2016年度秋学期　画像情報処理　第１０回　画像の集合演算とオープニング...

2016年度秋学期　画像情報処理

浅野　晃関西大学総合情報学部

画像の集合演算とオープニング第１０回

マセマティカル・モルフォロジとは

画像には，「構造」がある構造によって説明ができる

func(1); func(2); ... func(9);

for(i = 1; i < 10; i++){ 　　func(i); }

画像には，「構造」がある構造によって説明ができる

func(1); func(2); ... func(9);

for(i = 1; i < 10; i++){ 　　func(i); }

これが「構造」

画像に対する操作を，基本的な集合演算で表し，定量的な画像の操作を構成する

École des Mine de Parisで研究が始められた（鉱物の分類が起源）

International Symposium on Mathematical Morphology: 40 years onが開催

モルフォロジの演算のしかた

（○＝画素）

画像＝図形 X

（○＝画素）

構造要素 B (structuring element)

（●＝原点）

画像＝図形 X

画像を構造要素で操作する

（○＝画素）

構造要素 B (structuring element)

（●＝原点）

画像＝図形 X

もっとも基本的な演算：オープニング

原図形

原図形構造要素が図形上を移動し，

原図形

構造要素が図形に完全に含まれたら

構造要素が図形上を移動し，

原図形

その位置での構造要素全体を保存

原図形

オープニング

原図形

原図形のうち構造要素が入りきらない部分を取り除く

オープニング

原図形

オープニング

原図形

オープニング

（構造要素のサイズにもとづく定量的操作）

原図形

移動してきた構造要素の位置にある画素間でのAND/OR演算によるerosion/dilationで表現可能

オープニング

原図形

移動してきた構造要素の位置にある画素間でのAND/OR演算によるerosion/dilationで表現可能

オープニング

XB = {Bz |Bz ⊆ X,

z ∈ Z2},

さらに分解すると：erosion

さらに分解すると：erosion構造要素が図形上を移動し，構造要素が図形に完全に含まれたら，構造要素の原点の位置に●を置く（AND演算）

X ⊖ B̌ = {x|Bx ⊆ X}

さらに分解すると：dilation

さらに分解すると：dilation構造要素が図形上を移動し，構造要素が図形と一部でも重なったら，構造要素の原点の位置に●を置く（OR演算）

X ⊕ B̌ = {x|Bx ∩ X ̸= ∅}

オープニングをerosion／dilationで

原図形

構造要素

原図形

構造要素

原図形

構造要素

原図形

構造要素

原図形

構造要素

opening

Opening = erosion + 構造要素を反転してdilation

原図形

構造要素

原図形

構造要素

erosion

原図形

構造要素を反転

原図形

構造要素

反転してdilation

を反転

原図形

opening

原図形

opening

XB = (X ⊖ B̌) ⊕ B

原図形

opening

XB = (X ⊖ B̌) ⊕ B

はBの反転を表す

Opening = erosion + Minkowski和

原図形

構造要素

原図形

構造要素

原図形

構造要素

erosion

原図形

構造要素構造要素ではなく，図形のほうを動かす

原図形

構造要素

Minkowski和

構造要素ではなく，図形のほうを動かす

原図形

構造要素

opening

原図形

構造要素

opening

X ⊕ B =⋃

Minkowski和

グレースケール画像の場合

画素の位置

輝度多値図形

明 ↑ ↓ 暗

画素の位置

輝度多値図形

明 ↑ ↓ 暗

構造要素（多値）

原点

画素の位置

輝度多値図形

明 ↑ ↓ 暗

構造要素の各画素へのベクトルに沿って

原点

画素の位置

輝度多値図形

明 ↑ ↓ 暗

構造要素の各画素へのベクトルに沿って構造要素の値を足して図形を動かして

原点

画素の位置

輝度多値図形

明 ↑ ↓ 暗

構造要素の各画素へのベクトルに沿って構造要素の値を足して図形を動かして重ね合わせる

原点

画素の位置

輝度多値図形

明 ↑ ↓ 暗

原点

画素の位置

輝度多値図形

明 ↑ ↓ 暗

原点

画素の位置

輝度多値図形

明 ↑ ↓ 暗

原点

画素の位置

輝度多値図形

明 ↑ ↓ 暗

原点

画素の位置

輝度多値図形

明 ↑ ↓ 暗

