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2016 2000 2 20 0 00 0 00 0 0 2 20 0 01 1 1 16 6 6 2 2 20 0 0 サステナビリティ イヤーブック2016 In cooperation with

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2015 annual Corporate Sustainability Assessment* 59 industries. 2,126 companies assessed. 107,932 documents uploaded. 2,145,567 data points collected. 150 hours spent on average by participating companies on filling out the CSA questionnaire. This is The Sustainability Yearbook 2016. * as of November 30, 2015

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201620001997 22000000000 22000111166611997 222000

RobecoSAM AG ロベコ・ジャパン株式会社 Josefstrasse 218 〒100-0004 東京都千代田区大手町1-5-18005 Zurich, Switzerland 大手町ファーストスクエア ウエストタワー19階T +41 44 653 10 10 T 03-4589-5570F +41 44 653 10 80 F 03-4589-5579

www.robecosam.com www.robeco.jp

サステナビリティイヤーブック2016

サステナビリティイヤーブック2016

In cooperation with

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サステナビリティイヤーブック2016

04/2016RobecoSAM AG

yearbook.robecosam.com/japan.html

本冊子は、RobecoSAM AGが2016年1月に発行した『The Sustainability Yearbook 2016』を翻訳したものです。翻訳には正確を期しておりますが、英語版と解釈の相違がある場合は、英語版に依拠してください。 オリジナル(英語版)はこちらからダウンロードできます。 yearbook.robecosam.com

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サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 3

2015年コーポレートサステナビリティ評価*

59産業。2,126社を評価。107,932文書をアップロード。2,145,567データポイントを収集。参加企業が CSA の質問票の記入に費やした時間は平均 150時間。 サステナビリティイヤーブック 2016* 2015年 11月 30日現在。

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4 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

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サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 5

読者の皆さま「サステナビリティイヤーブック2016」は、サステナビリティ投資(SI)における 20年間のイノベーションの集大成です。昨年、当社は創立 20周年を迎えましたが、同時にそれはサステナビリティ投資がいかに金融市場に影響を及ぼすようになってきたか、また RobecoSAMがいかにその発展に貢献してきたかを省察する機会となり、また今後 20年間でサステナビリティ投資業界をどのように形成していくのかについて思い描く機会ともなりました。

当社のイノベーションと貢献の多くは、当社の「コーポレートサステナビリティ評価(Corporate Sustainability Assessment、CSA)」によって直接もたらされたものです。したがって、今年のイヤーブックでは、CSAの長年にわたる進化の過程に注目しました。当初は書面の質問票であったものが、今ではコーポレートサステナビリティに関する世界でも最大規模のデータベースの一つに成長しました。当社は、常に財務上重要な基準を中心として分析を行うべく、数千社におよぶ企業の綿密な調査と継続的な対話に基づいて、絶えず分析手法に改良を加えてきました。RobecoSAM のSustainability Application Foreword and Operations 部門責任者、Manjit Jus が、視覚的に表現された年表を使って、質問票に関して

ご挨拶

どのようなイノベーションが実施されてきたのか、また世界の主要な事象のうち、どれが当社のCSA手法に影響を与えたのかについて順にご説明します。

ほとんどの企業は、CSAの結果がダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス(DJSI)の構成銘柄やサステナビリティイヤーブックのメンバーを決定づけることを理解しています。しかし、当社が毎年収集するこの膨大な情報を他に利用することはできないのでしょうか。意外に思われるかもしれませんが、実は、CSAの結果は、DJSI以外にも幅広く利用されています。当社では、CSAから得られた洞察を資産運用アドバイス業務において十二分に活用しているだけでなく、サステナビリティ投資に関する当社のイノベーションのほとんどは、これらの洞察を出発点としているのです。要するにCSAは、当社の事実上の中核であるといえます。こうした背景を念頭におきながら、読者の皆様を舞台裏にお連れし、CSAの結果がRobecoSAMの社内においていかにその資産運用や研究活動の推進に役立てられているかについて、またそれがサステナビリティ投資に関する各クライアントの要望に合わせたさまざまな製品やサービスの提供につながっていることについてご説明したいと思います。

Michael Baldinger Chief Executive OfficerRobecoSAM

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6 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

イノベーションというテーマを踏まえ、Sustainability Investing Research 部門の責任者、Christopher Greenwald が当社のイノベーションの歴史におけるいくつかのターニングポイントを取り上げ、企業と財務業績との交差点にある当社のユニークな立ち位置こそが、サステナビリティ投資業界の形成を可能にしていることを明らかにします。

しかし、当社は現在の栄光に満足しているわけではなく、この一年間、我々はまた、SI 革新の次の世代を開発する仕事に取り組んできました。今年の最も目覚ましい進展のひとつとして、「スマートESG」と呼ばれる進化したサステナビリティスコアリング手法の開発が挙げられます。これにより、サステナビリティを資産基盤の拡大要素として考慮に入れることができるようになりました。また、社会に肯定的な影響を与えたいと考える投資家が増えていることを受け、サステナビリティデータベースを活用することによって、環境や社会に与える影響を軽減するためのソリューションを強化しました。

例年どおり、このサステナビリティイヤーブックは、今年の CSAの結果の概要を示すとともに、評価対象となった 59 産業に見られる主な傾向を浮き彫りにしています。イヤーブックでは、各産業で最高評価を受けた企業を「RobecoSAMインダストリーリーダー」として認定する他、掲載企業をゴールドクラス、シルバークラス、ブロンズクラスの三つのカテゴリーに分類しています。

参加企業の数はこれまでで最も多く、サステナビリティに対する各企業の強い決意を示す結果となりました。過去 20年間における当社の実績やイノベーションは、この CSAを完成させるために毎年のように時間を費やしてきた参加企業の努力なくして実現できるものではありませんでした。参加企業による質問票の回答によって、私たちは、企業のビジネスが地球や社会全体に与える影響を理解することができます。またクライアントのために経済的利益を上げながら理想的な世界を形成する上で、サステナビリティ投資が極めて有効であることを確認することもできました。このような理由から、当社は、今後も企業への正しい問いかけを続け、その答えによってサステナビリティ投資に対する次世代のイノベーションを推進したいと考えています。私は、こうしたイノベーションが今後 20年間にもたらすものについて、強く期待しています。

サステナビリティ投資は、理想的な世界の形成に大きく貢献する一方で、クライアントに経済的利益をもたらします。

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サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 7

読者の皆さま昨年は、9月に国連加盟国によって持続可能な開発目標(SDGs)を含む「持続可能な開発のための 2030 アジェンダ」が採択され、年末には気候変動枠組条約第 21 回締約国会議(COP21)において世界の気温上昇を2度未満に抑えるためのパリ協定が採択されました。日本においては、一昨年実施に移された日本版スチュワードシップコード(「責任ある機関投資家」の諸原則)に続き、昨年は改正会社法が施行され、さらには上場企業を対象としたコーポレートガバナンス・コードの適用が開始されました。そして、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がスチュワードシップ責任を果たす一環として国連責任投資原則(PRI)に署名し、資産運用におけるESG(環境・社会・ガバナンス)の考え方を明確にしたことは、日本における ESG投資とスチュワードシップの機運を高める大きな転換点になっているのではないかと思います。

企業とそれを取り巻くステークホルダーの意識や行動が変わりつつある中、企業が持続的な成長を実現するためには、中長期的な社会環境の変化(メガトレンド)から生み出される機会やリスクを捉えそれに対応すること、つまりコーポレートサステナビリティのビジネスアプローチをとることが重要です。近年、サステナビリ

ティマネジメントのツールとしてサステナビリティ格付けを活用している企業が多いと聞きます。それらの企業は、サステナビリティ格付けを通じて、投資家などのステークホルダーがそれぞれの産業に対して長期的な成長に重要な課題をどのように捉えているのかを知り、またそのような課題に対する取り組みについて自社の相対的な位置づけを理解しようとしているようです。

では、数あるサステナビリティ格付けの中でも、多くの企業や投資家から最も重要視されている格付けの一つであるRobecoSAMのコーポレートサステナビリティ評価(CSA)において、日本企業はどのように評価されているのでしょうか。今年のサステナビリティイヤーブックには昨年より 9社多い 48の日本企業が掲載されました。日本の掲載企業数が 40社を超えたのは5年ぶりです。日本は、掲載企業数ではアジア首位を守り続けてきた一方で、(参加率や産業間で設問の難易度が一律でないことから単純な比較には限界がありますが、)全参加企業におけるCSAの平均点やイヤーブック掲載率では既にトップではありません。日本企業の平均点は、新興国市場(18か国 147社)を含む全参加企業(42か国 864社)の平均点に届いていないのが現状です。

PwCサステナビリティ合同会社代表取締役社長三橋優隆

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8 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

その理由について、直近のCSAで明らかになった日本企業に共通するサステナビリティマネジメントにおける代表的な課題を幾つかご紹介したいと思います。1点目は、サステナビリティマネジメントにおける重要課題がしっかりと開示できていないことです。重要課題の開示においては、その特定の経緯や根拠を明確に開示することが求められていますが、多くの日本企業はそれに対応できていないと評価されています。特に社会側面の重要課題に係る開示については、日本企業は欧州や北米の企業と比べてはもちろんのこと、アジア企業の中でも最低水準にあります。2点目は、サステナビリティの取り組みによる効果が定量的に把握されていないことです。具体的には、社会貢献活動や従業員向けの教育研修などの取り組みですが、それらの活動がコストではなく、投資であることの根拠となる経営効果の測定と管理が求められています。3点目は、ダイバーシティの問題です。CSAでは、取締役会の女性比率の他、上級管理職レベル(senior management)と初級管理職レベル(junior management)それぞれにおける女性の割合が問われますが、特に日本企業では上級管理職の女性比率と初級管理職の女性比率との間のギャップが大きいことが明らかになっています。優秀な人材の獲得と維持という意味でも組織のパフォーマンスを高めるという意味でも、組織のあらゆるレベルにおいてダイバーシティは重要です。4点目は、ビジネスがもた

らす人権リスクの把握とその対応が十分でないことです。国際規範にコミットしている日本企業の割合は高いものの、実際にビジネスが人権に及ぼす影響の評価とその対策を実施している日本企業はまだ少数です。企業の人権対応をめぐるNGOのキャンペーンや消費者のボイコット運動が企業のレピュテーションや業績そのものに大きな影響力を及ぼすこともあることから、人権は投資家にとっても大きな関心事項となっています。最近は、英国などで人権に関する情報開示を求める法整備も進んでおり、日本のグローバル企業も対応が求められるようになりつつあります。

CSA を通して確認されたこれらの課題は、日本企業がコーポレートサステナビリティのビジネスアプローチにより、グローバル競争時代の中で持続的な成長を達成するためのヒントになるのではないかと思います。そして、PwC Japan は、今後ますます重要性が高まる企業と投資家の対話においてもこのサステナビリティイヤーブックが広く活用されることを願い、今年も日本語版の制作に協力しました。今回イヤーブックに掲載された日本企業 48 社をはじめ、本調査に参加した全ての日本企業のさらなる発展と変革に向け、PwC Japan では、日本のコーポレートサステナビリティの推進をご支援してまいります。

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サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 9

目次

ご挨拶 5

1. RobecoSAMコーポレートサステナビリティ評価: 過去・現在・未来 10 Manjit Jus, Head of Sustainability Application and Operations

2. 多様な用途に活用される質問票 32

3. RobecoSAM:イノベーションの歴史 42 Christopher Greenwald, Head of Sustainability Investing Research

4. サステナビリティリーダー 2016 47 • RobecoSAM インダストリーリーダー 2016 50 • 産業プロフール:59産業の概要 55

掲載企業の一覧 115

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10 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

2016200022000000000000 22000111166622200

1. RobecoSAMコーポレートサステナビリティ評価:過去・現在・未来

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サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 11

1998 年、SAM1 のアナリストは、サステナビリティインデックスの評価手法を開発する研究を開始した。それから、多くの変化があった。Sustainability Application and Operations 部門の責任者、Manjit Jus が、RobecoSAMのコーポレートサステナビリティ評価を方向づけてきた評価手法開発における主な展開とそれらに影響を与えた世界的な事象を浮き彫りにする。

昨年、RobecoSAM のコーポレートサステナビリティ評価(CSA)を通じて企業から提示される情報に依拠しているダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス(DJSI)が15 周年を迎え、現存する世界で最も歴史のあるサステナビリティインデックスとなった。GlobeScan/SustainAbility 2 の調査によると、DJSI(とそれを支える CSA)は、世界で最も信頼性の高いサステナビリティ格付けの一つとして認識されており、企業に成功をもたらす主要な原動力であるサステナビリティの活用を後押ししてきた。

DJSI とその評価プロセス、および各評価サイクルの終わりに企業が受け取るフィードバックは、あらゆる産業のグローバル企業にとってサステナビリティマネジメントを進化させるための重要な手引きであり、またベンチマークとなっている。当社の評価手法で用いられている「ベスト・イン・クラス」アプローチでは、企業が

自社と同業者とを直接比較することができるため、産業内の健全な競争が促される。結局、誰も二番にはなりたくはないのだ。

CSAは、評価対象である 59産業それぞれにおいて、最も重要なサステナビリティ上の課題に関して、当社が独自に質問と基準を集めたものである。企業と投資家に共通する最重要課題とは何かを特定するため、テーマは環境、社会、ガバナンスなどの従来の枠組みを超えて、広範にわたっている。イノベーションマネジメント、顧客関係管理、税務戦略といったテーマは、「サステナビリティ」という言葉には関連性がないと考えられていることが多いが、RobecoSAMにとって、これらは企業が長期的な価値創造を推進するための重要な分野なのである。

コーポレートサステナビリティの実践法の確立、投資家の要求、またビジネス環境の変化などを反映し、産業内の新たなリスクと機会に対処するため、CSAには継続的に変更が加えられてきた。コーポレートサステナビリティは、これまで長い道のりを歩んできた。今やサステナビリティは企業にとってリスクを軽減し、または回避する手段であるだけでなく、競争力を与えてくれる新たなチャンスを獲得する手段でもある。同様に、CSAも、こうした機会を新たな価値創造源として利用している企業を特定するために進化を遂げる一方で、サステナビリティについて語る方法を見直すべきではないかと彼らに問いかけてきたのである。

コーポレートサステナビリティの実践法の確立、投資家の需要、またビジネス環境の変化などを反映し、産業内の新たなリスクと機会に対処するため、CSAには継続的に変更が加えられてきた。

Manjit Jus Head of Sustainability Application and Operations

1 「SAM」は、2013年に「RobecoSAM」に社名変更した。

2 GlobeScan 社および SustainAbility 社による「The 2013 Ratings Survey: Polling the Experts」 http://www.sustainability.com/library/ the-2013-ratings-survey-polling-the-experts

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12 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

例えば、当社は 2014年に税務戦略を質問票に導入した。当初、これに対する反応はまちまちだった。導入が唐突だと考える企業もあれば、質問に答えられない企業もあったからである。しかし、1年後には回答企業数がほぼ 2倍となり、企業のサステナビリティにとって税の透明性が課題となっていることや他のステークホルダーもこの課題に対処しようとしている現状が明らかになった。

2015 年には、企業はどのようにしてリスク管理戦略や役員報酬の枠組みに長期的な視点を取り入れようとしているかという点に焦点を当てて、コーポレートガバナンスとリスクマネジメントの設問に変更を加えた。これは、企業が短期的な財務業績と長期的な価値創造とのバランスを取ろうとしているか否かという姿勢に対する、投資家の関心の高まりを反映したものである。CSAにとってますます重要な目的となりつつあるのは、透明性と情報開示に関して他をリードしている企業を特定することである。企業は、こうした課題やその対処法について公に示すことにより、長期的な成果や持続可能な企業業績を重視していることを、投資家やその他のステークホルダーにアピールすることができる。

当社では長い年月をかけてCSAを段階的に強化してきた。今年は CSAとその評価内容がこれまでたどってきた進化の過程を振り返ってみたいと思う。しかし、当社の業務は、外界から隔絶された状態で行われているわけではない。科学の飛躍的進歩、政治の展開、環境問題、規制動向の変化、そして経済情勢は、企業のビジネス環境を形作るのと同様に、当社の評価手法やサステナビリティ投資業界全体にも影響を与えてきた。次のページから始まる年表は、過去に行われた主なCSAの変更を取り上げたもので、当社の評価手法の方向性を決定づけた世界の主要な動きの概要を示すとともに、企業と投資家の両方が直面する世界的な課題の進展状況を反映している。

RobecoSAM は、企業の積極的な CSA 参加を奨励している。私たちにとって CSAは、財務的に重要なテーマに向き合い、新たな長期的リスクと機会によってそれに挑戦し、最終的には競争力獲得の画期的な方法を見出すためのプレーブックである。2015 年には、世界最大規模の企業のうち 864社が CSAに参加し、自社のサステナビリティの取り組みを確実に CSAに反映すべく、時間、労力、人材を惜しみなく投入した。

私たちは、当社の CSAの長い歴史の中で、その発展に貢献してきた全ての企業に感謝する。また、今後もサステナビリティリーダーへの歩みを続ける企業にとって大切なステークホルダーであり続けたいと願っている。

科学の飛躍的進歩、政治の展開、環境問題、規制動向の変化、そして経済情勢は、企業のビジネス環境を形作るのと同様に、当社の評価手法にも影響を与えてきた。

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サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 13

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SAMとダウ・ジョーンズ・インデックスが世界的な サステナビリティインデックスの立ち上げに合意。

9月

SAMのアナリストが 調査を実施し、サステナビリティインデックス作成のための方法論の開発に着手。

6月~ 9月

Google 設立。

9月 4日

先進国に温室効果ガス排出量の削減を義務付ける京都議定書が採択される。

12月

コーポレートサステナビリティ評価

世界の主な出来事

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14 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

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Y2K への準備でパニック発生。 IT強化のため大金が費やされる。

ユーロが金融単位として導入される。

1月~ 12月

1月 1日

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2000年問題が懸念される中、CSA には IT セキュリティと信頼性に関する質問も。

最初のコーポレートサステナビリティ評価(CSA)を 2,000社に送付。環境、社会、経済の各側面におけるサステナビリティに係るリスクと機会に対する企業のマネジメントに着目。

68 産 業・22 カ 国 に わたる 227 社を構成銘柄とする、DJSI ワールド・インデックスの

創設。

9月 8日

世界の人口が60億に。

10月 12日

3月

最初の評価は書面で実施。資料や添付資料は全てハードコピーで返却。

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$#億

コーポレートサステナビリティ評価

世界の主な出来事

参加企業数

Page 15: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 15

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英国当局がナイジェリアの独裁者故サニ・アバチャとその共犯者による横領に関与した疑いで多国籍銀行の調査を開始。

10月

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189 カ国が国連ミレニアム開発目標(MDG)を採択。2015 年までの目標として飢餓と貧困の撲滅、普遍的初等教育の達成、乳幼児死亡率の削減、環境の持続可

能性の確保を掲げる。

9月

ナスダック指数が最高値を記録。その後ドットコムバブルがはじけ、1カ月のうちに株価で約1兆ドルが失われる。

3月 10日

世界最大のコーポレート・ シチズンシップ・イニシアティブ 「国連グローバルコンパクト」が発表され、人権、労働、環境、腐敗防止の各分野で「10原則」に沿った戦略を策定するよう

企業に奨励。

7月 26日

グローバル・レポーティング・イニシアティブ(GRI)が、サステナビリティレポーティングのための世界初の包括的な枠組みであるレポーティングガイドラインの第一版を発行。

1月

CSA がオンライン化され、企業は大量の文書、フロッピーディスク、CD-ROMなどを提出する代わりにオンライン質問票に参加することに。これによりサステナビリティデータの収集・デジタル保存が可能となり、RobecoSAMサステナビリティデータベースが

生成される。

3月

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コーポレートサステナビリティ評価

世界の主な出来事

参加企業数

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16 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

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9.11 テロ攻撃。米国の株式市場は 9 月 17 日

まで閉鎖。

9月 11日ウィキペディアが始動。

1月 15日

8月~11月

エンロンの不正会計が発覚。同社は2001年11 月に破綻、数十億ドルの株主価値が失われたことから、企業の不正、汚職、脆弱なコーポレートガバナンス、利益相反などに注目が

集まる。

スイス社会保障基金(AHV)がサステナビリティ投資のパイオニアとなりつつあるDJSI ワールド・インデックス

に投資。

9月

SAMが世界で初めて持続可能な水に投資するファンドの一つ「サステナブル・ウォーター・ストラテジー」を創設。

9月 28日

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コーポレートサステナビリティ評価

世界の主な出来事

参加企業数

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サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 17

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ユーロ紙幣が初めて市中に流通。

1月 1日

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7月 30日

エンロン、ワールドコム、その他の会計スキャンダルを受け、会計ミスや不正 行為から株主や一般市民を保護し、企業の開示情報の正確性を向上させるため、サーベンス・オクスリー法

が可決される。

ワールドコムの会計スキャンダルによる投資家の損失が 1,800 億 ドルに。

6月

GRI レポーティングガイドラインの第二版である 「G2 ガイドライン」がヨハネスブルグで開催された 「持続可能な開発に関する世界首脳会議」で発表される。

9月

エンロン事件やナイジェリアの独裁者故サニ・アバチャによる横領に関与したとして国際的な金融機関が調査を受けたことに伴い、犯罪防止とマネーロンダリングおよび外部監査法人の報酬に関する新たな質問が導入される。

似たような機会や課題に直面するさまざまな業界に、サステナビリティに関する共通のテーマを投げかけるため、より幅広い産業を対象としたクロスインダストリーの設問を導入。

3月

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コーポレートサステナビリティ評価

世界の主な出来事

参加企業数

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18 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

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2月~ 6月

CDP が企業に対して初めてカーボン情報を要求。235 社が

これに応答。

6月~ 8月

欧州で極端な干ばつや熱波により3万人が死亡した他、収穫不足、森林火災、アルプス氷河の体積減などが発生。

6月

世界の石油、ガス、鉱物資源を責任感と透明性をもって管理するための国際基準を推進する「採取産業透明性イニシアティブ(EITI)」が提唱される。

ブランドマネジメントに関する新基準をCSAに追加。

企業の製品やサービスの社会的影響を測定するため社会的付加価値に関する新たな質問を追加。

取締役報酬情報の開示に関する質問を「コーポレートガバナンス」基準に追加。

製品ポートフォリオの炭素強度:燃費、燃料消費量、代替燃料で走行する車の販売による収益率について自動車会社の質問票に追加。

再生可能エネルギー:再生可能エネルギーによる収益率および再生可能エネルギー事業のオプションに対する将来的な資本支出の額についてエネルギー企業の質問票に追加。

新興市場における医薬品へのアクセス: 新興市場における医薬品の入手可能性および優遇価格の医薬品の利用可能性の拡大のための方法と提携について製薬会社の質問票に追加。

3月

SAM が サ ステナビリティ研究においてEvalueserveと提携。

2月

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コーポレートサステナビリティ評価

世界の主な出来事

参加企業数

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サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 19

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プロジェクトの非財務的評価:企業が新たなプロジェクトや投資機会を選択するにあたり、どの程度環境基準を考慮しているかについて評価。

コーポレートシチズンシップと社会貢献活動: 戦略的コーポレートシチズンシップと影響度の測定に関するソートリーダーである Foundation Strategy Group(FSG)と質問の整合性を図る。

コーポレートガバナンス:エンロンやワールドコム事件をきっかけに、非監査報酬に関する議論が巻き起こったことから、企業が支払っている非監査報酬について評価するため、監査と利益相反に関する質問を拡大。

行動規範:企業の行動規範に「内部告発」が組み込まれているか否かについての分析を導入。

健康的な食品:食品・飲料会社、食品小売業者、レストランなどに対し、自社の製品開発戦略が健康的な製品の提供や販売、または不健康な成分の除去を促すものであるかどうかの質問を導入。

EITI:「採取産業透明性イニシアティブ(EITI)」の支持を公的に表明しているかどうかを採掘関連企業に尋ねる質問を導入。

進化したメディアと ステークホルダー分析プロセスを導入。

マーク・ザッカーバーグとエドゥアルド・サベリンがハーバード大学の寮で フェイスブックを設立。

2月 4日

火星探査ローバーが水の流れの痕跡を求めて

火星に着陸。

1月 4日・25日

12月 26日

インド洋で地震と津波が発生、23 万人が犠牲になり、世界が人道援助活動を

実施。

10月

グラフェン(電気伝導性を有する極めて薄く丈夫で軽量な二次元材料)の分離が成功し、半導体、エレクトロニクス、電池、複合材業界に革命が もたらされると期待が

高まる。

3月

2月

CSA から得たデータに基づき、コーポレートサステナビリティに関する世界的なリファレンスガイドであるサステナビリティイヤーブックを初めて公開。

1月

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コーポレートサステナビリティ評価

世界の主な出来事

参加企業数

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20 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

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CO2 排出量の削減を目的とした世界初の国際的な企業レベルの炭素取引スキーム(「キャップ・アンド・トレード」)として、EU 域内排出権取引制度(EU-ETS)が導入される。

1月 1日

ハリケーンカトリーナが アメリカのメキシコ湾岸を直撃。ニューオーリンズの防風堤が破壊され、深刻な洪水が発生するとともに 建物が倒壊し、1,843 人が死亡。被害額は米国史上最悪の1,080億ドルに。

8月 23日~31日

(1997年に署名された) 京都議定書が発効。

2月 16日

YouTube設立。

2月 14日

3月

水事業:水道会社が、年間の研究開発費と水・排水事業の収益との比較や、水処理技術の向上を目的とした技術メーカーとの提携などにより、自社のインフラの効率性を管理しているかどうかを評価する基準を設定。

原料調達:食品・飲料会社に対し、限られた原材料や新鮮な水をどのように調達しているか、持続可能な農業を推進することによって、将来のニーズのために原材料の持続的な供給を確保しているかについて質問。

気候戦略&CO2 排出量:EU-ETS に従い、公共事業会社に対して CO2 の排出枠と排出量とのギャップを監視しているかどうかを質問。

犯罪防止:顧客デューデリジェンスや重要な公的地位を有する者(PEPs)などに焦点を当てるため、銀行や金融サービス会社に対する基準を拡大。

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コーポレートサステナビリティ評価

世界の主な出来事

参加企業数

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サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 21

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ツイッターのサービス開始(#tweet!)。

7月 15日

ESGへの配慮を投資判断基準に組み込むよう投資家に奨励する国連責任投資原則(UN PRI)の発足式がニューヨーク証券取引所で行われる。

4月 27日

GRI が、 組織がサステナビリティ開示を柔軟かつ追加的に強化するための「G3ガイドライン」を発表。

10月

ハリケーンカトリーナの後、サステナビリティに対する関心が再燃し、多くの企業が同業他社と比較することによって自社のサステナビリティの取り組みを評価したいとの考えを表明。

ブランドマネジメント:企業の自社ブランド管理方法や自社ブランドに対する投資のリターン算定方法を評価するため、基準を更新。

新興市場戦略:新興市場から得られる収益の伸びについて評価するため、また各企業の新興市場における長期成長戦略を評価するため、特定の産業について新たな基準を導入。

3月

SAMがRobecoのメンバーとなる。

1月

企業に自社のサステナビリティパフォーマンスの分析とサステナビリティベンチマーキングを提供するサステナビリティサー

ビスチームを設立。

10月

J F M A M J J A S O N D

コーポレートサステナビリティ評価

世界の主な出来事

参加企業数

Page 22: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

22 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

韓国でエンゲージメントを開始。サステナビリティやコーポレートサステナビリティ評価の利点について

韓国企業を教育。

10月

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気候変動に対する世界的な認識の向上に寄与したアル・ゴアの「不都合な真実」(デイビス・グッゲンハイム監督)が アカデミー長編ドキュメンタリー映画賞

を受賞。

経済危機:2007 年、サブプライム住宅ローンの貸倒れや 住 宅価格の下落により米国の住宅バブルが崩壊。 サブプライム住宅ローン担保証券を所有する金融機関が 巨額の損失を計上、最終的にはリーマン・ブラザーズが破綻。

信用収縮と金融危機が世界的に広がる。

2月 25日

2007年~2009年

アップルが初めてiPhone を 発 表、携帯電話業界に革命をもたらす。

1月 9日

個人情報保護方針:事業やネットワークのグローバル化とともに、企業がデータ漏洩リスクに直面する状況に鑑み、企業がネットワークや個人情報を保護するために策定した個人情報保護方針の枠組みを評価する、新たな基準を導入。

先進的な環境パフォーマンス:排出量と資源の消費を定量化し、産業ベンチマークとの比較によって効率性を測定するため、アプローチを拡大。

環境・社会報告:マテリアリティ、重要業績評価指標、目標、目標に対する進捗状況に焦点を当てるために基準を改訂。報告基準に関する追加的指標として、第三者による保証声明を追加。

