横浜市立小学校体育研究会 ボール運動研究部 授業...

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平成28年度市ボール運動研究部 研究授業指導案 p. 1 市ボール運動研究部 授業研 平成28年12月7日 横浜市立小学校体育研究会 ボール運動研究部 授業研指導案 学年・組 第6学年組31名 単元名(領域・型) つないで、思いっきりアタック!考えよう、オリジナルミッション! 深めよう、ロクイチスクラム!ロクイチワンキャッチバレー!(ネット型) 単元目標 ネット型の運動の楽しさや喜びに触れ、簡易化されたゲームで、チームの連携による攻撃や守備によって、 攻防をすることができる。 【思考・判断】 ルールを工夫したり、自分のチームの特徴に応じた作戦を立てたりしている。 運動に進んで取り組み、ルールを守り助け合って運動をしたり、場や用具の安全に気を配ったりしようと する。 学習に取り組む前の子どもの学びの状況 楽しさ体験の状況 ・表現運動では、学び合う時間を確保し「動きのポイントを意識して動くこと」や「友達と学び合うこと」のよ さを感じる子どもが多く、楽しさを感じていた。 ・水泳やマット運動では、表現運動で学んだ「友達と学び合うこと」のよさを生かそうとする姿が見られ、「動 きのポイント」を友達同士確認しながら学習に取り組む姿が見られた。 ・年度当初には、体育科学習に対して「楽しい」と回答した子どもは4割ほどだったが、ベースボール型終了時 点では、8割ほどに増えている。 学び方の状況 ・水泳では、前の時間の課題から次の時間の場を選択し学ぶことを重点的に指導し、友達と学び合う中で課題 を明確にして取り組んだり、「動きのポイント」に触れて学び合ったりと学び方の高まりを感じた。 ・器械運動では、「動きのポイント」を単元の前半で丁寧に押さえた。技能面で厳しい子どもが多かったが、単 元後半にも声をかけ合い、必要な慣れの運動や場を選択し練習する姿が見られた。 ・6年生まで記録カードを使用したことはない。ベースボール型では、記録カードを元にして素早くアウトゾ ーンにボールを運ぶ方法を考え、その有用性に気付くことができた子どもも、数名いる。 ・他教科でも「学び合い」を学級の中心に据えて学習を進めているので、寄り添い目線を合わせながらアドバ イスする姿が見られている。 技能の状況 ・ボール運動系の社会体育に所属している子どもは、6名いる。内訳は、野球4名、サッカー2名である。 ・ネット型のゲームは、4年時に経験している。本単元の学習を楽しみにしている子どもも多いが、うまくボ ールを扱えなかったり、コート内で前後に動く動けなかったりする子どもが多かった。 ・中休みには、外遊びにいく様子は数名を除いて見られない。 ・体力テストの結果を見ると、全ての種目において横浜市の平均を下回っている。また、子どもは体を動かす ことには楽しみを感じているが、動かし方にぎこちなさを感じることが多い。

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平成28年度市ボール運動研究部 研究授業指導案 p. 1

市ボール運動研究部 授業研

平成28年12月7日

横浜市立小学校体育研究会 ボール運動研究部

授業研指導案

1 学年・組 第6学年○組31名

2 単元名(領域・型) つないで、思いっきりアタック!考えよう、オリジナルミッション!

深めよう、ロクイチスクラム!ロクイチワンキャッチバレー!(ネット型)

3 単元目標

【 技 能 】

ネット型の運動の楽しさや喜びに触れ、簡易化されたゲームで、チームの連携による攻撃や守備によって、

攻防をすることができる。

【思考・判断】

ルールを工夫したり、自分のチームの特徴に応じた作戦を立てたりしている。

【 態 度 】

運動に進んで取り組み、ルールを守り助け合って運動をしたり、場や用具の安全に気を配ったりしようと

する。

4 学習に取り組む前の子どもの学びの状況

楽しさ体験の状況

・表現運動では、学び合う時間を確保し「動きのポイントを意識して動くこと」や「友達と学び合うこと」のよ

さを感じる子どもが多く、楽しさを感じていた。

・水泳やマット運動では、表現運動で学んだ「友達と学び合うこと」のよさを生かそうとする姿が見られ、「動

きのポイント」を友達同士確認しながら学習に取り組む姿が見られた。

・年度当初には、体育科学習に対して「楽しい」と回答した子どもは4割ほどだったが、ベースボール型終了時

点では、8割ほどに増えている。

学び方の状況

・水泳では、前の時間の課題から次の時間の場を選択し学ぶことを重点的に指導し、友達と学び合う中で課題

を明確にして取り組んだり、「動きのポイント」に触れて学び合ったりと学び方の高まりを感じた。

・器械運動では、「動きのポイント」を単元の前半で丁寧に押さえた。技能面で厳しい子どもが多かったが、単

元後半にも声をかけ合い、必要な慣れの運動や場を選択し練習する姿が見られた。

・6年生まで記録カードを使用したことはない。ベースボール型では、記録カードを元にして素早くアウトゾ

ーンにボールを運ぶ方法を考え、その有用性に気付くことができた子どもも、数名いる。

・他教科でも「学び合い」を学級の中心に据えて学習を進めているので、寄り添い目線を合わせながらアドバ

イスする姿が見られている。

技能の状況

・ボール運動系の社会体育に所属している子どもは、6名いる。内訳は、野球4名、サッカー2名である。

・ネット型のゲームは、4年時に経験している。本単元の学習を楽しみにしている子どもも多いが、うまくボ

ールを扱えなかったり、コート内で前後に動く動けなかったりする子どもが多かった。

・中休みには、外遊びにいく様子は数名を除いて見られない。

・体力テストの結果を見ると、全ての種目において横浜市の平均を下回っている。また、子どもは体を動かす

ことには楽しみを感じているが、動かし方にぎこちなさを感じることが多い。

平成28年度市ボール運動研究部 研究授業指導案 p. 2

子どもの見取り

学習導入時に、右のようなアンケートを行った。

設問1 ボールを使った運動は得意ですか?

A 得意! 7人 B まぁ、得意! 10人

C ちょっと、苦手 9人 D 苦手 5人

設問2 ボール運動をやって、特に「楽しい!」と感じたこ

とは何ですか?

・点をとったとき

・チームのみんなで作戦を考え、作戦が成功して勝ったとき

・点をとって声をかけてもらったとき

・応援してもらえたとき

・友達から「ナイス!」と言われたとき

・ゲームに勝ったとき ・ゲームをしているとき

・協力して点をとったとき

設問3 バレーボールは好きですか?

A 好き! 4人 B まぁ、好き! 15人

C ちょっと、苦手 10人 D うーん… 2人

設問4 バレーボールをやる時に、楽しそうなことは何ですか?

・点をとること ・ゲームに勝つこと ・協力してボールをつなげること

・アタックすること ・役割をしっかりとできること

・勝つために作戦を立てること ・絶対にボールにさわれること

設問5 バレーボールをやる時に、難しそうなことは何ですか?

・サーブ ・レシーブ ・ボールをうまくコントロールできないこと

・作戦を立ててもうまくかないこと

・相手のコートにボールを打ち返すこと ・ルールが難しそう ・ミスが多そう

・相手からの攻撃に対応すること

設問6 どんなバレーボールの学習にしていきたいですか?

