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SIP 戦略的イノベーション創造プログラム(2014-2018) 2019年1月24日 第11回 社会実装促進会議(最終報告会)
インフラ維持管理の将来像- 点検・モニタリング・診断技術のイノベーション -
SIPインフラ サブプログラムディレクター
若原 敏裕
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点検の効率化・高度化作業者育成地域連携技術支援体制
発注方式の変更点検要領の改定予算立ての見直しPPP/PFI
インフラ維持管理の「ありたい姿」
診断・余寿命予測モデル
点検・診断結果とアセットマネジメントを繋ぐキーテクノロジー高耐久補修・補強材料の性能評価が可能余寿命の定量化でライフサイクルコストの算定が可能長期保全計画・更新計画と投資計画のリンク
意思決定のための支援ツール・余寿命予測技術、AI・インフラデータベース
パブリックセクター プライベートセクター
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地方自治体(医院・クリニック)
土木研究所,NIMS情報学研究所、東京大学など(大学病院、拠点病院)
マルチコプター
打音検査
衛星SAR
橋梁トンネル点検ロボット
総合アセットマネジメントシステム
MMS センサー関連技術etc
データーベースビックデータ
X線・中性子・レーザー
発光材料
溶射材料
非破壊探査
地域へ実装・展開すべき技術
地域型アセットマネジメントシステム
災害対応ロボット
地方整備局(総合病院)
研究開発のポートフォリオ
先端的
汎用的
超高耐久コンクリート
画像処理信号処理
磁気・マイクロ波・音響
通信技術
特殊アセットマネジメントシステム(農業、港湾、特殊地域)
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SIPインフラ 「インフラ技術総覧」
土木分野だけでなく、様々な理工学分野、学際分野の研究者が参画し、これまでにない成果、出口につなげた。
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点検・モニタリング・診断技術の分類
詳細点検技術高出力X線,小型中性子による非破壊探査
点検支援ツールハンディタイプの高感度磁気センサー
AIサポートによる打音ハンマー etc
スクリーニング衛星SAR,航空機によるレーザー計測車両によるレーダー計測,レーザー計測ドローンによる高解像度カメラ etc
常設モニタリングネットワーク化された多数のセンサー重要構造物,長大橋,斜面の監視
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点検支援ツールハンディタイプの高感度磁気センサー
AIサポートによる打音ハンマー
技術の紹介第2章 SIPインフラの成果事例集
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技術の紹介第2章 SIPインフラの成果事例集
スクリーニング衛星SAR,航空機によるレーザー計測車両によるレーダー計測,レーザー計測ドローンによる高解像度カメラ etc
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11
12
0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
12,000
14,000
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
7,000
2016~2025
(今後10年間)
2026~2035
(今後20年間)
2036~2045
(今後30年間)
2046~2055
(今後40年間)
2056~2065
(今後50年間)
累積事業費(百万円)
事業費(百万円)
予防保全型(平準化後)
対症療法型
予防保全型(平準化後)(累積)
対症療法型(累積)
情報・通信に関する優れた技術(39)
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最終ゴール・路面性状測定車に匹敵するプロファイル推定精度.・従来の1/20のコスト→採用自治体において現在の20倍の路面を評価・自治体/管理者/協業事業者の車両数百台による運用.・路面評価をマネジメントシステムに取り込んだLCC算出と中長期修繕計画策定・開発コンサルタントを通じた国際展開.今年度の成果
カルマンフィルタを使って路面プロファイルを求めることに成功IRI(路面ラフネスインデックス)の誤差は20%から10%以下に約100台の車が全国の道路のビックデータを収集業務車両による路面調査業務を開始
来年度の取り組み・精度認証:平坦性評価の認証資格取得.世界銀行における試用・評価.・深層学習を画像に適用した路面変状の判別を業務車両へ展開・自治体間,管理者間の路面劣化特性の比較・特徴分析.
変状箇所抽出と画像による分類/確認
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Copyright © Pacific Consultants Co., LTD.
