クラーク公共財供給メカニズムの再検討€¦ ·...

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商学譲葉 第艦巻筆4号 欝蝿年3月 【論 文董 クラーク公共財供給メカニズムの再検討 董.はじめに 近年.霧場メカエズムでは繋越できない,公共財繊絵問題,外藩性の内部化開題の解決に請けて, また,私的驚報である,各社会メンバーの特質・タイプに癒じた栓会釣目撰}の公共選叛的実現に喬 けて,メカニズム論の麟究が盛ん1こ進められている。すなわち,経済環境や社会選挨環境における 人々の金運的・戦酪的皆勤を前提とした.鉦で,結果として社会目標を達成する職度・メカニズム雄 を設計する続発であ琴,遂行遷論とも呼ばれる。また,これらのメカニズムの実施悪能性を探るた めに,実験的緋究も進展している。先駆的な公共財供給メカニズムとしては,経済全体のパレート 最適性や収支均衡条件を犠牲にしながらも,人々に公共露の真の謬懸額を「支醗戦略」として表明 させるという意殊で誘鑓嚢擁立性(蟄。僧魏董vεc(}搬夢a振舞瓢ty〉を保持し,ノぐレート最適な公共財水準を 達成する,C駿疲e(欝質/のピボタル・メカニズム(クラーク・メカニズム〉がある。「支醗戦酪」 均衡においては,メカニズム(各メンバーの戦酪空聞・自分の瀦得驚数)に鷺する鷺識さえあれば 飽人の戦略に依存せず最適戦酪が発冤できるので,メンバーそれぞれが均衡戦略を計算する労力は, 飽の均衡概念によるものと比較してかなり小さくなる。鍵って,勝与の社会目標の実現を目的とし て政府がメカエズムを設讃する鋳,可能であるならば,支翫戦略均衡として達成できるものが望ま しいと言える韓。 メカニズムの性籠の評懸基準としては,上述のような均衡機念1こ闘わる観点以外に,戦酪集合の 大きさ,収支均衡条件,麟入合蓬牲,纒人実理牲,複雑さがあげられ,また,「窮然」という観点か らの懸究もはじめられている3}。さらに,性籠を運論的に縷説するだけでなく,メカニズムが実際に 機寵するかどうかの実験的醗究を通して,作動性・実施可能性が確認できるだろう。 クラーク・メカニズムについては,そもそも社会疑標が公共難水準の最適性という鰻定的なもの である一ヒに,叡支均衡条件や鰯入合運牲など,重要な要件を満たさない。しかし,支醗均衡という 均衡凝念の分かりやすさ,評徳額表瞬という戦酪空鶴の分か瞬やすさから,その高い作動牲が期待 される。ところが,西條(欝蟹a.夢.1§壌.欝1雄§偽,夢.6勢によると,実験においてピボタル・メ これ密体は,アローの定選よ弓,簿らかの矛薦を含むものかもしれない。 2/ もちろん芋支翫職酪均衡が籠会騒藤に態癒する場合でも,纏のナッシュ均嚢やベイジアン・ナッシュ均衡に 薄縛する驚繕が社会霧標に対してパレート優泣な場合などでは.人々は支灘戦鰭を取らない驚能牲があ!ラ漁 意が必要である。盆e輝1麺/欝85〉を参類されたい。しかし.パレート劣盤な縫会警標慧葬現実麟であろう。 3) S我1菊、Tata欝lta癬繊君Ya盤atO/i鱒5}を参照されたい。 i董§一

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Page 1: クラーク公共財供給メカニズムの再検討€¦ · 2.公共財の叢適僕給問題と評簸額表明邊程 非競合的で穽馨除的な財,公共財については,特にその葬雛綜牲からのフ》一ライダー行動のた

商学譲葉 第艦巻筆4号  欝蝿年3月

【論 文董

クラーク公共財供給メカニズムの再検討

阿 部 高 樹

董.はじめに

 近年.霧場メカエズムでは繋越できない,公共財繊絵問題,外藩性の内部化開題の解決に請けて,

また,私的驚報である,各社会メンバーの特質・タイプに癒じた栓会釣目撰}の公共選叛的実現に喬

けて,メカニズム論の麟究が盛ん1こ進められている。すなわち,経済環境や社会選挨環境における

人々の金運的・戦酪的皆勤を前提とした.鉦で,結果として社会目標を達成する職度・メカニズム雄

を設計する続発であ琴,遂行遷論とも呼ばれる。また,これらのメカニズムの実施悪能性を探るた

めに,実験的緋究も進展している。先駆的な公共財供給メカニズムとしては,経済全体のパレート

最適性や収支均衡条件を犠牲にしながらも,人々に公共露の真の謬懸額を「支醗戦略」として表明

させるという意殊で誘鑓嚢擁立性(蟄。僧魏董vεc(}搬夢a振舞瓢ty〉を保持し,ノぐレート最適な公共財水準を

達成する,C駿疲e(欝質/のピボタル・メカニズム(クラーク・メカニズム〉がある。「支醗戦酪」

均衡においては,メカニズム(各メンバーの戦酪空聞・自分の瀦得驚数)に鷺する鷺識さえあれば

飽人の戦略に依存せず最適戦酪が発冤できるので,メンバーそれぞれが均衡戦略を計算する労力は,

飽の均衡概念によるものと比較してかなり小さくなる。鍵って,勝与の社会目標の実現を目的とし

て政府がメカエズムを設讃する鋳,可能であるならば,支翫戦略均衡として達成できるものが望ま

しいと言える韓。

 メカニズムの性籠の評懸基準としては,上述のような均衡機念1こ闘わる観点以外に,戦酪集合の

大きさ,収支均衡条件,麟入合蓬牲,纒人実理牲,複雑さがあげられ,また,「窮然」という観点か

らの懸究もはじめられている3}。さらに,性籠を運論的に縷説するだけでなく,メカニズムが実際に

機寵するかどうかの実験的醗究を通して,作動性・実施可能性が確認できるだろう。

 クラーク・メカニズムについては,そもそも社会疑標が公共難水準の最適性という鰻定的なもの

である一ヒに,叡支均衡条件や鰯入合運牲など,重要な要件を満たさない。しかし,支醗均衡という

均衡凝念の分かりやすさ,評徳額表瞬という戦酪空鶴の分か瞬やすさから,その高い作動牲が期待

される。ところが,西條(欝蟹a.夢.1§壌.欝1雄§偽,夢.6勢によると,実験においてピボタル・メ

難 これ密体は,アローの定選よ弓,簿らかの矛薦を含むものかもしれない。

2/ もちろん芋支翫職酪均衡が籠会騒藤に態癒する場合でも,纏のナッシュ均嚢やベイジアン・ナッシュ均衡に

 薄縛する驚繕が社会霧標に対してパレート優泣な場合などでは.人々は支灘戦鰭を取らない驚能牲があ!ラ漁

 意が必要である。盆e輝1麺/欝85〉を参類されたい。しかし.パレート劣盤な縫会警標慧葬現実麟であろう。

3) S我1菊、Tata欝lta癬繊君Ya盤atO/i鱒5}を参照されたい。

i董§一

Page 2: クラーク公共財供給メカニズムの再検討€¦ · 2.公共財の叢適僕給問題と評簸額表明邊程 非競合的で穽馨除的な財,公共財については,特にその葬雛綜牲からのフ》一ライダー行動のた

