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二輪車のASV技術 - Honda ASV-3 搭載技術 - 櫛田 和光(株式会社本田技術研究所) 1.はじめに 国土交通省自動車交通局のプロジェクトである先進安全車 第 3 期 ASV は 5 ヵ年計画で進められてきたが,2005 年度で検 討が終了する.国内 14 社の自動車社メーカーでは共同で検討 するコア技術の位置づけとして車車間通信技術をその対象に 定めた.実車による検証実験,それに続いて公開デモを昨年7 月から 11 月にかけて北海道苫小牧市にある(独)北海道土木 開発寒地試験路において実施した. Honda は ASV-2 で技術発表した二輪車四輪車情報通信シス テムをさらに研究開発し,車車間通信の技術開発だけでなく 自立技術による運転支援システムの研究や,特に二輪車事故 の解析結果から,他の車両の運転者から発見しやすい,誤認 を防ぐ被視認性向上を狙ったデザインの研究成果も取り入れ 2005 年 9 月に Honda ASV-3 として二輪車,四輪車の実験車を 発表した(Fig.1). 今回,二輪車の ASV-3 技術の紹介を中心に,自立技術,被 視認性向上技術,車車間通信技術について紹介する. 2.事故分析 Fig.2 に示す交通事故データ分析結果 (1) から,二輪車事故 の特徴として交差点における右直事故や出会い頭事故等の四 輪車との衝突による二輪車死亡事故件数が全体の 63%を占め ており,対四輪車事故件数が際立って多いことが読み取れる. Fig.3 に第1当事者(以下,1当)側の事故原因構成比を示 す.原因の 90%以上が四輪車側ドライバの認知ミスに起因し Fig.1 Honda ASV-3 ていることが判る.また,統計データには現れていないが, 第2当事者(以下,2当)側のライダにも予知予測スキルの 不足による認知ミスが考えられる.したがって,これら双方 の認知ミスが誘発されないように事前に他車存在情報をドラ イバ,ライダに提供することで,意識の注意分配適正化が図 られれば事故を未然に防止できることが予想される. さらに1当側四輪車ドライバの原因別で見ると,接近速度 判断ミス,見落としなどヒューマンエラーによるものが上位 を占めている.二輪車の外形が小さい,幅が狭いため実際よ りも遠くにいるように判断され,また小さいために周囲の車 両や背景に埋没しがちになり見落とされ易くなるなどの要因 と考えられる.四輪車ドライバの認知を支援する被視認性能 が向上すれば,早期に発見し適正な速度,距離判断ができる ことが期待できる. Fig.3 1当側(4輪車)の原因構成 Fig.2 2輪の交通死亡事故件数の実態

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二輪車のASV技術

- Honda ASV-3 搭載技術 -

櫛田 和光(株式会社本田技術研究所)

1.はじめに

国土交通省自動車交通局のプロジェクトである先進安全車

第3期 ASVは 5ヵ年計画で進められてきたが,2005年度で検

討が終了する.国内14社の自動車社メーカーでは共同で検討

するコア技術の位置づけとして車車間通信技術をその対象に

定めた.実車による検証実験,それに続いて公開デモを昨年7

月から11月にかけて北海道苫小牧市にある(独)北海道土木

開発寒地試験路において実施した.

Honda は ASV-2 で技術発表した二輪車四輪車情報通信シス

テムをさらに研究開発し,車車間通信の技術開発だけでなく

自立技術による運転支援システムの研究や,特に二輪車事故

の解析結果から,他の車両の運転者から発見しやすい,誤認

を防ぐ被視認性向上を狙ったデザインの研究成果も取り入れ

2005 年 9月に Honda ASV-3 として二輪車,四輪車の実験車を

発表した(Fig.1).

今回,二輪車の ASV-3 技術の紹介を中心に,自立技術,被

視認性向上技術,車車間通信技術について紹介する.

2.事故分析

Fig.2に示す交通事故データ分析結果(1)から,二輪車事故

の特徴として交差点における右直事故や出会い頭事故等の四

輪車との衝突による二輪車死亡事故件数が全体の 63%を占め

ており,対四輪車事故件数が際立って多いことが読み取れる. Fig.3 に第1当事者(以下,1当)側の事故原因構成比を示

す.原因の 90%以上が四輪車側ドライバの認知ミスに起因し

Fig.1 Honda ASV-3

ていることが判る.また,統計データには現れていないが,

第2当事者(以下,2当)側のライダにも予知予測スキルの

不足による認知ミスが考えられる.したがって,これら双方

の認知ミスが誘発されないように事前に他車存在情報をドラ

イバ,ライダに提供することで,意識の注意分配適正化が図

られれば事故を未然に防止できることが予想される. さらに1当側四輪車ドライバの原因別で見ると,接近速度

判断ミス,見落としなどヒューマンエラーによるものが上位

を占めている.二輪車の外形が小さい,幅が狭いため実際よ

りも遠くにいるように判断され,また小さいために周囲の車

両や背景に埋没しがちになり見落とされ易くなるなどの要因

と考えられる.四輪車ドライバの認知を支援する被視認性能

が向上すれば,早期に発見し適正な速度,距離判断ができる

ことが期待できる.