・協力して団結できる学習 ・協力してボールをしっかりとつなげたい

・笑顔で楽しめる ・みんなが活躍できる学習

・みんなが主役で成長できる学習 ・みんながボールに触れる学習

・作戦を立てて楽しめる ・しっかりとテクニックを身につけたい

・苦手な人も「楽しい!」と思える学習 ・ミスがあってもみんなで支え合える学習

アンケートからの子どもの見取り

平成28年度市ボール運動研究部 研究授業指導案 p. 3

5 単元を通して身に付けさせたいこと(思考と動きが引き出された子どもの姿)

6 単元を通して身に付けさせたいことを実現するための手立て

(1)視点①子どもの思考と動きを引き出す(ゲーム)

はじめ(1・2/10時間) なか(3・4・5・6/10時間) まとめ(7・8・9・10/10時間)

目指す子どもの姿

【思考】

❼楽しいゲームの行い方を知る

❼ルールを選ぶ

【思考】

❽チームの特徴を見付けている

❿相手が捕りにくい場所を見付け

ている

【思考】

❾チームの特徴に応じた攻め方

を知り、慣れの運動に生かし

ている

❾チームの特徴に応じた攻め方

を見つけ、作戦を立てている

【技能(動き)】

➊相手コートへサーブを入れる

❸味方が受けやすいようにボールを

つなぐ

【技能(動き)】

❷ボールの方向に体を向けて、そ

の方向に素早く移動する

❸❹味方が受けやすいようにボー

ルをつなぐ

【技能(動き)】

❺相手が捕りにくいように、ボ

ールを打ち返す

❻連係プレーによる攻撃が成り

立つように素早く移動する

平成28年度 研究テーマ

子どもと創り上げていくゲーム・ボール運動を目指して ~主体的・協働的な学びを生み出すための授業づくり~

平成28年度市ボール運動研究部 研究授業指導案 p. 4

ゲーム

◆学習の進め方・コートについて

・1時間で2試合行う

・3コート使用する

・対戦チーム同士で審判係

や得点係などを行う

セルフジャッジ

・1チーム5人~6人

ルール

・ゲームは3対3で行う ・試合時間は、4分―30秒―4分

・コートはバドミントンコートを使用する ・ネットに触ってはいけない

・サーブラインから下手サーブで始まる ・ボールは片手や両手で打つ

・ボールは3回で相手コートへ返す ・自陣でボールは一回しか触れない

・2人目はキャッチゾーンの中でキャッチできる

・キャッチしたら動いてはいけない

・キャッチしたボールは味方に投げてつなぐことができる

・相手からのボールは1バウンドしてもOK

・相手からのボールを直接キャッチしてはいけない

・味方同士はノーバウンドでつなぐ

・相手コートにボールが落ちるか相手から来たボールがコートから出たら得点(1

点)

・サーブは点を入れた方から行う ・サーブを打った人がキャッチできる

・点が入ったらサーブを打つ人はチームの中で代わる

・セルフジャッジで行う

(・1,2,3と敵、味方関係なく声を出す)

学習が進んでいく中でのルール変更

・サーブミスは2回まで

・キャッチは2人目にボールを触る

人だが、誰がしてもよい

・サーブ権は決めてくる

・ネットにボールが触れた場合には

続けてOK

慣れの運動(個人)

全員すべての慣れの運動を経験

①サーブ!

②パス・パス・パス!

③アタックNo.1

個人の課題解決に向けて選択

①サーブ!

②パス・パス・パス!

③アタックNo.1

慣れの運動(チーム)

④アタックゲーム

キャッチゾーン

キャッチゾーン

平成28年度市ボール運動研究部 研究授業指導案 p. 5

(2)視点①子どもの思考と動きを引き出す慣れの運動

<慣れの運動の扱いについて>

1・2時間目は、1~3の慣れの運動を全員が経験する。

3時間目からは、個人の課題に応じて1~3の中から選択する。

また、その後はチームでアタックゲームを行う。

その時間の比率をどうするかは、子どもたちと相談をしながら進めていく。

1サーブ!<個人タイム>

やり方 ねらい

1人で行う。下手から山なりのサーブでテープをこえ

るように練習をする。

➊自陣のコートから相手コートに向け、下手からサー

ブを打ち入れる姿。

2パス、パス、パス!!<個人タイム>

やり方 ねらい

Aから出されたボールを返し、すぐにBから出された

ボールを返す…というのを繰り返す。

❷相手コートや味方から飛んできたボールの方向に体

の正面を向けて、その方向にボールを落とさないよ

うに素早く移動する姿。

❸レシーバーは、両手もしくは片手でボールをはじい

て、セッターが捕りやすいよう山なりのパスをつな

ぐ姿。

壁にバドミントンネッ

トと同じ高さのライン

のテープを貼り、壁に向

けてサーブの練習を行

う。

2人組、3人組で行う。初めは体の

正面に向けてボールを出すが、徐々

に左右に振ったり、バウンドのある

ボールを出したり練習する子ども

の課題に合わせて難易度を上げて

いくようにする。

A B

相手コートに山なりの

サーブを入れられるよ

うになろう!

速いボールがきたときに、それ

をはじく練習をしたい!

速いアタックがきたことを想定し

て、ワンバウンドで・強くたたきつけ

るね! 速いボールを左右に少し

ふって練習してみよう!

平成28年度市ボール運動研究部 研究授業指導案 p. 6

3アタックNo.1<個人タイム>

やり方 ねらい

Bから出されたボールをAはBに返し、Aは打ち返す

ために動く。BはAにボールを上げ、打ち返す。

❹キャッチマンは、アタッカーが打ち返しやすいよう

ボールを上げる姿。

❺アタッカーは、相手が捕りにくいように、落とす場

所や方向、速度を意識してボールを打ち返す姿。

4アタックゲーム<チームタイム>

やり方 ねらい

チームで行う。サーブから始め相手コートに打ち返す

までの一連の動きを行う。ポジショニングやアタック

の強さ、方向、狙う場所、またアタックまでの連係し

た動きなどを確認し練習できるようにする。

➊自陣のコートから相手コートに向け、下手からサーブを打ち入れる姿。

❷相手コートや味方から飛んできたボールの方向に体の正面を向けて、

その方向にボールを落とさないように素早く移動する姿。

❸レシーバーは、両手もしくは片手でボールをはじいて、セッターが捕

りやすいよう山なりのパスをつなぐ姿。

❹キャッチマンは、アタッカーが打ち返しやすいようボールを上げる姿。

❺アタッカーは、相手が捕りにくいように、落とす場所や方向、速度を意

識してボールを打ち返す姿。★(特に重点的に)

❻チームの作戦に応じた連係プレーによる攻撃が成り立つように、それ

ぞれが役割を意識して素早く移動する姿。★(特に重点的に)

2人組で行う。Aは打ち返すために前

に動く動きを、BはAが打ち返しやす

いボールを上げる。徐々に方向や強さ

を考えながら練習できるようにする。

ゲームで行いたい作戦を確認し、

練習する慣れの運動。アタックで

ねらう場所にケンステップを置

くなどの工夫も考えられる。

右の方に打ち返せるよう

に練習しよう!

どんなボールを上げれば

打ち返しやすいかな?

よし、アタックを打つために前に動くぞ!

右奥に強い球を打ち返す!!

お、レシーブの役だな。キ

ャッチマンが取りやすい

ように上げよう!

素早くアタックにつなぐために、キャッチゾーン

に入って、アタックしやすいボールを上げよう!

平成28年度市ボール運動研究部 研究授業指導案 p. 7

(3)視点①子どもの思考と動きを引き出すための手立て(その他)

①子どもの必要感を意識した学習課題の設定

はじめ

なか①

なか②

まとめ

平成28年度市ボール運動研究部 研究授業指導案 p. 8

②単元のめあての変遷と各時間に押さえることの明確化

市ボール研

テーマ

子どもと創り上げていくゲーム・ボール運動を目指して

~主体的・協働的な学びを生み出すための授業づくり~

単元名 つないで、思いっきりアタック!考えよう、オリジナルミッション!

深めよう、ロクイチスクラム!ロクイチワンキャッチバレー!

ゲームの変化 めあての変遷 特に身につけさせたいこと

1時間目 試しのゲーム① 学習の進め方を知り、今の力で「できること」と「難

しいこと」を見付けよう!

・サーブ、レシーブ、トスの打ち方

・準備・片付けの分担

・基本的なルールの理解

2時間目 試しのゲーム② 学習の目標を達成するための学習計画を、試しのゲ

ームを通してみんなで決めよう!

・ボールの正面に入る

・アタックの打ち方

・レシーブ・トスの使い分け

3時間目 リーグ戦Ⅰ-① ゲームに勝つために、相手からの返球を上手にレシ

ーブして、たくさん点をとろう!

・ボールの方向へ素早く移動

・3人の動き方

・記録カードの使い方

・チームタイムの進め方

4時間目 リーグ戦Ⅰ-② ゲームに勝つために、3人の動きをいかしてアタッ

クまでつなぎ、たくさん点をとろう!

・3人の位置、役割分担、動き方

・記録カードの使い方

・チームタイムの進め方

5時間目 リーグ戦Ⅰ-③

ゲームに勝つために、ゲームの記録や経験をもとに、

点をとりやすい場所を見付けて、たくさん点をとろ

う!

