在宅における薬剤師の役割 -...
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1 はじめに
2 在宅対応保険調剤薬局とは
在宅対応保険調剤薬局の条件
居宅療法薬剤管理料・在宅医療薬剤管理指導料
3 在宅医療の事例紹介
認知症患者を通しての実際
服薬カレンダー、
現場からの声を通しての実際(胃薬、座薬)
4 訪問の際の必需品 2015/9/1
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在宅対応保険調剤薬局とは
病状が重い、歩行が困難又は認知症が進んでいるなど通院が困難なため在宅で療養を行っている患者が多くなっています。こうした患者さんで
①薬の整理ができない②薬が飲みづらい又は飲んでくれない③飲み忘れが頻繁④何に効く薬かわからない
2015/9/1
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患者さんの居宅を医師・歯科医師の指示のもと、処方箋を受け付けている保険薬局や、医療機関の薬剤師が患者宅を訪問し服薬指導を行うことを訪問薬剤管理指導業務といいます。
医師、歯科医師・訪問看護師、ケアマネジャー、介護ヘルパーと情報を共有し、チームで患者さんの支援に取り組みます。
2015/9/1
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在宅患者訪問薬剤管理指導料は医療保険の呼び名居宅療養管理指導費は介護給付の呼び名介護予防居宅療養管理指導費は予防給付の呼び名この3つが存在しているが、実はやることは同じ。
請求先が「要介護認定の有無」で違ってくる。
要介護度の記載あり 要介護度記載なし
または介護保険被保険者ではない。
介護保険請求医療保険請求
「在宅患者訪問薬剤管理指導料」
予防給付
「介護予防居宅療養管理指導費」
介護給付
「居宅療養管理指導費」
要介護1~5要支援1~2
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清栄薬局の施設への介入
従来の調剤薬局だと・・・・
ただ、もってくるだけ、
そのまま置いていくだけ
そのため・・・・
残薬の確認もできず、連絡もどこにしてよいのかわからない
患者さんの状態を把握できていない2015/9/1
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清栄薬局介入により
①医師・ナースとともに患者さんの服薬状況を把握し、急変時における薬の素早い対応をし、薬を通して患者さんの状態をチームで把握することができるようになった。
②医師・ナースへの連絡も図れるようになり、服薬状況の確認の徹底ができるようになった。
③医師による集団診察、多職種間の担当者会議にも参加し患者さんの情報を共有することにより、患者さん一人一人に合わせた服薬指導ができるようになった。
2015/9/1
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独居の高齢者へのカレンダーの設置とハンドバックタイプの装着
70代 男性 脳梗塞後遺症あり、独居
医師より後遺症あり独居のためカレンダーにて自己管理の徹底を依頼
患者さん宅を訪問し、手の不自由さがあり、投薬カレンダーから上手く薬が取り出せないことがわかった。ベット中心の生活。
薬剤師の訪問により、患者さんのベットサイドの薬が取りやすい位置にカレンダーを調整し設置
ハンドバックタイプの取手を取り付けることで薬の取り出しがスムーズとなる。 2015/9/1
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認知症患者の例①80代 女性 独居
一人ではほとんど服薬管理ができない状態。ひどい時には、1週間分の薬が目の前にあるとまとめて飲んでしまうということがあった。
・カレンダー設置するも自己管理困難。
・患者さんの視界から薬をなくす方法を検討することとした。
・訪問看護師、ケアマネ、ヘルパーとの話し合い
・患者さんの手の届かない場所を考えた。患者さんの手の届かないところに服薬カレンダーを置き、服薬回数を間違えないように医師に回数を減らすようお願いした。
・服薬チェックには毎日来るヘルパーさんにその都度お願いした。
・訪問看護師も訪問の際に服薬チェックをすることとした。
・薬剤師は週1回訪問し服薬チェックをした。
独居であるため多職種での情報共有を図ることで服薬管理を可能とした。
2015/9/1
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認知症患者の例②
介入前
・自宅全体が不衛生、
使用する軟膏が数多くあり開封してあるものがいくつも放置されている。
介入後
見てわかりやすいよう形状の変更 軟膏缶へ
患者さんの常時いる部屋のわかりやすい場へ設置
時間をかけてゆっくり丁寧に、何度も説明することが重要!
2015/9/1
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薬が消化されず排便されてしまう患者さん70代 男性
出血性脳梗塞後遺症、アテローム血栓性脳梗塞、糖尿病(インスリン導入)
処方内容
エンシュア2本/日
タケプロンOD錠15mg 1錠
オングリザ錠 1錠
プレタールOD錠100㎎1錠/朝食後
デパケンR錠200㎎ 4錠/朝・夕食後
家族より、下痢があり、排便の中に白い丸い大きな薬がそのまま出てきているが、このままで錠剤をのんでいいのか?と相談を受ける。
処方内容から錠剤がそのまま出てきているのであれば、吸収されていないので剤型変更、エンシュアの量の検討の必要であると考えた。
2015/9/1
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薬剤師より医師へ剤型変更の相談し、剤型変更となる
タケプロンOD錠→パリエット
(タケプロンによる大腸炎の疑いがあるためパリエットへの変更)
オングリザ錠→代用散剤ないため継続
プレタールOD100㎎1錠→プレタール散0.5g
デパケンR200㎎4錠→バルプロ酸NA2g
エンシュアH2本/日→下痢の状況をみて量は調節
・錠剤から散剤への変更をし、錠剤は粉砕し全て散剤に変更する。
・変更後状態の把握をするため患者さん宅を訪問したところ家族よりトロミに 混ぜて問題なく服用できていた。
・エンシュアHの量を減らしたこともあり下痢も落ち着き便は軟便~固形状になってきており、便の中に残薬はありませんでした。
追加:エンシュアHは患者さんによって好き嫌いがあるため味(バニラ、黒糖、メロン、バナナ、コーヒー)の好みを聞くようにし少しでも患者さんの負担とならないよう配慮。飲みにくい場合夏であれば冷したり、ゼリー状、プリン状にするとより飲みやすい、とアドバイスする。 2015/9/1
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剤形変更の例ロペミンカプセル
つぶすことが困難 粉砕はよくない
ジェネリック(ロペラミド錠)なら錠剤なため粉砕OK
ビタミンDのアルファカルシドール製剤は軟カプセルのため粉砕困難なため簡易懸濁法にて溶解可能だが手間がかかります。
ワンアルファなどの錠剤があるため剤型変更できる
2015/9/1
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パントシン錠→パントシン散
プレタール錠 →プレタール散
ラシックス錠→ ラシックス散
マグラックス錠 →酸化マグネシウム
など
最初からすべてを散に?と思うが量が多くなり患者さんの負担となる。そのためケースバイケースとなる。
2015/9/1
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座薬の変更時の例
エスクレ座薬 500mg
医師より半分に割って使用(250mg)の依頼あり
訪問看護師より「500mgを指示のように半分に割ることができない」
座薬の中身が油性であり半分に割ることが困難であることを伝え、医師より新たに「250mgの指示を出してもらう。」2015/9/1
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