商  学  論  集 第麟巻第船馨

カニズムがほとんど機蔑しない携が報告されているという。一方で,森(欝8§/の実験紅よると,よ

り複雑と考えられるナッシュ均衡機念を羨提としてパレート最適,毅支均衡を実覆するG艶麗s a磁

Le6yarδ(嬉77/のメカニズムがうまく機蔑したという。本稿においては,この点に注目し,クラー

ク・メカニズムが(実験環境で/機誌しない場合が生じてしまう理由について験討を換え,新たな

論点の提供を行うことを試みる。このような考察は,単にクラーク・メカニズムだけでなく,飽の

メカニズムの作動牲を考える鰹にも参考となるはずである。

 次節において,公共財の存在する経済が掬える問題を確認し,3簸において,メカニズム・デザイ

ン論の枠緩みやクラーク・メカニズムの定義を与えつつ,メカニズム・デザイン論におけるクラー

ク・メカニズムσ)位灘付けを閣らかにしておく、垂簾において,公共財び)単位僕絵麗題におけるク

ラーク・メカニズムの鰭をもとに,このメカニズムが(実験環境で/機蔑しない羅縫牲について検

討を換え,幾つかの論点を提起する。第一に,還論的にはシンプルと考えられるクラーク・メカニ

ズムでさえ,適繕盤を考えると「擾雑」な舗度であり,また,「現実感・受け入れやすさ憾からも開

題があるのではないかという論点である。クラーク・メカニズムと霧様の馨論的特性を保有するグ

讐一ブズ・メカニズム((}r(}ves(i§73),GrOves罎6L綻も(i§75//の「クラス」の中において作

動牲の違いがあるとすれば,主に,この点によるところが大きいと言えるかもしれない。第二の読

点は,クラーク・メカエズムを適題する縫会のメンバーの知識とメカニズムの作動牲との関係につ

いてである。最後に,結論を5簾にまとめる。

2.公共財の叢適僕給問題と評簸額表明邊程

 非競合的で穽馨除的な財,公共財については,特にその葬雛綜牲からのフ》一ライダー行動のた

めに疑問的露場取引の録象にな讐にくく,縫会的にみて遺少僕給となってしまう。また,擁陰性の

あるものでも浸潤僕給の場合は料金が課されるため,葬競合牲1こもかかわらず,過少科鱗となって

しまう。

 従って,毒場機構によっては最適な水準(ボーエンニサミュエルソン条件1飾we資(欝淫3/,

Sa鵬慧εISG童}(i9誕,欝55//の公共財が供給されない。竃場機購に代わ尊,政1膏1こよって,簿らかの

ルールに基づき最適な水準の公共財磐給が駕籠になるのではないかという鐸題が提起される。しか

しながら,均衡においてパレート最適雛を満足するはずσ)L論ぬ振(鐙58/のメカニズムをはじめ

として,税負越が癒益税負極に基づいた調度の場合には,優益を過小準告して負担の軽減を籔ろう

とするフ夢一ライダー行動が起こ鯵得る。一方,公共支鐵が懸人の税負撲と全く独立に決められる

状澆であると,公共支鐵に蝿する遜大な評懸を主張したり,避度に否定的な評儀を表萌する者が鐵

てくることが予想される.公共支鐵の対象・水準の講方1こついて人々び)真の評懸を正確に楚握する

ことには,大きな懇難毒豊伴うのである。

 ある麟綾を所与とすると,合理的な各メンバーは,飽のメンバーの優益表明や経済活動について

の情鞍や予想からそれに態しての露分の行動1こよる「懸緒ゴを計算できる。場合によっては,自分

の選好に関して鶴の表鞠を行ったを),鶉の効罵縫数に基づく行動を取ることが得策となることもあ

鯵うる。実は,私的難経済における毒場メカニズムについてもこの問題が生じうることが,}無rW董CZ

一一奄Q碁一一

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擁認:クラーク・メカニズム

(1§72/において示されている。しかしながら,縫会の震模が大きくなると,毒場メカニズムの場合,

各メンバーの懸格への影響力が小さくなって露鶴行動の有利性が薄れるのに短し,公共財のある経

済においては,虚偽行動・フ婆心ライダー行動がもたらす舞得が一縷大きくなるといゲ》。

 こ6)ような翼題縫起から提案されたのが,どんな場合でも正嚢表墾が得策とな箏,その表墾情報

から最適な公共財水準を達成するというCl撮魏(i留聾のピボタノレ・メカニズム(クラーク・メカ

ニズム/である。各人の「戦酪空箱」が「表墾便益3であることは,メカニズムの遷論的性能に聴

する点慧震として5輝自然藩な駿台籔雛であると考えられる。鱗えば,メカニズム論とは購の分警に

おいて,人々の表明評懸額から公共財の繰給を半ll藪しょうとする醗究がある畠費灘・便益分籍的露

点から「公共財3の便益を捲握するために,アンケート等を通して人々に評懸額を問いそれを集計

する誹量的な手法も鰻発され,政策的含意を探る応絹的醗究もなされている。嘉醸・浅野・新保

(欝95/にお鯵ては,公共財としての「農躰業の§然環境保全機能豆農耕文化の維持」について,人々

に対し支葦、い意志額を謹接尋ねること1こよってそれ粧)の貨幣的轟轟を試みている轟}。近年,公共支鐵

の予簑醗分硬護化が瞬ばれ,各公共支路環§の重要度σ)客観的な評懸が望まれる申,このような覇

究の意義は大きいと言えよう。しかしながら,各懸人グ)評懸は「麟人情報」であ撃,戦略的操作が

瞭能である。もし,このような費需・便益的麟究が実瞭の政策に大きな影響を持つよう1こなると,現

行の税{本系を露達した.とでは正直な癒答ではなく肯定・否定両極の評懸が示される可能性もあ讐,そ

の分析の信頼性に叢大な影響を与えることになる。

 政病:当局が費灘・便益分析的な観点を政策や予算の策定に導入しようとしても,「糧場」と霧離す

るものであれば意味がない。米畿では,亙総//奪代より,登P鷺S方式をはじめとしていろいろな試み

があるが,あま1)有効に機寵していないようである71。この意味でも,メカニズム論の成果の実施可

籠牲が重要になるが,戦酪空聞,均衡機念ともにシンプルと考えられるクラーク・メカニズムの律

動牲に開題があるとすれば,その絵雛を検討する意義は十分にあると思われる。

窪.メカニズム論の粋緩みとクラーク・メカエズム緯

 本籖においては,まず,メカニズム論の枠績みを紹介し〔3.i),クラーク・メカニズムの定義とそ

の特性について確認した一しで(3.2/,クラーク・メカニズムのメカニズム論における泣置付けを鑓ら

かにしておく (3、麟。

婚 詳しくは,良(めerts(嬉孫),疑(鶏群館躍(正倉総tlew譲総/猫7§)及び齢材(鯵鐙)の解説を参熱されたい。

5/鞍擦空聞を表嘩擬益とすると.均衡機念を交配戦酪均籍力漕ナッシ・上海撫こ緩めても,メカニズムの駿灘ま

 簸待できないという.一方,璽簾灘s薪獄叢(欝欝)においては,非完欝欝鰻の状況で,鍵益表明メカニズムが

 ベイジアン・ナッシュ均衡及び逐次葬受難均衡1こおいて誘雛覇立性と簸遍雛を達成するための条件について

 議論されている。

6/ 農躰業の欝土・藻境探合機能乞伝統文亀羅詩機籠の評嚢.中出霧地域農業の麟魚・環境縁金機能へび)支払慧

 志額σ)統謙一的解犠,農絵書餐こお韓る祭の懸麟などの醍鍛経済的分損がなされている。

7! 憩獲 (静§誹 を一参竪されたい。

8! この分野の入費約文離として薩鱗(1鱒捻,欝縫誹及び蕎共・薦繰・塩澤(欝鶉)がある。奉簸においても参考

  にしている。

 ]灘

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商  学  論  集 第麟巻第逢号

3.豊 メカニズム論の粋緩み

 メカニズム論の基本的な枠組みは次のように記述される;

