vol.19, no.2 (2004.09)

33
Division of Biofunctional Chemistry The Chemical Society of Japan Vol. 19, No.2 (2004. 9. 6) 私の研究歴を振り返りつつ生体関連化学の今後を展望するăăăăăă森島 1 生体触媒反応を活用する機能性分子の合成ăăăăăăăăăăăăăăăăăăăă伊藤 敏幸 3 金属錯体・金属タンパク質の新しい機能ăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăă桜井 7 酸素活性種を含む金属錯体の合成と機能制御ăăăăăăăăăăăăăăăăăă鈴木 正樹 11 19 回生体機能関連化学シンポジウムプログラムăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăă 15 19 回生体機能関連化学シンポジウム若手フォーラムăăăăăăăăăăăăăăăăăăă 23 日本化学会生体機能関連化学部会 講習会 「細胞の機能を観る、調べる、利用する」 東北地区ăăăăăăăăăăăăăăăăăă 24 「分子認識機能化学の最前線」 中国四国地区ăăăăăăăăăăăăăăăăăă 25 若手の会サマースクール実施報告ăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăă 26 8 回バイオテクノロジー部会シンポジウムのご案内ăăăăăăăăăăăăăăăăăăăă 28 日本化学会生命化学研究会 7 回シンポジウムăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăă 29 3 回ポルフィリン・フタロシアニン国際会議の報告ăăăăăăăăăăăăăăăăăăăă 30 17 回生物無機化学夏季セミナーのご報告ăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăă 31

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Page 1: Vol.19, No.2 (2004.09)

Division of Biofunctional ChemistryThe Chemical Society of Japan

Vol. 19, No.2 (2004. 9. 6)

目 次

◇ 巻 頭 言私の研究歴を振り返りつつ生体関連化学の今後を展望するăăăăăă森島 績 1

◇ 研 究 紹 介生体触媒反応を活用する機能性分子の合成ăăăăăăăăăăăăăăăăăăăă伊藤 敏幸 3

金属錯体・金属タンパク質の新しい機能ăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăă桜井 弘 7

酸素活性種を含む金属錯体の合成と機能制御ăăăăăăăăăăăăăăăăăă鈴木 正樹 11

◇ 部 会 行 事第 19回生体機能関連化学シンポジウムプログラムăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăă 15

第 19回生体機能関連化学シンポジウム若手フォーラムăăăăăăăăăăăăăăăăăăă 23

日本化学会生体機能関連化学部会 講習会

「細胞の機能を観る、調べる、利用する」 東北地区ăăăăăăăăăăăăăăăăăă 24

「分子認識機能化学の最前線」 中国四国地区ăăăăăăăăăăăăăăăăăă 25

若手の会サマースクール実施報告ăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăă 26

◇ お 知 ら せ第 8回バイオテクノロジー部会シンポジウムのご案内ăăăăăăăăăăăăăăăăăăăă 28

日本化学会生命化学研究会 第 7回シンポジウムăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăă 29

第 3回ポルフィリン・フタロシアニン国際会議の報告ăăăăăăăăăăăăăăăăăăăă 30

第 17回生物無機化学夏季セミナーのご報告ăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăăă 31

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巻 頭 言

私の研究歴を振り返りつつ生体関連化学の今後を展望する

京都大学名誉教授 森島 績

私は本年 3 月末をもって京都大学を定年

退官した。本稿では、若い世代の参考になれ

ばと思い、私の研究体験を振り返りながら伝

えたいメッセージを織り込みつつ、生体関連

化学の今後を考えてみたい。学部 4 回生のと

きに量子化学に魅せられて選んだ福井謙一研

究室では、学生全員が実験研究からスタート

することを指針としていた。私は実験と理論

の融合を意識して、暗中模索の中で自ら NMR

を用いて分子の電子構造と分子間相互作用の

研究をすることをテーマとして決めた。その

中のひとつに、安定な有機ニトロキシドラジ

カルを NMR シフト試薬や緩和試薬として用

いた分子間電子スピン伝達機構に関する研究

がある。これによって水素結合や電荷移動相

互作用の新しい研究手法を提案できた。また、

常磁性錯体である Ni(acac)2、Co(acac)2 の配位

子の常磁性 NMR シフトから配位子分子上の

電子スピン密度分布を求め、金属イオンー配

位子間結合様式ならびに配位子自身の電子構

造について分子軌道計算を併用して探る研究

がある。その後、これらの金属錯体を金属ポ

ルフィリンに換え、その多様な電子構造を常

磁性NMRシフトから明らかにする研究へと

展開した。とくに、ESR ではシグナルブロー

ド化のために電子構造の同定し難い常磁性金

属ポルフィリン錯体(たとえば常磁性金属ポ

ルフィリンラジカル)では、常磁性NMRが

威力を発揮した。これと平行して鉄ポルフィ

リン錯体を活性中心とするヘム蛋白質の常磁

性NMRの研究にも精力を注いだ。1970 年

代初めの頃であった。金属ポルフィリンの化

学やヘム蛋白質研究への転進の直接の動機は

それぞれの専門家との出会いがあるが、基盤

となる独自の研究手法を持っていたことが大

きかったと思う。この両者の研究は蛋白質と

そのモデルの研究を自ら行うことで相乗効果

を発揮した。この間にあって、私はたとえ市

販の測定装置を用いることがあっても、それ

に少しでも改良を加え独自の付加価値を付け

ることをモットーとした。これには当時測定

装置の入手に資金的に大変苦労したことが背

景にある。数百 ppm にも及ぶ常磁性 NMR ス

ペクトルや高圧下での NMR 測定手法、温度

ならびに圧力可変型紫外・可視スペクトル測

定手法、などを考案した。

私はその後ヘム蛋白質の構造と機能の相関

関係を研究するにあたり、測定手法を NMR

に限定せず、多種多様の物理化学的手法を適

材適所に用いることに注力した。「鶏を割く

に牛刀を用いる」ことはない。攻略する目標

をあらゆる角度から検討するのである。その

ためには国内外の他研究室にも積極的に出か

け多くの手法を取り入れた。他分野の常識で

も自分の分野に取り込めば独自のアイデアや

手法と成り得るのである。こうすることによ

ってそれぞれの手法の特異性を生かすことが

出来たように思う。学際領域の研究であり化

学の十字路といわれる生物無機化学の分野で

はこのことが特に重要である。80 年代の半

ば、ヘム蛋白質の研究においてヘム自身や蛋

白部分の化学修飾などの構造改変を施す研究

に飽き足らなくなっていたとき、私は院生を

他大学に派遣するなどして、いち早く遺伝子

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工学など新しい生化学的手法を取り入れた。

「盲蛇に怖じず」の心境であった。このよう

にして精取困難な蛋白質や人工変異蛋白質の

大量精製もできるようになり、対象とする蛋

白質の種類も増え、また、有機化学出身のス

タッフも加わって私の研究室のヘム蛋白質研

究は、「構造改変」・「構造解析」・「反応機構

と機能解析」の三位一体型の研究として著し

く進展した。とくに、ヘム酵素ペルオキシダ

ーゼやチトクローム P450 の研究はこれに取

り掛かった 70 年代半ばから 20 年を経て一挙

に進展を見るに至った。「研究というものは

スパイラル型で進展するものだ」を文字通り

体験してきたのである。

人工変異ヘム蛋白質を用いて蛋白質機能を

改変設計する蛋白質分子工学を更に進展させ

るために、新たに、エクソンシャッフリング

という分子進化仮説を取り入れた人工ヘム蛋

白質の設計と創成という挑戦的な研究に取り

組んだ。蛋白質分子を有機・無機分子の設計

のように、部分構造を組み合わせて自在に設

計したいという思いは生体分子を研究する化

学者なら誰しも持つであろう。これまでにな

い困難な課題に取り組んで 10 年、途半ばと

いったところであろうか。この課題に取り組

んだのは、これまでの構造生物学に代表され

る「生体分子の化学」から、これからの「生

命現象の化学」すなわち「ケミカルバイオロ

ジー」への移行をにらみ、蛋白質間の特異認

識機能を自在に制御する分子設計法を確立し

たいという思いが背景にあった。代表的なヘ

ム蛋白質のひとつであるチトクローム c は正

常細胞では電子伝達機能をもつが、アポトー

シスの状態ではプロテアーゼ機能をもつカス

パーゼという蛋白質と相互作用してこれを活

性化するのである。このように蛋白質間相互

作用の研究の重要性は、ヘム蛋白質の分野に

限っても研究の重点がシグナル伝達機能や発

現調節機能を持つ蛋白質に移ってきているこ

とからも伺われよう。脳の神経細胞に存在す

るニューログロビンは構造がミオグロビンと

類似しているものの、特定の蛋白質と相互作

用してシグナル伝達機能を担っていることが

最近私たちの研究室で明らかにされた。最近

の生物無機化学の国際会議でも、「ケミカル

バイオロジー」を指向した研究が目に付くよ

うになってきている。"Inorganic Physiology"、

"Inorganic Neurochemistry" などと題する研究

である。「細胞内の様々な化学プロセスを分

子レベルで制御する研究」は生体関連化学の

フロンティアとしてこれから大いに発展する

であろう。若い世代の方々には、自分の得意

とする武器を基盤として、盲蛇におじずの心

境で異分野に飛び込み、しかも研究対象・モ

デルの設定には充分時間をかけて選び、この

新しい分野に果敢に挑戦していただきたい。

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研究紹介

生体触媒反応を活用する機能性分子の合成

鳥取大学工学部 伊藤敏幸

[email protected]

1.はじめに

生体触媒反応の最大の特長は切れの良い不斉反応にある.我々のグループでは,生体触媒反

応と有機金属反応などの化学反応を組み合わせるという方法論でキラルな機能性分子の合成研

究を行ってきた.本稿では,「イオン液体」と「ポイントフッ素」をキーワードに行った研究例

を紹介させていただきたい.

2.「塩」のなかで行う酵素反応

化学反応に反応媒体は必須の要素であり,優れた反応媒体の開発が

化学反応のブレークスルーに直結した例は多い.最近新しい溶媒とし

てイオン液体が注目を集めている.たとえば, 1-ブチル-3-メチルイミ

ダゾリウム塩 [bmim]PF6 は室温で液体となる.しかも融点-61℃,沸点

300℃以上とその液体状を示す温度範囲が極めて広い.さらに,

[bmim]PF6 はエーテルにも水にも溶けないという面白い溶解特性も示

す.図 1 は,マジックインキで着色したエーテルとメチレンブルーで

着色した水と[bmim]PF6 を混合して静置したのち3層に分離する様子

を示したものである.最下層がイオン液体[bmim]PF6 であり,「塩」の

イメージが完全に覆されるような性質を示す(図 1).イオン液体の溶

媒としての特徴を列記すると,1) 蒸気圧がほとんどなく大気中に拡散

しない,2) 液体として存在する温度範囲が広く熱的に安定,3) 各種

の有機・無機物を選択的に溶解する,4)有機溶媒と混合した際にエマ

ルジョンを生成することがほとんどないなど,化学反応の溶媒として魅力的な性質を備えてい

る.1)

ただし,酵素の反応には最適温度や至適pHがあり,高濃度の塩類溶液中ではタンパク質の

変性を伴うことが生化学の教科書に述べられている.従って,「塩」そのものであるイオン性液

体を酵素反応の溶媒として使おうというアイデアは,生物学の観点からすると常識はずれの発

想と言えよう.ところがイオン液体を溶媒に酵素反応が進行することがわかってきた 1,2).図 2

にイオン液体を用いるリパーゼ触媒不斉アシル化反応システムを示した.酢酸ビニルをアシル

ドナーにラセミ体アルコールの不斉アシル化がイオン液体を溶媒に進行することがわかった.

特に 1-ブチル-2,3-ジメチルイミダゾリウム=テトラフルオロボラートを溶媒とすると,溶媒に

酵素を「固定化」して 10 回以上完璧なエナンチオ選択性で,全く反応速度を低下することなく

不斉アシル化反応が実現した.2d)このイオン液体中では,リパーゼは数ヶ月以上活性を保持す

図 1.水にも油にも溶け

ない不思議な「塩」イ

オン液体

エーテル

水[bmim]PF6

N NH3C C4H9

PF6

[bmim]PF6

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- -4

ることもわかっている.

さらに,イオン液体の特

徴の一つである不揮発性に

着目して,減圧条件で反応

を行うと,通常リパーゼの

アシル化には適さないメチ

ルエステルやエチルエステ

ルをアシルドナーに用いて

不斉アシル化反応が進行す

ることがわかった.2e)

ポリエチレングリコール

処理すると酵素などの不安

定なタンパク質を安定化す

ることがよく知られている.そこで,

ポリオキシエチレンアルカノールから

新規イオン液体 Brij-IL を合成し,有機

溶媒中に基質について 10 mol%程度(酵

素のモル比に対して 100 倍程度)添加

してアシル化を行うとエナンチオ選択

性が向上することを発見した.さらに,

このイオン液体で酵素を処理すること

でリパーゼの反応性が未処理のリパー

ゼ PS に較べて 40 倍以上加速し,エナ

ンチオ選択性も顕著に向上することを見いだした(図 3).2g) また,アルカリプロテアーゼ

Subtilisin の有機溶媒中での安定性が顕著に向上することもわかり,この手法を他の酵素につい

ても適応すべく,イオン液体の構造最適化を進めている.

3.キラルジフルオロシクロプロパンの合成

フッ素は全ての原子中で最大の

電気陰性度を持ち,水素に次いで

小さい原子サイズのために,有機

化合物中の水素をフッ素に置換す

ると,分子の形を変化させること

なく分子表面の電子密度や近隣の

官能基の反応性を変化させること

ができる.このため,フッ素化合

物は医薬品や機能性分子の材料として重要である.シクロプロパン誘導体には重要な生理活性

を持つものが多く知られる.そこで,我々はシクロプロパン骨格にジフルオロメチレン基をも

4

HOF F

H F

F

FF

HH

FFF

F

H

OHH

H

H

HH

H

図4. pentais-gem-difluorocyclopropaneの安定配座(PM3)

CH3

OH

CH3

OH

CH3

OAc

i-Pr2O, 35°C

O

O

CH3CHO

NNMe Bu OS OO

O

O n-C16H3310Me

Brij-IL

L

Brij-IL-coated lipasePS

反応速度40倍!エナンンチオ選択性アップ!