3月

J F M A M J J A S O N D

コーポレートサステナビリティ評価

世界の主な出来事

参加企業数

Page 23: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 23

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リーマン・ブラザーズが破産保護を申請。

9月 15日

中国で 30万人の乳児がメラミンで汚染された牛乳や乳児用ミルクを飲んで体調を崩したことから、メラミン入りミルク問題が発覚。同国の食品業界では食品の安全性に対する懸念が高まり、海外の食品ブランドへの需要が拡大。

7月 16日

欧州理事会および議会は、2020年気候変動・エネルギーパッケージを採択。2020年までに EUの温室効果ガス排出量を 1990 年比で 20%削減し、エネルギー需要の 20%を再生可能エネルギーで賄い、エネルギー効率を 20%向上させるという拘束力のある目標

を設定。

12月

3月

その急速な成長に伴い、SAMは新しく近代的でエネルギー効率の良い本社ビルに移転。

8月

イノベーションマネジメント:企業は従業員の創造性、知識、成長、および起業家精神を喚起する必要に迫られつつあり、そうした状況に対応するため、特定の産業に対して新たな基準を導入。

J F M A M J J A S O N D

コーポレートサステナビリティ評価

参加企業数

世界の主な出来事

Page 24: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

24 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

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金融危機への対応として、米国で景気刺激策が議会を通過、再生可能エネルギーやクリーンテクノロジーへの投資を奨励するため、さまざまな税制上の優遇措置

を提示。

2月

コペンハーゲンで開催されたCOP15 は、炭素排出量の削減に向けた拘束力のある合意に至らず、不成功に終わる。

12月

大型の民間航空機として初めて機体の主要部分に軽量の複合材料を 使用したボーイング 787ドリームライナーが初飛行。

12月 15日

アジア太平洋および韓国の投資家や企業からの要望の高まりに応え、「DJSIア ジアパシフィック」「DJSI コリア」を創設。

リスクと危機管理:リスクシミュレーションにおいて年金積立や事業の中断、商品市況といった長期的なリスクを検討している企業を特定するため、ストレステストやシミュレーションに関する質問の幅を為替レートや金利の変動以外にも拡大。

S A M が「 A l p h a f r o m Sustainability」と題して研究内容を発表。SAMは、コーポレートサステナビリティと財務業績との関連性をより深く掘り下げるために、自社のサステナビリティデータベースを利用。その結果、財務分析にサステナビリティデータを組み込むことにより、リスク管理上の利点が

得られることを確認。

3月 10月

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コーポレートサステナビリティ評価

世界の主な出来事

参加企業数

Page 25: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 25

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4月 20日

メキシコ湾の石油掘削施設ディープウォーター・ホライズンで爆発事故があり、油が海に

流出。

12月 18日

チュニジアの政情不安やデモが激化し、ついに2011 年 1 月の政権追放に至る。これにより、北アフリカと中東全域に同様の暴動が多数発生。

2010年~2011年

世界の食料価格がピークに達し、社会不安を引き起こすとともに、北アフリカの政情不安を煽るとの懸念が広がる。

コーポレートシチズンシップと社会貢献活動:社会貢献活動と企業の事業戦略の整合性、および社会や自社の事業に与える影響の測定に着目し、London Benchmarking Group の枠組みに合わせて基準を見直し。

労働安全衛生:従業員の健康、安全、福利の増進に向けた企業のインセンティブを評価するため、基準を更新。

水関連リスク:地域的な水ストレスに係る企業のエクスポージャーについて検討し、各企業がそうしたリスクに係るエクスポージャーにどの程度対処できているかによって企業を評価する新たな基準を特定の産業に対して導入。

3月

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コーポレートサステナビリティ評価

世界の主な出来事

参加企業数

Page 26: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

26 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

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10月 31日

世界の人口が 70億に。

10月

日本で未曾有の会計スキャンダルが発覚、日本企 業 の コ ー ポレートガバナンスに対する懸念が高まる。

3月 11日

日本の沖合で発生したマグニチュード9.0 の地震とその後の津波に続き、福島第一原子力発電所で事故が発生。欧州では原子力エネルギーの利用に対する市民

の反対運動が再燃。

9月

社 会 的 不 平 等、腐敗、企業の強欲 に 抗 議 す る「Occupy Wall Street( ウ ォ ール街を占拠せよ)」運動が世界的な 動きとなる。

2011年 7月~2012年 1月

タイの大洪水が国内の製造業に影響を及ぼし、大手自動車メーカーや電子機器メーカーのサプライチェーンを混乱に陥れるとともに、グローバルサプライチェーンの相互関連性に注目が集まる。

1月~6月

「アラブの春」と称される抗議運動が北アフリカと中東全体に拡大。 ソーシャルメディアがデモ隊を動員

したとされる。

操業の環境効率/環境フットプリント:環境効率基準を統合し、企業の過去のパフォーマンスを評価するためのスコアリングを導入。

労働安全衛生:休業災害度数率(LTIFR)や記録可能総災害度数率(TRIFR)など、グローバルな安全性評価指標を導入。

イノベーションマネジメント:イノベーションプロセスの各段階について分析し、一つの段階から次の段階へ移行する際に、どのように進捗度や成功度が測定されているかを評価するため、基準を更新。

3月

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コーポレートサステナビリティ評価

世界の主な出来事

参加企業数

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サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 27

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2012 年のロンドンオリンピックが、サステナビリティプランを有する史上初のオリンピックとなる。

7月~ 8月

米国の熱波と夏の干ばつにより作物が不足し、食料安全保障への懸念が再燃。

6月~ 9月

ハリケーンサンディが米国東部の 24 州を襲い、停電により何百万人もの人が電気のない生活を余儀なくされる。10月29日・30日は、停電や洪水により米国

株式市場も閉鎖。

10月 25日~11月 2日

保険業界が環境、社会、 ガバナンスをめぐるリスクと機会に対処するために 開発された世界的な枠組みである UNEP FI(国連環境プログラム金融イニシアティブ)の持続可能な保険原則が、国連持続可能な 開発会議(リオ +20)で

発表される。

6月

社会・環境報告:企業がサステナビリティ課題のマテリアリティを評価しているかどうか、またサステナビリティの取り組みによる経済的利益を測定しているかどうかを評価するため、マテリアリティの枠組みを報告基準に導入。

サプライチェーンマネジメント:サプライヤー基準に代わるものとして、さらに改良を加え、直属のサプライチェーンにおけるサステナビリティリスクおよび機会に対する企業の認識度や、サプライヤーの選定・監視にサステナビリティ基準を適用しているかどうかを評価するために使用。

労働慣行指標と人権:ジェンダーの平等に取り組む企業は競争優位性を獲得するというSAMの信念を反映し、二つの新しいジェンダー平等指標、女性の人材の維持と報酬の平等を導入。

新興市場戦略:新興市場における能力向上を目的とした知識移転について評価するために基準を拡大。

3月

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コーポレートサステナビリティ評価

世界の主な出来事

参加企業数

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28 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

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ラナ・プラザ崩落事故: バングラデシュの縫製工場が崩壊して1,134 人の労働者が死亡したことにより、繊維産業におけるサプライチェーンマネジメントや労働慣行に注目

が集まる。

4月 24日

GRI がマテリアリティの概念を重視するレポーティングガイドラインの第四版(G4ガイドライン)

を発表。

5月 7月

バーゼル III が EU 法に組み込まれたことにより、同規定の導入に向けた動きが活発化。信用危機を受けて開発されたバーゼル III は、銀行セクターに対する規制、監督およびリスク管理を強化することを目的とし、また一定の資本要件とレバレッジ比率を満たすよう銀

行に求めるものである。

DJSI エマージングマーケッツの構築。

2月

SAMがRobecoSAMに社名変更。

1月

3月

気候戦略:CDP との提携およびRobecoSAM CSA と CDP の気候戦略分野の質問の統合を発表。

ステークホルダーエンゲージメント:ステークホルダーエンゲージメントのガバナンス構造、および企業が国内のエンゲージメントの取り組みをどのように管理・測定しているかについて設問を導入。

金融安定性とシステミックリスク:金融機関の国際適合性と政府による資本注入への依存度に関する設問を導入。

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コーポレートサステナビリティ評価

世界の主な出来事

参加企業数

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サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 29

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EU が複数の多国籍企業の法人税構造の調査に着手。

6月 11日

カリフォルニア州とブラジル南東部で干ばつ。カリフォルニア州の積雪量は、史上最低水準にとどまる。ブラジルでは、サンパウロの貯水池の水位が記録的な水準まで下がり、住民600万人への給水が危ぶまれる事態に。

2014年~ 2015年

化石燃料関連企業からのダイベスト メント(投資撤退)運動が米国の大学で盛んになる。ロックフェラー家の慈善団体は、化石燃料ダイベストメントを発表。2015 年、ノルウェー政府年金基金と 英国国教会もこれに続き、石炭関連企業

への投資から撤退すると宣言。

2014年~ 2015年

3月

オンライン小売業者、物理店舗、銀行、 エンターテインメント会社などで大胆なセキュリティ侵害が連続して発生し、何百万人もの顧客のパスワード、個人情報、財務データ、信書などが不正にアクセスされたことから、データの安全性やプライバシーの保護に注目が集まる。

5月~ 11月

米国のシェールオイル生産ブームや需要の低迷などにより、原油価格が下落。

2014年 6月~2015年

人的資源開発:人的資本への投資に対するリターンをより重視するため、質問を刷新。

税務戦略:企業による税の最適化戦略の利用に関する透明性と、行き過ぎた税務戦略に伴うリスクについての認識に焦点を当てた新基準を導入。

省資源と効率性:世界有数の不動産業界向けサステナビリティフレームワークである「グローバル不動産サステナビリティベンチマーク」(CRESB)との整合性を図る。

持続可能な保険原則:UN-PRI に基づいて策定され、保険業界における持続可能なビジネス慣行をサポートする、投資家主導のイニシアティブとして有力な「持続可能な保険原則」(PSI)との整合を図る。

労働安全衛生:同業他社のパフォーマンスを採点する新たな手法により、企業のパフォーマンスを同じ業界の他の企業と直接比較。

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コーポレートサステナビリティ評価参

加企業数

世界の主な出来事

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30 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

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教皇フランシスコ 1世が気候変動や環境に 関 す る 回 勅 を 発 表、 国際社会に対し「今日の人類が直面している重要な課題の一つ」に対処するため、迅速な行動を取るよう促す。

6月 18日 ブラジルのミナスジェライス州にある鉄鉱石の尾鉱ダムで爆発があり、ドセ川や大西洋に有毒泥が流出。地元の集落を破壊し、野生生物を死滅さ

せ、水源を汚染。

11月 5日

不平等の改善、全人類の繁栄、気候変動への対処などを掲げた 「持続可能な開発目標」(SDGs)が採択される。

9月 25日

国連気候変動パリ会議(COP21)において各国政府が最終的に炭素 排出量の削減に向けた拘束力の ある普遍的な合意に至る。

12月 12日

火星で水が 発見される。

9月 28日

フォルクスワーゲン社が、当局の排出ガステストに不正に合格するため、 米国で販売したディーゼル車に「無効化機能」を組み込んだことが発覚、DJSI から除外される。

9月 18日

RobecoSAMとの協働により、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが化石燃料関連企業を除いた「S&P化石燃料フリー インデックス」(S&P Fossil Fuel Free Index)を創設。

気候変動を理由に、オバマ米大統領がカナダ-米国間のキーストーン石油パイプラインの

建設計画を却下。

11月 6日

8月 28日

地域社会に対する社会的影響:採取関連企業に関して、その方針や手順の評価ではなく、定量的な情報や、自社が与える影響を測定しているか否かなどに焦点を当てるため、基準を刷新。

顧客関係管理:企業が顧客を惹きつけ、維持するため、いかにオンラインテクノロジーを活用しているかに注目。

リスクと危機管理:標準化されたリスク報告や企業内のリスクガバナンス構造ではあまり議論されることのない、新興的な長期的リスクに関する質問を新設。

コーポレートガバナンス:取締役会や上級管理職レベルにおけるサステナビリティ管理体制、経営陣の自社株式保有の義務付け、長期インセンティブなどに注目した質問を新設。

操業の環境効率:野心的な環境目標を掲げる企業にとって有利な新たな採点手法を適用。

3月

J J A S O N DF M A M J

コーポレートサステナビリティ評価

世界の主な出来事

参加企業数

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サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 31

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32 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

2. 多様な用途に活用される質問票

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サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 33

RobecoSAM は、1999 年以来毎年コーポレートサステナビリティ評価(CSA)を実施してきた。本来CSAは、ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックスの構成銘柄を選定するために開発されたものだったが、長年の間に RobecoSAMにおけるさまざまな活動に応用されるようになった。今では CSA は、リサーチや指標の作成から資産運用に至るまで、RobecoSAMで行われるあらゆる活動のエンジンである。

財務的に意味のあるサステナビリティ基準を財務分析に組み込むことにより、より多くの情報に基づいた投資判断が可能になる。したがって、CSAから得た洞察にもさまざまな用途があって当然なのである。CSAは、DJSI の構成銘柄の決定だけでなく、当社の資産管理、エンゲージメント、サステナビリティのベンチマーキングサービスなどの活動に完全に組み込まれている。当社の親会社Robeco は、株式のファンダメンタルズ分析や定量的分析だけでなく、企業信用戦略にも CSAから得た環境・社会・ガバナンス(ESG)情報を織り込んで活用している。

CSAで問う内容の財務的意義を維持するため、当社のサステナビリティ投資リサーチアナリストは、CSAを絶えず精緻化するだけでなく、CSAのデータを繰り返し深く掘り下げることによって、サステナビリティのリサーチを実施し、その研究成果を発表し、革新的な製品のアイデアを生み出している。

こうして CSAは、コーポレートサステナビリティに関する世界有数のベンチマークであり続けるとともに、投資家のために最先端の新しいサステナビリティ製品の基礎を提供し続けている。CSAは、今後もこうした製品開発の基礎となり、サステナビリティから長期的な価値を獲得できるよう、企業や投資家を支援していく。

以下数ページにわたり、当社のサステナビリティ投資の舞台裏に読者をお連れし、CSAから得られたさまざまな情報がいかに組織全体を流れ、最終的に当社(RobecoSAM)、当社の親会社(Robeco)、そして当社のインデックスパートナー (S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス)が提供する製品やサービスに行き着くかを解説する。

CSAアンケート

企業

サステナビリティデータベース

コーポレートサステナビリティ評価(CSA)

Page 34: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

34 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

製品開発&イノベーション

グローバルエクイティ

サステナビリティスコア

マテリアリティ分析

企業プロフィール RobecoSAM

ポートフォリオマネジメント

インパクト投資

財務評価との統合

グローバル・チャイルド・インパクト・エクイティ

社会的インパクト

グローバルジェンダー平等インパクトエクイティ

環境モニタリングツール

環境へのインパクト

サステナビリティスコア

RobecoSAMCSA質問票

企業

企業

投資家

投資家

コーポレートサステナビリティ評価(CSA)

サステナビリティスコア

スマートESG

DJSIダイバーシファイド&カスタマイズドインデックス

S&P ESGインデックス

S&P 化石燃料フリーインデックス

サステナビリティ投資リサーチ

バックテスティング&方法論の開発

サステナビリティイヤーブック

サステナビリティに関する洞察

サステナビリティスコア

サステナビリティデータベース

マテリアリティ分析

企業プロフィール

Robeco

企業ベンチマーキングレポート

サステナビリティサービス

ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス

重要なエンゲージメントテーマ

議決権行使

エンゲージメント ガバナンス

&アクティブオーナーシップ

DJSIワールド&カスタマイズドインデックス

コーポレートクレジット

メインストリームエクイティ

マテリアリティ分析

白書

スコアカード&フィードバックコール

Page 35: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 35

製品開発&イノベーション

グローバルエクイティ

サステナビリティスコア

マテリアリティ分析

企業プロフィール RobecoSAM

ポートフォリオマネジメント

インパクト投資

財務評価との統合

グローバル・チャイルド・インパクト・エクイティ

社会的インパクト

グローバルジェンダー平等インパクトエクイティ

環境モニタリングツール

環境へのインパクト

サステナビリティスコア

RobecoSAMCSA質問票

企業

企業

投資家

投資家

コーポレートサステナビリティ評価(CSA)

サステナビリティスコア

スマートESG

DJSIダイバーシファイド&カスタマイズドインデックス

S&P ESGインデックス

S&P 化石燃料フリーインデックス

サステナビリティ投資リサーチ

バックテスティング&方法論の開発

サステナビリティイヤーブック

サステナビリティに関する洞察

サステナビリティスコア

サステナビリティデータベース

マテリアリティ分析

企業プロフィール

Robeco

企業ベンチマーキングレポート

サステナビリティサービス

ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス

重要なエンゲージメントテーマ

議決権行使

エンゲージメント ガバナンス

&アクティブオーナーシップ

DJSIワールド&カスタマイズドインデックス

コーポレートクレジット

メインストリームエクイティ

マテリアリティ分析

白書

スコアカード&フィードバックコール

Page 36: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

36 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

財務マテリアリティ分析、CSA手法の開発、 企業ベンチマークスコアカードRobecoSAMのサステナビリティ投資リサーチアナリスト(SI アナリスト)は、定量アナリストと協働でCSAに含まれる評価項目や質問の財務マテリアリティをテストする。その結果はCSA手法開発プロセスにフィードバックされ、CSAの内容に調整が必要かどうかを判断するために役立てられる。次に、RobecoSAMや投資家が企業業績に対する財務的意義があると考えるサステナビリティ基準やテーマが何なのかを企業に認識させることによって、CSA自体が、エンゲージメントツールとして機能する。最後に、各評価サイクルの後、参加企業はそのサステナビリティパフォーマンスを同業他社と比較した「企業ベンチマークスコアカード」を受け取る。また参加企業は、当社のSI アナリストとの詳細なフィードバックコールを行うこともできる。

企業プロフィールCSA か ら 得 ら れ た 洞 察 に 基 づ い て、RobecoSAMの SI のアナリストは「企業プロフィール」を作成する。次に、このプロフィールを当社の株式アナリストおよびRobeco の株式・債券アナリストがリサーチや投資に活用する。このように企業プロフィールは、アナリストによる投資判断に反映されるである。

出版物・白書サステナビリティ投資の分野におけるソートリーダーを目指す当社では、SI アナリストがサステナビリティデータベースに集積された膨大な情報を活用し、あらゆるサステナビリティ要素が企業の財務業績に及ぼす影響について実証的な研究を行っている。当社では、サステナビリティに関する最新の研究結果や見識を、論文、調査報告書、論説として定期的に発表している。また、CSAを通じて収集した情報に基づき、コーポレートサステナビリティに関する世界で最も包括的な出版物である「サステナビリティイヤーブック」を毎年発行している。

サステナビリティ投資リサーチ

サステナビリティスコア

マテリアリティ分析

企業プロフィール

製品開発&イノベーション

サステナビリティスコア

CSA質問票

企業

企業投資家

コーポレートサステナビリティ評価(CSA)

サステナビリティ投資リサーチ

バックテスティング&方法論の開発

サステナビリティ

イヤーブック

サステナビリティに関する洞察

サステナビリティデータベース

マテリアリティ分析

白書

スコアカード&フィードバックコール

スマートESG

Page 37: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 37

DJSI全てのダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス(DJSI)は、CSA の結果を研究に基づき、構築される。RobecoSAM と S &P ダウ・ジョーンズ・インデックスが共同で提供するDJSI は、経済、環境、社会の各基準に関して世界をリードする企業の株価の動きを追跡する。これらの指数は、持続可能なビジネス慣行は長期的な株主価値につながると考える投資家、またそうしたサステナビリティに関する信念を投資ポートフォリオに反映させたいと考えている投資家にとって、ベンチマークとな

る。さらに、DJSI は、企業に対して持続可能なベストプラクティスの採用を促すための効果的なエンゲージメント基盤としても機能する。RobecoSAM と S & Pダウ・ジョーンズ・インデックスが共同で開発し、提供する指数には、主力のダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックスの他、DJSI ダイバーシファイド、S& P ESG、および S& P化石燃料フリーの指数などがある。全ての指数ファミリーにグローバル版と地域版がある。

スマートESGRobecoSAMは、投資家がサステナビリティ投資のメリットを享受できるよう、ESGの各要素を財務分析により確実に組み込むための取り組みを継続的に実施している。当社の定量的研究チームは、1999 年以降 CSA を通じて収集した情報を利用して、高度なスマート ESGスコアリング手法を開発した。

この新世代のスマート ESGスコアは、CSAを通じて収集された既存のサステナビリティデータに基づいて開発されたもので、時価総額や産業・地域などの既知のバイアスを排除する。こうしたバイアスを除去することによって、各産業にとって最も財務的意義のある ESG指標が何なのかを突き止め、財務マテリアリティに

はっきりと焦点を当てることができる。その結果、バイアスのない、科学的根拠に基づいたスマート ESGスコアに到達することができる。これは魅力的なリスク・リターン特性を持ち、他の一般的な要素との相関性が低い、強力なスコアとなる。当社では、サステナビリティデータの予測能力・説明能力を高めたことから、RobecoSAMと S& Pダウ・ジョーンズ・インデックスが共同で提供するDJSI ダイバーシファイドおよび S& P ESG の各サステナビリティ指数ファミリーにスマート ESGを統合した。さらに、現在ではアクティブ・パッシブにかかわらず、幅広い投資ソリューション全体にスマート ESGを統合する取り組みを行っている。

CSA質問票

企業

投資家

サステナビリティデータベース

コーポレートサステナビリティ評価(CSA)

サステナビリティスコア

スマートESG

DJSIダイバーシファイド&カスタマイズドインデックス

バックテスティング&方法論の開発

サステナビリティ投資リサーチ

ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス

DJSIワールド&カスタマイズドインデックス

マテリアリティ分析

S&P ESGインデックス

S&P 化石燃料フリー

インデックス

スコアカード&フィードバックコール

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38 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

財務評価への統合CSAから得られたサステナビリティ情報は、投資先企業の適正株価を算定するため、当社の財務モデルに完全に組み込まれている。しかし、企業のサステナビリティスコアの合計値を単純に適正株価に当てはめて調整するのではなく、より粒度の細かいレベルで財務上の仮定に調整を加えている。

具体的には、まず成長性、収益性、資本効率性、リスクといったビジネスドライバーに重大な影響を与える可能性がある、最も財務的意義のある要因を、当社のマテリアリティフレームワークを通じて洗い出す。このようにして、各産業にとって最も重要なサステナビリティ上の課題を特定し、それらに優先順位をつけたあと、全社レベルで分析を行い、企業の経営陣が各要素にどれほど対処できているかどうかを評価する。この分析に基づいて、我々は長期的な持続可能性の要素を考慮した短期的な財務予測のバランスをとる適正株価を導き出すために、投下資本および加重平均資本コストに対するリターンの仮定を調整する。

製品開発とイノベーション投資収益を生むだけでなく、社会や環境に良い影響を与えるようなポートフォリオを保有したいと考える投資家が増えるにつれ、RobecoSAMでは CSAを通じ、長い年月をかけて収集した膨大なコーポレートサステナビリティ・データベースに依拠する機会が増えている。当社の SI アナリストおよび製品開発チームは、特にインパクト投資の分野における革新的な製品のヒントとなるような情報を求めて、CSAデータの詳細な検討を続けている。

インパクト投資社会的インパクト:グローバルジェンダー平等インパクトエクイティジェンダー多様性が、企業の株価、収益性、リスク低減などのパフォーマンスに寄与するという事実が明らかになりつつある。RobecoSAMは 2012 年から EDGE Certified Foundationとの協働で、ジェンダーの多様性と平等性に関する各企業の実績を評価するCSA基準の開発と特定に取り組んでいる。当社はこのデータを利用し、RobecoSAMジェンダースコアを構築した。これは、取締役会の多様性をはるかに超えるさまざまな労務・ジェンダー関連の重要基準について、各企業の実績を検証し、その結果に基づいて企業をランク付けするためのものである。この基準には、以下の情報が含まれる。

• 全ての管理職レベルにおいて女性の人材を維持する能力

• 男性・女性従業員の報酬レベルの比較(基本給とボーナスの両方)

• ワークライフバランス、育児の方法が選べる柔軟な勤務形態

• 男女別に従業員の満足度を追跡する能力

CSAから得られたジェンダースコアは、その後、バリュエーションやモメンタムなどの伝統的な投資ファクターに組み込まれ、ジェンダー多様性・平等性を促進する上での先進的な企業からなる、グローバルなポートフォリオを構築するために利用される。

社会的インパクト:グローバル・チャイルド・インパクト・エクイティ同様に、子どもの権利や福祉に関する分野で社会的に肯定的な影響を与えたいと考える投資家のため、RobecoSAM は Global Child Forumと協働し、CSAにおいて子どもの権利や福祉について尋ねる質問を開発してきた。

RobecoSAMポートフォリオマネジメント

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サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 39

製品開発&イノベーション

グローバルエクイティ

サステナビリティスコア

マテリアリティ分析

企業プロフィール RobecoSAM

ポートフォリオマネジメント

インパクト投資

財務評価との統合

グローバル・チャイルド・インパクト・エクイティ

社会的インパクト

グローバルジェンダー平等インパクトエクイティ

環境モニタリングツール

環境へのインパクト

サステナビリティ投資リサーチ

CSA質問票

企業

コーポレートサステナビリティ評価(CSA)

サステナビリティデータベース

マテリアリティ分析

スコアカード&フィードバックコール

バックテスティング&方法論の開発

投資家

CSA から得られた子どもの福祉と権利に関するデータを利用し、以下の要因に基づいてRobecoSAMグローバル・チャイルド・スコアを開発した:

• 児童労働を防止するサプライチェーン管理方針とリスク管理施策

• 国際労働基準の遵守• 製品安全、責任あるマーケティング、性的搾取など子どもに関する問題、および水、衛生、環境など子どものウェルビーイングに影響を与える問題

• 子どもの権利を守る方針や手続きに対する取締役会レベルの説明責任

• 子どもの福祉を改善するコーポレートシチズンシップおよび社会貢献活動に関する取り組み

次に、子どもの権利や福祉の支援において優れた業績を持つ企業のポートフォリオを構築するため、グローバル・チャイルド・スコアをバリュエーションやモメンタムなどの伝統的な投資ファクターと組み合わせる。

インパクト投資:環境モニタリングツール投資ポートフォリオにおける環境への悪影響を制限したいと考える投資家が増えている。しかし、こうした影響を管理するには、まず影響を測定しなければならない。このため、RobecoSAMは、ポートフォリオが所定の定量的環境指標に与える影響を監視するための分析的レポーティングツールを開発するため、CSAを通じて収集した環境データを活用している。当社では、次の四つの環境指標に対する各企業の環境フットプリントを測定するために、クライアントのポートフォリオをスクリーニングしている:

• 温室効果ガス排出量(GHG)• エネルギー消費量• 水の消費量• 廃棄物の発生量

各企業の環境フットプリントを集計し、そのポートフォリオの総環境フットプリントを算出する。この総環境フットプリントにより、投資家は投資した 1ドル当たりどの程度の環境負荷が発生しているのかを理解することができる。この情報を武器に、投資家は、自らの投資が環境に与えるプラスの影響を最大化し、マイナスの影響を最小限に抑えるために、ポートフォリオをどのように調整すべきかについて判断するにあたり、より確かな情報に依拠することができる。

Page 40: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

40 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

当社の親会社であるRobeco は、サステナビリティ投資を戦略的優先事項の一つに掲げている。サステナビリティ投資に専念する同社の子会社である当社の役割は、主に CSAを通じて得られた知見を中心に、財務的に意義のあるサステナビリティの専門知識を親会社に提供することである。

Robecoの管理資産は930億米ドル 1にのぼるが、その中核である投資活動には、システムとしてESG要因の分析が組み込まれている。

株式Robeco は、その投資プロセスに当社の CSAから得たサステナビリティ情報を組み込むにあたり、個々の投資戦略の特性に応じた調整を行っている。企業のサステナビリティプロフィールから取得した情報をバリュエーション分析に利用する場合は、RobecoSAMのグローバルエクイティ戦略とほぼ同じ方法で行われる。定量的な株式商品については、投資戦略に適した最も魅力的な投資機会を特定するため、バリュエーションやモメンタムといった他の定量的要素に合わせてサステナビリティスコアを調整し、組み合わせる。

債券債券投資の場合、投資家の主な関心事は、投資先企業の債務返済能力である。このため、Robecoの債券チームの投資哲学の柱の一つに、「勝者を漏れなく選ぶことよりも敗者を避ける方が重要」だという考え方がある。その信用調査プロセスにサステナビリティ情報を取り入れることにより、債券チームは投資の下振れリスクを評価する能力を強化することができる。