 麗人の歓会を考える。メンバーの集合を渥瓢{董,_,麟とおく。各メンバー庭濁は.効罵,所得,

窮難保有量など披露春の讐質・タイプに聾する椿報鰐を保有しているとし,これはメンバープのタ

イプの可能性集合裁の一要素である(8∫∈齢と考える。鴛人のタイプの夢ストε#(ε豆._,ε.捧

ε蓋鴎群星を環境(繊vl継獄e援/と呼ぶ。雑人の帰結(社会状態/の可能盤集合を擁で示す。各

召に対し縫合的に食意された醤標F(ε/⊂盗を綬足する対応F:ε一→、4を誉蝶蝿癒(または,社会

選訳対慈〉 と呼ぶ。

 政癒当局には,εについての正確な椿報がない.また,単に裏覇を求めても,亘直に申告しない可

能性がある。このような状況でも桂会§擦F(ε)を達成できるようなメカニズムを構築することが

メカニズム論の目的である。

 メカニズムは,各メンバーにとっての戦酪.それら1こよって社会状態を決める帰結関数,そして,

事羨1こ想定しておく均衡概念によって記遠される。各メンバーンの取誓うる戦酪(葬完鱗情報下のベ

イジアン状溌では「行動3/の集合を&とし,その澄穫をSとおく。各s業(ε璽,_,3./旺Sに薄して

讐定の社会状態g(ε/を焼定する縫数913→、4を縁結関数と呼ぶ。さて,問題は,環境がεの蒔に

g(s/∈摂のとなる戦酪εを,所定の均衡機念勘の均衡戦略(行動/として各メンバーが取るかど

うかである。所与の露標対癒Fと均衡麟癒E〆:E嚇一線のもとで,gηEグ(2〉∈F(2×地∈ε)が

成立するようなメカニズム1』(S,g/が存在すれば,「メカニズムrは,§標薄紅Fを均衡機念

E4で遂行(1難癖e盤e鍍/する」のである。

 麟iは,メカニズム講の構造を穰示したもので,マウント皿ライターの三角形と呼ばれる9》。

 当然のことながら,社会のメンバーは,藻境の胃能牲集合Eやメカニズムヂについて共有知識が

あるとされる。今,真の環境がδ#{ぞ羨、揮の鋳に,各メンバーにとって∂が共有知識である場合が

「完備情鞭(£o獺麟銭擁蜜Grr瞼t沁矯」のケースであ参,そうではない場合が「非完霧情報(董賦。盤鐸ete

l癒or懲atめη)」のケースである。葬完備情報の場合は,一般に,δに関する各メンバーの信念(もε疑{/

F

だ 雌

蕊∫’ 9

      、~

露量、 マウント!ライターの三三角形

§) 藪條(至§禦a/を参.窯されたい。

一i22一

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瞬部1クラーク・メカエズム

を選入し,これがまた共有知識であるとされる。以下に,メカニズムと幾つかの均衡鞍念との関係

を示す。簿単化のために,εを有隆集合,タイプが8ゴのメンバーの社会状懸αにおける効灘が脇(鷹

ε,/で示されるとし,所与の社会§標麗数F l E洗4をメカニズムrによって91S門4で遂行す

る場合を考える。葬完備椿鰻下のベイジアン状温のメンバーゴの戦略は,φゴ:E戸叙φξ銑,蘇研〉

∈Sゴ/である。φ鷲×ゴ、渥礁とおく。また,罵帰皿縫,…,ズー至,ゴ季重,_,癖として†Eづ凱×辞ぬEあS福

二×」∈揮.ご8,,ゆづ#×,∈混一fφゴとおく。

b 完備情鞍の場合1今,環境6鷲{ぞ羨,蝉がすべてのメンバーで共有知識となっている。この場

  合のメンバーズの取る戦略を8ご∈&で示し,ε隠{ε羨(揮,8福二/s藩擢一、とする。

 ○社会目標帰結F(◎時の各ゴの効零1蹟(F(の;島1

 0メカニズムr瓢韓,麟下における戦酪プ窟ファイルがεの時の各ズの効霧:籏(g(ε〉;島/

 O Fが支醗戦酪均衡ダ蔦{ε~L,揮によって欲動を実理するとはl

  i4〉 (∀1)(軍s㎜ξε一ゴ/麗ざ(9(8野,ε一ゴ/la/≧脇(9(蕊,s⇒1の 鉛で▽εξs,

  レ2/ 9(ず/#F(の、

 O rがナッシュ均衡3糧{評,麟纂こよってF(ξ/を実現するとは1

  五一3〉(瞬擁9(舘,麟〉;a〉≧顧9(餅,麟〉;a〉{Gr㌔∈&,

  i-4) 9(ε毒)#F(6).

2/葬完備情報(ベイジアン状溌/の場合1ε.汗{石勝,揮一、とする。今,環境6瓢{島振麟こついて

  各メンバーズは鶴分のタイプ己のみの情鞍を保有している。しかし,事麟確率分藷β〈2/が

  共有知識である。従って,すべてのガのすべての&についての〆ε一が矯/も共蕎矩識である。

  この場合のメンバーズの戦酪はφゴ:鶏→麟,すなわち,φ汗{φf(島残、∈ε、∈戯であるが,実際

  にとる 「行動」はうφゴ(2f/∈&である。

 ○社会雛標帰結F(2)鋳の各ズの(事後的/効罵1κf(F(融1麟

 ○メカニズムr一(5,g/下における戦酪プ灘ファイルがφ謡{φガ転封の時,メンバーンの8瓢

  {2ゴ,{ε毒,κ一、}という予想に対応する勅羅1祐(g(φ裏(麟,{φゴ(ε,鳥頓一、/;a/

 ○戦略プ欝ファイルがφコ{φ羨、濁の縛のメンバーガの難待劾絹(Σ2、,は,ε珂旺Eづ1こつ簸ての

  総鞍を示す)二

          Σε.、麗ゴ(9(φゴ(a〉,{φズ(ε諺,,押。、/;♂〉鎌ε一fi己1

 0rが,支醗戦略均衡樹#{φ搬,揮(均衡行動樹(の凱{轟(顔振揮/によって,F(6)を実現す

  るとは1

  2-i)(胃)(臨∈紛(》s一ゴ∈S⇒

          脇(9(φ劉(の,ε一∫/lεf/≧蝋9(φガ(εゴ),ε⇒1ω {orマφKの∈sど.

  }2)9(φ*(6/〉盤芦(禽.

 Orが,ベイジアン・ナッシュ均衡φ*二{露L、揮(均衡行嚢φ*緒)瓢{鍔(高翔、揮/によって摂2)

  を実醸するとは;

一至23一

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繭  学  論  藁 筆§4巻第尋号

2-3〉(縮〉〈▽鋳∈萄

    Σ2一、麟9(φr(8ゴ1,{蘇瞬},、輝、、/lε会談ε一海ゴ/

   ≧Σ君.、顧9(φf毎/,{φ餐εゴ蔦、葦一、/l2fゆ(ε一紗f/蝕▽φ魚〉∈εf,

2講 9(φ*@〉瓢F@.

 条件董一葺,条件2一聾よ1),完欝欝報下(任意σ)δ)でF(鱒を支醗戦略均衡樹(脅で遂行する

メカニズムr凱(S,g!があったとすると,この/㌔(S,齢は,葬完備矯報下のベイジアン醜状混で

あっても,F(δを支醗戦酪均衡φ寧皿{φ臨,揮(均衡行動φ饗ε〉瓢{φ汽島/}ゴ、尋によって遂行できる

ことが分かる。従って,以下で完輪情報を想定して紹介するクラーク・メカニズムは,非完備椿報

ぞのベイジアン的状混であっても誘籔両立性を支醗戦酪として課ちながら,最適な公共財水準を実

聴することが分かる。

ところで,条件2一碁は.条件2一鏡において!φ甕匂〉/、、弾一、の(*}を隠ずした,次の条件2一γ)と瞬錘であるこ

と方書ラ}オ~る:

 2一鈴 (靖(マε亙ε,}(マ{φノI」、揮,∈砂一、ナ

     Σ“、鵡(9(φ論,},/φゴ〈猷,タ1ゴ{躍一,ll鱗翔韓一,短,/

    ≧Σぞ■、麗,(ぎ(φ,留,1,1φ」(碧」/l」、海.,/lご,/錬~一,隠’、/醗亨φ,(ε,)∈ぶ.

