research - 立命館大学...07 号 2009.3.30 立命館大学ボランティアセンター...

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07 2009.3.30 立命館大学ボランティアセンター ニューズレター 2009春ボランティアセンターに行こう! 学生コーディネーター活動報告 ぼららじ 「地域活性化ボランティア」の現場から 私のボランティア履歴書 4 2 5 6 8 p 2 R es e a r c h

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07号2009.3.30

立命館大学ボランティアセンター ニューズレター

2009春ボランティアセンターに行こう!

学生コーディネーター活動報告

ぼららじ

「地域活性化ボランティア」の現場から

私のボランティア履歴書

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8p2

Research

Page 2: Research - 立命館大学...07 号 2009.3.30 立命館大学ボランティアセンター ニューズレター 2009春ボランティアセンターに行こう!学生コーディネーター活動報告

夏季ボランティアガイダンス● 衣笠:Let's Summer Volunteer● BKC:Go!Go! ボランティア夏休みこそボランティア!国際協力、高齢者福祉、子ども・青少年、障害児・者など、多様な分野で活動している地域の団体・NPO・NGOの方々に来ていただきます。直接話が聞けるチャンスをお見逃しなく。■ 開催時期:7月頃

ボランティアを選ぶポイント

学生コーディネーターになろう!ボランティアセンターには、キャンパス周辺を中心とした地域のボランティアに関する情報が集まってきます。分野も福祉・環境・国際協力・地域づくりなどさまざま。まずは新着情報からチェックしてみましょう。「ボランティアははじめてでよく分からない・・・」という人も大丈夫。ボランティアコーディネーターや、トレーニングを受けた学生コーディネーターが相談を受け付けています。わからないこと、不安なこと、もっと活動を充実させたい!などなど何でも相談してみてください。

ボランティアセンターで探す

「ボラカフェ」はボランティアに興味・関心のある学生なら誰でも参加できる交流の場です。お茶とお菓子を楽しみながら、参加者同士でボランティア体験談を交換し合ったり、時には講師を招いて勉強会を開いたり。学部・回生・ボランティア経験の有無は問いません。気軽に参加してみてください。■ 開催:衣笠キャンパスボランティアセンター横 学生ルームにて

「ホップ・ステップ・ボランティア」 蛔関連記事P.4ボランティアに興味はあるけど、「参加するきっかけがない」、「一歩を踏み出せない」そんな人たちを対象に、ボランティアセンターでは「ボランティア体験プログラム」を実施しています。 

学内ボランティア系サークル合同ガイダンス(ぼらフェス)立命館大学には、たくさんのボランティア系サークルや団体があります。これらの団体が一同に会して活動紹介するのがこのガイダンス。ここでボランティアとの「出会い」を見つけませんか?■ 開催時期:6月頃

地域での活動と事前学習・事後学習を組み合わせた体験型科目です。12の個性豊かなプログラムでの活動を通して、地域社会の一員としての自覚と能力をはぐくみ、専門知識の応用的な理解を深めることを目標としています。 蛔関連記事P.6~7■ ガイダンス予定:4月中旬

ボランティアセンターでは、「学生のためのセンター」を目指して、学生コーディネーター(ボランティアセンター学生スタッフ)を配置しています。 学生コーディネーターは学生の目線から、ボランティア活動についての啓発・促進・情報発信を行ないます。 蛔関連記事P.4■ 募集時期:4月~5月 (9月にも募集されます。募集時期以外にも申し込みの相談は可能です)

ボランティア・地域活動コーディネーターとして地域課題を主体的に捉え、解決を目指して地域でのボランティア活動を企画・調整・支援するためのスキルを学びます。学生と社会人がともに学ぶ10単位パッケージのプログラムです。

「ボランティアを科学する」「ユニバーサル社会へのいざない」各自のテーマや問題関心に引き付けながら、地域での活動を通して社会課題を考えるゼミナール形式の科目です。詳細はシラバスでチェックしてください。

詳しい日程や場所は、時期が近づいたらWebでチェック!

ボランティアセンター ホームページ http://www.ritsumei.jp/vc/index_j.html

地域活動をとおして学ぼう!

ボランティアに参加してみよう!

運命のボランティアを見つけよう!

