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 Sony Creative Softwareの「Sound Forge Audio Studio 10」は波形編集ソフトと呼ばれるジャンルのソフトウェア。 オーディオデータを波形表示させた上で、コピー、カット、トリミングといった基本的な編集作業はもちろんのこと、フェード処理やノーマライズ処理などを含む音量操作、EQを用いた音質調整、コンプレッサ、コーラス、リバーブ、ディストーションなど各種エフェクトを用いた処理、さらにはマスタリング処理からCDライティングまで、これ1本でさまざまなことができてしまう。 波形を見ながら処理するなんて難しそうと思う方もいるかもしれないが、これまでまったく経験のない人でも、波形なら直感的に理解できる分かりやすいものなので、心配はいらない。またSound Forge Audio Studio 10には「操作手順チュートリアル」という、操作手順を解説してくれながら、実際の操作まで手助けしてくれる機能があるので、初心者でも気軽に使えてしまうのもうれしいところだ。 このSound Forgeは20年近い歴史を持つ波形編集ソフトであり、それだけに数多くの機能が備わっている。しかし、当初から「軽いソフト」であることをウリにしてきただけのことはあり、多機能になった現在でも機動性高く、小気味よく動作してくれるのも大きな特徴となっている。 波形編集ソフトという、オーディオを処理する中でももっとも基本的なソフトだけに、地味な存在ではあるものの、オールマイティーに活用できるのもSound Forge Audio Studio 10の良さのひとつ。たとえば、昔のレコードやカセットテープなどのアナログ素

材をPCに取り込んでキレイに加工した上でCDに焼いたり、MP3にするといったデジタル化にも最適であるほか、最近ブームともなっているリニアPCMレコーダーで録音した音を加工する目的で利用するのにも便利だ。  ま ず は、 こ のSound Forge Audio Studio 10でどんなことができるのかを画面を見ながら紹介していこう!

Sony Creat ive Software のSound Forge Audio Studio 10。標準価格が11,340円と手ごろな価格だが、プロ用としても十分通じる機能、性能を備えている

20年近い歴史を持つWindowsベースの波形編集ソフトである

レコードやカセットテープのデジタル化からリニアPCMレコーダーの積極活用まで

Sound Forge Audio Studio 10を使いこなそう

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 Sound Forge Audio Studio 10はオーディオを波形表示させて編集する波形編集ソフト。基本的にはとてもシンプルな機能のソフトで、DAW(Digital Audio

Workstation)のような複雑なことはできないが、動作がとても軽く、また非常に細かなエディットまでできるようになっている。

オーディオデータを画面上に波形表示させることができ、再生ボタンをクリックすれば、カーソルが波形上を動きながら再生されていく

波形を大きく拡大すると、サンプル単位での波形を確認することができ、●印で表されているサンプル値をドラッグすると、その値をサンプル単位で変化させることができる

波形編集ソフトとしての基本であるコピー、切り取り、貼り付け、トリミングなどの操作は自在に行うことができる

波形編集ソフトとしてのベーシックな機能

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 Sound Forge Audio Studio 10はレコーディングソフトとしても利用可能だ。オーディオインターフェイス経由でオー

ディオを入力し、録音ボタンを押せば、設定されたビット深度、サンプリングレートで録音される。

モニターにチェックを入れると入力信号がレベルメーター表示される。続いて録音ボタンをクリックすれば、録音がスタートする

停止ボタンをクリックして録音を終了すると、画面にはいま録音した音が波形で表示されている。再生をクリックすれば、録音した音が再生される

Sound Forge Audio Studio 10で録音しなくても、すでに録音済みのオーディオデータがあれば、それを読み込んで扱うこともできる

サンプリングレート(サンプリング周波数)および、ビット深度(量子化ビット数)を目的に合わせて自由に設定できる

便利に使えるレコーディング機能

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 録音した音や、外部からファイルで取り込んだ音などは「プロセス」メニューから選択する各種オーディオプロセス処理を利用して自在に加工することができる。

フェード処理やパン、またEQ、タイムストレッチ、またビット深度コンバートやリサンプリングなどもここで行える。

「プロセス」メニューを選択すると「ビット深度コンバータ」、「DCオフセット」、「EQ」、「フェード」……と15種類の処理項目が用意されている

データの先頭付近を選択した上で、「フェードイン」処理を行うと、音量が徐々に上がっていくことが波形からもわかる

「EQ」のサブメニューである「グラフィック」を選ぶと、グラフィックイコライザを用いた音質調整処理ができる

「リサンプリング」を選ぶと2 〜 192kHzの範囲内において自由にリサンプリングが行える。44.2kHzや191kHzなど、普段使わないようなサンプリングレートを設定することも可能

充実したオーディオプロセス処理

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 表示されている波形の一部、または全部に対して、エフェクトをかけることもできる。Sound Forge Audio Studio 10の

