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Physiology Lessons for use with the Biopac Student Lab Windows ® 98SE, Me, 2000, XP Lesson 6 ECG Ⅱ(心電図応用) 双曲誘導(Leads I, II, III) アイントホーフェンの法則 前頭面での平均電気軸 Manual Revision PL3.7.1 072006 Richard Pflanzer, Ph.D. Associate Professor Indiana University School of Medicine Purdue University School of Science William McMullen Vice President BIOPAC Systems, Inc. 翻訳 日本国内総代理店 株式会社モンテシステム 藤田保健衛生大学衛生学部 教授 医学博士 長岡俊治 BIOPAC Systems, Inc. 42 Aero Camino, Goleta, CA 93117 USA (805) 685-0066, Fax (805) 685 0067 Email: [email protected] Web Site: http://www.biopac.com © BIOPAC Systems, Inc

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Physiology Lessons for use with the

Biopac Student Lab

Windows® 98SE, Me, 2000, XP

Lesson 6 ECG Ⅱ(心電図応用)

双曲誘導(Leads I, II, III) アイントホーフェンの法則 前頭面での平均電気軸

Manual Revision PL3.7.1 072006

Richard Pflanzer, Ph.D. Associate Professor

Indiana University School of Medicine

Purdue University School of Science

William McMullen Vice President

BIOPAC Systems, Inc.

翻訳

日本国内総代理店 株式会社モンテシステム

藤田保健衛生大学衛生学部

教授 医学博士

長岡俊治

BIOPAC Systems, Inc. 42 Aero Camino, Goleta, CA 93117

USA (805) 685-0066, Fax (805) 685 0067

Email: [email protected] Site: http://www.biopac.com

© BIOPAC Systems, Inc

Page 2 Biopac Student Lab

I. はじめに 1901 年に Willem Einthoven は、心臓の電気信号を

記録できる「弦検流計」を開発しました。その種の記

録計ではそれが最初のものではありませんでしたが、

同じ患者で結果を再現するのに十分な精度の高い

飛躍的な記録計でした。Einthoven は標準的な

ECG 記録の構成を確立し、1924 年にノーベル賞を

受賞しました。その時以来、ECG は心臓の障害診断

における強力な手段となりました。[臨床における

ECG の判読は実に実践での集学的なものであり、

既知の心疾患を参考にしたり、関連付けたりする長

い歴史から進歩したものであることに注意する必要

があります。]

