横浜市立小学校体育研究会 ボール運動研究部...市ボール運動研究部 平成...

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市ボール運動研究部 平成 29年12月6日 横浜市立小学校体育研究会 ボール運動研究部 学年・組 第3学年 31名 単元名(領域・型) 「パスをつないで、全力シュート!極上ハンドボール」 ゲーム ゴール型ゲーム(ハンドボール型) 単元目標 【技能】基本的なボール操作やボールを持たないときの動きによって、易しいゲームをすることができる。 【思考・判断】規則を工夫したり、ゲームの方に応じた簡単な作戦を立てたりしている。 【態度】運動に進んで取り組み、規則を守り仲良く運動したり、勝敗を受け入れたり、場や用具の安全に気をつ けたりしようとする。 学習に取り組む前の子どもの学びの状況 楽しさ体験の状況 2年ボール蹴りゲームでは、試合に勝ちたいという気持ちを強く持ち意欲的に取り組むことができた。自分 のチームだけでなく、一生懸命がんばる友達を励ましたり応援したりすることができた。人数分のボールを使 ってゴールに向かってボールを運ぶゲームや、人数よりも少ないボールをとり合いながら、シュートにチャレ ンジしたり簡単な作戦を考えたりしてゲームを楽しむことができた。 3年生のかけっこ・リレーでは、チームで協力して練習に取り組み、チームで力を合わせて勝利することの 喜びに触れることができた。体育の「楽しさ」に関するアンケートをとったところ、70%の児童が「学習の めあてが達成されたとき」と答えている。次いで、69%の児童が、「できなかった技や、動きができたとき」 と答えている。自分の今の力を知り、もっとできるようになりたいというめあてをもち、めあてが達成された り、できなかったことができるようになったりすることに楽しさを感じている児童が多い。 学び方の状況 2年ゲームでは、みんなで楽しめるゲームにすることができるように、規則を工夫することができた。 自分たちで得点を記録したり、審判をしたりするなど、役割を分担して学習を進めることができた。 3年のかけっこリレーでは、チームメンバーの特徴を考えて走順や走るコースを決めたり、練習方法を工夫 したりすることができた。マット運動では、3時間分の自分の学習計画を立て、見通しをもって学習に取り組 むことができた。自分の力に合った練習の場を選んで計画的・主体的に運動に取り組むことができた。ベース ボール型ゲームでは、打球の記録から、アウトゾーンから遠い場所に向かって打った球はアウトになりにくい ことに気付き、作戦に生かす姿が見られた。ルールを守ること、審判の判定を受け入れることの大切さを知り、 自身が審判の際は責任をもって取り組むことの重要性を理解することができた。 3年 ハンドボール

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Page 1: 横浜市立小学校体育研究会 ボール運動研究部...市ボール運動研究部 平成 29年12月6日 横浜市立小学校体育研究会 ボール運動研究部 1 年・組

市ボール運動研究部

平成 29年12月6日

横浜市立小学校体育研究会 ボール運動研究部

1 学年・組 第3学年 組 31名

2 単元名(領域・型)

「パスをつないで、全力シュート!極上ハンドボール」

ゲーム ゴール型ゲーム(ハンドボール型)

