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令和元年7月30日 ○北陸地域の経済的特徴 ○最近の北陸財務局管内の経済情勢 【お問合せ先】 財務省 北陸財務局 経済調査課 TEL 0762927858 FAX 0762927953 北陸管内の経済情報 (令和元年度第2回全国財務局長会議資料)

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Page 1: 北陸管内の経済情報hokuriku.mof.go.jp/content/000238060.pdf · ※1.令和元年7月判断は、前回平成31年4月判断以降、令和元年7月に入ってからの足下の状況までを含めた期間で判断している。

令和元年7月30日

北 陸 財 務 局

○北陸地域の経済的特徴○最近の北陸財務局管内の経済情勢

【お問合せ先】財務省 北陸財務局 経済調査課

TEL (076) 292-7858FAX (076) 292-7953

北 陸 管 内 の 経 済 情 報(令和元年度第2回全国財務局長会議資料)

Page 2: 北陸管内の経済情報hokuriku.mof.go.jp/content/000238060.pdf · ※1.令和元年7月判断は、前回平成31年4月判断以降、令和元年7月に入ってからの足下の状況までを含めた期間で判断している。

(1)産業構造(域内総生産:H27年度)○ 全国に比べ、第2次産業の割合が高い。

1.2% 26.8%

72.0%

0.8%

34.9%

64.3%

第1次産業

第2次産業第3次産業北陸

全国

【出所】全国:内閣府「国民経済計算年報(平成29暦年)」、北陸:内閣府「平成27年度県民経済計算」から当局作成。

【備考】構成比は、県内総生産(全国は国内総生産)から輸入品に課される税・関税を控除(全国は統計上の不突合についても控除)し、総資本形成に係る消費税を加えた額により算定した。北陸は、石川県、富山県、福井県の合計。

(2)製造品出荷額等○ 全国に比べ、はん用・生産用・業務用機械、電子部品・デバイス、

化学の割合が高く、輸送用機械の割合が低い。繊維は、一定の割合を維持。

【出所】:経済産業省「平成29年工業統計調査(確報)」から当局作成。【備考】:電子部品・デバイスは、1965年は電気機械、2016年は電子部品・デバイスと電気機械を合算。

はん用・生産用・業務用機械は、1965年は一般機械。

(3)北陸新幹線の利用者数○ 交流人口は大幅に増加。

【出所等】JR西日本公表資料から当局により一部逆算のうえ試算。上越妙高~糸魚川間。

ただし、開業以前は在来線特急「はくたか・北越」(直江津~糸魚川間)。

(4)ホテルの客室数の推移(金沢市)○ 新幹線開業後も開設が続き、H30年度に1万室突破。

【出所】 厚生労働省「衛生行政報告例」、金沢市「旅館業施設一覧」から当局作成。

1.北陸地域の経済的特徴

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大阪市 61,000

札幌市 27,077

福岡市 24,927

京都市 23,899

横浜市 16,936

那覇市 14,624

仙台市 14,593

神戸市 13,540

広島市 11,546出所:衛生行政報告例(厚労省)

【参考】1万室以上を有する都市(H30.3末)

Page 3: 北陸管内の経済情報hokuriku.mof.go.jp/content/000238060.pdf · ※1.令和元年7月判断は、前回平成31年4月判断以降、令和元年7月に入ってからの足下の状況までを含めた期間で判断している。

前回(平成31年4月判断) 今回(令和元年7月判断)前回比較

個人消費 緩やかに拡大しつつある 緩やかに拡大しつつある

生産活動 拡大のテンポが緩やかになっている 拡大の動きに一服感がみられる

雇用情勢着実に改善しており、

人手不足感が強まっている

着実に改善しており、

人手不足感が強まっている

設備投資 平成30年度は増加見込みとなっている 令和元年度は増加見込みとなっている

住宅建設 持ち直している 持ち直している

〔先行き〕先行きについては、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、景気が緩やかに拡大していくことが期待される。ただし、通商問題の動向、中国経済の先行きなど海外経済の動向に関する不確実性が企業活動に与える影響を一層きめ細かく注視するとともに、人手不足に伴う影響などに注視する必要がある。

