蒸留技術や貯蔵技術によって、時代が求 める焼酎を追求し、市場を創造し続けることで、焼酎市場の発展に 貢献してきました。 甲類焼酎では、伝統と安心の甲類焼酎No.1ブランド“宝焼酎”、 樽貯蔵熟成酒を3%ブレンドし、まろやかな口当たりと芳醇な味わい が特長の“極上〈宝焼酎〉 ”、発売から40周年を迎えロングセラーを 続ける“宝焼酎「純」”、レモンサワー人気を牽引する“こだわりの レモンサワー用〈宝焼酎〉 ”など、独自の品質と味わいを持つブランド によりトップシェアを堅持しています。また、本格焼酎では芋 100%にこだわった“全量芋焼酎「一刻者(いっこもん)」 ”、麦本来 の味わいを追求した“本格麦焼酎「知心剣(しらしんけん)」 ”など、 独自の技術によるオリジナリティのある商品を開発・育成してい ます。 清酒 松竹梅は、「よろこびの清酒」として慶祝・贈答市場におけるトップ ブランドの地位を確立しています。 2001年には「本当に旨くてよい酒とは何か」を徹底的に追求するため、 伝統的な手造りの原理を再現した最新鋭の設備と、人の手で行う酒造り の両方をあわせもった松竹梅白壁蔵(しらかべくら)を完成させ、新感覚の スパークリング清酒“松竹梅白壁蔵「澪(みお)」 ”や“ 「澪」 〈DRY〉 ”、“松竹 梅「白壁蔵」 〈生(きもと)純米〉 ”などの高品質酒を送り出しています。 また、独自の二段酵母仕込による「コクがあってすっきり飲みやすい」味 わいの“松竹梅「天」 ”が、日常の晩酌酒としてご好評をいただいています。 業務用市場においては“松竹梅「豪快」 ”が広くご支持をいただいて います。これからも松竹梅は、造りや原材料にこだわり、高品質酒から 日常の晩酌酒まで、お客様の幅広いニーズにきめ細かくお答えする 商品を提案していきます。 ソフトアルコール飲料 1984年に日本初の缶入りチューハイとして衝撃的なデビューを 飾って以来、30年以上にわたりご愛飲いただいている“タカラcan チューハイ”や、下町の大衆酒場で愛され続ける辛口な味わいを追求 した“タカラ「焼酎ハイボール」 ”など、独自の世界観を持った商品が 多くのお客様からご支持をいただいています。 また、ベースとなるアルコールに当社独自の「樽貯蔵熟成焼酎」を 使用した“タカラ「樽が香る焼酎ハイボール」 ”や“寶「極上レモンサ ワー」 ”、ご当地素材を使った地域限定の“ 「寶CRAFT」 ”など、お客様 の嗜好にあわせ幅広い商品を取り揃えています。 これからも、甲類焼酎トップメーカーとして焼酎のおいしさを活かし、 新しい価値をお届けする商品の開発・育成に取り組んでいきます。 調味料 本みりんのトップブランドとして日本の食文化とともに進化・発展 を続けてきた“タカラ本みりん”や、食塩0(ゼロ)の料理清酒“タカ ラ「料理のための清酒」 ”など、「お酒のチカラでもっとおいしく」をテー マに、料理をおいしく、食卓を豊かにする様々な酒類調味料をご提 案しています。 また、加工業務用市場に向けては、惣菜や加工食品などに適した 酒類調味料や、だし調味料などの商品を取り揃えるとともに、食品 分析や調理効果研究、レシピ開発などお客様とともに様々な課題 解決に取り組んでいきます。 セグメント情報 SECTION-5 145,492 149,452 147,884 149,839 4,082 4,428 5,071 5,569 2017 2016 2015 2018 2017 2016 2015 2018 日本初の缶入りチューハイ“タカラcanチューハイ”発売35周年 “タカラcanチューハイ”復刻デザイン缶 宝酒造が1984 年1月に発売した日本初の缶入りチュー ハイ“タカラcanチューハイ”が、2019年で発売35周年を 迎えました。 “タカラcanチューハイ”は、宮崎県にある宝酒造の焼酎蔵 「黒壁蔵」で造られた樽貯蔵熟成酒やクリアな炭ろ過水を 使用した辛口のプレミアムチューハイとして、競争が激しい チューハイ市場において今なお多くのお客様に愛されている ロングセラー商品です。 今回の35周年を記念して、発売当時のロゴデザインを 模した復刻デザイン缶を限定新発売しました。当時販売され ていたフレーバー〈プラム〉も数量限定で発売し、35年前の 発売時当初の4フレーバーを揃えました。 さらに“タカラcanチューハイ”のおいしい飲み方やよく合う おつまみ、飲用シーンなどについて、お客様同士がウェブ上 で自由に語り合えるコミュニティサイト「タカラcanチューハイ コミュニティ」も開設しています。 ソフトアルコール飲料の伸長により増収増益 事業の概況 36 TAKARA HOLDINGS INC. Integrated Report 2019 TAKARA HOLDINGS INC. Integrated Report 2019 35