3 単元目標

【技能】基本的なボール操作やボールを持たないときの動きによって、易しいゲームをすることができる。

【思考・判断】規則を工夫したり、ゲームの方に応じた簡単な作戦を立てたりしている。

【態度】運動に進んで取り組み、規則を守り仲良く運動したり、勝敗を受け入れたり、場や用具の安全に気をつ

けたりしようとする。

4 学習に取り組む前の子どもの学びの状況

楽しさ体験の状況

2年ボール蹴りゲームでは、試合に勝ちたいという気持ちを強く持ち意欲的に取り組むことができた。自分

のチームだけでなく、一生懸命がんばる友達を励ましたり応援したりすることができた。人数分のボールを使

ってゴールに向かってボールを運ぶゲームや、人数よりも少ないボールをとり合いながら、シュートにチャレ

ンジしたり簡単な作戦を考えたりしてゲームを楽しむことができた。

3年生のかけっこ・リレーでは、チームで協力して練習に取り組み、チームで力を合わせて勝利することの

喜びに触れることができた。体育の「楽しさ」に関するアンケートをとったところ、70%の児童が「学習の

めあてが達成されたとき」と答えている。次いで、69%の児童が、「できなかった技や、動きができたとき」

と答えている。自分の今の力を知り、もっとできるようになりたいというめあてをもち、めあてが達成された

り、できなかったことができるようになったりすることに楽しさを感じている児童が多い。

学び方の状況

2年ゲームでは、みんなで楽しめるゲームにすることができるように、規則を工夫することができた。

自分たちで得点を記録したり、審判をしたりするなど、役割を分担して学習を進めることができた。

3年のかけっこリレーでは、チームメンバーの特徴を考えて走順や走るコースを決めたり、練習方法を工夫

したりすることができた。マット運動では、3時間分の自分の学習計画を立て、見通しをもって学習に取り組

むことができた。自分の力に合った練習の場を選んで計画的・主体的に運動に取り組むことができた。ベース

ボール型ゲームでは、打球の記録から、アウトゾーンから遠い場所に向かって打った球はアウトになりにくい

ことに気付き、作戦に生かす姿が見られた。ルールを守ること、審判の判定を受け入れることの大切さを知り、

自身が審判の際は責任をもって取り組むことの重要性を理解することができた。

3年 ハンドボール 1

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技能の状況

新体力テストの結果から、投力が全国平均・横浜市平均に比べて低いことがわかる。

(平成28年度 横浜市2年生平均9m、○○小学校2年生平均7.9m)

ボール運動に対する意識調査のアンケートをとったところ、「ボールをつかった運動は好きですか」の問い

に対して、26名の子が好きと答える一方、3名の子が「きらい、どちらかというときらい」と答えた。きら

いと答えた子に追加調査をすると、どの子もボールに対して苦手意識や恐怖感を抱いているのがわかる。

1、2年生の時にゴール型のゲームに取り組み、投げることや蹴ることを十分経験してきている。しかし、

ボールを友達にパスして攻める作戦を工夫していく経験は、あまりしていない。ボール操作が苦手な子も楽し

みながらボールをつなぐ楽しさ、シュートを決める喜びに味わうことのできるような教材化が求められる。

5 単元を通して身に付けさせたいこと(思考と動きが引き出された子どもの姿)

【知識・技能】 ・相手のいない場所に走り込みパスを受けようとしている姿 ・ボールを受けたら、ゴールに体を向け、素早くパスやシュートをする姿 ・ゴールに向かって力強くシュートをしている姿 【思考力・判断力・表現力】 ・みんなが楽しめるゲームになるように規則を工夫する姿 ・ゲームの型に応じた簡単な作戦を選ぶ姿 ・課題解決のために自分が考えたことを友達に伝えようとしている姿 【学びに向かう力・人間性】 ・勝利にこだわりながらも、規則やマナーを守り、友達と仲良く協力して運動を楽しんでいる姿 ・場の安全に気をつけて運動に取り組む姿

3年 ハンドボール 2

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6 単元を通して身に付けさせたいことを実現するための手立て

授業構想

は じ め【1】 な か【2~10】 ま と め【11・12】

(〇)と思い(◎)

〇得点できてうれしい 〇もっとたくさん点を入れたい 〇ボールをうまく捕れない。 〇パスがうまくつながらない。

〇どうしたらもっとたくさん得点できるのだろう。 〇相手に取られないようにパスをつなぎたい。 〇オールコートゲームでも点をたくさん取りたい。

〇どの攻め方だったら勝てるかな。 〇ぼくたちの得意なパスパス作戦で攻めて勝ちたい。

学習課題

●ゲームの行い方を知ろう。

●ゴールの近くからシュートにたくさんチャレンジしてたくさん点を取ろう。 ●空いているところに走りこんでパスを受け、シュートをしよう。 ●アタックマンのよさを生かして攻め、たくさん点を取ろう。

●チームやゲームの型に合った作戦を選び、たくさん点を取ろう。 ●仲間がボールを捕ったらすぐ走ってパスを受け、シュートにつなげる。 ●ボールをとったらすぐパスやシュートをする。