・記録カードの使い方と分析の仕方

・点をとりやすい場所を検証

6時間目 リーグ戦Ⅱ-①

ゲームに勝つために、ゲームの記録や経験をもとに、

点をとりやすい場所を見付けて、たくさん点をとろ

う!

・点をとりやすい場所を検証

・工夫した練習の組み立て方

7時間目 リーグ戦Ⅱ-②

ゲームに勝つために、ゲームの記録や経験をもとにどのよう

なアタックが点をとれるのか見つけて、たくさん点をとろ

う!

・記録を比べて分析すること

・点をとりやすいアタックの検証

・工夫した練習の組み立て方

8時間目 リーグ戦Ⅱ-③

ゲームに勝つために、ゲームの記録や経験をもとにどのよう

なアタックが点をとれるのか見つけて、たくさん点をとろ

う!

・記録を比べて分析すること

・点をとりやすいアタックの検証

・工夫した練習の組み立て方

9時間目 トーナメント戦

ゲームに勝つために、ゲームの記録から見付けたチ

ームのよさをいかした作戦を立てたり、作戦を成功

させるための練習を考えたりして、たくさん点をと

ろう!

・チームの作戦を実行するための動き

方の確認

・記録を比べて分析すること

・学習の過程を踏んで、学習を進める

こと

10時間目 トーナメント戦

ゲームに勝つために、ゲームの記録から見付けたチ

ームのよさをいかした作戦を立てたり、作戦を成功

させるための練習を考えたりして、たくさん点をと

ろう!

~小学校生活最後のボール運動の時間!思いっきり

楽しもう!~

・チームの作戦を実行するための動き

方の確認

・記録を比べて分析すること

・学習の過程を踏み学習を進めること

・ゲームを思いっきり楽しむこと

平成28年度市ボール運動研究部 研究授業指導案 p. 9

(4)視点②子どもが自ら課題発見・課題解決していく学びの姿と言語活動

質の高い言語活動とは…

本単元における「質の高い言語活動」とは、次の姿を目指す。

他教科とのつながりが多くあるので、子どもたちには常日頃より意識できる

よう声をかけ続けていく。

1めあてに沿った話し合いになっている。

2根拠をもとに話し合いが行われている。(社会・理科の資料活用能力)

3得点した自己体験や、友達のよい動きをもとに話し合いが行われている。

4限られた時間の中で、出し合った意見をまとめることができる。(国語の協議)

5ゲーム中に、話し合いやこれまでの学習で学んだことを「プラス面」につながるよう声をかける

ことができる。

これらの姿を引き出すために、次の手立てを考えた。

①ナイスプレーカード<1、2、3>

アタックを「どこに」「どこから」「どのように」打ち返すと、点をとりやすいのかを考える一つ

の手立てとして「ナイスプレーカード」を用意した。この時、課題に応じて記録する内容を変えて

いくことで、より課題に向かってチームタイムの話し合いが充実していくように手立てをうつ。

ただし、特に子どもたちが「必要感」を感じずにこのカードを手にしても効果が薄いと予想される。

チームタイムにおける子どもたちの話し合いの内容や、全体での課題にそって提示していく必要が

ある。カードを書く視点についても柔軟に変容しながら、ゲームの記録から課題が解決できるよう

にしていきたい。

<予想されるカードを書く視点の変容>

段階1 点がとれるアタックの落下点を検討する 「どこに」

段階2 点がとれるアタックの「方向」「強弱」の検討を

する。 「どこから」

平成28年度市ボール運動研究部 研究授業指導案 p. 10

②話し合いの手引きカード<1、2、3、4>

チームによっては、ゲーム後のチームタイムで話し合う内容が広範囲に広がってしまうことが予

想される。そういったことが予想されるチームには、「話し合いの手引き」を用意し、提示するこ

とも考えられる。

③学習計画を子どもたちと立てる<1>

第1時の試しのゲームが終わった後に、子どもたちにとって「できそうなこと」「難しそうなこ

と」を確認した。第2時の試しのゲームが終わった後に、子どもたちと共に学習計画を立てた。

そうすることで、子どもた

ちが見通しをもって学ぶこと

ができ、課題をもって学びを

進めることができると考えた。

④「チームタイム」の設定<1、2、3、4>

子どもたちの実態を踏まえて、「チームタイム」の設定を第1ゲーム終了後に設定した。

毎時間第1ゲーム終了後、ゲームの記録や試合の結果を元に、ゲームを振り返り、実際に練習に

取り組むという学習過程を踏むことで、より思考の高まりがみられるのではないかと考えた。

慣れの運動

ゲーム①

ゲーム①の振り返り

慣れの運動

ゲーム②

今日の振り返り

課題設定

課題設定

慣れの運動

ゲーム①

ゲーム①の振り返り

ゲーム1の後にチームで振り返り、第1ゲームの結果を受けて再度動き方を確認したり、第2ゲームに向けて練習したりする機会をとった。こ

のことで、学習過程を小さなスパンでより多く踏むことができる。

平成28年度市ボール運動研究部 研究授業指導案 p. 11

⑤掲示物や学習カード<1、2、3、4、5>

その他子どもたちと共有したい言葉や学びに向かう雰囲気作りなど確認しながらまとめた。また、

学習カードの中での子どもとのやり取りも授業と授業をつなげる大切な手立ての1つだと考えて

いる。

慣れの運動で、どんな

ことができるかを明示

することで、自分の課

題に応じて個人の慣れ

の運動が選択できるよ

うにした。

関心・意欲・態度、思考、技

能と自分たちの学びたいこ

と、学ぶべきことを整理し

た。できるようになったと

思ったことについては、共

通理解をして、まとめてい

った。

平成28年度市ボール運動研究部 研究授業指導案 p. 12

⑥課題発見カード<2>(計画には無かったのだが

授業が進む中で使用することを決めた)

第2時が終わった時点で、「アタックのことを

考えたい」という意見と「まだアタックまでつな

がっていない」という意見が対立するチームが出

てきた。教師が見取る中では、アタックは1ゲー

ムの中で3,4回しか打ち返せていない。しかし、そのことに気付いていない子どもも多

くいたので、右のカードを元にゲーム中に記録し、

どこに自分たちの課題があるのかもう一度考え直

す手立ての1つとした。

ルールは子どもたち

と話しながら一緒に

考えていった。ネッ

ト型ボール運動の特

性を外さないように

みんなで楽しくでき

るゲームを目指し

た。

「たくさん点をとって勝ちたい!」とい

う子どもたちの思いがあるので、「ナイス

アタック」とはどんなアタックなのかを

考え、まとめながら学習を進めている。

課題発見カード

平成28年度市ボール運動研究部 研究授業指導案 p. 13

7 単元計画

はじめ まとめ

○必要であれば、全体での振り返り

○学習カードの記入

○整理運動、後片付け

○チームタイム(3分)

 チームのめあてへのふりかえりをする。

 学習を振り返り、次の時間への見通しをもつ。            ○学習全体の振り返り

○ゲーム2

○チームタイム

○ゲーム1(4分ー30秒ー4分)

 めるようなルールを考えたり選んだりしている。 ・チームの特徴や相手が点がとりやすい場所を見つけようとしている。

・場の危険物を取り除いたり場を準備したりするとともに用具の安全に気を配ろうとしている。

・チームの特徴に応じた攻め方を知り、慣れの運動やチームタイムに生かそうとしている。

○学習の見通し、ねらい、学習課題をつかむ。

○準備運動・活動の場や用具の準備

○初音アップ(個人3分・チーム3分)

・ボールの方向に体を向けて、その方向に素早く移動することができる。

・味方が受けやすいようにボールをレシーブやトスすることができる。

【思考・判断】

【関心・意欲・態度】

・ゲームや練習に進んで取り組もうとしている。

 チームのめあてへのふりかえりをする。

 学習を振り返り、次の時間への見通しをもつ。

なか

【技能】

○チームタイム(3分)

○ゲーム2

○整理運動、後片付け

○学習の見通し、ねらい、学習課題をつかむ。

○全体での振り返り

○学習カードの記入

○チームタイム

○ゲーム1(4分ー30秒ー4分)

・試しのゲームに進んで取り組もうとする。

・ルールやマナーを守り、友達と助け合って慣れの運動

○全体での振り返り

 課題の発見・ルールの確認・学習計画を練る。

○チームタイム(3分)

 やゲームをしようとする。

 された役割を果たしている。

・安全に気を配りながら、用具の準備や片付けで、分担

○整理運動、後片付け

【技能】

・相手コートへサーブを入れることができる。

【思考・判断】

○ゲーム2

○学習カードの記入

○初音アップを知る(6分)

○ゲーム1(4分ー30秒ー4分)

学習の進め方を理解して、みんなで協力して学習を進め、簡単なルールでボールをつなぎ、ワンキャッチバレーを楽しもう!