RobecoSAMの CSAから得られたサステナビリティスコアは、投資ユニバースのうちサステナビリティに関して上位 50%以上にランクされた企業をスクリーニングするために利用されている。また、Robeco の債券チームでは、ボトムアップの信用分析にサステナビリティを取り入れている。同チームは、企業の信用力に対する基本的な意見を構成する五つの要素の一つとして、CSA から生成された企業プロフィールに含まれているサステナビリティ情報を利用している。また、先日、債券チームは、RobecoSAMの環境モニタリングツールの利用を開始した。このツールもまた CSAから得たデータに基づいており、温室効果ガス排出量、エネルギー消費量、水の消費量、廃棄物の発生量などの観点から、ポートフォリオの環境フットプリントを減らすことを目的としている。

Robeco

1 2015年 9月現在

環境モニタリングツール

Robeco

コーポレートクレジット

メインストリームエクイティ

投資家

RobecoSAMポートフォリオマネジメント

インパクト投資

環境へのインパクト

製品開発&イノベーション

サステナビリティスコア

マテリアリティ分析

企業プロフィール

サステナビリティ投資リサーチ

CSA質問票

企業

コーポレートサステナビリティ評価(CSA)

サステナビリティデータベース

マテリアリティ分析

スコアカード&フィードバックコール

バックテスティング&方法論の開発

Page 41: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 41

企業との建設的な対話に参加することで、私たちは ESGに係るリスクの管理を改善するよう企業に促し、その結果競争力と収益性を向上させることができる。

しかし、エンゲージメントの取り組みの効果を上げるには、投資家と企業自身のどちらにとっても財務的に意義のあるトピックに焦点を当てることが重要である。ここがCSAの出番である。なぜなら、当社のガバナンス&アクティブ・オーナーシップ・チームは、CSAを指針として、財務的に意義のあるエンゲージメントのテーマや目的を選択しているからである。当社のエンゲージメントの取り組みの結果は、投資判断に利用できるよう、Robeco グループ全体のアナリストやポートフォリオマネージャーに伝えられる。

2015年 9月 30日時点で、RobecoSAMのガバナンス&アクティブ・オーナーシップ・チームがエンゲージメントの対象とする議決権のある株式の資産価額は、1,910億米ドルである。

ガバナンスとアクティブオーナーシップ

RobecoSAM は、15 年以上にわたり、企業のサステナビリティを評価してきた。その結果、競争的なベンチマーク化というプロセスは、多くの企業を動機付け、長期投資家が重要だと考える要素について、企業のパフォーマンスを向上させることにつながることが判明した。CSAを通じて収集した情報に基づいて、RobecoSAMのサステナビリティ・サービス・チームは、自社のサステナビリティパフォーマンスを同業他社と比較する、さまざまなベンチマーキングサービスを企業に提供し、競争上の強みと弱みを特定し、サステナビリティにおけるベストプラクティスの例を明らかにするために、他に類を見ない当社のサステナビリティデータベースを活用している。

サステナビリティサービス

サステナビリティスコア

企業ベンチマーキングレポート サステナビリ

ティサービス

CSA質問票

企業

コーポレートサステナビリティ評価(CSA)

サステナビリティデータベース

マテリアリティ分析

スコアカード&フィードバックコール

バックテスティング&方法論の開発

サステナビリティ投資リサーチ

重要なエンゲージメントテーマ

議決権行使

エンゲージメント ガバナンス

&アクティブオーナーシップ

CSA質問票

企業

コーポレートサステナビリティ評価(CSA)

サステナビリティデータベース

マテリアリティ分析

スコアカード&フィードバックコール

バックテスティング&方法論の開発

サステナビリティ投資リサーチ

Page 42: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

42 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

201620001997 222000000000 22000111166611997

3. RobecoSAM:イノベーションの歴史

Page 43: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 43

サステナビリティ投資リサーチ部門の責任者、Christopher Greenwald が、RobecoSAM の 20 年にわたるサステナビリティイノベーションの歴史が、責任投資業界全体の発展にいかに貢献してきたかについて振り返る。

SI バリューチェーンが一つ屋根の下にRobecoSAM(旧 SAM)は、サステナビリティ投資(SI)専門の投資顧問としてその地位を確立し、過去 20年間にわたり責任投資業界の発展において主導的な役割を果たしてきた。これは主に、SI のバリューチェーンにおける全ての要素を一つ屋根の下に集めるという当社のユニークな構造がもたらした結果である。サステナビリティの取り組みをどのように事業の成功につなげているのかについて理解するために、企業に直接コンタクトを取り、その結果得られた洞察を投資プロセスに組み込むことによって

投資戦略を策定し、最終的にその製品のマーケティングや販売を行う RobecoSAMは、責任投資業界の縮図であるといえる。

当社のユニークな構造により、私たちはサステナビリティ、財務マテリアリティ、そして最終的な投資収益の間の関連性に集中することができる。これは、バリューチェーンの一部のみに注目する傾向がある同業他社とは異なる。RobecoSAMは、このようなユニークな立ち位置によって、サステナビリティ投資におけるイノベーションの多くを業界で先立って生み出してきた。RobecoSAMの歴史は、さまざまな意味において、責任投資業界全体の歴史そのものであるといえる。RobecoSAMの過去と現在の主なイノベーションのいくつかを見ると、責任投資業界がどのように発展してきたかを理解できるだけでなく、将来進む方向を垣間見ることができる。

当社のユニークな構造により、私たちはサステナビリティ、財務マテリアリティ、そして最終的な投資収益の間の関連性に集中することができる。

Christopher Greenwald Head of Sustainability Investing Research

201620001997 222000000000 22000111166611997

Page 44: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

44 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

先駆的な手法RobecoSAM は、持続可能なビジネス慣行を実践する企業はアウトパフォームする可能性が高く、またサステナビリティに配慮することによって、投資家は十分な情報に基づいた投資判断を行うことができる、という信念に基づいて、1995 年に設立された。したがって、RobecoSAMの最初の投資プロフェッショナルたちは、精度においても深度においても伝統的な財務分析において利用されているサステナビリティリサーチと同レベルのリサーチフレームワークを開発すべく、直ちに作業に着手した。これが、1999年に創設されたダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス(DJSI)の基礎となった、コーポレートサステナビリティ評価(CSA)のコンセプトを生み出した。

DJSI のコンセプトは比較的簡単なものだった。つまり、アセットオーナーは、その投資収益を損なうことなく、リアルタイムで追跡することができる財務指標を通じて、世界で最も持続可能な企業に投資できることを実証する、というものである。そのリサーチフレームワークは、かつてないほど精度が高く、その産業特有の突っ込んだ質問を基礎として、世界最大級の企業から直接得た意見を参考に作成されたものであり、サステナビリティがいかに企業業績を向上させるかについて、生きた洞察を与えてくれるものであった。DJSI および評価手法の功績により、サステナビリティは投資家にとって重要なテーマとなったが、予想外の結果も得られた。すなわち、自社のサステナビリティパフォーマンスを向上させるためにCSAを利用し始めた企業の間で、DJSI が大きな影響力を持つようになったのである。DJSI の創設を契機に、その後 15

年間にわたってさまざまなサステナビリティ指数が開発され、同時に RobecoSAM は、企業におけるより持続可能なビジネス慣行を促進する上で、主導的地位を確立したのである。

RobecoSAM の評価は、単に企業からデータを収集するパッシブな手法から大きく進化した。CSAは、企業に対して継続的なサステナビリティ戦略の改善を促し、サステナビリティ、ビジネス、そして財務業績が互いに関連していることを認識させることができる直接的なエンゲージメントツールとして機能するようになった。同時に、RobecoSAMは、15 年間にわたり CSAを通して蓄積した知見によって、投資プロセスへのサステナビリティの統合におけるイノベーションをけん引してきたのである。

サステナビリティのテーマ:ソリューションプロバイダの特定DJSI が持続可能なビジネス慣行の重要性を証明する一方、RobecoSAMは、2000年代初頭に新たに出現した長期的なサステナビリティ上の課題に注目した一連のファンドを開発する機会を得た。このためクライアントは、そうした課題の解決策となる製品やサービスを提供している企業に投資することが可能となった。こうしたファンドの第一号は、2001 年に創設された「サステナブル・ウォーター・ストラテジー」であり、清浄な水に対する世界的な需要に直接対処する企業と接する機会をクライアントに提供した。サステナビリティをテーマとしたファンドは大きな成功を収めたが、その理由として、クライアントが企業の製品戦略とサステナビリティにおける喫緊のテーマへの影響との間に明確な関連性を見て取ったこと、さらには彼らがこうしたテーマに関連した製品やサービスに対する長期的な需要から利益を得る機会を投資家に提供したことが挙げられる。

「サステナブル・ウォーター・ストラテジー」の成功後、RobecoSAM は徐々にサステナビリティをテーマとした製品の幅を拡大し、「スマートエネルギー」、「スマートマテリアルズ」、「サステナブル・ヘルシー・リビング」、そして「サステナブルアグリビジネス」の各ストラテジーファンドを創設した。サステナビリティをテーマとした投資の分野で RobecoSAMが行った先駆的な仕事の後、業界では多数のテーマファンドが出現した。最近のインパクト投資戦略の前触れとなったサステナビリティをテーマとしたファンドは、目に見えるサステナビリティインパクトと長期的な財務業績を組み合わせているため、投資家の間でいまだに人気が高い。

CSA は、企業による継続的なサステナビリティ戦略の改善を促す、直接的なエンゲージメントツールとして機能している。

Page 45: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 45

サステナビリティの統合:スクリーニングを越えて2000 年代半ば、RobecoSAMは、評価モデルとサステナビリティ要素との統合における一連のイノベーションを通して、サステナビリティのマテリアリティに注目し続けた。メインストリームの投資戦略とサステナビリティの真の統合は、単に企業のサステナビリティスコアに基づいて投資ユニバースをスクリーニングするだけでは実現できず、サステナビリティ要素を財務モデルそのものに組み込むことが必要である。アナリストやポートフォリオマネージャーにとって、短期的な財務予測だけでなく、より持続可能なビジネス慣行から生じる長期的な機会とリスク削減効果も考慮した、企業の真の長期的価値を正確に理解するためには、リサーチの過程で企業の適正株価を調整する以外に方法はない。

そのため、2005 年以降、RobecoSAM のアナリストは、企業の投下資本利益率および加重平均資本コストに関するアナリストの仮定を調整するために、企業のサステナビリティスコアを利用して、財務モデルの調整を開始した。RobecoSAMは、サステナビリティの統合におけるこの革新的な作業を通じて、ひとつのサステナビリティ投資アプローチを開発したが、これはスクリーニングを越えて、サステナビリティと長期的評価を完全に統合した代替的財務分析アプローチをアセットオーナーに提供するものである。

スマートESG:高度なスコアリング手法つい最近、RobecoSAMは、サステナビリティ投資が進化し続ける方法を示唆する、一連の先駆的なイノベーションに再び着手した。まず、RobecoSAMの定量的リサーチアナリストが、15年以上にわたってCSAを通じて収集されたサステナビリティデータの大規模なバックテス

トを行うことにより、企業規模、バリュー、モメンタムといった伝統的な投資要素と相関性のない明確な投資シグナルを特定した。会社の規模、地理的条件、業種など、サステナビリティスコアリング手法の第一世代に固有のバイアスを統計的に中和することにより、伝統的な投資要素と組み合わせて、パッシブ・アクティブを問わずさまざまな戦略に適用することができる定量的サステナビリティ要素を切り離すことに成功した。

この「スマートESG」と呼ばれるより洗練されたサステナビリティスコアリング手法により、投資家は、パフォーマンスを強化し、リスクを軽減しながら、具体的かつ長期的な投資戦略と整合性を保ちつつ、シグナルとしてサステナビリティを利用することで利益を得ることが可能になる。当社は、このアプローチが新しい持続可能な定量的戦略を開発するための多様な機会を提供し、持続的に投資される資産の大幅な増加に貢献すると信じている。

インパクトを与える第二に、当社は、サステナビリティテーマの特定における指導的地位と、企業のサステナビリティパフォーマンスに対する当社の焦点を組み合わせることにより、インパクト投資関連の製品やサービスの幅を拡大しており、最近ではジェンダーの平等と子どもの福祉に焦点を当てた二つの新しい戦略を打ち出した。こうした戦略は、RobecoSAMの CSA基準のうち、企業がジェンダーの平等や子どもの権利といったテーマにどのように取り組んでいるのかを具体的に評価する基準を利用しており、したがって社会に肯定的な影響を及ぼす企業に注目したいと考えている、社会的責任のある投資家にアピールすることができる。しかし、ジェンダーの多様性や平等の促進、あるいは子どもの権利の保護は、結局のところ優良経営に行き着く。例えば、ジェンダーの多様性に関して先導的立場にある企業は、最も優秀な女性の人材を惹きつけ、維持する能力があることから、競争上の優位性を獲得する可能性が高い。したがって、これら二つの新しい戦略によって、投資家は投資を介して社会に肯定的なインパクトを与えることができるだけでなく、長期的にアウトパフォームが可能な企業を特定することができる。

メインストリームの投資戦略とサステナビリティの真の統合には、サステナビリティ要素を財務モデルそのものに組み込むことが必要である。

Page 46: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

46 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

SI の範囲を拡大最後に、RobecoSAM のアナリストチームと Robeco グループの共同研究の活発化に伴い、RobecoSAM は、サステナビリティの統合における指導的立場を強化し続けてきた。RobecoSAMのアナリストは、単なるスコアリングから重要なサステナビリティパフォーマンスのより粒度の細かい分析へと移行するにつれ、財務的に意義のある具体的なサステナビリティ基準が、彼らのディスカウント・キャッシュフロー・モデルを支える長期的な仮定にどのような影響を与えるのかについてより詳しく理解するため、Robeco の株式および債券リサーチアナリストと協働している。

協働を通じ、(特に債券戦略において)より幅広い資産クラスにサステナビリティを取り入れる方法を模索し、開発し続ける。例えば、Robeco の債券チームは、その企業信用ポートフォリオの投資先企業のダウンサイドリスクを評価するため、RobecoSAM の CSA から得た情報を利用している。また、つい最近、RobecoSAM のアナリストと Robeco の債券チームは、共同で「カントリー・サステナビリティ・ランキング・ツール」を開発した。これは評価機関が実施している伝統的なソブリンリ

スク評価の補完を意図したものである。この分析の枠組みは、Robeco のソブリン債戦略や、RobecoSAM と S & Pダウ・ジョーンズ・インデックスが共同で提供する「S& P ESG ソブリン・ボンド・インデックス」ファミリーにサステナビリティ要素を取り入れるための基礎となる。

イノベーションの未来このような協働の取り組みは、責任投資業界が継続的に進化するにつれ、企業と投資家の両方に利益をもたらす新しいアイデアを生成し続けるだろう。投資家は、パフォーマンスに対する長期的な視野を獲得するにあたり、サステナビリティ要素の重要性に対する認識を深め、同時に企業はサステナビリティの取り組みへの投資がもたらす財務的影響をより具体的に理解することができる。

リサーチ、スコアリング手法、および製品開発におけるイノベーションが、サステナビリティ投資の未来を形作っていく。RobecoSAMは、企業、投資戦略、そして金融市場を結ぶ接点にあり、サステナビリティと企業業績、ひいては財務業績との関連性に注目することによって、今後も主導的な役割を果たしていくためには、優位な立場にあるといえる。これは、サステナビリティの統合が投資業界全体により広く受け入れられることにつながるだけでなく、コーポレートサステナビリティに対する戦略的コミットメントと投資を拡大するよう世界の一流企業に促していくことにもなる。

私たちは、より幅広い資産クラスにサステナビリティを取り入れる方法を模索し、開発し続ける。

Page 47: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 47

4. サステナビリティリーダー2016

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48 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

コーポレートサステナビリティ評価(CSA)への参加率は年々高まっている。今年の参加企業数は過去最高を記録し、サステナビリティが企業の最重要課題としてビジネスの表舞台に登場し、メインストリーム化してきたことをうかがわせる。

ここでは、分析対象とした全 59産業の各々に属する企業の競争的地位に影響を及ぼす、経済、環境、社会のトレンドと動向から生じる機会とリスクに光を当て、RobecoSAM の知見を解説する。各産業の上位15%の企業を本サステナビリティイヤーブックに掲載し、また、実績に応じて RobecoSAMの「ゴールドクラス」「シルバークラス」「ブロンズクラス」のいずれかに認定している。また、各産業のトップ企業を「RobecoSAMインダストリーリーダー」として表彰する。なお、同イヤーブックに掲載されるためには、所属産業のインダストリーリーダーのスコアとの差が30%以内であることが条件となる。

サステナビリティイヤーブックに掲載する企業の選定においては、CSAによる企業のサステナビリティスコアに加え、RobecoSAMのメディア&ステークホルダー分析(MSA)に基づく定性的審査を実施した。MSA は、メディア報道および RepRisk ESG Business Intelligence が提供するステークホルダー向け公開情報の検証を基に、対象年に生じうる重要なサステナビリティ課題への企業の対応を評価するものである。なお、Dow Jones Sustainability Index Committee(ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス委員会)がDJSI の構成銘柄から銘柄を除外する場合にも、その判断はMSAに基づいてなされる。

RobecoSAMは、毎年 3,000 を超える世界の大手企業にコーポレートサステナビリティ評価(CSA)の参加を呼びかけている。その中で集積した情報を基にコーポレートサステナビリティに関する世界最大級のデータベースを構築してきた。

各産業において最高スコアを獲得した企業にこの称号が与えられる。インダストリーリーダーとは、経済、環境、社会の各側面における動向から、その産業の中で最もビジネスの機会を創出し、リスクを管理できる態勢にあると評価された企業である。

インダストリーリーダーのスコアとの得点差が 1%以内のスコアを獲得した企業は、RobecoSAMゴールドクラスに認定される。

インダストリーリーダーのスコアとの得点差が 1 ~ 5%以内のスコアを獲得した企業は、RobecoSAMシルバークラスに認定される。

インダストリーリーダーのスコアとの得点差が 5 ~ 10%以内のスコアを獲得した企業は、RobecoSAMブロンズクラスに認定される。

各産業の上位15%の企業のうち、前年比でスコアの改善幅が最も大きかった企業は、RobecoSAMインダストリームーバーに認定される。

インダストリーリーダー2016サステナビリティアワード

ブロンズクラス2016サステナビリティアワード

ゴールドクラス2016サステナビリティアワード

シルバークラス2016サステナビリティアワード

インダストリームーバー2016サステナビリティアワード

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サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 49

サステナビリティ・イヤーブック・メンバーイヤーブックに掲載されているが、メダルを授与されなかった企業は全て、サステナビリティ・イヤーブック・メンバーとして掲載される。イヤー

ブックに掲載されるためには、所属産業の上位15%に含まれ、かつインダストリーリーダーのスコアとの得点差が30%以内であることが条件となる。

RobecoSAMゴールドクラス企業名 * 国企業名 国RobecoSAMシルバークラス企業名 国企業名 国RobecoSAMブロンズクラス企業名 ** 国企業名 国サステナビリティ・イヤーブック・メンバー企業名 国企業名 国

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

•••

サステナビリティリーダー2016

RobecoSAMインダストリーリーダーは最上位に記載される。各メダルでは、企業はアルファベット順に記載される。サステナビリティイヤーブックに掲載された 464社のうち、メダルを受賞した企業数は以下のとおりである。

Robeco SAMゴールドクラス77社Robeco SAMシルバークラス74社Robeco SAMブロンズクラス97社

コーポレートアクションRobecoSAM は年間を通じてコーポレートアクションをモニターしている。ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス向けのコーポレートアクションの取り扱いに準じて、ケースバイケースでコーポレートアクションをレビューし、一貫した手法を適用する。M&Aにおいて、被合併会社または被買収会社が新会社の浮動株式の時価総額の33%以上を占める場合は、統合スコアを新会社のスコアとして扱う。統合スコアは合併または買収前の各事業体の時価総額加重スコアとして計算される。この基準値に満たない企業には、統合

スコアは使用されず、買収会社または新会社の当初のスコアが使用される。コーポレートアクションの結果、10月末以前に除外された企業は、サステナビリティイヤーブックに掲載される資格を失う。統合スコアを有する企業はイヤーブックに印つきで掲載されている。

社名変更は定期的にチェックされ、全ての企業の社名は印刷の時点で RobecoSAMの知る限りにおいて最新のものである。それ以降に変更された社名はイヤーブックに反映されない可能性がある。

項目の説明後述の各産業プロフィールに掲載される項目は、以下のとおりである。 推進力各産業の競争環境を取り巻く現在と将来的な課題を解説する。 注目すべきクライテリア2015 年の CSAで評価対象となった業界それぞれに固有の主な基準、および全産業共通の基準を記載する。

統計データ各産業において 2015 年の CSA の調査対象となった企業数などを示す。評価対象となった企業数は、CSAに積極的に参加した企業および公開情報のみに基づいて RobecoSAM が評価した企業の合計である。 結果2015年のCSAのスコアを概説する。各産業について、評価対象企業の平均スコアと最高スコア、それに経済、環境、社会的側面の平均スコアと最高スコアを示す。また、3側面の配点も 示す。

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50 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

RobecoSAM インダストリーリーダー 2016

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サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 51

RobecoSAMインダストリーリーダー2016

企業名 産業 国

Abbott Laboratories ヘルスケア機器・用品 米国

Agilent Technologies Inc ライフサイエンスツール・サービス 米国

Air France-KLM 旅客航空輸送業 フランス

Akzo Nobel NV 化学 オランダ

Alcatel-Lucent 通信機器 フランス

Alcoa Inc アルミ 米国

Ball Corp 容器・包装 米国

Banpu PCL 石炭・消耗燃料 タイ

Bayerische Motoren Werke AG 自動車 ドイツ

ベネッセホールディングス 各種消費者サービス 日本

Biogen Inc バイオテクノロジー 米国

British American Tobacco PLC タバコ 英国

Cie Generale des Etablissements Michelin 自動車部品 フランス

CNH Industrial NV 機械および電気設備 英国

Coca-Cola HBC AG 飲料 スイス

Delta Electronics Inc 電子装置・機器・部品 台湾

Electrolux AB 家庭用耐久財 スウェーデン

富士フイルムホールディングス コンピューター・周辺機器および事務用電子機器 日本

富士通株式会社 情報技術サービスおよびインターネットソフトウェア・サービス 日本

Gas Natural SDG SA ガス スペイン

Humana Inc ヘルスケアプロバイダー・ヘルスケアサービス 米国

Hyundai Engineering & Construction Co Ltd 建築・土木 韓国

伊藤忠商事 商社・流通業 日本

花王株式会社 パーソナル用品 日本

Kepco Plant Service & Engineering Co Ltd 商業サービス・用品 韓国

Kering 繊維・アパレル・贅沢品 フランス

Koninklijke Philips NV コングロマリット オランダ

KT Corp 各種電気通信サービス 韓国

LG Electronics Inc レジャー用品および民生用電子機器 韓国

Lotte Shopping Co Ltd 小売 韓国

METRO AG 食品・生活必需品小売 ドイツ

Newmont Mining Corp 金属鉱業 米国

Owens Corning 建設関連製品 米国

POSCO 鉄鋼 韓国

Roche Holding AG 医薬品 スイス

Rolls-Royce Holdings Plc 航空宇宙・防衛 英国

Royal Mail Plc 運輸および運送インフラ 英国

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52 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

企業名 産業 国

SAP SE ソフトウェア ドイツ

Schneider Electric SE 電気部品・設備 フランス

積水化学工業 住宅建設 日本

SGS SA 専門サービス スイス

T Siam Cement PCL 建築資材 タイ

Sodexo SA レストラン・レジャー設備 フランス

Stockland 不動産 オーストラリア

Svenska Cellulosa AB SCA 家庭用品 スウェーデン

Swiss Re AG 保険 スイス

Tabcorp Holdings Ltd カジノ・ゲーム オーストラリア

Taiwan Semiconductor Manufacturing Co Ltd 半導体・半導体製造装置 台湾

Technip SA エネルギー設備・サービス フランス

Telenet Group Holding NV メディア ベルギー

Terna Rete Elettrica Nazionale SpA 電気 イタリア

Thai Oil PCL 石油・ガス タイ

Transcanada Corp 石油・ガス貯蔵・輸送 カナダ

UBS Group AG 多角的金融サービスおよび資本市場 スイス

Unilever NV 食品 オランダ

United Utilities Group PLC 総合公共事業および水道 英国

Upm-Kymmene OYJ 紙製品・林産品 フィンランド

Westpac Banking Corp 銀行 オーストラリア

Wyndham Worldwide Corp ホテル・リゾート・クルーズ船 米国

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サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 53

サステナビリティ・ イヤーブック・メンバー47社

サステナビリティ・ イヤーブック・メンバー87社

サステナビリティ・ イヤーブック・メンバー27社

ゴールドクラス12社

ゴールドクラス8社

ブロンズクラス14社

シルバークラス14社

ブロンズクラス48社

シルバークラス32社

ブロンズクラス10社

シルバークラス13社

ブロンズクラス25社

シルバークラス15社

ゴールドクラス21社

全3,426社の時価総額に対する評価企業の合計時価総額の割合 アジア太平洋:82.4%

新興国市場*: 65.8%

欧州:90.2%

北米:88.7%

世界で最も持続可能な企業はどこに分布しているのか?

3,426の企業に2015年コーポレートサステナビリティ評価(CSA)への参加を呼びかけ

42カ国の864社が2015年CSAに積極的に参加

インダストリーリーダー59社

インダストリーリーダー15社

インダストリーリーダー5社

インダストリーリーダー29社

インダストリーリーダー10社

紙製品・林産品

ホテル・リゾ一卜・クルーズ船

家庭用品

建設関連製品

容器・包装

タバコ

飲料

化学

コンピューター・周辺機器および事務用電子機器

専門サービス

0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 40% 45% 50%

38

38

37

37

37

38

39

40

42

44

32カ国の464社を『サステナビリティイヤーブック2016』に掲載

ゴールドクラス77社

ブロンズクラス97社

シルバークラス74社

216社 サステナビリティ・イヤーブック・メンバー

サステナビリティ・ イヤーブック・メンバー55社

ゴールドクラス36社

アジア太平洋

新興国市場*

欧州

北米

* ブラジル、チリ、中国、コロンビア、チェコ共和国、エジプト、ギリシャ、ハンガリー、インド、インドネシア、マレーシア、メキシコ、モロッコ、ペルー、フィリピン、ポーランド、カタール、ロシア、南アフリカ、台湾、タイ、トルコ、アラブ首長国連邦

参加率上位10産業 RobecoSAMのCSAへの参加を要請した企業に対し、積極的に参加した企業の割合(%)

Page 54: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

54 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

世界で最も持続可能な企業はどこに分布しているのか?