WHERE?●学校で・・・・・・・・・・・・・・・・・講義の要約筆記、留学生の支援、ボランティア

     サークルへの参加●施設(屋内)で・・・・・・・・・・・レクリエーションのお手伝い、話し相手●地域(屋外)で・・・・・・・・・・ 清掃活動、子どものキャンプリーダー、バザー

     やお祭り協力●国際的に・・・・・・・・・・・・・・・募金、文化交流、スタディツアーへの参加

WHEN?●休日などに一日のみ・・・・・単発のイベントの手伝いや、行事への参加●放課後に空いた時間で・・・施設や病院の訪問、児童館等で子どもと遊ぶ

●長期休暇期間中に・・・・・・・海外ボランティア

HOW?●人と関わって・・・・・・・・・高齢者、障害児・者、子ども、ホームレス、外国人

   などと関わる活動●特技を活かして・・・・・・・サークル部活動単位での地域活動、パソコン、語

   学などを活かした活動●体を動かして・・・・・・・・・・スポーツボランティア、子どもと関わる活動●専攻と関わって・・・・・・・・勉強している学問分野に関わる活動

地域活性化ボランティア

ボランティア体験プログラムに参加する

くわしくはボランティアセンターで相談を

学生コーディネーター

ボラカフェでネットワークを作る

教養ゼミナール

ガイダンスで探す

ボランティアコーディネーター養成プログラム

春です。新入生のみなさんはもちろんのこと、誰もが暖かくなった空気につられて、新しいことをしたくなる季節。そんなときには、ボランティアセンターに行ってみませんか?

2009・春

ボランティアセンターに行こう! 「ボランティアセンター開設科目」

02 03

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夏季ボランティアガイダンス● 衣笠:Let's Summer Volunteer● BKC:Go!Go! ボランティア夏休みこそボランティア!国際協力、高齢者福祉、子ども・青少年、障害児・者など、多様な分野で活動している地域の団体・NPO・NGOの方々に来ていただきます。直接話が聞けるチャンスをお見逃しなく。■ 開催時期:7月頃

ボランティアを選ぶポイント

学生コーディネーターになろう!ボランティアセンターには、キャンパス周辺を中心とした地域のボランティアに関する情報が集まってきます。分野も福祉・環境・国際協力・地域づくりなどさまざま。まずは新着情報からチェックしてみましょう。「ボランティアははじめてでよく分からない・・・」という人も大丈夫。ボランティアコーディネーターや、トレーニングを受けた学生コーディネーターが相談を受け付けています。わからないこと、不安なこと、もっと活動を充実させたい!などなど何でも相談してみてください。

ボランティアセンターで探す

「ボラカフェ」はボランティアに興味・関心のある学生なら誰でも参加できる交流の場です。お茶とお菓子を楽しみながら、参加者同士でボランティア体験談を交換し合ったり、時には講師を招いて勉強会を開いたり。学部・回生・ボランティア経験の有無は問いません。気軽に参加してみてください。■ 開催:衣笠キャンパスボランティアセンター横 学生ルームにて

「ホップ・ステップ・ボランティア」 蛔関連記事P.4ボランティアに興味はあるけど、「参加するきっかけがない」、「一歩を踏み出せない」そんな人たちを対象に、ボランティアセンターでは「ボランティア体験プログラム」を実施しています。 

学内ボランティア系サークル合同ガイダンス(ぼらフェス)立命館大学には、たくさんのボランティア系サークルや団体があります。これらの団体が一同に会して活動紹介するのがこのガイダンス。ここでボランティアとの「出会い」を見つけませんか?■ 開催時期:6月頃

地域での活動と事前学習・事後学習を組み合わせた体験型科目です。12の個性豊かなプログラムでの活動を通して、地域社会の一員としての自覚と能力をはぐくみ、専門知識の応用的な理解を深めることを目標としています。 蛔関連記事P.6~7■ ガイダンス予定:4月中旬

ボランティアセンターでは、「学生のためのセンター」を目指して、学生コーディネーター(ボランティアセンター学生スタッフ)を配置しています。 学生コーディネーターは学生の目線から、ボランティア活動についての啓発・促進・情報発信を行ないます。 蛔関連記事P.4■ 募集時期:4月~5月 (9月にも募集されます。募集時期以外にも申し込みの相談は可能です)

ボランティア・地域活動コーディネーターとして地域課題を主体的に捉え、解決を目指して地域でのボランティア活動を企画・調整・支援するためのスキルを学びます。学生と社会人がともに学ぶ10単位パッケージのプログラムです。

「ボランティアを科学する」「ユニバーサル社会へのいざない」各自のテーマや問題関心に引き付けながら、地域での活動を通して社会課題を考えるゼミナール形式の科目です。詳細はシラバスでチェックしてください。

詳しい日程や場所は、時期が近づいたらWebでチェック!

ボランティアセンター ホームページ http://www.ritsumei.jp/vc/index_j.html

地域活動をとおして学ぼう!