チームで協力して記録や経験を元にチームの特徴や点のとりやすいアタックはどんなアタックなのか発見して、ワンキャッチバレーを楽しもう!

ロクイチ全員で協力してあたたかい雰囲気で学習を進め、記録や経験を元に発見したオリジナルミッションを実行するために一人ひとりがプレーをして、ワンキャッチバレーを思いっきり楽しもう!

○学習の見通し、ねらい、学習課題をつかむ。

○準備運動

○活動の場や用具の準備

○準備運動・活動の場や用具の準備

○初音アップ(個人3分・チーム3分)

・チームの特徴に応じた攻め方を見つけ、作戦を立てようとしている。

・ルールやマナーを守り、友達と助け合って練習やゲームに取り組んでいる。

・用具の準備や片付けで、分担された役割を果たそうとしている。

・ワンキャッチバレーのゲームの行い方を理解している。

・チームの作戦の中で自分の役割を考え、動き方を決め、実際に動こうとしている。

・ルールやマナーを守り、友達と助け合って練習やゲームに取り組んでいる。

・用具の準備や片付けで、分担された役割を果たそうとしている。

・場の危険物を取り除いたり場を準備したりするとともに用具の安全に気を配ろうとしている。

【思考・判断】

15

20

25

○チームタイム

6 7 8 9 102 31

0

時数 4 5

5

10

30

評価規準

35

45

40

【関心・意欲・態度】

・めあてをもってゲームや練習に進んで取り組もうとしている。

・初めのルールを理解してゲームを行い、みんなが楽し

【関心・意欲・態度】

【技能】

・連係プレーによる攻撃が成り立つように素早く場所を移動することができる。

・相手コートに点がとれるようなボールをアタックすることができる。

平成28年度 第6学年ボール運動(ネット型)

学習指導計画

単元目標【 技 能 】ネット型の運動の楽しさや喜びに触れ、簡易化されたゲームで、ボール操作やボールを受けるための動きによって、攻防をすることができる。【思考・判断】ルールを工夫したり、自分のチームの特徴に応じた作戦を立てたりすることができるようにする。【 態 度 】運動に進んで取り組み、ルールを守り助け合って運動したり、場や用具の安全に気を配ったりすることができるようにする。

①コート:A対B

②コート:C対D

③コート:E対F

①コート:D対F

②コート:B対E③コート:A対C

①コート:C対E

②コート:A対D

③コート:B対F

①コート:A対E

②コート:B対D③コート:C対F

①コート:A対B

②コート:C対D

③コート:E対F

①コート:D対F

②コート:B対E

③コート:A対C

①コート:C対E

②コート:A対D

③コート:B対F

①コート:A対E

②コート:B対D③コート:C対F

①コート:B対C

②コート:D対E

③コート:A対F

リーグ戦1回戦を振り返り、チームの作戦を果たすための動き方を確認したり、練習に取り組んだりして、2回戦に備える。

①コート:A対B

②コート:C対D

③コート:E対F

①コート:D対F

②コート:B対E

③コート:A対C

①コート:A対D

②コート:C対E③コート:B対F

①コート:A対E

②コート:B対D③コート:C対F

①コート:B対C

②コート:D対E③コート:A対F

リーグ戦2回戦を振り返り、チームの作戦を果たすための動き方を確認したり、練習に取り組んだりして、トーナメント戦に備える。

①コート:1位対4位

②コート:2位対5位

③コート:3位対6位

①コート:

②コート:③コート:

①コート:

②コート:

③コート:

①コート:

②コート:③コート:

平成28年度市ボール運動研究部 研究授業指導案 p. 14

8 本時目標

ゲームに勝つために、これまでのゲーム記録を元にチームで「どこに」アタックするのが点をとりやすいのかを考え、点

をとるためのチームの連係した動きを使って、ゲームを楽しむことができる。

9 本時展開(7/10)

学習活動と内容 指導(●)と評価(〇)◎重点的に評価する

1 あいさつ・めあての確認 2 準備運動をする。

3 用具・場の準備を行う。 4 作戦の確認・慣れの運動を行う。 〇チーム・個人の慣れの運動

・手前に落としてみよう。 ・前回他のチームが奥も点がとりやすいと言っていたからやってみよう。

・はじにアタックを打つ練習をしよう。

5 第1ゲームをする。 ①コート:C 対 E ②コート:A 対 D ③コート:B 対 F 6 チームタイム。 ・はじをねらうとやっぱり点がとりやすいよ。

・手間に落とすとやっぱり点がとりやすそうだね。 ・練習をしてみよう。 7 第2ゲームをする。 ①コート:A 対 E ②コート:B 対 D ③コート:C 対 F

8 学習を振り返り、次時への見通しをもつ。 〇チームでふり返り ・今日よかったのは、〇〇さんが作戦通りにはじを

ねらって打っていたね。やっぱりはじは点が取りやすいね。

〇全体でのふり返り ・点を取りやすい場所は、はじ。でも、まだアタッ

クで狙うことができない。次の時間は狙った場所にアタックをして点をたくさんとりたいな!

9 用具の片付けをして、整理運動をする。 10 学習カードの記入 11 あいさつ

●肩周辺のストレッチを中心に行う。

〇安全に気をつけて、分担された準備を友達と協力しながら行う。

〇安全に気を配りながら、場や用具の準備を積極的に行っている。(態度)

●前時に記録したナイスプレーカードを参考にして、点をとりやすい場所がどこかを確認できるよ

うにする。 〇自分のチームの点をとりやすい攻め方を知り、慣れの運動に生かしている。(思考・判断)

●各チームのめあてを把握し、それを生かそうとしているプレーを称賛する。

●狙った場所にボールを打つために、ポジションやボールを持っていない時の動きを意識できるよう声かけをする。

〇ルールやマナーを守り、友達と助け合いながらゲームに進んで取り組んでいる。(態度)

〇相手が捕りにくい場所をねらって、アタックを打ち返す。(技能)

●点が決まりやすい場所はどんなところだったか、次の課題は何か、ナイスプレーカードを元に考えられるよう必要であれば助言する。

◎相手が捕りにくいようなボールを打ち返すための攻撃が成り立つよう、自分たちの経験やナイスプレーカードを元に考えている。(思考・判断)

●各チームの振り返りから分かったことを全体でま

とめ、全体を見ていてよさや課題を伝え、次時へとつなげる。

●一人ひとりの体調やけがの有無を確認する。

ゲームに勝つために、ゲームの記録や経験をもとに、点をとりやすい場所を見付け

て、たくさん点をとろう!

平成28年度市ボール運動研究部 研究授業指導案 p. 15

10 場の設定

平成28年度市ボール運動研究部 研究授業指導案 p. 16

11 本時までの流れ

学習活動 ○主な指導 ●次時間へ向けて

1時間目

○準備運動 ・ストレッチ

○学習の場や用具の準備の仕方

○全体のめあての確認

○学習の進め方を知る

・見通し、ねらいをつかむ。

○慣れの運動(基本的技能の紹介とやり方)

①サーブ ②パス、パス、パス! ③アタックNo.1

○はじめのルールを確認し、ゲームに取り組む

・安全指導 ・審判の行い方

○チームタイム

○全体のまとめ

・ルールがとにかく難しかったな。

・こんなときはどうするの?確認しよう!

・楽しい学習になりそうだね!

○個人での振り返り

◎アタックで点をとると気持ちがいいよ!

◎準備・片付け、協力して素早くできたよ!