走行型高速3D計測システムよるインフラ点検・診断技術
- 画像,レーザ,レーダをフル活用し点検・診断を支援 -
標準MMS:レーザ高密度レーザ(100万点/秒)
道路周辺の3次元地形測量覆工の3次元形状計測
非接触空洞探査レーダ全周20台ビデオカメラ
TYPE1: 巻厚と背面空洞 ひび割れ、変状を連続撮影
時速50~70km/hで走行しながら計測
画像(カメラ) レーザ レーダ
非接触内部欠陥探査レーダ
TYPE2: 内部欠陥、ジャンカ
走行型計測車両 MIMM-R
アンテナと壁面離隔: 3m
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カメラ、レーザ、レーダおよび、近接目視、打音検査を総合的に融合させ、適切な判定を実施し、トンネル点検・診断全般の効率化,省力化などの支援を目指す。
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点検・モニタリング・診断に関する優れた技術(4)
フォトン応用計測研究所(理研ベンチャー)を設立
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オリジナル映像フレーム削除映像 21
ロボットに関する優れた技術(50)
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技術の紹介第2章 SIPインフラの成果事例集
常設モニタリングネットワーク化された多数のセンサー重要構造物,長大橋,斜面の監視
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技術の紹介第2章 SIPインフラの成果事例集
詳細点検技術高出力X線,小型中性子による非破壊探査
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技術の展開第3章 地域実装支援チーム活動紹介
ロボット点検技術の橋梁への適用岐阜大学チーム (各務原
大橋)鳥取大学チーム (江島大橋)
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「近接目視」がきわめて難しい「橋」
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地域の大型橋梁へのロボット技術の試験運用
ラーメン橋 アーチ橋 高橋脚橋 斜張橋=全国でどのくらいある?
維持管理が難しい橋
イタリアの橋の崩落 維持管理が不十分?
項 目 PC橋梁数 備 考
PC橋梁(国内) 3300 カンチレバー工法による
大規模なPC橋梁 2506・最大支間50m以上・全幅7m以上・橋脚高15m以上
発 注
国交省 496 高速道路会社は除く
自治体 894
合計 1390
維持管理
自治体(推定)
968(約70%)
国の橋梁の内,15%が自治体へ管理移管
平均 約20
全国に1000橋程度(=自治体) はある!
ロボット技術を駆使した点検スクリーニングが可能か?
「近接目視」がきわめて難しい橋への挑戦=ドローンによる点検?
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鳥取チーム岐阜チーム
地域の大型橋梁へのロボット技術の試験運用
大型橋梁点検車の運用が困難・ロープアクセスの多用・移動式足場による点検
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江島大橋プロジェクトの背景と目的
江島大橋プロジェクト=鳥取大学チーム
・構造上アクセスしにくく近接目視点検が容易ではない
・橋梁点検車等を用いた近接目視点検の費用が高額
・点検作業の安全性や交通渋滞など社会的な影響が大きい
定期点検2回実施 アクセスの悪い場所では遠望目視のみ
江島大橋=平成16年に供用開始
プロジェクトの目的
・地方自治体におけるロボット技術を活用した効率的な橋梁点検支援の実現
・地元コンサルタントへロボット技術を実装し,点検技術者の育成を図る
・さらなるロボット技術の開発を促進する
・事業期間: 平成9年着工~平成16年完成 (H16.10.16供用開始)
・総事業費: 228億円・全 長: 1,446.2m・海面からの高さ: 44.7m・勾 配: 松江市側6.1% 、 境港市側5.1%・交 通 量:
(断面図)
松江側
境港側
中海
境水道
境港側から望む 松江側から望む
縦断勾配6.1%
中央径間 250m
橋脚高さ40m
桁高さ15m
主橋梁 150m+250m+150m
