講義06 状態方程式の自由応答 - kagoshima u...はじめての現代制御理論 講義06...
TRANSCRIPT
-
はじめての現代制御理論 講義06
講義06 状態方程式の自由応答
システムの自由応答とは何かを理解しよう状態遷移行列の性質について理解しよう行列 の固有値が応答にどのように対応しているかを理解しよう
1
講義06のポイント
1.自由システムの応答2.自由応答のモード展開
講義06の内容
-
はじめての現代制御理論 講義06
6.1 自由システムの応答
2
次元1入力1出力システムの状態空間表現
の列ベクトル次元正方行列, の列ベクトルの行ベクトル, スカラー
自由システムとはすべての について である場合
各状態変数に初期値 を与える初期ベクトル:
状態ベクトル
-
はじめての現代制御理論 講義06
6.1 自由システムの応答
3
自由応答とは
に対して与えられた初期ベクトル
自由システム
に対する解
なる微分方程式を初期条件 で解く
の列ベクトル次元正方行列,
状態ベクトル
どのようにして解けばよいのか?
-
はじめての現代制御理論 講義06 4
例6.1: スカラーの時間関数 に関する状態方程式の解
6.1 自由システムの応答
スカラー両辺をラプラス変換
両辺を逆ラプラス変換
の値に応じて がの値に応じて0に収束する速さが違う
-
はじめての現代制御理論 講義06 5
状態ベクトル に関する
6.1 自由システムの応答
両辺をラプラス変換
次元単位行列
は 次元正方行列
両辺に を左からかける
-
はじめての現代制御理論 講義06 6
6.1 自由システムの応答
両辺を逆ラプラス変換
スカラーの場合
は状態遷移行列,行列指数関数と呼ぶ
の解(初期ベクトル に対する)
-
はじめての現代制御理論 講義06 7
状態遷移行列
6.1 自由システムの応答の性質
性質1:
性質2: (単位行列)
性質3: を満足する正方行列に対して
性質4:実数 に対して
性質5:は常に逆行列が存在する
-
はじめての現代制御理論 講義06 8
6.1 自由システムの応答例6.2: 2次元システムの自由応答
初期ベクトル:を求める
-
はじめての現代制御理論 講義06 9
6.1 自由システムの応答例6.2: 2次元システムの自由応答
両辺を逆ラプラス変換(行列内の各要素を逆ラプラス変換)
-
はじめての現代制御理論 講義06 10
6.1 自由システムの応答例6.2: 2次元システムの自由応答
の場合の応答
と の定数倍の和
単調に0に収束するのではなく,極大値(極小値)をとり,0に収束
-
はじめての現代制御理論 講義06 11
6.2 自由応答のモード展開例6.2: 2次元システムの自由応答の解
と に注目する
時間により変化しない一定値のベクトル
の時間的な変化は と に依存している
-
はじめての現代制御理論 講義06 12
6.2 自由応答のモード展開例6.2: 2次元システムの自由応答の解
各指数関数のべき指数
係数行列 の固有値:自由応答の解はシステムの 係数行列の固有値が応答に関係係数行列 の固有値:システムの極
2次元システムの状態方程式
-
はじめての現代制御理論 講義06 13
6.2 自由応答のモード展開例6.2の2次元システムの状態変数変換
係数行列 の固有値 に対応する固有ベクトル
つぎの状態変数変換を行う
-
はじめての現代制御理論 講義06 14
6.2 自由応答のモード展開
初期ベクトルの変換
状態方程式の変換
係数行列 の固有値が対角要素となる行列
-
はじめての現代制御理論 講義06 15
6.2 自由応答のモード展開状態方程式の解の計算
-
はじめての現代制御理論 講義06 16
6.2 自由応答のモード展開
なる関係より
に対応する に対応する
自由応答のモード展開
と表すこともできる
-
はじめての現代制御理論 講義06 17
6.2 自由応答のモード展開次元自由システムのモード展開
は 次元正方行列で極の重複はないとする
固有値:固有ベクトル:次元正方行列:
-
はじめての現代制御理論 講義06 18
6.2 自由応答のモード展開次元自由システムのモード展開
固有値 に対応するモード時間に無関係な定数または一定のベクトル
s
変化の様子は係数行列 の固有値 に依存
次元自由システムの応答の時間的変化には係数行列 の固有値が影響している
-
はじめての現代制御理論 講義06
講義06のまとめラプラス変換を利用して状態方程式の自由応答が計算できる自由応答は与えられた行列 の固有値に関係している自由応答は固有値に対応するモードの和として表される
19
非常に重要な内容であるので,演習問題を各自で解いて,自由応答の計算に馴染もう.