図3.イオン液体による酵素の活性化

R1 R2

OHH3C O

O

アシル化剤ラセミ基質アルコール

反応終了後エーテルを加える

(生成物はこちら)エーテル層

R1 R2

OH

R1 R2

OAc

基質アルコール

アシル化剤+

繰り返しリパーゼ

+イオン液体

イオン性液体層(酵素はこちら)10回以上繰り返して

酵素を利用できる!

図2. リパーゼ繰り返し利用システム

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つ gem-ジフルオロシクロプロパンに着目した.キラルな gem-ジフルオロシクロプロパンを 5 個

連結した分子をモデルに構造最適化してみるとラセン状になるなど,構造的にも大変興味深い

(図 4).ところが,gem-ジフルオロシクロプロパンの不斉合成は例が少なく,特に,gem-ジフ

ルオロビシクロプロパンやオリゴシクロプロパンの合成例は筆者らが研究に着手した際にはラ

セミ体の合成すら報告がなかった. そこで,鍵中間体としてキラルなビスヒドロキシメチル-

gem-ジフルオロシクロプロパン 5 ならびに 6 を設定し,リパーゼ不斉加水分解を鍵反応に用い

て不斉合成に成功した.3)

その結果,ビシクロプロパン 6 は実際にねじれた分子であることがわかった.ついで,これ

らの合成中間体をもとに,オリゴマー7,および 9,10や液晶分子 8の合成を行った(図 5).3) さ

らに,アントラセンを連結した gem-ジフルオロシクロプロパンを設計し,光触発型の DNA 切

断機能を持つことも見いだしている.化合物 8 ではピレンを連結している.シクロプロパンの

ねじれのため,ペプチドや DNA にたいして,基質特異的なマーカー分子にできるのではない

かと期待している.

4.ポイントフッ素化で昆虫フェロモンの分子認識機構を探る

フェロモン分子の立体化学と誘因活性には非常に多彩なパターンが存在しているが,その要

因は明らかになっていない.また,フェロモン分子が結合すると考えられているレセプタータ

ンパクについても,いまだにきちんと単離された例がない.そこで,フッ素を武器に,昆虫フ

ェロモンの分子認識

に取り組むことにし

た.

我々オリジナルの

分子内ラジカル環化

反応を鍵に,アフリ

カ原産の蛾である Eldana saccharina のフェロモンであるエルダノリドについてピンポイントに

フッ素化したアナログ 2FN,3FN,5FN の全てを不斉合成し,そのフェロモン活性(EAG 活性)を調

べた(図 6).4) フェロモン分子とこれら3種のフッ素アナログは分子の形はほとんど変化がな

HOOH

F F

F FOH

HOF F

F F

HH

HH

HO

OH

F F

H H

H H

HH

ROF F

HH

F FOR

FF

H

H

FFHH

H

H

O

O F F F F

OO

C9H19

OO

C9H19

HHH

H

(trans)-5 (trans,trans)-6 (trans,trans)-(meso)-6

7

10

98

ROO

F F

HH

ORO

FF

HH

F FH

H

O

RO FFFF

HH

HH

OR

O FFFF

HH

HH

OO

H

H

図5.gem-ジフルオロシクロプロパン誘導体

O OO

FF

O

2FN 5FN

F

F FO

FFO

3FN

O OF

F F

図6.ポイントフッ素化エルダノリドの不斉合成

Eldanolide

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- -6

いが,表面の電子密度の様子は全く違う.従って,フッ素アナログは誘因活性を失うのではな

いかと予想したが,ラクトン環の2位をジフルオロ化した 2FN は天然フェロモンと全く同様の

活性を示し,側鎖にフッ素を導入した 3FN,5FNの場合にはフェロモン活性が消失した.そこで,

B3LYP 計算でこれらの化合物の安定コンフォーマーを詳細に調べたところ,フェロモンでは

G2-2 が最も出現率が高い安定コンフォーマーであるが,活性のない 3FN では G1-2 が最安定と

なり,フェロモン分子では存在でき

ない T-3 コンフォーマーが 3FN では

安定に存在できることがわかった(図

7).フッ素化によるフェロモン活性

の違いを説明するヒントが得られた

ものと考えている.

5.おわりに

筆者のグループで展開中の研究テーマのなかで,イオン液体を溶媒とする酵素反応とフッ素

化機能性分子という二つの話題を紹介した.いずれも面白い現象が次々に見つかり有機合成の

面白さを満喫している.拙稿により少しでも多くの方が,「イオン液体」と「フッ素」に興味を

持って頂ければ幸いである.

文献

1) (a) “Ionic Liquids in Synthesis”, Eds, P. Wassersceid and T. Welton, Wiley-VCH (2003). (b)北爪智哉,

淵上寿雄,沢田英夫,伊藤敏幸,「イオン性液体(仮題)」,コロナ社 (2004),印刷中.(c) 伊藤

敏幸,化学と教育,2004,52(8)印刷中.

2) (a) Itoh, T.; Akasaki, E.; Kudo, K.; Shirakami, S. Chem. Lett. 2001, 262.(b) Itoh, T.; Akasaki, E.;

Nishimura, Y. Chem. Lett. 2002, 154. (c) Itoh, T.; Nishimura, Y.; Kashiwagi, M.; Onaka, M. "Ionic

Liquids as Green Solvents: Progress and Prospects," ACS Symposium Series 856, Eds, R. D. Rogers and

K. R. Seddon, American Chemical Society: Washigton DC, Chapter 21, pp251-261 (2003). (d) Itoh, T.;

Nishimura, Y.; Ouchi, N.; Hayase, S. J. Mol. Catalysis B: Enzymatic, 2003, 26, 41. (e) Itoh, T.; Ouchi,

N.;Hayase, S.; Nishimura, Y. Chem. Lett. 2003, 32, 654. (f) Itoh, T.; Ouchi, N.;Nishimura, Y.; Han S-H.;

Katada, N.; Niwa, M.;Onaka, M. Green Chemistry, 2003, 5, 494 . (g) Itoh, T.; Han, S-H.; Matsushita, Y.;

Hayase, S. Green Chem. 2004, 6, in press.

3) (a) Itoh, T.; Mitsukura, K.; Furutani, M. Chem. Lett. 1998, 903. (b) Mitsukura, K.; Korekiyo, S.; Itoh, T.

Tetrahedron Lett. 1999, 40, 5739. (c) Itoh, T.; Mitsukura, K.; Ishida, N.; Uneyama, K. Org. Lett. 2000, 2,

1431. (d) Itoh, T. J. Synth. Org. Chem. Jpn. 2000, 58, 316. (e) Itoh, T.; Ishida, N.; Mitsukura, K.;

Uneyama, K. J. Fluorine Chem. 2001, 112, 63. (f) Itoh, T.; Ishida, N.; Mitsukura, K.; Hayase, S.; Ohashi,

K. J. Fluorine Chem. 2004, 125, 775.

4) (a) Itoh, T.; Sakabe, K.; Kudo, K.; Zagatti, P.; Renou, M. Tetrahedron Lett. 1998, 39, 4071.(b) Itoh, T.;

Sakabe, K.; Kudo, K.; Ohara, H.; Takagi, Y.; Kihara, H.; Zagatti, P.; Renou, M. J. Org. Chem. 1999, 64,

252.(c) Itoh, T.; Kudo, K.; Tanaka, N.; Sakabe, K.; Takagi, Y.; Kihara, H.Tetrahedron Lett. 2000, 41,

4591.(d) Itoh, T.; Kudo, K. Tetrahedron Lett. 2001, 42, 1317. (e) Itoh, T.; Kudo, K.; Tanaka, N.; Zagatti,

P.; Renou, M. Enantiomer, 2001, 6, 43.(f) Itoh, T.; Kudo, K.; Yokota, K.; Tanaka, N.; Hayase, S.; Renou,

M. Eur. J. Org. Chem. 2004, 406.

21

20

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18

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45

1 3

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T-3

図7.フッ素化による安定配座の変化(B3LYP )

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研究紹介

金属錯体・金属タンパク質の新しい機能

京都薬科大学・代謝分析学教室 桜井 弘

[email protected]

1.はじめに

名称が与えられている 110 種の元素のうち、約 43 種が生命にとって必須かまたはおそらく必

須である。この 43 種の元素のうち、金属元素に属するものは、約 30 種に達する。“微量で存在

し、かつ種類が多い”金属元素が生命原型物質の誕生、分子進化、生命の誕生そして人類誕生

に到る生命の進化に本質的かつ動的に重要であったと理解される。すなわち、「金属元素が生命

をつくった」とまで極言できる程、われわれの健康や生命の維持にとって金属元素は重要な存

在である。これまで「生命と金属」に関する膨大な研究の蓄積にもとづいて生命観がつくられ

てきた。この生命科学研究の大潮流の中で、われわれのグループからの寄与はほんのわずかに

過ぎないことを自覚しつつ、われわれが意識して用いて来たキーワーズ「生体金属元素」、「酸

素分子と活性酸素種」、「疾病と薬」そして「太陽紫外光」の中で展開して来た研究をいくつか

に絞りごく概略的に紹介させていただく。すなわち、金属元素の特徴を生かした金属含有医薬

品の開発、金属の生理作用への関与と生体制御そして金属タンパク質メタロチオネインの新機

能の解明などを目指した研究に触れることとする。

2.糖尿病治療性金属錯体 1-6)

鉄、銅、マンガンやコバルトなどを日頃扱っていると、動物や植物中に時に検出されるバナ

ジウムは不思議に気になる存在である。この元素が糖代謝や脂質代謝に関与する元素であるら

しいとの情報があると、薬学にたずさわるわれわれにとっては、ますます惹きつけられる。こ

の元素を動物に投与してみればどうなるのだろうか?とまず試みた ESR を用いた実験(1980)

は、われわれを糖尿病治療薬の開発研究への道へと準備することとなった。そして 1990 年に世

界で初めて、実験 1 型糖尿病動物(ストレプトゾトシンを投与すると高血糖値となる)を用い

て経口投与で有効性を示すバナジル(4 価バナジウム、VO2+)-システインメチルエステル錯

体を提案することができた。この成果に勇気づけられて、バナジルの周囲の配位原子を種々に

変化した多数の錯体を合成して、生理活性を評価した。この時、大学の小さな一研究室で錯体

合成から薬理評価や剤型決定までの一連の研究を展開することは不可能に思われたが、コツコ

ツと評価・開発系を含む流れ系を長時間かけて築くことができた。こうして合成し、最終的に

有効性を評価できたバナジル錯体を図 1 に示した。これらの中で、天然化合物からヒントを得

た配位子 6-メチルピコリン酸やニンニクから得られる配位子アリキシンのバナジル錯体は 1 型

糖尿病動物に特に有効であり、かつ将来への医薬品開発への夢をつないでいる。

バナジン酸(5 価バナジウム)はリン酸とよく似た化学構造をもつためリン酸と同様に体内

に取り込まれていくと一般に考えられているが、バナジルイオンやバナジル錯体についても同

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- -8

様に考えられるかどうかは分からない。バナジルのみが特殊なのかどうかを改めて考えるため、

多くの金属イオンについて脂肪細胞を用いて in vitro インスリン様作用を調べたところ、Hg2+>

Se4+>Cd2+>V3+>V4+ (VO2+)>Zn2+>Mn2+の順に活性が見られた。Hg2+、Se4+および Cd2+は毒性元

素であるため医薬品への応用を見送り、また V3+は水溶液系や生体系では自動酸化を受け VO2+

となるため、やはりバナジルが選ばれることとなった。バナジルに続いて活性が見られたのは

ジンク(II)であったため、ジンク(II)錯体について研究することとした。ジンク(II)のインスリン

様作用は in vitro および in vivo で高用量を用いて調べられていたが、錯体に関しては全く未着

手であった。そこで、バナジル錯体の開発研究と同様の手法を用いて研究を展開した。

In vitroおよび in vivo実験にもとづいて、ジンク錯体、特にジンク(II)-マルトールやジンク(II)-6-

メチルピコリネートを経口的に 2 型糖尿病モデル動物(肥満型 KK-Ayや GK ラット)に投与す

ると血糖値を正常化させることが分かった。そしてごく最近、先程も述べたニンニクから得た

アリキシンを配位子とする錯体は優れた抗糖尿病活性を有していることも分かった。

このように医薬品開発に向けて基礎研究を進めながら、これらの錯体の作用機構も研究した。

脂肪細胞内の予想される様々な作用点の活性化剤や阻害剤を用いて調べたところ、バナジルや

ジンク錯体は、インスリン(インスリン受容体に結合して、細胞内にグルコースを取り込む)

の作用とは異なり、複数の作用点をもち、これらが同時に作用していると推定した。この作用

機構をアンサンブル機構 ensemble mechanismと名づけて、さらに詳しく研究している。

3.太陽紫外光による皮膚傷害防御性金属錯体 7-8)

オゾン層の減少とオゾンホール面積の拡大は、地上に紫外線 B(290-320 nm)のみならず

紫外線 A(320-400 nm)の増大をもたらすと懸念されてきた。最近の光化学・光生物そして皮

S2O2

N2O 2

N4

O 4

S4

N2S2VO(cysm)2

CH 2

NH 2H3COOCCH 2

CH 2NH2COOCH 3

V

O

S

S

CH2

VO(pdc)2

N NCH2 CH 2

CH2 CH 2CH 2 CH2

CH 2 CH2CC V

OS

S

S

S

VO(opt)2

S

OS

OV

O

NN

VO(pic)2

N

O NV

O

OO

O

VO(6mpa)2

V

O

CH 3

H 3C

N

NOO

OO

VO(5ipa)2

V

O

I

I

N

NOO

OO

VO(salen)