ここで,この命題を磯記しておこう.

 まず.r2一1■1⇒2…i/]について。2一鈴の!▽/{φ,(ε燐宮、,ε,}、.拶,∈砂一,/は.すべてのだ揮■バこついて1揺痙

8ゴ{蟹餓薇6ア蕪ε,}ということである。ここで,∫蕪隅一、についてすべての6、にある講じ~を鷲慈させる場合

を考えてその㌻,を考えると,2-y)の不等式における癒透σ)麺(・=麟1は,認、{麟φ藝ε、/,s一、18,/.鐸,{g(φ,〈4,1,

s一ガ/;ε,)とな酵,ε、fに依存しない。従って.その3、,について2…簸の不等式が得られる。これをすべてのs、,で

考えれば,条件2一募が得られる。

 次に,「2一葺⇒2-i㌻璽こついて。2一蕪{ノ)不等式峯まッ ある♂、に奏重し.{玉葱び)転・、}、,揮、における戦舞各!φ,{e、酵,,ガ,

∈8一,に対して,

    ~ぜ,囑φ驚、/,!φ」/ε’/}」、ぎ一,1譲/

   ≧島(9繕,縫,/,!φ漁溌コ、転,/:♂,〉{{)r踊,(碁,蓬ぶ,

すなわち,

    鶴(9ゆ梅、/,{φ’(δ}」,揮一,)16;,/〆6“∫i霧

   ≧酎fぐ9(φ,{♂、》,{φ,({転瞬μダ.、);{f身か〈ε一、iぎ,} {(窪マφ,(♂諺∈三s、

であることを意味する印鍵って.

(》{φコ/ゴ,揮、∈1φ一、/

    Σ岩■,躍、(9(φ紫(轟〉,{φ」鞍、1}」{鐸一、1譲/〆8、f臨)

   ≧Σ君、麗,〈9〔φ,(ご,},{φ麺」//∫、錦、,/l紛〆ε一、陵,){(》r▽φ,(δ,妊ぷ.

が成立。以■圭1の議論縁,すべての島にあてはま今,条糞2・めが得られた。

講.2 クラーク・メカニズム

 公共財の存在する経済において1ま,応益的税負握に基づくサンダール均衡概念等,ボーエン=サ

ミュエルソン条件を満たす調度によって,パレート最適な状混が配達されるが,受益の戦賠的表明

などのフ蓼一ライダー行動によって,この望ましい状混が実現しな雛だろうということは,畢くか

一一・ 奄Q4

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陣藻:クラーク・メカニズム

ら捲摘されていた論∫慧である。(S農撚t紀至s(鐙(欝騒〉の“S&無縫羅s礎雀壷鐙難難ガ〉。クラークの{講究は

この問題に対する先駆的なものである。ここでは,そのクラーク・メカニズムの定義と特性につい

て紹介する。なお,以下のΣiゴは,ズ∈濁についての総穣,Σ井拷ま,ノ∈濁吋についての総穂を表す

こととする。

 まず,クラーク・メカニズムの羨挺を確認しよう。社会のメンバー沖i,_,}2について,各綱人

ズは,翅甥的に私的財(貨幣/ムを保有してお警,さらに,彼らの私的難消費為公共財鴻費κか

らの効濡は,ξ選篇,κ/皿鯖+観(K/で表現されるとする(κ∈R一,概(韓瓢瞬。公共財の生産翼数

は,私的財の総投入をyとしてκ盤∫(め,(春凱∫(韓/とするが,私的財の極賂をiとして費醗灘数

はε(κ/瓢∫』重(κ〉となる(ノ(γ)蔦yならばC(κ/皿んである〉。各纒人ズの税負極(移転〉は,費

緯を賄うための負挺率分δゴ(κ〉#αfC(κ雇鐵は所定負握率で§≦α姦茎,Σ幽#聾と,舗度的に決め

られる誘饗税(クラーク税/分としての轟の2つの灘分からなる。従って,蛤瓢1‘一8f(κ)一輪こ

こで,撰難水準を基準とした効濡を考えることにして,

         ‘1姦,幻盤び芦(κゴ,κ)一こ贋ム,瞬凱{事靴(κ匠醸κ)ト義.

さらに,綾便益を篭4(幻蕪鍬(κ/一毒、(給とおけば,昌駕,幻#鷲(κ)一捻、実行羅能条件は,Σ≠

轟≧軽である。

誘馨税と公共財水準の緩(δ,_,躍1超〉がパレート最適であるための必要十分条件;

 葺 ボーエンはサミュエルソン条件

  κ串墨継霧瓢&xκ,髭.】濫軽(K〉,すなわち,Σ灘孤■(κ寧/篇ε’(κ牢).

 2) Σ!ゴ轟≧倉.

(墨)

(2/

政府は,醸入構報である{猟}、、潭すなわち,{瞬ゴ、渥(大文字/を鐙握できないのでパレート最適性

を中央集権的裟実現できない。便益,縫優益関数に関する申告鰻筒{鶴}f曜,乞夕篇{芝議脳(小文字/が

糞である保羅はないからである。

クラーク・メカニズムニ政癖は,公共財に関する各人ゴの練便益に臠する申藷F/麟締に従い,次

のルールδ〈酵によって公共財水準κを,ルール{嬢のL躍によって,{麟ゴ躍を決定l

 i/ κコδ(の蔦段聡灘段取、潔.Σ幽(鎗,すなわち,Σズ臨’(萄二C’(κ),        (3〉

 2/ ズ、凱r鴬唇灘&x頁.溜.Σプ芋ゴ猷κ〉一Σプ並が鍔(δ(講.                 〔淫〉

もし,すべてσ)メンバーズが真の評懸恥を表窮するなら,麟式は公共財κがパレート最通な水

準であることを示す。実際,このメカニズムにお継て隷,真の評懸聡であるメンバー姦ことって,

任意のz・、、瓢{瞬∫,拶一、に対して,聡を表翳することが常に得策(支醗戦略/である。なぜならば,綴鞍

二目乙,び 議とすると,

圭25一

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欝  学  論  集 第襲巻第淫号

 {礁δ(郵の/一τ姦飢/ト{鵜(δ(講一鼠講

二{琢δ(む傷/)+Σプ≠轟(δ(む患/〉ト{獄δ(の+Σゴ耶fびゴ(δ〈む〉〉}

二凱&xκ,舜、{硲(κ/+Σ井鶴(κ〉}一{鵜(δ(~ノ/〉+Σ井辺Xδ(芝ノ購

≧群.