前回(平成31年4月判断) 今回(令和元年7月判断) 前回比較 総括判断の要点

総括判断 緩やかに拡大しつつある 緩やかに拡大しつつある

※1.令和元年7月判断は、前回平成31年4月判断以降、令和元年7月に入ってからの足下の状況までを含めた期間で判断している。※2.各項目の詳細については、「全国財務局管内経済情勢報告概要」を参照。 2

2.最近の北陸財務局管内の経済情勢

個人消費は、ドラッグストア販売が好調となっているほか、百貨店・スーパー販売が緩やかに回復していることなどから、全体としては緩やかに拡大しつつある。生産活動は、化学が拡大しているほか、生産用機械が緩やかに回復しているものの、電子部品・デバイスが足踏みの状況にあり、全体としては拡大の動きに一服感がみられる。雇用情勢は、着実に改善しており、人手不足感が強まっている。

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3.個人消費(1) ~緩やかに拡大しつつある~

○ 百貨店・スーパー販売は、スーパーでは飲食料品に動きが

みられることなどから前年を上回っている。一方、百貨店では

高額品や化粧品に動きがみられるものの、衣料品の動きが鈍

いことなどから前年を下回っている。以上のような状況などを

踏まえると、全体では緩やかに回復している。

○ コンビニエンスストア販売は、飲料等に動きがみられること

から、堅調となっている。

○ ドラッグストア販売は、新規出店効果や飲食料品等に動き

がみられることから、好調となっている。

○ 新車販売台数は、普通乗用車、軽乗用車は前年を上回っ

ているものの、小型乗用車は前年を下回っており、回復に向

けたテンポが緩やかになっている。

中食・簡便需要の高まりに加え、改元の祝賀ムードによりオードブル等にも動きがみられるなど、惣菜は引き続き好調。【スーパー・大企業】

化粧品、ブランド品は引き続き好調。衣料品については、春物衣料で苦戦が続き、5月に入ってから動きはみられたものの、単価の低い商品であったことから売上でみると厳しい。また、お中元商戦については、例年よりも早めに動きがみられ、出足としては良かったものの、伸び悩んでいる。【百貨店】

5月の気温上昇に伴い、飲料や冷やし麺、アイスに動きがみられた。【コンビニエンスストア・大企業】

引き続き中食需要を取り込めていると感じており、シニア層による食料品のまとめ買いや新商品のスイーツがヒットしていることから売上は前年を上回った。【コンビニエンスストア・大企業】

新規出店効果や飲食料品が好調なことから売上を伸ばしている。【ドラッグストア・中堅企業】

【出所】経済産業省、中部経済産業局、北陸財務局

〔百貨店・スーパー販売額(前年比)〕

〔ドラッグストア販売額(前年比)〕

(注)全店舗ベース。

(注)全店舗ベース。

〔コンビニエンスストア販売額(前年比)〕

(注)全店舗ベース。

(%)

(%)

(%)

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3.個人消費(2) ~緩やかに拡大しつつある~

4.住宅建設 ~持ち直している~

〔新設住宅着工戸数 (前年比)〕

【出所】国土交通省、北陸財務局

○ 住宅建設は、持ち直している。

消費税率引上げに伴う駆け込み需要はみられたが、営業からの声を聞いている限り、前回引上げ時と比較して緩やかになっているとのこと。政府の需要平準化を目的とした施策の効果により、10月以降に購入する

方が経済的なケースもあるため、それまで購入を待つ顧客も少なくない。【建設業・中小企業】

3月までは消費税率引上げに伴う駆け込みの動きもあって伸びていたが、その反動による冷え込みはみられず、4-5月の契約件数も堅調に推移しており、受注残が増加している。【建設業・中堅企業】