ボランティアに参加してみよう!

運命のボランティアを見つけよう!

WHERE?●学校で・・・・・・・・・・・・・・・・・講義の要約筆記、留学生の支援、ボランティア

     サークルへの参加●施設(屋内)で・・・・・・・・・・・レクリエーションのお手伝い、話し相手●地域(屋外)で・・・・・・・・・・ 清掃活動、子どものキャンプリーダー、バザー

     やお祭り協力●国際的に・・・・・・・・・・・・・・・募金、文化交流、スタディツアーへの参加

WHEN?●休日などに一日のみ・・・・・単発のイベントの手伝いや、行事への参加●放課後に空いた時間で・・・施設や病院の訪問、児童館等で子どもと遊ぶ

●長期休暇期間中に・・・・・・・海外ボランティア

HOW?●人と関わって・・・・・・・・・高齢者、障害児・者、子ども、ホームレス、外国人

   などと関わる活動●特技を活かして・・・・・・・サークル部活動単位での地域活動、パソコン、語

   学などを活かした活動●体を動かして・・・・・・・・・・スポーツボランティア、子どもと関わる活動●専攻と関わって・・・・・・・・勉強している学問分野に関わる活動

地域活性化ボランティア

ボランティア体験プログラムに参加する

くわしくはボランティアセンターで相談を

学生コーディネーター

ボラカフェでネットワークを作る

教養ゼミナール

ガイダンスで探す

ボランティアコーディネーター養成プログラム

春です。新入生のみなさんはもちろんのこと、誰もが暖かくなった空気につられて、新しいことをしたくなる季節。そんなときには、ボランティアセンターに行ってみませんか?

2009・春

ボランティアセンターに行こう! 「ボランティアセンター開設科目」

02 03

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学生コーディネーター活動報告ボランティア体験プログラム「ホップ・ステップ・ボランティア」を開催しました

衣笠キャンパス

2008年12月6日踞・・・・・・・・・・・事前オリエンテーション      12日踞・13日跣・・・ボランティア体験

 「ボランティアをはじめたいけど1人では不安・・」、「実際にボランティア活動をしようという一歩が踏み出せない」そんな声に応え、少しでも多くの学生に「ボランティア」を知って、見て、実際にボランティア体験をし、これからの活動につなげてもらいたい、との目的で生まれたのがこの体験プログラムです。

実施日 21名参加者

環 境:京エコロジーセンター障害者:京都市西陣児童館国 際:京都市伏見青少年活動センター子ども:京都市吉田児童館、山科醍醐こどものひろば高齢者:高齢者福祉施設 紫野

協力していただいた団体

BKC

11月下旬~12月上旬実施日 8名参加者

障害児支援:栗東市サマーホリデー親の会子育て支援:子育て研究会環境・地域:蒲生野考現倶楽部高齢者・パソコン:シニアネット

協力していただいた団体

 ほのかに暖かさが残る2008年12月、衣笠キャンパスにて、ボランティア体験プログラム「ホップ・ステップ・ボランティア」が開催されました。今年度は、昨年度よりも分野数を増やすことで、より学生たちの興味・関心に沿ったボランティアを体験してもらうことを目指しました。 体験当日1週間前の12月6日、事前オリエンテーションを実施し、ボランティアに関するレクチャーや、活動先別での注意事項の説明、そして懇親会を開きました。初めは緊張していた参加者も、学生コーディネーターや各団体の職員の方とのアットホームな雰囲気にすっかり溶け込み、体験前の良いアイスブレイクとなったようです。 そして迎えた体験当日―。我々学生コーディネーターも朝から気合を入れ、参加者とともに各団体先でボランティア体験に向かいました。子どもたちと町探検に行ったり、外国の方とクリスマスパーティーを開いたりと、各ボランティア先で、様々な出会い・発見があり、1人1人が、貴重なボランティアの一歩を踏み出しました。本当に楽しそうな姿が多く目に映り、我々もやって良かった、とつい笑みがこぼれました。 とても口だけでは語りきれないボランティア活動を、今後どのように発信するかが我々の課題である中、今回のプログラムを通して、我々の思いが学生へ還元されたことを直に実感でき、喜びを感じました。より多くの学生がボランティアをはじめるきっかけづくりに、これからも積極的に取り組んでいきたいと思います。                              (衣笠学生コーディネーター 児玉 真里)

