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21 September 1, 2017 No.220 BUSINESS Microsoft Dynamics ERP/Office 365を活用した 見える化 促進法 6 Office365(EXCEL)のアドイン機能を 利用してみよう Dynamics ERP と連携することにより 新たな気づきも 様々な意思決定を行う際に皆さんはどの ようなツールをお使いでしょうか。業種特 有の専門ソフトウエアを利用されること もあると思いますが、最も一般的に利用さ れているツールは表計算ソフトでしょう。 中でもデファクトスダンダートのマイク ロソフト EXCELを意思決定ツールとして 利用されている会社は大変多いはずです。 EXCELが得意な方は、関数やPIVOTテー ブルを駆使されているようですが、今 回はEXCELの標準アドイン機能を利 用した分析とDynamicsERPとの連携 についてご紹介させていただきます。 EXCELのアドインツールはオプ シ ョ ン か ら 設 定 で き、AnalysisTool Pak お よ びSolver Add-in が 有 名 で 双 方とも追加費用なしで利用することが できます。(SolverAdd-Inは一部制限 あり) AnalysisToolPak を 有 効 に す る と、 Dataメ ニ ュ ー にDataAnalysis が 表 示 されます。このDataAnalysis をクリッ クすると様々な分析機能が利用できます。 (左下リスト参照) 回帰分析 (Regression)は、複数の独立変 数(IndependentVariable)が従属変数(De pendentVariable)にどのような影響を与 えているかを分析、モデル化します。例え ば、日次、月次、曜日、キャンペーン期間、 天気などのデータが商品の売上にどのよう な影響を与えているかを数値化できます。 ERPから出力させる会計データをEXCEL と自動接続することで、煩雑な作業を行う ことなく分析することが可能です。ヒスト グラム (Histogram)は、それぞれの区間内 のデータを集約、分析するための度数分布 表で、商品単価別の売上などの分析に利用 されます。またPOSなどの比較的大容量 の デ ー タ を 分 析 す る 時、事 前 に 間 違 っ た データや不必要なデータを除外する必要 が あ り ま す が、そ の よ う な 場 合 は 記 述 統 計(DescriptiveStatistics)を サニテ ィ ー チェック(SanityCheck)として利用する と便利です。 Solver-Add-in は、FrontlineSystems 社が提供するプログラムでMILP(Mixed- IntegerLinearProgram、混合整数線形計 画法)を利用することにより、指定された 条件下における最適解を提示します。概要 説明だけでは分かり難いかと思いますが大 して難しいことではありません。日々の意 思決定の際、意識的、無意識的を問わず解 決している課題に対しての模範解答を提示 します。具体的な例を挙げてみましょう。 1.工場の生産能力を最大限活用した上で、 利益を最大化する為の商品別の生産量 2.複数の生産、配送、販売拠点が存在する 際、輸送コストを最小限にする為の最適 ルート(上図参照) 3.生産、配送、販売などの新規拠点を展開 る際、複数の拠点候補からコストを 最小限にする為の拠点選択 EXCELのアドイン機能とERPの販売・ 生産データを連携することで、今まで把握 していなかった点や課題点が見えてくるか もしれません。このような新たな気づきを、 日々の経営判断に活用したいものですね。 第7回(最終回)は未来のトレンドにつ いてお話し致します。 山浦 守 SYSCOM(USA)INC. ビジネスソリューション事業部長 上智大学卒国際経営学専攻 連絡先:[email protected] 意思決定ツール

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21 September 1, 2017 No.220BUSINESSビ ジ ネ ス

Microsoft DynamicsERP/Office 365を活用した

経の営 見える化促 進 法

6

● Office365(EXCEL)のアドイン機能を 利用してみよう● �Dynamics ERPと連携することにより

新たな気づきも

 様々な意思決定を行う際に皆さんはどのようなツールをお使いでしょうか。業種特有の専門ソフトウエアを利用されることもあると思いますが、最も一般的に利用されているツールは表計算ソフトでしょう。中でもデファクトスダンダートのマイクロソフトEXCELを意思決定ツールとして利用されている会社は大変多いはずです。EXCELが得意な方は、関数やPIVOTテー

ブルを駆使されているようですが、今回はEXCELの標準アドイン機能を利用した分析とDynamics�ERPとの連携についてご紹介させていただきます。 EXCELのアドインツールはオプションから設定でき、AnalysisTool�PakおよびSolver�Add-inが有名で双方とも追加費用なしで利用することができます。(Solver�Add-Inは一部制限�あり) AnalysisToolPakを有効にすると、DataメニューにDataAnalysisが表示されます。このDataAnalysisをクリックすると様々な分析機能が利用できます。(左下リスト参照) 回帰分析(Regression)は、複数の独立変数(Independent�Variable)が従属変数(Dependent�Variable)にどのような影響を与えているかを分析、モデル化します。例えば、日次、月次、曜日、キャンペーン期間、天気などのデータが商品の売上にどのような影響を与えているかを数値化できます。ERPから出力させる会計データをEXCELと自動接続することで、煩雑な作業を行うことなく分析することが可能です。ヒストグラム(Histogram)�は、それぞれの区間内のデータを集約、分析するための度数分布表で、商品単価別の売上などの分析に利用されます。またPOSなどの比較的大容量�のデータを分析する時、事前に間違ったデータや不必要なデータを除外する必要がありますが、そのような場合は記述統計(Descriptive�Statistics)をサニティーチェック(Sanity�Check)として利用すると便利です。 Solver-Add-in は、Frontline�Systems社が提供するプログラムでMILP�(Mixed-Integer�Linear�Program、混合整数線形計画法)�を利用することにより、指定された

条件下における最適解を提示します。概要説明だけでは分かり難いかと思いますが大して難しいことではありません。日々の意思決定の際、意識的、無意識的を問わず解決している課題に対しての模範解答を提示します。具体的な例を挙げてみましょう。1.工場の生産能力を最大限活用した上で、  利益を最大化する為の商品別の生産量2.複数の生産、配送、販売拠点が存在する 際、輸送コストを最小限にする為の最適 ルート(上図参照)3.生産、配送、販売などの新規拠点を展開 る際、複数の拠点候補からコストを 最小限にする為の拠点選択 EXCELのアドイン機能とERPの販売・生産データを連携することで、今まで把握していなかった点や課題点が見えてくるかもしれません。このような新たな気づきを、日々の経営判断に活用したいものですね。 第7回(最終回)は未来のトレンドについてお話し致します。

山浦 守SYSCOM(USA)INC. ビジネスソリューション事業部長上智大学卒国際経営学専攻連絡先:[email protected]

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