サステナビリティイヤー

ブックに掲載された企業数

ゴールドクラスの企業数

は掲載企業の前年比増減

数を示す

( )

7 (+

1)

26 (-

1)

ドイツ

3

212

(-5)

カナダ

11 (-

1)

ブラジル

11 (+

3)

コロンビア

1チリ

南アフリカ

220

スペイン

111

(-2)

イタリア

514

(-2)

スイス

3 (-1

)

ポルトガル

936

(+2)

フランス

3

デンマーク

647

(-4)

英国

13

ベルギー

29

(-1)

スウェーデン

19

フィンランド

1

中国

3 (-1

)

ノルウェー 1 (

+1)

ギリシャ

1

ハンガリー

1 (+1

)

アイルランド

15

(-1)

インド

49

(+1)

タイ

839

(+3)

韓国

748

(+9)

日本

311

(+3)

台湾

623

(+3)

オーストラリア

2シンガポール

3 (+

2)

香港

1

ニュージーランド

1075

(-1)

米国

618

(+3)

オランダ

Page 55: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 55

産業プロフィール: 59産業の概要

産業 ページ

Aerospace & Defense(航空宇宙・防衛) 56

Airlines(旅客航空輸送業) 57

Aluminum(アルミ) 58

Auto Components(自動車部品) 59

Automobiles(自動車) 60

Banks(銀行) 61

Beverages(飲料) 62

Biotechnology(バイオテクノロジー) 63

Building Products(建設関連製品) 64

Casinos & Gaming(カジノ・ゲーム) 65

Chemicals(化学) 66

Coal & Consumable Fuels(石炭・消耗燃料) 67

Commercial Services & Supplies(商業サービス・用品) 68

Communications Equipment(通信機器) 69

Computers & Peripherals and Office Electronics(コンピューター・周辺機器および事務用電子機器) 70

Construction & Engineering(建設・土木) 71

Construction Materials(建設資材) 72

Containers & Packaging(容器・包装) 73

Diversified Consumer Services(各種消費者サービス) 74

Diversified Financial Services and Capital Markets (多角的金融サービスおよび資本市場) 75

Electric Utilities(電気) 76

Electrical Components & Equipment (電気部品・設備) 77

Electronic Equipment, Instruments & Components(電子装置・機器・部品) 78

Energy Equipment & Services(エネルギー設備・サービス) 79

Food & Staples Retailing(食品・生活必需品小売) 80

Food Products(食品) 81

Gas Utilities(ガス) 82

Health Care Equipment & Supplies(ヘルスケア機器・用品) 83

Health Care Providers & Services(ヘルスケアプロバイダー・ヘルスケアサービス) 84

Homebuilding(住宅建設) 85

産業 ページ

Hotels, Resorts & Cruise Lines(ホテル・リゾート・クルーズ船) 86

Household Durables(家庭用耐久財) 87

Household Products(家庭用品) 88

Industrial Conglomerates(コングロマリット) 89

Insurance(保険) 90

IT Services & Internet Software and Services(情報技術サービスおよびインターネットソフトウェア・サービス) 91

Leisure Equipment & Products and Consumer Electronics(レジャー用品および民生用電子機器) 92

Life Sciences Tools & Services(ライフサイエンスツール・サービス) 93

Machinery and Electrical Equipment(機械および電気設備) 94

Media(メディア) 95

Metals & Mining(金属鉱業) 96

Multi and Water Utilities(総合公益事業および水道) 97

Oil & Gas(石油・ガス) 98

Oil & Gas Storage & Transportation(石油・ガス貯蔵・輸送) 99

Paper & Forest Products(紙製品・林産品) 100

Personal Products(パーソナル用品) 101

Pharmaceuticals(医薬品) 102

Professional Services(専門サービス) 103

Real Estate(不動産) 104

Restaurants & Leisure Facilities(レストラン・レジャー設備) 105

Retailing(小売) 106

Semiconductors & Semiconductor Equipment(半導体・半導体製造装置) 107

Software(ソフトウェア) 108

Steel(鉄鋼) 109

Telecommunication Services(各種電気通信サービス) 110

Textiles, Apparel & Luxury Goods(繊維・アパレル・贅沢品) 111

Tobacco(タバコ) 112

Trading Companies & Distributors(商社・流通業) 113

Transportation and Transportation Infrastructure (運輸および運送インフラ) 114

Page 56: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

56 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

推進力航空宇宙・防衛産業は、利益を挙げ上けているものの、依然厳しい環境下にある。米国など、各国の財政支出の削減によって、今後、各社財務状況は大きく圧迫される。同産業の企業は、戦略の見直しと事業モデルの多角化を迫られるとみられる。民間用航空宇宙・防衛セグメントは、燃料効率に優れた次世代製品の需要好調を背景に引き続き利益率は高い。今までどおり、客先、供給元との協力関係がイノベーションの主なドライバーである。民間、軍事用ともプロダクトスチュワードシップ、ライフサイクル管理、操業の環境効率が重要な要件となっている。代替燃料と推進技術の必要性は、営業コストの問題にとどまらず、国家安全保障と公共政策の問題になりつつある。ガバナンス、コンプライアンス、贈収賄の問題は依然、航空宇宙・防衛製品の製造・販売を手がける企業にとってリスクである。過去に多くのスキャンダルが発生し、捜査のメスが入ったことからみて、従来のコンプライアンスシステムは必ずしも十分ではなく、各社における透明性と説明責任の向上が期待される。航空宇宙・防衛産業の微妙な性格と政府にとっての重要性から、この産業に属する企業には社会の一段と厳しい目が注がれるようになっている。

航空宇宙・防衛

統計データユニバース企業数 432015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 23ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 53合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 90

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 54 84 41%環境 50 80 24%社会 46 75 35%

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスRolls-Royce Holdings PLC*/** 英国Thales SA フランスRobecoSAMシルバークラスLockheed Martin Corp 米国 RobecoSAMブロンズクラスEmbraer SA ブラジルFinmeccanica SpA イタリアサステナビリティ・イヤーブック・メンバーBAE Systems PLC 英国

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ 行動規範/コンプライアンス/汚職と贈収賄‒ 適用輸出管理制度の遵守‒ サプライチェーンマネジメント

環境側面‒ 気候戦略‒ 環境方針/マネジメントシステム‒ プロダクトスチュワードシップ

社会側面‒ 労働慣行指標および人権‒ 労働安全衛生‒ ステークホルダーエンゲージメント

0 25 50 75 100

平均スコア: 50

最高スコア: 77

総スコア

•••

Page 57: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 57

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 57 87 44%環境 50 90 26%社会 46 78 30%

推進力民間航空会社は引き続き厳しい競争と市場環境に直面している。最近の燃料コストの下落で一息ついている航空会社もあるが、格安航空会社、超格安航空会社を含む競争は熾烈で、長期的な成長戦略の見直しを余儀なくされている。業界再編が続くなか、新規提携による共同運航はスケールメリットにつながり、営業費用の削減に寄与している。EU域内排出権取引制度(EU-ETS)は、当初 2013 年1月から全ての航空会社に適用される予定だったが、2016 年まで先送りされ、国連の国際民間航空機関(ICAO)にはグローバルな代案を策定するための時間的余裕が生まれた。このスキームは現在、全ての欧州域内航空便に適用されることになっているが、欧州事業のある域外航空会社にとっても操業の環境効率改善に向けた圧力となっている。航空各社の燃料効率は大幅に改善しており、最新型航空機への投資も依然好調だが、2020 年以降二酸化炭素排出量を増加させないという目標を達成するには、代替燃料の開発、先進的な路線計画システムの実施、運航技術面での官民部門の協力をさらに進める必要がある。

旅客航空輸送業

統計データユニバース企業数 312015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 21ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 68合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 87

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスAir France-KLM* フランスサステナビリティ・イヤーブック・メンバーANAホールディングス株式会社 ** 日本Latam Airlines Group SA チリQantas Airways Ltd オーストラリア

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ 効率性‒ フリート管理‒ リスクマネジメントおよび危機管理

環境側面‒ 環境方針/マネジメントシステム‒ 環境報告‒ 操業の環境効率

社会側面‒ 労働慣行指標および人権‒ ステークホルダーエンゲージメント‒ 有能な人材の確保と維持

0 25 50 75 100

平均スコア: 52

最高スコア: 85

総スコア

Page 58: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

58 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

統計データユニバース企業数 62015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 5ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 83合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 81

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 56 80 25%環境 47 87 34%社会 53 83 41%

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスAlcoa Inc* 米国RobecoSAMブロンズクラスNorsk Hydro ASA ノルウェー

* RobecoSAMインダストリーリーダー

推進力アルミ産業においては、引き続きエネルギー消費と気候変動が最も喫緊の課題である。現在、アルミ生産では石炭と水力が主要エネルギー源として使われている。電力消費はこの 10 年で半減したが、アルミ製錬は今でも鉄鋼生産よりエネルギーを多く消費するエネルギー集約型プロセスであり、エネルギー消費とアノードの消耗からの温室効果ガス排出の一段の削減が課題となっている。操業の環境効率と労働安全衛生が引き続き優先課題である。アルミメーカーの垂直統合が進むに伴い、各社はステークホルダーエンゲージメントや鉱業廃棄物管理など、新たなサステナビリティ課題に直面するようになった。しかしながら、より低い比重量や無限のリサイクル可能性といったアルミの特性は、より資源効率に優れた製品とサービスを生み出すのに貢献している。

アルミ

注目すべきクライテリア経済側面‒ 行動規範/コンプライアンス/ 汚職と贈収賄‒ コーポレートガバナンス‒ 顧客関係管理

環境側面‒ 気候戦略‒ 環境方針/マネジメントシステム‒ 操業の環境効率

社会側面‒ 労働安全衛生‒ コミュニティへの社会的影響‒ ステークホルダーエンゲージメント

••

0 25 50 75 100

平均スコア:52最高スコア: 83

総スコア

Page 59: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 59

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 57 84 27%環境 52 91 37%社会 45 88 36%

推進力競争が激しい自動車産業において、部品メーカーは信頼性、効率性に優れ、自動車の燃費性能に寄与する部品を常に安定的に供給し続けることを求められている。そのため、各社が競争優位を確保するための主な差別化要因は引き続きイノベーションである。自動車部品産業は競争上、常に既存製品への値下げ圧力を受ける他、先進国から新興国への自動車製造拠点の継続的シフトにも直面している。そのため、小規模な地域メーカーより大手サプライヤーのほうが有利である。統合再編が進み、今ではグローバル化も進んでいるこの産業では、サプライチェーンマネジメントも重要性を増している。

自動車部品

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスCie Generale des Etablissements Michelin*/** フランスRobecoSAMシルバークラスPirelli & C. SpA イタリアRobecoSAMブロンズクラスHyundai Mobis Co Ltd 韓国サステナビリティ・イヤーブック・メンバー株式会社ブリヂストン 日本Hankook Tire Co Ltd 韓国Johnson Controls Inc 米国Nokian Renkaat OYJ フィンランド

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ 行動規範/コンプライアンス/ 汚職と贈収賄‒ イノベーションマネジメント‒ サプライチェーンマネジメント

環境側面‒ 気候戦略‒ 操業の環境効率‒ プロダクトスチュワードシップ

社会側面‒ 人的資源開発‒ 労働慣行指標および人権‒ 労働安全衛生

•••

0 25 50 75 100

平均スコア:51最高スコア:87

総スコア

統計データユニバース企業数 512015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 31ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 61合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 89

Page 60: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

60 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

推進力自動車産業は、過剰生産能力や熾烈な競争、高額の研究開発費によるコスト負担などの多くの課題を抱えている。そのような環境の中で、自動車メーカー各社は、自社の市場での位置づけを明確にする戦略を策定し、実施する必要性に迫られている。温室効果ガスの排出と大気汚染への規制強化やこの産業の石油依存体質を考えると、自動車メーカー各社は、例えば電気モーターなどの代替推進装置の導入により燃料効率を改善し、製品ポートフォリオの低炭素化を進める必要がある。有能で技能をもち、意欲のある社員が革新的製品の開発を成功させる鍵である。生産と研究が主に高齢化の進む先進国で行われていることから、人材の問題はますます深刻になっている。

自動車

サステナビリティリーダー20161

RobecoSAMゴールドクラスBayerische Motoren Werke AG* ドイツRobecoSAMシルバークラスFiat Chrysler Automobiles NV 英国日産自動車株式会社 日本Peugeot SA フランスRobecoSAMブロンズクラス本田技研工業株式会社 ** 日本サステナビリティ・イヤーブック・メンバートヨタ自動車株式会社 日本

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

1 2015 年 9 月、RobecoSAM は、Volkswagen AG が排出試験結果を改ざんしたとの証拠が明るみに出た後、自動車産業のリーダーから同社を削除した。この問題によるレピュテーションと財務状態への悪影響、およびサステナビリティリーダーとしての地位の維持不能により、同社はダウジョーンズ・サステナビリティ・インデックスから除外され、2016 年サステナビリティイヤーブックからも排除された。

注目すべきクライテリア経済側面‒ コーポレートガバナンス‒ イノベーションマネジメント‒ サプライチェーンマネジメント

環境側面‒ 気候戦略‒ 低炭素戦略‒ 操業の環境効率

社会側面‒ 人的資源開発‒ 労働慣行指標および人権‒ 有能な人材の確保と維持

•••

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:60最高スコア:91

統計データユニバース企業数 412015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 34ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 83合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 93

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 61 93 34%環境 63 94 31%社会 57 83 35%

Page 61: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 61

推進力銀行業は依然、信用危機を受けて規制当局の厳しい監視と社会的圧力の下にある。ここ数年、罰金や罰則が記録的な水準に達したため、多くの銀行では信頼の回復と、より簡素で予測可能なビジネスモデルの構築が優先課題となっている。多くの銀行が経営資源の多くをリスクマネジメントとコンプライアンス対策に振り向けるとともに、法令違反を防ぐため、行動規範の改定と企業文化の是正に取り組んでいる。顧客の信頼回復も欠かせない他、デジタル化とサービスのコモディティ化の流れに自社の事業戦略を適応させる能力も問われている。先進的な銀行は、自社の長期投資戦略に文化、報奨、環境面の要素を統合することでは先頭を走っている。こうした姿勢は成長機会をもつ新商品の開発の土台となるうえ、全体の投資戦略におけるリスクマネジメントの向上にも寄与している。

銀行

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスWestpac Banking Corp* オーストラリアAustralia & New Zealand Banking Group Ltd オーストラリアNational Australia Bank Ltd オーストラリアRobecoSAMブロンズクラスBancolombia SA コロンビアCommonwealth Bank of Australia オーストラリアING Groep NV オランダIntesa Sanpaolo SpA イタリアItau Unibanco Holding SA ブラジルItausa - Investimentos Itau SA ブラジルShinhan Financial Group Co Ltd 韓国

注目すべきクライテリア経済側面‒ 犯罪防止方針/対策‒ 行動規範/コンプライアンス/ 汚職と贈収賄‒ コーポレートガバナンス‒ 顧客関係管理

環境側面‒ ビジネスのリスクと機会‒ 気候戦略

社会側面‒ フィナンシャルインクルージョン‒ 人的資源開発‒ 有能な人材の確保と維持

••

ABN AMRO Holding N.V.1 オランダBanco Bilbao Vizcaya Argentaria SA スペインBanco Bradesco SA ブラジルBanco Comercial Portugues SA ポルトガルBanco do Brasil SA ブラジルBanco Santander SA スペインBank of America Corp 米国Bankia SA スペインBankinter SA スペインBarclays PLC 英国BNP Paribas SA フランスCaixaBank SA スペインCitigroup Inc 米国DGB Financial Group Inc 韓国

DNB ASA ノルウェーE.Sun Financial Holding Co Ltd 台湾KB Financial Group Inc** 韓国Lloyds Banking Group PLC 英国Nedbank Group Ltd 南アフリカPiraeus Bank SA ギリシャRoyal Bank of Scotland Group PLC 英国Skandinaviska Enskilda Banken AB スウェーデンSociete Generale SA フランスStandard Chartered PLC 英国Swedbank AB スウェーデンToronto-Dominion Bank カナダUniCredit SpA イタリア

0 25 50 75 100

総スコア

サステナビリティ・イヤーブック・メンバー

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

1 この会社は、通常のダウジョーンズ・サステナビリティ・インデックスの評価プロセスとは別に評価された。

平均スコア:61最高スコア:94

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 69 95 41%環境 55 95 23%社会 55 95 36%

統計データユニバース企業数 2532015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 128ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 51合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 81

Page 62: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

62 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

推進力成熟した世界の飲料産業では、成長の原動力は今後も新興国、人口動態、イノベーションである。炭酸入り清涼飲料はノンアルコール飲料の半分以上を占めているが、消費者がより健康的で低カロリーの飲料にシフトしていることから、先進国の需要は長期的に低下している。この数年は栄養ドリンクやシングルサーブコーヒーなどのニッチ製品が台頭、拡大している。一方、人口動態が消費に追い風となっている新興国には商機が存在する。飲料を通じて消費されるカロリーの比率が高いため、この産業の成分や広告方針には厳しい視線が注がれるようになっている。特にアルコール飲料のメーカーは、効果的で責任あるマーケティング戦略の実施という課題に直面している。新興国では需要拡大を背景に生産能力の増強が進んでいる。その結果、水関連リスクなど、社会的、環境的リスクの管理が持続可能な長期生産基盤を実現するための鍵となっている。

飲料

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスCoca-Cola HBC AG* スイスRobecoSAMシルバークラスCoca-Cola Enterprises Inc 米国Molson Coors Brewing Co 米国RobecoSAMブロンズクラスDiageo PLC 英国Heineken NV** オランダPepsiCo Inc 米国

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ イノベーションマネジメント‒ 新興国市場の戦略‒ サプライチェーンマネジメント

環境側面‒ 気候戦略‒ 操業の環境効率‒ 水関連リスク

社会側面‒ 人的資源開発‒ 労働慣行指標および人権‒ 有能な人材の確保と維持

•••

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:53最高スコア:87

統計データユニバース企業数 452015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 34ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 76合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 94

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 53 83 46%環境 52 94 26%社会 52 89 28%

Page 63: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 63

推進力バイオテクノロジー企業は、生物システムに基づく技術を活用して医療、工業、農業向けの製品やプロセスを開発している。バイオ産業の特徴は、大規模な研究開発活動と、高確率で製品開発が不発に終わるリスクである。イノベーションと知的財産が主な推進力であるため、優秀な社員と有効な人的資源管理が重要な成功要因となる。メディカルバイオ企業は、自社製品の価格設定と償還、グローバルな特許保護、医薬品の効能と安全性をめぐる社会の懸念にかかわる問題に直面している。農業へのバイオ製品の使用は、特定のステークホルダーの間で広く批判されている。世論の意見対立は遺伝子組み換えの生物、種子、作物の使用と放出に集中している。工業生産プロセスでの遺伝子組み換え生物の使用でははるかに異論が少ない。とはいえ、主力技術に対するステークホルダーの信頼を構築し維持することは、バイオテクノロジー企業が直面する基本的なサステナビリティの課題である。

バイオテクノロジー

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスBiogen Inc* 米国サステナビリティ・イヤーブック・メンバーAmgen Inc** 米国

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ 顧客関係管理‒ イノベーションマネジメント‒ マーケティング慣行

環境側面‒ 気候戦略‒ 操業の環境効率

社会側面‒ コスト負担への取り組み‒ 健康成果への寄与‒ ステークホルダーエンゲージメント‒ 医薬品・製品へのアクセス改善戦略

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:38最高スコア:79

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 46 79 46%環境 31 87 10%社会 31 76 44%

統計データユニバース企業数 312015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 19ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 61合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 96

Page 64: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

64 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

推進力建設関連製品産業は、風呂・台所設備や空調・暖房装置を含め、建物や構造物の建設・増改築に使われる材料と製品を製造する幅広い企業群で構成される。新興国の急速な都市化や環境意識の高まり、新しい建設手法などを背景に、きわめてダイナミックな産業となっている。建築物は世界のエネルギー消費の 40%以上を占めているため、あらゆる建設関連製品と建設作業に対してエネルギー効率の改善が強く求められている。そのため、この産業は今後、これまでより知識主導型になり、有能な人材の確保と維持、人的資源開発が競争優位の主な源泉になるとみられる。建設関連製品の製造・販売業者は、事業成長戦略の大きな柱として新興国への依存を強めている。そのため、事業の成否は主としてビジネスモデルを地元の状況に適応できるか、適切な販売網を開拓して適切な製品を市場に投入できるかにかかっている。

建設関連製品

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスOwens Corning* 米国RobecoSAMシルバークラス株式会社 LIXIL グループ 日本TOTO株式会社 日本 RobecoSAMブロンズクラスダイキン工業株式会社 ** 日本

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ 行動規範/コンプライアンス/ 汚職と贈収賄‒ リスクマネジメントおよび危機管理‒ サプライチェーンマネジメント

環境側面‒ 気候戦略‒ 操業の環境効率‒ リサイクル戦略

社会側面‒ 人的資源開発‒ 労働慣行指標および人権‒ 労働安全衛生

•••

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:57最高スコア:82

統計データユニバース企業数 192015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 14ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 74合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 83

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 61 84 38%環境 54 87 32%社会 54 82 30%

Page 65: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 65

推進力カジノ・ゲーム産業は引き続き社会と規制当局から厳しい視線を受けている。各社は、強力なコンプライアンス態勢と健全なガバナンスを通じてマネーロンダリングや汚職、贈収賄といった深刻な問題に取り組まなければならない。ギャンブル依存症とその社会への影響といった社会的な問題も、社内の対策だけではなく顧客のために取り組む必要がある。オンラインプラットフォームの浸透は、効果的な監視とセキュリティの必要性を浮き彫りにした。この分野の企業は、最小限の法的要件の遵守を超えてこれらの問題に積極的に対応する姿勢を見せており、ホテル・レストラン・レジャー産業に含まれる他の企業の模範になりつつある。環境面では、各社は、営業費用を削減しながらエネルギー消費を減らす取り組みを強化している。

カジノ・ゲーム

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスTabcorp Holdings Ltd* オーストラリアKangwon Land Inc 韓国RobecoSAMシルバークラスLadbrokes PLC 英国 サステナビリティ・イヤーブック・メンバーStar Entertainment Grp Ltd** オーストラリア

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ 犯罪防止方針/対策‒ ブランドマネジメント‒ 行動規範/コンプライアンス/ 汚職と贈収賄

環境側面‒ 環境方針/マネジメントシステム‒ 操業の環境効率

社会側面‒ 人的資源開発‒ 労働慣行指標および人権‒ 責任あるゲームの推進‒ ステークホルダーエンゲージメント

••

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:44最高スコア:79

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 49 86 43%環境 36 90 16%社会 42 82 41%

統計データユニバース企業数 342015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 23ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 68合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 79

Page 66: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

66 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

推進力化学産業は、特殊・汎用化学品、工業用ガス、肥料・農薬の他、ヘルスケアおよびウェルネス産業向け添加剤を開発、製造、販売する企業群から成る。イノベーションとプロダクトスチュワードシップが引き続き主な推進力となる産業である。この産業が直面する主要な課題は、操業の環境効率、気候変動、人的資源管理、労働安全衛生である。さらに、新たな製品用途には、製品のデータベースと顧客向けの教育研修を含む総合的なプロダクトスチュワードシップ管理システムの実施が必要である。各社はグリーンケミストリー慣行や(生体)触媒作用の使用を進めている他、従来の溶剤や有害化学物質を再生可能、生物由来材料に置き換える動きも進んでいる。顧客企業が自社のサステナビリティ目標を達成できるよう、使用段階でサステナビリティのメリットを享受できる製品とソリューションを提供して支援することが化学各社の主な差別化要因になりつつある。

化学

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスAkzo Nobel NV* オランダKoninklijke DSM NV オランダRobecoSAMシルバークラスBASF SE** ドイツClariant AG スイスEvonik Industries AG ドイツNovozymes A/S デンマークPTT Global Chemical PCL タイRobecoSAMブロンズクラスDow Chemical Co 米国Linde AG ドイツPraxair Inc 米国サステナビリティ・イヤーブック・メンバーAir Liquide SA フランスAir Products & Chemicals Inc 米国Braskem SA ブラジルEcolab Inc 米国LANXESS AG ドイツ三菱ケミカルホールディングス株式会社 日本Sigma-Aldrich Corp 米国Solvay SA ベルギー

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ 顧客関係管理‒ イノベーションマネジメント‒ サプライチェーンマネジメント

環境側面‒ 気候戦略‒ 操業の環境効率‒ プロダクトスチュワードシップ

社会側面‒ 人的資源開発‒ 労働慣行指標および人権‒ 労働安全衛生

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:58最高スコア:92

••

統計データユニバース企業数 1252015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 77ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 62合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 84

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 60 94 36%環境 57 96 32%社会 58 94 32%

Page 67: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 67

推進力石炭メーカーは現在、エネルギー確保と気候変動の議論の中心にいることを認識している。発電事業者は炭素排出量削減を迫られているため、天然ガスと再生可能エネルギーの使用増加で、火力発電所の原料炭需要に低下圧力が生じている。ウラン製造企業についても、今後の見通しは、エネルギー需要の伸びと原子力産業の安全性への懸念の綱引きとなっている。操業面では石炭、ウラン会社とも、特に鉱山の境界周縁部では引き続き環境への影響を最小限にとどめるという課題に直面している。ここでは、鉱業廃棄物や廃水がかかわる事件が起こると、すぐにも地域社会を二分する論争に発展しかねない。また、労働安全衛生の動向と労働慣行に代表されるような責任ある人的資源管理も主要課題である。新規鉱業プロジェクトの検討に際しては、環境への影響の可能性(生物多様性を含む)、土地の権利の問題、コミュニティの関与を把握するための新たな要件が加わる。

石炭・消耗燃料

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスBanpu PCL*/** タイ

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ 行動規範/コンプライアンス/ 汚職と贈収賄‒ コーポレートガバナンス‒ 支払いの透明性

環境側面‒ 気候戦略‒ 操業の環境効率‒ 水関連リスク

社会側面‒ 労働慣行指標および人権‒ 労働安全衛生‒ コミュニティへの社会的影響

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:41最高スコア:63

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 52 68 23%環境 33 53 36%社会 41 68 41%

統計データユニバース企業数 132015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 9ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 69合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 88

Page 68: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

68 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

推進力知識集約型産業の担い手である商業サービス・用品の提供会社は、その労働力の質に依存している。そのため、有能な人材の確保と維持が事業成功の重要な鍵である。教育研修プログラム、ナレッジマネジメント、報奨制度を備えた明確な雇用方針は、効果的で安全、健全な労働環境の整備と社員の定着率の維持にとって重要である。需要サイドでは、長期的な顧客と提供企業の関係は双方にメリットとなるため、顧客関係管理は決定的な役割を担っている。先進企業は、内部のシナジーと最新技術を活用した多角的なビジネスモデルを維持している。彼らは B2B型のサービスパートナーとして、サステナビリティイノベーションを主導し、それらを顧客にも広げていく理想的な立場にある。

商業サービス・用品

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスKEPCO Plant Service & Engineering Co Ltd* 韓国RobecoSAMブロンズクラスHerman Miller Inc 米国ISS A/S デンマークサステナビリティ・イヤーブック・メンバーBrambles Ltd オーストラリア大日本印刷株式会社 ** 日本Rentokil Initial PLC 英国

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ 行動規範/コンプライアンス/ 汚職と贈収賄‒ 顧客関係管理‒ サプライチェーンマネジメント

環境側面‒ 気候戦略‒ 環境方針/マネジメントシステム‒ 操業の環境効率

社会側面‒ 人的資源開発‒ 労働慣行指標および人権‒ 有能な人材の確保と維持

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:44最高スコア:71

••

統計データユニバース企業数 462015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 32ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 70合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 77

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 53 76 35%環境 41 79 26%社会 38 74 39%

Page 69: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 69

推進力データ量の急激な伸びとさらに速いデータ送信を求める声を背景に、通信機器の製造業者、提供業者間の競争は激しくなっている。この産業の先頭集団に残るためには、絶え間ないイノベーションと強力な知的財産ポートフォリオが不可欠である。また、データ量の天文学的拡大により、通信インフラの総エネルギー消費は大幅に増加している。そのため、通信機器メーカーは、製品のライフサイクル全体の環境性能を検討することにより、エネルギー効率に優れた機器の開発に注力しなければならない。生産の相当部分を新興国に外部委託しているため、供給元の環境、社会基準も重要な要因である。最後に、特定の通信傍受技術の開発と利用は、表現の自由の権利と個人情報の保護に抵触する恐れがあるなどの問題を提起する。そのため、この産業の企業は透明性を確保しなければならず、人権保護の姿勢を反映する明確な基準を示さなければならない。

通信機器

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスAlcatel-Lucent*/** フランスサステナビリティ・イヤーブック・メンバーNokia OYJ フィンランド

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ イノベーションマネジメント‒ 個人情報の保護‒ サプライチェーンマネジメント

環境側面‒ 環境報告‒ 操業の環境効率‒ プロダクトスチュワードシップ

社会側面‒ デジタルインクルージョン‒ 労働慣行指標および人権‒ 有能な人材の確保と維持

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:47最高スコア:92

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 53 91 40%環境 47 96 31%社会 40 88 29%

統計データユニバース企業数 172015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 11ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 65合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 93

Page 70: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

70 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

推進力コンピューター・周辺機器および事務用電子機器産業は、破壊的イノベーション、サプライチェーンの垂直統合、電子機器の大量生産を特徴としている。技術破壊のリスクを軽減するため、有効なイノベーションマネジメントが必要である。また、イノベーションを継続的に実現するためには、適切な技能・技術を持ち合わせた社員が必要不可欠である。特にこの産業にとって、新興国における効果的な環境基準の実施、有害物質の使用や公正な労働条件などの分野でのサプライヤーの法令遵守を監視することは重要である。製品寿命の短期化や電子デバイスの世界的広がりは、廃棄量の増加や IT 機器による総エネルギー消費の増大を招いている。各社は、エネルギー効率の問題を是正するため、新製品の設計時にその製品のライフサイクル全体のエネルギー消費を考慮しなければならない。電子廃棄物は、軽量化、モジュール設計、回収プログラムを通じて削減可能である。さらに、クラウドアプリケーションを通じたデジタル化と一元化は、顧客の業務効率を改善し、コスト節減と環境負荷の軽減の両方に寄与する新たな商機を生んでいる。

コンピューター・周辺機器および事務用電子機器

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラス富士フイルムホールディングス株式会社 * 日本Samsung Electronics Co Ltd 韓国RobecoSAMシルバークラスHP Inc / Hewlett Packard Enterprise Co 1 米国ココニカミノルタ株式会社 日本Lite-On Technology Corp 台湾日本電気株式会社 ** 日本株式会社リコー 日本RobecoSAMブロンズクラスAcer Inc 台湾