原点

画素の位置

輝度多値図形

明 ↑ ↓ 暗

原点

画素の位置

輝度多値図形

明 ↑ ↓ 暗

原点

画素の位置

輝度多値図形

明 ↑ ↓ 暗

原点

画素の位置

輝度多値図形

明 ↑ ↓ 暗

原点

画素の位置

輝度多値図形

明 ↑ ↓ 暗

画素毎の最大値Minkowski和反転すると dilation

原点

画素の位置

輝度多値図形

明 ↑ ↓ 暗

画素毎の最大値Minkowski和反転すると dilation

画素毎の最小値Minkowski差反転すると erosion

原点

数式でどうやって表すか？

オープニング図形Xの構造要素Bによるオープニング

XB = {Bz |Bz ⊆ X, z ∈ Z2}

２次元座標平面の格子点

XB = {Bz |Bz ⊆ X, z ∈ Z2}

Bz = {b+ z | b ∈ B}

Bをzだけ移動

XB = {Bz |Bz ⊆ X, z ∈ Z2}

Bz = {b+ z | b ∈ B}

Bをzだけ移動

BがXの内部を移動するときの B自身の軌跡

XB = {Bz |Bz ⊆ X, z ∈ Z2}

Bz = {b+ z | b ∈ B}

Bをzだけ移動

これが

XB = {Bz |Bz ⊆ X, z ∈ Z2}

Bz = {b+ z | b ∈ B}

Bをzだけ移動

XB = (X ⊖ B̌)⊕B

これがであることを示す？？？？

オープニングの分解：Minkowski集合差Minkowski集合差

X ⊖B = {x|x− b ∈ X, ∀b ∈ B}

と書ける。なぜなら

X ⊖B =⋂

b∈BXb

は Minkowski差はXが移動

Bの形にそって

X ⊖B = {x|x− b ∈ X, ∀b ∈ B}

X ⊖B =⋂

b∈BXb

と同値

Bの形にそって

X ⊖B = {x|x− b ∈ X, ∀b ∈ B}

x ∈ Xb

X ⊖B =⋂

b∈BXb

と同値

Bの形にそって

X ⊖B = {x|x− b ∈ X, ∀b ∈ B}

x ∈ Xb

X ⊖B =⋂

b∈BXb

と同値

Bの形にそって

X ⊖B = {x|x− b ∈ X, ∀b ∈ B}

x ∈ Xb

X ⊖B =⋂

b∈BXb

と同値

Bの形にそって

X ⊖B = {x|x− b ∈ X, ∀b ∈ B}

x ∈ Xb

B b‒b

X ⊖B =⋂

b∈BXb

と同値

Bの形にそって

X ⊖B = {x|x− b ∈ X, ∀b ∈ B}

x ∈ Xb

B b‒b

X ⊖B =⋂

b∈BXb

と同値

Bの形にそって

X ⊖B = {x|x− b ∈ X, ∀b ∈ B}

x ∈ Xb

B b‒b

X ⊖B =⋂

b∈BXb

と同値

Bの形にそって

X ⊖B = {x|x− b ∈ X, ∀b ∈ B}

x ∈ Xb

B b‒b

xもし，このxが

X ⊖B =⋂

b∈BXb

と同値

Bの形にそって

X ⊖B = {x|x− b ∈ X, ∀b ∈ B}

x ∈ Xb

B b‒b

‒b xもし，このxが

X ⊖B =⋂

b∈BXb

と同値

Bの形にそって

X ⊖B = {x|x− b ∈ X, ∀b ∈ B}

x ∈ Xb

B b‒b

‒b x

もし，このxが

X ⊖B =⋂

b∈BXb

と同値

Bの形にそって

X ⊖B = {x|x− b ∈ X, ∀b ∈ B}

x ∈ Xb

B b‒b

‒b x

x ‒ b ∈ Xであるならば

もし，このxが

X ⊖B =⋂

b∈BXb

と同値

Bの形にそって

X ⊖B = {x|x− b ∈ X, ∀b ∈ B}

x ∈ Xb

B b‒b

‒b x

x‒b +b

もし，このxが

X ⊖B =⋂

b∈BXb

と同値

Bの形にそって

X ⊖B = {x|x− b ∈ X, ∀b ∈ B}

x ∈ Xb

B b‒b

‒b x

x‒b +b

もし，このxが

X ⊖B =⋂

b∈BXb

と同値

Bの形にそって

X ⊖B = {x|x− b ∈ X, ∀b ∈ B}

x ∈ Xb

B b‒b

‒b x

x‒b +b

Xbはこうなるからx ‒ b ∈ Xであるならば

もし，このxが

X ⊖B =⋂

b∈BXb

と同値

Bの形にそって

X ⊖B = {x|x− b ∈ X, ∀b ∈ B}

x ∈ Xb

B b‒b

‒b x

x‒b +b

x ∈ Xb

もし，このxが

X ⊖B =⋂

b∈BXb

と同値

Bの形にそって

X ⊖B = {x|x− b ∈ X, ∀b ∈ B}

x ∈ Xb

B b‒b

‒b x

x‒b +b

x ∈ Xb

もし，このxが

X ⊖B =⋂