Fig.3 1当側(4輪車)の原因構成 Fig.2 2輪の交通死亡事故件数の実態

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以上の事故分析結果から,運転者の認知領域を支援する技

術が有効と予想できる.

3.Honda ASV-3 二輪車

3.1. コンセプト

先進安全自動車(ASV)技術の中で自立技術に分類される追

突被害軽減ブレーキ,レーンキーピング,アダプティブ・ク

ルーズコントロールなどはミリ波レーダ,外界認識カメラな

どの外界認識センサを活用し,四輪車ではすでに量産され拡

大しつつある.一方,二輪車に搭載できる条件を考慮すると

現状ではまだ成立しにくいことも事実である.車車間通信に

よる運転支援システムの大きな特徴のひとつは比較的低いコ

ストでシステム構成ができることである.車両の種別,速度,

位置,加減速度,ブレーキ状態などすでに装備されている車

両センサ情報を利用し,相互通信により周囲の車両情報がリ

アルタイムに得られ情報の質,量と精度は圧倒的に優れてい

る.例えばミリ波レーダでは対象物の距離と方位しか分から

ず,それが車両なのか落ちている岩なのかの判別も電波反射

強度から推定しているのが現状である.

このように車車間通信による運転支援システムには大きな

可能性があるものの,システム普及率がある程度高まらない

とその効果が発揮できない.試算では実用化されてから10年

間は普及拡大時期となるため,車車間通信技術と自立技術は

相互に補間したりフェイルセーフを構成するという位置付け

で考えるべきであり,自立技術に取って代わる技術ではない.

さらに二輪車では「ぶつかる」事故だけでなく,「ぶつけ

られる」事故も多く四輪車に比べてその被害は甚大となる場

合もある.

事故統計解析結果からも表れているように,相手の運転者

の認知ミスなどのヒューマンエラーが原因の大半を占めてい

ることから,四輪運転者から発見されやすく,距離・速度感

が正しく是正されるための被視認性向上技術の検討も重要で

ある.今回,形状や大きさから四輪車に比べ外観が小さいこ

とから,認知されにくい二輪車特有の安全機能として,被視

認性を更に向上する新しいデザインコンセプトを,脳機能解

析を用いて開発した.

3.2. 運転支援システム概要 (1) 対応アプリケーション

二輪車の事故の中で他車両との衝突による事故類型のうち,

出会い頭事故,右直事故が最も多く,その原因のほとんどが

四輪ドライバの認知ミスであることから,存在認知を支援す

る「認知支援システム」の検討例を紹介する.

・ 対向直進車存在認知支援 (Fig.4)

対向車線の右折車の存在を教える

・ 対向右折車存在認知支援(Fig.5)

対向車線の直進車の存在を教える

・ 交差点停止支援(Fig.6)

交差点の存在を教える

・ 交差点発進支援(Fig.7)

他車の存在を教える

・ 後方監視支援(Fig.8)

後方車両の存在を教える

これらの事故の低減を目指し,車車間通信による認知支援と

自立技術による認知支援を統合して事故回避する認知支援シ

ステムを構築した.

システム作動の一例として,Fig.4 の対向直進車存在支援の

場合について説明する.

四輪車が交差点に接近し右折するときに,対向車線を二輪車

が接近しつつある状況において,四輪車ドライバは右折を開

始するか,停止して二輪車の通過を待つかはドライバの認知

判断に依存している.このときに二輪車の距離や速度を認知

して,右折できると判断したときに右折行動に移る.

Fig.4 対向直進車存在認知支援

Fig.5 対向右折車存在認知支援

Fig.6 交差点停止支援

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Fig.7 交差点発進支援

Fig.8 後方監視支援

この認知過程において四輪車側運転支援システムと二輪車

側運転支援システム間ではすでに相互に通信が開始されおり,

二輪車の速度,位置情報などから衝突可能性が随時計算され

ている.ここで,もし十分な時間的余裕が無い場合には四輪

車ドライバにはナビゲーション画面上に二輪車の位置推移が

確認できると共に,二輪車の接近距離が一定時間以下になっ

た場合には「二輪車接近,注意」のポップアップ情報画面で

注意喚起を行う.