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

1 2015 年 11 月をもって Hewlett Packard Co は、HP Inc と Hewlett Packard Enterprise Co に分割された。新会社はともに分割前のサステナビリティスコアに基づいてランク付けされている。

注目すべきクライテリア経済側面‒ 顧客関係管理‒ イノベーションマネジメント‒ サプライチェーンマネジメント

環境側面‒ 有害物質‒ 操業の環境効率‒ プロダクトスチュワードシップ

社会側面‒ デジタルインクルージョン‒ 労働慣行指標および人権‒ 有能な人材の確保と維持

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:54最高スコア:82

••

統計データユニバース企業数 352015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 23ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 66合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 96

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 57 83 41%環境 58 97 30%社会 47 81 29%

Page 71: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 71

推進力建設・土木産業は、インフラ、商業用・居住用建築物の建設に従事する企業群で構成される。この産業はインフラと建築物を作るために大量の資源を消費している。各社は、労働安全衛生、エネルギー効率、資源の責任ある使用などの分野の課題に直面するようになっている。資源効率を向上させるためには、法的要件の遵守に限らず、資源の枯渇を軽減するための積極的な対策の推進も求められる。資源に乏しい世界で、資源節約意識の高い企業としてレピュテーションを確立することは競争優位につながる。新興国ではインフラ支出が増加しており、優れた請負企業としての地位を確立できるか否かは、独占禁止法違反と贈収賄事案に伴うレピュテーションリスクを管理し、回避する能力に左右される。つまり、厳格な行動規範の策定と実施こそが、特に新興国では主な成功要因になる。

建設・土木

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスHyundai Engineering & Construction Co Ltd* 韓国RobecoSAMシルバークラスOutotec OYJ フィンランドRobecoSAMブロンズクラスFerrovial SA スペインGS Engineering & Construction Corp 韓国Samsung Engineering Co Ltd 韓国Vinci SA フランス サステナビリティ・イヤーブック・メンバーCIMIC Group Ltd** オーストラリアHOCHTIEF AG ドイツ

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ 独占禁止政策‒ 行動規範/コンプライアンス/ 汚職と贈収賄‒ コーポレートガバナンス

環境側面‒ 建築材料‒ 操業の環境効率‒ 資源保護と資源効率

社会側面‒ 労働慣行指標および人権‒ 労働安全衛生‒ 有能な人材の確保と維持

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:57最高スコア:90

•••

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 59 85 30%環境 57 95 38%社会 53 89 32%

統計データユニバース企業数 592015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 38ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 64合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 77

Page 72: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

72 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

推進力建設資材産業は、基本的に地元市場の集合体である。セメントを数百 km以上運ぶのは通常、コスト効率が悪いからである。そのため、一般に地元の課題と要因が市場の動きを左右する。セメント生産は極端なエネルギー集約型産業であり、世界の人為的な温室効果ガス排出量のほぼ 5%を占めている。この産業の最優先課題は気候変動、操業の環境効率、労働慣行と人権、労働安全衛生である。持続可能な建設に注目が集まるようになり、再生資材の使用や環境負荷が小さい革新的製品の採用が増える傾向にある。これらの製品が販売量に占める割合は高まる見通しで、各社にとっては競争上の優位になると予想される。

建設資材

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスSiam Cement PCL* タイ

RobecoSAMシルバークラスCementos Argos SA コロンビアGrupo Argos SA/Colombia** コロンビアRobecoSAMブロンズクラスLafargeHolcim Ltd1 スイスサステナビリティ・イヤーブック・メンバーItalcementi SpA2 イタリア

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

1 2015年7月をもってHolcim LtdはLafargeを買収した。LafargeHolcim Ltd のスコアは、両社の加重合併後スコアである(合併前の時価総額に基づく)。

2 この会社は、通常のダウジョーンズ・サステナビリティ・インデックスの評価プロセスとは別に評価された。

注目すべきクライテリア経済側面‒ 独占禁止政策‒ 行動規範/コンプライアンス/ 汚職と贈収賄‒ コーポレートガバナンス

環境側面‒ 気候戦略‒ 操業の環境効率‒ リサイクル戦略

社会側面‒ 労働慣行指標および人権‒ 労働安全衛生‒ ステークホルダーエンゲージメント

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:53最高スコア:89

•••

統計データユニバース企業数 372015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 23ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 62合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 77

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 60 90 32%環境 46 92 36%社会 53 90 32%

Page 73: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 73

推進力容器・包装産業は、先進国の需要の低迷や減退、材料やエネルギー、資本コストの増加、客先および消費者の需要シフトなど、多くの課題に直面している。各社が事業を行っている市場は依然、競争が熾烈で、価格と営業利益率の両方に大幅な低下圧力がかかっている。最優先課題はサプライチェーンマネジメント、顧客関係管理、操業の環境効率、労働安全衛生である。法人顧客に革新的な製品やソリューションを提供し、これらの企業がそのサステナビリティ目標を実現するのを支援できるかが重要な差別化要因になりつつある。全体としてこの産業の特徴は、引き続きエネルギーと資源の効率改善に向けた動き、革新的ソリューション、透明性とステークホルダーエンゲージメントの改善を通じた企業のレピュテーションの強化である。

容器・包装

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスBall Corp*/** 米国RobecoSAMブロンズクラスAmcor Ltd/Australia オーストラリアRexam PLC 英国Sonoco Products Co 米国

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ コーポレートガバナンス‒ 顧客関係管理‒ サプライチェーンマネジメント

環境側面‒ 気候戦略‒ 操業の環境効率‒ プロダクトスチュワードシップ

社会側面‒ 労働安全衛生‒ ステークホルダーエンゲージメント‒ 有能な人材の確保と維持

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:57最高スコア:84

••

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 61 83 36%環境 60 90 32%社会 49 83 32%

統計データユニバース企業数 272015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 19ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 70合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 73

Page 74: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

74 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

推進力各種消費者サービス産業は、幅広いビジネスモデルと業務内容をもつサービス提供業者で構成される。全ての企業が直接的な顧客関係を有しているため、既存および新市場における顧客基盤の維持と拡大に向けた戦略と技術を開発しなければならない。急激に変化する技術に直面し、オンラインツールとプラットフォームの統合を改善する必要に迫られている産業である。データのセキュリティが各社の主なリスクになっている。堅牢なリスク管理システム、特に電子請求・決済、個人情報の保護、リアルタイムサービス、顧客情報にかかわるリスクマネジメントの実現は、リスク管理とさらなる成長機会の確保という観点から他社との差別化に有効である。優れた社員能力開発プログラムと研修は顧客満足度の向上と持続可能なビジネスに貢献する一方、操業の環境効率の改善も、調達や材料の活用、エネルギー強度に注目することにより営業費用管理の改善につながる。

各種消費者サービス

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラス株式会社ベネッセホールディングス * 日本サステナビリティ・イヤーブック・メンバーH&R Block Inc 米国

* RobecoSAMインダストリーリーダー

注目すべきクライテリア経済側面‒ 顧客関係管理‒ 個人情報の保護‒ リスクマネジメントおよび危機管理

環境側面‒ 環境方針/マネジメントシステム‒ 操業の環境効率

社会側面‒ 人的資源開発‒ 労働慣行指標および人権‒ 有能な人材の確保と維持

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:36最高スコア:45

•統計データユニバース企業数 152015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 10ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 67合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 57

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 50 58 48%環境 16 30 17%社会 25 39 35%

Page 75: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 75

推進力各種金融サービスおよび資本市場産業は、持株会社、信用機関、証券取引所、資産運用会社、証券保管銀行、投資銀行、証券会社などの異業態から成る。信用危機後の規制当局による厳しい監視に加え、大規模な罰金や罰則は、コーポレートガバナンス、リスクマネジメント、優れたコンプライアンスシステムがきわめて重要であることを浮き彫りにしている。産業全体が、より健全な企業文化の確立におけるサステナビリティの重要性を強く打ち出すようになっている。各種金融サービス会社は、自社の中核的企業戦略と顧客の戦略、そして一般社会の戦略をより緊密に整合させることをめざしている。

多角的金融サービスおよび資本市場

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスUBS Group AG* スイスRobecoSAMシルバークラスGrupo de Inversiones Suramericana SA コロンビアRobecoSAMブロンズクラスCredit Suisse Group AG スイスMcGraw Hill Financial Inc 米国サステナビリティ・イヤーブック・メンバーBank of New York Mellon Corp 米国Daewoo Securities Co Ltd 韓国株式会社大和証券グループ本社 日本Deutsche Bank AG ドイツDeutsche Boerse AG ドイツHenderson Group PLC** 英国Hong Kong Exchanges and Clearing Ltd 香港Investec PLC 英国London Stock Exchange Group PLC 英国Morgan Stanley 米国野村ホールディングス株式会社 日本Provident Financial PLC 英国Samsung Securities Co Ltd 韓国State Street Corp 米国

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ 犯罪防止方針/対策‒ 行動規範/コンプライアンス/ 汚職と贈収賄‒ 顧客関係管理

環境側面‒ ビジネスのリスクと機会‒ 気候戦略‒ 環境報告

社会側面‒ 異論の多い課題、貸出/ファイナンスにおけるジレンマ‒ 人的資源開発‒ 有能な人材の確保と維持

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:46最高スコア:84

•••

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 58 87 41%環境 39 91 23%社会 36 81 36%

統計データユニバース企業数 1452015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 80ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 55合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 84

Page 76: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

76 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

推進力電力市場は、発電事業の脱炭素化と集中排除による激変の時代を迎えつつある。エネルギーミックスへの再生可能エネルギーの統合が進んでおり、各社は、単純な発電ではなく総合的な電力管理を前提とするこうした動きに対応しなければならない。また、老朽化した電力網の交換と開発にも相当の取り組みが求められる。電力各社はコスト増に対応する必要があるが、先進国では電力販売は伸びておらず、太陽光などの分散発電からの競争も高まっている。一方、途上国では、工業化と都市化を背景に持続可能な発電能力の増強が必要になる。同時にインフラ開発では、大型発電所建設計画を懸念するようになった外部のステークホルダーの声にも配慮しなければならない。さらに、不確実で変化が続く規制環境の中、この産業における一般的な超長期投資のリスクは高まっている。電力各社は、この新しい政治、経済、技術環境に適した新しい電力供給源を生み出すことのできる、革新的ビジネスモデルを策定する必要がある。

電気

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスTerna Rete Elettrica Nazionale SpA* イタリアRed Electrica Corp SA** スペインRobecoSAMシルバークラスAcciona SA スペインEnel SpA イタリアIberdrola SA スペインRobecoSAMブロンズクラスCia Energetica de Minas Gerais ブラジルEDP - Energias de Portugal SA ポルトガルEndesa SA スペインサステナビリティ・イヤーブック・メンバーCelsia SA ESP1 コロンビアCPFL Energia SA ブラジルElectricite de France SA フランスEntergy Corp 米国Interconexion Electrica SA ESP コロンビアIsagen SA ESP コロンビア

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

1 この会社は、通常のダウジョーンズ・サステナビリティ・インデックスの評価プロセスとは別に評価された。

注目すべきクライテリア経済側面‒ 顧客関係管理‒ 市場機会‒ リスクマネジメントおよび危機管理

環境側面‒ 気候戦略‒ 発電‒ 操業の環境効率

社会側面‒ 人的資源開発‒ 労働慣行指標および人権‒ ステークホルダーエンゲージメント

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:52最高スコア:89

•••

統計データユニバース企業数 962015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 57ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 59合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 79

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 57 92 32%環境 44 94 40%社会 58 93 28%

Page 77: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 77

推進力イノベーションマネジメントは、電気部品・設備製造産業の企業とそのサービス提供会社にとって、今後とも戦略的重要性を高めよう。製品の研究開発を最優先し、市場投入サイクルを短縮する企業は今後、市場シェアを獲得、維持するとみられる。新たな潮流は、自動化やエネルギー、気候を重視している企業にとって商機となる。先進国では古くなったエネルギーインフラを再整備しているため、送電、配電、発電能力への投資が増え続ける見通しである。電気部品はネットワーク全体への統合が進み、高度なデジタルセキュリティ上の脅威にさらされているため、ステークホルダーは気候変動に強く、安全性の高い製品技術を求めるとみられる。一方、高成長市場では、低い製造コストと割安な資本コストに支えられた新規参入企業の台頭で、競争が激化している。しかし、新興国や公共事業向けの比率が高まると、汚職のリスクも高まる場合がある。顧客対応や技術的専門性、将来に向けた十分な製品パイプラインが成長をけん引することを考えると、人的資源管理が引き続き重要である。

電気部品・設備

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスSchneider Electric SE*/** フランスRobecoSAMブロンズクラスOSRAM Licht AG ドイツサステナビリティ・イヤーブック・メンバー富士電機株式会社 日本Legrand SA フランス

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ 行動規範/コンプライアンス/ 汚職と贈収賄‒ イノベーションマネジメント‒ サプライチェーンマネジメント

環境側面‒ 気候戦略‒ 操業の環境効率‒ プロダクトスチュワードシップ

社会側面‒ 人的資源開発‒ 労働慣行指標および人権‒ 労働安全衛生

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:52最高スコア:86

••

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 54 86 38%環境 52 88 31%社会 51 84 31%

統計データユニバース企業数 272015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 14ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 52合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 80

Page 78: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

78 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

推進力電子装置産業の多くの製品は特定のサステナビリティ用途をもっている。例えば、制御・自動化ソリューションの提供会社は、客先企業のエネルギー効率、炭素効率の改善需要が商機となりうる。また、安全性と品質への懸念は、制御やセンサー、試験分野の事業機会をもたらす。その結果、電子装置・機器・部品の提供企業は、客先の営業効率を改善するソリューションを開発することで利益を得られる。また、この産業は生産工程が資源集約型であり、装置使用時のエネルギー消費も比較的高いことから、各社の操業上の環境管理と製品ライフサイクルを通じたプロダクトスチュワードシップも重要な課題である。概ね寡占的な市場構造であるため、独占禁止関連法令の遵守が重要になる。さらに、この産業の企業はハイテク企業であるため、事業の成功は社員の知識、資質、研修に大きく依存する。B2B型関係の長期的性格からみて、顧客管理の質を監視するツールも不可欠である。

電子装置・機器・部品

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスDelta Electronics Inc* 台湾RobecoSAMシルバークラスAU Optronics Corp 台湾Samsung SDI Co Ltd 韓国RobecoSAMブロンズクラス株式会社日立製作所 日本Innolux Corp 台湾LG Display Co Ltd** 韓国LG Innotek Co Ltd 韓国Samsung Electro-Mechanics Co Ltd 韓国サステナビリティ・イヤーブック・メンバーオムロン株式会社 日本

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ 独占禁止政策‒ イノベーションマネジメント‒ サプライチェーンマネジメント

環境側面‒ 気候戦略‒ 操業の環境効率‒ プロダクトスチュワードシップ

社会側面‒ 労働慣行指標および人権‒ 労働安全衛生‒ 有能な人材の確保と維持

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:53最高スコア:86

•••

統計データユニバース企業数 642015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 34ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 53合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 77

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 53 82 39%環境 54 92 31%社会 52 85 30%

Page 79: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 79

推進力エネルギー設備・サービス会社は、石油・ガスのメジャーと国有石油企業に各種サービスを提供しているため、資源探査と生産活動に対する社会認識と顧客の名声に一定程度の責任を負っている。信頼できる安全なパートナーとしての立場を守る必要があるということだが、技術的に困難な分野と法規制の枠組みが脆弱な法域で事業を行っている場合、これは容易ではない。従って、有望な新規事業を獲得できるかは環境、労働安全衛生、行動規範の遵守と密接に関係する。また、テクニカルイノベーションも競争上優位となる。同時にこの産業は、十分な訓練を受けた有能なスタッフを獲得する必要性や社員の年功序列、エネルギー産業サイクルの関連段階に合わせたスタッフ配置の課題など、引き続き人的資源の問題に直面している。

エネルギー設備・サービス

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスTechnip SA* フランスRobecoSAMブロンズクラスSBM Offshore NV** オランダサステナビリティ・イヤーブック・メンバーBaker Hughes Inc 米国CGG SA フランスHalliburton Co 米国

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ 行動規範/コンプライアンス/ 汚職と贈収賄‒ 顧客関係管理‒ リスクマネジメントおよび危機管理

環境側面‒ 環境方針/マネジメントシステム‒ 操業の環境効率‒ 環境への排出

社会側面‒ 労働慣行指標および人権‒ 労働安全衛生‒ ステークホルダーエンゲージメント

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:44最高スコア:78

••

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 57 86 33%環境 32 77 27%社会 40 75 40%

統計データユニバース企業数 372015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 29ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 78合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 94

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80 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

推進力食品・生活必需品小売産業はこの数年、市場シェアをめぐる熾烈な競争により統合再編が進み、M&Aが続いている。幅広い自社ブランド商品や店舗ブランド商品をそろえた小売企業は、より高い利益率を確保できている。小売企業は健康的な栄養配分やオーガニック商品、特別食品などの品ぞろえを増やしており、健康・ウェルネス志向はニッチな動きから高度に開発された利益のけん引役に成長した。国際調達は高水準で推移しており、食品小売企業はステークホルダーからの高まる要請に応じるため、サプライチェーンの効率性と透明性をさらに改善する必要がある。また、この産業には医薬品小売も含まれている。大型医薬品特許が切れた後、市場は入手可能になったジェネリック医薬品の波に対応しており、小売企業、消費者双方の大幅なコスト削減につながっている。小売店舗と店舗内クリニックの利便性は、値ごろ感のある基本医療の理想的なソリューションを提供している。

食品・生活必需品小売

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスMETRO AG* ドイツWoolworths Ltd オーストラリアRobecoSAMシルバークラスKoninklijke Ahold NV オランダRobecoSAMブロンズクラスDelhaize Group ベルギーWesfarmers Ltd** オーストラリアサステナビリティ・イヤーブック・メンバーイオン株式会社 日本Carrefour SA フランスCasino Guichard Perrachon SA フランス株式会社セブン&アイ・ホールディングス 日本

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ 顧客関係管理‒ 健康と栄養‒ サプライチェーンマネジメント

環境側面‒ 操業の環境効率‒ パッケージング‒ 原材料の調達

社会側面‒ 人的資源開発‒ 労働慣行指標および人権‒ 労働安全衛生

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:47最高スコア:77

•••

統計データユニバース企業数 622015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 46ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 74合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 93

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 55 79 37%環境 42 84 32%社会 42 77 31%

Page 81: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 81

推進力食品産業の成長は、新興国の消費拡大、健康とウェルネスを重視した製品イノベーション、先進国でのインスタント食品の需要増大にけん引される。健康、ウェルネス、栄養は主な成長分野として浮上しており、食生活と健康の関係を意識する消費者が増えていることから、今後も食品メーカーの注目を浴びそうである。この産業の主な課題は原材料価格の上昇で、すでに販売数量と利益率を圧迫している。効果的なパッケージングとサプライチェーンマネジメントは、コスト削減と食品の安全性確保に有効である。特に安全性の確保は、サプライチェーン全体の品質管理と透明性の必要性を浮き彫りにしている大きな関心事である。

食品

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスUnilever NV* オランダRobecoSAMシルバークラスGrupo Nutresa SA コロンビアNestle SA スイスRobecoSAMブロンズクラス味の素株式会社 日本Hershey Co 米国サステナビリティ・イヤーブック・メンバーCampbell Soup Co 米国Charoen Pokphand Foods PCL タイCJ CheilJedang Corp 韓国Colombina SA1 コロンビアConAgra Foods Inc 米国Danone SA フランスGeneral Mills Inc 米国Mondelez International Inc 米国Thai Union Group PCL** タイ

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

1 この会社は、通常のダウジョーンズ・サステナビリティ・インデックスの評価プロセスとは別に評価された。

注目すべきクライテリア経済側面‒ 健康と栄養‒ イノベーションマネジメント‒ サプライチェーンマネジメント

環境側面‒ 操業の環境効率‒ パッケージング‒ 原材料の調達

社会側面‒ 人的資源開発‒ 労働慣行指標および人権‒ 労働安全衛生

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:47最高スコア:92

•••

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 50 91 41%環境 44 99 29%社会 47 90 30%

統計データユニバース企業数 1002015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 59ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 59合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 80

Page 82: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

82 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

推進力天然ガスは最も炭素強度の低い化石燃料である。天然ガスは、発電用石炭や暖房用、輸送部門の石油の代替燃料としてCO2排出量と大気汚染の軽減に寄与できる。また、ガス火力発電所は柔軟性が高く石炭や原子力発電所より水の消費量が少ないため、再生可能エネルギーの拡大と水不足に対応しやすい側面をもつ。短期的には変動が大きいガス市場であるが、産業構造を変化させている非在来型資源のめざましい開発により、ガス消費は中期的に増加する見通しである。供給力が高まっており、インフラ開発と競争促進につながっている。ただ、ガス市場は依然、地域的な差の大きいことが特徴で、ガス事業は引き続き不安定な価格、地政学的リスク、大型インフラ計画への反対、流通網の混乱などにさらされている。石油・ガス産業に対する社会のイメージは一般的に悪いため、ステークホルダーの信頼醸成と操業の安全性、信頼性、エネルギー効率の向上がこの産業の大きな関心事となっている。

ガス

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスGas Natural SDG SA*/** スペインRobecoSAMシルバークラスSnam SpA イタリアRobecoSAMブロンズクラスEnagas SA スペインサステナビリティ・イヤーブック・メンバーKorea Gas Corp 韓国

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ 市場機会‒ 価格リスクマネジメント‒ サプライチェーンマネジメント

環境側面‒ 気候戦略‒ 操業の環境効率‒ 輸送と供給

社会側面‒ 人的資源開発‒ 労働安全衛生‒ ステークホルダーエンゲージメント

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:49最高スコア:89

•••

統計データユニバース企業数 292015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 20ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 69合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 80

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 53 89 36%環境 43 92 36%社会 50 89 28%

Page 83: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 83

推進力ヘルスケア機器・用品産業は、整形外科インプラントおよび心血管装置などの医療製品、ならびに慢性疾患患者のクオリティ・オブ・ライフの改善に不可欠な医療用品・装置を開発している。製品の品質と安全性、ステークホルダーとの協働は、製品の商業化を成功させ、会社の操業許可(license to operate)を維持するためにきわめて重要である。各国の財政難と医療制度改革が価格設定や償還、稼働率に影響を与えているが、米国と新興国における医療保険対象者の拡大の取り組みに所得水準の上昇が重なり、この産業には新たな成長機会が生まれている。サステナブルな企業は、革新的で高度に差別化できる製品を開発し、自社製品の臨床面、経済面の利益を実証することに注力している。また、こうした企業は、一貫性と価値のあるステークホルダー重視の企業戦略と、有効な人的・知的資源管理と透明な報告制度に基づくガバナンスシステムを採用している。

ヘルスケア機器・用品

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスAbbott Laboratories* 米国サステナビリティ・イヤーブック・メンバーSmith & Nephew PLC 英国Sonova Holding AG** スイス

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ 顧客関係管理‒ イノベーションマネジメント‒ 製品の品質とリコールマネジメント

環境側面‒ 気候戦略‒ 環境方針/マネジメントシステム‒ 操業の環境効率

社会側面‒ 健康成果への寄与‒ ステークホルダーエンゲージメント‒ 医薬品・製品へのアクセス改善戦略

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:39最高スコア:88

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 45 86 48%環境 38 85 10%社会 33 91 42%

統計データユニバース企業数 512015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 35ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 69合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 88

Page 84: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

84 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

推進力ヘルスケアプロバイダー・ヘルスケアサービス産業は、患者にケアを提供する管理医療保険会社やヘルスケアディストリビュータ、病院、クリニックなどを含んでいる。高齢化や慢性疾患有病率の上昇といった人口動態上、疫学上の傾向がこの産業に影響を与える主な要因である。医療費の爆発的増加と多くの低・中所得国における人口集団別の医療アクセスの格差拡大は大きな社会問題となっており、世界中で医療制度改革を通じた対策が講じられている。先進企業は、全ての関連するステークホルダーと連携して解決策を探り、効果的で持続可能な医療制度を整備するうえで積極的な役割を担っている。この産業の企業は、健康成果とケアの質、予防と疾病管理の他、顧客重視のサービスの継続的改善と従来の事業の枠を超えた戦略的提携に注力すべきである。良質なケアを効率的に提供できる企業は、現在の産業動向が追い風となろう。

ヘルスケアプロバイダー・ヘルスケアサービス

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスHumana Inc* 米国RobecoSAMシルバークラスMediclinic International Ltd 南アフリカUnitedHealth Group Inc 米国RobecoSAMブロンズクラスNetcare Ltd 南アフリカQuest Diagnostics Inc 米国サステナビリティ・イヤーブック・メンバーCardinal Health Inc** 米国Fresenius Medical Care AG & Co KGaA ドイツLife Healthcare Group Holdings Ltd 南アフリカ

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ 顧客関係管理‒ マーケティング慣行‒ リスクマネジメントおよび危機管理

環境側面‒ 気候戦略‒ 環境方針/マネジメントシステム‒ 操業の環境効率

社会側面‒ 持続可能なヘルスケアに向けたパートナーシップ‒ 患者へのサービス‒ ステークホルダーエンゲージメント

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:35最高スコア:62

•••

統計データユニバース企業数 632015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 46ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 73合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 90

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 48 68 38%環境 26 90 14%社会 28 61 48%

Page 85: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 85

推進力住宅建設産業の成長は、主に金利動向や全般的な経済状況などの外部要因の他、きわめて特殊な国や地域の住宅市場に左右される。加えて、価格圧力と規制強化も常に課題となっている。建設プロセスでは有害物質の使用を避け、発生廃棄物のリサイクルを進めるなど、環境に優しい手法で効率的に運営しなければならない。グリーンビルディング市場は需要の高まりと法制度の後押しにより成長し続けているため、低エネルギーやパッシブ、プラスエネルギービルなどの新規技術開発に対応している企業が引き続きこの産業を主導する可能性が高い。通勤時間や近隣の各種施設、土地利用、緑地空間、エネルギー保全と資源保護などは全て、不動産開発の初期企画段階で取り組むべきテーマである。また、労働安全衛生面のリスクが高いため、社員と外部請負作業員の負傷率を最小限に抑えるための厳しい管理が求められる。

住宅建設

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラス積水化学工業株式会社 * 日本積水ハウス株式会社 ** 日本RobecoSAMブロンズクラス住友林業株式会社 日本

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ コーポレートガバナンス‒ リスクマネジメントおよび危機管理‒ サプライチェーンマネジメント

環境側面‒ 建築材料‒ 操業の環境効率‒ 資源保護と資源効率

社会側面‒ 人的資源開発‒ 労働慣行指標および人権‒ 労働安全衛生

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:50最高スコア:78

••

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 58 73 30%環境 49 94 36%社会 43 72 34%

統計データユニバース企業数 182015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 11ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 61合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 69

Page 86: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

86 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

推進力旅行・観光産業は引き続きサステナビリティの取り組みを推進しており、品ぞろえを拡充し、より積極的にステークホルダーの参加を促している。この領域では、環境保全とエコツーリズム、ボランティアツーリズムへの関心の高まりが新たな事業機会につながっている。ホテル・リゾート・クルーズ船の運営会社は環境負荷を軽減する取り組みを強化する一方、より環境意識の高い旅行客を獲得し、法人顧客のサステナビリティに係る要請にも対応している。改善や関与の分野を識別するには、現地事業と価値創出の影響を測定するための指標を多く用いることが不可欠である。現地採用に絡む人権問題に対応する必要があり、地元を監視するシステムの実施はきわめて重要である。長期的なリスクマネジメントシステムは、世界情勢の変化に対する適応力をつけ事業継続を図るため、経済、地政学、気候のリスクに対応しなければならない。

ホテル・リゾート・クルーズ船

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスWyndham Worldwide Corp* 米国RobecoSAMシルバークラスAccor SA フランスTUI AG ドイツRobecoSAMブロンズクラスInterContinental Hotels Group PLC** 英国

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ 顧客関係管理‒ リスクマネジメントおよび危機管理‒ サプライチェーンマネジメント

環境側面‒ 気候戦略‒ 環境方針/マネジメントシステム‒ 操業の環境効率

社会側面‒ 労働慣行指標および人権‒ 労働安全衛生‒ ステークホルダーエンゲージメント

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:50最高スコア:73

•••

統計データユニバース企業数 202015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 14ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 70合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 83

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 58 77 26%環境 53 82 23%社会 45 72 51%

Page 87: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 87

推進力家庭用耐久財産業は、現代のライフスタイルを支えるのに適合した順応性の高い製品を求める顧客の需要にけん引されるようになっている。イノベーション、品質、カスタマーサービス、ブランド構築がこの産業で成功する企業の主な差別化要因である。また、先進企業は、製品ライフサイクルを通じて安全性と環境問題を積極的に管理している。中古品の引き取り保証と顧客重視のサービスによって、事業と環境の視点から有望な機会がもたらされている。さらに各社は、より透明性の高い製品情報と表示を求める顧客の声にも応えなければならない。魅力的なソリューションを提供することで持続可能な消費へのシフトをうまく組み込めるブランドは、ビジネスモデルイノベーション分野のリーダーとしても台頭できよう。