b∈BXb

どんなbに対してもXbに含まれるxの集まり

と同値

Bの形にそって

X ⊖B = {x|x− b ∈ X, ∀b ∈ B}

x ∈ Xb

B b‒b

‒b x

x‒b +b

x ∈ Xb

もし，このxが

X ⊖B =⋂

b∈BXb

どんなbに対してもXbに含まれるxの集まり

つまり

b∈BXb,

オープニングの分解：反転と集合差

X ⊖B = {x|x− b ∈ X, ∀b ∈ B}

B̌ = {−b|b ∈ B}

をBの反転

X ⊖B = {x|x− b ∈ X, ∀b ∈ B}

Minkowski集合差を使って表すと，

X⊖B = {x|x+(−b) ∈ X, ∀(−b) ∈ B̌}

X ⊖B = {x|x− b ∈ X, ∀b ∈ B}

B̌ = {−b|b ∈ B}

をBの反転

X ⊖B = {x|x− b ∈ X, ∀b ∈ B}

X⊖B = {x|x+(−b) ∈ X, ∀(−b) ∈ B̌}

X ⊖B = {x|x− b ∈ X, ∀b ∈ B}

B̌ = {−b|b ∈ B}

をBの反転

X ⊖B = {x|x− b ∈ X, ∀b ∈ B}

X⊖B = {x|x+(−b) ∈ X, ∀(−b) ∈ B̌}

X ⊖B = {x|x− b ∈ X, ∀b ∈ B}

B̌ = {−b|b ∈ B}

をBの反転

X ⊖B = {x|x− b ∈ X, ∀b ∈ B}

X⊖B = {x|x+(−b) ∈ X, ∀(−b) ∈ B̌}

X ⊖B = {x|x− b ∈ X, ∀b ∈ B}

B̌ = {−b|b ∈ B}

をBの反転

X ⊖B = {x|B̌x ⊆ X}

X ⊖B = {x|x− b ∈ X, ∀b ∈ B}

X⊖B = {x|x+(−b) ∈ X, ∀(−b) ∈ B̌}

X ⊖B = {x|x− b ∈ X, ∀b ∈ B}

B̌ = {−b|b ∈ B}

をBの反転

X ⊖B = {x|B̌x ⊆ X}

がXの内部を動くときの，

の原点の軌跡

X ⊖B = {x|x− b ∈ X, ∀b ∈ B}

X⊖B = {x|x+(−b) ∈ X, ∀(−b) ∈ B̌}

オープニングの分解：集合和

すなわち

X ⊕B

= {x+ b|x ∈ X, ∀b ∈ B}

　　　X ⊕B = {b+ x|b ∈ B, x ∈ X}

Minkowski集合和は

オープニングの分解：集合和

すなわち

X ⊕B

= {x+ b|x ∈ X, ∀b ∈ B}

　　　X ⊕B = {b+ x|b ∈ B, x ∈ X}

BのコピーをXを構成する各画素にくまなく貼付ける

Minkowski集合和は

以上から，オープニングは

X ⊖B = {x|B̌x ⊆ X}

の原点の軌跡

X ⊖B = {x|B̌x ⊆ X}

の原点の軌跡

X ⊖ B̌ = {x|Bx ⊆ X}

X ⊖B = {x|B̌x ⊆ X}

の原点の軌跡

X ⊖ B̌ = {x|Bx ⊆ X}

X ⊖B = {x|B̌x ⊆ X}

の原点の軌跡

BがXの内部を動くときのBの原点の軌跡＝erosionX ⊖ B̌ = {x|Bx ⊆ X}

X ⊖B = {x|B̌x ⊆ X}

の原点の軌跡

以上から，オープニング

XB = {Bz |Bz ⊆ X, z ∈ Z2}

X ⊖B = {x|B̌x ⊆ X}

の原点の軌跡

XB = {Bz |Bz ⊆ X, z ∈ Z2}

X ⊖B = {x|B̌x ⊆ X}

の原点の軌跡

XB = {Bz |Bz ⊆ X, z ∈ Z2}

X ⊖B = {x|B̌x ⊆ X}

の原点の軌跡

XB = (X ⊖ B̌)⊕B

XB = {Bz |Bz ⊆ X, z ∈ Z2}

X ⊖B = {x|B̌x ⊆ X}

の原点の軌跡

XB = (X ⊖ B̌)⊕B

XB = {Bz |Bz ⊆ X, z ∈ Z2}

X ⊖B = {x|B̌x ⊆ X}

の原点の軌跡

XB = (X ⊖ B̌)⊕B

BがXの内部を動くときのBの原点

XB = {Bz |Bz ⊆ X, z ∈ Z2}

X ⊖B = {x|B̌x ⊆ X}

の原点の軌跡

XB = (X ⊖ B̌)⊕B

XB = {Bz |Bz ⊆ X, z ∈ Z2}

X ⊖B = {x|B̌x ⊆ X}

の原点の軌跡

XB = (X ⊖ B̌)⊕B

その原点にBを貼り付ける

XB = {Bz |Bz ⊆ X, z ∈ Z2}

X ⊖B = {x|B̌x ⊆ X}

の原点の軌跡

XB = (X ⊖ B̌)⊕B

その原点にBを貼り付ける

XB = {Bz |Bz ⊆ X, z ∈ Z2}

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