Upload: others

Post on 21-May-2020

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: SECTIO N-5 セグメント情報 · 26,233 30,490 37,540 70,717 2,752 2,270 3,182 4,393 2015 2016 2017 2018 2015 2016 2017 2018 77,834 4,532 海外酒類事業では、米国で清酒を中心に製造

 焼酎では、強みである樽貯蔵熟成酒の訴求による“宝焼酎”

ブランドの活性化に取り組むとともに、近年のレモンサワー

人気の高まりにあわせて、関連商品の拡売に努めましたが、

市場縮小の影響から減収となりました。重点カテゴリーである

清酒も、市況の影響を受け減収とはなりましたが、“松竹梅

「天」”、“松竹梅「豪快」”、“スパークリング清酒「澪」”のほ

か、吟醸酒、純米酒といった特定名称酒など、抜け・モレの

ない商品戦略の推進により、2018年1-12月期において国

内出荷数量No.1を達成しました。ソフトアルコール飲料

は、“タカラ「焼酎ハイボール」”が引き続き伸長したほか、“寶

「極上レモンサワー」”や“「寶CRAFT」”などの新商品が好調

だったこともあり、大幅な増収となりました。調味料では、

本みりんの調理効果の訴求強化や、料理清酒、食品調味料

等の拡売に注力することでほぼ前期並みとなり、また原料アル

コール等が増収となりました。

 利益面では、運送費や販売促進費の増加により販売費

及び一般管理費が増加しましたが、売上高の増加による売上

総利益の増加がこれを上回り、増益となりました。

 以上の結果、宝酒造の売上高は前期比1.7%増収の1,524億

57百万円、営業利益は前期比6.8%増益の59億48百万円と

なりました。

宝酒造(国内事業)

2018年

3月期実績

清酒

ソフトアルコール

飲料

焼酎

その他酒類

2019年

3月期実績

調味料

149,839

152,457

−827

+4,235

−1,377

−156

(百万円)

(3月期)2019

(百万円)

(3月期)2019

売上高 営業利益 2019年3月期の売上高増減要因

152,457 5,948

152,457 百万円

(百万円)

5,948 百万円

焼酎清酒ソフトアルコール飲料その他酒類調味料原料用アルコール等

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

35.0 %14.0 %25.4 %

4.3 %15.5 %

5.8 %

カテゴリー別売上構成比

−240

原料アルコール等

+983

焼酎

 長年培ってきた独自の蒸留技術や貯蔵技術によって、時代が求める焼酎を追求し、市場を創造し続けることで、焼酎市場の発展に貢献してきました。 甲類焼酎では、伝統と安心の甲類焼酎No.1ブランド“宝焼酎”、樽貯蔵熟成酒を3%ブレンドし、まろやかな口当たりと芳醇な味わいが特長の“極上〈宝焼酎〉”、発売から40周年を迎えロングセラーを続ける“宝焼酎「純」”、レモンサワー人気を牽引する“こだわりのレモンサワー用〈宝焼酎〉”など、独自の品質と味わいを持つブランドによりトップシェアを堅持しています。また、本格焼酎では芋100%にこだわった“全量芋焼酎「一刻者(いっこもん)」”、麦本来の味わいを追求した“本格麦焼酎「知心剣(しらしんけん)」”など、独自の技術によるオリジナリティのある商品を開発・育成しています。

清酒

 松竹梅は、「よろこびの清酒」として慶祝・贈答市場におけるトップブランドの地位を確立しています。 2001年には「本当に旨くてよい酒とは何か」を徹底的に追求するため、伝統的な手造りの原理を再現した最新鋭の設備と、人の手で行う酒造りの両方をあわせもった松竹梅白壁蔵(しらかべくら)を完成させ、新感覚のスパークリング清酒“松竹梅白壁蔵「澪(みお)」”や“「澪」〈DRY〉”、“松竹梅「白壁蔵」〈生酛(きもと)純米〉”などの高品質酒を送り出しています。また、独自の二段酵母仕込による「コクがあってすっきり飲みやすい」味わいの“松竹梅「天」”が、日常の晩酌酒としてご好評をいただいています。 業務用市場においては“松竹梅「豪快」”が広くご支持をいただいています。これからも松竹梅は、造りや原材料にこだわり、高品質酒から日常の晩酌酒まで、お客様の幅広いニーズにきめ細かくお答えする商品を提案していきます。

