the einstein-podolsky-rosen paradox from concepts to...
TRANSCRIPT
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The Einstein-Podolsky-Rosen paradox
From concepts to applications
EPRパラドックス 概念から応用へ
M.D Reid and P.D.Drummond,W.P.Bowen,E.G.Cavalcanti, U.L.Andersen and G.Leuchs
Rev. Mod. Phys. 81,1727(2007)
平野研究室 07-041-017 小塩あかね
1
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はじめに この論文の内容
1935年、Einstein、Podolsky、Rosen、(EPR)
EPRパラドックスを生み出す
2
量子力学の理解を大きく進展させる
EPRパラドックスの概論、量子力学の進展、 実験的な成果についての概論をなぞること
レビュー論文 あるテーマについて研究をまとめた論文
「Can Quantum-Mechanical Description of Physical Reality Be Considered Complete?」
量子力学による記述は完全だと考えられるのか?
EPRパラドックス
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発表の流れ
予備知識
EPRパラドックスとは?
EPR実験
平野研の実験結果
3
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予備知識 位置と運動量の不確定性の復習
局所実在性とは? EPRの考えた二粒子波動関数
4
EPR思考実験の 前提条件
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予備知識 位置と運動量の不確定性関係の復習
不確定性関係~復習~
運動量の演算子
位置の演算子
不確定性関係
位置xと運動量pの不確定さの積には下限が存在
位置xと運動量pが両方定まっている状態はあり得ない
例)何らかの方法で位置xが定まる
運動量pは全く不確定
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p = −iℏ∂
∂x
x = x 𝑥 ,𝑝 = 𝑖ℏ
2
px
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局所性
The locality assumption postulates no action at a distance, so that
measurements at a location 2 cannot immediately “disturb” the system at a
spatially separated location 1.
予備知識 局所実在性とは?
6
1 2
局所性の仮定とは、距離を隔てた作用がないことを意味する。すなわち、地点2における測定が、因果的に離れた地点1の
系に瞬間的に”影響する”ことはない
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予備知識 局所実在性とは?
実在性
“If, without disturbing a system, we can predict with certainty the value of a
physical quantity,” then “there exists an element of physical reality
corresponding to this physical quantity”. The element of reality represents the
predetermined value for the physical quantity
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“もし系を乱すことなく物理量を正確に予測する事ができるのならば”この時”この物理量に対応する物理的実在としての要素が存在している”。実在としての要素は、その物理量に対する予め定まった値を表している。
例 古典的な運動一般
もし、系を乱す事無く物理量を正確に予測する事ができるのならば、この物理量に対応する値は測定と関係なく定まっている
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予備知識 局所実在性とは?
8
1 2
局所実在性
局所性 実在性
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予備知識 EPRの考えた二粒子波動関数
EPRの考えた二粒子波動関数
粒子1の位置がわかると粒子2の位置が決まり
粒子1の運動量がわかると粒子2の運動量が決まる
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ψ x1, x2 = e ipℏ (x1−x2−x0)dp
この波動関数について・・・
式を用いて説明
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予備知識 EPRの考えた二粒子波動関数
EPRの考えた二粒子波動関数
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ψ x1, x2 = e ipℏ (x1−x2−x0)dp
ψ x1, x2 = Ψp(x2)up x1 dp
up x1 = eiℏpx1
運動量について p1 = −iℏ∂
∂x1
p2 = −iℏ∂
∂x2
p1 up x1 = pup x1
p 2Ψp x2 = −pΨp x2
一番目の粒子の 運動量がわかる
二番目の粒子の 運動量が決まる
Ψp x2 = eiℏp(−x2+x0)
-
予備知識 EPRの考えた二粒子波動関数
EPRの考えた二粒子波動関数
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ψ x1, x2 = e ipℏ (x1−x2−x0)dp
vx x1 = δ x1 − x
φx x2 = ℎδ(x− x2 + x0)
ψ x1, x2 = φx(x2)vx x1 dx
位置について
q 1vx x1 = xvx x1
q 2φx x2 = (x + x0)φx x2