ゲーム

規則

ゲーム(ハーフコート 攻守 切り替え型) ・ドリブルなし

・攻撃は3人、守りは2人で行う

・ボールをとられる、ラインアウト、ゴールの場合は最初の

ラインから

・シュートラインの外からしかシュートができない

・前半4分後半4分行い、得点の多かったチームの勝ち

ゲーム(オールコート 攻守入り乱れ型) ・ドリブルなし

・3対3で行う

・攻撃は3人で行い、守りは2人で行う

・アタックマンを各チームひとり作る。アタックマンは自分

のチームが守備のときに、中央の黄色いコーンまでもどり、

守備には参加しない。

・ラインアウトやファールは近くの線から相手ボール

・制限エリアの規則は「ハーフコート」と同じ

・前半4分--後半4分で得点の多かったチームの勝ち。

・得点の時はSからスタート。

慣れの運動

・パスパスおにごっこ

・パスシュートゲーム

・パスパスおにごっこ

・ロングパスシュートゲーム

・ミニゲーム

学習カード

平成29年度 研究テーマ

子どもと創り上げていくゲーム・ボール運動を目指して ~主体的・対話的で深い学びを通して、資質・能力を身に付ける授業づくり~

個人カード

チームカード

①試しのゲーム

③慣れの運動

3年 ハンドボール 3

コート(全3面) 縦26m 横10m 半径3m ゴール… ミニサッカーゴール

シュートカード

コート(全6面) 縦15m 横10m 半径3m ゴール… ミニサッカーゴール

②記録カード/作戦カード

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(1)【視点①】 子供が自ら課題発見→課題解決するための手立て

ハーフコートゲームを通して子どもたちが取り組む課題解決学習

時 1 2 3 4 5~

学習

課題

ゲームの行い方を知

り、学習計画を立て

よう。

シュートにたくさん

チャレンジして、ゲ

ームを楽しもう。

ゴールの近くからシ

ュートをして、たく

さん点を取ろう。

空いているところに

走りこんでパスを受

け、シュートをして

たくさん点を取ろ

う。

子ども

のふり

かえり

もっとたくさんシュ

ートをして点を入れ

たいな。

シュートが入ったり入らな

かったりするよ。シュート

を打つ場所に秘密があった

んだな。

ゴールの近くにつなぎたい

のに、途中でとられてしま

うよ。前にパスをつなぐに

はどうしたらいいのかな。

どうやったらパスをつない

で点を入れられるかがわか

ったぞ。サッカーみたいに

攻めと守りが一緒のゲーム

に挑戦してみたいな。

身に付

けさせ

たい力

・相手のいない場所に走り込みパスを受けようとしている姿 ・みんなが楽しめるゲームになるように規則を工夫する姿 ・ゴールに向かって力強くシュートをしている姿

本学級の児童にとっては、本単元が、パスをつないでシュート

を決めるゴール型のゲームとの初めての出会いとなる。

まずは、攻め側に有利で簡単に得点のできる易しいゲームに取

り組む中で、どの子もシュートを決める喜びを味わえることがで

きるようにする。シュートを打つ、得点する体験をすることで、

子どもたちは「自分にもできる」「もっと得点したい」という思

いを強く持つであろう。それらの思いや願いがベースになり、単

元を通して主体的に課題解決に取り組む子どもたちに育てるこ

とができるようにする。

守備側1 守備側2

攻撃側1

攻撃側2 攻撃側3

①はじめのゲーム(ハーフコートゲーム 第1時~第4時)

3年 ハンドボール 4

〇3人対2人の攻め側に有利な易しいゲームにより、どの子にもシュートを決める喜びを

〇攻守交代型のゲームで攻めるための課題解決に集中する

・全6コートでゲームを行う。

・試合時間は前半4分、後半4分。

・守備役はずっと守備、攻め役はずっと攻め。

前半後半で役割交代。

・コートの広さは、パスが2~4本でシュートまでつながる距離。

攻守入り

乱れ型の

ゲームへ

繋げてい

く。

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子どもが自ら課題発見→課題解決するための記録/作戦カード