O

NN

OV

O

VO(ox)2 VO(sa)2 VO(ma)2 VO(mal)2

CH3

CH 3

V

OO

O

O

OOO

(VO) 2(tar)2

O

O

V

V

OO

O

O

O

O

O

O

O

O

O

O

VO(opd)2

O

OO

O

N

NV

O

VO(metf)2

N

N

V

NH

NO

NH

N

NH 2

HN

H 2N

N

CH3

CH3

CH 3

H3C

H

VO(TMpyP )

N

N N

N

V

O

N+ CH3N+CH 3

N+

CH3

+N

CH3

C

CC

CV

OO

O

OOO

O

O

O

CH

CH

V

OO

O

O

OH 2C CH 2V

OO

O

O

O

O

O

O

O

図 1.インスリン様作用を示すバナジウム(IV)錯体

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- -9

膚科学の研究の発展に伴い、どの領域の紫外光であれ、活性酸素種(ROS)生成により皮膚に

傷害を与えることが明らかにされた。しかし、これらの知見は、ほとんどが切除した皮膚組織

で研究されており、生きている動物で得られた成果ではなかった。

われわれの研究グループではリアルタイム生体計測法をあらゆる研究テーマの中心に置いて

検討し、定量的 in vivo 血液循環モニタリング-ESR(EPR)法(1997)、定量的 in vivo L-バンド

ESR(EPR)(1999)、化学発光を用いる皮膚中の活性酸素種(ROS)のイメージングと定量(2000)、

定量的 in vivo局部 L-バンド ESR(EPR)(2002)および速度論にもとづく NO電極を用いる in vivo

NO 定量法(2002)などを提案して来た。これらの中で生きている動物に紫外光を照射し、リ

アルタイムで ROSを検出するには化学発光法を用いる方法がもっともふさわしいと判断した。

ビタミン C、カロテノイド、抗酸化性天然物あるいは SOD を皮膚に塗布し、そこに、紫外線

A を照射してしばらくしてから ROS を計測すると、無処置と比較して皮膚中の ROS 生成は明

らかに減少していることが観測できた。さらに、抗炎症性やメタロチオネイン誘導能などをも

つジンク(II)や Zn(II)-ピコリネートなどのジンク(II)錯体を皮膚上に塗布、それを除去してから

紫外線 Aを照射しても有効に ROS生成を抑制するのみならず、経口的に与えても皮膚中の ROS

産生を抑えることが分かった。この成果は、ジンク(II)錯体をあらかじめ服用すれば、数時間後

にジンク(II)あるいはその錯体が角質層、表皮および真皮からなる皮膚組織に到達し、紫外線の

傷害から皮膚を防護できることを示した。現在、この原因となる因子を探索している。

4.メタロチオネインの新機能 9-10)

1957 年 Vallee らにより最初のカドミウムタンパク質として発見されたメタロチオネイン

(MT)は、(1) 約 7,000 の分子量をもつ低分子量タンパク質、(2) 構成 61 個のアミノ酸のうち

約 1/3 に当たる 20 個はシステイン残基で占められる、そして(3) 分子中に数個の重金属類が結

合しているなど、極めてユニークな特性をもっている。通常タンパク質や酵素は、それぞれ特

異性をもち、限定された機能をもっているが、この MT には重金属の解毒、必須微量元素のホ

メオスタシスの維持、そしてシステインチオール基によるフリーラジカルや ROS の消去など、

極めて漠然とした機能しか知られていなかった。一方、われわれは北海道大学で発見された遺

伝的肝障害ラット Long-Evans Cinnanon(LEC)ラットは、ウイルソン病やヒト肝細胞ガンの発

症形態によく類似していることに注目し、LEC ラット肝に MT が多量発現し、かつそれは銅

(Cu)(I)を結合していることを(1992年)明らかにした。さらに LECラット肝MTを分離し、H2O2

やăO2-などの ROS と反応するとăOH を産生し、これが原因となり肝障害や肝ガンを発症すると

提案した。すなわち、これまで MT は抗酸化性を有していると考えられて来たが、われわれは

逆に、生体に存在するăO2-や H2O2 などをさらに反応性の高いăOH に変換し、Cu-MT が肝障害

を発症・促進させる因子の一つと考えた。

ところで MT 分子にはこれまで 4 種類が存在することが知られているが、MT の生理活性と

分子種との関連性を調べた研究はほとんどなく、このため、MT の生理機能があいまいに捉え

られていたのではないかと考え、LEC ラット肝臓中の MT 分子種の分離定量をこころみること

とした。この目的のためにポリアクリルアミドでコーティングしたキャピラリー電気泳動法を

用いた。LECラットの肝細胞質に存在するMT-1とMT-2の比、すなわち、MT-1/MT-2は、LEC

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- -10

ラットの年齢が増す、すなわち肝障害増大へ向かうほど小さくなる、つまり MT-2 濃度が高く

なり、一方、通常用いる Wistar ラットに毒性金属として知られるカドミウム(Cd)を投与して

MT レベルを上昇させると、MT-1/MT-2 比は大きくなる、つまり MT-1 濃度が高くなることが分

かった。この結果は、われわれが以前に見出した現象、すなわち、Cu-MT-2 の方が Cu-MT-1 よ

りもăOH 産生能-や DNA 切断活性が高いこととよく一致した。LEC ラットは遺伝子 ATP7B が

欠損していることが明らかにされているが、この事実が MT-1/MT-2 の誘導比に関連するかはこ

れからの問題である。とにかく、MT-2 は Cu など必須元素に対して高い親和性をもち、必須金

属元素のホメオスタシスに関係し、一方、MT-1 は Cd などの毒性元素に高い親和性を示し、毒

性元素の解毒と代謝に関係するという結論に近づきつつある。ようやく作業仮設を得ることが

出来たため、これから本格的にMTの生理機能解明に向けて取り組みたいと考えている。

5.参考文献

1) H. Sakurai, Y. Kojima, Y. Yoshikawa, K. Kawabe, and H. Yasui, Coord. Chem. Rev., 2002, 226, 187-

198.

2) H. Sakurai, The Chem. Record, 2002, 2, 237-248.

3) H. Sakurai, H. Yasui, and Y. Adachi, Expert. Opin. Invest. Drugs, 2003, 12, 1189-1203.

4) H. Sakurai and H. Yasui, J. Trace Elem. Exp. Med., 2003, 16, 269-280.

5) H. Sakurai, A. Tamura, J. Fugono, H.Yasui, and T. Kiss, Coord. Chem. Rev., 2003, 245, 31-37.

6) H. Sakurai, J. Fugono, and H. Yasui, Mini-Rev. Med. Chem., 2004, 4, 41-48.

7) H. Yasui and H. Sakurai, Biochem. Biophys. Res. Commun., 2000, 269, 131-136.

8) H. Sakurai, H. Yasui K. Mishina, and, H. Nishimura, Biomed. Res. Trace Elem., 2003, 14, 17-21.

9) H. Sakurai, H. Kamada, A. Fukudome, M. Kito, N. Otaki, M. Kimura, K. Nakajima, K. Kawano, and T.

Hagino, Biochem. Biophys. Res. Commun, 1992, 185, 548-552.

10)S. Nakamura, T. Kawata, A. Nakayama, K. Kubo, T. Minami, and H. Sakurai, Biochem. Biophys. Res.

Commun., 2004, 320, 1198-1198.

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- -11

研究紹介

酸素活性種を含む金属錯体の合成と機能制御

金沢大学理学部化学科 鈴木 正樹

[email protected]

はじめに

生体系には様々な金属イオンが酸素分子の運搬や酸化・酸素化反応の反応中心として作用し

ている.例えば,ヘモシアニン(二核銅活性中心)やヘムエリスリン(二核鉄活性中心)は,酸素分

子を2電子還元し,生成したパーオキソ基を安定に結合して酸素運搬や貯蔵を行っている.こ

れらとは対照的に,多核銅,あるいは二核鉄錯体を含む金属タンパク質であるメタンモノオキ

シゲナ-ゼ(MMO)などは,パーオキソ基をさらに2電子還元し,酸素—酸素結合の開裂によ

りさらに活性化して酸化酵素として作用している.

一方,光合成系 II の酸素発生中心では,四核マンガンクラスターが水分子を酸化して酸素—

酸素結合を生成し,酸素分子を作りだしており,このような機能の発現には,二核あるいは多

核金属錯体が重要な役割を担っている.

Mn+2O

Mn+2

O2Mn+ +O2

R–H R–OH

2Mn+1 + O2-

2H2O + xMnm+ O2 + 4H+ + xMnn+

Mn+1(O2)Mn+1

R–H R–OH

筆者らはこうした金属錯体による特異的機能発現機構に興味を持ち,モデル化合物の合成研

究を通じて,反応途中で生成する様々な酸素活性種を単離同定し,その構造及び電子状態と反

応性相関を明らかにすることを目的としている.本稿ではこのような特異機能を持つ多核金属

タンパク質の機能モデルとして

1) 銅錯体による酸素分子の4電子酸化還元による酸素—酸素結合の可逆的開裂と再生の制御,

2) 高原子価 bis(µ-oxo)Ni(III)2錯体の創成と酸化能,について紹介する.

(1) 銅錯体による酸素分子の可逆的 4電子酸化還元と配位子の水酸化反応 1–3

酸素活性種を含む錯体は反応性に富み、様々な副反応により失活するため単離は難しい.し

かし、活性部位を疎水的環境で保護し、低温で合成することにより単離することが可能である.

図 1 に示したピリジル基の 6 位にメチル基を導入した一連の立体的にかさ高い三脚型四座配位

子を含む銅(I)錯体([Cu(L)]+)は、–80°C の低温で酸素分子と反応して、bis(µ-oxo)Cu(III)2 錯体

([Cu2(O)2(L)2]2+)を生成する.しかし、これら錯体は熱的に不安定であり、例えば、Me2-etpy 及

び Me3-tpa 錯体は–80°C の低温でも容易に分解する.この分解反応は、オキソ基が配位子のメチ

ル基やメチレン基の水素原子を引抜く酸化反応による.図1に示した三つの配位子では、メチ

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- -12

ル基やメチレン基を重水素化すると速度論的同位体効果により安定化する.例えば Me2-etpy の

bis(µ-oxo)Cu(III)2 錯体は、配位子のメチレン基を重水素化([Cu2(O)2(Me2-etpy-d4)2]2+)することによ

り、–80°Cで数日間程度安定となり結晶化が可能となる.

これらオキソ錯体に–80°Cの低温で窒素を吹き込むと、酸素分子を放出して銅(I)錯体に戻る.

すなわち、銅(I)錯体と bis(µ-oxo)Cu(III)2 錯体は酸素分子を可逆的に4電子酸化還元する能力を

持っている.この平衡は、配位子の立体的効果により制御することが可能である.図1に示し

た配位子でペンダント基として 5 員キレート環を持つ Me2-tpa から 6 員キレート環を持つ Me2-

etpy へと変化すると、また Me2-tpa のピリジル基にさらにメチル基を導入していくと酸化還元

電位(E1/2(Cu(II)/Cu(I))は,–140 (Me2-tpa) < 0.0 (Me2-etpy) < 70 (Me3-tpa) mV vs. Ag/AgNO3と大きく

正側にシフトし、銅(I)状態が安定化して平衡を銅(I)錯体に大きく偏らせることができる.現在

のところ,酸素分子の可逆的4電子酸化還元反応が可能な系はこれら錯体に限られている.そ

の理由の一つとして,上記三脚型四座配位子は,銅(I)および銅(III)状態のいずれの状態をも安

定化することが可能な構造を取ることができるためと思われる.すなわち,銅(I)錯体では三角

錐構造を取って安定化し,銅(III)錯体では,d8 電子配置で安定な平面型構造を取って安定化す

る.

また、上でも述べたが bis(µ-oxo)Cu(III)2 錯体の配位子の酸化に対する反応性も配位子の立体

的効果により大きく影響される.銅(I)錯体が安定化するほど配位子に対する酸化能は増大する.

オキソ種による配位子の酸化反応に対する反応性

大 小

大小

可逆的4電子酸化還元平衡

K

N N

N

N

N

Me

MeN

N

N

Me

MeN

N

N

N

X3C

CX3

CX3

X X

X

X

XX

XX

XX

Me3-tpa Me2-tpaMe2-etpyX = H or D

K+ O2

– O2

NH

NMe

N

N MO

H

CuIII O CuIII

O

CuI

図 1 酸素分子の4電子酸化還元能および配位子のメチレン基を水酸化する能力を有する銅錯体

([Cu(Me2-etpy)]+と[Cu2(O)2(Me2-etpy)2]+の例を Chem3Dの図で示した)

Page 14: Vol.19, No.2 (2004.09)

- -13

すなわち,高原子価 bis(µ-oxo)Cu(III)2錯体は不安定化し活性となる.Me3-tpaの bis(µ-oxo)Cu(III)2

錯体では、配位子のメチル基およびメチレン基を全て重水素化しても酸化反応は素早く起こる.

この Me3-tpa 錯体ではメチル基及びメチレン基の両方が酸化される.以上のように、配位子近

傍の立体化学により、bis(µ-oxo)Cu(III)2 錯体の反応性を大きく制御できることが明らかとなっ

た.オキソ高原子価二核錯体の反応性については,次のニッケル錯体で,様々な酸素活性種が

得られており,それらについて紹介する.