 このプログラムでは、ただボランティアを紹介するだけでなく、事前学習、オリエンテーション、ボランティア1日体験、事後学習の4部構成として、参加者にとってより意義あるボランティア体験プログラムとなるようにしました。 まず、ボランティア体験先の4団体の中から、希望するボランティア体験を選んでもらうところから始まります。その後、事前学習で、親睦を深めるために参加者同士で自己紹介をしたり、プログラムでの目標を設定したり、お互いのボランティアに対するイメージを共有するためのグループワークをBKCで行いました。また、その後に行われたオリエンテーションではボランティア受け入れ団体の方をお招きして、活動紹介や注意事項の説明を聞き、当日の活動内容を理解することで、ボランティアに臨みやすい環境作りをしました。ボランティア1日体験では、事前に選んでもらったボラ

ンティア団体のイベントに1日参加して、ボランティアがどういったものかを実際に体験してもらいました。そして、事後学習として体験終了後に、現地で学生コーディネーターと一緒に今までの振り返りやボランティアをしての感想などを話し合い、後日、このプログラムを通して得られたものを整理してフィードバックしてもらうためのアンケートを書いてもらいました。 受け入れ団体の方たちに親切にしていただき、学生同士も仲良く、良い雰囲気の中でイベントが行われました。そして、参加した学生たちからは「今回の体験でボランティアのイメージがはっきりと分かった」「自己成長という見返りがあることに気付いた」「ボランティアは『人の為に何かしてあげる』ではなくて、『人の為に何かをさせてもらう』が正しいと気づいた」「責任感、達成感を感じることができた」といった感想を頂き、このプログラムを通して多くのこと感じ取ってもらえたようです。このボランティア入門講座に参加してくれた学生全員がこれからもボランティアをしたいと答えてくれました。                               (BKC学生コーディネーター 濱辺 浩司)

ぼららじ

☆「ぼららじ」の活動を振り返って☆

「ボランティアラジオ」の略で、毎週ボランティアを紹介するラジオ番組です。産業社会学部 坂田ゼミの学生が中心となって企画・取材・編集・収録を行っています。 ぼららじスタッフは下記のグループに分かれて交代で番組を担当しています。   ・チームルーキー    ・ブルースチーム   ・ぼらじチーム     ・パニック☆チーム