心臓の電気活動は洞房結節(SA 結節)で発生し、心房内全体や AV 結節に広がります(詳細は「レッスン 5

ECGⅠ」を参照してください)。信号が広がることによってマイナスの電荷が起こり、脱分極を誘発します。心房に

おけるこの脱分極が ECG の P 波として記録されます。AV 結節では、電気信号が減速します。その後、電気信

号は AV 束を下方に、左右の脚を下方に伝導し、心室中隔に沿って伝導します。引き続いて脱分極は中隔を

下方に進み、プルキンエ線維を介して心室全体に拡大します。心室脱分極は ECG において QRS 波群として

記録されます。心室が完全に脱分極した後、心室は再分極の過程を開始し、これは T 波として記録されます。

電流は特殊な経路に沿って広がり、連続的に脱分極するため、電気活動には空間的な方向付けまたは電気軸

があります。発生した電気信号の量は脱分極される組織の量と比例し、心室はその大半が集塊で構成されてい

るため、最大電位差は心室の脱分極を反映するものです。さらに、左室は右室よりは大きいため、QRS 波群の

多くが左室の脱分極を反映しています。

身体は電気の伝導を可能にするイオン液を含んでいます。これによって、皮膚の表面から心臓内やその周囲の

電気活動を測定することが可能となります(電極を用いた体液の良好な電気伝導がなされるものと想定して)。ま

た、脚や腕は胴体の単純な点延長として活用することが可能です。脚からの測定は鼠径部で生じる電気活動、

腕からの測定値は対応する肩の電気活動の近似値を求めることができます。

ECG 評価を行なう被験者の便宜上、電極は足首と手首に留置するのが理想です。ECG 記録器が正しく作動す

るためには、身体上に接地基本点を設けます。この接地は右足首の上の脚部に留置した電極で可能になりま

す。

心電図では、身体を立体的に表す 3 つの平面が定義されてい

ます(図 6.1)。 図 6.1

Lesson 6: ECG II Page 3

「誘導」という用語は、身体上の 2 つの電極の空間的配置として定義されています。1 つの誘導は「+」(陽極)、も

う 1 つは「-」(陰極)と表示されます。電極の配置が誘導の記録方向を決定し、誘導軸または角と呼ばれていま

す。軸は、陰極から陽極電極に進む方向によって決定されます。ECG 記録器は陽極電極と陰極電極間の差

(大きさ)を算出します。

誘導測定値を表す良好な数学的手段はベクトルです。ベクトルは、先が陽性方向に向いた矢印として定義され

ます。矢印の長さは誘導の大きさと比例しています。

アイントホーフェンの三角とは 3 つの誘導の構成として定義されますが、図 6.2 にその極性を示します。誘導Ⅰ

は右肩から左肩に進み、誘導Ⅱは右肩から鼠径部に進み、誘導Ⅲは左肩から鼠径部に進みます。計算を単純

にするため、三角形は正三角形と仮定します。脚と腕が胴体の単純な点延長として作用するため、誘導は以下

の様に再定義できます。

誘導 I 右腕 (RA) “–” 電極

左腕 (LA) “+” 電極

誘導 II 右腕 (RA) “–” 電極

左脚 (LL) “+” 電極

誘導 III 左腕 (LA) “–” 電極

左脚 (LL) “+” 電極

図. 6.2

誘導の方向性に注意する必要があります。この誘導構成は標準的双極四肢誘導と呼ばれています。

アイントホーフェンの法則は、数学的に以下のように示されています:誘導Ⅰ+誘導Ⅲ=誘導Ⅱ。従って、所定の

時間の 2 つの誘導が分かっている場合、第三の誘導は数学的に決定できます。

Page 4 Biopac Student Lab

図 6.3 では、アイントホーフェンの三角をみる別の方法を示しています。各々の軸を水平または垂直に移動させ

ることができ、それでも同じ表示方法になります。これは、心臓の平均電気軸をより簡単に描出したものです。

図 6.3

いかなる時点でも正しいリズムの心臓の電気活動がベクトルで表示できます。心臓の平均電気軸は、心周期中

に起こっているすべてのベクトルの合計です。心室の脱分極によって生じる QRS 間隔が心臓の電気活動の大

半を示しているため、この間隔だけをみて平均電気軸の近似値を得ることができます。

R 波のピークをみるだけでさらなる近似値を得ることが可能であり、これは心周期における最大規模の近似値に

なります。平均電気軸を正確に定義するには、3 方向におけるそれを定義する必要があります(X、Y および Z)。

12 誘導の標準セットを用いることにより実践でこれが行なわれます。これらの誘導の 3 つが既に定義してあるも

ので、前頭面での平均電気軸の計算を可能にします。本レッスンでは、前頭面軸のみを中心に講義します。

図. 6.4

Lesson 6: ECG II Page 5

上記のように、平均電気軸の近似値を求める 1 つの方法は誘導Ⅰと誘導Ⅲ(図 6.4)からの R 波の大きさをプロ

ットすることです。これを実行するには:

1. ベクトルの末端から垂直の線を引きます(誘導の軸に対して右の角度)。

2. これら 2 本の垂直線の交わる点を決定します。

3. 0,0 の点から交差点までの新しいベクトルを描きます。

作成されたベクトルの方向は心臓の平均電気軸の近似値です。ベクトルの長さは心臓の平均電位の近似値で

す。

平均電気軸の近似値を求めるより正確な方法は、R 波の規模だけを用いるのではなく、1 つの誘導における Q、

R および S 電位を代数的に加えることです。その手法のその他の部分は上記の方法と同じです。

身体は完全な伝導体ではないこと、電極が皮膚に完全に接着するものではないため(その他多くの理由の中

で)、皮膚の表面からの ECG 測定は、あくまでも実際の心臓の活動の近似値であることを念頭に置くことが重要

です。

II. 実験目的 1) 以下の状態で第1誘導及び第3誘導を計測する: 横になっている状態、座っている状態、座って深呼吸

している状態

2) 第2誘導を第1誘導と第3誘導からもとめる。

3) 誘導軸の方向と、QRS 波郡(+、-)の方向の関連を学ぶ。

4) 第1誘導と第3誘導の QRS 波郡より平均電気軸を算出する。

III. 使用品目 BIOPAC 社製 シールド付電極リード線 (SS2L), 2 本

BIOPAC 社製 汎用電極 (EL503), 1 人の被験者に 6 個

簡易ベッドもしくはテーブルと枕

分度器

ペンもしくは鉛筆(2 色)

BIOPAC 社製 電極用ジェル(GEL1) 、エレクトロードパッド (ELPAD)もしくは肌を、石鹸を使い洗うかアルコールで拭いてください。

コンピュータ

BIOPAC Student Lab ソフトウェア v3.7.1 以上

BIOPAC 社製 アンプ内臓 A/D 変換機(MP30 もしくは MP35)

BIOPAC 社製 AC 電源(AC100A もしくは AC300A)

BIOPAC 社製 USB ケーブル

Page 6 Biopac Student Lab

IV. 実験方法

A. セットアップ

セットアップの説明 セットアップの詳細説明

1. コンピュータの電源を入れてください デスクトップをモニタに表示させてください。もし映らない

場合は指導員もしくはインストラクターへ確認してください。

2. MP30 もしくは MP35 の電源を OFF に

してください

3. 以下のように接続を行ってください:

シールド付電極リード線(SS2L) —CH 1

シールド付電極リード線(SS2L) —CH 3

図. 6.5

4. MP30 もしくは MP35 の電源を ON に

してください

5. 図 6.6 のように 6 つの電極を貼り付け

てください

図. 6.6 電極貼り付け位置

図 6.6 のように電極を貼り付けてください:

- 2 つの電極を右足の距骨の上の足首に貼り付けてくださ

い。

- 電極 1 つを左足の距骨の上の足首に貼り付けてください。

- 2つの電極を左の手首に貼り付けてください (手のひら側

に)。

- 電極 1 つを右の手首に貼り付けてください (手のひら側

に)。

Lesson 6: ECG II Page 7

注: 最良な計測結果を得る為に電極はキャリブレーション

5 分前までに貼ってください。

6. チャンネル 1 に挿してあるシールド付

電極リード線を図 6.7 のように電極に

取り付けてください

シールド付電極リード線の先を電極に挟んでください。その際、

各リード線に色が付いているので図 6.7 を参考に適正な位置に

取り付けてください。適正な位置に取り付けないと第I誘導が正確

に計測できません。

図. 6.7 電極リード線取付位置(誘導Ⅰ)

注: 右足首と左手首には電極が 2 つ貼ってあります。チャンネル 1

の電極リード線は右足首と左手首の 2 つの電極のうち、上側に

貼ってある電極に取り付けてください (誘導I)。

取り付け方は洗濯バサミのように電極のポッチをはさんでください。

Page 8 Biopac Student Lab

7. チャンネル 3 に挿してあるシールド付

電極リード線を図 6.8 のように電極に

取り付けてください

図 6.8 を参考に電極リード線を取り付けてください。

適正な位置に取り付けないと第III誘導が正確に計測できません。

図. 6.8 電極リード線取付位置 (誘導 III)