はじめ・なか・まとめの全ての時間で使用する。【振り返り】

はじめ・なか・まとめの全ての時間で使用する。【振り返り】

本時の動きの振り返り、次のめあて設定で使う。

②記録カード/作戦カード

個人カード

3年 ハンドボール 5

チームカード

前の時間のふり返りが、次の学習の

めあてにつながるように。めあてが達

成できたかどうか、勝つために、次に

どうするかを考える。

個人が毎時間の終わりに自分で技能面や

態度面、友達との学び合いについて振り返

り、学習のめあてや次時の学習計画(次の

めあて)に生かせるようにする。

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単元を通し必要な場面で使用する。【チームタイム】【振り返り】

コート図を使い、動き方の意思疎通を図る。教師がよい攻め方をコート図を示しながら全体化することで、児

童がコート図の使い方を理解できるようにする。コート図を必要とする児童が出てきたタイミングで、必要なチ

ームに提示する。

なかの後半・まとめの時間で使用する。【チームタイム】【振り返り】

コート図

みんなのナイス作戦

ハーフコートゲームで知った得点に

つながる作戦例をのせている。ナイスプ

レーがわかると、必ず作戦を動いて試し

てみる時間を確保する。そうすることで

作戦名から動きがイメージしやすくな

るようにする。

3年 ハンドボール 6

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第2時、第3時は、教師がとった記録を使用する。【チームタイム】【振り返り】

第7時からは、児童が記録をする。

第5時からは、アタックマンがいるオールコートでの学習がスタートする。攻守入り乱れのゲームにおいても、

攻撃側が有利なゲームを通し、友達とパスをつないでシュートをして点を決める喜びが味わえるようにする。ま

た、アタックマンの優位性に気付き、アタックマンを生かした攻め方を考えていくことができるようにする。

第6時以降はアタックマンを生かして得点をすることが学習課題の中心となる。

シュートカードにシュートが決まったら〇、はずれたら×、アタックマンが得点を決めたら◎を記入する。記

録から、アタックマンの優位性を実感することができるようにする。

第9時には、アタックマンを止めようとする動きが活発になるだろう。それにともない、アタックマンによる

得点が減少することが予想される。第7、8時からの記録を比べることで、そのことに気付かせたい。

十分なデータが集まるように、第7時では教師が全体の記録を集約し、提示する。

シュートカード

3年 ハンドボール 7

導入時は3年生の段階で子ども達自身でゲームを記録し、分析

することは難しいため、教師が記録したカードを提示する形で使

用する。

第2時では、記録からシュートがたくさん入る場所がゴールの

近くからであることを読み取り、「ゴールの近くからシュートを

打ったほうが点が入るのだな。だから、次はゴールの近くからシ

ュートを打とう。」という課題発見→課題解決への思考がつなが

ることができるようにする。第3時でも同様に教師が抽出チーム

の得点記録をつける。実際にめあて通りゴールのそばから打つこ

とができたかどうかをふり返るための根拠として使用する。めあ

て通りにゴールの近くからシュートを打とうとしていたが、守備

によってそれが邪魔されていたことを想起させ、その時の局面で

どうつなげばよいか考えさせることで、パスの必要性に気付か

せ、それに伴ってボールを持っていないときの動きが重要になる

ことに気付くことができるようにする。

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(2)【視点②】 子供が自ら課題発見→課題解決するための手立て

パスパスおにごっこ(単元を通して)

「おに」にボールをとられないように1分間でたくさんパスを

つなげよう。

【慣れの運動のねらい】

・マークのついていない味方にパスをだす。

・味方と自分の間におにがいないように移動する。

・声を出した味方にすばやくパスを出す。

・パスコースに入り、守備をする。

【ゲームのどの動きにつながるのか】

・ボールを持っていないときに、次の動きを考えながら移動して

パスを受けること。

・あいている味方を見つけてパスをすること。

・声を出してパスを要求すること。

パスアンドシュートゲーム(はじめ・なか)