二輪車においても,自己防衛運転の観点から対向右折車の

存在をライダに教え,HUD(Head Up Display)上には Fig.9 の

ように進行方向に右折車の存在をゾーン表示し,コミュニ

Fig.9 HUD 画面(二輪車)

ケーションヘルメットに装着したスピーカの音声で「右折車,

注意」の情報が提供されライダに注意を促す.

(2) 運転支援システム

車両同士が通信でお互いの情報を交換する研究は日本,ヨ

ーロッパで行われていた.Honda では 1990 年代から安全運転

支援に応用するための研究を始めた.2000 年にその研究成果

を Honda ASV-2 「二輪車四輪車情報通信システム」として発

表した.

Honda ASV-3 では更に要求条件の検討からシステム仕様を

次のように定めた.

A.通信条件

・ 最大通信距離 500m

・ 最大通信車両 120台

・ 通信周期 100ms

B.無線通信機仕様

・ 周波数 5.8GHz

・ 通信制御 CSMA/CD

C.システム制御

・ 制御周期 100ms

D.GPS受信機

・ ヨーレイトジャイロによる位置推定機能

・ 受信周期 / 推定周期 1s / 100ms

Fig.10 システム構成(二輪車)

Fig.10 のように,車車間通信機,GPS レシーバ,自立セン

サ(カメラ等),自車情報の入力信号は車載コンピュータに

100ms毎に取り込まれ,同時に後述する自立センサからの入力

信号と共に総合的な状況から情報提供のタイミングと内容を

制御する.システム制御周期は 100ms 毎に行われるが,GPS

信号は1s毎となるため,次のGPS信号を受信するまでの間に

時速90km/hで走行する車両では25mも先に進んでいる.この

遅れを補正するために自車の車輪パルスを用いて走行距離か

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ら経度緯度の位置情報を計算し 100ms 毎に生成する.それに

より 100ms 前の位置情報となり 90km/h では約 2.5m の誤差で

収まった.

Fig.11 システム概要

ライダへの情報提供は,HUD を用いて危険対象の方向をゾー

ンで表示する手法を開発した.この方式のメリットは画像を

注視せずに周辺視で注意を向ける領域を確認できることであ

る.視線移動が比較的少ない位置に速度表示も行えるように

Fig.12 HUD 表示例(前方注意レベル1)

Fig.13 HUD 表示例(前方注意レベル2)

なった.また,同時に音声による情報提供もコミュニケーシ

ョンヘルメットにより行われる.車載コンピュータ(制御

ECU)に予め数種類の音声データが搭載されており,状況に

応じて適宜出力され Bluetooth モジュールを経由して無線で

コミュニケーションヘルメットに伝達される.

Fig.14 コミュニケーションヘルメット

また通信に依存しない自立技術による外界監視支援も開発

した.車車間通信は他車との相互通信により相対位置関係か

ら危険状況を推定するものであるため,交差点などで一時停

止が求められる場合に注意喚起する機能は持っていない.今

回,前方監視カメラによる前方映像の画像解析から,一時停

止標識や停止線,路面に書かれた「止まれ」表示を認識し,

万一ライダが交差点に接近している状況を見落としても,自

立システムにより注意喚起の情報提供を行えるようにした.

Fig.15 前方監視カメラ

Fig.6に示したように,交差点に接近したときに前方監視カメ

ラ映像から一時停止標識,「止まれ」ペイント,停止線を画

像解析により見つけ出す.このときに自車情報からブレーキ

を掛けた信号が無い,速度が一定速度以下に減速しないなど

の条件が成立した場合に HUD に交差点の存在を教える注意喚

起情報提供が行われ,ライダに一時停止を促す.

後方にもリアビューカメラが設けられ(Fig.16),Fig.12,

Fig.13 で示すように HUD の下部位置に LCD(液晶モニタ)に

より後方視界が得られる.従来の二輪車のリアビューミラー

はライダの身体の一部で遮蔽される場合もあり,真後ろを確

認することがしづらかったが,車線変更時などの後方確認が

確実にできるようになった.従来位置に取り付けていた光学

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的ミラーはより外側に向けて設置することで死角を減少させ

ることができた(Fig.8).

Fig.16 リアビューカメラ

3.3. 被視認性向上機能

二輪車と四輪車の衝突による事故の場合,その原因として,

二輪車の見落とし,発見の遅れ,距離誤認,速度誤認など人

間の認知ミスによるものが大半であることが事故統計解析(1)

から分かってきた(Fig.17).