この性質が得られる潔イントは,メンバーズの誘裟税鵡こ鰐して,彼が表賭する霧ゴは公共財水準決

定K#δ(のを題して購接的な影響を与えることができるが,嚢接的な操作が不雇能になっている

ことである。このように,クラーク・メ寿ニズムは,支醗戦酪という強い意味で誘霧雨立的メカニ

ズム(stro登gly雄41v戴鞍a豊鞍1簸ce簸tlveco獄泌tl疑81S玉璽C/である。

 懸2は,C(鴎業κ,すなわち醸饗費羅が董の場合,所与の観(または鍵一譲こ対して,メンバー

ズにとっては,真の賛(または毘〉の表聡が最適であることを示している。κ冠は,纒1人置の負握

率分を講提に,ノ≠ズの}書一玉人の表醗のみで決定されるはずの水準であ参,ズの鷺〔または毘/の

表聡紀よ蓼κが実行される。誘鑓税言言は,κ、fからんへ変更されることによる麗一i人の総効絹減

少梅当額であ吟△ABCの嚢積で表される。i一Σ!ゴ‡羅ヅ(κ/がメンバーiにとってのKを変更させ

ることの総縷舞費罵(負握率蔀分の税負摂と誘露税/となっており,毘’以外を表隣することは,自

分の効絹変化を麟案ずると得策ではな魏ことがわかる。

 クラーク・メカニズム1こおける誘露税は常に非負である。従って,一般1こ財政余剰が発生し,こ

れを延分しなければ誘因両立性を失うこととな滲,(κ,{猛,論紅麗するパレート最適の条件②を

溝たさない。つま馨,最適な公共財水準の決定には成功するが,私的財の醗分に隻数してしまう。こ

のことは,メカニズムの性能に臠して,重大な霧題点を提起する。メカニズム論の枠総で議講ずる

とすれば,クラーク・メカニズム(δ,{r恥,癖は,メンバーぎのタイプの罵能桂集合ゑと戦酪集合

瞳聯窮彗ド玉

i一αi

〔多

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}}貨照+Σ齢鉱『干 1

EE~匡茸}遺事 君

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騒盆. クラーク・メカニズムと誘裟税

κ

一i2§一

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簿藩1クラーク・メカニズム

&が一致する場合であるが,任意の,}2人の公共財からの便益というタイプの婆ストε∈Eを考え

た場合,彗標対穂Fに公共財水準のパレート最適牲のみならず,経済全体のパレート最適姓を要求

すると,摂ε1を(支配戦酪均衡で/実現することに失敗してしまうのである。

3.3 メカニズム論におけるクラーク・メカエズム4〉位置付け

 クラーク・メカニズムは.G欝ves(欝73)やG難、・8sa磁Loe弩(鰹75/によって一般化された。

すなわち,クラーク・メカニズムの持つ,強魏意味での誘露両立性(S鑓C)と公共財の最適水準を

与えるメカニズムの「クラス」が墾らかにされた。これらの「クラス」をまとめてグローブズ・メ

カニズムと辱ぶ。被らは,クラーク・メカニズムの誘客税のルールにおける(4)式の巻辺第董項が,

膿畿x瓦、舜、Σレヰゴ簸(κ)である必i要はなく,メンバー震ことっては操{乍不羅能な定数である{霊濃ゴ樹、、

のみに依存する任意の関数勘({鋳}プ、解一、/であればよいことを示した.さらに,このようなSS至Cと公

共財の最適水準を与えるメカニズムはグ覆一ブズ・メカニズムのみである一方,これらの「クラス」

のメカニズムでは,誘羅税(移転)における財致薮支が…般に均衡することはなく,すなわち,私

的麩の醗分までを含めたパレート最適牲伊欝εtO鱒t雛譲ty l P()1を遂行できないという,否定的

な結果がL譲。齪餓δM総擬簸(i盤購において示されている羅。さらに,グ霞一ブズ・メカニズム

は,趨入合蓬性(1叢毒vld難l r譲G欝a翫y l獣/と(均衡における破産が生じる場合があるという意

味で)懇人実現姓(塗6圭v遍鞭a琶綴s驚1獲yゴF)を保証しない。また,一部のメンバーの結託による

虚偽表瞬の可能性も詣摘されている。

 正薩表明が支醗戦酪であることが類簿に強い要求であるかは,次の3つの定選からも裏付けられ

る。まず,「純粋交換経済においてP()・醗・S至重Cを溝たすメカニズムは存在しない」鐵という有名

な琶蟹w総£(ig72/の定連に続き,公共財のある経済についても筒様の結果が生じてしまうこと

も,G総e糞a糞δL3膏。畿(欝77〉によって得られている島。次に,表墾療遷:紅あるメカニズムgで

桂会目標∫を(舞らかの戦酪空間εのもとで)支醗戦酪均衡として遂行罵能ならば,選好表明メカ

ニズムとして(戦酪空聞a,真の選好表墾が支醗戦酪均衡となるかたちで∫を遂行できる購.]が

ある。従って,〆を産直表弱が支醗戦略均衡となるかたちで遂行できないならば,どんな戦酪空態を

考えても,∫を支醍戦酪均衡で遂行するメカニズムgは存在しないのである。3番§の走還として,

S鵡。(i§劔/の走還1「すべての社会構成員が公共財」)生産について縫鰻を受けないような,公共

財が存産する経済において,人々の効灘に麗する表聡動灘からの自給自足的鍛を達成するような

メカニズムを考えると,S麗Cを溝たさない。ゴがある。

 「支醗戦略均衡葺による社会目標∫の達成は,可能であるのなら,非常に魅力的である.というの

馨) 鈴轡韓蕗2)に詳しい解護がある。

美鈴 この定理によ馨,朕)耀獄を満たす斎場メカニズムにおいても,糞ぎ)効縁組基づく行動が得策とならない場合

  があることがわかる。 また.謹蓄函巌轟力美事場メカニズムを科駕しようとしても.人々が真の効罐を表窮しな

  い可能盤があるのである。

鐙} Grovesa盗顧Le6マa雌(難77癖の定礫2としても繧介されている。

i3/ ただし,選蕪表購メカニズムにおいて支醍鞍懸均衡が石数ある場合,すなわち,糞の藻境6に対して8以外

  の‘・’も支醗戦酪であ拳,そして∫(〆)が.f(瞬に籍してパレート優粒σ)場合亨∫(縛が実覆するとは獲らない

  ので注意が必要である。藪籔(難懇諭にお諺る解読を参照されたい。

貿i

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薦1 学  講  集 第64巻第唾号

は,「支配戦酪均衡]においては,メカニズム(各メンバーの戦酪空聞強分の覇得鰻数/に関する

矯識さえあれば鰹人の戦懇に依存せず最適戦略が発見できるので,メンバーそれぞれが均衡戦略を

計算する労力は,縫の均衡観念による細)と比較してかな今小さいものとなる.しかしながら,上

述の諸走還が承験するように,均衡機念として「支翫戦酪均衡善を要求すると,そのメカニズムは

侮らかの犠犠を鴬語しなければならない。この意味で,クラーク・メカニズムをはじめとしたグ藤一

プズ・メカニズムは,特殊な効灘幾数の想定のもと,縫合讐漂として「最適な公共財水準の達成」の

みを要求してP()や盤を放棄する一方,S餐Cという魅力的な性質の下での遂行を達成する麟穫で

あるとも見ることができる。

 ここ蛮でくると,一種のトレード・オフの開題といえるが,メカニズム論σ)理詰的弱心は,(当然

なが嚇「支醗戦略均衡」ではなく,よ馨弱い均衡機念による遂行開題に向けられることとなったの

である。

 まず,代表的な鱗究としては,(完勝精報を想定した/「ナッシュ均衡」による遂行周題があげら