3分以内にたくさんシュートを決めよう。

【慣れの運動のねらい】

・ボールをもたないときにボール保持者の前に走り込み、パスを受けゴールまですばやくボールをつなげる。

【ゲームのどの動きにつながるのか】

・パスをした後すぐにボール保持者を追い越し、ゴールまでパスをつなげること。

③慣れの運動

●ハーフコートエリア内でゲームをする。

●コートからボールが出たらおにの勝ち。

●パスのボールに触られたらおにの勝ち。

●こぼれたボールに触られたらおにの勝ち。

●1分間で何回(累計)つながるか競う。

〇二人でボールをつなげる。

〇3分間で何点取れるかを競う。

3年 ハンドボール 8

右の図は、第2時で「シュートを決めるためには、ゴールの近く

から打つ」ことに気付いた後に提示したもの。

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ロングパスゲーム(なか、まとめ)

1分以内にたくさんパスをしよう。

【慣れの運動のねらい】

・ロングパスをし合い、1本速攻をするための投げる、捕る動きに慣れる。。

【ゲームのどの動きにつながるのか】

・攻守の切り替え時、速攻の場面。

ミニゲーム(まとめ)

自分たちの作戦の動きを試したり、確認したりしよう。

【慣れの運動のねらい】

・自分のチームで3対2のハーフコートゲームを行い、自分たちの作戦の動きを確認する。

【ゲームのどの動きにつながるのか】

・パスをした後すぐにボール保持者を追い越し、ゴールまでパスをつなげること。

・守備の動きを見ながら、フリーの場所に動いたパスを受けたり、フリーの友達を見つけてパスをしたりするこ

と。

・フリーの時には声を出して友達に教え、ボールを要求すること。

〇守備にボールをとられないように3人で

ボールをゴールにつなげる。

〇守備は2人。ボール保持者とゴール、ボー

ル保持者と相手の間に入り守備をする。

〇守備、攻撃を交互に繰り返していく。

3年 ハンドボール 9

〇パスを受けたら、すぐに前を見てパスを出す。

〇サイドラインを踏み越えて投げる。

〇ボールの正面に入りキャッチする。

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ハーフコートゲーム、オールコートゲーム共通

【教師の意図】

ゲームとゲームの間、ゲーム②の後ににチームタイムを設定する。

チームタイム①は、ゲームを振り返り、次のゲームへのめあてを立てたり、課題の解決方法を話し合ったり

する時間とする。

チームタイム②は、1時間の学習を振り返り、課題設定したり、課題解決したりするための方法について相

談したりする時間とする。

タイムマネジメント

時間 内容

2分 場の準備

1分 チームめあて確認タイム

5分 慣れの運動

5分 本時の課題

8分30秒 ゲーム① 前半4分 30秒 後半4分

5分 チームタイム

8分30秒 ゲーム②前半4分 30秒 後半4分

7分 チームタイム、ふりかえり、次の課題設定

3分 片づけ

④子どもが自ら課題解決していくためのチームタイムの設定

3年 ハンドボール 10

チームめあて確認

ゲーム①

課題設定

課題設定

チームタイム①

ゲーム②

慣れの運動

チームタイム

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7 単元計画

はじめ なか まとめ

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

学習活動 1 ストレッチ、場の

準備

2 学習課題の確認

3 慣れの運動の行い

方を知る

4 ハーフコートゲー

5 ふりかえり、整理

運動、片付け

ハーフコート

1 場や用具の準備をす

る。

2 学習課題の確認

3 慣れの運動をする

〇パスパスおにごっこ

〇パスシュートゲーム

4 チームめあて確認

5 ゲーム①

6 先生タイム・チーム

タイム

課題をつかむ。

7 ゲーム②

8 振り返り

9 片付け、整理運動

オールコート

1 場や用具の準備をする。

2 学習課題の確認

3 慣れの運動をする

〇パスパスおにごっこ

〇ミニゲーム

4 チームめあて確認

5 ゲーム①

6 先生タイム・チームタイム

課題をつかむ。

7 ゲーム②

8 振り返り

9 片付け、整理運動

オールコート

1 場や用具の準備をする。

2 学習課題の確認

3 慣れの運動をする

〇ミニゲーム

4 チームめあて確認