(2) 様々な酸素活性種を含むニッケル錯体の創製と反応性 4,5

銅錯体と同様に Me3-tpa を用いると、ニッケルでも bis(µ-hydroxo)Ni(II)2 錯体 ([Ni2(OH)2(Me3-

tpa)2]2+ (1))と過酸化水素との反応により bis(µ-oxo)Ni(III)2 錯体([Ni2(O)2(Me3-tpa)2]

2+ (2))が得られ

る(図 2).この錯体 2 も非常に反応性に富み–80°C の低温でもゆっくりと配位子のメチル基を酸

化する.酸化反応の重水素化効果から C-H 結合の切断が律速段階であることが明らかとなって

いる.また,錯体 2 と過剰の過酸化水素を反応すると, bis(µ-superoxo)Ni(III)2 錯体

([Ni2(O2)2(Me3-tpa)2]2+ (3))が得られる(図 2).この superoxo 錯体は,二つの superoxo 基の間の不

均化反応により錯体 2 を再生する.錯体 2 の窒素雰囲気下での酸化反応では,メチル基の水酸

化やメチルラジカル同士が二量化した配位子が得られる.一方,酸素雰囲気下ではメチル基が

カルボン酸にまで酸化された配位子が回収された.このメチル基がカルボン酸にまで酸化され

る反応は Me2-tpa を含む錯体でも見られ,反応中間体は下記に示す bis(µ-alkylperoxo)Ni(II)2 錯体

であることが明らかとなった.

上と同様に Me2-tpa の bis(µ-hydroxo)Ni(II)2 錯体([Ni2(OH)2(Me2-tpa)2]2+ (4))と過酸化水素との

反応から, bis(µ-oxo)Ni(III)2 錯体 ([Ni2(O)2(Me2-tpa)2]2+ (5))と bis(µ-superoxo)Ni(III)2 錯体

([Ni2(O2)2(Me2-tpa)2]2+ (6))が得られるが,酸素存在下ではメチル基の一つが alkylperoxo 基となっ

た bis(µ-alkylperoxo)Ni(II)2錯体([Ni2(Me2-tpa-OO)2]2+ (7)が得られる(図 3).この alkylperoxo 錯体 7

のパ-オキソ基の酸素は,同位体ラベル実験から酸素分子由来であることがわかった.この錯

体 7 はかなり安定であるが,分解するとパ-オキソ基はカルボン酸とアルコールになることが

配位子回収実験から明らかとなった.

また,H218O 存在下で alkylperoxo 錯体 7 を分解すると生成したカルボン酸およびアルコール

に 18O が含まれることがわかった.これらの実験結果より,図 3 に示した反応機構が考えられ

る.すなわち,まず bis(µ-oxo)Ni(III)2 錯体 5 が配位子のメチル基の水素原子を引抜く,その結

果生成した配位子のメチルラジカルが酸素分子と反応して alkylperoxyl ラジカルとなり.これ

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[NiII2(OH)2(Me3-tpa)2]2+ (1)

( 1 equiv.)

H2 O2

-90°Cin MeOH

[NiIII2(O)2(Me3-tpa)2]2+ (2)

in MeOH

H2 O2

[NiII2(OO)2(Me3-tpa)2 ]2+ (3)

-60°C

(excess)

O

NiIII

OO

NiIINiII

OH

OH

図 2 [Ni2(OH)2(Me3-tpa)2]2+錯体と過酸化水素との反応で生成する酸素活性種を含むニッケル錯体

Page 15: Vol.19, No.2 (2004.09)

- -14

を経て alkylperoxo 錯体 7 が生成すると考えられる.この alkylperoxyl ラジカルから錯体 7 を生

成する過程は,現在のところ明らかではない.次に錯体 7 のパ-オキソ基は酸素—酸素結合の

homolysis あるいは heterolysis によりアルデヒド(8)となる.このアルデヒド(8)の酸素は外部の

水との反応により生成するアセタールを通して交換される.さらに Cannizzaro 反応によりカル

ボン酸とアルコールが生成する機構が考えられる.

本稿では,上に得られている様々な酸素活性種を含む錯体の詳細な構造については省いたが,

一連の活性化過程を理解するには、これら反応途中に生成し、キ-化合物となる不安定活性種

の snap shot が重要な役割を果たす.そのためには、キ-化合物となる不安定活性種をある程度

安定化して単離することが可能なモデル化合物を設計し、その構造と物性および機能相関を明

らかにすることが、今後さらに重要になると思われる。

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LNiIIIO

NiI IILO

+ O2

LNiIIO

NiI IL

OHC

H

LNiIIO

OC

LNiIIO

CH2

oxygen exchange by H2O

LNiIIHO

NiI ILOH

OC

O C

H

NiI ILOC

H

H2

O

HO C

H

LNiIIHO

NiI II

O

CH2

Cannizzaroreaction

oxidationO-O bond cleavage

H-abstraction

-20°C

+

acetal

[Ni2(O)2(Me2-tpa)2]2+ (5)

[Ni2(Me2-tpa-OO)2]2+ (7)

(8)

O

NiII

O

図 3 [Ni2(OH)2(Me2-tpa)2]2+錯体と過酸化水素との反応による配位子の酸化反応機構

1) H. Hayashi, S. Fujinami, S. Nagatomo, S. Ogo, M. Suzuki, A. Uehara, Y. Watanabe, and T.

Kitagawa, J. Am. Chem. Soc., 122, 2124 (2000).

2) H. Hayashi, K. Uozumi, S. Fujinami, S. Nagatomo, K. Shiren, H. Furutachi, M. Suzuki, A. Uehara,

and T. Kitagawa, Chem Lett., 2002, 416.

3) M. Mizuno, H. Hayashi, S. Fujinami, H. Furutachi, S. Nagatomo, S. Otake, K. Uozumi, M. Suzuki,

and T. Kitagawa, Inorg. Chem.,42, 8534(2003).

4) K. Shiren, S. Ogo, S. Fujinami H. Hayashi, M. Suzuki, A. Uehara, Y. Watanabe, and Y. Moro-oka, J.

Am. Chem. Soc., 122, 254 (2000).

5) J. Cho, H. Furutachi, S. Fujinami, and M. Suzuki, Angew. Chem. Int. Ed., 43, 3300–3303(2004).

Page 16: Vol.19, No.2 (2004.09)

- -15

第 19回 生体機能関連化学シンポジウム

主催 日本化学会生体機能関連化学部会

共催 高分子学会,日本薬学会,日本農芸化学会,日本分析化学会

会期 10月 8日(金),9日(土)

会場 東京大学弥生講堂及び農学部キャンパス

S1 会場弥生講堂一条ホール

10月 8 日 午前

座長 塩谷 光彦 (9:20~10:00)

1S1-02 バイオミメティック触媒の創製とクリーン物質

変換反応(九大院工)○嶌越恒・作森恵美子・工藤聖・

久枝良雄

1S1-03 リン酸-リン酸結合形成における金属イオンの

役割(名工大工)○舩橋靖博・小菅三和・米田淳郎・瀧

知庸衣・小澤智宏・実川浩一郎・増田秀樹

座長 森井 孝 (10:00~11:00)

1S1-04 微粒子バイオパターニングを目指した金属酸化

物認識ペプチドの選択性(東北大多元研・東北大院工)

○梅津光央・水田真道・大原智・高見誠一・渡邊秀樹・

津本浩平・熊谷泉・阿尻雅文

1S1-05 水晶発振子を用いたユビキチン-プロテアソー

ム系タンパク質転移反応の観察(東工大院生命理工・フ

ロンティア・CREST-JST)○古澤宏幸・南出麻子・岡畑

恵雄

1S1-06 人工レセプターによるリン酸化タンパク質ăペ

プチドの特異的認識(九大院工・九大先導研・さきがけ

21)○王子田彰夫・本田圭・井上雅晶・浜地格

座長 三原 久和 (11:00~12:00)

1S1-07 ペプチド-DNAコンジュゲートを利用したペプ

チド-蛋白質相互作用検出(九大院工)○野島 高彦・上

村 恵子・大塚 圭一・脇 道典・竹中 繁織

1S1-08 酸化還元応答する非天然ヌクレオシドの機能評

価(静岡理工大理工)○幡野明彦・桐原正之

1S1-09 天然糖脂質におけるコアセルベートからのベシ

クルへの化学進化(産総研環境化研)○井村知弘・根岸

秀之・池上徹・柳下宏・北本大

10 月 8 日 午後

座長 二木 史朗 (15:00~16:00)

1S1-10 ジェミニペプチド脂質. 人工多細胞システム

自在制御のための分子スイッチ(奈良先端大院物質)○

佐々木善浩・岩本伸太郎・大槻理志・菊池純一

1S1-11 アセチレン結合で連結した超分子ポルフィリン

による二光子光線力学療法(奈良先端大物質創成・浜松

医大光量子医研・東工大生命理工)○小川和也・稲葉優

介・長谷川秀樹・小夫家芳明・井上英幸・金光義彦・河

野栄治・平野達・小倉俊一郎・大倉一郎

1S1-12 糖連結ポルフィリン誘導体の合成と HeLa 細胞

への取り込み特性および光毒性(奈良女大院・奈良先端

大物質・阪府高専)○小幡誠・廣原志保・尾形信一・大

槻主税・東田卓・谷原正夫・矢野重信

座長 矢野 重信 (16:00~17:00)

1S1-13 ポリプロリンが形成する二次構造の安定性(阪

府大先端研・阪工大工)○柿木佐知朗・岡勝仁・平野義

1S1-14 グラム陰性細菌の Quorum Sensing に対するオ

ートインデューサーアナログの効果(宇都宮大工・広島

大院先端物質科学)○池田宰・石田丈典・塩野智隆・諸

星知広・加藤紀弘・加藤純一

1S1-15 植物培養細胞による配糖化(岡山理大理)○浜

田博喜・権純一・原隆文・古谷力

10 月 9 日 午前

座長 前田 瑞夫 (9:00~10:00)

2S1-01 新規フルオレセイン骨格に基づいた細胞膜透過

型β-ガラクトシダーゼ検出蛍光プローブの論理的開発

(東大院薬)○神谷真子・浦野泰照・廣瀬謙造・長野哲

2S1-02 バイオセンサーを用いた光応答性 T7 プロモー

ターへの T7 RNA ポリメラーゼの結合の直接観察(東大

先端研・JST PRESTO)○劉明哲・浅沼浩之・小宮山真

2S1-03 ヘム含有型気体分子センサータンパク質の構造

機能相関(岡崎統合バイオ)○青野重利・吉岡資郎・小

林克彰・稲垣さや香・吉村英哲

Page 17: Vol.19, No.2 (2004.09)

- -16

座長 小宮山 真 (10:00~11:00)

2S1-04 イソチオウロニウム誘導型アニオンセンサー;

単一分子系から組織化アプローチ(埼大工・埼大理)○

三澤善大・時田澄男・久保由治・大熊広和・中原弘雄

2S1-05 金(I)クラスターによる銀(I)イオン認識と

発光特性(筑波大化学)○鈴木正寿・石川葉子・Nagina

Amir・宮下芳太郎・藤澤清史・岡本健一

2S1-06 ポルフィリン及びナフタレン基連結型ヘムエリ

トリン類似骨格を有する複核ルテニウム錯体の合成とそ

の光化学的性質(奈良女大院人間文化・奈良先端大院物

質創成・奈良女大生環・北大工・阪市大院理・理研・関

西学院大理工)○中井美早紀・小幡誠・谷原範江・大槻

主税・原田雅史・秋本誠志・山崎巌・市村彰男・木下勇・

星野幹男・御厨正博・矢野重信

座長 青野 重利 (11:00~12:00)

2S1-07 走査型電気化学顕微鏡(SECM)によるマイク

ロチャンネル内のウシ胚呼吸活性イメージングとその応

用(東北大院環境科学)○齋藤剛史・呉 靖宙・珠玖仁・

末永智一・阿部宏之・星宏良

2S1-08 抗体アレイチップを用いたマルチ電気化学イム

ノアッセイシステム(III):簡便化と小型化(東北大院

環境科学・東北大院工・第一化学薬品(株)・(株)アイ・

ティ・リサーチ)○小笠原大知・平野悠・安川智之・珠

玖仁・末永智一・牛澤幸司・川端荘平

2S1-09 組換え微生物の on-chip デバイス化と環境汚染

物質スクリーニング(東北大院環境科学・国立環境研)

○松井伸人・長峯邦明・彼谷高敏・安川智之・珠玖仁・

末永智一・白石不二雄

10 月 9 日 午後

座長 大須賀 篤弘 (15:00~16:00)

2S1-10 トリポッド型配位子を内包する光捕集ポルフィ

リンマクロリング(奈良先端大物質)○倉持悠輔・佐竹

彰治・小夫家芳明

2S1-11 水溶性ロジウム・イリジウムヒドリド錯体を用

いた pH制御によるアミノ酸合成(阪大院工・PRESTO・

CREST)○上原啓嗣・小江誠司・福住俊一

2S1-12 金属錯体型人工 DNA を用いた金属イオン配列

化と相互作用制御(東大院理・JSTさきがけ・城西大理)

○田中健太郎・竹沢悠典・阿形拓也・加藤立久・塩谷光

座長 田中 健太郎 (16:00~17:00)

2S1-13 メソ-メソ結合ポルフィリン亜鉛錯体とゲスト

分子の水素結合によるらせん構造の誘起(京大院理・

CREST)○池田忠作・大須賀篤弘

2S1-14 遷移金属錯体とcyt cの電子移動メカニズムの解

明 —分子認識プローブとしての光学活性Ru錯体—(名

工大院工)○高橋勇雄・加藤貴志・舩橋靖博・小澤智宏・

実川浩一郎・増田秀樹 に変更

2S1-15 生体分子を利用したフォトニックワイヤー-

Ru,Os 錯体を結合した人工亜鉛フィンガーの構築(東

理大理)○小野田晃・小林茂則・金子健二・荒井望・秋

山太一・島津直史・山村剛士

S2会場1号館 8番教室

10月 8 日 午前

座長 青山 安宏 (9:20~10:00)