Fig.17 事故統計解析

(1) FACE デザイン(Facial Attention for Conspicuity

Enhancement)

見落としを防止するためには二輪の被視認性を高めること

が効果的であるが,昼間点灯がトラックやバスへ拡大したこ

とにより,二輪の被視認性が相対的に低下する事態が懸念さ

れている.

一方,近年の脳研究の結果,特定のパタンに敏感に反応す

る脳部位(ニューロン)の存在が報告されており,1981 年には

「顔ニューロン」の存在が報告されている(2).

混合交通環境下では小さな二輪車が大きなトラックや乗用

車に埋没してしまい,発見が遅れる事が実験的に確認されて

いる.人が生まれ備えたヒトの高度な「顔」認識能力を利用

し,

・移動体前面に実装した「顔型灯体」の配光設計

・昼も夜もリアルな「顔らしさ」を表現・演出

により,複雑な交通環境に埋没しがちな2輪車の被視認性を

更に向上させることを目的としたフロントデザインを研究し

た.

そこで,Fig.18 の映像シミュレータによる混合交通画像を制

作し,人の顔の構成要素を取り入れたデザインでは普通の二

輪車に比べて最大 43%も発見率が向上した事を示す実験結果

もある(3).

Fig.18 映像シミュレータによる混合交通

Fig.19 発見率実験結果(夜間)

Fig.20 fMRI を用いた顔らしさの評価

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fMRI(Functional Magnetic Resonance Imaging)による脳機能

計測’(図 21)から,人の顔をイメージした二輪車のフロントデ

ザインと実写の人の顔を見た場合と同様の傾向を示しており,

「顔」のパタンに高い感度を持つ部位が活性化していること

が検証された.

Fig.21 fMRI による脳機能計測

Fig.22 FACE デザイン Honda ASV-3

ASV-3 実験車のフロントデザインは一目見て顔を連想させ

るために,プロジェクタヘッドランプを瞳とし,目の輪郭や

白目部を発光させて目のイメージを造り出した.特に夜間で

の誘目性が顕著に向上している(Fig.23).

Fig.23 FACE デザイン検討(昼間,夜間比較)

(2) LONG デザイン(Longitudinal Oriented Normative

time-Gap compensate)

他車の運転者による距離・速度誤認が原因となる右直,出会

い頭事故の低減を図るために,距離感の向上のために車体の

低い位置にライトを配置し路面との設置点を協調する.

Fig.24 灯体位置による距離感向上

同時に速度感の向上さのために車体の高い位置にライトを

配置し縦方向のスパンを設けることで速度変化を捉えやすく

した(Fig.25).

限られた範囲の実験ではあるが,これにより距離感10%向上,

速度感20%向上することができた(4)(Fig.26, Fig.27).

Fig.25 LONG デザイン灯体配置

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Fig.26 LONG 効果(距離感)

Fig.27 LONG 効果(速度感)

4.おわりに

内閣府が今年 1 月 19 日に発表した IT 新改革戦略構想(5)に

よれば,世界一安全な道路交通社会を目指し,2012 年末の交

通事故死者数 5,000 人以下という政府目標を打ち立てた.IT

の活用は人間の認知や判断等の能力や活動を補い,また人間

の不注意によるミスを打ち消し,さらには,それによる被害

を最小限にとどめるなど交通安全に大きく貢献することが期

待できる,と提言している.2006 年度よりスタートする政府

プロジェクトでは,2006 年度には官民一体となった連携会議

からインフラ連携システム(車車間通信,車路車間通信,路

車間通信)の検討を行い,2008年度には大規模実証実験,2010

年度からは安全運転支援システムの全国展開と車載機の普及

を促進する.

今までは ASV をはじめ多くの各省庁 ITS 関連プロジェクト

が独立して推進されていたが,今後は連携しながら実用化に

向かって強力に推進される枠組みができると思われる.自動

車業界の一員である Honda は,一日でも早く世界一安全な交

通社会の実現に向け,積極的に関与し実用化へ貢献したい.

参 考 文 献

(1) (財)交通事故分析センター:交通事故統計年報 平成

10年度版 (1998)

(2) Bruce et al.: Crossmodal processing in the human brain: insights from functional neuroimaging

studies, J. Neurophysiol., 46, p.369-384 (1981)

(3) 菅原ほか:顔パタンに誘発される脳活動を利用した二

輪車被視認性向上の研究, 自動車技術会学術講演前刷

集,50-5,2005-5

(4) 丸山ほか:二輪車の被視認性を向上させる灯火器の一

考察, 自動車技術会学術講演前刷集,94-05,2005-9

(5) 内閣官房高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本

部:IT新改革戦略 p.19(2006)

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/0601

19honbun.pdf