●キャッチゾーンにボールをレシーブできない・・・。

●ルールがよくわからなくて、返ってきたボールをキャッチ

してしまった・・・。

●ミスが多くて、きつい言葉を友達に伝えてしまった。

●ルールの理解と基本的な技能の定着を図る。

ゲームを2ゲーム行うことで、ルールの理解は深まったよ

うに思うが、次時もみんなでルールを確認しながら進めてい

きたい。また、サーブも安定しない子どもがいるので次時は

声をかけ、個別に指導していく。トスが難しい!という気づ

きもあったので、「アタック!No.1!」の慣れの運動で

は、課題をもって取り組めるようはじめに声をかける。準

備・片付けは、ここまでの体育学習への取り組み方が定着し

ているようで、役割分担をして素早く行えたが、安全確認が

足りないところがあるので、きちんと確認できるよう指導を

していきたい。

子どもの反応 本時のねらい 教師の意図 学習の様相

まずは取り組み方を確認しながら取り組んでいた。安全確

認等できていないこともあったので、声をかけると素早く

動く姿が見られた。

あいさつ等の礼節はしっかりと行うことができたが、ゲー

ム中には「なんでできないの!」などきつい言動も見られ

た。1人目がキャッチしたり、キャッチゾーン以外でキャ

ッチをしてしまったりする姿が見られた。ルールの理解が

できず、ゲーム中にも話し合っていた。ボールをもってい

ない時に足が止まってしまうが、ゲームを進めていくうち

に、キャッチゾーンの中で待っている人をつくったり、前

後分かれたフォーメーションを考えたりするチームも出て

きた。チームタイムでは、技能の難しい面を出し合い、そ

の練習に取り組む姿が見られた。

基礎的技能を身に付けることをこの時間は狙っている。ポイントを丁寧に押さえながら、工夫の仕方についても触れて話しをした。

動きのポイントをていねいに確認しながら指導する

ことの必要性を感じた。特にゲームで気になった子

どもを中心に次時は声をかけていきたい。

学習の進め方を知り、「できそうなこと」と「難しそうなこと」を見付けよう。

とにかくルールでの混乱が見られた。迷ったことは全

体のまとめで話すよう声をかけた。まだまだミスで点

が入るゲームで、ラリーなどはほとんど見られなかっ

た。チームタイムをはさんで、「打ち返す」までつなげ

たチームが2,3チーム出てきた。次時に、そのチー

ムを取り上げてどのように攻め方を組み立てて考えて

いるのかを全体化していきたい。

平成28年度市ボール運動研究部 研究授業指導案 p. 17

2時間目

○準備運動 ・ストレッチ

○全体のめあての確認

○学習の進め方を知る

・見通し、ねらいをつかむ。

○準備

○慣れの運動(基本的技能の紹介とやり方)

①サーブ ②パス、パス、パス! ③アタックNo.1

○はじめのルールを確認し、ゲームに取り組む

○チームタイム

○全体のまとめ

・単元の最後には、点をたくさんとってゲームで勝ちた

い!

・アタックで点を決めたい!

・そのために次回は、まず「声かけ」と基本的なテクニッ

クをしっかりと身に付けよう!

○個人での振り返り

◎サーブがしっかりと入るようになった!

◎アタックを打つことができた!

◎フォーメーションを考えたら、レシーブがしっかりとでき

たよ。

◎「下がってー」とかワンポイントアドバイスができた。

●トスがうまくいかないな…アタックにうまくつながらな

い。

●アタックを打ちたいのに・・・ボールがこないよ!

●試合前後のあいさつが雑になっていたな。

●3人でボールをつないで、アタックで相手コートに返す。

ルールについての理解は深まり、それによってゲームが止

まることはほとんどなかった。相手からの返球に対して後ろ

に下がったり、フォーメーションを考えたりとネット型の特

性に触れながらゲームを楽しむ姿が見られてきている。第2

時が終わり、サーブを課題にあげる子どもはいなかった。ア

タックを打ちたいけれど、アタックまでつながらない・・・な

んとかアタックまでつなぐことはできるが、アタックができ

ない…という課題が多くみられた。アタックNo.1の慣れの

運動を次回選択する子どもが多いので、トスのポイント、ア

タックのポイントについては次時重点的に指導したい。子ど

もたちの中に「はじの方を狙ってアタックをする」というめ

あてをもっている児童がいた。「はじの方にねらうと人がい

なくて点をとりやすそう」とのことだった。この予想に次時

以降触れながらも「まずはアタックまでつないでアタックで

点を取れるようになろう!」という話しをした。また、すで

に役割を固定し始めている姿が見られたので、「サーブをし

た人がキャッチをする」というルールを確認した。

前回に比べて技能的にははるかに向上していた。安全確認

もよくできていた。しかし、意識すべきポイントを雑に取り

組んでいる姿もあったので、声をかけた。

あいさつ等の礼節は1時間目より雑になっていたが、安全

確認はできていた。ルールの理解はある程度できるように

なってきた。きつい言動は減り「下がればとれたよ!」「お

しい!ドンマイ!」などの声がでてきた。レシーブやキャ

ッチが安定してきて相手コートに返ることも増えてきた

が、トスが悪くアタックできなかったり、どこかにボール

がとんでいってしまったりという姿が見られた。また人と

人の間にボールがくるとどうしていいかわからず止まっ

てしまうプレーがいくつかあった。まだまだミスが多く、

どうしてもそちらに目がいってしまっている。チームタイ

ムでは、ミスを減らすためのフォーメーションの話が話題

になっていた。

単元中盤から自分の課題に応じて練習ができるように、それぞれの運動で工夫できること、意識するポイントなどを伝えながら練習に取り組んだ。

それぞれの慣れの運動で、どんな技能が身に付くの

かを理解している。次回からは自分の課題に応じて

慣れの運動を選択し、取り組むことができそうだ。

本時の動きや、体育カードを元に実態をつかんで、

何を選択するのかを見ておきたい。

学習の目標を達成するための学習計画を試しのゲームを通してみんなで決めよう。

随分とルールを理解し、ゲームはそれなりに進んで

いた。アタックまでつないで、点が入る姿も見られ

たが、まだまだその確率は低い。また、「サーブを

した人がキャッチをする」というルールについては

なかなか定着しておらず、キャッチする人が同じだ

ったり、レシーブする人が同じだったりすることが

あり、声をかけながら回った。まだまだ、ミスの多

い子どもたちだが「アタックで点をとりたい!」と

強く願うようになった。全体でルールの確認をもう

一度行うとともに、3人でボールをつなぎアタック

で点をとれるよう支援をしていきたい。

平成28年度市ボール運動研究部 研究授業指導案 p. 18

3時間目

○準備運動 ・ストレッチ

○全体のめあての確認

○学習の進め方を知る

・見通し、ねらいをつかむ。

○準備

○慣れの運動(個人3分、チーム3分)

○ゲームに取り組む

○チームタイム

○全体のまとめ

・レシーブはある程度うまくできた。

・人と人との間にきたボールがうまく処理できない。

・来たボールに合わせて3人の役割をしっかりと決めた方が

よさそう。

・3人の動きを考えていかないといけないな。

○個人での振り返り

◎レシーブが随分とできるようになってきた。

◎課題発見カードで課題を発見して、チームタイムに練習す

ることができた。

◎友達からアドバイスをもらって、練習に生かすことができ

た。

●狙ったところにうまくレシーブがいかない。

●トスがうまく打てない。

●話し合いでもめてしまった…。

●3人でボールをつないで、アタックで相手コートに返す。

態度面については、もう一度指導する。記録カードを元に

課題を発見し、チームタイムに生かしている姿が見られた

り、次回のチームのめあてしているチームがあったりしたこ

とは成果の一つである。3時間目まで進み、技能差が大きく

なってきたので、支援が必要な児童を指導していく。ラリー

ゲームが増えてきたが、まだまだコートを狭く使っている。

アタックが今後増えてくると思うので、そこを課題として気

付かせたい。子どもたちの中から、「声かけ」や「3人の役

割分担」という言葉が出てきたので、次時はしっかりとそこ

を押さえながら「ボールを持っていない時の動き」にも触

れ、ゲームがスピーディーに進むように指導をしていきた

い。前時にルールを確認したことで、各々がレシーブ・キャ

ッチ・アタックを経験する場面が見られた。子どもたちと相

談をし、人で役割を固定することが無いようであればサーブ

をした人がキャッチをするというルールを変えたい。

個人では、パスパスパス!とアタックNo.1に取り組む

児童が多かった。チームの中で組み合わせることによって、

難易度を上げて練習に取り組む姿が見られたが、まだ個人

の課題に合わせて取り組んではいない。チームでは、アタ

ックまでの流れを練習していた。少しずつアタックまでつ

なげることが増えてきている。

あいさつや声かけがどんどん減ってきていると感じた。チ

ームによって大きな差が見られた。相手を責めるような言

動はなかったが、チームタイムへの取り組み方についても

めていたチームがあったので、指導をした。ルールをきち

んと理解ができていた。前時と比べると、より相手のコー

トに返す回数が増えたり、強いアタックが決まったりした

チームも出てきた。しかし、メンバーの組み合わせによっ

ては、レシーブが返らず困っているチームもあった。チー

ムタイムには「課題発見カード」を用いて、チームのどこ

でボールが止まってしまうかを話合い、すぐに練習に取り

組む姿が見られた。コートを使うチームもあれば、パスパ

スパスに戻って練習をしているチームもあった。

技能的に支援が必要な児童やチームを中心に指導を行った。まずは基本的な技能をしっかりと身につけ、アタックまでつなげるようになって欲しい。

個人では、それぞれ自分の課題に応じた慣れの運動

に取り組んでいる。それぞれがチーム内で自分の課

題を伝えてから練習に取り組むとよいことを伝えて

いきたい。チームでの練習は、ボールを持っていな

い時の動きが随分とできていた。価値づけてゲーム

につながるようにしていきた。

ゲームに勝つために、相手からの返球を上手にレシーブして、たくさん点をとろう!