「エフェクト」メニューを見ると、「コーラ

ス」、「ディレイ」、「ディストーション」、「リバーブ」など12種類のエフェクトが用意されているので、これらを選んで設定することができる。

最大音量を何dBにするかを指定した上で、それに合うように全体の音量を上げたり下げたりするノーマライズ機能。オーディオ処理する上で頻繁に利用する機能だ

あらかじめエフェクトをかけたい部分を範囲指定した上で、「エフェクト」メニューを選ぶ。すると12種類のエフェクトが表示されるので、かけたいエフェクトを選択する。

「コーラス」を選ぶとSony ExpressFXコーラスの画面が表示される。ここでレートや深度を設定して、

「OK」をクリックすればエフェクトがかかる「エンベロープ」を選ぶと、音の立ち上がりや、残響などの設定をグラフィカルに行うことができる

Sony Resonant Filter。フィルタの種類の設定によりローパスフィルタ、バンドパスフィルタ、ハイパスフィルタに切り替わり、原音をドラスティックに変化させることができる

数多く搭載されているエフェクト機能

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 Sound ForgeはWindows上で長年独自の進化を遂げてきたソフトだが、業界標準規格に対しても積極的に取り込んできた経緯がある。いち早くWindows標準のDirectXプラグインに対応し、その後VSTプラグインにも対応。またオーディオインターフェイスに対してはMME、DirectX、ASIOとほとんど規格に対応している。

古くからあるエフェクトのプラグイン形式であるDirectXにも対応している。実はSound Forge Audio Studio 10標準の12種類のエフェクトもすべてDirertXで構成されている

Sound Forge Audio Studio 10にバンドルされているボーカルを消去するためのエフェクト、Vocal EraserもDirectXプラグインとなっている

業界標準のプラグイン規格VSTにも対応している。ユーザー設定において、プラグインの入っているフォルダを指定すれば組み込むことができる

VSTプラグインを組み込んだら、「FXお気に入り」を利用して整理しておけば、ほかのエフェクトとまったく同様に使うことができる

オーディオインターフェイスの性能を存分に引き出すことができるドライバ規格ASIOにも対応している

VST や ASIO など業界標準に対応

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 Sound Forge Audio Studio 10はさまざまなファイルフォーマットのオーディオファイルで書き出すことができる。WAV、AIFF、MP3はもちろん、ATRAC、

Ogg Vorbis……、何でも対応している。同様に多彩なフォーマットのデータを読み込むこともできるため、ファイルコンバータとしての利用価値もある。

ファイルを保存する際、「ファイルの種類」をクリックすることで、目的のフォーマットを設定することができる

フォーマットを指定した後、「カスタム設定」ボタンをクリックするとフォーマットに応じた設定画面が表示されるので、細かい設定はそこで行う

AIFF、ATRAC、FLAC、Ogg Vorbis、RealMediaなどさまざまなフォーマットから選択することができる

ファイルを開く際も、さまざまなファイルフォーマットに対応しているので、便利に利用することができる

MP3、WMA、ロスレスなどさまざまな形に入出力を対応

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 Sound Forge Audio Studio 10はプロ用のマスタリングソフトに匹敵するようなCDライティング機能が備わっている。ライブのような長時間のレコーディング

データでもリージョン機能を用いて、1曲ずつを指定した上で、ディスクアットワンスで焼くことで、細かな曲間指定も可能になる。

ライブなどの長時間データの場合、まずリージョン機能を用いてリージョンマーカーを打っていく

「ツール」メニューから「ディスクアットワンスオーディオCDの書き込み」を選択する

最後に、内容を確認の上、OKをクリックすれば目的のCDが焼きあがる

強力な CD 制作機能を装備

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免責事項について本書に記載されている内容は、初版執筆時の情報に基づいています。執筆後に更新された情報やソフトウェアのバージョンアップなどには対応しない場合がありますので、あらかじめご了承下さい。

内容のお問い合わせについて● 誤字脱字およびミスプリントのご指摘は、当社 Web サイト(http://www.rutles.

net/)の「サポート・ダウンロードページ」をご利用下さい。電話・電子メール・FAX 等でのお問い合わせは一切受け付けておりません。

● 本書をよく読めばわかることや、内容と関係のないご質問(「○○はどこに書いてあるのか」「パソコンやソフトが不安定(動かない)なのはなぜか」「ソフトの使い方が分からない」「こんなテクニックを教えて欲しい」など)にはお答えしませんので、あらかじめご了承下さい。

● 本書の内容についての文責は(株)ラトルズにあります。本書記載事項について、各ハードウェアおよびソフトウェア開発元へのお問い合わせはご遠慮ください。

ACID、Sound Forge、Vegas は、米国およびその他の国における Sony Creative Software, Incの商標または登録商標です。Microsoft、Windows、Windows 7 は、Microsoft Corporation の米国およびその他の国における商標または登録商標です。その他、本書に掲載した会社名、製品名、ソフト名などは、一般に各メーカーの商標または登録商標です。書籍の中での呼称は、通称やそのほかの名称で記述する場合がありますが、ご了承ください。