注: 右足首と左手首には電極が 2 つ貼ってあります。チャンネル 3

の電極リード線は右足首と左手首の 2 つの電極のうち、下側に

貼ってある電極に取り付けてください (誘導III)。

8. 被験者は横になり安静にしてください 被験者が横になりましたら、電極リード線セットのクリップを被験者

の服などに固定し、電極に負荷がかからないようにしてください。

被験者は金属性の物に接触しないようにしてください(蛇口、パ

イプ etc)。ネックレスやブレスレッド、ピアスも外してください。

9. Biopac Student Lab のソフトウェアを起

動してください

10. “L06-ECG II (心電図応用)”を選ん

で OK をクリックしてください

11. ファイル名を入力してください 同じファイル名を使用することはできません。

12. OK をクリックしてください

セットアップ終了

セットアップは終了です。

Lesson 6: ECG II Page 9

B. キャリブレーション

キャリブレーションはハードウェアの内部のパラメータ(ゲイン、オフセット等)を決定して、最適な計測条件の設

定を行います。キャリブレーションは確実に行ってください。

キャリブレーションの説明 キャリブレーションの詳細説明

1. 電極が確実に接着し、電極リード線が

確実に接続され、被験者が安静にして

いるか確認してください

電極が肌にしっかりと接着していることを確認してください。もし剥

がれている場合は良いデータは得られません。

被験者はできるだけ安静にしてください。心電図計測は骨格筋の

影響を非常に受けます。ECG 波形をきれいに計測するためには、

被験者は腕や足の筋肉をできるだけ緩めるようにしてください。

2. Calibrate をクリックしてください

画面左上の Calibrate ボタンをクリックしてください。キャリブレー

ションが開始されます。

被験者は安静にしてください。

3. キャリブレーションが自動的に終了す

るのを待ってください

キャリブレーションは自動的に 8 秒で終了します。

4. キャリブレーションデータを確認してく

ださい

似ている場合はデータ計測へ進ん

でください

異なる場合は再度キャリブレーショ

ンを行ってください

キャリブレーション終了

キャリブレーションデータは図6.9 に似ているはずです。

図. 6.9

基線が比較的平らで、縮小された ECG 波形が表示されていれば

データ計測へ進んでください。

もし大きな突出や基線の大きなぶれがある場合は、電極が肌にしっ

かりと接着しているか確認してから Redo Calibration をクリックし再度

キャリブレーションを行ってください。

Page 10 Biopac Student Lab

C. データ計測

計測の説明 計測の詳細説明

1. 計測の準備を行ってください 2 種類の計測を行います。

計測 1—横になっている状態

計測 2—起き上がった後

効率よく計測を行う為、計測手順を一通り読んでから計測を行って

ください。

各計測後ジャーナルに表示される残り計測時間を確認してく

ださい。PC のメモリを無駄に使用しないようにするため計測は速や

かに行ってください。

正確なデータ計測のためのヒント:

ECG 波形の基線を安定させ EMG ノイズを最小限にする為に以下

のことに気をつけてください。

a) 被験者は計測中しゃべったり笑ったりしないでください。

b) 被験者は寝ている際、もしくは上体を起こしている際も安静

にして筋肉に力を入れないよう努めてください。

c) 被験者が上体を起こしている際、肘掛等に腕を置いてくださ

い。

d) 被験者が状態を変化させる際は計測を止めてください。

e) 被験者の呼吸は自然に行ってください。

f) 電極が剥がれていないことをまめに確認してください。

計測1 — 横になっている状態

2. Record をクリックしてください Record をクリックすると計測が開始され、自動的に“計測 1:横にな

る”と表示されたアペンドマーカーが挿入されます。

3. 20 秒間計測してください 被験者は安静にして横になってください。

4. Suspend をクリックしてください 計測を終了してデータを観察してください。

5. 画面上でデータを確認してください

類似している場合はステップ 7 へ

進んでください

計測が正確に行われた場合、図 6.10 のような波形になるはずです。

図. 6.10 計測 1 (横になる)