れる。すなわち,メカニズムとその蒲提になっている購造の共有知識がある合礫的な各メンバーは,

地のメンバーがナッシュ的な行動をとることを鳶鍵是にして稜らのナッシュ均衡戦整を「計算」,及び

それに対する醤分の最適戦略を「計算達して実行する,というプロセスを想定した場合の遂行羅題

の講究である.絶入の行動を予灘(計算)するため,その労力1ま.支醗戦酪均衡を想定した場合よ

りもはるかに増大していると誘えよう。また,グ冒一ブズ=クラーク・メカニズムの欠薫をナッシュ

遂行で改養しようとすれば,その戦酪が公共財からの便益額表鞘という「分か撃やすさユを,敏棄

せざるを得ないという結果も得られ,ている。

 ナッシュ遂行の先駆的醗究は.各纒入の戦酪空閨が実数であるGroves繊6至、磁翼羅(欝77/の

メカニズム(G鎗である。彼ら1ま,財政を均衡させつつPOを実饗するメカニズムを嗣発したが,均

衡において濃を満たさない場合があった。さらに,均衡戦酪以外でも戦略の総に対して各麟入の醗

分が消費可能性集合にはいっていなければならないという意味の建も満足されない駕籠牲が指摘

されている。W投獄8r(欝膜/のメカニズムは,取を満達する簿ンダール配分」の遂行に成功して

いるが,Gしと懸様,至Fの点で轟琴題があるという鋳㌧

感.クラーク霊グ鑛一ブズ・メカニズムの再検討

 藩籬で論じたよう1こ,支醗戦酪均衡で社会霞穣を達成することには張響がある。その後証)蓮論的

な藩究紅おいては,ナッシュ均衡など,幾つかのよ讐弱い均衡概念によって肯定的な結果が得られ

ている。しかし,「弱い均衡概念雌を採罵することによって失うものも少なくない。主1こメカニズム

の「作動姓」に露わる点である。「弱い均衡機念」においては,人々が,「支酎戦酪」を「計算ます

るよりもよウ複雑な「計算ユができること,さらに,一致した均衡概念の戦酪をとることを麟提に

している。支翫戦略均衡紅よる遂行の場合には.メカニズムとそれが前提としている構造(各人の

玉嚇 以後,ナッシュ均幾.サブゲーム・パーフェクト・ナッシュ簿衡,葬支醍ナッシュ均衡,逐次霧支醗鐵略均

  徳による遂行再誕讐や複数の均衡機念1こよる遂青海菱性,及び,葬完勝椿鞍下のベイジアン・ナッシュ均衡

  による遂行響籠難の条件についての藩究が進められている。

玉2藝

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晦謙llクラーク・メカニズム

戦酪空翼,自分の率彗得露数〉に興する蟻識さえあれば,飽人の「金運牲まを{震じて魑人の均衡戦酪

とそれ1こ対する灘分の最適均衡戦略を「計算」することもなく,また,完講婿報・非完備精報にか

かオ)りなく露分の最適戦酪が得られる。さらに,公共財の纒人的な評癒額を蕉癒に表隣することが

支醗戦懇である場合には,(鶴参の精報を流す動機がないと考えられる〉政癒が,ヂ正直表明墜が支

醗戦酪であるという椿報を鍵徴すれば,簡単に社会的な「定石4を形成することができる。もちろ

ん,纒えぱ,正直表騨が縫会騒繧を導くナッシュ均衡戦酪の場合にも正雲表覇が定石であるが,一

人でも定石に縫わない人がいると予想される場合には,定石どうりに衰弱することは得策ではなく

なってしまうかもしれない。支醗戦酪均衡以外での遂行を考える場合には,このように,すべての

メンバーの舎馨性が共有知識であることも麟提となっていることに注意すべきである。また,完備

情鞍を蕪提証しているメカエズムでは,メンバーすべての状態(タイプ)1こついての共有知識,非

完鶴椿報でベイジアン・ナッシュ均衡を採離しているメカニズムでは,鮭会状態についての人々の

儒念に関する共有知識を前提にしているのである。

 クラーク・メカニズムに1ま.構造的に幾つかの欠点がある一方で,戦酪空聞の分か吟やすさと支

醗戦鵜均衡を採離している点で,現実的にも,実験環境紅おいても,高いヂ作動娃jが窮待される。

ところが,藪條(欝劔a,欝綴瞬によると,実験においてピボタル・メカエズムがほとんど機能しな

い溺が報告されているという。一方で,森(i弼§/の実験によると.よ参複雑と考えられるナッシュ

均衡概念を藩提としてパレート最適,鮫支均衡を実現するG欝ves a慮L磁ya雌〔i§77)のメカニ

ズムがうまく機寵したという。

 以下では,クラーク・メカニズムの作動性に聾して,2つの論点を提僕したい。第一縛こ,理論的に

はシンプルと考えられるクラーク・メカニズムでさえ,透絹牲を考えると「複雑.1な舗度であ参,ま

た,ヂ現実感・受け入れやすさ」からも開題があるのではないかという論点である。クラーク・メカ

ニズムと疑様の遷論的特性を保有するグローブズ・メカニズムの「クラス」ぴ)中において作動難の

違いがあるとすれば,主に,この点1こよるところが大きいと欝えるかもしれない。第二の論点は,ク

ラーク・メカエズムを邊霧する社会のメンバーの知識とメカニズムの作動牲との灘無こついてであ

る。

 以下の議論の簡単化のため1こ,まず,ある特定の公共財茎単位の僕給羅題におけるクラーク・メ

カニズムを紹介した上で韓、聾,.と述の論点からの検討を行う縫.2/(唾.3/。

蓬.蔓公共財の単位僕給開題におけるクラーク・メカニズム

 ある3人社会で,ある公共財κの僕給が検討されている.3.2簸の記号表示に対応させて,公共財

κが供給される場合(κ皿bσ)メンバーズ奪∈≡揮二肇,2,3}/の効絹を,{拶(鯖,聾#瞬舟憂鵜(鶴は

公共財からの真の{憂益}で示す。繰給されない場合(κ蔦醇は‘拶(惹,麟二鰐である。公共財の費羅

はCで,各メンバーゴの税負握は,所定の負握率に鍵って決まる部分(これ1ま僕給時グ)み/毒牙αざC

と,誘灘税あ(供給藪念の場合でも食糧〉である。誘麟水準(κπ§/を基準とした,供給時の効羅

は,

              む1姦1κ/!{観一瞬ゴf皿14一姦.

鐙i

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濤  学  論  集 箒64巻第逢号

ケースLΣ転業3。δ軍“,Σ評、離 ケース21鷺軽業一重,雛郭鳩。Σ~、蛙

毒一十-⊥一

一   ・逢

 『れ業11

セ玉

ウ一

霊秘

1-T{

 」属 

ワ一業

ヌロ

一拳

ケース3:Σ茗業転,δ『y綴、Σン,#2 ケース尋1Σ彰-2,δ縄■畦.Σ’,∬静 ケ プ 1Σ瓢霊一毒,δ『yl畷}、Σゴ、業窃

‡琶一為

一諺ら         毒二21     † 一1縫1

鱗雲射

↓多多

土込萌1 博  琶皿2   手   き   ↑

罷一∫『エ十†9θ

一揖-21

一図馨. いくつかのケース看こおける誘羅税とメンバー垂の夢}霧氷準

一i3§一

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藝再認:クラーク・メカニズム

駐は,真の純優益である。パレート最適の必要条件は,且観≧CニΣ轟,すなわち,Σゴ琶≧§の

ときに実行されることである。

クラーク・メカニズム王族政府は,公共財に関する各人ゴの純優益に絶する申告F{霧羨、蝉に従

           い,次のルールで僕給と誘因税を決定1

 聾 もし,~1汁範髭ヌ3≧○ ならば公共財を僕絵(δ(の二1).