5 ゲーム①

6 先生タイム・チームタイム

課題をつかむ。

7 ゲーム②

8 振り返り

9 片付け、整理運動

・ゴールに向かってシュートをすることができる。

・片手でパスをすることができる。 ・声を出してパスをもら

い、キャッチすることができる。

・ボールを持った時にゴールに体

を向けることができる。

・フリーの友達を探してパスをす

ることができる。

・ボールをもった時にゴールに体を向け、すばやくシュートすることができる。

・フリーの友達を探してすばやくパスをすることができる。

・パスをつなぐための、

ボールを持っていないと

きの動き方がわかる

・ボールをパスしたら捕球者の前

に走り込むことができる。

・フリーになるための動き方がわ

かる

・フリーになれる場所を探してすば

やく移動することができる。

思考・

判断

・ゲームの行い方を知

り、ルールを理解して

いる。

・ゲームの行い方を知り、

ルールを理解している。

・楽しくゲームを行うこ

とができる規則を選んで

いる。

・得点をすることができるための

簡単な攻め方を考えている。

・チームの動きのよさや課題につ

いて、考えたことを伝えている。

・得点をして勝つために、型に合っ

た作戦を選んでいる。

態度 ・ゲームに進んで取り

組んでいる。

・安全に気を付けて用

具の準備や片付けを友

達と協力し、行ってい

る。

・ゲームの勝敗の結果を

受け入れている。

・場の安全に気をつけて、

危険なものを取り除いた

り、用具の安全を確かめ

たりしている。

・安全に気を付けて、用

具の準備や片付けを友達

と協力して行っている。

・規則を守り、友達と励まし合っ

て練習やゲームを行っている。

・場の安全に気をつけて、危険な

ものを取り除いたり、用具の安全

を確かめたりしている。

・安全に気を付けて、用具の準備

や片付けを友達と協力して行って

いる。

・ゲームの勝敗の結果を受け入れて

いる。

・安全に気を付けて、用具の準備や

片付けを友達と協力して行ってい

る。

・規則を守り、友達と励まし合って

練習やゲームを行っている。

・場の安全に気をつけて、危険なも

のを取り除いたり、用具の安全を確

かめたりしている。

単元名

(ゴール型ゲーム

・ハンドボールを易しくしたゲーム)

「パスをつないで、 全力シュート! 極上ハンドボール」

単元目標

<技 能>基本的なボール操作やボールをもたないときの動

きによって、易しいゲームをすることができる。

<思考・判断>規則を工夫したり、ゲームの型に応じた簡単な作

戦を立てたりしている。

<態 度>運動に進んで取り組み、規則を守り仲良く運動を

したり、勝敗を受け入れたり、場や用具の安全に気をつけたりし

ようとしている。

3年 ハンドボール 11

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8 本時展開【改訂版】 (10/12)

学習活動と内容 指導(○)と評価(●)

1 場や用具の準備をする。

2 学習課題の確認をする

3 慣れの運動

パスパスおにごっこ

ロングパスシュートゲーム

4 作戦確認

前の時間に確認した二つの作戦から一つ選び、確認する。

・アタックマン以外のボールをもっていない人が前に行ってパ

スを受け、シュートする。

・アタックマンが空いているところに動いてパスを受け、シュ

ートする。

5 ゲーム① 1試合8分30〔前半、後半4分、移動30秒〕

6 チームタイム①

・アタックマンでたくさん点が取れたか、アタックマンが守り

につかれても点が取れたかをふりかえる。

7 ゲーム②

8 チームタイム

・本時の振り返りと、次時へのめあて設定

9 全体・個人ふりかえり

10 片付け、整理運動

●安全に気を付けて、用具の準備や片付けを友

達と協力して行っている。(態)

〇児童の場の準備の仕方についての安全確認、

指導をする。

〇前時までに、指導・支援を必要とするチーム、

児童の実態を把握しておく。

〇全体を注視しながら、評価計画に則り部分的

に指導・評価を行う。

●得点をすることができるための簡単な攻め

方を考えている。(思)

〇本時の課題場面に出会った子に声掛けを行

い、実体験をもとに課題解決に迎えるようにす

る。

〇大いに称賛し、次のゲームへの意欲を高める

●ボールを持った時にゴールに体を向け、フリ

ーの友達を探してパスをしたり、シュートをし

たりすることができる。(技)