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 オーディオを処理するためのもっとも基礎的なソフトを波形編集ソフト、または波形エディターと呼んでいる。Sound Forge はその波形編集ソフトの中で、もっとも著名なものであり、20 年近い歴史を持つまさに老舗ソフトだ。そして、その Sound Forge のエントリー版として発売されているのが本書で扱う Sound Forge Audio Studio 10 だ。エントリー版とはいえ、プロ用と言って差し支えないほど高度な機能を有しており、これひとつでさまざまな編集作業が可能となっている。

 印刷物を作り上げる統合環境ソフトとして DTP ソフトがあるのに対して、単純に文字だけを書くテキストエディタがある。これと同様に、音楽を制作する統合環境を備える DAW ソフトがあるのに対して、単純に音を編集する波形編集ソフトがあるのだ。これはテキストエディタと同様に、非常に動作が軽く、小気味よく機動性高く動作してくれるとともに、非常に細かいところまで編集操作ができるのが特徴だ。 波形の編集というと、初めての人には、難しそうに思えるかもしれないが、実際には直観的で分かりやすいものだ。また、最近流行りのリニア PCM レコーダーを使いこなすためには、波形編集ソフトは必須のツールともいえるし、レコードやカセットテープなど古いアナログ素材をデジタル化する上でも重要なツールとなっている。

 そこで本書では、Sound Forge Audio Studio 10 を使って波形編集の基本的な使い方から、実践的な活用法まで多角的に捉えて紹介していく。とくにリニア PCM レコーダーを使っている方には、ぜひ活用していただきたノウハウを満載しているので、参考にしていただきたい。

2010 年 7 月

著者

はじめに

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Contents

本格的な波形編集機能を誰でも使いこなせるSound Forge Audio Studio······ ·9

リニアPCMレコーダとの連携······················25

レコードやカセットテープのデジタル化からリニアPCMレコーダーの積極活用まで

Sound Forge Audio Studio 10を使いこなそう

1-01 波形編集ソフトって、何をするためのソフト?····································· 101-02 “老舗”ソフトとして進化してきたSoundForgeシリーズ·············· 121-03 現在のSoundForgeのラインアップ·············································· 151-04 手ごろな価格ながら本格的な波形編集ソフト

SoundForgeAudioStudio10················································ 18

1-05 機能拡張も可能で、アナログ素材のデジタル化にも最適··················· 201-06 初めてでも安心! 親切なチュートリアルを搭載······························· 22

2-01 一大ブームとなっているリニアPCMレコーダ··································· 262-02 リニアPCMレコーダで録音された素材の基本は

WAV/MP3データ··············································································· 28

COLUMNICレコーダにもリニアPCM録音対応タイプはある············ 30

2-03 SoundForgeAudioStudio10で編集・加工することで本領を発揮する················································ 31

2-04 必要な部分だけを切り出して、キレイにする········································ 322-05 必要に応じて自由自在にフォーマット変換·········································· 332-06 ライブ演奏を丸ごとCD化してしまう················································· 34

004

Introduction

Chapter 1

Chapter 2

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性能を引き出すための設定テクニックとは················································35

AV機器や楽器の音をレコーディングする················································49

波形編集のコツを学ぼう···································69

3-01 手持ちのパソコンさえあれば使い始めることはできる······················ 363-02 高音質に録音したいなら、

オーディオインターフェイスを用意しよう············································ 37

COLUMNサンプリングビット/レートってなに?·································· 40

3-03 オーディオ設定を変更する·································································· 41 COLUMNASIOドライバってなに?······················································· 44

3-04 楽器やマイクを接続するには······························································· 45 COLUMN好みに合わせてカスタマイズを行う······································· 48

4-01 レコードを録るだけでなく、高音質化することも可能························· 50 COLUMNアナログレコードを半自動でデジタル化する便利機能········ 51

4-02 チュートリアルでSoundForgeの基本操作を学ぶ························ 524-03 レコーディング用に新たなウィンドウを作成する······························· 544-04 録音レベル調整のコツ········································································· 57 COLUMNより大きなレベルメーターが表示されるリモート録音········· 60

COLUMNS/PDIF接続なら録音レベル調整は不要····························· 61

4-05 レコーディングを開始する··································································· 624-06 DAWやリニアPCMレコーダでレコーディングした

ファイルを読み込む·············································································· 65

4-07 音楽CDから楽曲を取り込む······························································· 67

5-01 録音しただけではダメ。不要部分のカットや曲単位での分割で完成に近づけよう··················································· 70

5-02 編集ポイントを“目”で探す··································································· 72

005

Chapter 3

Chapter 4

Chapter 5

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5-03 編集ポイントを“耳”で探す··································································· 75 COLUMNカーソル位置の前後を簡単にプレビューする························ 78

5-04 マーカーを活用して効率よく編集する················································· 79 COLUMNマーカーとリージョンの違い·················································· 85

5-05 不要な無音部分をカットする······························································· 865-06 波形の最初/最後にフェード処理を行う············································ 90 COLUMNゼロにスナップ機能とは························································· 92

5-07 オリジナルのACIDループを作成する················································ 94

完成度を高めるオーディオプロセス処理·····································97

音を作り込むエフェクトを使いこなせ······························································· ·113