1S2-02 ストレプトアビジン融合インポーティンタンパ

クを用いたプラスミド DNA の核内移行促進(阪市大院

工)○長崎健・川津猛

1S2-03 核酸の四重らせん構造を溶媒で制御する(甲南

大 FIBER・甲南大理工)○三好大輔・狩俣寿枝・井上真

美子・杉本直己

座長 樋口 恒彦 (10:00~11:00)

1S2-04 核酸運搬体としての糖クラスター(京大工)堀

内昌平・松井和樹・新実雄介・大崎史雄・山東信介・世

良貴史・○青山安宏

1S2-05 D-および L-グルタミン酸を主鎖骨格に用いた

種々の配列を有するペプチドリボ核酸(PRNA)の合成

と DNA との相互作用(阪大院工・PRESTO 合成と制御

/JST・ICORP エントロピー制御/JST)○和田健彦・

橋本裕介・佐藤博文・井上佳久

1S2-06 グルタミン酸に結合する修飾 DNA アプタマー

の創製(群大工)○大沢和臣・中村明子・桑原正靖・尾

崎広明・澤井宏明

座長 杉本 直巳 (11:00~12:00)

1S2-07 非天然水素結合対で形成されるアルキニル C-

Page 18: Vol.19, No.2 (2004.09)

- -17

ヌクレオチドオリゴマーの合成と物性(富山医薬大薬・

JST戦略創造)○森川智幸・千葉順哉・井上将彦

1S2-08 Ce(IV)-EDTA による DNA の位置選択的加水

分解とそれを利用した遺伝子組み換え(東大先端研)○

北村佳仁・吉田淳哉・陳文・森智史・周静敏・須磨岡淳・

小宮山真

1S2-09 核酸のハイブリダイゼーションを用いた光ドラ

ッグリリース反応の制御(京大院工)○田邉一仁・城幸

弘・向井慎・西本清一

10 月 8 日 午後

座長 福住 俊一 (15:00~16:00)

1S2-10 金属配位性を有する DNA コンジュゲ-トの協

同的ハイブリダイゼーションを利用した遺伝子の蛍光検

出(熊本大工・崇城大工)○北村裕介・岡田健治・辻村

祐輔・田崎正人・井原敏博・城昭典

1S2-11 メソ位に複素五員環を有する水溶性金属ポルフ

ィリンによる DNA の光切断(慶大理工)○樋口靖展・

吉岡直樹・井上秀成

1S2-12 塩基配列の異なるピロリジン環を含むオキシペ

プチド核酸の合成と DNA との相互作用(岡山大工)○

北松瑞生・重安政憲・岡田知之・宍戸昌彦

座長 和田 建彦 (16:00~17:00)

1S2-13 主鎖骨格中に N-メチルアミノ酸を含む新規ペ

プチド核酸の合成(岡山大工)○中村清香・北松瑞生・

宍戸昌彦

1S2-14 人工 DNA 結合タンパク質を用いた DNA ウイ

ルス複製の阻害(トーレーメサ研)世良貴史

1S2-15 立体制御されたホスホロチオエート型オリゴデ

オキシシチジン DNA が形成する四重鎖の安定性と構造

(京工繊大繊維・京大国際融合研)○金折賢二・吉田寛

之・田嶋邦彦・牧野圭祐

10 月 9 日 午前

座長 岡畑 恵雄 (9:00~10:00)

2S2-01 触媒抗体の加水分解機構に関する熱力学的解

析:遷移状態安定化と基質不安定化(阪府大先端科学研・

生物分子工学研・京府大院農・東医歯大院疾患生命科学)

○円谷健・織田昌幸・伊藤暢聡・鈴木香代・藤井郁雄

2S2-02 光化学系 I 電荷分離反応の分光増感-人工色

素直接修飾によるアプローチ-(東大生産研・JR 東海)

○溝口信二・仲村亮正・吉田英美・加藤祐樹・渡辺正

2S2-03 アミロイドベータ蛋白(1-40)の重合と銅(II)

キレート(山形大理)西田雄三

座長 嶌越 恒 (10:00~11:00)

2S2-04 アルギニンを用いた新規蛋白質可溶化・再活性

法-封入体構造を利用した蛋白質巻き戻し-(東北大院

工・東北大多元研)〇津本浩平・梅津光央・新田茂輝・

阿尻雅文・荒川力・熊谷泉

2S2-05 三回対称ペプチド分子の自己集合によるナノカ

プセルの構築(九大院工)○村里和也・松浦和則・君塚

信夫

2S2-06 His と Glu 残基を金属配位部位とするヘリック

スペプチドの合成と性質(群馬大工)○木村祥亮・奥浩

之・山田圭一・片貝良一

座長 南後 守 (11:00~12:00)

2S2-07 シトクロム c の酸化還元電位調節の分子機構

(筑波大院数理物質科学・広島大院生物圏科学)高山真

一・三上真一・太虎林・立入直紀・三田肇・長友重紀・

三本木至宏・○山本泰彦

2S2-08 好熱菌由来酵素活性の超音波照射効果(東工大

院生命理工・フロンティア)○川崎剛美・星野友・石津

縁・水城悠・岡畑恵雄

2S2-09 酵素の基質結合サイトに着目したヘムオキシゲ

ナーゼの反応選択性の制御(岡崎統合バイオ・東北大多

元研・山形大医)○藤井浩・松井敏高・海野昌喜・Xuhong

Zhang・斉藤正男・吉田匡

10 月 9 日 午後

座長 小寺 政人 (15:00~16:00)

2S2-10 光合成膜でのアンテナ系タンパク質/色素複合

体(LH2)の脂質膜中での組織化(名工大院物質工・名

工研・名大院理・筑波大物質工)○末守良春・篠原清・

飯田浩史・柴田穣・伊藤繁・住斉・南後守

2S2-11 光合成膜でのアンテナ系タンパク質/色素複合

体(LH1)のカロテノイドを含む再構成とその機能評価

(名工大院工・阪市大院理)○中川勝統・西村絵美・藤

井律子・柳和宏・橋本秀樹・南後守

2S2-12 ミオグロビン中でのヘム側鎖プロピオン酸によ

るリガンド結合制御機構解明(九大院工・理研播磨 /

SPring-8 2・姫工大院理・京薬大)○原田勝好・林高史・

松尾貴史・佐藤秀明・久枝良雄・杉本宏・牧野正知・城

宜嗣・廣田俊・舟崎紀昭

座長 津本 浩平 (16:00~17:00)

2S2-13 膜結合型 NO 還元酵素の反応機構解析(理研播

磨・京大院工・阪大蛋白研・阪大院基礎工・金沢大院自

然)○汲田英之・松浦宏治・日野智也・高橋聡・堀洋・

福森義宏・森島績・城宜嗣

2S2-14 地球生命における L-アミノ酸選択機構(奈良

女大食物)○小城勝相・内野博美・吉村麻由・田中恭子

2S2-15 レクチンに特異的に結合する糖鎖修飾 DNA の

in vitro selection(神戸大総合人間科学)松井雅之・鬼沢

明子・○江原靖人

Page 19: Vol.19, No.2 (2004.09)

- -18

S3会場2号館第 1講義室

10月 8 日 午後

座長 浜地 格 (15:00~16:00)

1S3-10 広い濃度領域で測定可能な亜鉛蛍光プローブの

開発(東大院薬・JST さきがけ)○小松兼介・花岡健二

郎・川端絵里・菊地和也・長野哲雄

1S3-11 アポトーシス細胞の染色を目的とした新規亜鉛

蛍光プローブの開発(広島大院医歯薬総合・東理大薬・

理学電機 X 線研・広島大総合科学)○桜間和紗・高澤涼

子・山田泰之・田沼靖一・城始勇・武田敬・木村榮一・

青木伸

1S3-12 リボヌクレオペプチド複合体を利用した蛍光セ

ンサーの開発(京大エネルギー理工研)○萩原正規・田

邊優紀子・佐藤慎一・長谷川哲也・吉川進・大久保捷敏・

森井孝

座長 長崎 健 (16:00~17:00)

1S3-13 ピレン蛍光を活用した DNA の高次構造変化の

モニタリング(京大院工・日大工・SORST)○岡本晃充・

越智祐司・金谷啓一郎・齋藤烈

1S3-14 Semi-wet- Protein array を用いた酵素アッセイ

(九大先導研)○田丸俊一・清中茂樹・浜地格

1S3-15 ケージド細胞培養基板上での細胞接着の光スイ

ッチング(理研・神奈川大理)○中西 淳・菊地由希子・

宝田 徹・中山秀一・山口和夫・前田瑞夫

10 月 9 日 午前

座長 渡辺 芳人 (9:00~10:00)

2S3-01 1,2-Bis(2-pyridyl)ethane 部位を持つ TPA 二

核化配位子によって安定化された二核鉄錯体が触媒する

エポキシ化反応(同志社大工)○伊藤元陽・小寺政人・

加納航治

2S3-02 システインおよびセレノシステインのニトロソ

化およびニトロ化に関する合成モデル研究(東大院理・

分子研)○島田恵一・後藤敬・川島隆幸・高木望・崔隆

基・永瀬茂

2S3-03 キノヘモプロテイン・アミン脱水素酵素の有機

補欠分子 CTQ(システイン・トリプトフィルキノン)

の化学的性質と機能(阪市大院理)○村上曜子・吉本教

行・舘祥光・伊東忍

座長 成田 吉徳 (10:00~11:00)

2S3-04 サレン鉄錯体を用いた非ヘム鉄酵素のモデル研

究:二電子酸化生成物の電子構造と反応性(岡崎統合バ

イオ・理研)○倉橋拓也・小林義男・藤井浩

2S3-05 ルテニウムポルフィリンの触媒する N-アシル

環状アミン類の N-アシルアミノ酸への直接変換(名市

立大院薬)伊藤里奈・梅澤直樹・○樋口恒彦

2S3-06 自己組織化中空錯体の内部空間におけるペプチ

ドの特異的認識(東大院工・CREST・東工大院理工・高

エネ研)○田代省平・富永昌英・河野正規・吉沢道人・

Therrien Bruno・藤田誠・尾関智二・足立伸一

座長 大倉 一郎 (11:00~12:00)

2S3-07 チロシン含有ペプチドによるシトクロムcおよ

びプラストシアニンの還元(京薬大・名大院理)○廣田

俊・奥村久野・近藤崇代・舟崎紀昭・渡辺芳人

2S3-08 ヘムオキシゲナーゼ電子伝達システムによる鉄

(III) シッフ塩基錯体の反応制御(名大院理・名大物

国セ・東北大多元研)○横井紀彦・上野隆史・松井敏高・

海野昌喜・齋藤正男・渡辺芳人

2S3-09 架橋ペルオキソ配位子をもつヘム-銅二核錯体

の合成,構造,反応性(九大先導研)○千代健文・島崎

優一・谷文都・成田吉徳

10 月 9 日 午後

座長 林 高史 (15:00~15:40)

2S3-10 マグネシウム-ヒドロキソ錯体を用いたアミノ

基への炭酸固定化反応-カルボキシビオチン生成メカニ

ズムの提案-(名工大院工)○山口修平・舩橋靖博・小

澤智宏・実川浩一郎・増田秀樹

2S3-11 シゾフィラン誘導体によるカーボンナノチュー

ブの超分子的機能化(九大院工・北九大工)○長谷川輝

明・沼田宗典・櫻井和朗・新海征治

座長 藤澤 清史 (15:40~16:20)

2S3-12 水溶性鉄ポルフィリンとパーメチル化β-シクロ

デキストリン二量体によるミオグロビンモデルの構築

(同志社大工・京薬大)○北岸宏亮・加納航治・廣田俊

2S3-13 EQCM 法を利用したチトクローム c3 の電子移

動制御機構の解析(東工大生命理工)○朝倉則行・蒲池

利章・大倉一郎

座長 伊東 忍 (16:20~17:00)

2S3-14 モレキュラーインプリンティングと化学修飾を

組み合わせたドーパミン認識高分子の合成(神大院自

然・PRESTO,JST)村瀬敦郎・務川高史・牧秀志・○

竹内俊文

2S3-15 ヘキサホモトリオキサカリックス[3]アレー

ンを基本骨格とする一連の膜界面ホスト分子によるドー

パミン選択的膜電位変化の基礎解析(名市大院薬・米国

Pittsburgh大化学)○小田嶋和徳・西條亮介・村上裕之・

恒川沙織・白井直洋・雨宮成

Page 20: Vol.19, No.2 (2004.09)

- -19

P1会場弥生講堂

(講演者の拘束時間は,10月 8日・9日とも,奇数番号 12:00~13:30,偶数番号 13:30~15:00)

10 月 8 日(9:00~17:00)