異なる場合はステップ 6 へ進んで

ください

図と異なる場合、以下のような原因が考えられます:

a) Suspend ボタンを早く押してしまった。

b) 基線が大きくぶれている時は電極がはがれている。

c) 被験者の骨格筋の EMG 信号が乗ってしまった。

Lesson 6: ECG II Page 11

注: 被験者の呼吸によって多少基線のぶれがありますが、多少

であれば問題はありません。

6. Redo をクリックしてください Redo をクリックしステップ 1-5 を再度行ってください。Redo をクリッ

クすると先ほど計測したデータは消えてしまいます。

計測2 — 起き上がった後

7. 被験者はイスに座り腕はリラックスさせ

てください

被験者はすばやく起き上がってイスに座り、肘掛に腕を置き(肘掛

が有る場合)、腕をリラックスさせてください。

心拍の変動を計測するため、被験者が起き上がったらすぐに計測

を開始してください。ただし起き上がっている途中で Resume をクリ

ックしないでください。ノイズを拾ってしまいます。

8. 被験者がイスに座るとすぐに Resume

をクリックしてください

Resume をクリックすると計測が開始され、自動的に“計測 2:起き上

がった後”と表示されたアペンドマーカーが挿入されます。

9. 計測開始から 10 秒経過したら、被験

者は音が聞こえるように息を吸って吐

いてください。

実験者は被験者が空気を吸うときと吐

く時にイベントマーカーを入れてくださ

a) 吸息時

∇ “吸息”

b) 呼息時

計測開始から 10 秒後に被験者は音が聞こえるように呼吸を 1 回

おこなってください。

注:呼吸する際はあまり深く大きく行わないでください。EMG が

のってしまい基線がぶれてしまいます。

イベントマーカー挿入方法: PC = F9 をクリック。

∇ “呼息”

注:計測中にマーカーラベルを入力する時間が無ければ計測後

に入れても構いません。

計測は 20 秒間です。

10. Suspend をクリックしてください 計測を終了してデータを確認してください。

11. 画面上でデータを確認してください

類似している場合はステップ 13 へ

進んでください

計測が正確に行われた場合、図 6.11 のような波形になるはずです。

図. 6.11 計測 2 (起き上がった後)

異なる場合はステップ 12 へ進ん

でください

図と異なる場合、以下のような原因が考えられます:

a) Suspend ボタンを早く押してしまった。

b) 基線が大きくぶれている時は電極がはがれている。

c) 被験者の骨格筋の EMG 信号が乗ってしまった。

注: 被験者の呼吸によって多少基線のぶれがありますが、多少

であれば問題はありません。

Page 12 Biopac Student Lab

12. Redo をクリックしてください Redo をクリックしステップ 7-11 を再度行ってください。Redo をクリッ

クすると先ほど計測したデータは消えてしまいます。

13. Done をクリックしてください ポップアップウィンドウが表示されますので指導員の指示に従い

選択してください。

“別の被験者を計測する”を選択した場合:

a) セットアップのステップ 6 のように電極を取り付けステップ

11 から全体のレッスンを続けてください。

b) 被験者が変更した場合はファイル名も変更してください。

14. 電極を剥がしてください 電極リード線を電極から取り外し、電極を肌から剥がしてください。

電極は捨ててください(BIOPAC 社製電極は再利用できません)。

その後石鹸と水で肌に残っているジェルを洗い流してください。肌

に多少の電極跡が残るかもしれませんが問題はありません。

計測終了

Lesson 6: ECG II Page 13

V. 解析 解析の説明 解析の詳細説明

1. 計測したデータファイルを選択し開い

てください

チャンネルの表示:

チャンネル 表示

CH 1 誘導 I

データを開いてください。

注: 前のセクションで Done ボタンをクリックすると、アイントホーフ

ェンの法則を使い誘導Ⅰと誘導Ⅲから自動的に誘導Ⅱを計算し

表示します。よって計測したのは 2 チャンネルですが、3 チャン

ネル表示されます(図 6.12)。

CH 3 誘導 III

CH 40 誘導 II

図. 6.12

2. 各誘導の R 波が+方向か-方向かを記

録してください

A

画面を見て確認してください。

3. 誘導Ⅰと誘導Ⅲの波形の表示が最適

になるよう設定してください

チャンネル 誘導

CH 1 誘導 I

CH 3 誘導 III

チャンネルを隠すには“Ctrl” (control) キーを押しながらチャンネ

ル番号をクリックしてください。同じ手順で波形を再び表示させるこ

とが出来ます。

グリッドの表示/非表示はファイル>表示設定で行えます。

4. 計測 1 の波形の表示が最適になるよう

に設定してください

計測1は“計測 1:横になる”と表示されている最初のアペンドマー

カー(0 秒)から次のアペンドマーカーまでです。

以下は波形の表示を最適化するためのツールの説明です:

水平軸の自動スケール 横軸(時間)スクロールバー

波形の自動スケール 縦軸(振幅)スクロールバー

ズームバック ズームフォワード

図 6.13 のように調整してください。

図. 6.13

Page 14 Biopac Student Lab

5. 以下のようにメジャメントボックスを設定

してください(図 6.14):

チャンネル メジャメント

CH 1 最大値

CH 3 最大値

メジャメントボックスは波形データの上のマーカーの上にあります。

すべてのメジャメントボックスにチャンネル番号、種類、値の表示が

あります。チャンネル番号と種類はプルダウンメニューから選んでく

ださい。

以下は特定の種類の説明です。

最大値: 選択した範囲の最大値を表示します。

選択範囲とは画面右下の I-ビームをクリックし選んだ範囲です

(最終点を含みます)。

6. 計測 1 の範囲でひとつの心周期を拡

大して表示してください

計測 1 は最初のアペンドマーカーから始まり、被験者が横になっ

て安静にし、自然に呼吸している状態の計測です(図 6.14)。

図. 6.14

7. I-ビームを使って QRS 波群を選択して

数値を記録してください

B

図.

6.15

ここでのメジャメントの値を報告で使用しますので記録してください。

8. どこの QRS 波群を記録したかわかるよ

うにイベントマーカーを入れてくださ

い。

イベントマーカーをR波の真上に挿入し、マーカーラベルに“測定

1”と入力してください。

計測後にマーカーを入れる際は波形の上のマーカーが記載され

ている箇所にポインタを合わせクリックしてください。逆三角形のマ

ーカーが入ります。

9. 計測2の範囲で心周期をステップ 6 の

ように拡大してください

B

アペンドマーカーを使用して計測2を探してください。イベントマー

カー“吸息”と“呼息”間のデータは使用しないでください。

QRS 波群を I-ビームで選択しメジャメントの値を記録してください。

R 波の真上にイベントマーカーを挿入し“測定 2”とマーカーラベル

を入力してください。

10. “吸息”時の心周期をステップ 6 のよう

に拡大してください

B

イベントマーカーを使用して“吸息”箇所を探してください。吸息時

の QRS 波群を I-ビームで選択しメジャメントの値を記録してくださ

い。R 波の真上にマーカーを挿入し“測定 3”とマーカーラベルを

入力してください。

Lesson 6: ECG II Page 15

11. “呼息”時の心周期をステップ 6 のよう

に拡大してください

B

イベントマーカーを使用して“呼息”箇所を探してください。呼息時

の QRS 波群を I-ビームで選択しメジャメントの値を記録してくださ

い。R 波の真上にマーカーを挿入し“測定 4”とマーカーラベルを

入力してください。

12. 以下のようにメジャメントボックスを設定

してください:

チャンネル メジャメント

CH 1 Δ

CH 3 Δ

Δ: 選択した範囲の始点と終点の値の差です。この手法は基線

がゼロである必要が無いのですばやく結果を導くことが可能で

す。

注: Δの意味を解釈した上で始点と終点は慎重に選んでくださ

い。もし始点の方が終点より大きい場合、値はマイナスになりま

す。

13. ステップ 8 で作成したマーカー“測定

1”へ戻ってください

これはステップ 7 と 8 で最初に使った範囲です。被験者が横にな

っていた際の QRS のサイクルです。

マーカーエリア右端にある“マーカーツール”を使うと他のマ

ーカーへ移動できます。

14. 誘導Ⅰと誘導Ⅲから Q 波、R 波、S 波

の振幅値を図って記録してください

C

全部で 6 つ記録する必要があります。

チャンネルボックスを使って他のチャンネルを隠し、記録したいチャ

ンネルのみ表示することも可能です。ピークを検出するには基線

(等電位線)から波形のピークに向かって範囲を選択してください。

図. 6.16 R 波ピーク振幅値の測り方

15. 計測データを保存するか印刷してくだ

さい

データをハードディスクかフロッピー等に保存してください。

ジャーナルも保存するか印刷してください。

16. プログラムを終了してください

解析終了

LESSON 6 終了 Lesson 6 報告を完成させてください。

Page 16 Biopac Student Lab

Lesson 6: ECG II Page 17

Lesson 6

ECG II (心電図応用) 双曲誘導 (Leads 1, II, III) アイントホーフェンの法則 前頭面での平均電気軸

報告 名前:

セクション:

日付:

被験者データ

名前 身長

年齢 体重

性別: 男性 / 女性

I. データ処理

A.誘導による R 波の違い

下表の各誘導に R 波の陽極(+)または陰極(−)をチェックしてください。

表 6.1

R 波

誘導 + −

誘導 I

誘導 II

誘導 III

B.平均電気強度と平均電気軸

計測データを参照し、表 6.2 に記入してください。 表 6.2

動作 QRS

誘導 I [CH 1] 最大値 誘導 III [CH 3] 最大値

体を横にする

体を起こす

吸息時

呼息時

Page 18 Biopac Student Lab

前頭面での平均電気軸の近似値を得る1つの方法は誘導 I と誘導 III(図.6.4).からの R 波の大きさをプロットす

ることです。

1. 分度器を使用してベクトルの末端から垂直の線を引いてください (誘導の軸に対して右の角度)。

2. これら2本の垂直線の交わる点を決定します。

3. 0.0 の点から交差点までの新しいベクトルを描きます。

作成されたベクトルの方向は心臓の平均電気軸の近似値です。ベクトルの長さは心臓の平均電位の近似値で

す。

表 6.2 を参照にして下記の各図に2つのプロットを描いてください。各プロットは色分けしてください。

図 1:状態を横にする/状態を起こす

上の図を参照して、下記の値を記入してください。

動作 平均電気強度 平均電気軸

体を横にする

体を起こす

2つの動作によって生じる平均電気強度と平均電気軸の違いを説明してください。

Lesson 6: ECG II Page 19

図 2:吸息時/呼息時

上の図を参照して、下記の値を記入してください。

動作 電気平均強度 電気平均軸

吸息時

呼息時

2つの動作から生じる平均電気強度と平均電気軸の違いを説明してください。

Page 20 Biopac Student Lab

C.平均電気軸と平均電気強度—(詳しい近似値)

Q, R, S 電位を記入し、各電位差を計算してください。

横になる:

誘導Ⅰ 誘導 III

Q Q

R R

S S

QRS 電位差 1 QRS 電位差 2

図 3: 横になる

上の図を参照し、下記の値を記入してください。:

動作 平均電気強度 平均電気軸

横になる

表1と表3を比較して状態を横にした時の平均電気強度と平均電気軸の違いを説明してください。

Lesson 6: ECG II Page 21

II. 質問

D. ECG とは?

E. アイントホーフェンの法則とは?

F. アイントホーフェンの三角とは?

G. 平均電気軸の定位は何によって影響するか説明してください。

H. 表 6.2 を参照:

吸息と呼息によって誘導 I と誘導 III の振幅値はどのように変化しますか?

また心臓軸と心臓強度は変化しますか?

I. 各誘導によって記録された R 波の振幅値はどの要素によって変化しますか?

J. 平均電気軸と平均電気強度を比較してください。

i. R 波の振幅値と電位差を比較してください。

ii. 体を横にした時と 体を起こした時を比較してください。

Lesson 6 報告終了