〔乗用車新車販売(登録・届出)台数(前年比) 〕

【出所】日本自動車販売協会連合会、全国軽自動車協会連合会、各県自動車販売店協会、軽自動車協会(石川県、福井県)、軽自動車検査協会(富山県)、北陸財務局

普通乗用車について一部車種にモデルチェンジ効果がみられている。SUV市場は活発で、各メーカーから新型車、モデルチェンジが発表されており動きもみられている。【自動車販売店協会】

安全性を重視している顧客が年々増加している。【自動車販売店・中小企業】

主力車種は、4WDの登場やマイナーチェンジはあるものの、大幅なモデ

ルチェンジが長らく実施されておらず、以前ほどの動きはない。【自動車販売店・中小企業】

(%)

(%)

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5.生産活動 ~拡大の動きに一服感がみられる~

〔鉱工業生産指数(季節調整値)〕

【出所】経済産業省、中部経済産業局電力・ガス事業北陸支局

○ 生産活動は、化学が拡大しているほか、生産用機械が緩

やかに回復しており、繊維が緩やかに持ち直しつつあるも

のの、電子部品・デバイスが足踏みの状況にあるなど、全

体としては拡大の動きに一服感がみられる。

自動車向けは堅調に推移しているものの、スマートフォンの高額化、製品性能の頭打ち感等による市場の飽和感を背景とした販売不振の影響からスマートフォン向けは低調に推移しており、全体では減少している。【電子部品・デバイス・大企業】

国のジェネリック医薬品推奨による需要拡大で、多くのメーカーは生産能力を超える受注状況であることから、当社への製造委託が増加している。【化学工業・中堅企業】

年明け以降、中国において投資への慎重姿勢がみられており、中国向けの受注が弱含んでいるものの、これまでの受注残がかなり溜まっていることもあり、工場はフル稼働が続いている。【生産用機械・大企業】

(27年=100)

6.設備投資 ~令和元年度は増加見込み~

(前年度比増減率、単位:%)

(注)1. 電気・ガス・水道業を除く。2. ソフトウェア投資額を含み、土地購入額は含まない。

○ 令和元年度は、製造業、非製造業ともに増加見込みと

なっている。業種別では、製造業は、「化学工業」、「その他

製造業」等が増加見込み、「自動車・同附属品」等が減少

見込みとなっている。非製造業は、「不動産」、「情報通信」

等が増加見込み、「金融、保険」等が減少見込みとなって

いる。

生産設備の増強や新工場の建設などにより増加見込み。【化学工業・大企業】

管理物件の改装費用などにより増加見込み。【不動産・中堅企業】

ネットワーク通信網の整備などにより増加見込み。【情報通信・大企業】【出所】北陸財務局「北陸3県の法人企業景気予測調査」

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7.雇用情勢 ~着実に改善しており、人手不足感が強まっている~

○ 有効求人倍率は高水準で推移している。 新規求人数、

新規求職者数ともに前年を下回っている。雇用保険受給

者実人員は、前年を上回っている。

土日も含めてフル稼働となっている。採用活動にも力を入れているものの、十分な応募がない状況である。特に品質管理を行う人材が不足しており、製品を生産しても品質管理で滞り、出荷に影響が出ることもある状況。【化学工業・中小企業】

アルバイト・パートについて不足感を強く感じている。求人を出しても、同業他社や他業態との競合により、なかなか採用まで至らない。【小売・大企業】

直近の有効求人倍率は3か月連続で低下しているものの、足下の新規求人数は高い水準であり、有効求人倍率が低下したというより、落ち着いてきた印象。【労働局】

〔有効求人倍率(季節調整値)〕

【出所】厚生労働省、北陸財務局

【出所】各県労働局、北陸財務局(注)構成する福井県の「生産工程」には、一部職種が含まれていない。

【出所】北陸財務局「北陸3県の法人企業景気予測調査」

(注)1.従業員数判断BSI=「不足気味」回答社数構成比-「過剰気味」回答社数構成比。

2.令和元年6月末、令和元年9月末の ( ) は前回調査時の見通し。

(倍)