家庭用耐久財

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスElectrolux AB* スウェーデンRobecoSAMシルバークラスCoway Co Ltd 韓国

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ ブランドマネジメント‒ 顧客関係管理‒ イノベーションマネジメント

環境側面‒ 環境方針/マネジメントシステム‒ 操業の環境効率‒ プロダクトスチュワードシップ

社会側面‒ 人的資源開発‒ 労働慣行指標および人権‒ 有能な人材の確保と維持

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:46最高スコア:78

••

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 50 82 46%環境 45 85 25%社会 39 76 29%

統計データユニバース企業数 192015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 13ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 68合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 79

Page 88: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

88 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

推進力非耐久性家庭用品のメーカーは、きわめて競争の激しいマルチブランド環境で事業を営んでいる。ブランドマネジメント、マーケティング力、広報力がこの産業の主な焦点だが、各社は市場での地位を確保し市場シェアを獲得するため、常にイノベーションを追求する必要がある。家庭用品は人体と直接間接に接触し、最後は自然環境に行き着くため、製品の安全性への関心と製品の改良・改質需要は高まっている。成分と化学品の使用をめぐる規制環境の変化もイノベーションを促し、最終的により高い品質・安全性基準の設定につながっている。これらの要因は、炭素排出量やエネルギー消費、水利用の規制と相まって製造および営業コストに影響する。さらに、新興国での健全なエンゲージメント戦略は、製品開発とマーケティング戦略を特定需要に合わせながら、小規模で手ごろな価格で付加価値製品を提供できる企業にとっては、引き続き成功要因である。

家庭用品

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスSvenska Cellulosa AB SCA* スウェーデンReckitt Benckiser Group PLC 英国RobecoSAMシルバークラスColgate-Palmolive Co** 米国Henkel AG & Co KGaA ドイツRobecoSAMブロンズクラスLG Household & Health Care Ltd 韓国

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ 顧客関係管理‒ イノベーションマネジメント‒ 新興国市場の戦略

環境側面‒ 環境方針/マネジメントシステム‒ 操業の環境効率‒ プロダクトスチュワードシップ

社会側面‒ 人的資源開発‒ 労働慣行指標および人権‒ 労働安全衛生

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:64最高スコア:84

•••

統計データユニバース企業数 152015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 12ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 80合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 96

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 62 85 48%環境 70 90 20%社会 62 87 32%

Page 89: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 89

推進力コングロマリットは高度に分散化されたビジネスであり、各事業を運営し、目標とする業績を上げる有能なマネジャーを獲得できるか否かに左右される。製造プロセスにベストプラクティスを採用することも、コングロマリットの事業戦略の重要な側面である。特に、企業買収が成長の一因である場合にはそれがいえる。コングロマリットは、一部の調達機能を一元化し、汎用原料を大量調達することで価格を抑制できる機会が多い。サプライチェーンの合理化も、自社の行動規範を供給元に遵守させるのに役立つ。また、コングロマリットは一般に新興国を含む世界全体で事業を展開しているため、業務全体に企業倫理を徹底させることはきわめて重要である。そのため各社は、社員の多様な文化的背景を管理する手段として、汚職と違法な市場慣行を防止するための方針とコンプライアンスシステムを含む、共通の企業理念の推進に注力しなければならない。

コングロマリット

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスKoninklijke Philips NV* オランダRobecoSAMシルバークラスSiemens AG ドイツサステナビリティ・イヤーブック・メンバー3M Co 米国Doosan Corp** 韓国

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ 行動規範/コンプライアンス/ 汚職と贈収賄‒ イノベーションマネジメント‒ サプライチェーンマネジメント

環境側面‒ 気候戦略‒ 操業の環境効率‒ プロダクトスチュワードシップ

社会側面‒ 人的資源開発‒ 労働安全衛生‒ 有能な人材の確保と維持

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:45最高スコア:91

••

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 49 92 39%環境 38 95 31%社会 46 86 30%

統計データユニバース企業数 482015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 35ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 73合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 90

Page 90: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

90 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

推進力保険産業には、動産および損害保険、生命および健康保険に加え、再保険、年金保険などの金融商品を取り扱う企業が含まれる。保険会社各社はリスクを強く意識した事業戦略を展開しているため、他の金融分野に比べて重大な罰金や罰則を科せられることは少なかった。また、この産業は、主力事業にサステナビリティへの配慮を組み込むことでもリーダーシップを発揮している。最も特徴的なのは、先進的な保険会社は、長期的なサステナビリティ要素を有効なリスクマネジメントの要諦ととらえている点である。この産業における長期的なサステナビリティ課題の戦略的重要性は 2012 年、国連の「持続可能な保険原則」の採択という形で結実した。この原則は、主要保険会社が戦略的レベルでサステナビリティを統合するための一連の誓約をまとめたものである。そして実際、保険業界では、複数の企業が投資戦略全体にサステナビリティを統合するという点で大幅に前進し、金融業界で最良、最先端の模範となっている。

保険

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスSwiss Re AG* スイスRobecoSAMシルバークラスSamsung Fire & Marine Insurance Co Ltd** 韓国Zurich Insurance Group AG スイスRobecoSAMブロンズクラスAegon NV オランダAllianz SE ドイツAviva PLC 英国AXA SA フランスDelta Lloyd NV オランダDongbu Insurance Co Ltd 韓国Insurance Australia Group Ltd オーストラリアMuenchener Rueckversicherungs-Gesellschaft AG ドイツ損保ジャパン日本興亜ホールディングス株式会社 日本サステナビリティ・イヤーブック・メンバー第一生命保険株式会社 日本ERGO VERSICHERUNGSGRUPPE AG1 ドイツMapfre SA スペインMS&ADインシュアランス グループ ホールディングス株式会社 日本Samsung Life Insurance Co Ltd 韓国Standard Life PLC 英国Storebrand ASA ノルウェー東京海上ホールディングス株式会社 日本

注目すべきクライテリア経済側面‒ 行動規範/コンプライアンス/ 汚職と贈収賄‒ 顧客関係管理‒ 持続可能な保険原則

環境側面‒ ビジネスのリスクと機会‒ 環境方針/マネジメントシステム‒ リスク検知

社会側面‒ フィナンシャルインクルージョン‒ 人的資源開発‒ 有能な人材の確保と維持

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:48最高スコア:87

•••

統計データユニバース企業数 1392015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 84ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 60合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 84

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 59 88 35%環境 44 92 26%社会 42 83 39%

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

1 この会社は、通常のダウジョーンズ・サステナビリティ・インデックスの評価プロセスとは別に評価された。

Page 91: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 91

推進力情報技術サービス産業は、ビジネスプロセスの外部委託サービスやソフトウェアアプリケーションの開発・統合を実現することにより、企業の効率的な事業運営を支援している。デジタルメディア、オンラインショッピング、ソーシャル交流プラットフォーム、クラウドコンピューティングを含むインターネットサービスの目まぐるしい成長は、世界的なインターネットの普及とモバイルインターネット利用の拡大によるところが大きい。顧客の個人情報を守るため、安全な情報技術と、機密データへのアクセスを対象とする行動規範の厳格な運用が必要である。有効なイノベーションとナレッジ管理が事業の成功に大きく寄与する。そのため、有能なスタッフを獲得、定着させることが不可欠である。さらに、低コスト国への IT サービスのアウトソーシング拡大には、非常に優れた品質管理慣行が必要である。この産業の主な環境負荷は、データセンター業務と出張などの移動から生じる。これらの対策としては、出張に代えてコンファレンスコールなどのツールを使い、データセンターはできれば再生可能エネルギーで操業する高効率のものに投資するのが望ましい。加えて、IT およびインターネットサービスの提供会社は、情報技術アプリケーションを活用して顧客の環境負荷の軽減を支援することができる。

情報技術サービスおよびインターネットソフトウェア・サービス

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラス富士通株式会社 * 日本Atos SE フランスWipro Ltd インドRobecoSAMシルバークラスAmadeus IT Holding SA スペインRobecoSAMブロンズクラスIndra Sistemas SA スペインTech Mahindra Ltd** インドサステナビリティ・イヤーブック・メンバーCielo SA ブラジルInfosys Ltd インド株式会社エヌ・ティ・ティ・データ 日本Rackspace Hosting Inc 米国SK Holdings Co Ltd1 韓国Tata Consultancy Services Ltd インドTeradata Corp 米国Xerox Corp 米国

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

1 2015 年 8月をもって SK C&C Co. Ltd は SK Holdingsを買収した。SK Holdings Co. Ltd のスコアは、両社の加重合併後スコアである(合併前の時価総額に基づく)。

注目すべきクライテリア経済側面‒ 顧客関係管理‒ IT セキュリティおよびシステムの利用可能性‒ 個人情報の保護

環境側面‒ 気候戦略‒ 環境方針/マネジメントシステム‒ 操業の環境効率

社会側面‒ デジタルインクルージョン‒ 人的資源開発‒ 有能な人材の確保と維持

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:45最高スコア:80

••• 結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 52 82 51%環境 44 96 21%社会 34 79 28%

統計データユニバース企業数 972015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 47ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 48合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 78

Page 92: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

92 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

推進力レジャー用品および民生用電子機器の製造会社は、きわめて競争が激しく急速に変化する市場に置かれている。この産業の主な推進力は、製品の品質、差別化、製品化までの時間、ブランドマネジメントである。新製品が短期間で商品化されるため、各社は競争力の維持に向けてイノベーション、特に研究開発に力を注ぐことになる。先進企業は、新技術を開発し、変化と統合が進む製品レンジを提供するという課題に対し、戦略的提携と業務の外部委託によって対応することができる。ステークホルダーの視線が厳しさを増しているため、各社はサプライチェーンの労働環境、特に途上国の供給元や下請企業の労働環境に細心の注意を払わなければならない。さらに、製品のライフサイクルを通じた環境問題への対応には、製品のモジュラー化、製造工程と製品における有害物質の使用回避、省エネ製品、製造終了製品の処分のための有効な回収プログラムなどがある。

レジャー用品および民生用電子機器

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスLG Electronics Inc* 韓国RobecoSAMブロンズクラスパナソニック株式会社 日本サステナビリティ・イヤーブック・メンバーカシオ計算機株式会社 ** 日本

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ ブランドマネジメント‒ イノベーションマネジメント‒ サプライチェーンマネジメント

環境側面‒ 有害物質‒ 操業の環境効率‒ プロダクトスチュワードシップ

社会側面‒ 労働慣行指標および人権‒ ステークホルダーエンゲージメント‒ 有能な人材の確保と維持

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:48最高スコア:87

••

統計データユニバース企業数 212015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 13ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 62合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 73

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 49 86 41%環境 51 93 30%社会 45 87 29%

Page 93: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 93

推進力ライフサイエンスツール・サービス産業は、研究や新しい医療製品の開発、臨床試験、分析を通じて科学・医療の進歩に貢献する技術、装置、実験設備を開発する会社を含む。この産業の企業は政府予算、学界や業界の研究開発費の他、ヘルスケアの活用レベルにもある程度左右されるため、景気サイクルに敏感である。知識集約型産業として、各社はイノベーションを推進する技能労働力に依存するため、人的資源開発と有能な人材の確保と維持が重要な成功要因である。また、有効な顧客関係管理戦略も、主力製品と技術への顧客ロイヤルティを確保し、新しい革新的技術の採用を進めるうえで不可欠である。環境・社会要因に配慮した総合的なサプライチェーンマネジメント戦略があると、各社は、サプライチェーンにかかわる経済・社会リスク、レピュテーションリスクを最小限に抑えることができる。

ライフサイエンスツール・サービス

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスAgilent Technologies Inc* 米国

* RobecoSAMインダストリーリーダー

注目すべきクライテリア経済側面‒ コーポレートガバナンス‒ イノベーションマネジメント‒ サプライチェーンマネジメント

環境側面‒ 気候戦略‒ 環境方針/マネジメントシステム‒ 環境報告

社会側面‒ 人的資源開発‒ 労働慣行指標および人権‒ 有能な人材の確保と維持

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:33最高スコア:55

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 39 60 45%環境 34 65 10%社会 26 49 45%

統計データユニバース企業数 182015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 10ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 56合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 79

Page 94: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

94 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

推進力全ての機械は顧客の生産性向上を支援するために設計されている。製品開発を通じた企業のイノベーション力が常に競争力の決定要因となってきたが、新興国企業からの競争が激化するにつれ、イノベーション力はさらに重要になっている。加えて資源不足の深刻化が重なり、資源効率、特にエネルギーと水使用の効率の改善が求められている。先進企業は顧客のコストを削減し環境負荷を減らすため、ライフサイクル分析を強化している。機械および電気設備の企業が革新的製品を開発し、順調に商品化できるかは、有能な人材の確保と維持にかかっている。自社の事業とサプライチェーン全体に企業倫理を徹底させることは、操業許可(license to operate)の維持に不可欠である。この産業で最も成功している企業はビジネスモデルにとってのサステナビリティの戦略的重要性を認識しており、中核的な戦略的意思決定へのサステナビリティ統合をさらに進めている。

機械および電気設備

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスCNH Industrial NV* 英国RobecoSAMブロンズクラスMAN SE ドイツサステナビリティ・イヤーブック・メンバーAlstom SA フランスCaterpillar Inc 米国Cummins Inc 米国Doosan Heavy Industries & Construction Co Ltd 韓国Doosan Infracore Co Ltd 韓国Gamesa Corp Tecnologica SA スペインIngersoll-Rand PLC 米国株式会社小松製作所 日本ナブテスコ株式会社 日本Sandvik AB** スウェーデンSKF AB スウェーデンStanley Black & Decker Inc 米国Valmet OYJ フィンランドVolvo AB スウェーデンWartsila OYJ Abp フィンランドXylem Inc/NY 米国

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ イノベーションマネジメント‒ 新興国市場の戦略‒ サプライチェーンマネジメント

環境側面‒ 気候戦略‒ 操業の環境効率‒ プロダクトスチュワードシップ

社会側面‒ 人的資源開発‒ 労働安全衛生‒ 有能な人材の確保と維持

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:52最高スコア:91

••

統計データユニバース企業数 1242015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 69ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 56合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 79

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 53 88 39%環境 52 97 30%社会 50 90 31%

Page 95: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 95

推進力異業態で構成され、きわめて競争が激しいメディア産業は、デジタル化とコンテンツの電子表示という大波に洗われている。この波を取り込み、オンライン市場セグメントからの収益源を増やしている出版会社は、この産業のリーダーとして浮上している。新しい技術の使用は、革新的な考え方やコンテンツ、チャネルマネジメントと併せ、新市場を開拓し、新たな商機を生み出すのに重要である。各社は、有能で独創的で意欲ある労働力を維持するために継続的に投資を行い、他にない貴重なコンテンツやサービスを制作しなければならない。途上国の識字率の上昇は、メディア産業にとって将来高成長を見込める巨大市場の誕生を予感させる。労働力への差別防止方針や顧客と地域社会の文化に対する感応度といった社会的要因は、引き続き一般社会が最も注目する対象となっている。メディア企業の世論形成力を考えると、説明責任と透明性も重要な要素である。

メディア

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスTelenet Group Holding NV* ベルギーRobecoSAMシルバークラスLiberty Global PLC 米国Societe Television Francaise 1** フランスRobecoSAMブロンズクラスPearson PLC 英国RELX PLC 英国Sky PLC 英国Wolters Kluwer NV オランダサステナビリティ・イヤーブック・メンバーCheil Worldwide Inc 韓国ITV PLC 英国Lagardere SCA フランスModern Times Group MTG AB スウェーデンWalt Disney Co 米国WPP PLC 英国

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ 行動規範/コンプライアンス/ 汚職と贈収賄‒ コンテンツの独立性‒ オンラインのリスクと機会

環境側面‒ 環境方針/マネジメントシステム‒ 環境報告‒ 操業の環境効率

社会側面‒ 人的資源開発‒ コンテンツの責任‒ 有能な人材の確保と維持

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:40最高スコア:80

•••

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 46 85 45%環境 32 89 15%社会 35 82 40%

統計データユニバース企業数 932015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 66ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 71合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 88

Page 96: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

96 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

推進力鉱業は、サステナビリティの観点で数多くの操業上の課題を抱えている。環境問題には、大規模鉱業廃棄物管理、エネルギーや水などの主要投入財の管理、鉱山外の廃棄物の取り扱いなどがある。また、この産業は労働安全衛生、および労働契約条件という点で社会的課題にも直面している。これらは全て地域社会との関連で重要な分野になる可能性があり、地元の社会的な操業許可(social license to operate)を大きく損ないかねない。鉱山会社は近年、相談・クレーム処理体制の整備や人権侵害リスクの把握など、社会との関わり方を改善するよう求められている。新規プロジェクトの場合、鉱山採掘契約を締結できるようにするには、土地の権利や物理的・経済的な移住移転、便益の共有について適切な取り決めを行うことが必要である。全体的な動向としては、より大深度な採掘と鉱石のグレード低下を伴って、金属・鉱業が直面する環境・社会問題の規模は今後、拡大する可能性が高い。

金属鉱業

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスNewmont Mining Corp* 米国Barrick Gold Corp カナダRobecoSAMシルバークラスAnglo American PLC 英国BHP Billiton Ltd オーストラリアGold Fields Ltd 南アフリカRio Tinto PLC 英国Teck Resources Ltd カナダRobecoSAMブロンズクラスGoldcorp Inc** カナダKinross Gold Corp カナダ

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ 行動規範/コンプライアンス/ 汚職と贈収賄‒ コーポレートガバナンス‒ 支払いの透明性

環境側面‒ 気候戦略‒ 操業の環境効率‒ 水関連リスク

社会側面‒ 労働慣行指標および人権‒ 労働安全衛生‒ コミュニティへの社会的影響

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:49最高スコア:84

••

統計データユニバース企業数 662015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 47ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 71合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 70

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 59 88 23%環境 42 81 36%社会 50 87 41%

Page 97: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 97

推進力総合公益事業はあらゆる面で変貌を遂げている。電力市場は、発電の脱炭素化と集中排除によって生じた大きな変貌のさなかにある。事業者は、新しい政治、経済、技術環境に適した革新的なビジネスモデルを導入する必要がある。一方、ガス市場は、非在来型資源の開発に加え、天然ガスは気候への影響が少なく石炭発電に代わる柔軟な燃料であることから見直されている。しかし、天然ガス事業は依然、不安定な価格、地政学的リスク、大型インフラ計画への反対にさらされている。水道事業では、水不足の深刻化と水質悪化が主な課題である。給水・集水網の老朽化も課題となっているが、新興国では消費の増大と急速なインフラの拡大が市場の成長をけん引している。先進企業は、例えば活発な資源管理を実施し、給水時の水のロスを減らし、革新的な料金体系によって需要サイドの効率性を高めている。最後に、電力、水、ガスは、特に積極的なステークホルダーエンゲージメントを必要とする基本サービスである。

総合公益事業および水道

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスUnited Utilities Group PLC* 英国RobecoSAMシルバークラスEngie SA** フランスEPM1 コロンビアSempra Energy 米国Suez Environnement Co フランスRobecoSAMブロンズクラスE.ON SE ドイツVeolia Environnement SA フランス

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

1 この会社は、通常のダウジョーンズ・サステナビリティ・インデックスの評価プロセスとは別に評価された。

注目すべきクライテリア経済側面‒ 行動規範/コンプライアンス/ 汚職と贈収賄‒ 顧客関係管理‒ 水のオペレーション

環境側面‒ 気候戦略‒ 発電‒ 操業の環境効率

社会側面‒ 人的資源開発‒ 労働安全衛生‒ ステークホルダーエンゲージメント

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:49最高スコア:81

••

• 結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 56 88 32%環境 40 80 40%社会 53 91 28%

統計データユニバース企業数 432015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 33ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 77合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 92

Page 98: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

98 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

推進力上流の石油・ガス生産会社は現在、エネルギーの確保と気候変動との世界的な議論の渦中にある。低炭素経済への移行を考慮した企業戦略を策定する必要のあることがますます鮮明になっている。操業面では、石油・ガス会社が現行事業からの営業キャッシュフローをどの程度、将来の価値創出に転換できるかについて、その度合いは埋蔵量の回復と新規機会の開拓にかかっている。この産業の課題は、より少ない埋蔵量、より複雑な地質、新しい技術、政治リスクの高い国々を含む未開拓分野をどのように管理するかである。その意味で、一連の環境、労働安全衛生、倫理的行動、ステークホルダーのリスクを管理する能力は、現行の事業と新規プロジェクトの開拓能力にとって重要である。

石油・ガス

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスThai Oil PCL* タイIRPC PCL タイRobecoSAMブロンズクラスRepsol SA スペインサステナビリティ・イヤーブック・メンバーBG Group PLC 英国Cenovus Energy Inc カナダEcopetrol SA コロンビアEni SpA イタリアGalp Energia SGPS SA ポルトガルMOL Hungarian Oil & Gas PLC ハンガリーNeste Oyj フィンランドOil Search Ltd** オーストラリアPTT Exploration & Production PCL タイPTT PCL タイRoyal Dutch Shell PLC オランダSantos Ltd オーストラリアS-Oil Corp 韓国TOTAL SA フランスWoodside Petroleum Ltd オーストラリア

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ 探査と生産‒ ガスポートフォリオ‒ リスクマネジメントおよび危機管理

環境側面‒ 気候戦略‒ 操業の環境効率‒ 環境への排出

社会側面‒ 労働慣行指標および人権‒ 労働安全衛生‒ コミュニティへの社会的影響

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:47最高スコア:90

••

統計データユニバース企業数 1222015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 85ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 70合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 85

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 53 89 37%環境 40 92 30%社会 48 94 33%

Page 99: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 99

推進力より遠隔地から需要が集中する都心部にエネルギーを輸送するための需要が拡大しており、それがこの産業の成長と収益性をけん引している。同時により長く、より複雑になっているサプライチェーンは、コストの上昇圧力に加えて多くの課題を投げかけている。パイプラインと貯蔵システムが完全であることは、環境負荷を最小限に抑え、健全なコミュニティ関係を支え、産業と環境上の規制遵守を維持するために不可欠である。先進国では、運営企業の過去の実績は、新規インフラ計画のソーシャルライセンスを得る際の重要な要因である。新興国では、新規インフラを企画・開発する際の重要な要因として、物理的および経済的な移住移転の管理もある。この産業には、設備稼働率の最大化と環境コストの最少化という双子の需要があり、各社は、現代的なリスクマネジメントと危機管理システムを柱とする有効な環境管理システムの採用を求められている。

石油・ガス貯蔵・輸送

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスTransCanada Corp*/** カナダRobecoSAMブロンズクラスEnbridge Inc カナダSpectra Energy Corp 米国

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ 行動規範/コンプライアンス/ 汚職と贈収賄‒ 多角化‒ リスクマネジメントおよび危機管理

環境側面‒ 生物多様性‒ 操業の環境効率‒ 環境への排出

社会側面‒ 労働慣行指標および人権‒ 労働安全衛生‒ コミュニティへの社会的影響

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:45最高スコア:72

••

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 57 76 34%環境 36 75 28%社会 40 71 38%

統計データユニバース企業数 202015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 13ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 65合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 88

Page 100: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

100 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

推進力紙製品・林産品産業の主な課題の一つは、森林とプランテーションの責任ある管理と木材繊維の責任ある調達である。COC(加工流通過程の管理)認証制度は、顧客の信頼とロイヤルティを得るうえで重要な役割を果たしている。紙製品は顧客固有のニーズを満たす注文製品の性格を強めており、今後は製品のイノベーションと顧客重視が各社の課題として浮上する他、ビジネスモデルを多角化したり見直したりして新しい市場特性に適応する力も重要になってこよう。そのため、有能な人材の確保と維持、人的資源開発が引き続き競争優位の主な源泉である。技術的にみて資源効率の改善余地は残っており、酵素活用プロセスなどの新技術を導入できる企業が競争優位を確保するとみられる。さらに、地元のステークホルダーと有効にエンゲージメントを行うことができるかどうかが、特に新興国では今も、これからもソーシャルライセンスの維持に不可欠である。

紙製品・林産品

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスUPM-Kymmene OYJ* フィンランドRobecoSAMシルバークラスFibria Celulose SA ブラジルStora Enso OYJ** フィンランド

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ コーポレートガバナンス‒ 顧客関係管理‒ サプライチェーンマネジメント

環境側面‒ プロダクトスチュワードシップ‒ 持続可能な繊維とパルプの調達‒ 持続可能な森林管理

社会側面‒ 人的資源開発‒ ステークホルダーエンゲージメント‒ 有能な人材の確保と維持

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:67最高スコア:89

••

統計データユニバース企業数 162015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 10ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 63合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 79

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 65 89 27%環境 72 93 38%社会 63 87 35%

Page 101: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 101

推進力パーソナル用品会社は、きわめて競争の激しいマルチブランド環境で事業を行っている。ブランドマネジメント、マーケティング力、広報力がこの産業の主な焦点だが、各社は市場での地位を維持し市場シェアを獲得するため、常にイノベーションを追求する必要がある。頻発する安全性への懸念と先進的製品の需要の高まりに押され、各社は従来製品の改良版や改質版を開発するようになっている。これに、成分や化学品の使用をめぐる規制環境の変化も加わってイノベーションが進み、最終的により厳しい品質・安全性基準の設定へとつながった。こうした要因と排出、エネルギー消費、水使用への規制が、製造・営業コストに影響している。新興国は、各社に依然成長機会をもたらしている。新興国で成功する企業はそれらの地域に研究開発センターを設置し、着実に地元消費者への理解を深めて地元のニーズと好みに合わせた製品を開発し、柔軟で市場に適合した価格設定戦略を策定している。

パーソナル用品

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラス花王株式会社 * 日本RobecoSAMブロンズクラスAmorepacific Corp 韓国サステナビリティ・イヤーブック・メンバーNatura Cosmeticos SA ブラジル

* RobecoSAMインダストリーリーダー

注目すべきクライテリア経済側面‒ ブランドマネジメント‒ 顧客関係管理‒ イノベーションマネジメント

環境側面‒ 操業の環境効率‒ パッケージング‒ プロダクトスチュワードシップ

社会側面‒ 人的資源開発‒ 労働安全衛生‒ 有能な人材の確保と維持

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:49最高スコア:84

••

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 49 80 48%環境 51 89 20%社会 48 86 32%

統計データユニバース企業数 202015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 14ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 70合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 92

Page 102: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

102 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

推進力医薬品産業は、継続的な新薬開発のイノベーションが頼りである。大型医薬品の特許期限が切れると、多くの製薬会社はジェネリック医薬品によって収益を失ってきた。しかし、何年もの生産性低下を経験した後、先進企業は最近になって研究開発の効率性と革新的新薬の開発を強化する兆しをみせている。また、医療費を支払う側は、医薬品の臨床効能や相対的な効果、費用便益を評価したうえで薬価と償還を決定するようになっている他、財源不足の政府は、薬価を抑えることで医療費の増加に歯止めをかけようとしている。製薬会社は競争力を維持するため、最高の人材を確保、維持するとともに、未対応の医療ニーズのソリューションを開発するため有効なイノベーションマネジメントを採用しなければならない。最後に、法律と安全上の問題が多くの企業のレピュテーションと財務状態に深刻なダメージを与えており、長期的に最高水準の企業倫理と品質を維持する企業が有利になることは明白である。

医薬品

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスRoche Holding AG* スイスRobecoSAMシルバークラスAbbVie Inc 米国AstraZeneca PLC 英国Sanofi フランスRobecoSAMブロンズクラスBayer AG ドイツGlaxoSmithKline PLC 英国Novo Nordisk A/S デンマークサステナビリティ・イヤーブック・メンバーBristol-Myers Squibb Co 米国第一三共株式会社 ** 日本Johnson & Johnson 米国Novartis AG スイス武田薬品工業株式会社 日本

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ イノベーションマネジメント‒ マーケティング慣行‒ 製品の品質とリコールマネジメント

環境側面‒ 気候戦略‒ 環境報告‒ 操業の環境効率

社会側面‒ コスト負担への取り組み‒ 健康成果への寄与‒ 有能な人材の確保と維持

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:48最高スコア:88

•••

統計データユニバース企業数 812015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 55ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 68合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 96

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 53 88 45%環境 48 93 10%社会 43 90 45%

Page 103: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 103

推進力専門サービスの企業は、人材管理、消費者金融格付、調査・分析および製造やその他の事業プロセスの試験、検査、認証などの分野で、他社に幅広い事業支援サービスを提供している。特殊なサービスを提供する知識集約型企業であるため、事業の成功は労働力の質にかかっている。そのため、これらの企業にとっては有能な人材の確保と維持が特に重要である。また、誠実な会社であるとのレピュテーションも、顧客のつなぎ止めと新規事業の獲得には不可欠である。そのため各社は、社員が行動規範を守ること、またそのサービスが高い倫理基準に則って提供されるように徹底しなければならない。労働の柔軟性が増し、製品の品質が重視される環境においては、人材管理と試験関連の企業がそれぞれの産業の成長加速を見込める立場にある。