1P1-01 Laser-QCM 法を用いた核酸の分子認識(東工

大院生命理工・フロンティア・CREST・NEDO)○片田

順一・川崎剛美・岡畑恵雄

1P1-02 遷移金属錯体と cyt c の電子移動メカニズムの

解明 -分子認識プローブとしての光学活性 Ru 錯体-

(名工大院工)○高橋勇雄・加藤貴志・舩橋靖博・小澤

智宏・実川浩一郎・増田秀樹

→2S1-14((((10月月月月 9日日日日))))にににに変変変変更更更更

1P1-03 新規蛍光性非天然アミノ酸の位置特異的導入に

よる蛍光センシング(岡山大工・富山大工・University of

Gdansk, Faculty of Chemistry・北陸先端大)○濱田浩幸・

亀島直子・瀧真清・篠原寛明・Aneta Szymanska・芳坂貴

弘・宍戸昌彦 →→→→都都都都合合合合にににによよよよりりりり、、、、2P1-55((((10 月月月月 9 日日日日))))にににに

変変変変更更更更

1P1-04 近接した二つのアントラセンを有するシクロデ

キストリン誘導体の分光学的な特性(京工繊大)○張小

涌・黒田裕久・佐々木健

1P1-05 亜鉛フィンガーにおける連結領域の配列変換に

よる DNA 結合能の変化(京大化研)○白石泰久・今西

未来・杉浦幸雄

1P1-06 オリゴ糖修飾金微粒子の調製と生体機能解析

(名大院工)○大矢健・三浦佳子・西田芳弘・小林一清

1P1-07 酵素反応を経由した光学活性ポルフィリンホス

トの合成と分子認識(岡山大工)○依馬正・尾内希望・

是永敏伸・酒井貴志

1P1-08 強塩基性エチニルピリジンポリマーの合成と糖

認識能(富山医薬大薬)○増田望・脇稔・阿部肇・井上

将彦

1P1-09 剛直な C3v 対称性トリフェノールホスト分子に

よる糖質の認識(富山医薬大薬)○青柳吉宣・阿部肇・

井上将彦

1P1-10 グルコース保護金ナノ粒子の合成と比色試薬へ

の応用(高知大理・CREST)○渡辺茂・瀬口英輝・吉田

勝平

1P1-11 末端にテルピリジン部位を有する鎖状ホストの

合成とそのイオン認識能(筑波大化学)○清水隆・秋根

茂久・鍋島達弥

1P1-12 疎水的結合サイトを有する水溶性 N-メチルポ

ルフィリンの合成(同志社大工)○小泊聡史・岩本裕也・

水谷義

1P1-13 自己組織化ポルフィリン環状4量体の形成する

空間内分子認識(京工繊大繊維)○倉矢健次・佐々木健・

黒田裕久

1P1-14 デンドリマー型自己組織化ポルフィリン多量体

の構築(京工繊大繊維)○出野徹・佐々木健・黒田裕久

1P1-15 蛍光相関分光法による神経伝達物質の脂質二分

子膜界面における分子認識の解析(北大電子科研・研究

成果活用プラザ北海道)○神隆・藤井文彦・坂田啓司・

金城政孝

1P1-16 2,2'-ビナフタレンをスペーサーにもつ蛍光性

イオンセンサーの開発(群馬大工)○近藤慎一・矢野由

美彦

1P1-17 菌体固定を指向した人工シデロフォア自己組織

化単分子層の構築(名工大院工)○猪股智彦・松本健司・

舩橋靖博・小澤智宏・実川浩一郎・増田秀樹

1P1-18 メソ位に置換基を有するビリンジオンの合成と

不斉誘起(同志社大工・京大院工)○上村紗代・山内貴

恵・北川進・水谷義

1P1-19 β-(1,4)グルコシド結合をもつシクロデキス

トリン誘導体の包接能(阪大院工)○菊澤明・木田敏之・

中辻洋司・明石満

1P1-20 DNA 結合制御を目指したトロポニン融合ジン

クフィンガータンパク質(東理大理・阪大院理)○荒井

望・島津直史・小野田晃・金子健二・山本仁・山村剛士

1P1-21 白金ビピリジン錯体を-CysProLeuCys-で結合し

た新規ジンクフィンガーの合成と DNA 結合特性(東理

大理)○横川和生・金子健二・中村勇揮・小野田晃・山

村剛士

1P1-22 種々のシクロデキストリンによる環状エステル

類の分解と重合(阪大院理)○大崎基史・宮内雅彦・高

島義徳・原田明

1P1-23 シクロデキストリンダイマーによる超分子ポリ

マー形成能(阪大院理)高橋寛和・大神香穂里・宮内雅

彦・○高島義徳・原田明

1P1-24 環状ペプチドを用いた分子カプセルの構築(東

大院理・JSTさきがけ・理学電機)○岡田朋子・田中

健太郎・城始勇・塩谷光彦

1P1-25 一置換修飾シクロデキストリンを用いた螺旋型

超分子ポリマーの設計と構築(阪大院理)○宮内雅彦・

宮脇敦久・高島義徳・原田明

1P1-26 亜硝酸還元酵素モデルとしての銅(I)亜硝酸

錯体の反応性(岡崎統合バイオ)○鬮目理人・倉橋拓也・

藤井浩

1P1-27 Co 型ニトリルヒドラターゼモデルによる特殊

な配位環境場の検討(名工大院工)○矢野卓真・舩橋靖

博・小澤智宏・実川浩一郎・増田秀樹

1P1-28 オキシヘムエリスリンを指向した非対称な場を

有する二核鉄錯体(名工大院工)○小中麻須美・有井秀

和・梶田裕二・舩橋靖博・小澤智宏・實川浩一郎・増田

Page 21: Vol.19, No.2 (2004.09)

- -20

秀樹

1P1-29 有機コバロキシムの電子移動酸化反応と塩基に

よるコバルト(IV)-炭素結合開裂速度における負の温

度依存性(阪大院工・CREST)○大久保敬・福住俊一

1P1-30 両親媒性チアゾリウム塩が触媒する酸化的チオ

ールエステル生成反応における酸化剤の効果(東大院総

合)○景山義之・村田滋・菅原正

1P1-31 チオレート配位ヘムによるアルキルヒドロペル

オキシドの O-O 結合開裂反応解析(名市立大薬)○奥

園希美子・梅澤直樹・樋口恒彦

1P1-32 N3S2 の配位構造をもつニトリルヒドラターゼ

モデル鉄錯体の合成と性質(甲南大理工・甲南大 FIBER)

○山辺邦夫・小倉健・藤井敏司・酒井宏・杉本直己

1P1-33 単純なミオグロビンモデルとしてのパーメチル

化β-シクロデキストリン-鉄(II)ポルフィリン錯体(同

志社大工)○田中茂樹・北岸宏亮・加納航治

1P1-34 密度汎関数計算によるコバルト(III)および亜

鉛(II)カルボナト錯体の最適化構造:酵素活性部位の

検討(愛知県大情報)○田浦俊明・小林友和・舘佳奈子

1P1-35 電子移動による高原子価 Mn-オキソポルフィリ

ンの生成(阪大院工・CREST)○水野琢也・小尻哲也・

岡本 健・小江誠司・福住俊一

1P1-36 亜硝酸還元酵素モデル銅錯体/Nafion フィルム

修飾電極の性質(阪大院理)○右田雄作・山口和也・鈴

木晋一郎

1P1-37 亜硝酸還元酵素モデル Ru-Cu 複核錯体による

亜硝酸イオンの光還元反応(阪大院理)○岡田とも子・

鳥居由紀・山口和也・鈴木晋一郎

1P1-38 水晶発振子マイクロバランス法によるコンドロ

イチン合成酵素の基質特異性の解析(東工大院生命理

工・フロンティア・CREST・愛知医大分子医科研)○藤

島礼佳・仁平高則・杉浦信夫・木全弘治・森俊明・岡畑

恵雄

1P1-39 トリプルβヘリックス構造をモチーフとした非

天然構造体の構築(東工大院生命理工・フロンティア・

CREST-JST)○高橋潤・古澤宏幸・金丸周司・有坂文雄・

岡畑恵雄

1P1-40 バイオセンサーにおけるターゲット分子検出シ

グナル増幅法(阪大院理)○山口浩靖・原田明

1P1-41 ビタミン B6含有酵素の機能と構造(山口大農)

○加藤茂・稲田篤・栗原瞳・佐田一哉・小崎紳一

1P1-42 硫酸化糖とアルツハイマーペプチドの相互作用

解析(名大院工)○小池美穂子・三浦佳子・西田芳弘・

小林一清

1P1-43 硫酸化糖によるプリオンペプチドの凝集阻害効

果(名大院工)○安田貴久子・三浦佳子・西田芳弘・小

林一清

1P1-44 金属錯体形成によるヘリックス構造不安定化と

ペプチド相互認識の制御(京大化研)○黄檗達人・二木

史朗・杉浦幸雄

1P1-45 ポリエチレンオキシド修飾耐熱性シトクロム

P450 の非水溶媒中における電気化学的性質(東農工大

院・工)○松村洋寿・中村暢文・養王田正文・大野弘幸

1P1-46 耐熱性アスコルビン酸オキシダーゼを用いたバ

イオカソードの構築(東京農工大院・工)○杉原未紗・

中村暢文・大野弘幸

1P1-47 βシートペプチドの自己組織化によるナノファ

イバー形成(富士ゼロックス中研・東工大院生命理工)

○松村幸子・上村忍・三原久和

1P1-48 N ペプチドとヘアピンループ RNA の結合過程

における静電的相互作用の寄与(甲南大学理工・甲南大

FIBER)○米谷智佐子・鳥飼洋一・川上純司・杉本直己

1P1-49 銅イオンとアミロイドβペプチド(1-28)の結

合に関する緩衝溶液の効果(甲南大理工・甲南大 FIBER)

○八木健一朗・藤井敏司・酒井宏・杉本直己

1P1-50 ナノ環状 DNA を用いた新規オリゴペプチド合

成手法の開発(甲南大 FIBER・I.S.T・甲南大理工)

○大道達雄・高島亜紀・杉本直己

1P1-51 ヘム c を含む新規なセンサータンパク質 DcrA

の構造と機能(岡崎統合バイオ)○吉岡資郎・小林克彰・

内田毅・北川禎三・青野重利

1P1-52 レクチン上での LRET を利用した糖質センサー

の開発(九大院工・先導研・PRESTO)○古志洋一郎・

中田栄司・浜地格

1P1-53 P-PALM 法による Fluorescein 修飾レクチンの機

能評価(九大院工・先導研・PRESTO)○中田栄司・古

志洋一郎・浜地格

1P1-54 ポリペプチドの新しい二次構造の探索[7].ア

スパラギン酸残基とグルタミン酸残基の二次構造安定化

効果(阪府大先端研・阪工大工)○柿木佐知朗・寺岡真

由美・弓削光裕・岡勝仁・平野義明

1P1-55 ポリペプチドの新しい二次構造の探索[8].ポ

リ(ジペプチド)の二次構造の理論的解析(阪府大先端

研・阪工大工)柿木佐知朗・○岡勝仁・平野義明

10 月 9 日(9:00~17:00)

2P1-01 高度好熱菌由来シトクロム c552 の機能改変に

よる耐熱性ペルオキシダーゼ創成の試み(名大院理)○

市川祐介・中島洋・渡辺芳人

2P1-02 ペプチド複合化ミオグロビンの設計・合成と機

能(東大生産研)○坂本清志・林千紘・伊藤敦史・工藤

一秋

2P1-03 C―hydrogenoformans 由来 CooA の構造と機能

(総研大・岡崎統合バイオ)○稲垣さや香・吉岡資郎・

青野重利

2P1-04 設計ペプチドライブラリとドライペプチドアレ

イ法によるプロテインチップの構築(東工大院生命理

工・COE21・ハイペップ研)○臼井健二・富崎欣也・軒

原清史・三原久和

2P1-05 アドレッサブルチップを目指した PNA-DNA ア

Page 22: Vol.19, No.2 (2004.09)

- -21

レイの構築(東工大院生命理工・COE21)○佐野秀祐・

臼井健二・三原久和

2P1-06 熱帯熱マラリア原虫由来エノラーゼの部分配列

を含む人工抗原ペプチドの合成研究(群馬大工・国際医

療センター研・群馬大保健・群馬大院医)○小見和人・

栗山佳祐・山田圭一・奥浩之・狩野繁之・佐藤久美子・

鈴木守・片貝良一

2P1-07 アセチレン骨格を利用したペプチドα-ヘリック

ス安定化ツールの開発(富山医薬大薬)○藤本和久・老

本名津子・井上将彦

2P1-08 アミノ酸配列,酸素結合特性,および NMR に

よる活性部位立体構造の解析による鯨類ミオグロビンの

比較生理化学(筑波大院数物・高知大理・法政大工・日

本鯨類研・国立科学博物館)○八巻武・阿部千景・岩波

健太郎・渡邉一仁・藤瀬良弘・山田格・三田肇・鈴木知

彦・今井清博・山本泰彦

2P1-09 コロール鉄錯体を有するミオグロビンの再構成

(九大院工)○松田貴暁・林 高史・久枝良雄

2P1-10 β-シート型環状ペプチド誘導体の亜鉛二核錯体

によるリン酸ジエステル開裂反応(群馬大工・名工大院

工)○山田圭一・奥浩之・山村初雄・川井正雄・片貝良

2P1-11 チロシナーゼのカタラーゼ活性およびペルオキ

シゲナーゼ活性に関する速度論的検討(阪市大院理)○

盛岡千幸・山崎眞一・伊東忍

2P1-12 核酸塩基アミノ酸を導入した HIV-1 プロテアー

ゼアナログの合成と触媒活性(東工大院生命理工)ヤナ

デウィ・○高橋剛・三原久和

2P1-13 新規レシオ型 ATP 蛍光センサーの開発;酵素

アッセイへの応用(九大院工)○宮原芳文・王子田彰夫・

浜地格

2P1-14 架橋型レセプターによるリン酸化ペプチドの特

異的認識(九大院工・九大先導研・さきがけ 21)○野

中洋・井上雅晶・王子田彰夫・浜地格

2P1-15 人工ケモセンサーによる酵素反応のリアルタイ

ム蛍光検出(九大先導研)○オンコンカテープ ジララ

ト・王子田彰夫・水戸岡靖子・浜地格

2P1-16 Nitrite reductase を利用したバイオインターフェ

ース電極の構築(名工大院工)○網屋大輔・猪股智彦・

舩橋靖博・小澤智宏・実川浩一郎・増田秀樹

2P1-17 Hyphomicrobium denitrificans A3151 株由来の

亜硝酸還元酵素の電子移動反応(阪大院理・阪大産研)