q 1 = x1 q 2 = x2
一番目の粒子の 位置がわかる
二番目の粒子の 位置が決まる
-
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EPRパラドックスとは EPR思考実験
EPRパラドックスとは
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EPRパラドックスとは? EPRの思考実験
EPRの思考実験
1の位置を測定
2の位置を予測できる
EPRの考えた二粒子波動関数を満たす粒子は
局所実在性を仮定すると粒子2の位置は測定と関係なく定まっている
13
局所性 ⇒2に対しては
何の影響も与えない
実在性 ⇒2の位置は測定前 から定まっていた
1 2
x1
2 x2
ψ x1, x2 = e ipℏ (x1−x2−x0)dp
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EPRパラドックスとは? EPRの思考実験
EPRの思考実験
1の運動量を測定
2の運動量を予測できる
EPRの考えた二粒子波動関数を満たす粒子は
局所実在性を仮定すると粒子2の運動量は測定と関係なく定まっている
14
局所性 ⇒2に対しては
何の影響も与えない
実在性 ⇒2の運動量は測定前から定まっていた
1 2
p1 2 p2 ψ x1, x2 = e
ipℏ (x1−x2−x0)dp
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EPRパラドックスとは? EPRパラドックスとは
EPRパラドックスとは
位置、運動量はどちらも定まっていた
不確定性関係を満たさなくなる
量子力学と局所実在性は相容れない
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2
px
EPRパラドックス
0 px
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EPR実験 実在性の拡張
直交位相振幅について 不可分性基準、EPR基準について
現在の実験結果 本論文のまとめ
16
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EPR実験 実在性の拡張
実在性
もし、系を乱すこと無く物理量を正確に予測する事ができるのならば、
この物理量の値は測定と関係なく定まっている
拡張した実在性 もし、系を乱すこと無く物理量を精度⊿で予測する事ができるのならば、
この物理量の値は測定と関係なく不確定性⊿で定まっている
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拡張
2 1 A A A 2
2
2
A 2 2 x
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EPR実験 直交位相振幅について
直交位相振幅
交換関係 を満たす
不確定性関係 を満たす
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E x z, t = ε x sin ωt − kz − p cos ωt − kz
1 px
エルミート演算子 を代入
を満たす
aax ˆˆˆ †
)ˆˆ(ˆ aaip †
ipx 2ˆ,ˆ
直交位相振幅のゆらぎはこれ以上小さくならない
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EPR実験 不可分性基準、EPR基準について
EPR基準とは?
不確定性関係を満たさないような基準
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1infinf px
EPR基準を満たす 不確定性関係と相容れない
Inference
推測する
-
EPR実験 不可分性基準、EPR基準について
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ψ x1, x2 = e ipℏ (x1−x2−x0)dp
”エンタングルした状態”
EPR基準
不可分性基準
状態が直積の形で書くことができない
14)()( 212212 ppxx
不可分性基準を満たす
dpxux pp )()( 12
))()(())()(( 1'12'2 xuxuxx pppp
-
EPR実験 現在の実験結果
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Ou,Pereira,Kimble,
and Peng
540nmのポンプ光 連続光を使用
837.0
EPR基準r
平野研究室
1064nmのポンプ光 パルス光を使用
不可分性基準
この実験結果から・・・
因果的に離した測定を 考慮していない
不確定性関係を 満たさない状態が確認
片方の測定がもう片方に 何らかの影響を与えていたかもしれない
量子論と局所実在性が 相容れない事が実験的に証明された
-
EPR実験 因果的に分離するためには?
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1 2 1 2
どんな情報も光速以上の速度で伝わることはできない
光速を用いても情報が伝わらない距離を離さないと 情報が伝わってしまうかもしれない!
光速を用いても情報が伝わらない距離を離した実験
因果的に分離した実験
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EPR実験 因果的に分離するためには?
光速を用いても情報が伝わらない距離を考える
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L ;1,2間の距離 t1;SOURCEから地点1までにかかる時間 t2;SOURCEから地点2までにかかる時間 ⊿t;測定持続時間 c ;光速
粒子1、粒子2をL以上離した測定
因果的に分離した実験
これを満たす直交位相振幅を用いた 実験は未だ行われていない!
tttcL 21
-
EPR実験 本論文のまとめ
EPRパラドックスから・・・
量子力学の理解の深化 エンタングルした状態
量子力学の実験的な発展 EPR実験
量子テレポーテーションの実験や量子暗号の実験
量子力学の理論、実験を大きく進展させた
未だ直交位相振幅を用いて因果的に離れた実験は無く、
今後そのような実験に注目したい
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量子力学の不完全性を問う論文・・・
しかし!