ソフトアルコール飲料

 1984年に日本初の缶入りチューハイとして衝撃的なデビューを飾って以来、30年以上にわたりご愛飲いただいている“タカラcanチューハイ”や、下町の大衆酒場で愛され続ける辛口な味わいを追求した“タカラ「焼酎ハイボール」”など、独自の世界観を持った商品が多くのお客様からご支持をいただいています。 また、ベースとなるアルコールに当社独自の「樽貯蔵熟成焼酎」を使用した“タカラ「樽が香る焼酎ハイボール」”や“寶「極上レモンサワー」”、ご当地素材を使った地域限定の“「寶CRAFT」”など、お客様の嗜好にあわせ幅広い商品を取り揃えています。 これからも、甲類焼酎トップメーカーとして焼酎のおいしさを活かし、新しい価値をお届けする商品の開発・育成に取り組んでいきます。

調味料

 本みりんのトップブランドとして日本の食文化とともに進化・発展を続けてきた“タカラ本みりん”や、食塩0(ゼロ)の料理清酒“タカラ「料理のための清酒」”など、「お酒のチカラでもっとおいしく」をテーマに、料理をおいしく、食卓を豊かにする様々な酒類調味料をご提案しています。 また、加工業務用市場に向けては、惣菜や加工食品などに適した酒類調味料や、だし調味料などの商品を取り揃えるとともに、食品分析や調理効果研究、レシピ開発などお客様とともに様々な課題解決に取り組んでいきます。

セグメント情報SECTION -5

145,492149,452147,884

149,839

4,0824,4285,071

5,569

201720162015 2018 201720162015 2018

日本初の缶入りチューハイ“タカラcanチューハイ”発売35周年

“タカラcanチューハイ”復刻デザイン缶

 宝酒造が1984 年1月に発売した日本初の缶入りチュー

ハイ“タカラcanチューハイ”が、2019年で発売35周年を

迎えました。

 “タカラcanチューハイ”は、宮崎県にある宝酒造の焼酎蔵

「黒壁蔵」で造られた樽貯蔵熟成酒やクリアな炭ろ過水を

使用した辛口のプレミアムチューハイとして、競争が激しい

チューハイ市場において今なお多くのお客様に愛されている

ロングセラー商品です。

 今回の35周年を記念して、発売当時のロゴデザインを

模した復刻デザイン缶を限定新発売しました。当時販売され

ていたフレーバー〈プラム〉も数量限定で発売し、35年前の

発売時当初の4フレーバーを揃えました。

 さらに“タカラcanチューハイ”のおいしい飲み方やよく合う

おつまみ、飲用シーンなどについて、お客様同士がウェブ上

で自由に語り合えるコミュニティサイト「タカラcanチューハイ

コミュニティ」も開設しています。

ソフトアルコール飲料の伸長により増収増益

事業の概況

36TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2019

TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2019

35

Page 2: SECTIO N-5 セグメント情報 · 26,233 30,490 37,540 70,717 2,752 2,270 3,182 4,393 2015 2016 2017 2018 2015 2016 2017 2018 77,834 4,532 海外酒類事業では、米国で清酒を中心に製造

26,233 30,49037,540

70,717

2,7522,270

3,182

4,393

201720162015 2018 201720162015 2018

77,834 4,532

 海外酒類事業では、米国で清酒を中心に製造・販売を

行う米国宝酒造が減収となりましたが、同じく米国のエイ

ジ・インターナショナル社のウイスキーの売上が増加し増収

となりました。海外日本食材卸事業では、日本食人気の広

がりを追い風に、米国のミューチャルトレーディング社を

はじめ、欧州、豪州の各卸会社が好調に推移し増収となり

ました。

 利益面では、米国を中心とするコメの調達価格の上昇や、

各地での運送費や人件費等の費用が、事業拡大に伴う先行

投資も含めて増加しましたが、全体では増益となりました。

 以上の結果、宝酒造インターナショナルグループの売上

高は前期比10.1%増収の778億34百万円、営業利益は前

期比3.2%増益の45億32百万円となりました。

2018年

3月期実績

2019年

3月期実績

(百万円)