○前谷武彦・山口和也・鈴木晋一郎・小林一雄・田川精

2P1-18 金属イオン誘導型設計コイルドコイルを利用し

た遺伝子発現の調節(名工大院工)○宮田純・水野稔久・

田中俊樹

2P1-19 セリン・スレオニンキナーゼ活性のオンビーズ

蛍光検出法の開発(名市大院薬)○秋田昌二・梅澤直樹・

樋口恒彦

2P1-20 スタウディンガー反応を用いた汎用性の高いペ

プチド-ポルフィリン複合体合成法の開発(名市大院

薬)○岩間紳介・梅澤直樹・樋口恒彦

2P1-21 ミニインテインの設計(名工大院工)○水野稔

久・鈴木千尋・田中俊樹

2P1-22 Coprinus cinereus peroxidase ヘム近傍変異体の

配位子結合および過酸化水素反応機構の解析(九大院生

資環・九大院農)○野中大輔・割石博之

2P1-23 ビオチン化トランスフェリンを利用した遺伝子

導入促進(阪市大院工)○柿本真司・長崎健

2P1-24 NADH 二量体モデル化合物から NAD+類縁体へ

の電子移動反応によるスーパーオキシドアニオンの生成

と DNA 切断(阪大院工・CREST)○行本和紗・大久保

敬・福住俊一

2P1-25 カリウムイオン蛍光分析を目指した DNA 四本

鎖構造形成配列の探索(九大院工)○長門石曉・野島高

彦・竹中繁織

2P1-26 ピレン修飾アプタマーによるバイオセンサー

(兵庫県大院工)○亀川展幸・大谷裕介・山名一成

2P1-27 2本鎖 DNA 上へのマルチ FRET システムの新

しい構築法(兵庫県大院工・関西大工・関西大 HRC)

○岡本武彦・真家賢治・山名一成・大江直人・徐創矢・

大内 辰郎・大矢 裕一

2P1-28 擬塩基対ヌクレオシドを含む DNA 二重鎖の安

定性とポリメラーゼによる基質認識(甲南大理工・甲南

大 FIBER・近大分子研・近大産業理工)○魚谷有希・中

野修一・上西和也・藤井政幸・杉本直己

2P1-29 核酸と相互作用する水溶性ポルフィリンの設

計・合成および物性(甲南大理工・甲南大 FIBER・愛媛

大理)○辻本智・村嶋貴之・北川瑛悟・小野昇・宮澤敏

文・山田隆己・杉本直己

2P1-30 Nucleo-cages の構造制御とホスト分子集合体

としての応用(九大院工)○藤岡達郎・増本耕三・松浦

和則・君塚信夫

2P1-31 NAD+ 類縁体の電子移動還元反応におけるpス

タッキング効果(阪大院工・CREST)○田仲真紀子・西

峯麻里・大久保敬・福住俊一

2P1-32 固定化されていないオリゴアミンを用いた

RNA の位置選択的切断(東大先端研)○施云・新倉史

也・葛谷明紀・小宮山真

2P1-33 Ce(IV)/EDTAと PNAを併用した二本鎖 DNA

の位置選択的加水分解(東大先端研)○山本陽治・森政

雄・冨田隆文・上原輝彦・小宮山真

2P1-34 アルドール反応を触媒する修飾DNAの創製(群

馬大工)〇永島潤一・桑原正靖・尾崎広明・澤井宏明

2P1-35 位置選択的活性化を利用した新規 RNA 切断法:

嵩高い置換基による積極的なアクリジンの配向制御(東

大先端研)○葛谷明紀・町田賢三・施云・小宮山真

2P1-36 蛍光性ルテニウム錯体-DNA コンジュゲートに

よる繰り返し配列の協同的認識(熊本大工・崇城大工)

Page 23: Vol.19, No.2 (2004.09)

- -22

北村裕介・岡田健治・辻村祐輔・田崎正人・○井原敏博・

城昭典

2P1-37 フェニルボロン酸を導入したペプチドリボ核酸

(PRNA)の可逆的核酸認識制御(阪大院工・PRESTO

合成と制御/JST・ICORP エントロピー制御/JST)○

廣瀬徹哉・佐藤博文・和田健彦・井上佳久

2P1-38 アユ病原菌 Pseudomonas plecoglossicida におけ

る Quorum Sensing シグナル物質の解析(宇都宮大工)

○中澤成寿・諸星知広・加藤紀弘・池田宰

2P1-39 リボフラビン配糖体の酸化還元挙動の pH 依存

性(東工芸大工・埼工大工)高橋圭子・○佐々木雅之・

本間雅之・大内美枝子・今多秀夫・立花精・長谷部靖

2P1-40 骨親和性を示す新規 Pt(II)錯体と DNA との

反応(名大院理・名大物質国際研)○税田麻矢・小谷明・

中島洋・渡辺芳人

2P1-41 病原性マイコプラズマに由来するコリン含有糖

脂質の立体構造・生理活性相関の解析(名大院工・国立

がん研)○中村高典・新宮佑子・西田芳弘・松田和洋・

小林一清

2P1-42 生体高分子をテンプレートとしたセラソームに

よる多細胞モデルの構築(奈良先端大院物質)○寺島崇・

橋詰峰雄・池田篤志・菊池純一

2P1-43 擬似体液中におけるセラソームのバイオミネラ

リゼーション.結晶析出における表面官能基の効果(奈

良先端大院物質)○堀井裕之・橋詰峰雄・菊池純一・大

槻主税

2P1-44 イオン認識能をもつジェミニペプチド脂質によ

る基板上への人工細胞膜の集積(奈良先端大院物質)○

大槻理志・佐々木善浩・菊池純一

2P1-45 化学修飾による微小管の機能化とその運動性の

評価(産総研)○加藤和明・後藤理恵・古沢清孝・芝上

基成

2P1-46 フェナントロリンキノンを配位子とする Ru 錯

体とアミノ酸との反応(東農工大院工)○浅倉貴史・横

山慶子・中村暢文・大野弘幸

2P1-47 C-グリコシド結合を有する新規ジアミン配位子

の開発(奈良女大院人間文化・食品総合研・奈良女大共

生セ)○稲葉陽子・森岡三果・小野裕嗣・矢野重信・三

方裕司

2P1-48 糖鎖結合フラーレンの脂質二分子膜の形成と機

能(名大院工)○加藤治人・金田昇・水野亜希子・大嶽

知之・西田芳弘・小林一清

2P1-49 ピオーネ皮成分の機能性物質の分離と生理機能

の解析(岡山理大理)○浜田博喜・紙上朋之・益岡典芳

2P1-50 水溶性 N-混乱ポルフィリンの合成と物性(九

大院工・JSTさきがけ)古田弘幸・ ○小川寛晃

2P1-51 フェノール性抗酸化剤のラジカル消去反応に対

する溶媒の効果(放医研・阪大院工・CREST・共立薬大・

国立衛研)中西郁夫・○川島知憲・大久保 敬・金澤秀

子・福原 潔・奥田晴宏・小澤俊彦・福住俊一・伊古田

暢夫

2P1-52 β1,3 グルカンを一次元ホストとして利用した

機能性材料の創製(九大院工・九大超高圧電子顕微鏡室・

北九州市大学環境工)○沼田宗典・長谷川輝明・金子賢

治・櫻井和郎・新海征治

2P1-53 遷移金属錯体が配位した NAD(P)モデル化合

物の単離とその反応性(東工大院理工・埼大院理工)○

飯田雅史・小林篤生・石谷治

2P1-54 In vivo NO イメージングのための近赤外蛍光プ

ローブの開発(東大院薬・東大医)○佐々木栄太・小島

宏建・西松寛明・平田恭信・長野哲雄

2P1-55 新規蛍光性非天然アミノ酸の位置特異的導入に

よる蛍光センシング(岡山大工・富山大工・University of

Gdansk, Faculty of Chemistry・北陸先端大)○濱田浩幸・

亀島直子・瀧真清・篠原寛明・Aneta Szymanska・芳坂貴

弘・宍戸昌彦

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部会行事(フォーラム・研究会)

第 19回生体機能関連化学シンポジウム若手フォーラム

会期 平成 16年 10月 7日(木) 13:30 – 19:00

会場 東京工業大学すずかけ台キャンパスすずかけホール(横浜市緑区長津田町 4259)

[交通] 東急田園都市線「すずかけ台」駅下車徒歩 10分

プログラム

招待講演 (13:00 – 18:00)

1. タンパク質の分子動力学シミュレーション:巨大システムのダイナミクスからタンパク質機

能の理解へ

(横市大総合理) 木寺詔紀

2. タンパク質相互作用の特異性と親和性:変異導入から何が分かったか

(東北大工) 津本浩平

3. バイオミネラリゼーションに関わるタンパク質;海の生き物の知恵に学ぶ

(北大先端科学共同研究センター) 市川和彦

4. タンパク質・細胞のナノ力学と細胞操作技術の開発

(東工大生命理工) 猪飼 篤

5. プロテインスプライシングを利用した蛍光・発光プローブの開発とその応用

(東大理) 小澤岳昌

ポスター発表 (18:10 – 19:00)

ポスター発表申込締切 9月 3日(金)

予稿原稿締切 9月 10日(金)

参加登録予約申込締切 9月 22日(水)

発表申込方法 発表題目、所属、発表者氏名(講演者に○)、連絡先(住所、電話、e-mail)、

講演概要(200 字程度)を明記の上、e-mail または FAX にて申込下さい。折り返し予稿原稿フ

ァイルを e-mailで送信します。

参加費 一般 2000円、学生 1000円(要旨集代、懇親会費込)

参加登録予約申込 氏名、所属、連絡先を明記の上、e-mailまたは FAXにて申込下さい。

申込先 〒226-8501 横浜市緑区長津田町 4259-B-40

東京工業大学大学院生命理工学研究科 高橋剛

電話:045-924-5758、FAX:045-924-5833、e-mail: [email protected]

Page 25: Vol.19, No.2 (2004.09)

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部会行事(フォーラム・研究会)

日本化学会生体機能関連化学部会 講習会テーマ:細胞の機能を観る,調べる,利用する

主催 日本化学会 生体機能関連化学部会

日時 10月 29日(金)午後 1時 30分から

場所 青葉記念会館(東北大学工学部内)

講師および演題

長野哲雄(東大院薬) 細胞の機能を観る

丸山 厚(九大先導研) 核酸シャペロン機能を持つ高分子材料の設計と DNA ナノテクノロジ

ーへの展開

西澤松彦(東北大院工) 電気化学バイオリソグラフィーによる細胞のネットワーク培養

二木史朗(京大化研) アルギニンペプチドを用いたタンパク質・薬物の細胞内デリバリー

津本浩平(東北大院工) 癌免疫療法への応用を目指した抗体工学

参加費:無料

懇親会:講習会終了後,東北大学工学部生協喫茶室にて

世話人:末永智一(東北大院環境),栗原和枝(東北大多元研),津本浩平(東北大院工)

連絡先:末永智一(まつえともかず)

〒980-8579 仙台市青葉区荒巻字青葉 6-6-07

東北大学大学院環境科学研究科(化学・バイオ系)

Tel: 022-217-7209 mail:[email protected]

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部会行事(フォーラム・研究会)

平成 16年度 日本化学会生体機能関連化学部会

中国四国支部講習会-「分子認識機能化学の最前線」

主催 日本化学会 生体機能関連化学部会

共催 岡山大学学内 COE「化学機能を持つ生命体を構築する化学生物学」

日時 平成 16年 11月 27日(土)13時~18時

場所 岡山大学 大学院自然科学研究科棟(2F、大会議室)

(http://www.okayama-u.ac.jp/jp/access.html)

参加費 無料

申 込 氏名、所属、身分(学生の方は学年)、電子メールアドレスを明記し電子メールで下

記までお申し込み下さい.

参加申込締切 平成 16年 11月 19日(金)

講 師(敬称略):

椿 一典(京都大学)

「フェノールフタレイン誘導体を用いたアミノ酸類の呈色認識」

池田 篤志(奈良先端科学技術大学院大学)

「ホスト-ゲスト包接錯体によるゲスト分子の機能化」

林 高史(九州大学)

「ヘムタンパク質へのリガンド結合挙動:ミオグロビンにおける究極的 O2選択性をめざして」

渡辺 芳人(名古屋大学)

「ミオグロビン骨格を利用した人工ヘム酵素の創成」

平尾 一郎(東京大学)

「複製・転写・翻訳で機能する人工塩基対の創製」

申込先 〒700-8530 岡山市津島中 3-1-1

岡山大学工学部物質応用化学科 依馬 正

電話 086-251-8091 ファックス:086-251-8092

電子メール [email protected]

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部会行事(研究会報告)

若手の会サマースクール実施報告名古屋工業大学大学院おもひ領域 水野 稔久

(若手の会 東海支部幹事)

第 16 回(平成 16 年度)生体機能関連化学

部会若手の会サマースクールは東海支部が幹

事(名工大 水野、分子研 吉岡)となり、

三河ハイツ(愛知県額田郡幸田町)にて、7

月 日(金、土)に 1 泊 2 日の日程で行

いました。観光地の宿泊施設という事で、昼

夜を問わず三河湾の一望できる素晴らしいロ

ケーションのもと、若手参加者を中心に活発

な議論が展開できたのではないかと思います。

今回のサマースクールでは敢えてサブタイト

ルとして「タンパク質を中心としたケミカル

バイオロジー」を掲げさせて頂きましたが、

関係諸先生方の多大なご協力を頂き、2 日間

の延べ参加者数は 67 名(講師 6 名、大学関

係 14 名、学生 47 名)と盛会のもとにとり行

う事ができました。

初日は、招待講演を 2 件とポスター発表、

懇親会、二日目は招待講演を 4 件という日程

で行いました。初日の招待講演では、まず、

森井先生(京大エネ研)に「リセプターから

センサーへ:機能性分子設計によるケミカル

バイオロジーへのアプローチ」というタイト

ルで、特定のターゲット分子に対するセンサ

ー分子のデザイン手法として、天然タンパク

質への部位特異的蛍光色素の導入によるレセ

プタータンパク質のセンサー分子への応用、

コンビナトリアルな手法による RNA-蛍光

修飾ペプチド複合体によるセンサー分子の設

計と、非常にスマートな方法論を結果ととも

にお話頂きました。続いて高橋先生(阪大蛋

白研)からは、「蛋白質の折り畳みダイナミ

クスの研究:生物と物質の違いの理解に向け

て」というタイトルでお話を頂きました。 蛋

白質のフォールディング問題という、非常に

基本的でありながら、実はまだまだ良く分か

っていない部分に対するアプローチとして、

X 線小角散乱や独自に開発された斬新な測定

手法と共に収縮ドメイン構造を介した高次構

造形成モデルに関してお話を伺う事ができま

した。この後にポスター発表者のショートプ

レゼンテーションを経て、ポスター発表へと

移りました。こちらの不手際もあり当初予定

をしていたポスター発表時間を確保すること

はできませんでしたが、後の懇親会で、ビー

ル片手にポスター発表と懇親会を平行して行

う事としました。幸いな事に懇親会でも非常

に盛り上がり、当初予定をしていた終了時刻

になってもまだポスターを前に熱心に議論を

続けられる方も多数見られ、その後各部屋で

の飲み会へと移りましたが、夜遅くまでそち

らの方も盛り上がっていたと伺っております。

これらは、ひとえにご参加頂いた講師の先生

をはじめとする皆様が、若い学生の方とも紳

士にお話頂いたご協力の賜物であると、この

場を借りて是非お礼を述べさせて頂きたいと

思います。翌日 2 日目は、まず廣明先生(横

浜市大院)より「NMR による蛋白質研究法の

最近の進歩と、翻訳後修飾の構造生物学」と

いう題目でご講演を頂きました。構造生物学

をされている方が実際にどのように NMR に

よる構造解析をされるかに関して非常に丁寧

で分かりやすい解説を頂くと共に、現在蛋白

質の修飾過程として注目を集めている SUMO

化に関する構造生物学的アプローチに関して

Page 28: Vol.19, No.2 (2004.09)