   もし,護∫達睦+鷹<§ ならば公共財の婁給を見送る(δ(霧二鋳。

 2)Σ1腫鵡とΣ声ゴの符号が異なる場合,すなわち,どの表瞬が趨わることによって決定が覆る

   場合,このメンバーズをピボタル・エイジェントと響ぶ。ピボタル・エイジェントのみに,誘

   饗税轟瓢1Σ!垣麟を課す、

 任意の毅.汗{瞬}、揮、、に対して,ylを表鬱することが常に得策(支離戦略/になることが容易に確

かめられる。{奪えば,Σ」薯鷲>§でΣ滞秀<§の場・会,(ゴの負担率分を議提に)ノ中ゴのみの衰弱から

は実費されるはずが,fの表窮を考癒すると晃送られ(δ〈の二§/,戸ゴの総損害額Σ魚猟構当額の

税が級<§の∫に対し諜される。韓〉式の盤農x霧,母.Σプれ鯵(ノぐ〉の部分がΣプ平∫鋳,Σ!井ゴ芝疲δ(の〉

の部分が馨に対癒する。

 騒3に幾つかの数値擁を績介する。例えば,ケース董からケース蓬までは,メンバーiの真の詳懸

を軽瓢2に國寇しているが,どのケースにおいても観応2が最適反応(の一つ/であり,ゆえに支

醗戦酪である。ケース2のメンバー2,ケース3のメンバー亙がピボタル・エイジェントであり,誘

霞税を負極している。クラーク・メカニズムにおいては,誘因税が負になることはない。誘襲両立

’挫を綾季毒するためには,税難文は桑星分されなければならなレ)。

婆.2 「簡素な麟度記述雄と「現実感」の重要性

 支醗戦略均衡で公共財水準の最適姓を導くはずのクラーク・メカニズムが,(実験環境で〉うまく

作動しなかった場合,その要露としては.まず,比較的シンプルと考えられるクラーク・メカニズ

ムでさえ,人々の「直感に合わな同「複雑な」凝度なのではないかという点があげられる。麟度誌

述の難解性や瑛実感とのずれのために,人々(被験者/がメカニズムを完全に運解しきれなかった

毎能牲がある。たとえば,逢.至難のクラーク・メカニズムの定義を「ことば」にすれば次のようにな

るだろう;

「皆さんの意見を聞き,社会的に必要とされる公共財を設置します。費繕負握は所定の負握率に従い

ます。あなたが多くぴ)人々と…致した評癒(必要・不必要/を祷つ場合(ケース1やケース§のメ

ンバー琳こは,それに鍵って供給を実行するか見送るかします。さらなる税は籔馭しません。しか

し,飽の人々が犠牲になってあなた(ケース3のメンバー聾のために僕給することになる場合,税

を納めてもらいますが,その税は麺分させて頂きます。犠牲となる人々の捕獲は致しません。購様

に,あなた(ケース3σ)メンバー2擁ことっては迷惑な公共財でも多くの人が必要とする場合は,あ

i5) 義條(欝鱗瞬及び石井・西繰・塩沢(鱒§§/を参照。

一王3i一

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蘇  学  論  集 第磁巻第逢号

なたに対して補縷は致しませんが,僕給致します。しかし,葬常に迷惑なら設置を見送箏ますが,鋭

を納めて頂きます。税は麺分数します。」

非現実的な点を幾つか挙げると

 碁 公共財の設置が見送られたのにその公共財との関係で税の籔鞭がなされる場合がある,

 2!公共財から被害を受ける人に嫁しても誘翼税が課されている,

 3) i誘遜税が越分される。

1/や2)については,外藩牲の内部化方策と驚連がある。携えば,外藻不経済発生考の行為を擁麟す

るためにはピグー的な課税政策・補励金政策のどちらでも薄能である。所得分醗を考癒する場舎な

ど,特畷の場合を除いて撫害者に課税するのが「自然蓬である。(現実には政治力によって決まると

一叢えるかもしれないG〉

 ところで,3簾で紹介したように,支醗戦鵜で誘馨灘立牲を達成するメカニズムには,グロープズ

が示した「クラス葺があ彗,クラーク・メカニズムはその一形態でしかない。鍵って,その「クラ

ス」の申に麟度諾述がより簡素で葺や2/を改善するものはないか,そσ)上で,メカニズムに新し

い要素を換えてより現実的にすることはできないかという緯題を提供できる。さらに,馨論的特性

が懸じはずのグロープズ・メカニズムのギクラス」の中で,実験環境における作動牲に差があるか

どうかということも興嫁深い。これは,単にグ藤一ブズ・メカニズムについてだけでなく,一般の

メカニズムについてもあてはまる,重要な識煮を提僕する。すなわち,麟度配述が「霧然で簡素変な

ものほど(実験環境で/すぐれた作動姓が観察されるかもしれないという点である。

 実像のところ,公共財の僕給を見送る鋳にはさらなる税や移転が生じないメカニズムは容易に見

つけられる。κ瓢δ(乞う二〇の時翫(㊧#馨なので,訪露税について

ズ汗鼠の#一Σ,軍鵡(δ(の (4y

と定めれば,供給される時のみ誘露税の嶺鞭が生じる。クラーク・メカニズムとは異な讐,各メン

バーにとって誘露税は正または負霧方の薄能牲がある。縫えば,公共財によって(純優益の意味で/

被害を受ける人1ま,設置された場合,必ず縛らかの誘露移転(補1賞〉轟く馨を受けられる。誘霞税に

絶する麟度諾述は,クラーク・メカニズムと比べよリシンプルであると欝える。また,負鐙率分と

誘義税の2部税鱗ではなく,(優益欝、を表窮し,僕給された時のみに税を支払う)i認税舞としての

護三遠が一転能である;

聾 κ瓢δ(麟#鍵竃灘継π、薄、{Σ船(κ)}一α萄,

2/ 7達猷鷺汗αδ(欝)〉一Σ,竿f鶴(δ糎)〉.

単位供給題題の場合は,

聾  もしシ灘÷鐸2華言繊≧C ならば公共財を僕給(δ(躍〉二聾。

  もし,雄+醜÷醜<C ならば公共財の繊維を見送る(δ〈麟#鋳。

2〉 各メンノ寸一ゴはう鬘髭給鋳のみ亨 7}ごC一Σあヰ羅㌧を負麸塁。

しかし,驚の問題が生じてしまう。すべてメンバーについて骸〉雛の場合などは,すべてのメン

一i32…一

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纏部:クラーク・メカニズム

バーが誘露移転を受け取ることができ,負毯率の小さいメンバーにとっては,純負摂が負になるこ

ともあるかもしれ.ない窃そして,税購造について新しい要素を導入しなければ,財政袈支が蒸室に

なることはないのである1

Σ蕗二…(難一i/Σゴ簸(δ(~ノ〉/≦§.