専門サービス

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスSGS SA* スイスRandstad Holding NV** オランダRobecoSAMシルバークラスIHS Inc 米国ManpowerGroup Inc 米国RobecoSAMブロンズクラスExperian PLC アイルランド

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ 行動規範/コンプライアンス/ 汚職と贈収賄‒ 顧客関係管理‒ サプライチェーンマネジメント

環境側面‒ 環境方針/マネジメントシステム‒ 環境報告‒ 操業の環境効率

社会側面‒ 人的資源開発‒ 労働慣行指標および人権‒ 有能な人材の確保と維持

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:48最高スコア:76

••• 結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 58 83 41%環境 35 78 19%社会 43 80 40%

統計データユニバース企業数 312015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 26ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 84合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 90

Page 104: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

104 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

推進力不動産業は、デベロッパーやメンテナンス専門会社、居住用・商業用不動産管理会社、投資会社などの異業態で構成されている。建築物は世界の温室効果ガス排出量の約 3分の 1を占めているため、この産業にとっては気候変動とエネルギー効率が最も重要である。加えて、革新的材料を使った低エネルギー建築は、不安定なエネルギー価格による不動産の管理・所有コストへの影響を軽減する。その結果、居住用、商業用、産業用グリーンビルディングの需要が旺盛となっている。環境問題に加え、この産業では社会的責任と社会統合が重要になってきている。現在の不安定な経済環境では、資産価値を高く維持し入居者を集められる所有者であり続けるため、地域社会のエンゲージメントと資産関連分野への投資がますます注目を集めている。

不動産

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスStockland* オーストラリアRobecoSAMシルバークラスGPT Group オーストラリアRobecoSAMブロンズクラスBritish Land Co PLC 英国CapitaLand Ltd シンガポールDexus Property Group オーストラリアサステナビリティ・イヤーブック・メンバーCity Developments Ltd シンガポールFonciere Des Regions フランスGecina SA フランスHammerson PLC 英国HCP Inc** 米国Intu Properties PLC 英国Klepierre1 フランスLand Securities Group PLC 英国LendLease Group オーストラリアMirvac Group オーストラリアUnibail-Rodamco SE フランスWereldhave NV オランダWeyerhaeuser Co 米国

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

1 2015年4月をもってKlepierreはCorio NVを買収した。Klepierre のサステナビリティスコアは、両社の加重合併後スコアである(合併前の時価総額に基づく)。

注目すべきクライテリア経済側面‒ 行動規範/コンプライアンス/ 汚職と贈収賄‒ リスクマネジメントおよび危機管理‒ サプライチェーンマネジメント

環境側面‒ 気候戦略‒ 操業の環境効率‒ 資源保護と資源効率

社会側面‒ 労働安全衛生‒ 社会の統合および再生‒ ステークホルダーエンゲージメント

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:45最高スコア:87

•••

統計データユニバース企業数 2412015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 96ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 40合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 64

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 55 85 25%環境 44 95 39%社会 40 88 36%

Page 105: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 105

推進力レストラン・レジャー設備産業は近年、食品の安全性と正確な表示の問題を含め、サプライチェーンの説明責任と透明性についてこれまでになく厳しい目を向けられている。また、グローバルサプライチェーンの拡大を背景に、動物福祉も社会の注目を集めている。公正な賃金と労働条件に関する労働問題は現在、先進国、新興国双方の規制当局や他のステークホルダーからの注視を浴びており、現行のフランチャイズ認証、ライセンス供与、説明責任のシステムを圧迫している。先進国では健康意識を高める消費者を相手に厳しい事業環境に置かれているため、各社は今後、イノベーションを通じて製品とサービスの品ぞろえを刷新するよう迫られよう。また、エネルギーと水の消費などの環境問題はグローバルに取り組む必要がある他、自社とフランチャイズをまたいで保有されているデータは、各社がグローバルなサステナビリティプログラムを有効に実施できるよう統合しなければならない。

レストラン・レジャー設備

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスSodexo SA*/** フランスRobecoSAMブロンズクラスCompass Group PLC 英国サステナビリティ・イヤーブック・メンバーMcDonald’s Corp 米国Starbucks Corp 米国

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ 顧客関係管理‒ 食品の安全性‒ サプライチェーンマネジメント

環境側面‒ 環境方針/マネジメントシステム‒ 環境報告‒ 操業の環境効率

社会側面‒ 健康な生活‒ 労働慣行指標および人権‒ 事業の地元への影響

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:43最高スコア:80

••

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 55 80 36%環境 37 78 19%社会 37 83 45%

統計データユニバース企業数 282015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 14ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 50合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 87

Page 106: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

106 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

推進力小売業は、高度化する在庫管理とマーケティング戦略を柱とするグローバルな供給・流通網を備えた多国籍コングロマリットへと変貌し続けている。ブランドマネジメントが主な成功要因だが、小売業が成功するためには、顧客の購買習慣を維持し分析するための新しい戦略と技術を継続的に開発するとともに、より敏感で個別対応型の顧客関係管理システムを実施することも必要である。電子商取引や宅配便、引き取りシステムといった流通チャネルは重要性を増している。常にステークホルダーに注視されているため、各社は、自社のサプライチェーンマネジメント、流通システム、パッケージングの使用と処理の効率性と安全性の強化に取り組む必要がある。サプライチェーンでは労働と人権の問題が主なリスクになっている。小売各社はレピュテーションリスクを最小限に抑え、業務効率を下支えするため、供給元と長期的な事業関係を構築し、サプライチェーン管理システムの透明性を高めなければならない。

小売

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスLotte Shopping Co Ltd* 韓国RobecoSAMシルバークラスIndustria de Diseno Textil SA スペインRobecoSAMブロンズクラスWoolworths Holdings Ltd/South Africa 南アフリカサステナビリティ・イヤーブック・メンバーHennes & Mauritz AB** スウェーデンHome Retail Group PLC 英国Kingfisher PLC 英国Marks & Spencer Group PLC 英国

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ 顧客関係管理‒ 新興国市場の戦略‒ サプライチェーンマネジメント

環境側面‒ 環境方針/マネジメントシステム‒ 操業の環境効率‒ パッケージング

社会側面‒ コーポレートシチズンシップおよび社会貢献活動‒ 労働慣行指標および人権‒ ステークホルダーエンゲージメント

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:37最高スコア:85

•••

統計データユニバース企業数 1232015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 75ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 61合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 86

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 42 81 47%環境 33 98 24%社会 32 88 29%

Page 107: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 107

推進力半導体の集積密度は約 2年ごとに倍増する――この「ムーアの法則」に追いつくためには継続的なイノベーションが必要である。半導体各社は、長期的な製造能力のイノベーションを実現するため、イノベーションプロセスを適正に管理し、熟練労働力を確保、維持しなければならない。微細化や新素材への移行、より効率的な製造プロセスの導入が趨勢となるなか、高品質な研究開発が重要な成功要因である。それ以外の課題としては、エネルギー効率のよい製造工程、低エネルギー消費のチップやプロセッサなどがある。品質、性能、信頼性は、バリューチェーン全体を通じて監視しなければならない。また、半導体産業は、化学品と有害物質の使用削減、廃棄物の生成低減、ウルトラクリーン空間のエネルギー効率改善の他、超純水の消費量削減などにより操業の環境負荷を減らす必要がある。能力拡張のリードタイムが長い一方、半導体産業は極端な景気循環性をもつため、各社は戦略的プランニングと事業サイクルマネジメントに細心の注意を払わざるを得ないだろう。

半導体・半導体製造装置

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスTaiwan Semiconductor Manufacturing Co Ltd* 台湾United Microelectronics Corp 台湾RobecoSAMブロンズクラスSK Hynix Inc 韓国サステナビリティ・イヤーブック・メンバーAdvanced Semiconductor Engineering Inc 台湾ARM Holdings PLC 英国ASML Holding NV オランダInfineon Technologies AG ドイツIntel Corp 米国STMicroelectronics NV スイス東京エレクトロン株式会社 ** 日本

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ イノベーションマネジメント‒ 製品の品質とリコールマネジメント‒ サプライチェーンマネジメント

環境側面‒ 気候戦略‒ 操業の環境効率‒ プロダクトスチュワードシップ

社会側面‒ 人的資源開発‒ 労働慣行指標および人権‒ 有能な人材の確保と維持

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:52最高スコア:89

••

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 56 87 140%環境 51 96 35%社会 46 89 25%

統計データユニバース企業数 732015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 39ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 53合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 84

Page 108: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

108 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

推進力絶え間ないイノベーションがソフトウェア産業の核心である。M&Aや外部開発会社との協働といったオープンイノベーションは、新製品開発の重要な触媒である。また、イノベーションは人的資本と密接に関係している。それが、効果的な人的資源管理が有能なスタッフの確保と維持の決め手になる理由である。ソフトウェアはハードウェアの稼働率を最適化し、より効率的なビジネスプロセスの構築に寄与することから、顧客が環境効率を改善できれば、ソフトウェア会社にとっては長期的な競争優位をもたらす。さらに、より多くの機密データが遠隔地のデータセンターで処理・保存されているうえ、政府が顧客やユーザーのデータの入手に関心を示しているため、各社はデータのセキュリティを担保しなければならない。データ量の急激な増加を考えると、データセンターの効率性は、特に「SaaS(Software as a service)」を提供している企業にとっては重要な課題になっている。

ソフトウェア

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスSAP SE* ドイツサステナビリティ・イヤーブック・メンバーAdobe Systems Inc** 米国Autodesk Inc 米国CA Inc 米国Microsoft Corp 米国Symantec Corp 米国

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ イノベーションマネジメント‒ IT セキュリティおよびシステムの利用可能性‒ 個人情報の保護

環境側面‒ 気候戦略‒ 環境方針/マネジメントシステム‒ 操業の環境効率

社会側面‒ 人的資源開発‒ 労働慣行指標および人権‒ 有能な人材の確保と維持

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:39最高スコア:76

•統計データユニバース企業数 602015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 24ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 40合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 83

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 47 71 51%環境 35 78 21%社会 30 83 28%

Page 109: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 109

推進力リサイクル率は高いものの、寿命末期材料のリサイクルだけでは鉄鋼の着実な需要増に対応できないため、鉄鉱石の鉄鋼への転換が必要になっている。鉄鋼産業が直面している最大課題の一つは、高炉と転炉からの温室効果ガスの排出削減と電気炉のエネルギー強度の改善である。この産業が直面する他の主要課題としては、操業の環境効率、労働安全衛生、人的資源管理などがある。操業の効率性を高めようとするのは漸進的改善の重要な推進力だが、より長期的な進展は、むしろ画期的技術を配備できるかにかかっている。社員のウェルビーイングを守り、操業の中断を避けるためには、有効な安全性管理システムの実施が必要である。

鉄鋼

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスPOSCO* 韓国RobecoSAMシルバークラスChina Steel Corp 台湾Tata Steel Ltd インドRobecoSAMブロンズクラスHyundai Steel Co** 韓国サステナビリティ・イヤーブック・メンバーKumba Iron Ore Ltd 南アフリカOutokumpu OYJ フィンランド

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ 行動規範/コンプライアンス/ 汚職と贈収賄‒ コーポレートガバナンス‒ サプライチェーンマネジメント

環境側面‒ 気候戦略‒ 環境方針/マネジメントシステム‒ 操業の環境効率

社会側面‒ 労働慣行指標および人権‒ 労働安全衛生‒ コミュニティへの社会的影響

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:47最高スコア:83

•••

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 53 78 26%環境 43 89 34%社会 48 87 40%

統計データユニバース企業数 422015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 28ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 67合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 77

Page 110: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

110 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

推進力各種電気通信サービス産業は、音声サービス収入の減少とデータサービスの価値の高まりを特徴とする、きわめて競争の激しい環境にある。先進国では、総合的なサービス(モバイル、固定電話、ブロードバンド、テレビ)と高速データ通信を提供できることが将来の成長に不可欠である。さらに電気通信会社は、消費者が直面する社会、環境上のサステナビリティ課題を地域レベル、地球レベルで解決する革新的ソリューションを生み出すため、その技術的専門性を活用することができる。消費者や企業、政府は、円滑で高品質、高速の接続機能とより大きなトラフィック割当量を求めるようになっている。急速な技術革新が進む市場で競争力を維持するため、各社は、新世代の技術とサービスを統合できる柔軟なビジネスモデルを採用する必要がある。ビジネスプロセスの自動化と新たなビジネスモデルへの適応は、社員に求められる特性を変化させている。そのため、円滑な移行には優れた人的資源管理がきわめて重要である。データの慎重な取り扱いも不可欠である。データベースとネットワークの保護が不十分であれば会社のレピュテーションに傷が付き、損害賠償のリスクにもさらされる。環境面では、エネルギー効率と最先端のインフラが引き続きこの産業の主要課題である。

各種電気通信サービス

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスKT Corp* 韓国RobecoSAMシルバークラスSK Telecom Co Ltd 韓国Telecom Italia SpA イタリアRobecoSAMブロンズクラスBT Group PLC 英国Swisscom AG スイスTelefonica SA スペインサステナビリティ・イヤーブック・メンバーBCE Inc** カナダChina Mobile Ltd 中国Chunghwa Telecom Co Ltd 台湾Deutsche Telekom AG ドイツKoninklijke KPN NV オランダOrange SA フランスSprint Corp 米国TELUS Corp カナダ

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ 顧客関係管理‒ 個人情報の保護‒ リスクマネジメントおよび危機管理

環境側面‒ 気候戦略‒ 電磁場‒ 操業の環境効率

社会側面‒ デジタルインクルージョン‒ 人的資源開発‒ 電気通信サービスの影響

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:56最高スコア:93

•••

統計データユニバース企業数 992015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 57ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 58合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 82

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 61 90 44%環境 49 98 21%社会 54 94 35%

Page 111: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 111

推進力繊維・アパレル・贅沢品産業は、市場の成長減速に適応する必要がある。そのため各社は、自社の強力なブランド認知と高度なイノベーションを活用し、新しい市場や産業区分に進出しなければならない。ファストファッションの台頭や製品サイクルの短期化を背景に、各社は革新的なマーケティング戦略のみならず、責任ある調達モデルを求められている。サプライチェーンの労働安全衛生を中心に、ステークホルダーの厳しい目が注がれているため、業務のあらゆるレベルで効率性、安全性、労働条件に関する透明性を高めなければならない。高まる消費者の要求に応えるため、各社は製品のデザインと開発に環境への配慮を組み込む必要がある。そのため、請負業者と供給元にもサステナビリティ課題への対応を求め、労働慣行を積極的に監視し、それらの活動の結果を開示することにより、公正な労働条件を実現し、会社のレピュテーションと、ひいては自社ブランドと事業価値を守ることが重要である。

繊維・アパレル・贅沢品

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスKering* フランスRobecoSAMブロンズクラスBurberry Group PLC** 英国Gildan Activewear Inc カナダサステナビリティ・イヤーブック・メンバーadidas AG ドイツ株式会社アシックス 日本HUGO BOSS AG ドイツLi & Fung Ltd 香港

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ ブランドマネジメント‒ イノベーションマネジメント‒ サプライチェーンマネジメント

環境側面‒ 環境方針/マネジメントシステム‒ 操業の環境効率‒ プロダクトスチュワードシップ

社会側面‒ 労働慣行指標および人権‒ 労働安全衛生‒ ステークホルダーエンゲージメント

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:44最高スコア:83

••

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 52 89 38%環境 39 79 21%社会 39 79 41%

統計データユニバース企業数 502015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 32ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 64合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 87

Page 112: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

112 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

推進力タバコは成熟産業であり、世界の紙巻タバコの販売量は安定している。しかし、タバコ会社は強力な価格設定力をもつという点で、消費財企業の中で特異な立場にある。この産業の公的部門との関係は、税制、規制、タバコの密輸防止対策との関連で基本的に重要である。タバコ産業は常に行政やメディア、NGO(非政府組織)の厳しい監視を受けており、優良経営の企業とサプライチェーン、高度な透明性を求められている。喫煙を規制する新たな法律もあり、タバコ会社は今後、従来型のタバコ製品に固執せず、健康被害が少ないとされる SNUSなどの無煙タバコやノンニコチン製品の分野で革新的製品を開拓することが重要になろう。

タバコ

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスBritish American Tobacco PLC* 英国Reynolds American Inc** 米国RobecoSAMシルバークラスAltria Group Inc 米国RobecoSAMブロンズクラスImperial Tobacco Group PLC 英国

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ ブランドマネジメント‒ 行動規範/コンプライアンス/ 汚職と贈収賄‒ 密輸防止対策

環境側面‒ 環境方針/マネジメントシステム‒ 操業の環境効率‒ 原材料の調達

社会側面‒ コーポレートシチズンシップおよび社会貢献活動‒ 労働安全衛生‒ 責任あるマーケティング政策

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:62最高スコア:83

•••

統計データユニバース企業数 132015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 12ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 92合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 99

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 65 87 41%環境 61 85 23%社会 59 86 36%

Page 113: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 113

推進力多角化の進んだ知識集約型産業の担い手として、商社と流通会社は労働力の質に依存している。そのため、有能な人材の確保と維持が事業成功の主な貢献要因である。教育研修プログラム、ナレッジ管理、報奨制度を備えた明確な雇用方針は、安全で健全な優れた労働環境につながり、社員の定着率を維持するうえで重要である。探査事業などの大型プロジェクトへの出資や運営を行う商社は、自社業務と供給元の両方から生じる環境、人権上の問題に直面する確率が高い。一部の子会社はレピュテーションリスクにさらされる可能性が高く、ひいては親会社に影響を与える場合がある。これらのリスクについては、各社とも投資とサプライチェーンにおける意思決定に環境面と社会面の影響評価を統合し、そうした関与について透明性の高い報告を行う必要がある。

商社・流通業

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラス伊藤忠商事株式会社 * 日本RobecoSAMシルバークラス丸紅株式会社 日本三菱商事株式会社 ** 日本三井物産株式会社 日本サステナビリティ・イヤーブック・メンバー住友商事株式会社 日本

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ 行動規範/コンプライアンス/ 汚職と贈収賄‒ 顧客関係管理‒ サプライチェーンマネジメント

環境側面‒ 環境方針/マネジメントシステム‒ 環境報告‒ 操業の環境効率

社会側面‒ 人的資源開発‒ 労働慣行指標および人権‒ 有能な人材の確保と維持

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:51最高スコア:86

••

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 53 82 43%環境 54 94 19%社会 48 89 38%

統計データユニバース企業数 362015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 21ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 58合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 79

Page 114: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

114 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

推進力運輸産業は多くのサブグループ(海運、鉄道、陸運、貨物輸送、物流、インフラ)から成り、それぞれ独自のダイナミズムや競争の全体像、サステナビリティ課題を抱えている。気候戦略、ステークホルダーエンゲージメント、顧客関係管理が成功の鍵となるサブグループの企業もあれば、法律や政府対応がより重要な企業もある。しかし、産業全体の最も重要なマテリアリティ上の問題は、フリート管理と燃料効率、労働安全衛生、人的資源管理である。特に輸送会社にとっては、コスト、環境負荷、時間の面での効率性が企業の競争優位に最も貢献する要因であり、標準化(コンテナ輸送など)やインターモーダル輸送、IT 支援ロジスティクスなどを通して効率性の改善が進んでいる。同時に、環境に優しい製品やサービスのマーケティングは、炭素排出量を最小限に抑えたい新規顧客を獲得するチャンスでもある。

運輸および運送インフラ

サステナビリティリーダー2016RobecoSAMゴールドクラスRoyal Mail PLC* 英国PostNL NV オランダRobecoSAMシルバークラスAeroports de Paris** フランスCanadian National Railway Co カナダRobecoSAMブロンズクラスAtlantia SpA イタリアDeutsche Post AG ドイツUnited Parcel Service Inc 米国サステナビリティ・イヤーブック・メンバーAbertis Infraestructuras SA スペインAuckland International Airport Ltd ニュージーランドCSX Corp 米国Firstgroup PLC 英国Hyundai Glovis Co Ltd 韓国株式会社商船三井 日本MTR Corp Ltd 香港日本郵船株式会社 日本Transurban Group オーストラリア

* RobecoSAMインダストリーリーダー** RobecoSAMインダストリームーバー

注目すべきクライテリア経済側面‒ 行動規範/コンプライアンス/ 汚職と贈収賄‒ 顧客関係管理‒ リスクマネジメントおよび危機管理

環境側面‒ 気候戦略‒ 燃料効率‒ 操業の環境効率

社会側面‒ 人的資源開発‒ 労働安全衛生‒ ステークホルダーエンゲージメント

0 25 50 75 100

総スコア

平均スコア:46最高スコア:83

•••

統計データユニバース企業数 1102015 年の RobecoSAMの評価対象企業数 77ユニバース内総企業数に対する 評価対象企業数(%) 70合計時価総額に占める評価対象企業の 時価総額(%) 86

