title 琉球大学理工学部紀要. 工学篇 = bulletin of science & issue … · 2017. 11....

11
Title 連続プレキャスト合成桁の実験的研究 Author(s) 大城, 武; 多和田, 伸 Citation 琉球大学理工学部紀要. 工学篇 = Bulletin of Science & Engineering Division, University of the Ryukyus. Engineering(14): 139-148 Issue Date 1977-09-30 URL http://hdl.handle.net/20.500.12000/26934 Rights

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  • Title 連続プレキャスト合成桁の実験的研究

    Author(s) 大城, 武; 多和田, 伸

    Citation琉球大学理工学部紀要. 工学篇 = Bulletin of Science &Engineering Division, University of the Ryukyus.Engineering(14): 139-148

    Issue Date 1977-09-30

    URL http://hdl.handle.net/20.500.12000/26934

    Rights

  • 琉球大学理工学部紀要 (工学篇)第14号, 1977年

    連続プレキャスト合成桁の実験的研究

    大城武皐多和田伸料

    Experimental Study on Continuous Precast

    Composite Girder

    Synopsis

    Continuous girder bridges with precast members have been used

    relatively large number in Japan, and the techniques invalved introduction

    of prestressing in concrete slab or between precast girders. These

    bridges have improved high riding quality and smooth passage of vehicles

    in addition to difficulties of assuring good maintenance of hishways.

    However, these techniques have shown undesirable tendency in ecoromical

    view points because it reguires complex processes in field.

    The main purpose of this experimental research is to improve the

    construction techniques, where epoxy resin is used as grouting material

    between precast girders and also prestressing is introduced at end blocks.

    Slab concrete is casted in situ to construct composite girders

    This experimental research concentrates on investigations of the

    connection and also the generaI behavior of continuous girder by static

    bending test. At different load steps which are graduaIly increased up to

    failure of the test beams, width and distribation of cracks, slip between

    deck and precast girder, compressive and teusile strain and deflection

    are measured, from which gene ral behaviors of the test beams are

    analysed experimentaIly.

    From the analysis mentioned above, it is concluded that the proposed

    technique guarantees the continuity at mid -span and the girders with

    the proposed connection behave as continuous without reducing any

    fIexuraI regidity. Also, the technique simplifies the construction processes

    and improves method of connections which wiIl have wide applications

    in many fields.

    受付:1977年 4月初日

    ・理工学部工学共通,教授

    "理工学部士木工学科,助手

    139

    NALIS長方形

    NALIS長方形

    NALIS長方形

  • プレキャスト桁同士および床版部分に桁方向のプレ

    ストレスを与えて完全に剛接する連続桁は,すでに多

    くの施工{列があり,走行性および耐震性の面から,そ

    の実績は高く 評価されている。しかし,この方法は,

    設計および特に施工面で工事が細分化されるために,

    はん雑となり,経済的には不利となる傾向にある。

    本研究は,従来の連続ポストテンション合成桁の施

    工性を改善する 目的で行われる九のであり,近年土木

    工事において多方面に利用きれてい る接着材を有効的

    に利用し,又,縦締めには,アンボンドの鋼棒を使用

    し.施工の単純化を計っている。 この様に,中間支点

    上の桁を接着材の注入により接合し,更に縦締めによ

    りその強化を計り,床版コンクリートにより一体化す

    連続プレキャス 卜合成桁の笑験的研究

    ると云う方法は,主として施工性を大幅に改良するも

    のである。上記の方法と,最近同様な目的で研究の進

    んでいる連結合成桁りとの比較検討により ,本工法の

    実用化への適応性について論じている。

    2 .実験概要

    本実験は 2種類の連緒方法について,連結部に着

    目し.静的曲げ試験の範囲で,ひびわれ幅,ひびわれ

    分布状態,ずれ, 鉄筋およびコンクリートのひずみ状

    態,破壊までの挙動,および耐力等について調べるこ

    とを目自りとしてる。

    まえがき

    140

    (1) 試験桁の形状寸法および製作

    試験桁の形状寸法は, Fig. 1の2種類のタイプを

    IIl~ 1V+j I

    了 1~1111-」己斗 m..J 1V..J I n I ~

    SPAN=2500

    1379

    & C A Type (a)

    1379

    1230 1230

    1V-1V

    AXZH

    句。FNV

    Type B

    []-II

    )