6-01 さまざまなオーディオプロセス処理が行える····································· 986-02 ノーマライズでボリュームを最大限に引き上げる······························· 99 COLUMN必要に合わせてボリュームを変える·····································102

6-03 フェードイン/フェードアウトで曲の始まりと終わりを自然にする······················································103

COLUMNオーディオプロセス処理が適用される範囲························106

6-04 音質を変えずに曲の長さを合わせるタイムストレッチ·····················108 COLUMNCDの曲からボーカルを消してカラオケを作る···················110

COLUMNオーディオプロセス処理はマスタリングでも活用する·······112

7-01 音の微調整から、大きく変化させることまで可能なエフェクト········114 COLUMN「エフェクト」と「プロセス」の違い·········································115

7-02 エフェクト設定の基本を学ぶ·····························································116 COLUMN気に入った設定はプリセットとして保存しておく················119

COLUMN原音とエフェクト音をバイパス機能で聴き比べる···············120

7-03 レコードやカセットテープに目立つノイズを消す·····························121 COLUMN選択範囲前後の原音とエフェクト音を聴き比べる··············124

7-04 好みのVST/DirectXプラグインを追加する·································125

006

Chapter 6

Chapter 7

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マスタリングで曲を完成させる·················· ·129

本格的な音楽CDアルバムを作成しよう······························································· ·151

8-01 マスタリングとはなにか?··································································130 8-02 EQで音質を微調整する····································································1318-03 ダイナミクスで音圧を上げる······························································135 COLUMN豊富に用意されたプリセットを活用しよう··························137

8-04 目的に合わせてサンプリングビット/レートを変換する··················138 COLUMN最後に変換するなら、高サンプリングビット/レートの

レコーディングは意味がない?············································141

COLUMNディザ/ノイズシェーピング設定、それぞれの違いとは·······142

COLUMNリサンプリングの細かな設定················································144

8-05 さまざまなファイル形式で保存する··················································145 COLUMNSoundForgeで作成した音声ファイルを、

動画のBGMにする······························································148

COLUMNマスタリングとリマスタリング··············································150

9-01 完成した曲から簡単に音楽CDが作成できる··································152 9-02 ひとつのファイルをトラックアットワンスで書き込む·······················153 COLUMN音楽CDを作成するには、

あらかじめ16bit/44.1kHzに変換しておこう·················154

9-03 1枚のCDにトラックアットワンスで2曲目、3曲目を追加する····1559-04 RedBook準拠の音楽CDが作成できる

ディスクアットワンス機能···································································158

9-05 リージョンを活用し、ひとつのウィンドウに複数の曲を配置する····159 COLUMN曲間に打ったマーカーからリージョンを作成する···············164

9-06 曲間なし&選曲可能なライブCDを作る··········································166 COLUMNディスクアットワンスで曲間に無音部分を追加するには····167

007

Chapter 8

Chapter 9

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さらに高度な編集を可能にするSound Forge 10·········································· ·16910-01 上位バージョンであるSoundForgePro10····························170 10-02 マルチチャンネル、サラウンド編集が可能な

SoundForgePro10··································································174

COLUMNDolobyDigitalAC-3形式でのエクスポート················176

10-03 iZotopeのディザーとサンプルコンバータ······································178 COLUMN64bit/192kHzに対応した高性能エンジン····················181

COLUMNiZotopeのマスタリングエフェクト·····································182

10-04 スクリプト作成とバッチ処理により一連の作業を一括処理············18310-05 非常に強力なノイズリダクション機能···············································186

索引······································································································188

008

Chapter 10

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Chapter 1

本格的な波形編集機能を誰でも使いこなせる

Sound Forge Audio Studio

Sound Forge Audio Studio 10 は音声を波形表示させて、それを編集するためのソフトだ。20 年近い歴史を持つ老舗ソフトであるだけに、さまざまな機能が搭載されるとともに、使い勝手もよくできている。初心者には一見難しそうに思える波形編集だが、勘所をつかんでしまえば誰でも簡単に使える。

Chapter 1

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 本書で扱う Sony Creative Software の  Sound Forge Audio Studio 10は、波形編集※ソフトと呼ばれるジャンルのソフト。波形エディタとかウェーブエディタなどと呼ばれることもあるが、これは一体何をするための、どんなソフトなのだろうか? 波形編集ソフトというくらいだから、もちろん波形を編集するソフトなのだが、ここでいう波形とは音声をグラフ表示化したもののこと。これまで、まったくこうした波形を扱ったことがない人にとっては、かなり難しそうなものに見えるかもしれない。だが実は非常に直感的で、分かりやすいものだから、あまり萎縮することはない。

Sony Creative Softwareの波形編集ソフト、Sound Forge Audio Studio 10

01 波形編集ソフトって、何をするためのソフト?

波形編集音は空気を振動させる波動であるが、その波をグラフィカルに表示させた波形を編集すること。これによって音を自在に変化させることができる。

010

本格的な波形編集機能を誰でも使いこなせる Sound Forge Audio StudioChapter 1Paragraph

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1-01 波形編集ソフトって、何をするためのソフト?