あいさつや声かけについては、もう一度指導をし

てから次時を迎えたい。気持ちよく初め、気持ち

よく終えることはスポーツの基本である。ラリー

ゲームがちらほら見え始め、ここからゲームが盛

り上がっていくことが予想できるような様相だっ

た。「課題発見カード」を用いることで、課題を

明確にしてチームタイムに取り組む姿が見られ

た。やはりレシーブの技能がまだまだ身について

いない児童が多いことが1番の課題として残っ

た。特に人と人の間に来たボールについては声を

かけずにミスすることが多い。ボールを持ってい

ない時の動きの大切さには各自気付いているが、

足が止まっている児童がまだまだ多い。

平成28年度市ボール運動研究部 研究授業指導案 p. 19

4時間目

○準備運動 ・ストレッチ

○全体のめあての確認

○学習の進め方を知る

・見通し、ねらいをつかむ。

○準備

○慣れの運動(個人3分、チーム3分)

○ゲームに取り組む

○チームタイム

○全体のまとめ

・3人の役割を考えることで、前よりも素早く相手コートに

返すこときるようになった。

・アタックを打って相手コートに返せるようになった!

・でもまだまだ、アタックまでつなげないことが多い。

○個人での振り返り

◎アタックまでつないで点をとれるととっても嬉しいし、ゲ

ームが楽しくなってきた!

◎3人の動き方についてチームボードを使って考えることが

できた。

◎試合前の礼は、元気よいといいね!

●レシーブが悪くてキャッチができないことがあった。

●アタックでもっともっと点をとりたい!

●まだまだ点をとるというよりはミスで点をあげてしまうこ

とが多いなぁ・・・。

●今まで学習してきたことを、もう一度まとめる。

態度面については改善され、子どもたちも「声を出した方

が楽しい」「礼節をしっかりすると気持ちがよい」」という振

り返りの声が聞こえた。はじめの様相から比べるとずいぶん

とラリーが続くようになってきたが、相手のミスで点が入る

ことが多い。アタックに目が向いている子どももいるが、こ

こまで学習してきたことをもう一度まとめながら、基本的な

技能、その中でもレシーブについてしっかりと取り組む時間

を次の課題としたい。また、慣れの運動の行い方については

より課題を感じた状況を再現しながら取り組む方法を指導し

ていきたい。より技能が高まった状態の中で「ナイスアタッ

クだから点がとれた!」「ナイスアタックってどんなアタッ

クなんだろう?」と考え、次の課題に向かえるように指導し

ていきたい。

個人では、パスパスパス!とアタックNo.1に取り組む

姿が多く見られた。しかしドリル練習のようになっていて、

自分の課題の状況を再現するというところまで至っていな

い。チームでも、やり方がわかり練習の時間をしっかりと

確保できたが、ミニゲームのような練習状態になり、課題

となる状況を再現して練習しているような状況では無い。

アタックまでつながる確率は確実に向上している。

ゲーム前の礼節については気持ちよく行い、チームごとに円

陣を組んでスタートするなどゲームに対する心構えができ

た。相手チームにも「どんまい!」や「ナイスプレー!」など

賞賛し合う声がかけられる児童もいた。前時と比べると誰が

取るのか?という状況には随分と対応することができるよう

になってきたが、やはり技能不足が否めず、相手コートに返球

できないことがある。チームごとの差も随分と開いてきた。ま

たキャッチからアタックまでのスピードがまだまだ遅い。チ

ームボードを使って「誰がどこを担当するか」「2人目、3人

目の動き方をどうするか」について可視化し話し合うことも

できたが、課題が抽象的だったので話題がそれるチームも少

なくなかった。

技能的に支援が必要なチームを中心に指導を行った。3人の役割や動き方を中心にアタックゲームで指導を行い、動き方を確認した。より課題となる状況を再現し、取り組むことの大切さを指導した。

個人タイムとチームタイムを組み合わせた慣れの運

動の過ごし方には随分となれていた。慣れの運動の

時間の大切さをもう一度指導して、課題に合わせた

状況を再現することを伝えるとともに、初めは再現

の仕方を指導していきたい。

ゲームに勝つために、3人の役割と動き方を考え、アタックで相手のコートに返して、点をたくさんとろう!

あいさつや声かけについては、前時に比べてよくな

った。毎時間気持ちよくゲームに臨んでいきたい。

ラリーが少しずつ続くようにはなってきたが、まだ

まだミスで点が取られてしまうことが多い。初めの

場所をきちんと考え、自分の役割をチームボードで

考えていくことで、「今のは○○さんだね!」「そう

か、今のは任せればよかった!」などゲーム中にも

振り返り次のプレーに活かされる姿が見られた。チ

ームタイムには、ゲーム中につまずいたことをもと

にチームボードを使い、具体的に話し合いを行う姿

も見られた。しかし、その状況をアタックゲームで

再現し、より向上していこうとする姿は見られなか

った。その大切さを指導していきたい。

平成28年度市ボール運動研究部 研究授業指導案 p. 20

5時間目

○準備運動 ・ストレッチ

○全体のめあての確認

○学習の進め方を知る

・見通し、ねらいをつかむ。

○準備

○慣れの運動(個人3分、チーム3分)

○ゲームに取り組む

○チームタイム

○全体のまとめ

・レシーブのポイントがわかった。膝を使ったり、肘を曲げ

たりしないといい。

・3人目までつないで、アタックで相手コートに返すことが

多くなった!

・アタックを打ったのに取られてしまうことが多い・・・

・アタックで点を取れる場所があるはずだ!

○個人での振り返り

◎アタックまでつないで点をとれることが増えた!

◎レシーブのポイントがわかってキャッチマンにしっかりと

返すことができた。

●やっぱりレシーブは失敗することがあるから、個人タイム

でたくさん練習する。

●アタックでもっと点をとりたいな。

●アタックを落とす場所を検証するために、検証の仕方を確

認し、試してみる。また、技能が低いチームには徹底的に

声をかけていく。

円陣を組んだり、ゲーム中に声をかけあったりと授業全体

に活気が出てきた。前時と比べても、随分とアタックまでつ

ながり、アタックがよかったから点が入ることが増えてき

た。3人の動きも少しずつスピードが上がってきている。棒

立ちで待っている子どもはほとんどいなくなってきた。自分

の役割を明確に判断し、ボールを持っていない時に動くこと

ができるようになってきている。子どもたちも技能の高まり

を感じ、いよいよナイスアタックについて考えていきたい、

ということになった。記録カードを用いて、そこにボールを

落とせるように練習をし、ゲームに生かすという流れを子ど

もたちと確認しながら学習を進めていきたい。なお、2チー

ム技能的に課題が残るので、慣れの運動を中心として徹底的

に指導を行い、授業の楽しさを味わえるように支援をしてい

きたい。

個人では、パスパスパス!とアタックNo.1に取り組む

姿が多く見られた。自分の課題を相手に伝え、練習に取り

組む姿も随分と見られるようになってきた。チームでは、

自分たちがうまくつなげない状態を再現しようと、ケンス

テップをコート内において、そこにボールを落として練習

に取り組む姿が見られた。

声もよくでるチームが出てきた。自信を持ってプレーしている

ことがうかがえる。アタックまでつながることは、4チームが

かなりできていた。中には10回以上ラリーが続き、大盛り上

がりの様子もみれらた。ボールを持っていない時の動きや、キ

ャッチからアタックまでの時間が短くなってきている。そんな

中残りの2チームは、相手からのサーブの返球もできず、大差

で負けている。レシーブの仕方をめあてにすることで、自分が

知らなかったポイントなどを、チームタイムに共有し練習に取

り組む姿が見られた。

アタックゲームを中心に指導を行った。課題となる状況を再現できているチームを賞賛しながら回った。できていないチームには一緒に再現の仕方を考え実行するよう促した。

移動も素早くなり、この時間の大切さを子どもたち

が理解できたように思う。チームの技能差がこの時

間でもはっきりわかるくらい開いてきたので、支援

を続けていきたい。短い時間で繰り返し練習できる

工夫をするチームが出てきたので簡単に全体化して

から次の時間は取り組みたい。

ゲームに勝つために、レシーブの仕方をもう一度まとめ、3人でつないで相手コートにアタックで返そう!