    旬。(

    lr O9φJSO '1

    官日1出世i

    (c) Cross Sections

    General Description of Test Beams. Fig. 1

    L一一一

    NALIS長方形

    NALIS長方形

  • 琉球大学理工学部紀要(工学篇)第14号, 1977年

    製作している。TypeAは,プレキャス卜桁聞を 2mm程

    度の間隙をも って配置し,周辺をシール材(ショーポ

    ンド101)でシールし,グラウト材を注入する。グラウ

    ト付注入後 1週間の自然、養生を行い,床版の打設を行

    っている。TypeBの桁は,最近の述結合成桁のモデル

    として製作してあり ,桁端面をlOcm離し,その問に横

    桁の配筋を行い,更に,プレキャスト桁の端ブロ y ク

    にうめ込んだ鉄筋をも含めて検桁の配筋とし,コンク

    リート打殺を床版と同時に行い一体化するものである。

    Type Cの桁は, TypeAの桁と同織であるが,縦締め

    力を加え,中間支点に二次応力として正のnjlげモーメ

    ントが作用した際の桁の挙初jを調べる目的の尖験であ

    る。

    本実験に用いる 5本の試験体の製作には,プレキャ

    スト桁を10本製作する。プレキャスト桁のコンク リー

    トの設計強度を σ"=400kg/c耐とし, プレストレス導

    入時のコ ンク リート強度を340kg/cm'以上としている。

    Fig.1に示しているプレキ ャス ト桁の PC鋼体緊張力

    は上部 7.5tonX 2およひー下音s10tonとな っている。縦

    締め力は, Type Aについては 5ton X 4, Type C に

    ついては 7.5tonX4となっている。

    プレキャスト材及び床版コンク リートの配合をTa-

    ble 1に示す。セメン トは普通ポルトラ ンドセメント

    を使用している。白地部には,エポキシ樹脂系のグ

    ラウト材(ショーポンド製)を用い 7日fH]の養生で

    圧縮強度 1,000kg/ω以上を期待出来るものである。

    PC鋼絡には向周波社PC鋼株(if>13)を使用し,規格

    はCーし 110/125を用いている。床版の主鉄筋は S

    D30 (D16),スターラップには D9の災形鋼械を使

    用した。

    (2) 試験方法

    連続桁の使用状態においては,連結部に負の曲げモ

    ーメントが生ずる。しかし,試験に際して,その様な

    荷重を与えることは本学の試験台では困維である。従

    って,載荷万法として,桁を うらがえし,桁底面に載

    祈する。この状態を Fig.2 (a), (b)に示す。試験桁Cは,

    二次応力としての正のモーメント作用時の耐力を調べ

    る目的であり ,床版上前に』依荷している。 (Fig.2(c))

    載荷方法は対称 2}.~Z載荷とし , ~車荷点中心間隔を 20

    cmとし,支承fll]隔は試験桁A,Cについて 240cm,試

    験桁Bは 250cmとした。

    Test Beam A

    B

    (c) Test Beam C

    Fig. 2 Testing Equipment Setup

    Table 1. Concrete Mixes for

    141

    NALIS長方形

    NALIS長方形

    NALIS長方形

  • 142 連続プレキャスト合成桁の実験的研究

    (3) 実験結果および考察

    (1) 材料試験

    コンクリート強度試験は10世20cmシリンダー供試体

    3本の圧縮および割裂試験の結果より平均値を Table

    2 (a)に示す。鉄筋の引張試験は,供試体として25cmに

    切り引張試験を行いその結果を Table2(b)に示す。

    Table 2. Test Results of Materials

    (a) Concrete

    Compressiv Tensile Stre Elastic Mo Stress kg/cm' St ress kg/cm' Modulus kg/cm'

    Slab 335.0 27.3 2. 9X 10'

    Precast 402.5 35.1 3.0X10' Beam

    (b) Reinforcing Bar & PC Bar

    YIeeldnlgnth 定Strengtn kg/cm'

    TenslleCM||E M la s t1C Strengthkg/cm'lModulus kg/cm'

    SD30 D16 3,620 5,590 1.9X10'

    PC Bar 11,000 O13

    12,500 2.0X10'

    (2) ひぴわれ発生状況

    ひぴわれ発生状況は目視により行い,ひびわれ巾の

    測定は,ショップ顕微鏡を用いて測定している。その

    結果は展開図として各試験桁について Fig.-7.に示す

    又,ひびわれ幅追跡結果を Table3に示す。

    Side

    事。

    Table 3. Crack Width

    L(tooan d ) Crack Width (mm)