 たとえば、「ヤッホー」という声を録音したものを Sound Forgeを用いて波形で表示させたものを見てみよう。

「ヤッホー」という音声をSound Forge Audio Studio 10上で波形にして表示させるとこのようになる

 縦の波形の振幅の大きさが音量の大きさを示し、横は左から右へと時間の流れを意味している。この波形を見ると、左側である固まりが

「ヤ」を示し、右側の固まりが「ホー」とだんだん音量が小さくなっていくことを示している。また「ヤ」と「ホ」の間にほとんど音が出ていない無音区間ができているが、これが「ッ」のところというわけだ。 実際に波形を見ると、意外と分かりやすいことが実感できるだろう。

 このように表示される波形を自由自在に編集していくソフトを波形編集ソフトと呼んでいる。波形編集ソフトは、そもそも、こうした声や楽器などの音を録音するところから始まり、音量を大きくしたり、切ったりつなぎ合わせたり、またいわゆるエコーのような反響効果をつけたり、低音を強調するとか、高域を伸ばすなど……と、さまざまな編集ができるソフトなのだ。 DTM ※と呼ばれる音楽制作のためのソフトには、DAW ※やループシーケンサ※などさまざまなタイプのものがあるが、波形編集ソフトも DTM ソフトのひとつと捉えることができる。また、波形編集ソフトは DTM ソフトの中で、もっとも基本的な操作をするものであり、とても単純なソフトでもある。 では、単純なソフトだから、価値の低いソフトかというと、実はそうではない。非常に機動性が高く、小回りが利くソフトであるだけに、使うシーンはいろいろあり、使う人のスキルによって、さまざまな武器にもなる重要なソフトなのだ。

ループシーケンサ

DAW

DTM

Sound Forgeと姉妹関係にあるACIDに代表されるソフトで、ループ素材を並べていくだけで、オリジナル楽曲の生成ができるというもの。

Digital Audio Workstationの略。SONAR、Cubase、ProToolsなど音楽制作のすべてを統括して行えるソフトのこと。オーディオのマルチトラックでのレコーディング編集ができるほか、MIDIシーケンス機能やプラグイン機能なども備えている。

Desk Top Music(デスクトップ・ミュージック)の略。DTP

(Desk Top Publishing) を文字って作った言葉といわれているが、DTPと同様にPCを用いて机の上だけで音楽制作を行うことを意味する。コンピュータ・ミュージックとも同義語だ。

011

Chapter 1

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 Windows用、Mac用を含め、現在、波形編集ソフトというのは数多く存在している。結構高価なプロ用、業務用のソフトから、数千円のソフト、果ては無料のフリーウェアまでいろいろ。もちろん、国産のソフト、アメリカ製のソフト、ドイツ製のソフトなど、本当にさまざまだが、その中でももっとも有名なソフトはといわれれば、やはりこのSound Forgeだろう。Sound Forgeは波形編集ソフトの代名詞的なソフトであるといっても過言ではない。 その背景には、まず歴史がある。筆者がはじめてSound Forgeに触れたのは、確か1995年だった。Sonic Foundryというアメリカの会社が作ったソフトで、Windows 95が発売される前のWindows 3.1※用に作られたSound Forge Version 3.0というもの。

国内では95年にフックアップから発売されたSound Forge Version 3.0。

 日本の代理店であるフックアップが初めて扱うことになり、取材に行った記憶がある。ちなみにSound Forgeの“Forge”とは「鍛冶(かじ)屋」とか「(鉄を)鋳造する」といった意味の英語。そのため当時のパッケージにもまさにそれをイメージするイラストが表示されたいた。 またそのSound Forge Version 3.0はフロッピーディスク2枚組みという構成で、たったそれだけで十分に機能する波形編集ソフトだったのだ。

02“老舗”ソフトとして進化してきたSound Forgeシリーズ

Windows 3.1国内では1993年5月に発売され たWindows 95の前のバージョン。16bit処理のOSであり、Windows普及の足がかりとなった製品。

012

本格的な波形編集機能を誰でも使いこなせる Sound Forge Audio StudioChapter 1Paragraph

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1-02 “老舗”ソフトとして進化してきた Sound Forge シリーズ

Sound Forge Version 3.0は2HD※(1.44MB)のフロッピーディスク2枚組みという非常にコンパクトなアプリケーションだった

 しかも、当時のSound Forgeにはすでに、現在の製品の基本的要素が揃っており、その姿もそこから大きくは変化していない。

Sound Forge Version 3.0は当時のOS、Windows 3.1上で動作していた16bitのアプリケーションだが、基本的な機能はすでに備わっていた。

 当時から軽く、キビキビと動作するソフトであり、そのことが多くのユーザーに支持されてきた大きな要因でもあるのだ。 実際、筆者自身、このSound ForgeをVersion 3.0のときに購入して以来、ずっとバージョンアップを繰り返しながら使い続けてきている。もちろん、その間、さまざまな機能が追加されてきてはいる

2HDフロッピーディスクの種類で、両面高密度のものをいう。フォーマットの仕方に よって1.2 〜 1.44MBの容量となるが Windowsにおいては一般的に1.44 MBが使われた。