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平野研の実験結果
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平野研の実験結果 大久保さんの実験結果
平野研の場合・・・
不可分性基準と L > ctを満たす実験
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λ=1064nm、パルス幅7ps 繰り返し周波数76MHz
L >4 m 離さなければならない
周波数を用いて計算
nsMHz
t 1376
1
tcL
“パルス光を用いた連続変数エンタングルメントの時間領域における測定II,”大久保竜飛,平野真弓,張贇,平野琢也, 27pSK-6,日本物理学会第64回年次大会, 立教大学,2009/3/27
-
平野研の実験結果 これからの目標
これまで
不可分性基準を満たし、
離した実験
これから
EPR基準を満たし、
をした実験を行う事
27
tcL
tttcL 21
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実験系について
28
-
予備知識 エンタングルした状態とは?
①一粒子の系の復習
粒子が にある時物理量はp0をとる
位置について
座標演算子x・・・特定の値でなく変数であるために特定した値を予測できない
直接測定にのみ特定可能、しかし状態がかわってしまう!
29
1 p0をある定数とする波動関数
ψ = e iℏ p0x
運動量について・・・
・・・運動量演算子 の固有関数
・・・固有値はp0
p = −iℏ∂
∂x
∴ p Ψ = p0Ψ
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予備知識 二粒子系の波動方程式
②二粒子の系(エンタングルした状態)
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pを連続した運動量とした重ね合わせ状態
ψ x1, x2 = e ipℏ (x1−x2−x0)dp
ψ x1, x2 = e ik x1−x2−x0 ℏdk
= 2πℏδ(x1 − x2 − x0)
ψ x1, x2 = φx(x2)vx x1 dp
eikxdx = 2πδ(k)
これを用いて・・・
= ℎδ x1 − x δ(x− x2 + x0) vx x1 = δ x1 − x
φx x2 = ℎδ(x− x2 + x0)
-
EPR実験 EPR基準
EPR基準の計算方針
1. Bでの測定値をもとにAの測定値を予測
2. 実際のAの測定値との分散 , を計算
3. を求め、不確定性関係を破るように見える⇒EPR基準
A、B単独の位置と運動量は不確定性関係を破らない
31
EPR基準・・・
が不確定性関係を破るように見える値
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EPR実験 EPR基準
条件付き推定分散(EPRの思考実験の場合)
; の条件のもとで をとる確率
推定分散(一般的な場合)
;A,Bでの測定結果 ; の同時確率
;Bでの測定結果をもとにしたxの実在としての要素
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∆inf2 x = dxdxBP(x, xB) x− xest (xB)
2
P(x, xB)
xest (xB) EPRの実験の場合
Inference
推測する
estimate
見積もり
∆inf2 x xB = dxP x xB x− xest (xB)
2
が決まっている条件での分散 xB
xB x P x xB
より良い の見積もりを 考える!
xest (xB)
-
EPR実験 EPR基準
よりよい の見積もりを考える・・・
新しく定義
xest (xB)
VA|Bx = ∆inf
2 x|min = dxB P xB ∆2(x|xB)
∆2 x xB = dxP x xB x− x xB 2 実験の立場で考える
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< x|xB >
条件付き確率 のもと をとり、
となる時 xest =< x|xB >
∆inf2 x xB = ∆
2 x xB
P x xB
-
EPR実験 EPR基準
EPRの立場
局所実在性を正当化 位置と運動量の両方の結果が正確に予測できる
EPR実験の再現には
位置と運動量の正確な予測はできない 片方の結果を基に取りうる値の予測しかできない
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B A souce
B A A A A
A
A
A A A
souce
実験の再現のためには・・・
局所実在性を拡張・・・
-
局所実在性の定義を拡張する
実在としての要素を拡張
EPR実験 EPR基準
えハイゼンベルグの不確定性関係を破るように見える
EPR基準
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確率分布に関連づけられる 測定結果の予測を定量化する変数
;Bでの測定値 を基にした Aの実在としての要素
Mermin predictable value