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興味深いお話をして頂きました。続いて、菊

地先生(東大院薬)からは「細胞機能の可視

化と不活化のケミカルバイオロジー」という

タイトルで、様々な生体プローブのデザイン

と実際にそれらを用いた細胞内可視化への取

り組みに関するお話を頂きました。昼食後は

芳坂先生(北陸先端大)より、「遺伝暗号を

拡張した人工タンパク質合成システムの開

発」というタイトルで人工 t-RNA を用いた

非天然アミノ酸導入蛋白質合成法に関して丁

寧なご説明を頂きました。そして最後の招待

講演として西川先生(名大院理)からは「光

架橋性非天然アミノ酸の部位特異的導入を利

用したタンパク質のミトコンドリア膜透過機

構の解析」というタイトルで、蛋白質の膜透

過過程に関与する膜蛋白質の同定法に関する

ケミカルバイオロジー的アプローチに関して

最新の研究成果を伺う事ができました。総じ

て研究のクロリティーと若手教育の意図を汲

んで頂き、興味深いご講演を講師の先生から

頂く事ができました。すべてのご講演の終了

後にアンケートを行わせて頂きましたが、日

程、講演内容、懇親会、ポスター発表などな

ど比較的高い評価を頂く事ができました。た

だ参加費(一般 円、学生 円)に関

しては、公共の宿を利用致しましたが、やは

り学生さんからは負担に対する不満も若干頂

くこととなりました。また若手の会というこ

とから助教授以下のみの参加で行わせて頂い

たことに関しては、意外とよい評価を頂くこ

とができました。来年度のサマースクールの

予定に関してはまだ伺っておりませんが、今

後とも是非盛り上げていってほしいと個人的

にも思っております。

それでは最後になりましたが、大変貴重な

補助金を頂く事で、このような有意義なサマ

ースクールを開催できました事に対し、生体

機能関連化学部会、日本化学会事務局の皆様

に、この場を借りて厚くお礼申し上げます。

会議室の風景 宿舎からの眺望

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お知らせ(シンポジウム)

第 8回バイオテクノロジー部会シンポジウムのご案内

主催 バイオテクノロジー部会

共催 日本化学会,甲南大学先端生命工学研究所(FIBER)

下記の通り、バイオテクノロジー部会シンポジウムを開催いたします。多くの皆様のご参加

を、心よりお待ち申し上げております。

1)シンポジウムの概要について

討論主題 バイオテクノロジーに関する化学の幅広い領域

特別講演 シリーズ『産官学における 21世紀のバイオテクノロジー』

北陸先端科学技術大学院大学 材料科学研究科 高木 昌宏 教授

「カドミウム毒性とその植物由来ペプチドによる軽減」

東京工業大学大学院 生命理工学研究科 中村 聡 教授

「極限環境微生物とその利用:極限酵素の分子解剖・分子手術」

白鶴酒造株式会社 研究開発室長 西村 顕 氏

「麹菌のチアミン合成系遺伝子の riboswitchによる新規な発現制御機構」

ヒガシマル醤油株式会社 上席研究員 古林 万木夫 氏

「免疫学的研究から見た醤油の新しい機能性」

産業技術総合研究所 RICEチーム長 三宅 正人 氏

「細胞内分子ネットワークの解析技術」

会期 11月 6日(土)

一般発表(ポスター形式) 10:00 – 12:00

特別講演 13:30 – 17:00

会場 甲南大学平生記念セミナーハウス(神戸市東灘区住吉本 2-29-15)

[交通]JR神戸線住吉駅下車、北西へ徒歩約 10分

[周辺マップ]http://www.konan-u.ac.jp/access/index.htm

2)参加登録予約について

申込締切 10月 1日(金)

参加登録費 部会員 4,000円、学生部会員 2,000円、非部会員 6,000円、

学生非部会員 3,000円(要旨集込み)、予約申込締切日以降は

当日登録で 1,000円プラスとなります。

懇親会 5,000円(事前にお申込みください)。

申込み 下記の振込先に該当金額をお振り込み下さい。

振込先 三井住友銀行岡本支店 普通預金 口座番号 0460286

名義 バイテク事務局 藤井敏司(フジイサトシ)

問い合わせ 事務局 TEL:(078)435-2506 (藤井)まで。

[ホームページ] http://fiber.konan-u.ac.jp/

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お知らせ(シンポジウム)

日本化学会生命化学研究会第 7回シンポジウム「化学から生命へ、そして生命から化学へ」

日本化学会生命化学研究会では、下記のように第 7 回シンポジウムを開催します。皆様奮っ

てご参加下さいますよう、ご案内方々お願い申し上げます。

日時 平成 17年 1月 21日(金) 9時 30分~18時

場所 フォレスト仙台(仙台市青葉区柏木 1-2-45、電話 022-271-9340)

講演者(予定) 堂浦(東北大)、杉本(甲南大)、桜井(東京工業大)、宮坂(理研)、及川(東

北大)、金原(東大)(敬称略)

参加費(予定) 3000円(事前登録)、4000円(当日登録)

ポスター発表を募集します。また、ポスターセッション時にミキサー(有料)をあわせて行う

予定です。詳細は追って連絡致します。

世話人

東北大・院・生命科学 小川(022-717-8808、[email protected])

東北大・院・薬 岩渕 (022-217-6846、[email protected]

東北大・院・工 津本 (022-217-7276、[email protected])

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国際会議報告

第 3回ポルフィリン・フタロシアニン国際会議の報告

同志社大学工学部 水谷 義

第 3 回ポルフィリン・フタロシアニン国

際 会 議 (Third International Conference on

Porphyrins and Phthalocyanines)は、米国ニ

ューオリンズで 7 月 11 日から 16 日までの

期間開催された。第 1 回は 2000 年のフラン

スディジョン、第 2 回 2002 年の京都に引き

続き、第 3 回は、ヒューストン大学 Karl K.

Kadish 教授、ルイジアナ州立大学 Kevin M.

Smith 教授、テキサス大学 Jonathan L. Sessler

教授のお世話で、アメリカでの開催となっ

た。

36 カ国から 560 名の参加者を集め、国別

では、開催国の米国をのぞき、日本からの

参加者は、100 名以上で非常に多く、この分

野の活発なことが伺われた。7 人の基調講演

のうち 2 人は日本からで、大阪大学の福住

俊一先生と、京都大学の大須賀篤弘先生が

いずれも観客を魅了する印象深い講演をさ

れた。

ポルフィリン・フタロシアニンという共

通の分子を対象としながらも、生化学から

材料まで幅広い領域をカバーし、6 つの平行

セッションで発表が行われ、参加者それぞれ

の興味に従って、最新の情報をまとめて聞くことができるようになっていた。また、Lifetime

Achievement Award の受賞講演では長年のこの分野への功績のあった著名な研究者の講演を聞く

ことができ、特に若い研究者には、名前だけを知っているような研究者の研究体験談を聞くこ

とができ、貴重な時間であると思われる。今回の受賞講演では、イギリスケンブリッジ大学の

Alan R. Battersby 教授の講演では、ポルフィリン生合成経路の研究当時の興奮を自ら語り、若々

しくこれからも、まだ第一線で活躍されるのではないかと思われるほどであった。

次回の ICPP-4は、2年後 2006年 6月 25-30日にローマで行われる予定である。

ICPP-3 参加者の国別割合

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セミナー報告

「第 17回生物無機化学夏季セミナー」のご報告

名古屋工業大学 舩橋 靖博

本年度のセミナーは、8 月 7 日(土)から 8 月 9 日(月)の日程で、豊かな自然と歴史的な

遺産に恵まれた飛騨丹生川村で開催されました。高山市内から車で約 20分程度離れたところに、

会場であるシャレ-中西はあります。二日目の自由時間に撮影したその周辺の風景を下図に示

します。冬はスキー客が数多く訪れる山深いこの宿に、生物無機化学を志す研究者が総勢 80 名

集まりました。本セミナーの期間中に撮影された講演やポスターセッションなどの写真を、我々

のホームページに掲載いたしますので、関心のある方は是非ご覧下さい。(http://www.

ach.nitech.ac.jp/~inorg/masuda/top.html

)本稿ではこの紙面をお借りして、

本年度のセミナーのご報告を簡単に

述べさせていただきます。

今回は、生物無機化学の重要課題

である以下の三点について、それぞ

れの重要性を共通の認識として再確

認するとともに、その今後の展開に

ついて有意義な意見交換を行うとい

うことを目的としました。

1) 生体の必須微量元素である各種金属イオンの作用する機構を解明する

2) その特殊な能力を取り出した人工の機能性金属錯体の構築

3) 金属錯体を医学、薬学の分野に応用する

そのために講演内容は、金属蛋白質から合成分子であるモデル錯体や超分子まで、また固体触

媒や電極表面のような界面の利用、ならびに分子生物学を駆使したバイオマスや、生体可視化

プローブと医薬品の開発など、非常に多岐に渡りました。これは生体の複雑さと巧妙さ、ある

いは応用範囲の広さに合わせて、研究のフィールドが非常に幅広く展開しているということを

反映していました。具体的な講演者は次の通りです。まず初日は、名工大の増田秀樹先生を皮

切りに、東大の菊地和也先生、同志社大の小寺政人先生にご講演いただきました。続いて第二

日目は名大の渡辺芳人先生、京都薬大の桜井弘先生、京大化研の杉浦幸雄先生、理研播磨の城

宜嗣先生にご講演していただきました。最終日の第三日目には熊本大の谷口功先生、阪大福住

俊一先生、神奈川大理・早大理工総研の増川一先生にご講演をいただきました。いずれの先生

もお忙しいなか、ご講演いただきまして有り難うございました。この場をお借りして重ねて御

礼申し上げます。これらの先生方の迫力あるご講演のおかげで、講演会場は非常に盛り上がり

ました。

また第一日目の夜に開かれたポスターセッションは、参加者のほぼ全員が発表するというこ

美しい「銚子の滝」と丹生川村周辺の草花

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とで、野趣溢れる切ったばかりの木の脚の上

に木製のポスターボードを表裏合わせて50

枚以上も用意して行うという盛大なものでし

た。これは大変リラックスしたムードで始ま

りましたが、時間が経つにつれ各々のポスタ

ーの前で非常に熱心に討論が進み、予定して

いた時間を大幅にオーバーして深夜の零時過

ぎまで行われました。その間、会場からは参

加者の討論が絶えることがなく、この分野

の若手の熱心さと元気の良さがアピールさ

れる格好となりました。これは主催者としては非常に嬉しい誤算でした。通常の学会などの公

式の場では、この様な温かく密度の濃い交流の場を設けることはなかなか出来ないことですの

で、これだけでも本会は非常に意義があったと思います。このように初日から高いテンション

で、二日目の懇親会や花火も盛り上がり、明け方近くまで親睦を深めあうという光景が二晩続

きました。参加者の皆さんは日頃の研究生活をそのままに、昼夜を問わず非常に活発に活動し

ておられました。

さて今回の夏季セミナーを通じて改めて感じられましたことは、まず、生物無機化学におけ

る金属蛋白質とそのモデルの研究は、互いに興味を持って情報交換しながら、複雑な生体の金

属酵素の機能を純粋に解明していくことと、その機能をひとつでも抽出して合成分子上で実現

し、その機能をどこまで発展させられるか、ということをそれぞれしっかりと念頭においてや

って行かなければならないということでした。また生物は太陽光を利用した非常に効率のいい

エネルギー循環を行っていますが、それをいかにして利用するか、或いは人工的に実現するか

という点に関してもこの分野の貢献が重要

であります。一方、医学や薬学の分野に対

するアプローチも確実になされており、今

後もその応用を確実にして、さらに事例を

増やして行かなければならないと感じまし

た。それぞれ非常に困難な道のりではあり

ますが、これだけ活力のある人たちの集団

ならば、それも可能であると考えられます。

最後になりましたが、今回の夏季セミナ

ーの開催にあたって、準備を行った名工大

増田研の皆さんとご支援を頂きました企業

の皆様など、支えていただいた全ての人に感謝いたします。そして本会に参加していただいた

大勢の皆様、有り難うございました。今後の研究の益々の御発展をお祈り申し上げます。この

分野の「日本発」の研究成果を今後も数多く発信することを目指して、この勢いは次に繋がる

と確信したところで、今回のご報告とさせていただきます。

講演中の会場の様子(講演者は小寺先生)

ポスターセッション(中央左は杉浦先生)