江島大橋の概要(主橋梁150m+250m+150m)
約15,000台/日
フィールド試験に選定した開発技術の実施状況
7月3日~8月8日で実証試験を実施(江島大橋)
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データの集約
インフラデータベースとプラットフォーム東北大学チーム
(DBMY)国立情報学研究所
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諸元情報の可視化
山形県の導入されたインフラデータベース(3月22日導入・運用)
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生存時間解析を用いた道路橋RC床版の劣化定量分析(57)
維持管理・補修効果の定量的な説明や計画策定に寄与
Cox回帰分析による劣化因子予測の応用事例として分析結果の利用を行う
リスクスコアを利用した維持管理支援手法
1 床版毎リスクスコアのプロット
2 補修・補強効果検討への応用
• 正確な床版位置情報から、橋梁内でのリスクの差が直感的に明らかに
• 熊野町JCT⇔板橋JCT(交通量/構造上の理由によりリスク高)といった要重点管理区間が明確に
結果
通常ケース
リスクスコアによる補強効果の検討
• 現設計でのリスクスコア
増厚ケース
通常ケース
増厚ケース• 床版厚設計値
25cmと仮定
• 構造条件の変化による損傷リスクの低下が定量的・視覚的に明確となり、維持管理優先度決定などへの有効性を示す
結果
高リスクスコア
低リスクスコア
(16~24cm)
○自治体によるSIP成果の活用(山形県)
対象橋梁をクリック
橋梁諸元データを表示
山形県の導入されたインフラデータベース(3月22日導入・運用)
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山形県の導入されたインフラデータベース(3月22日導入・運用)
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山形県の導入されたインフラデータベース(3月22日導入・運用)
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点検情報の可視化
山形県の導入されたインフラデータベース(3月22日導入・運用)
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損傷評価支援
山形県の導入されたインフラデータベース(3月22日導入・運用)
3次元地図共通PFの利用イメージ
42観測データ
(降水量・地震等)
地形図(DEM/DSM)
地盤情報
SIP4D
自動走行PF
データビューア
データ提供ツール
各種API
マーケットプレイス機能
地盤情報地形図
(DEM/DSM)観測データ
(降水量・地震等)
データストア
多種の3次元データへの位置に基づく一元的なアクセス
地図データ 観測データ構造物モデル
ジオコード データ管理形式チェック 信頼性チェックフォーマット変換 問合せ処理
・・・・
点検データ(調書・画像他)
センシングデータ
インフラ管理情報
データ保有者
3次元地図共通PF
地理関連情報
インフラデータ
国土地理院民間地図会社国土交通省気象庁 等
国土交通省大学などの研究機関建設会社コンサルタント
サービス利用者
NEXCO地方自治体 等
インフラ維持管理
SIP自動走行SIP防災・減災SIP農業
SIP各課題
[一社]社会基盤情流通推進協議会(G空間情報センター)
• インフラ維持管理、防災、自動車自動運転に関わる空間データを扱うプラットフォーム
– 多様なデータ空間データ管理機能
• 3D地図情報、インフラ維持管理向け情報、防災向け情報、自動運転における静的道路情報など・・・・・・
インフラデータベースと3次元地図情報共通プラットフォーム
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三次元地図
避難経路シミュレーション
インフラ維持管理情報
自動運転支援情報
インフラ工事による交通量予測
N-1-M対応可能な3D地図をベースの共通プラットフォーム相違なデータに対するポータル機能
対象データに関する問合せ機能(APIとして実現)
プラットフォーム
データベース
アプリケーション
自動車自動運転MMSデータ
(静的情報のみ)
地図データ(地形2D/3Dデータ)
インフラ構造データ(CADデータ ) インフラ検査データ
(画像/振動データ)