    Beam A' Beam A' Beam B

    3

    6

    9

    11 0.01 0.01

    12 0.01 0.02 0.03

    15 0.03 0.07 0.05

    18 0.05 0.06

    21 。目 10 0.08

    24 0.10 0.10

    27 0.15 0.12

    30 0.25 0.20 0.20

    33 0.25 0.25

    36 0.70

    試験桁に最初に観察されたひぴわれは,いずれの桁

    も連結部に近い床版部であった。この時の荷重は,試

    験桁Aで11ton,試験桁Bて'12tonであった。この{直は,

    慣用的に RC構造として連結部を計算した時の設計荷

    重 (11.8ton)とは、近い値を示している。初期ひびわ

    れ幅はO.Olmmと非常に小さし特に構造的に問題とは

    ならない。更に荷重を大きくしていくと,散発的に新

    しいひぴわれが発生してくる。荷重が18-19tonに達

    すると,ひびわれが床版全幅に伸び,その幅も0.05mm

    l'6

    Fig. 3 Crack Pattern in Test Beam A,

    NALIS長方形

    NALIS長方形

    NALIS長方形

  • 琉球大学理工学部紀要(工学篇)第14号. 1977年 143

    と大きく なる。最終荷重段階におけるひびわれ分布は,

    連結部を中心に一様に分布し,特に連結部のみに集中

    する ことはない。

    試験桁Aのプレキ ャスト 桁に観察された初期ひひ合わ

    れは,床版部よりも大きく 18tonであった。そのひびわ

    れは.桁中央部の端ブロ ソク部である 。試験桁Bの連

    絡部の断面は,横桁を想定じ大きくなっ ているが, こ

    の部分にあら われた初期ひびわれは23tonであ った。コ

    ンク リート断面が部分的に大きくな っており ,直接の

    比較は困難であるが,実験値と しては,連結合成桁,

    の長所として注目する必要があ る。

    Side View

    Bottom Surface of Slab

    以上に述べたひぴわれ状況に総合的な考察を加える

    と,試験桁Aでは,桁中央部の床版に発生したひびわ

    れは, 下面縁端附近か ら荷重の増加に伴い.下面中央

    部に伸びて, 代表的な ひびわれとなっている。更に.