(3月期)2019

(百万円)

(3月期)2019

営業利益 2019年3月期の売上高増減要因

77,834 百万円

(百万円)

4,532 百万円

海外酒類事業

 “清酒「松竹梅」”や“タカラ本みりん”をはじめとする宝酒造商品の輸出に加え、米国全土および欧州向けに清酒やみりんなどを製造・販売する米国宝酒造、中国で清酒や本みりん、焼酎の製造・販売を行う宝酒造食品、バーボンウイスキー“ブラントン”を扱うエイジ・インターナショナル社、スコッチウイスキーの製造・販売を行うトマーチン社の4社を軸に、事業を展開しています。

海外日本食材卸事業

 世界の日本食レストランや小売店などに向け、コメや海苔、醤油といった日本食材をはじめ、調理機器・容器などの関連商品の提供を行っています。欧州ではフーデックス社(フランス)、タザキフーズ社(イギリス)、コミンポート社(スペイン)、ケタフーズ社(ポルトガル)が、米国ではミューチャルトレーディング社が、またオーストラリアではニッポンフード社が、拡大する日本食市場に向けてそれぞれ積極的な事業展開を行っています。

セグメント情報SECTION -5

カテゴリー別売上構成比

宝酒造インターナショナルグループ(海外事業)

海外酒類事業海外日本食材卸事業その他

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

13.5 %86.4 %

0.1 %

70,717

77,834

+274

+6,874 +13

−45

海外日本食材

卸事業

海外酒類事業

その他

連結消去

宝酒造食品

上海宝酒造貿易

宝酒造アジアパシフィック

米国宝酒造 エイジ・インターナショナル

フーデックスグループ

フーデックス

コミンポート

ケタフーズ

トマーチン

英国駐在事務所

タザキフーズ

パリ駐在事務所

ミューチャルトレーディング

ニッポンフード

宝酒造インターナショナル

宝酒造インターナショナルグループの海外ネットワーク

売上高

「IWSC 2018」バーボンカテゴリーにおいて“ブラントンゴールド”が金賞を受賞

IWSC 2018 金賞受賞“ブラントンゴールド”

 宝酒造インターナショナルのグループ会社であるエイジ・

インターナショナルが世界に向けて販売しているバーボンウ

イスキー“ブラントンゴールド”が、「インターナショナル・

ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション(IWSC)

2018」のバーボンカテゴリーにおいて、最高賞の金賞を受賞

しました。1969年にイギリスで創設されたIWSCは、世界で

最も歴史と権威のある酒類コンペティションとして知られて

います。

 また、同コンペティションにおいて、“ブラントン・ストレート・

フロム・ザ・バレル”が銀賞(アウトスタンディング※)、“ブラン

トン”が銀賞をそれぞれ受賞しました。

海外日本食材卸事業が好調に推移し増収増益

事業の概況

※ 各賞において高い評価を獲得したものに与えられる称号。

海外酒類事業の拠点 海外日本食材卸事業の拠点

38TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2019

TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2019

37

Page 3: SECTIO N-5 セグメント情報 · 26,233 30,490 37,540 70,717 2,752 2,270 3,182 4,393 2015 2016 2017 2018 2015 2016 2017 2018 77,834 4,532 海外酒類事業では、米国で清酒を中心に製造

2019 2019

35,8415,463

201720162015 2018 201720162015 2018

29,72925,969

29,375

32,312

2,3022,667

3,2023,555

(百万円)

2019年3月期の売上高増減要因

32,312

35,841−421

+2,006

+1,943

 バイオ産業支援事業では、理化学機器は減少しましたが、

主力の研究用試薬および受託サービスが増加し増収となり

ました。遺伝子医療事業では、日本におけるNY-ESO-1・

siTCR®遺伝子治療薬およびCD19・CAR遺伝子治療薬に

関する共同開発・独占販売契約にかかる対価料および本契約

に基づく治験製品等の売上高を計上し大幅増収となり

ました。医食品バイオ事業では、当事業のうち健康食品

事業を2019年1月にシオノギヘルスケア株式会社に、同じく

腫瘍溶解性ウイルスC-REVの国内製造販売承認申請を実施

AMED「遺伝子・細胞治療研究開発基盤事業」に参画

キノコ事業を2019年3月に株式会社雪国まいたけに、それ

ぞれ事業譲渡を行い、これにより医食品バイオ事業を終了

しました。

 利益面では、上述の遺伝子医療事業における対価料を受領

したことなどにより、対前期で大幅な増益となりました。

 以上の結果、タカラバイオグループの売上高は前期比

10.9%増収の358億41百万円、営業利益は前期比53.7%

増益の54億63百万円となりました。

2018年

3月期実績

2019年

3月期実績

(3月期)