013

Chapter 1

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ものの、波形編集ソフトの範囲から逸脱することなく、あくまでも単純なソフトであり続けていることも大きな魅力なのだ。

 ところで、先ほどSonic Foundryという社名を出したが、現在Sound Forgeを出しているのはSony Creative Software。これは、どういうことなのだろうか? 実は現在でもSonic FoundryはNASDAQにも上場したリッチメディアのWebキャスティングなどを行う会社として存続してる。ただ、同社は2003年にアメリカにあるソニーの子会社であるSony Pictures Digitalにソフトウェア事業を売却したのだ。具体的には、このSound Forgeのほか、ACID※、Vegas※といったソフトウェア群であり、これらがすべて日本のSONYブランド製品へと切り替わったわけだ。 ちなみに、そのソフトウェア事業部門はSony Pictures Digital Networks、Sony Media Softwareな ど の 社 名 を 経 て、 現 在 のSony Creative Softwareに落ち着いた。

ACID

Vegas

Sony Creative Softwareのループシーケンサ。最新版はプロ仕様のACID Pro 7と 普 及 版 のACID MUSIC STUDIO 8。

Sony Creative Softwareの ビ デ オ 編 集 ソ フト。最 新 版 は プ ロ 仕 様 のVegas Pro 9と普及 版のVegas Movie Studio HD Platinum。

014

本格的な波形編集機能を誰でも使いこなせる Sound Forge Audio StudioChapter 1

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1-03 現在の Sound Forge のラインアップ

 Sound Forge は途中、事業売却などをあったものの、2、3 年に1 度のバージョンアップを繰り返しつつ、現在に至っている。ただ、比較的最近になってからプロ仕様の製品と、エントリーユーザー向けの製品に分かた。最新版でいうと以下の 2 種類。

Sound Forge Pro 10 •

本書が扱っている普及版のSound ForgeであるSound Forge Audio Studio 10の日本語版パッケージ

Sound Forge Audio Studio 10 •

上 位 バ ー ジ ョ ン で あ り、 プ ロ 仕 様 のSound Forge Pro 10の日本語パッケージ

 Sound Forge Pro 10 のほうがプロ仕様であり、パッケージ製品の定価が 57,750 円、また本書がテーマとしているエントリーユーザー向けの Sound Forge Audio Studio 10 は 11,340 円となっている。ただし、Sound Forge Audio Studio 10 が、かなりの機能、性能を盛り込んでいるため、大半の人にとってはこれで十分過ぎると

03現在のSound Forgeのラインアップ

Paragraph

015

Chapter 1Chapter 1

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いうものになっているのも事実だ。違いの詳細については Chapter 10 で紹介しているので、そちらをご覧いただきたい。 一方、前のバージョン 9.0 のときに、もうひとつ別のソフトが生まれていた。それが、

Sound Forge Audio Studio 9.0 LE •というもの。実はこれ、実質的には Sound Forge Audio Studio 9に限りなく近いソフトであり、違いはボーカルを除去するプラグイン、Vocal Eraser の有無くらいだったのだが、これが爆発的に普及した。というのは、この Sound Forge Audio Studio 9.0 LE がソニー製品にバンドルされるようになったからだ。  そ れ ま で 本 社 で あ る 日 本 の ソ ニ ー に と っ て Sony Creative Software は海外にある孫会社ということで、かなり遠い関係にあったが、関係強化が図られた結果、現在ソニーの 2 つハードウェア製品にバンドルされるようになった。具体的には USB ポート搭載のレコードプレイヤーである

PS-LX300USB • ※

ソニーのUSB端子搭載のアナログのレコ ー ド プ レ イ ヤ ー、PS-LX300USB。これにSound Forge Audio Studio 9.0 LEがバンドルされている

もうひとつは、小型のリニア PCM レコーダーであるPCM-M10 • ※

ソ ニ ー の 小 型 の リ ニ アPCMレ コ ー ダ ー、PCM-M10。これにもSound Forge Audio Studio 9.0 LEがバンドルされている

PS-LX300USB

PCM-M10

2008年3月 にソニ ー が発売したレコードプレイヤー。従来どおりのレコードプレイヤーとしても使えるが、USB端子を搭載しておりPCと接続すると、簡単にデジタル化ができる

2009年10月 に ソ ニ ーが 発 売した 小 型 のリニアPCMレ コ ー ダ ー。PCM-D50の下位モデルとして発売され、価格も3万円前後と安い設定であったため人気がある。

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本格的な波形編集機能を誰でも使いこなせる Sound Forge Audio StudioChapter 1

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1-03 現在の Sound Forge のラインアップ

の 2 製品。レコードプレイヤーのほうはソニーがコンシューマ用にレコードプレイヤーを復活させたということで、テレビのニュースなどでも取り上げられたほどなので、ご存知の方も多いのではないだろうか? これを利用することで、昔のレコードを PC に取り込んで、CD にしたり MP3 ※にできるというのがウリなのだが、まさにその編集作業を行うのが Sound Forge というわけだ。 また PCM-M10 は、野外で自然の音を録音したり、音や自分の手で楽器の演奏、ライブでの演奏などを高音質で録音できる機材だが、それを PC に取り込んで、キレイに加工するために Sound Forgeを使うというわけだ。