    床版を上部へのぴ,プレキ ャス ト桁の下フランジへ発

    展している 。又,床版下面には散発的なひびわれが発

    生し てお り,縁端から 中央部へ伸びるも のや.逆に中

    央部に発生して縁端に伸びるパタ ンもある。

    試験桁Bも. はず同様なひびわれパターンを示 して

    いるが,代表的なひびわれが,中央部よ り10cm位離れ

    た位置にある。又,試験桁Aに比較して, ひぴわれ発

    tT

    Fig. 4 Crack Pattern in Test Beam A2

    Side View

    Bottom Surface of Slab

    Fig. 5 Crack Pattern in Test Beam B

    NALIS長方形

    NALIS長方形

    NALIS長方形

  • 144 連続プレキャスト合成桁の実験的研究

    Sid巴 View

    五Jl"Bottom Surface of Slab

    Side View Bo

    Fig. 6 Crack Pattern in Test Beam C1

    lk. Bottom Surface of Slab

    I

    ・e-一

    1.,h凶

    τ.,‘、

    iJ

    -

    A

    M

    J

    a

    '一Fig. 7 Crack Pattern in Test Beam C2

    生分布が広がっている。これは横桁として考えられる

    コンクリート断面により,載荷重が床版に広〈分布

    していることて、あろう。

    ウエブは単独に斜めひびわれの発生があり,試験桁

    Aて"23ton,試験桁Bて"27tonとなっている。この荷重は

    曲げによる設計荷重の約 2倍の値である。

    試験桁Cについては支点上に正のモーメントが作用

    することを想定して載荷しであり,上記の様子とは当

    然異っている。初期ひびわれが連結部に 9tonてい入リ,

    ほとんど同時に破壊につながっている。この原因は,

    プレキャスト桁端フやロック部に局部的な引張応力がプ

    レストレス導入時に生じ,更に載荷重による引張応力

    の増加に伴い破壊に致ったものである。これ等ひぴわ

    れ発生状況を破壊にいたるまでの発生荷重を記入した

    桁の写真をFig8, 9, 10に示す。特にFig.9はタイ

    プCの連結部の破壊状況を示す。

    (3) 引張主鉄筋のV.ずみ

    スパン中央部における引張主鉄筋のひずみを載荷重

    との関係でFig.llに示す。これ等の図に示きれている

    共通する傾向は,端部のひずみが,幅中央部よりも小

    きくなっていることである。この様な傾向は連統合成

    桁の実験等でもあらわれていることであり,有効幅の

    規定に今後多くの実験を行い参考とすることが出来る。

    上記ひずみの平均値と荷重との関係を Fig.12,13に示

    す。試験桁A及びBのひずみの挙動は,鉄筋コンクリ

    ート桁のパターンを示し,荷重 ひずみの関係は,設

    計荷重 (11.8ton)までは比例していない。このこと

    は,初期ひびわれの発生がllton附近であったことを

    考えれば十分理解出来る。

    (4) 圧縮コンクリートのひずみ

    圧縮部コンクリートのひずみをスパン中央部におい

    て測定し,その結果を Fig.14,15に示す。試験桁Aに

    ついて, Fig .14に示している如し測定値が常に計算

    値よりも大きい傾向を示している。この桁については,

    スパン中央部に 2酬の白地があり丁度 2本のプレキャ

    スト桁の接合部にかかっている。このことが,図に示

    す様にひずみを大きくしている原因とも思われる。

    試験桁8のスパン中央部はlOcmの間隔を床版と同時

    NALIS長方形

    NALIS長方形

  • 琉球大学理工学部紀要(工学篇)第14号. 1977年 145

    にコンクリート打設した部分であり,断面も横桁を想 荷重の段階までは,ほぽ一致している。端部は,荷量

    定し大きくなっている。従って圧縮ひずみの分布につ の増加に伴い,ひずみ量は増加せず,分離の現象を示

    いても,主鉄筋のひずみを同様に,端部の作用が少し している。

    荷重の増加につれて,その傾向は著しい。破壊時の様

    子からしてプレキャスト昔日と横桁昔日のコンクリートが (5) スパン中央官官のたわみ

    一体となって働いておらず,ずれが生じている。今後, スパン中央部において,ダイヤルゲージを用いて淵IJ

    連絡鉄筋量(今回は世-9を6本使用)の検討がなされ 定したたわみ量と荷重の関係を Fig.17. 18に示す。試

    るべきである上記の様子を Fig.16のひずみ分布は示し, 験桁A及びBともに笑j即tJfj直が計算値に比して大きい。

    端部の平均値及び中央部のひずみと荷重の関係を Fig 試験桁Cについて,たわみの挙動を Fig.18に示す。

    15に示す。試験桁Bについては.Iffi聞がその部分で拡 図示の如し荷量 8tonまで比例してたわみは均加し,

    大され,全断面有効の計算値と iJIIJ定値は初期ひびわれ その直後に破壊している。

    (a) Test Beam A,

    (a) Test Beam C,

    (b) Test Beam A2

    (b) Test Beam C,

    Fig. 9 Failuves of Connection

    Fig. 8 Cracks and Failures of Test Beam Test Beam B

    NALIS長方形

    NALIS長方形

  • 連続プレキャスト合成桁の実験的研究146

    二二-どに11ず子ミ-B Test Beam (b) A, Test Beam (a)

    Cracks on Bottom surfaces

    「一。一-0 01

    5∞

    l∞o

    「ー。一一 o 01

    Fig. 10

    日)Q白川D

    I∞o

    1500

    A,

    2∞。

    (b) Test Beam A2 (c) Test Beam

    Tensile Strain (Reinforcing Bars) at Load Steps

    2∞o

    Test Beam B

    Distribution of

    2∞o

    (a)

    ぷγ

    込一。。ご

    Jfqod〆

    ιZ叫がル、RMWピ孟

    ?ニミ。仏

    1000 1500 5tr.;n ( XlO-')

    Load -Tensile Strain (Reinforcing

    Test Beam B

    2000

    Bars) Curves for

    500

    Fig. 13

    30

    g 20 ・4)

    句コ

    '" o ...J

    Fig. 11

    1000 1500 2000 5tr.;n ( X 10-' )

    Fig. 12 Load -Tensile Strain (Reinforcing

    Bars) Curves for Test Beam A, & A2

    500

    E17 ~ > 司 宮

    崎;ヒ。ト」

    h 』

    s .c ト

    百I

    Ej ail ;;1 rjl

    10トi

    30

    g 20 “ ) 官

    帽。J

    NALIS長方形

  • 147

    NO.3

    ' ーー・J' L_・ー

    琉球大学理工学部紀要(工学篇)第14号, 1977年

    NO.2 No. 1

    NO.3 No. 2 NO.1

    200

    800

    400'

    600

    (・10HX)E2Z161111J1

    1000 1500 strain ( x 10・)

    Load -Compressive Strain (Concrete)