味方が点をとると一緒に喜ぶ、という純粋によいな

ぁと思える姿がたくさん見られた。4チームはアタ

ックまで続いたり、相手からのアタックもきちんと

レシーブして相手へのアタックまで続いたりとアタ

ックありきのゲームの様相が見られた。コートの外

からも「膝を使って!」「手首に当てるんだよ!」

とレシーブに注目し3人でアタックまでつなごう、

という様子がみられた。課題発見カードを用いて、

アタックまでつなげている回数の伸びを感じること

ができていた。残り2チームは、動き方はわかって

いるのだけれど、動けない・・・という状況だったの

で、アタックゲームなどで指導を行っていきたい。

平成28年度市ボール運動研究部 研究授業指導案 p. 21

6時間目

○準備運動 ・ストレッチ

○全体のめあての確認

○学習の進め方を知る

・見通し、ねらいをつかむ。

○準備

○慣れの運動(個人3分、チーム3分)

○ゲームに取り組む

○チームタイム

○全体のまとめ

・奥や手前に打つと、点が決まりやすかった。

・コートのはじは、点が決まりやすそうだね。

・記録の量が足りないから、もう少しやりたいな。

・まだその場所を狙って打てていないよ。もう1時間やりた

い。

○個人での振り返り

◎チームの練習でコートの奥にアタックが打てるように練習

する。

◎はじを狙ったアタックを打てるように練習したい。

●アタックがしっかりとコートに入るように練習をしよう。

●強いアタックがとんでくるとレシーブがうまくできない。

●まだ場所を狙ってもアタックが散ってしまうので、しっか

りと場所を狙ってアタックを打てるようにしたい。

●アタックを落とす場所を狙ってアタックを打てるようにな

るとともに、より記録の量を重ねていく。

準備や片付けはますます早くなってきた。手持無沙汰な子

どもがいない。安全点検もしっかりとできていた。前時に比

べさらに3人の動きのスピードも上がってきたように思う。

足が止まっている児童が少ない。しかし、キャッチミスやレ

シーブミス、トスミスはまだ見られる。この辺りは個人タイ

ムで補っていく。各々が自分の技能の課題についてはつかん

でいるので、声をかけていく。

振り返りでは、「奥」「手前」「コートのはじ」を狙うとよ

い。という振り返りがでてきた。しかし、なかなかアタック

までつながらなかったチームや、記録がうまくとれなかった

チームもあり、もう一時間しっかりと「場所」について検証

したいということ。またその場所にアタックを打てた子ども

はまだ半数くらいなので、次時のめあても同じようにしよ

う。ということになった。場所をめがけてアタックができる

ように技能的にも支援を続けていきたい。

パスパスパス!では手前に落としたボールをとりにいった

り、奥に強く打たれたボールをとったりと課題になる状況

を再現して取り組む姿が多く見られた。チームでは、「点を

取りやすい」と予想した場所に自分たちでケンステップを

置いて、狙う練習をしていた。

しっかりとボールがつながり、アタックでゲームが終わる。と

いう様相がかなり見られるようになってきた。3人の動きも少

しずつ速くなり、相手コートにボールを返すまでにかかる時間

もずいぶんと短くなってきた。場所を狙ってアタックを打てる

子どもも1チームに2,3人出てきた。また、チーム内でも「奥

を狙って!!」や「手前!手前!」という声が出てきた。記録

カードの取り方がまだわからずになかなか記録が蓄積できな

いチームがあった。また、技能的に厳しく、アタックが1ゲー

ムで2・3本しか打てなかったチームもあった。

ゲームに勝つために、ゲームの記録や経験をもとに点をとりやすい場所を見つけ、たくさん点をとろう!

アタックゲームを中心に指導を行った。場所を狙うことを意識できるよう声をかけた。技能面で厳しいチームには、アタックまでつながるように指導を行った。

レシーブからの流れの中で練習するチームが多い。

1時間を終えて、アタックで場所を狙うことに課題

がある子どもも多いので、トスからの練習でもいい

ことを伝え、練習量を増やしていきたい。また、レ

シーブが安定しない子どもも多いので、アタックと

レシーブを一緒に練習する方法も話していきたい。

狙ったところにアタックを打って得点が入る場面を

見ることができた。記録カードをゲーム中にとり、

チームタイムに使いながら「場所」について話し合

う姿が見られた。まだまだ、全員が「場所」を狙っ

てアタックを打ち、点をとることができているチー

ムはない。子どもたちの言葉の中にもあったが「精

度」をよりあげられるよう、改めてチームタイムや

慣れの運動に、アタックで狙った場所に打てるよう

に練習させていきたい。次回の授業は実際にみんな

で共有した場所にアタックをし、「その場所を狙う

といい!」と実感できるようなゲームの様相になる

とよい。また、技能面が厳しいチームがあるので引

き続き支援を続けていく。

平成28年度市ボール運動研究部 研究授業指導案 p. 22

12 学習資料・学習カード等

<個人学習カード>

子どもたちの考えていること、悩み、やりたいことなどを見取る一つの手立てとして、個人の学

習カードを用意した。教師からも働きかける一つの手立てとなる。

平成28年度市ボール運動研究部 研究授業指導案 p. 23

<チームカード>

毎時間授業に向けて記入し

たり、振り返りで記入した

りするチームカードは、記

入する内容を絞り学習のめ

あてから外れないように記

入欄を用意する。

オリジナルミッションカー

ドは、チームのファイルに

あらかじめ何枚も入れて置

き、いつでも手を伸ばせる

ようにしておく。

平成28年度市ボール運動研究部 研究授業指導案 p. 24

<技能ポイントカード>

ポイントを元に技能をていねいに押さえることを目的として作った。子どもたちの声かけの一つ

の資料ともなる。

平成28年度市ボール運動研究部 研究授業指導案 p. 25

抽出チーム Aチーム<本時までの子どもが自ら課題発見・課題解決していく言語活動の手立てと変容>

は じ め(①②) な か(③④⑤⑥)

子どもの姿

手立てとそのねらい

【変容前】(見取り)

ゲーム後の振り返りで、次の時間のめあてを「アタック」

としていたが、教師の見取りでは「アタック」までつなが

るプレーが少なく課題はレシーブやキャッチ、ボールをも

っていない時の動きにある。

抽出チームA

【手立て】

◆課題発見カード

→サーブ・レシーブ・キャッチ・トス・アタックができ

たか、できていないかをゲーム中に記録し、チームタ

イムや振り返りの時間に根拠の1つとして活用する。

【ねらい】

チームの現在の課題を把握し、アタックゲームやチームタ

イムに考えることを絞れるようにする。

1 2 3 5 6

抽出チームA

抽出チームA

【手立て】

◆ナイスプレーカード

→アタックで点を取れた場所に○、点が取れなかっ

た場所に×をゲーム中に記録し、チームタイムや

振り返りの時間に根拠の1つとして活用する。

【ねらい】

資料を根拠に、アタックで狙う場所を話し合うこ

とができるようにする。

抽出チームA

平成28年度市ボール運動研究部 研究授業指導案 p. 26

抽出チーム Fチーム<本時までの子どもが自ら課題発見・課題解決していく言語活動の手立てと変容>

は じ め(①②) な か(③④⑤⑥)