従って,一般には,実行薄能性条件を溝足しない。

 さて,このメカニズムを,少人数の纏織内のi圏綴りの決定ではなく,多数の構成員を対象とし,

公共的決定が無鰻紅毎簸続く中央放鷹や地方公共鐡体レベルの問題に遺濁することを考えてみよ

う。政府が,各メンバーのそれぞれの選好1こついての情鞍を保有していない場合でも,(ベイジアン

的な状混を想定する場合と瞬様紛公共財評緬についての大罵的な予感が可能な場合がある。飼え

ば,本籔紅おける恥の確率分奮についての驚報を政府が撰んでいるとする。メカニズムの運濡から

生じるであろう騰待毒字」根当分を,公共財僕給とは独立に応籠朗に所得税で鍛敬することによっ

て,難待財政叡支を均衡させることができる。誘露講堂性を維持するために,メカニズムは,累積

黒字(赤字/に左右されることなく,毎類独立に行オ)れる必要がある。事後的に財政赤字が生じた

場合に1ま,(本稿のようにメンバーの行動に動学的な要素がなく「鯨蓄」が存在しなくても〉勉の経

済社会(外国1から借り入れを行えばよい。財政黒字が生じた場合にも,それを魑分する必要はな

いのである。このような状溌下では,このグ窟一ブズ・メカニズムのバージ置ンとクラーク・メカ

ニズムとでは,作動性に違いが生じるだろうか。興味深いテーマであると考えられる。

婆.3社会のメンバーの難識とクラーク・メカエズム

 これまで闘発されているメカニズムにつ雛ては,メンバーが共有する知識についての繭提が異

なっている。どのメカニズムにおいても,メカニズム(及びそれが前提とする戦略空聞〉について

のメンバーの共有無識が要求されるが,メンバー臨で,互いのタイプ(麟得露数/が共有知識であ

るかどうかという意蘇で完勝情鞍か否かという点,さらに,非完備情鰻でもベイジアンゲーム的に

タイプ上の確率分薦が共有知識となっている場合や飽のメンバーのタイプについて全く知識がない

場合もある。

 現実を覚ると,政癒の経済計轡聡題など,「社会」の構成員数が多い場合には葬完篠幡報的な状潟

とした方が適当なことが多いだろうし,少人数の績織内で互いによくわか参あっている一方で郵ボ

スユは知らない場合(エイジェンシー問題/や入札,鼓舞の場合では完簿精報的な状溌であること

も多いと考えられる。

 さて,クラーク=グ灘一ブズ・メカニズムは,支観戦酪均衡による遂行であるから,メカニズム

に囃する知識(すべてのメンバーの戦酪集合と臨分の瀦得関数/さえあれば,絶入の動麹を気1こす

ることなく嚢分の最適支醗戦酪を計算できる。従って3.2籔で検討したように,このメカニズム1ま,

完備藩報的状溌でも,非完欝情報下のベイジアン状溝や飽のメンバーのタイプについて全く知識が

な輪状濁でも機能することになる。

 支醒戦酪均衡によって誘露擁立性を達成するメカニズムの提案蒔には完備鰭報をイメージしてい

たと思われるが,鱗えば,MatS雛薮撫段(i鰭8/で1ま,正直表瞬の支醗戦酪をもって訪露両立的と定

一董33一

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商  学  論  集 第経巻第4号

義しているGl漉a雄(欝73/とSattert臨職lte(i蟹5〉6)定遅に対して,「人々は互いのタイプに絶

して全く知識がない状溌を想定している」と述べておむ,また,鈴村(欝82)においてもクラーク・

メカニズムは利得関数の梅互鍾解がない場合とされている。

 それでは,クラーク嵩グ藤一プズ・メカニズムの作動姓は,それが適灘される被会のメンバーの

知識の構造からどのような影響を受けるのだろうか.(実験環境において/クラーク・メカニズムが

うまく作動しなかった場合,その考えうる要因の一つとして,構手の金運牲を緩じた上で予想され

る,難のメンバーの均衡戦略に対する最適反応戦酪がたくさんあることがあげられる爾。舞えば,

ケース圭の場合,軽π2,Σ,.バ毒はともに正であるが,メンバー/は一i以一とのどんな大きな評極額

を表塾しても最適反応である。メンバーの多くがこのような行動にでると,メカニズムが甥得して

いる結果とは程遠いものになるだろう。しかし,メカニズムにおけるゲームが溝縛手番(o艶語ot

ga凱e/ならば,この議論は,完輪情報的状溌で飽のメンバーの均衡戦酪が読める場合を想定してい

る。鯛えば,聡#2のメンバーiは,ケース2のようなノ≠ゴの均衡行動に対癒するタイプε一道にいく

らかでも確率を付与しているなら,3以上の遠大表明は危験であるということになる。すなわち,葬

完備鋳鞭の場合のほうが相手の均衡戦酪に対する最選反籍の範囲が小さいのではないかということ

である。この点はクラークニグ霞一ブズ・メカニズムの舞勤性が,それを遜濡する鮭会メンバーの

知識撰進£依存する駕籠牲を示唆する。縫会賭銭員数が多く,葬完備的状溌にある方がうまく機能

するかもしれない。また,この場合,クラーク皿グローブズ・メカエズムの欠点である結託の幾題

も園避できるかもしれなレ㌔

 ところで,ナッシュ均衡で遂行を図るグローブズーレッジャード(G⇔・メカニズムに関して,そ

の動学的プ環セスや安定性を開題にする議論がある(Gre餓短rg,臨娩rt a撮窟δe搬鍛(緯77//。

また,森(i盤§)にお雛ては,動学的な講整プロセスを導入してGLメカニズムが機能することを確

認しているという。しかし,GLメカニズムについては,遅論的終は,完備憶報・嗣蒔手番を想定し

ているので,動学的プロセスがどのような意蘇を持つのかは難しい開題である。もちろん,同じ瞬

時手番σ)メカニズムを何度も繰警返して作嚢雛を確認することは重要である。ナッシュ均衡をはじ

めとして,均衡概念の解職についてはいまだ論争恥が多く,この点についての理解も深めていきた

いと馨、う。

5.おわ辱に

 遷論的に性能がよいメカニズムでも,その作動盤紅問題があるかどうかは分からない。これ韓,現

実遍羅性を考えると重要な論点であるが,本稿では,クラーク公共財僕給メカニズムを通してこの

開題の考察を行った。

欝) 嚢條(鯵纐麟においてボ駿された論点、である。

董7/ 纏えば,モデルにおける虜轡の予想.及び聡実の経済環象の説明にあたって.ナッシュ均憂を褻撰する意義

  は,跡 人をは,舞耀可縫な矯鞭から均衡馨饗各を計算し,それを実行する12〉なんらかの状態鉦落ち養くの

  なら(均籍1,そこにおいては人々は催メ、の戦酪に最適反応しているはずであ彗,少なくともナッシュ均衡に

  なっているはずである1などが挙げら載よう。

一重34

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縁部1クラーク・メカニズム

 すなわち,均衡概念が支醗戦酪であり,戦酪空麗が公共財からの便益という「分かサやすさ」を

もつクラーク・メカニズムが,実験環境においてうまく機寵しない携があるという鞍告に基づき,そ

のようなことが生じてしまう原露について考察し,新たな論点を提超した。まず,その原鑓として,

クラーク・メカニズムのヂ憲渡配達」が一般には分か鵜こくく,また,その内容も我々の現実感と

はずれがあるのではな鵠かという点をあげ,隅癒の運論特性を持つグ讐一ブズ・メカニズムの「ク

ラス」のいろいろな鰯度記遠についてその作動陸を比較する必要窪を講じた。特に」都税麟で表現

されるバージ聾ンは,幾つかの開題があるものの,非常に篶素でクラーク・メカニズムの葬現実的

な点を改善するものである。

 次に,クラーク・メカニズムが適罵される蛙会のメンバーの知識によって,メカニズムの搾動盤

が影響を受ける薄髭縫を,公共財の単位供給問題において考察した。麗論的には完備精報でも葬完

勝椿鞍でも機寵するはずのクラーク・メカニズムも,均衡における最適反応戦略の広さという観点

からは,非完備精報の場合の方が狭く,その意瞭で運論的に難待された正甕表霧が得られる羅能臨

が大きいと考えられよう。

 以上の葬作動睦」に関する講点は,より詳纒な運論的考察のみならず,実験によって確かめられ

る部分も少なくない。実験経済学的手法の進展によ機,麗講的に確認の難しい仮護も確かめられる。

但し,実験環境における実施璽能性と現実経済での適罵可能性とは欝であると考えるべきだろう。実

験では,懸人の持つ鷲報など蓮譲で飯定されている環境を設定してメカニズムの作動性を確認する

ことができる。一方,現実に近い環境を設定して作動牲を講べることもできるが,還論の議罷と現

実が異なると考えられる場合,実験結果」)解験・評懸は難しくなる.とはいえ,今後実験経済学の

役割が大きくなっていくことは聞違いない。

参 考 文 獣

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商 学 ム禰

二=餌

集 第恐4巻第逢号

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