〇本時の課題やチームのめあてにかかわる振

り返りをしているか確認し、適宜助言、指導を

する。

〇本時の課題解決に向けたよい動きを紹介し、

次時への意欲につなげる。

アタックマンが守りにつかれたときの攻め方を考えて、たくさん点を取ろう。

3年 ハンドボール 12

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平成29年1月10日

ボール運動研究部

12月研究報告

日時:平成29年12月6日(水)

場所:横浜市立  小学校

内容:市一斉授業研究会

○横浜市立小学校体育研究会ボール運動研究部テーマ

「子どもと創り上げていくゲーム・ボール運動を目指して」

~主体的・対話的で深い学びを通して、資質・能力を身に付ける授業づくり~

開会の言葉 横浜市立  小学校    先生

本日はよろしくお願いします。ボール運動研究部の研究を、皆様からご意見をいただいて、より

深めていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

副部長挨拶 横浜市立  小学校    先生

本日はよろしくお願いいたします。ボール運動研究部の方では、青山先生に授業を提案していた

だき、今年度の研究を行っています。  小学校でも  先生が授業を行っています。機会があれ

ば、2本の授業の話をし、研究を深めていっていただけたらと思います。

会場校挨拶 横浜市立  小学校 副校長    先生

本日はありがとうございます。  小学校は体育の研究を深めています。本日は忌憚のないご意

見をいただき、蒔田小学校の子どもたちのためにできたらと思います。また、先生方もこの研究会

で学びを持って帰っていただけたらと思っています。

小学校体育研究会挨拶 横浜市立  小学校長    先生

本日はありがとうございます。蒔田小学校はたくさんの場で体育の研究を深め、発信してくださ

っています。今日の授業を元に、みなさんでたくさん学んでいきましょう。

研究討議

  先生 ご自評

・本日は前時の課題からのつながりが見られ、次時へのつながりが見られたので嬉しく思った。

・ボール研の視点の難しさを感じたが、大切なことだと感じ指導をしてきた。本日の姿にそれら

がつながったように感じている。

質疑

・キーパーは一人作っているゲームだったのか?それとも子どもたちが勝手に考えて動いてい

たのか?

→制限区域はあるが、キーパーの役は決めていない。あのゴールに対してのシュートを止めるの

は難しい。指導者としては、前の方からパスを止めていくように話をしてきたから。

・パスパスの慣れの運動をする前に、何か指導はあったのか?

→前回の学習からのつながりから、子どもたちと共有をする程度。

   小学校

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・ルールの工夫について、どのような指導をされたのか?

→本時で見られた黄色線。ハーフコートゲームからオールコートゲームへの接続時に速い展開が

なかなか出てこない実態があった。こういった部分では、指導者が引き出したいものもあるの

でこちら側から提示していった。細かい部分(お互いにボールに手がのびたときはじゃんけん

で決めよう)などは、子どもたちとその都度決めていった。

研究討議

・自分のゴールを守りたいがために、3対1になる部分があった。アタックマンが守られる場面

がつくられなかった。先生が学習課題としたいところがずれていたのかな?と感じた。

→思った通りに子どもたちの課題が進んでいかなかった。改めて難しさを感じた。

・アタックマンの位置がとてもよかった。ゴールにもいけるし、ボールを取りに戻ることもでき

る、絶妙なポジションだった。

・チームタイムの取り方。集まった時の使い方。課題が解決できなかったチームの姿を広げられ

るとよかったのかな?と思う。

→精査することの大切さを感じた。45分間の中でどのように活動をさせるのか、どこを大事に

していくのかを考えて学習を進めていった。チームタイムにも2種類のものを用意し、全体で

振り返る部分、チームごとに考える部分等、考えていった。

・子どもたちのチームの話題は、チームそれぞれの攻め方がどうだったか?ということに集まっ

ていた。全体の課題は、チームの攻め方はどうか?という類のものになるのか?と感じた。

・単元前半のハーフコートのゲームが、うまく学習に機能していたのではないか?マークを振り

切る動きは子どもたちの姿として出ていたと思う。

・子どもたちの記録カードをよく取れていることが素晴らしいなと思いました。子どもたちが記

録をもとに、振り返りをしている姿が、学び方として大切だと思いました。

・ロングパスの作戦が出てきていた。コートの大きさを工夫していくことで、2人目、3人目の

動きが広がっていくのではないか?ゴールの大きさもどうだったか?