 現在のところ、バンドル版である Sound Forge Audio Studio 9.0 LE はバージョン 10 へのアップグレードは行われていないため、そのまま 9.0 がバンドルされる形で広まっている。ただし、この Sound Forge Audio Studio 9.0 LE から Sound Forge Audio Studio 10 へのアップグレードパスは用意されており、5,250 円でアップグレード版が購入できるので、検討してみる価値はありそうだ。

MP3オーディオ圧縮形式のひとつで、もっとも広く普及しているもの。ビットレートによって音質は変わるが標準的な128kbpsではCDで使われる容量の約1/11にまで縮小させることができる。

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Chapter 1

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 このように長い歴史を持ち、多く人たちに使われているSound Forgeだが、本書で主に取り上げているのは下位バージョンのSound Forge Audio Studio 10だ。ただ、下位バージョンと聞くと、

「機能が乏しいのではないか?」、「クォリティー的にレベルが低いのではないか?」……といったさまざまな疑問や不安をいだく人もいるかもしれない。価格的にも標準価格が11,340円で、実売価格になると10,000円を切るため、その点でも不安に感じるかもしれない。 しかし大半の人にとっては、Sound Forge Audio Studio 10で十分すぎるほどの機能と性能を持っている。実際、プロのユーザーであっても、これで十分という人が多いのではないだろうか? その背景には、まず扱えるオーディオフォーマットが24bit/ 192kHz※、さらには32bitフローティング※/192kHzにまで対応したことが挙げられる。

Sound Forge Audio Studio 10はプロ仕様としても十分通用する24bit/192kHzさらには32bit/ 192kHzに対応している

 現在のプロのレコーディング現場でも24bit/192kHzで行われているケースは稀であり、その多くは24bit/48kHzや24bit/96kHzである。それを余裕で上回るスペックを有しているのだ。上位バージョンのSound Forge Pro 10では64bitフローティング/192kHz対応となっているが、そこまでを必要とする人は少ないだろう。またSound Forge Pro 10ではモノラル、ステレオだけでなく5.1chなどのサラウンドが扱えるのが大きな特徴だ。しかし、映画やゲームの世界以外でサラウンドを扱うことはほとんどないのが実情だ。その意味でもSound Forge Audio Studio 10で十分な機能、性能を持っているといえるのだ。 さらにSound Forge Audio Studio 10では、ここで編集したオーディオを直接CDに焼けるという機能も搭載している。

04 手ごろな価格ながら本格的な波形編集ソフトSound Forge Audio Studio 10

24bit/192kHz

32bitフローティング

量子化ビット数、つまり音の大きさの違いをどれだけ細かく分解するかを24bitで行い、サンプリングレート、つまり音をどれだけ細かい周期でサンプリングするかを192kHzで行っていることを示す。ちなみに、24bitでは1678万段階となり、192kHzは5.2μ秒に1回のサンプリングを意味する

32bitを使ったフローティングポイント演算=浮動小数 点演算を意味する。固定小数点での演算と違い、指数を用いた演算をするため、非常に広い範囲の数字を扱えるとともに、正確な演算が可能になる

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本格的な波形編集機能を誰でも使いこなせる Sound Forge Audio StudioChapter 1Paragraph

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1-04 手ごろな価格ながら本格的な波形編集ソフト Sound Forge Audio Studio 10

Sound Forge Audio Studio 10には、マスタリングソフトに匹敵する非常に強力なオーディオCDのライティング機能が備わっている

 確かに、CDを焼くためのCDライティング機能※自体は珍しいものではない。しかし、Sound Forge Audio Studio 10では曲と曲の間の時間を自由に調整したり、ライブ音源のような場合は曲間を0としてキレイに繋ぐといったことも可能な高度な機能を持っているのだ。こうしたことができるソフトは従来業務用ソフトだけだったので、CDライティングソフトとして購入しても十分価値のあるものといえよう。

CDライティング機能オーディオCD(CD-DA)をCD-Rに焼くための 機能。

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Chapter 1

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 「Sound Forge Audio Studio 10が高性能であることは知っているが、とくにエフェクト機能が物足りない」と思う人もいるかもしれない。確かに、最近のDAWには数多くのエフェクトが搭載されているので、それと比較すると少なく感じるかもしれない。 ただ、そこにおいても心配はいらない。業界標準のプラグイン規格であるVST※およびDirectX※に対応しているので、いくらでも機能拡張していくことが可能だ。

業界標準のプラグインであるVST、DirectXのそれぞれの規格に対応している

 Sonnox※やWAVES※といった業務用の高価なプラグインから、オンラインで流通している無料のフリーウェアまで、何でも自由に追加していくことができるのも、大きな魅力といえるだろう。