    Curves for Test Beam Al & A2

    2000

    Test Resul t at Ends

    Test Result at Cf'nter

    Cυnventional Theory (Tota1 Area Effective)

    500

    Fig. 14

    30

    Distribution of Compressive Stain

    at Load Steps (Beam B)

    1000

    Fig. 16

    Load -Compressive Strain (Concrefe)

    Curves for Test Beam B

    strain ( XlO ・)1000 500

    Fig. 15

    6

    2

    (c。“}司得。J

    5.0 Deflection (..,) 10・0Load -Deflection Curve at

    Mid-Span (Beam Al & B)

    Fig. 17

    3.0 Defl町 tion(111m)

    Load -Deflection Curve at

    Mid-Span (Bιam C1 & C2 )

    1.0

    Fig. 18

    NALIS長方形

    NALIS長方形

    NALIS長方形

  • 148 連続プレキャスト合成桁の笑験的研究

    (5) 後周耐力

    試験桁の終局耐カは,試験桁'A,・ん及ぴBでそれ

    ぞれ40.5ton,39. 5ton,及び35.いonとなっている。鉄

    筋コンクリートの慣用計算による終局面fカは,鉄筋の

    材料試験の降伏応力度を用いて,試験桁A及びBにつ

    いて,それぞれ32.7ton及ひ'31.4tonとなってい ξ。実

    験値と慣用計算値の比は,試験桁A及びBについて.

    それぞれ1.24及び1.11となっている。

    又.主桁と床版のずれは,変位計により 1/1∞の精

    度て'illlj定しているが,局部的なひびわれによる影響以

    外は,非常に小さし合成作用が十分認められた。

    4 .結蛤

    従来の連続桁の製作工法とは異る本実験で提案して

    いる工法は,施工性において非常に簡易化され,今後,

    プレキャスト桁同士の連続方法として十分実用化出来

    るものと思われる。

    本実験の範囲から主桁連結部に関し.次の事項が結

    論づけられる。

    (1) 連結部のひびわれは,その附近における床版に

    あらわれ,目視による初期ひぴわれ荷重は,慣用計算

    による設計値に近い値を示す。ひびわれは特に集中す

    ることなし桁の一体化を保証するものであり,又,

    ひびわれ幅についても,ひびわれ耐力が大きいために

    特に危↑具する必要はないと思われる。

    (2) 連結部においては,鉄筋コ ンク リート矩形断面

    として設計されているが,その主鉄筋に貼付したひず

    みゲージの測定ひずみ量は,一般的にあらわれろ鉄筋

    コンクリートの性状を示し,設計の妥当性を示す。し

    かし,たわみ量は計算値より大きくあらわれる。

    (3) 連結部に二次応力として正の曲げモーメントが

    作用する場合,本実験のタイプC桁に示す織な破壊モ

    ードを示す。端プロックに於ける局部的な応力集中及

    ぴ分布を考え,更に多くの実験が必要である。

    最後に,本実験的研究を進めるにあたり,試験桁の

    製作及び実験に協力下された東洋コンクリートK.K.iIi慶

    次社長,大富コンサルタント臥花城宗順氏ならびに琉

    球大学土木工学科橋梁研究室の昭和52年度の卒業生に

    対し深〈感謝の意を表します。

    本論文の一部は,昭和51年度土木学会西部支部研究発

    表会にて発表斉みである。

    参考文献

    1 )猪股俊司:プレストレストコンクリートの設計

    および施工,技報堂

    2 ) 小林和夫:モルタル目地を用いた PC接合桁の

    破犠耐カと変形に関する考察,土木学会論文集第 259号.

    259, 1977年 3月

    3 ) 高速道路調査会 :PCポストテンショ ン合成桁

    の速結構造に関する調査研究報告書, Bi'H7年

    4 ) 阪神道路公団:ポストテンション連結方式合成

    桁橋の連結部耐力試験報告書 昭51年 3月

    5) Okada, K., Omura, A., and Hosaka, S.

    Precast Pretensioned Girder Bridges with

    Continuous Situ-cart Oecks and Oiaphragms

    Prel : minary Tenth Congress .ヨ76.

    6 ) 首藤泰之,岡田j青,および保坂誠治:ポストテ

    ンション連絡式合成桁の連結動耐力試験とその考察

    7 ) 大城武,渡嘉敷直彦,多和田伸,逮統プレキャ

    スト合成桁の実験的研究

    NALIS長方形

    N14P139 0001N14P139 0002N14P139 0003N14P139 0004N14P139 0005N14P139 0006N14P139 0007N14P139 0008N14P139 0009N14P139 0010