(百万円)

(3月期)

売上高 営業利益

35,841 百万円

(百万円)

5,463 百万円

バイオ産業支援事業

 研究支援分野とCDMO分野の双方で、世界中のライフサイエンス研究を支援しています。遺伝子増幅に用いられる高性能のPCR酵素やリアルタイムPCR装置、幹細胞関連製品など、市場ニーズに応じた研究用試薬や理化学機器を開発・販売しています。CDMO事業では幅広いサービスを提供し、「再生医療等製品開発のベストパートナー」として、遺伝子治療や細胞治療などの先端医療開発を強力にサポートします。

遺伝子医療事業

セグメント情報SECTION -5

バイオ産業支援遺伝子医療医食品バイオ

・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

88.1 %6.8 %5.1 %

タカラバイオグループ(バイオ事業)

カテゴリー別売上構成比

バイオ産業支援

遺伝子医療

医食品バイオ

 がんなどを対象にした遺伝子治療の臨床開発を進めています。メラノーマや膵臓がんを対象にした腫瘍溶解性ウイルスC-REV、滑膜肉腫を対象にしたNY-ESO-1・siTCR®遺伝子治療および、急性リンパ芽球性白血病を対象としたCD19・CAR遺伝子治療の早期商業化を目指します。

主要プロジェクトの開発状況(2019年6月現在)

※1 大塚製薬(株)と提携 ※2 Dong-A ST Co., Ltd.と提携

プロジェクト 地域 状況

腫瘍溶解性ウイルス

C-REV一般名:canerpaturev製品名:EPLICANA®

メラノーマ(悪性黒色腫)

遺伝子改変T細胞療法

固形がん

CAR

siTCR®

CD19

承認申請中※1

膵臓がん Phase Ⅰ 進行中※1

全疾患 協議中※2

メラノーマ(悪性黒色腫) 医師主導治験Phase Ⅱ 進行中

成人急性リンパ芽球性白血病

適応拡大

Phase Ⅰ/Ⅱ 進行中※1

協議中※1

滑膜肉腫

適応拡大

日本

日本

カナダ

韓国

米国

日本

日本

日本

日本

Phase Ⅰ/Ⅱ 進行中※1

協議中※1

医師主導治験Phase Ⅰb 進行中

NY-ESO-1

対象疾患

 タカラバイオは2019年3月、「腫瘍溶解性ウイルス※3C-REV

(一般名canerpaturev)」の根治切除不能・転移性メラノーマ※4

を適応症とした再生医療等製品の製造販売承認申請を行い

ました。本申請は既存治療薬が無効または再発のメラノーマ

患者を対象に実施された、イピリムマブ※5との併用療法の臨床

試験結果に基づくもので、本適応症についてはタカラバイオ

が主導的に開発を実施しました。

 タカラバイオは2016年12月に大塚製薬株式会社と日本

国内におけるC-REVに関する独占的ライセンス契約を締結

しており、本申請の承認取得後はタカラバイオが製造、大塚製薬

が販売を担当します。

※3 正常な細胞内ではほとんど増殖せず、がん細胞内で特異的に増殖するウイルス。増殖によりがん細胞を破壊する。※4 皮膚に発生する悪性度が非常に高いがんの一種。悪性黒色腫とも呼ばれる。※5 がん細胞を攻撃する細胞傷害性T細胞の、健康な細胞への攻撃を防ぐための抑制機能を解除し、抗腫瘍活性を増強する医薬品(免疫チェックポイント阻害剤)。

 タカラバイオは、国立研究開発法人日本医療研究開発機構

(AMED)が実施する「遺伝子・細胞治療研究開発基盤事業」

に参画しました。

 本事業は、先端的な遺伝子・細胞治療に必要となるウイルス

ベクターの高度な大量製造や、安全性向上に関する技術開発

をオールジャパン体制で目指すものです。これにあわせて、本

事業の技術開発拠点となる研究開発施設がタカラバイオの

草津事業所地区に設置されました。これは本事業に参画する

企業やアカデミアの保有技術の統合を目的とするもので、タ

カラバイオは施設の一部(鉄骨造2階建1階部分、床面積約

1,000m2)を貸与しています。

遺伝子治療薬に関する契約対価料の計上などにより大幅増収増益

事業の概況

40TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2019

TAKARA HOLDINGS INC.Integrated Report 2019

39