→ゴールの大きさは、シュートを決める喜びをたくさん味わわせたかったのであれでよかった。

その分、コートを長さを長くした。結果、ロングパスの成功率は下がってしまったが、指導者

として狙っていた力は身について行ったと思います。

・子どもたちの主体的な活動、と、きちんと指導をしていくべきこと。ハンドボールの授業では

どの部分だったのか?

→子どもたちに考えさせたかったことは…シュートを打つにはどこから打ったらよいか、シュー

トを打つためにはどのようにボールをつないでいったらよいか。を考えさせたかった。きちん

と指導すべきことは、たくさんあって、そのバランスが非常に難しかったなと感じた。

・ハーフコートからオールコートになったときにあまり教師が修正するのではなく、子どもたち

が課題発見・課題解決できるタイミングだったのかな?と思った。アタックマンがなぜひつよ

うなのか?そこが子どもたちにおちるかどうかが大切。

・慣れの運動はもうチームごとに選択してよかったのではないか?慣れの運動がゲームに生か

されていたか?と聞かれると、ロングパスを使っていないチームもあった。子どもたちの必要

Page 15: 横浜市立小学校体育研究会 ボール運動研究部...市ボール運動研究部 平成 29年12月6日 横浜市立小学校体育研究会 ボール運動研究部 1 年・組

感がどこまでだったかな?と思った。シュートで終わる慣れの運動にしておくと、ゲームにつ

ながっていくのかと感じた。

・教師の立ち位置としてはどうだったか。子どもたちに賞賛、プラスの声かけが多かった。それ

は大変すばらしいと思う。が、2コートを背に向けたような状況もあった。また、授業研とな

ると参観者がたくさん立っていて、コートが見えないときがあったと思う。研究会としても考

えていくべきではないか。

→安全面には最大配慮して、普段授業を行っています。が、支援していきたいチームに入ってし

まうこともあります。

→研究会としても、授業研究のあり方について考えていきます。

指導講評 横浜市立   小学校長    先生

・新学習指導要領と現行学習指導要領を見比べている。カリキュラムマネジメントの部分も大切

なこと。子どもたちがボール運動の中で何を学ぶのか。汎用的な資質能力をどのように育んで

いくのか、年間単元配列を考えていく必要がある段階に来ている。

・ボール運動で確実に身につけさせたいことは4つある。

① ボールを持っているとき、ボールを持っていないときの動きを身に付けながら運動に取り

組む。→子どもたち自身が、何が課題なのかを考えられるようにしないといけない。

② ルールや学習の場を工夫しながら、学習する。→今日の学習は2対2に実質なっていた。

ルールの工夫を提示しなければ、子どもたちの中からは出てこない。戦術を子どもたちに

おとしたいとき(一般化したいとき)は、止めてでもやってよい。

③ 自分のもっている作戦を生かす。→作戦と戦術は違う。

④ 協力して運動に取り組むこと

・慣れの運動という言葉はどうか?オンザボールスキルに重きをおく時間?最終的にはシュート

することが目的。シュート局面に行かないと意味がない。

・チームタイムでは、何をどのように話すかを明確にもっていないといけない。ゲームが終わっ

た後に課題に対する振り返りをしなければいけないのではないか。

・子どもが本当に必要感をもって、学習に取り組んでいるのか?を見直していく必要がある。

閉会の言葉 横浜市立  小学校    先生

本日は寒い中、たくさんお集まりいただきまして、ありがとうございました。ボール運動研究部

の研究を進めてきた内容はいかがだったでしょうか?  先生、ありがとうございました。たくさ

ん学びがありました。今日いただいたご意見を今後の研究に生かしていきたいと思います。これを

もちまして、平成29年度ボール運動研究部一斉授業研究会を終わります。ありがとうございまし

た。