 これまで見てきたとおり、波形編集ソフトはさまざまな利用法があるが、前出のレコードプレイヤー、PS-LX300USBにSound Forgeがバンドルされていることからも想像できるように、アナログ素材のデジタル化という使い方が最近非常に増えている。つまり、レコードやカセットテープといった古いアナログ素材をSound Forge

05 機能拡張も可能で、アナログ素材のデジタル化にも最適

VST

DirectX

Sonnox

WAVES

Virtual Studio Technologyの略で、独Steinberg社が開発したプラグインの規格。WindowsにおいてはVSTがもっとも普及しているプラグイン規格である。

Microsoftが Windowsにマルチメディア機能を拡張するために搭載した機能で、DirectSound、Direct Show、DirectDrawなどさまざまなものがある。DTMの世界ではDirectShowに対応したフィルタのことを意味しており、VSTと同様にプラグインとしてオーディオエフェクトをかけることが可能になっている。

イギリスのプロ向けプラグイン開発メーカーで、EQには定評がある。元はSony系列のSony Oxfordという会社だったが、スピンアウトの形で独立系メーカーとなった。

イスラエルのプロ向けプラグイン 開 発 メーカー、Waves Audioのこと。マキシマイザのL1やリバーブのRenaissance Reverb、ステレオイメージャーのS1など、プロが絶賛するエフェクトが数多くある

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1-05 機能拡張も可能で、アナログ素材のデジタル化にも最適

で取り込んで処理した上で、CDやMP3化することができるのだ。この際、Sound Forgeによる編集処理で、音の“くすみ”をとったり、音圧を上げるといった、いわゆるリマスタリングができるというのも大きなポイントだ。

自由自在にプラグインを追加していくことができる。画面は4front社がフリーウェアとして出しているマスタリング用のリミッター、W1 Limitter

 確かに、Sound Forge Audio Studio 10だけでできるリマスタリング処理では物足りなさがあるかもしれないが、それこそマスタリング用のプラグインを追加することで、いくらでも機能強化していくことができるのだ。

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Chapter 1

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 一方で、これまで波形編集ソフトなど一切使ったことのない人にとっては「まったく初心者である自分に Sound Forge Audio Studio 10 を使いこなすことができるだろうか……」という不安があるかもしれない。 やはり慣れないと、分かりにくい点はいろいろあるだろう。でも、そうした人でも、確実に操作していくために、  操作手順チュートリアル※

という非常に便利な機能が用意されているのだ。

Sound Forge Audio Stdio 10に搭載された操作手順チュートリアル。ここにはさまざまな操作手順のメニューが用意されている

 多くの初心者向けソフトには、ヘルプやマニュアル、中にはビデオなどで機能解説をするチュートリアルが用意されてはいる。しかし、Sound Forge Audio Studio 10 の操作手順チュートリアルは、これまでにないよくできたものになっている。まあ、これは ACID やVegas など Sony Creative Software のソフト共通の特有な機能なのだが、とにかく初心者にとってはとても分かりやすい機能といえるだろう。 というのも、このチュートリアルが独立したコンテンツではなく、Sound Forge Audio Studio 10そのものに直接組み込まれており、ユーザーがしたいことを選択すると、その手順を教えてくれるととも

06 初めてでも安心! 親切なチュートリアルを搭載

操作手順チュートリアル

Sony Creative Software独自の技術によって生み出された操作手順を解説してくれる機能。解説してくれるのと同時に、実際の手順を進めていくことができるので、非常にわかりやすい。

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1-06 初めてでも安心の、親切なチュートリアル機能も搭載

に、そのまま操作ができるようになっているからだ。そのため、実際に使いながらその操作手順やコツを学ぶことができるのだ。たとえば

「CD からオーディオを抽出する方法」、「レコードからオーディオを録音する方法」、「VST エフェクト※を設定する方法」、「ACID ループを作成する方法」、「オーディオをピッチベンドする方法」、「CD に書き込む方法」…などなど。それを選ぶとヘルプのように解説が表示されると同時に、Sound Forge の画面上で、目的の操作部分が赤く囲まれるなどして、操作すべきボタンなどが指し示されるのだ。あとは、そこをマウスでクリックするなどしていけば操作ができてしまう。 実際に使ってみると、とてもわかりやすく、Sound Forge やほかの波形編集ソフトを一切触ったことのない人でも、戸惑うことなく操作できるはずだ。

操作手順チュートリアルのメニューから、ある操作手順を選択すると、ヘルプのような解説が表示される

解説と同時に、目的となる部分が赤く囲まれて表示される

VSTエフェクトドイツのSteinberg社が策定したプラグインエフェクトのフォーマット。Windowsにおいてももっとも普及している規格。

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Chapter 1

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押すべきボタンやメニューが指し示されるので、これを選ぶことで実際の操作が進むようになっている

 もちろん、操作方法を一度覚えてしまったら、不要となるが、まるで個人レッスンを受けているような感覚で教えてくれるので便利に活用できる。また場合によってはヘルプと併用することで、さらに理解を深めることができるはずだ。

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本格的な波形編集機能を誰でも使いこなせる Sound Forge Audio StudioChapter 1