結果

側面 平均 スコア

最高 スコア

側面別 加重

経済 54 83 29%環境 44 93 28%社会 42 86 43%

Page 115: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 115

掲載企業の一覧

Page 116: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

116 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

企業名 産業 国 RobecoSAM認定

RobecoSAM インダストリー リーダー

RobecoSAM インダストリー ムーバー

ページ

3M Co コングロマリット 米国 89

Abbott Laboratories ヘルスケア機器・用品 米国 83

AbbVie Inc 医薬品 米国 102

Abertis Infraestructuras SA 運輸および運送インフラ スペイン 114

ABN AMRO Holding N.V. 銀行 オランダ 61

Acciona SA 電気 スペイン 76

Accor SA ホテル・リゾート・クルーズ船 フランス 86

Acer Incコンピューター・周辺機器および事務用電子機器 台湾 70

adidas AG 繊維・アパレル・贅沢品 ドイツ 111

Adobe Systems Inc ソフトウェア 米国 108

Advanced Semiconductor Engineering Inc

半導体・半導体製造装置 台湾 107

Aegon NV 保険 オランダ 90

イオン株式会社 食品・生活必需品小売 日本 80

Aeroports de Paris 運輸および運送インフラ フランス 114

Agilent Technologies Inc ライフサイエンスツール・サービス 米国 93

Air France-KLM 旅客航空輸送業 フランス 57

Air Liquide SA 化学 フランス 66

Air Products & Chemicals Inc 化学 米国 66

味の素株式会社 食品 日本 81

Akzo Nobel NV 化学 オランダ 66

Alcatel-Lucent 通信機器 フランス 69

Alcoa Inc アルミ 米国 58

Allianz SE 保険 ドイツ 90

Alstom SA 機械および電気設備 フランス 94

Altria Group Inc タバコ 米国 112

Amadeus IT Holding SA情報技術サービスおよびインターネットソフトウェア・サービス スペイン 91

Amcor Ltd/Australia 容器・包装 オーストラリア 73

Amgen Inc バイオテクノロジー 米国 63

Amorepacific Corp パーソナル用品 韓国 101

ANAホールディングス株式会社 旅客航空輸送業 日本 57

Anglo American PLC 金属鉱業 英国 96

ARM Holdings PLC 半導体・半導体製造装置 英国 107

株式会社アシックス 繊維・アパレル・贅沢品 日本 111

ASML Holding NV 半導体・半導体製造装置 オランダ 107

AstraZeneca PLC 医薬品 英国 102

Atlantia SpA 運輸および運送インフラ イタリア 114

Atos SE情報技術サービスおよびインターネットソフトウェア・サービス フランス 91

RobecoSAM ゴールドクラス RobecoSAM シルバークラス RobecoSAM ブロンズクラス

Page 117: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 117

企業名 産業 国 RobecoSAM認定

RobecoSAM インダストリー リーダー

RobecoSAM インダストリー ムーバー

ページ

AU Optronics Corp 電子装置・機器・部品 台湾 78

Auckland International Airport Ltd

運輸および運送インフラ ニュージーランド 114

Australia & New Zealand Banking Group Ltd

銀行 オーストラリア 61

Autodesk Inc ソフトウェア 米国 108

Aviva PLC 保険 英国 90

AXA SA 保険 フランス 90

BAE Systems PLC 航空宇宙・防衛 英国 56

Baker Hughes Inc エネルギー設備・サービス 米国 79

Ball Corp 容器・包装 米国 73

Banco Bilbao Vizcaya Argentaria SA

銀行 スペイン 61

Banco Bradesco SA 銀行 ブラジル 61

Banco Comercial Portugues SA 銀行 ポルトガル 61

Banco do Brasil SA 銀行 ブラジル 61

Banco Santander SA 銀行 スペイン 61

BanColombia SA 銀行 コロンビア 61

Bank of America Corp 銀行 米国 61

Bank of New York Mellon Corp 多角的金融サービスおよび資本市場 米国 75

Bankia SA 銀行 スペイン 61

Bankinter SA 銀行 スペイン 61

Banpu PCL 石炭・消耗燃料 タイ 67

Barclays PLC 銀行 英国 61

Barrick Gold Corp 金属鉱業 カナダ 96

BASF SE 化学 ドイツ 66

Bayer AG 医薬品 ドイツ 102

Bayerische Motoren Werke AG 自動車 ドイツ 60

BCE Inc 各種電気通信サービス カナダ 110

株式会社ベネッセホールディングス 各種消費者サービス 日本 74

BG Group PLC 石油・ガス 英国 98

BHP Billiton Ltd 金属鉱業 オーストラリア 96

Biogen Inc バイオテクノロジー 米国 63

BNP Paribas SA 銀行 フランス 61

Brambles Ltd 商業サービス・用品 オーストラリア 68

Braskem SA 化学 ブラジル 66

株式会社ブリヂストン 自動車部品 日本 59

Bristol-Myers Squibb Co 医薬品 米国 102

British American Tobacco PLC タバコ 英国 112

RobecoSAM ゴールドクラス RobecoSAM シルバークラス RobecoSAM ブロンズクラス

Page 118: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

118 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

企業名 産業 国 RobecoSAM認定

RobecoSAM インダストリー リーダー

RobecoSAM インダストリー ムーバー

ページ

British Land Co PLC 不動産 英国 104

BT Group PLC 各種電気通信サービス 英国 110

Burberry Group PLC 繊維・アパレル・贅沢品 英国 111

CA Inc ソフトウェア 米国 108

CaixaBank SA 銀行 スペイン 61

Campbell Soup Co 食品 米国 81

Canadian National Railway Co 運輸および運送インフラ カナダ 114

CapitaLand Ltd 不動産 シンガポール 104

Cardinal Health Incヘルスケアプロバイダー・ヘルスケアサービス 米国 84

Carrefour SA 食品・生活必需品小売 フランス 80

Casino Guichard Perrachon SA 食品・生活必需品小売 フランス 80

カシオ計算機株式会社 レジャー用品および民生用電子機器 日本 92

Caterpillar Inc 機械および電気設備 米国 94

Celsia SA ESP 電気 コロンビア 76

Cementos Argos SA 建設資材 コロンビア 72

Cenovus Energy Inc 石油・ガス カナダ 98

CGG SA エネルギー設備・サービス フランス 79

Charoen Pokphand Foods PCL 食品 タイ 81

Cheil Worldwide Inc メディア 韓国 95

China Mobile Ltd 各種電気通信サービス 中国 110

China Steel Corp 鉄鋼 台湾 109

Chunghwa Telecom Co Ltd 各種電気通信サービス 台湾 110

Cia Energetica de Minas Gerais 電気 ブラジル 76

Cie Generale des Etablissements Michelin

自動車部品 フランス 59

Cielo SA情報技術サービスおよびインターネットソフトウェア・サービス ブラジル 91

CIMIC Group Ltd 建設・土木 オーストラリア 71

Citigroup Inc 銀行 米国 61

City Developments Ltd 不動産 シンガポール 104

CJ CheilJedang Corp 食品 韓国 81

Clariant AG 化学 スイス 66

CNH Industrial NV 機械および電気設備 英国 94

Coca-Cola Enterprises Inc 飲料 米国 62

Coca-Cola HBC AG 飲料 スイス 62

Colgate-Palmolive Co 家庭用品 米国 88

Colombina SA 食品 コロンビア 81

Commonwealth Bank of Australia

銀行 オーストラリア 61

Compass Group PLC レストラン・レジャー設備 英国 105

RobecoSAM ゴールドクラス RobecoSAM シルバークラス RobecoSAM ブロンズクラス

Page 119: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 119

企業名 産業 国 RobecoSAM認定

RobecoSAM インダストリー リーダー

RobecoSAM インダストリー ムーバー

ページ

ConAgra Foods Inc 食品 米国 81

Coway Co Ltd 家庭用耐久財 韓国 87

CPFL Energia SA 電気 ブラジル 76

Credit Suisse Group AG 多角的金融サービスおよび資本市場 スイス 75

CSX Corp 運輸および運送インフラ 米国 114

Cummins Inc 機械および電気設備 米国 94

Daewoo Securities Co Ltd 多角的金融サービスおよび資本市場 韓国 75

大日本印刷株式会社 商業サービス・用品 日本 68

第一生命保険株式会社 保険 日本 90

第一三共株式会社 医薬品 日本 102

ダイキン工業株式会社 建設関連製品 日本 64

株式会社大和証券グループ本社 多角的金融サービスおよび資本市場 日本 75

Danone SA 食品 フランス 81

Delhaize Group 食品・生活必需品小売 ベルギー 80

Delta Electronics Inc 電子装置・機器・部品 台湾 78

Delta Lloyd NV 保険 オランダ 90

Deutsche Bank AG 多角的金融サービスおよび資本市場 ドイツ 75

Deutsche Boerse AG 多角的金融サービスおよび資本市場 ドイツ 75

Deutsche Post AG 運輸および運送インフラ ドイツ 114

Deutsche Telekom AG 各種電気通信サービス ドイツ 110

Dexus Property Group 不動産 オーストラリア 104

DGB Financial Group Inc 銀行 韓国 61

Diageo PLC 飲料 英国 62

DNB ASA 銀行 ノルウェー 61

Dongbu Insurance Co Ltd 保険 韓国 90

Doosan Corp コングロマリット 韓国 89

Doosan Heavy Industries & Construction Co Ltd

機械および電気設備 韓国 94

Doosan Infracore Co Ltd 機械および電気設備 韓国 94

Dow Chemical Co 化学 米国 66

E.ON SE 総合公益事業および水道 ドイツ 97

E.Sun Financial Holding Co Ltd 銀行 台湾 61

Ecolab Inc 化学 米国 66

Ecopetrol SA 石油・ガス コロンビア 98

EDP - Energias de Portugal SA 電気 ポルトガル 76

Electricite de France SA 電気 フランス 76

Electrolux AB 家庭用耐久財 スウェーデン 87

Embraer SA 航空宇宙・防衛 ブラジル 56

RobecoSAM ゴールドクラス RobecoSAM シルバークラス RobecoSAM ブロンズクラス

Page 120: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

120 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

企業名 産業 国 RobecoSAM認定

RobecoSAM インダストリー リーダー

RobecoSAM インダストリー ムーバー

ページ

Enagas SA ガス スペイン 82

Enbridge Inc 石油・ガス貯蔵・輸送 カナダ 99

Endesa SA 電気 スペイン 76

Enel SpA 電気 イタリア 76

Engie SA 総合公益事業および水道 フランス 97

Eni SpA 石油・ガス イタリア 98

Entergy Corp 電気 米国 76

EPM 総合公益事業および水道 コロンビア 97

ERGO VERSICHERUNGSGRUPPE AG

保険 ドイツ 90

Evonik Industries AG 化学 ドイツ 66

Experian PLC 専門サービス アイルランド 103

Ferrovial SA 建設・土木 スペイン 71

Fiat Chrysler Automobiles NV 自動車 英国 60

Fibria Celulose SA 紙製品・林産品 ブラジル 100

Finmeccanica SpA 航空宇宙・防衛 イタリア 56

Firstgroup PLC 運輸および運送インフラ 英国 114

Fonciere Des Regions 不動産 フランス 104

Fresenius Medical Care AG & Co KGaA

ヘルスケアプロバイダー・ヘルスケアサービス ドイツ 84

富士電機株式会社 電気部品・設備 日本 77

富士フイルムホールディングス株式会社

コンピューター・周辺機器および事務用電子機器 日本 70

富士通株式会社 情報技術サービスおよびインターネットソフトウェア・サービス 日本 91

Galp Energia SGPS SA 石油・ガス ポルトガル 98

Gamesa Corp Tecnologica SA 機械および電気設備 スペイン 94

Gas Natural SDG SA ガス スペイン 82

Gecina SA 不動産 フランス 104

General Mills Inc 食品 米国 81

Gildan Activewear Inc 繊維・アパレル・贅沢品 カナダ 111

GlaxoSmithKline PLC 医薬品 英国 102

Gold Fields Ltd 金属鉱業 南アフリカ 96

Goldcorp Inc 金属鉱業 カナダ 96

GPT Group 不動産 オーストラリア 104

Grupo Argos SA/Colombia 建設資材 コロンビア 72

Grupo de Inversiones Suramericana SA

多角的金融サービスおよび資本市場 コロンビア 75

Grupo Nutresa SA 食品 コロンビア 81

GS Engineering & Construction Corp

建設・土木 韓国 71

RobecoSAM ゴールドクラス RobecoSAM シルバークラス RobecoSAM ブロンズクラス

Page 121: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 121

企業名 産業 国 RobecoSAM認定

RobecoSAM インダストリー リーダー

RobecoSAM インダストリー ムーバー

ページ

H&R Block Inc 各種消費者サービス 米国 74

Halliburton Co エネルギー設備・サービス 米国 79

Hammerson PLC 不動産 英国 104

Hankook Tire Co Ltd 自動車部品 韓国 59

HCP Inc 不動産 米国 104

Heineken NV 飲料 オランダ 62

Henderson Group PLC 多角的金融サービスおよび資本市場 英国 75

Henkel AG & Co KGaA 家庭用品 ドイツ 88

Hennes & Mauritz AB 小売 スウェーデン 106

Herman Miller Inc 商業サービス・用品 米国 68

Hershey Co 食品 米国 81

株式会社日立製作所 電子装置・機器・部品 日本 78

HOCHTIEF AG 建設・土木 ドイツ 71

Home Retail Group PLC 小売 英国 106

本田技研工業株式会社 自動車 日本 60

Hong Kong Exchanges and Clearing Ltd

多角的金融サービスおよび資本市場 香港 75

HP Inc / Hewlett Packard Enterprise Co

コンピューター・周辺機器および事務用電子機器 米国 70

HUGO BOSS AG 繊維・アパレル・贅沢品 ドイツ 111

Humana Incヘルスケアプロバイダー・ヘルスケアサービス 米国 84

Hyundai Engineering & Construction Co Ltd

建設・土木 韓国 71

Hyundai Glovis Co Ltd 運輸および運送インフラ 韓国 114

Hyundai Mobis Co Ltd 自動車部品 韓国 59

Hyundai Steel Co 鉄鋼 韓国 109

Iberdrola SA 電気 スペイン 76

IHS Inc 専門サービス 米国 103

Imperial Tobacco Group PLC タバコ 英国 112

Indra Sistemas SA情報技術サービスおよびインターネットソフトウェア・サービス スペイン 91

Industria de Diseno Textil SA 小売 スペイン 106

Infineon Technologies AG 半導体・半導体製造装置 ドイツ 107

Infosys Ltd情報技術サービスおよびインターネットソフトウェア・サービス インド 91

ING Groep NV 銀行 オランダ 61

Ingersoll-Rand PLC 機械および電気設備 米国 94

Innolux Corp 電子装置・機器・部品 台湾 78

Insurance Australia Group Ltd 保険 オーストラリア 90

Intel Corp 半導体・半導体製造装置 米国 107

Interconexion Electrica SA ESP 電気 コロンビア 76

RobecoSAM ゴールドクラス RobecoSAM シルバークラス RobecoSAM ブロンズクラス

Page 122: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

122 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

企業名 産業 国 RobecoSAM認定

RobecoSAM インダストリー リーダー

RobecoSAM インダストリー ムーバー

ページ

InterContinental Hotels Group PLC

ホテル・リゾート・クルーズ船 英国 86

Intesa Sanpaolo SpA 銀行 イタリア 61

Intu Properties PLC 不動産 英国 104

Investec PLC 多角的金融サービスおよび資本市場 英国 75

IRPC PCL 石油・ガス タイ 98

Isagen SA ESP 電気 コロンビア 76

ISS A/S 商業サービス・用品 デンマーク 68

Italcementi SpA 建設資材 イタリア 72

Itau Unibanco Holding SA 銀行 ブラジル 61

Itausa - Investimentos Itau SA 銀行 ブラジル 61

伊藤忠商事株式会社 商社・流通業 日本 113

ITV PLC メディア 英国 95

Johnson & Johnson 医薬品 米国 102

Johnson Controls Inc 自動車部品 米国 59

Kangwon Land Inc カジノ・ゲーム 韓国 65

花王株式会社 パーソナル用品 日本 101

KB Financial Group Inc 銀行 韓国 61

KEPCO Plant Service & Engineering Co Ltd

商業サービス・用品 韓国 68

Kering 繊維・アパレル・贅沢品 フランス 111

Kingfisher PLC 小売 英国 106

Kinross Gold Corp 金属鉱業 カナダ 96

Klepierre 不動産 フランス 104

株式会社小松製作所 機械および電気設備 日本 94

コニカミノルタ株式会社 コンピューター・周辺機器および事務用電子機器 日本 70

Koninklijke Ahold NV 食品・生活必需品小売 オランダ 80

Koninklijke DSM NV 化学 オランダ 66

Koninklijke KPN NV 各種電気通信サービス オランダ 110

Koninklijke Philips NV コングロマリット オランダ 89

Korea Gas Corp ガス 韓国 82

KT Corp 各種電気通信サービス 韓国 110

Kumba Iron Ore Ltd 鉄鋼 南アフリカ 109

Ladbrokes PLC カジノ・ゲーム 英国 65

LafargeHolcim Ltd 建設資材 スイス 72

Lagardere SCA メディア フランス 95

Land Securities Group PLC 不動産 英国 104

LANXESS AG 化学 ドイツ 66

Latam Airlines Group SA 旅客航空輸送業 チリ 57

RobecoSAM ゴールドクラス RobecoSAM シルバークラス RobecoSAM ブロンズクラス

Page 123: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 123

企業名 産業 国 RobecoSAM認定

RobecoSAM インダストリー リーダー

RobecoSAM インダストリー ムーバー

ページ

Legrand SA 電気部品・設備 フランス 77

LendLease Group 不動産 オーストラリア 104

LG Display Co Ltd 電子装置・機器・部品 韓国 78

LG Electronics Inc レジャー用品および民生用電子機器 韓国 92

LG Household & Health Care Ltd

家庭用品 韓国 88

LG Innotek Co Ltd 電子装置・機器・部品 韓国 78

Li & Fung Ltd 繊維・アパレル・贅沢品 香港 111

Liberty Global PLC メディア 米国 95

Life Healthcare Group Holdings Ltd

ヘルスケアプロバイダー・ヘルスケアサービス 南アフリカ 84

Linde AG 化学 ドイツ 66

Lite-On Technology Corpコンピューター・周辺機器および事務用電子機器 台湾 70

株式会社 LIXIL グループ 建設関連製品 日本 64

Lloyds Banking Group PLC 銀行 英国 61

Lockheed Martin Corp 航空宇宙・防衛 米国 56

London Stock Exchange Group PLC

多角的金融サービスおよび資本市場 英国 75

Lotte Shopping Co Ltd 小売 韓国 106

MAN SE 機械および電気設備 ドイツ 94

ManpowerGroup Inc 専門サービス 米国 103

Mapfre SA 保険 スペイン 90

Marks & Spencer Group PLC 小売 英国 106

丸紅株式会社 商社・流通業 日本 113

McDonald's Corp レストラン・レジャー設備 米国 105

McGraw Hill Financial Inc 多角的金融サービスおよび資本市場 米国 75

Mediclinic International Ltdヘルスケアプロバイダー・ヘルスケアサービス 南アフリカ 84

METRO AG 食品・生活必需品小売 ドイツ 80

Microsoft Corp ソフトウェア 米国 108

Mirvac Group 不動産 オーストラリア 104

三菱ケミカルホールディングス株式会社 化学 日本 66

三菱商事株式会社 商社・流通業 日本 113

三井物産株式会社 商社・流通業 日本 113

株式会社商船三井 運輸および運送インフラ 日本 114

Modern Times Group MTG AB メディア スウェーデン 95

MOL Hungarian Oil & Gas PLC 石油・ガス ハンガリー 98

Molson Coors Brewing Co 飲料 米国 62

Mondelez International Inc 食品 米国 81

Morgan Stanley 多角的金融サービスおよび資本市場 米国 75

RobecoSAM ゴールドクラス RobecoSAM シルバークラス RobecoSAM ブロンズクラス

Page 124: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

124 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

企業名 産業 国 RobecoSAM認定

RobecoSAM インダストリー リーダー

RobecoSAM インダストリー ムーバー

ページ

MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社 保険 日本 90

MTR Corp Ltd 運輸および運送インフラ 香港 114

Muenchener Rueckversicherungs- Gesellschaft AG in Muenchen

保険 ドイツ 90

ナブテスコ株式会社 機械および電気設備 日本 94

National Australia Bank Ltd 銀行 オーストラリア 61

Natura Cosmeticos SA パーソナル用品 ブラジル 101

日本電気株式会社 コンピューター・周辺機器および事務用電子機器 日本 70

Nedbank Group Ltd 銀行 南アフリカ 61

Neste Oyj 石油・ガス フィンランド 98

Nestle SA 食品 スイス 81

Netcare Ltdヘルスケアプロバイダー・ヘルスケアサービス 南アフリカ 84

Newmont Mining Corp 金属鉱業 米国 96

日本郵船株式会社 運輸および運送インフラ 日本 114

日産自動車株式会社 自動車 日本 60

Nokia OYJ 通信機器 フィンランド 69

Nokian Renkaat OYJ 自動車部品 フィンランド 59

野村ホールディングス株式会社 多角的金融サービスおよび資本市場 日本 75

Norsk Hydro ASA アルミ ノルウェー 58

Novartis AG 医薬品 スイス 102

Novo Nordisk A/S 医薬品 デンマーク 102

Novozymes A/S 化学 デンマーク 66

株式会社エヌ・ティ・ティ・データ 情報技術サービスおよびインターネットソフトウェア・サービス 日本 91

Oil Search Ltd 石油・ガス オーストラリア 98

オムロン株式会社 電子装置・機器・部品 日本 78

Orange SA 各種電気通信サービス フランス 110

OSRAM Licht AG 電気部品・設備 ドイツ 77

Outokumpu OYJ 鉄鋼 フィンランド 109

Outotec OYJ 建設・土木 フィンランド 71

Owens Corning 建設関連製品 米国 64

パナソニック株式会社 レジャー用品および民生用電子機器 日本 92

Pearson PLC メディア 英国 95

PepsiCo Inc 飲料 米国 62

Peugeot SA 自動車 フランス 60

Piraeus Bank SA 銀行 ギリシャ 61

Pirelli & C. SpA 自動車部品 イタリア 59

POSCO 鉄鋼 韓国 109

RobecoSAM ゴールドクラス RobecoSAM シルバークラス RobecoSAM ブロンズクラス

Page 125: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 125

企業名 産業 国 RobecoSAM認定

RobecoSAM インダストリー リーダー

RobecoSAM インダストリー ムーバー

ページ

PostNL NV 運輸および運送インフラ オランダ 114

Praxair Inc 化学 米国 66

Provident Financial PLC 多角的金融サービスおよび資本市場 英国 75

PTT Exploration & Production PCL

石油・ガス タイ 98

PTT Global Chemical PCL 化学 タイ 66

PTT PCL 石油・ガス タイ 98

Qantas Airways Ltd 旅客航空輸送業 オーストラリア 57

Quest Diagnostics Incヘルスケアプロバイダー・ヘルスケアサービス 米国 84

Rackspace Hosting Inc情報技術サービスおよびインターネットソフトウェア・サービス 米国 91

Randstad Holding NV 専門サービス オランダ 103

Reckitt Benckiser Group PLC 家庭用品 英国 88

Red Electrica Corp SA 電気 スペイン 76

RELX PLC メディア 英国 95

Rentokil Initial PLC 商業サービス・用品 英国 68

Repsol SA 石油・ガス スペイン 98

Rexam PLC 容器・包装 英国 73

Reynolds American Inc タバコ 米国 112

株式会社リコー コンピューター・周辺機器および事務用電子機器 日本 70

Rio Tinto PLC 金属鉱業 英国 96

Roche Holding AG 医薬品 スイス 102

Rolls-Royce Holdings PLC 航空宇宙・防衛 英国 56

Royal Bank of Scotland Group PLC

銀行 英国 61

Royal Dutch Shell PLC 石油・ガス オランダ 98

Royal Mail PLC 運輸および運送インフラ 英国 114

Samsung Electro-Mechanics Co Ltd

電子装置・機器・部品 韓国 78

Samsung Electronics Co Ltdコンピューター・周辺機器および事務用電子機器 韓国 70

Samsung Engineering Co Ltd 建設・土木 韓国 71

Samsung Fire & Marine Insurance Co Ltd

保険 韓国 90

Samsung Life Insurance Co Ltd 保険 韓国 90

Samsung SDI Co Ltd 電子装置・機器・部品 韓国 78

Samsung Securities Co Ltd 多角的金融サービスおよび資本市場 韓国 75

Sandvik AB 機械および電気設備 スウェーデン 94

Sanofi 医薬品 フランス 102

Santos Ltd 石油・ガス オーストラリア 98

RobecoSAM ゴールドクラス RobecoSAM シルバークラス RobecoSAM ブロンズクラス

Page 126: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

126 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

企業名 産業 国 RobecoSAM認定

RobecoSAM インダストリー リーダー

RobecoSAM インダストリー ムーバー

ページ

SAP SE ソフトウェア ドイツ 108

SBM Offishore NV エネルギー設備・サービス オランダ 79

Schneider Electric SE 電気部品・設備 フランス 77

積水化学工業株式会社 住宅建設 日本 85

積水ハウス株式会社 住宅建設 日本 85

Sempra Energy 総合公益事業および水道 米国 97

株式会社セブン&アイ・ホールディングス 食品・生活必需品小売 日本 80

SGS SA 専門サービス スイス 103

Shinhan Financial Group Co Ltd 銀行 韓国 61

Siam Cement PCL 建設資材 タイ 72

Siemens AG コングロマリット ドイツ 89

Sigma-Aldrich Corp 化学 米国 66

SK Holdings Co Ltd情報技術サービスおよびインターネットソフトウェア・サービス 韓国 91

SK Hynix Inc 半導体・半導体製造装置 韓国 107

SK Telecom Co Ltd 各種電気通信サービス 韓国 110

Skandinaviska Enskilda Banken AB

銀行 スウェーデン 61

SKF AB 機械および電気設備 スウェーデン 94

Sky PLC メディア 英国 95

Smith & Nephew PLC ヘルスケア機器・用品 英国 83

Snam SpA ガス イタリア 82

Societe Generale SA 銀行 フランス 61

Societe Television Francaise 1 メディア フランス 95

Sodexo SA レストラン・レジャー設備 フランス 105

S-Oil Corp 石油・ガス 韓国 98

Solvay SA 化学 ベルギー 66

損保ジャパン日本興亜ホールディングス株式会社 保険 日本 90

Sonoco Products Co 容器・包装 米国 73

Sonova Holding AG ヘルスケア機器・用品 スイス 83

Spectra Energy Corp 石油・ガス貯蔵・輸送 米国 99

Sprint Corp 各種電気通信サービス 米国 110

Standard Chartered PLC 銀行 英国 61

Standard Life PLC 保険 英国 90

Stanley Black & Decker Inc 機械および電気設備 米国 94

Star Entertainment Grp Ltd カジノ・ゲーム オーストラリア 65

Starbucks Corp レストラン・レジャー設備 米国 105

State Street Corp 多角的金融サービスおよび資本市場 米国 75

STMicroelectronics NV 半導体・半導体製造装置 スイス 107

RobecoSAM ゴールドクラス RobecoSAM シルバークラス RobecoSAM ブロンズクラス

Page 127: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 127

企業名 産業 国 RobecoSAM認定

RobecoSAM インダストリー リーダー

RobecoSAM インダストリー ムーバー

ページ

Stockland 不動産 オーストラリア 104

Stora Enso OYJ 紙製品・林産品 フィンランド 100

Storebrand ASA 保険 ノルウェー 90

Suez Environnement Co 総合公益事業および水道 フランス 97

住友商事株式会社 商社・流通業 日本 113

住友林業株式会社 住宅建設 日本 85

Svenska Cellulosa AB SCA 家庭用品 スウェーデン 88

Swedbank AB 銀行 スウェーデン 61

Swiss Re AG 保険 スイス 90

Swisscom AG 各種電気通信サービス スイス 110

Symantec Corp ソフトウェア 米国 108

Tabcorp Holdings Ltd カジノ・ゲーム オーストラリア 65

Taiwan Semiconductor Manufacturing Co Ltd

半導体・半導体製造装置 台湾 107

武田薬品工業株式会社 医薬品 日本 102

Tata Consultancy Services Ltd情報技術サービスおよびインターネットソフトウェア・サービス インド 91

Tata Steel Ltd 鉄鋼 インド 109

Tech Mahindra Ltd情報技術サービスおよびインターネットソフトウェア・サービス インド 91

Technip SA エネルギー設備・サービス フランス 79

Teck Resources Ltd 金属鉱業 カナダ 96

Telecom Italia SpA 各種電気通信サービス イタリア 110

Telefonica SA 各種電気通信サービス スペイン 110

Telenet Group Holding NV メディア ベルギー 95

TELUS Corp 各種電気通信サービス カナダ 110

Teradata Corp情報技術サービスおよびインターネットソフトウェア・サービス 米国 91

Terna Rete Elettrica Nazionale SpA

電気 イタリア 76

Thai Oil PCL 石油・ガス タイ 98

Thai Union Group PCL 食品 タイ 81

Thales SA 航空宇宙・防衛 フランス 56

東京海上ホールディングス株式会社 保険 日本 90

東京エレクトロン株式会社 半導体・半導体製造装置 日本 107

Toronto-Dominion Bank 銀行 カナダ 61

TOTAL SA 石油・ガス フランス 98

TOTO株式会社 建設関連製品 日本 64

トヨタ自動車株式会社 自動車 日本 60

TransCanada Corp 石油・ガス貯蔵・輸送 カナダ 99

Transurban Group 運輸および運送インフラ オーストラリア 114

RobecoSAM ゴールドクラス RobecoSAM シルバークラス RobecoSAM ブロンズクラス

Page 128: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

128 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

企業名 産業 国 RobecoSAM認定

RobecoSAM インダストリー リーダー

RobecoSAM インダストリー ムーバー

ページ

TUI AG ホテル・リゾート・クルーズ船 ドイツ 86

UBS Group AG 多角的金融サービスおよび資本市場 スイス 75

Unibail-Rodamco SE 不動産 フランス 104

UniCredit SpA 銀行 イタリア 61

Unilever NV 食品 オランダ 81

United Microelectronics Corp 半導体・半導体製造装置 台湾 107

United Parcel Service Inc 運輸および運送インフラ 米国 114

United Utilities Group PLC 総合公益事業および水道 英国 97

UnitedHealth Group Incヘルスケアプロバイダー・ヘルスケアサービス 米国 84

UPM-Kymmene OYJ 紙製品・林産品 フィンランド 100

Valmet OYJ 機械および電気設備 フィンランド 94

Veolia Environnement SA 総合公益事業および水道 フランス 97

Vinci SA 建設・土木 フランス 71

Volvo AB 機械および電気設備 スウェーデン 94

Walt Disney Co メディア 米国 95

Wartsila OYJ Abp 機械および電気設備 フィンランド 94

Wereldhave NV 不動産 オランダ 104

Wesfarmers Ltd 食品・生活必需品小売 オーストラリア 80

Westpac Banking Corp 銀行 オーストラリア 61

Weyerhaeuser Co 不動産 米国 104

Wipro Ltd情報技術サービスおよびインターネットソフトウェア・サービス インド 91

Wolters Kluwer NV メディア オランダ 95

Woodside Petroleum Ltd 石油・ガス オーストラリア 98

Woolworths Holdings Ltd/South Africa

小売 南アフリカ 106

Woolworths Ltd 食品・生活必需品小売 オーストラリア 80

WPP PLC メディア 英国 95

Wyndham Worldwide Corp ホテル・リゾート・クルーズ船 米国 86

Xerox Corp情報技術サービスおよびインターネットソフトウェア・サービス 米国 91

Xylem Inc/NY 機械および電気設備 米国 94

Zurich Insurance Group AG 保険 スイス 90

RobecoSAM ゴールドクラス RobecoSAM シルバークラス RobecoSAM ブロンズクラス

Page 129: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 129

RobecoSAMについてRobecoSAMは 1995 年に設立されたサステナビリティ投資に特化した投資のスペシャリストです。資産運用業務の他、各種インデックス、エンゲージメント(目的をもった対話)、議決権行使、影響分析、サステナビリティ評価、ベンチマーク作成サービスを提供しています。資産運用業務は資産保有者である機関投資家と金融機関を対象に、公開・未公開企業へのさまざまなESG(環境・社会・ガバナンス)統合投資を行っており、特に「資源の効率化」をテーマとする各種戦略で高い実績を誇ります。RobecoSAMは、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスとともに世界的に認められたダウジョーンズ・サステナビリティ・インデックス(DJSI)を発表しています。また、上場企業 2,900 社の ESGの取り組みを分析するコーポレートサステナビリティ評価を毎年実施し、それに基づいて財務上重要なサステナビリティ情報を集めた世界最大級の総合データベースを構築しています。

RobecoSAM は、世界的な専門資産運用会社である Robecoの子会社です。Robeco は 1929 年の設立で、現在、オリックス株式会社の一員としてグループの資産運用業務の中核的存在となっています。RobecoSAMは、持続可能な投資慣行を推進する立場から国連責任投資原則(UNPRI)に署名している他、Eurosif、ASrIA(アジア持続可能責任投資協会)、Ceres(環境に責任をもつ経済のための連合)のメンバーとなっています。本社はチューリヒにあり、およそ 130 人の専門家を擁しています。

RobecoSAMの学術活動RobecoSAMは、学術機関とのリサーチパートナーシップを進める積極的なアプローチを採用しています。こうした共同調査の目的は、豊富な知見と発想力でサステナビリティファイナンス業界をリードするRobecoSAMの地位をさらに強化するとともに、独自のデータベースの価値を生かし、サステナビリティを投資プロセスに統合するための先端的な手法を開発することです。この枠組みでは、有力な学術機関との広範囲な協働とスポンサーシップを重視しています。RobecoSAMは全てのリサーチ活動において、プロジェクトの設計、主管、監督で積極的な役割を果たしています。

この 1年、RobecoSAMは以下の学術機関と共同調査を実施しました。

• ハーバード・ビジネス・スクール、組織行動論ユニット(米国マサチューセッツ州ケンブリッジ)

• ハーバード・ケネディスクール・オブ・ガバメント(米国)および Foundation Strategy Group(米国)

• 香港技術大学(香港)• クイーンズランド大学(オーストラリア)• シエナ大学(イタリア)• ストラックライド大学(英国)

また、RobecoSAMのリサーチアナリストの多くは学界や業界との交流や実務経験があるため、担当する産業の業界関連団体のメンバーとなっています。

Page 130: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

130 • RobecoSAM • サステナビリティイヤーブック2016

PwC Japan についてPwC Japanは、日本におけるPwCグローバルネットワークのメンバーファームおよびそれらの関連会社(PwCあらた監査法人、京都監査法人、PwCコンサルティング合同会社、PwCアドバイザリー合同会社、PwC税理士法人PwC弁護士法人、PwCサステナビリティ合同会社を含む)の総称です。各法人は独立した別法人として事業を行っています。

複雑化・多様化する企業の経営課題に対し、PwC Japanでは、監査およびアシュアランス、コンサルティング、ディールアドバイザリー、 税務、そして法務における卓越した専門性を結集し、それらを有機的に協働させる体制を整えています。また、公認会計士、税理士、弁護士、その他専門スタッフ約5,000人を擁するプロフェッショナル・サービス・ネットワークとして、クライアントニーズにより的確に対応したサービスの提供に努めています。

PwCは、社会における信頼を築き、重要な課題を解決することをPurpose(存在意義)としています。私たちは、世界157カ国に及ぶグローバルネットワークに208,000人以上のスタッフを有し、高品質な監査、税務、アドバイザリーサービスを提供しています。

PwC Japanのサステナビリティサービスの詳細は、www.pwc.com/jp/sustainability/ をご覧ください。

Page 131: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

サステナビリティイヤーブック2016 • RobecoSAM • 131

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Page 132: RobecoSAM Yearbook 2016 japanese version

201620001997 22000000000 22000111166611997 222000

RobecoSAM AG ロベコ・ジャパン株式会社 Josefstrasse 218 〒100-0004 東京都千代田区大手町1-5-18005 Zurich, Switzerland 大手町ファーストスクエア ウエストタワー19階T +41 44 653 10 10 T 03-4589-5570F +41 44 653 10 80 F 03-4589-5579

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