現実世界現実世界
インフラ維持管理情報へのアクセス
橋梁やトンネルなどのインフラの維持管理情報と位置情報をリンク
– 位置情報付き維持管理情報を入力
• 画像データ、打音検査データ、モニタリングデータ
– 位置情報から当該箇所の過去の維持管理情報を出力
位置情報入力または3D表示上の箇所にマウスなどをあわせる
当該位置付近の過去の維持管理情報を表示・再生
インフラ構造3Dデータインフラ構造3Dデータ
API
プラットフォーム
①問い合わせ(ある位置に関する維持管理データ)
インフラ維持管理(打音検査)
インフラ維持管理データビューア
データ管理/問合せ機構
インフラ維持管理(ドローン撮影)
②打音データ ②画像データインフラ維持管理データビューアアプリケーションの表示例
Society5.0 : 橋梁診断(フィジカル空間)と将来予測(サイバー空間)
マルチスケール解析
0246810121416180
0.5
1
1.5
2
LG direction[m]
1 0 L
TR d
irection[m
]
0
0.5
1
電磁波レーダー: 滞水箇所を検出
ひび割れ自動検出(AI, ウェーブレット変換)
AEトモグラフィー: 速度分布を計測→ 損傷の程度を推定
微小強制振動法:共振周波数を計測ドローン: 高精細画像
X線: 鋼材腐食
非破壊試験 SIP開発技術による非破壊試験 モニタリング
サイバー空間に橋梁を作りこむ→将来の状態を計算機内に再現
AI連携 マルチスケール解析を教師としてAI学習
解析データ AI学習
画像、信号など センサーデータ
解析を活用した診断・対策未来の環境を入れて予測する
補修したときの未来Ex.
合理的な判断税負担が軽減
高速化
普及促進
生産性向上
光ファイバーセンサー:ひずみ
荷重車試験 長期モニタリング
ビッグデータ
1.E+0 1.E+1 1.E+2 1.E+3 1.E+4 1.E+5
90
70
50
30
10
-10
-30
頻度 (回数)
ひずみ(μ)
加速度計
実橋梁
計算機の中の橋梁
ひび割れ・変形予測図
補修しないときの未来
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フィジカル空間
サイバー空間
0.01.02.03.04.05.06.07.08.09.0
10.0
1.E+04 1.E+05 1.E+06 1.E+07 1.E+08
Defle
ctio
n(m
m)
Equivalent cycle
Referential analysisAssimilation at 100kiro cyclesAssimilation at 200kiro cyclesAssimilation at 250kiro cycles
載荷回数 10万回 294万回 2306万回
RC床版裏面のひび割れ図(実験値)を初期値としてMS解析に入れる
6方向ひび割れモデルを使ったRC(鉄筋コンクリート)のマルチスケール(MS)解析
裏面のひび割れ状況がわかると,RC床版の余寿命が予測可能
データ同化による乗り込み成功ञ
ॎा␟ۜۜ␠
参照結果10万回294万回2306万回
RC床版の疲労たわみ予測
0.01.02.03.04.05.0
1.E+001.E+021.E+041.E+061.E+08
活荷重たわみ
(mm
)
等価繰り返し走行回数
実験
解析
東大で開発した世界で唯一の6方向ひび割れモデル
回数
余寿命疲労限界たわみ
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コンクリート構造の余寿命予測解析へのAI応用
リスク情報共有被害予測
アセットマネジメント支援
救急車両支援災害医療支援
物流効率化支援物資輸送自動走行支援
インフラ余寿命予測
インフラ情報被害・復旧情報 幅広い展開
新規ビジネスの種連
携強
化相
互乗
り入
れ
インフラPF 常 時3DMPF-i
3D Map based Platformfor Infrastructure Management
防災/減災PF 非常時SIP4D
Sharing Information Platformfor Disaster Management
インフラデータの運用展開イメージ
47
G空間情報
センター3DMPF
-i
情報学研究所
国土地理院
土木研究所
防災科研
SIP4D
文科省運用形態
国交省
48
インフラ維持管理の「ありたい姿」
マネジメント・サイクル
データドリブン・インフラ・メンテナンス・マネジメント
メンテナンス・サイクル
データドリブン・インフラ・メンテナンス・マネジメント