子どもの姿

手立てとそのねらい

抽出チームF

1 3 4 5 6

抽出チームF

抽出チームF

【手立て】

◆ナイスプレーカード

→アタックで点を取れた場所に○、点が取れなかった場

所に×をゲーム中に記録し、チームタイムや振り返り

の時間に根拠の1つとして活用する。

【ねらい】

①たくさん点をとって勝つ!という意識付け。②資料

を根拠に、アタックで狙う場所を話し合うことができ

るようにする。

抽出チーム F

平成28年度市ボール運動研究部 研究授業指導案 p. 27

平成28年度市ボール運動研究部 研究授業指導案 p. 28

平成29年1月11日

ボール運動研究部

12月研究会報告

日時:平成28年12月7日(水)

場所:

内容:市一斉授業研究会

○横浜市立小学校体育研究会ボール運動研究部テーマ

「子どもと創り上げていくゲーム・ボール運動を目指して」

~主体的・協働的な学びを生み出すための授業づくり~

研究討議

○ボールについて、重さ、大きさ、硬さと様々ある中、子どもたちに身につけさせたい力(思考・技能)や

実態に合わせて決めると思うが、今回授業で使ったボールを選んだ理由

→実態として、ボール運動が苦手な子どもが多かった。

ソフトバレーボールでは身に付けさせたい力(ボールの正面に回り込む)が身に付かないのではないか

という判断で今回のボールを選択した。

○今日の子どもたちが最後に選択した次時の課題であるコースをねらうということになってくると今回の

ボールではねらいにくいのではないかと思うがどうか。

→今回については子どもの実態としてそこまでアタックに影響が出る感じではないと判断した。

○身につけてほしい思考判断はどうか

→自分たちのチームの特徴を見つけてほしい。課題や良さも含めて。記録カードを見て言語活動がぶれる

ことなくチーム全員で話し合うことができるようにしたかった。

○子どもたち(ピンク)の振り返りで「強く打つと浮いてしまう」という話があった。ボールによっては浮

いてしまう可能性もある。子どもたちがどう流れを作っていけば得点につながるかという作戦を意識して

動いている姿が多く見られてよかった。今後の展開について、ここまで高まっている子どもたちと目指す

ことを知りたい。

→技能が伴っていない形で進めても実態に沿ってないということを実感したので、子どもたちと段階を踏

んで進めていくこととした。一部の子どもだけでなく、チーム全員がチームの特徴を生かしてゲームに

臨むことができる姿を最終的に目指したい。

○慣れの運動でも自分たちのチームの課題をしっかりととらえながら活動することができていた。

○黄色チームについて。端をねらっていたがなかなか決まらない。真ん中をねらい始め、決まり始めた。最

後の振り返りでも黄色チームは真ん中をねらうとよいという振り返りをしていてチームの特徴をとらえ

てめあてを達成できていたと思う。チームの中の役割がどうなっていたのか知りたい。

→あまりもめごとがないクラスだが、黄色チームはもめることが多かった。技能が伴っていないチームで

あった。

→単元中まではサーブをした人がキャッチができるというルールであった。子どもたちから変更したいと

いう話があった時点で、役割について話をした。その結果、固定しているチーム、変えているチームと

あった。

平成28年度市ボール運動研究部 研究授業指導案 p. 29

○紫チームを見取った。コートの後ろだけでなくネット際もねらうと得点が入るというゲーム後の振り返り

をしており、これがチームの特徴だなと感じた。技能を高めるためにうった手立てや今後の手立てを教え

てほしい。

→思考判断面を色濃く出しすぎて、技能面を高めきれていなかったと思う。今後は子ども一人ひとり、あ

るいはチームの見取りを基本に適宜指導声かけを入れていこうと思っている。

○学年によってどこまで思考を求めるのかなど講師の先生方からも教えてもらいたい。

○4年生のキャッチバレーボールとの違いを知りたい。学習カードの透明シートがとても有効だったと思

う。カードを出すタイミングや話し合いが活発になるように打った手立てを知りたい。

→中学年ではオールキャッチバレーボールを経験していた。それを今回はワンキャッチバレーボールにし

たところが一番の違い。ボールも違った。カードを出すタイミングについては子どもたちとの振り返り

の中で記録の必要性を感じたので前時に出した。話し合いについては、普段の他教科でも常に小グルー

プでの話し合い活動を取り入れていて、体育というよりは他教科で培ってきたものがうまく出てきたと

思う。

○ナイスプレーカードは今日のめあてを達成するために有効であったと思う。ただたくさん点を取ろうと

いう点については、今回ネット型であるので難しいところがあるのではないかと思う。「勝つ」というこ

とを考えると技能が伴っていない状態で決まる確率が低い場所をねらうというのは難しい。ネット型のナ

イスプレー(得点が決まった時)について分析していくとよいのではないか。

→どこに落とすかという記録を取り、それを作戦に、そして実現できるかという点で考えると可能性は低

いかもしれないが、中学年からの系統性(技能、カード)をしっかりと整えていくことで解決できる部

分もあるのではないと思う。研究の余地がある。

○自分やチームの課題を、根拠をもとに解決方法を考え、慣れの運動で実践している姿があってすばらしか

った。カードを出すタイミングは子どもたちの必要感に応じて出していけるとよいのではないか。

○6時間で今日のようなキャッチバレーボールができている姿がすばらしい。ネット型の特徴として一人で

は得点がとれないという特性がある。つなぐ楽しさがあるのもネット型の特性でもある。レシーブについ

ては1時間しか指導していないとなるとアタックの技能が高まってきたときに限界がくるのではないか。

○中学への接続を考えると、「つなぐ」意識を高くしていかないといけないのではないかと思う。

○チームカードの活用はどうだったのか。

→授業の中で書く時間が確保できなかったのは反省点である。全員で共通理解を図るために可視化すると

いう点ではとても有効的であった。教師側が各チームや個人の様子を見取るという点でもとても有効的

だった。

○レシーブは本当にはじかないといけないのか。キャッチでもよいのではないか。そうすることでもっと他

の動きが充実してくることもあるのではないかとも思う。答えはわからない。

平成28年度市ボール運動研究部 研究授業指導案 p. 30

指導講評

○今日の授業を見て、ネット型にどんどんチャレンジしてほしい。

○ボールの種類はとても重要。子どもの実態や子どもたちに何を身に付けさせたいかをしっかり分析して決

める必要がある。それを踏まえると今日のボールの選択は正解であったと思う。ただ、今の技能を考える

と変えていく必要もあるかもしれない。

○ポールの安全面を確保するためのカバーもあるので検討を。

○中学年は「つなぐ」が重視されるべき。キャッチが多くなるとゲームが止まる。高学年はワンキャッチに

してゲームが流れるようにしていけるとよい。

○アタックをするためにどうしたらよいかを思考させるのも一つの手。

○ネット型、ベースボール型のゲームをするためには on the ball skill を上げる必要はある。

○その場で跳んでアタックは非常に難しい。空中でも足の動き(体全体)がある。

○ネット型の技能については、なかなか分析されていることがないのでそこを分析して、子どもたちに教え

ていくことで高められる技能もある。

○3段攻撃をすごく意識してゲームに臨んでいる姿がとてもすばらしい。

○キャッチゾーンのラインがあることによって、そこをめざしてレシーブを返そうとしている姿があり手立

てとしてとてもよかった。

○3対3ではなく4対4だと思う。ただ、役割をしっかりと意識させるという点から考えると3対3でもよ

い。4対4は攻撃パターンが増えるのでより楽しくなる。

○前後半の入れ替わりで話し合っている姿がありとても子どもたちの高まりを感じた。

○普段の学級経営がよく、とてもよい授業であった。

○視点①、視点②ともに盛りだくさんの授業展開であった。

○ゲームの様相は変化していく。サーブで得点がとれる→相手のミスで得点がとれる→自分たちで得点がと

れる。

○次期学習指導要領を見据えた授業提案をこれからしてほしい。

○次期学習指導要領は新しい内容、なくなる内容ともにない。今ある内容を整理して指導していくというよ

うなものになっている。

○「どんな動きが身に付いたか」だけでなく「どんな課題解決をしたか」という視点が大切。

○ゲームの分析、時間の確保がこれからの課題。

○「どのような教材で」「何を」「どのように」課題解決することが、育成を目指す資質・能力を育むことに

なるのかを研究していく必要がある。