ぼららじとは

 文部科学省の現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)「地域

活性化ボランティア教育の深化と発展」から生まれた「ボランティア・ラ

ジオ(以下「ぼららじ」)」は、いったん活動を休止した。2005年12月5日

から放送を開始した「ぼららじ」は、まる4年経過した2009年12月29

日の放送まで、150回を超えるボランティア情報を地域に発信してきた。

 ボランティアに関する情報をラジオ番組という形で提供したのは、

おそらくあまり例がないだろう。ボランティアは「実践」することに重

点があり、多くの場合ボランティア情報とは「ボランティアを求めて

いる」情報を意味していたからだ。それであれば、いつでも入手可能な

チラシや掲示板の方が、おそらくピンポイントの情報が入手できるし、

機能的であろう。しかし、「ぼららじ」はそうではなく、ボランティアに関

する知識やボランティア活動をしている方々の生の声を届けることで、

ボランティアへの知識を広め、理解を深めるお手伝いをしようと思っ

たのだ。その結果、ボランティアへの興味や、活動への参加を促し、ひいては地域の活性化につなげようとしたのである。

 この4年間の放送は、学生たちの努力の賜であり、立派なボランティア活動だった。最初は、正直なところここまで学生が

自主的に集まってくるとは思っていなかった。坂田ゼミの学生以外にも多くの学生が参加を希望し、産業社会学部を中心に

文学部、政策科学部の学生も参加してくれた。そして、一時はBKCの学生も参加してくれたのだ。これほどまでにボランティ

ア情報をラジオで発信することは魅力的であり、そこには声だけで伝えるラジオというメディアの力(ちから)も大きかった

のだろう。ボランティア活動の内容を正確に伝えるのであれば、映像の方が勝っている。しかし、ボランティアには、なぜそ

れを行うのか、誰に対して行うのか。そして、自分にとってそのボランティアはどのような意味を持つのかを「想像」するこ

とが重要なのではないだろうか。だからこそ、ラジオというメディアが大きな役割を果たしたのではないだろうか。

 2008年度で現代GPが終了した後、「ぼららじ」をどのように継続

させようかと思い悩んだ。学生たちは継続して参加する意思を示して

くれたので、後は番組制作に必要な経費をどこから捻出するかだった。

あれこれ可能性を探ってみたが、最終的には産業社会学部の企画研究

という、教員提案型の授業として存続させることにした。産業社会学

部の学生以外も参加することは可能だが、学部独自の科目のために、

残念ながら単位は認定されない。内容は、今一度原点に立ち返ること

にした。ボランティアとは何かをまず学び、それをベースにしてボラ

ンティア団体の取材を行い、ラジオ番組を制作する。そして、自らも何

らかのボランティア体験を実践し、知識と実践から得た「何か」を基礎

として、ボランティア情報を伝える番組を作るのだ。

 この記事を読んでもし興味をもったのなら、ぜひ参加して

はどうだろうか。産業社会学部生以外でも参加は可能なので、

坂田([email protected])まで問い合わせをして

ほしい。「ぼららじ」の活動は、まだまだこれからも続けてい

く予定だ。                      

             (産業社会学部教授 坂田 謙司)

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学生コーディネーター活動報告ボランティア体験プログラム「ホップ・ステップ・ボランティア」を開催しました

衣笠キャンパス

2008年12月6日踞・・・・・・・・・・・事前オリエンテーション      12日踞・13日跣・・・ボランティア体験

 「ボランティアをはじめたいけど1人では不安・・」、「実際にボランティア活動をしようという一歩が踏み出せない」そんな声に応え、少しでも多くの学生に「ボランティア」を知って、見て、実際にボランティア体験をし、これからの活動につなげてもらいたい、との目的で生まれたのがこの体験プログラムです。

実施日 21名参加者

環 境:京エコロジーセンター障害者:京都市西陣児童館国 際:京都市伏見青少年活動センター子ども:京都市吉田児童館、山科醍醐こどものひろば高齢者:高齢者福祉施設 紫野

協力していただいた団体

BKC

11月下旬~12月上旬実施日 8名参加者

障害児支援:栗東市サマーホリデー親の会子育て支援:子育て研究会環境・地域:蒲生野考現倶楽部高齢者・パソコン:シニアネット

協力していただいた団体

 ほのかに暖かさが残る2008年12月、衣笠キャンパスにて、ボランティア体験プログラム「ホップ・ステップ・ボランティア」が開催されました。今年度は、昨年度よりも分野数を増やすことで、より学生たちの興味・関心に沿ったボランティアを体験してもらうことを目指しました。 体験当日1週間前の12月6日、事前オリエンテーションを実施し、ボランティアに関するレクチャーや、活動先別での注意事項の説明、そして懇親会を開きました。初めは緊張していた参加者も、学生コーディネーターや各団体の職員の方とのアットホームな雰囲気にすっかり溶け込み、体験前の良いアイスブレイクとなったようです。 そして迎えた体験当日―。我々学生コーディネーターも朝から気合を入れ、参加者とともに各団体先でボランティア体験に向かいました。子どもたちと町探検に行ったり、外国の方とクリスマスパーティーを開いたりと、各ボランティア先で、様々な出会い・発見があり、1人1人が、貴重なボランティアの一歩を踏み出しました。本当に楽しそうな姿が多く目に映り、我々もやって良かった、とつい笑みがこぼれました。 とても口だけでは語りきれないボランティア活動を、今後どのように発信するかが我々の課題である中、今回のプログラムを通して、我々の思いが学生へ還元されたことを直に実感でき、喜びを感じました。より多くの学生がボランティアをはじめるきっかけづくりに、これからも積極的に取り組んでいきたいと思います。                              (衣笠学生コーディネーター 児玉 真里)

 このプログラムでは、ただボランティアを紹介するだけでなく、事前学習、オリエンテーション、ボランティア1日体験、事後学習の4部構成として、参加者にとってより意義あるボランティア体験プログラムとなるようにしました。 まず、ボランティア体験先の4団体の中から、希望するボランティア体験を選んでもらうところから始まります。その後、事前学習で、親睦を深めるために参加者同士で自己紹介をしたり、プログラムでの目標を設定したり、お互いのボランティアに対するイメージを共有するためのグループワークをBKCで行いました。また、その後に行われたオリエンテーションではボランティア受け入れ団体の方をお招きして、活動紹介や注意事項の説明を聞き、当日の活動内容を理解することで、ボランティアに臨みやすい環境作りをしました。ボランティア1日体験では、事前に選んでもらったボラ

ンティア団体のイベントに1日参加して、ボランティアがどういったものかを実際に体験してもらいました。そして、事後学習として体験終了後に、現地で学生コーディネーターと一緒に今までの振り返りやボランティアをしての感想などを話し合い、後日、このプログラムを通して得られたものを整理してフィードバックしてもらうためのアンケートを書いてもらいました。 受け入れ団体の方たちに親切にしていただき、学生同士も仲良く、良い雰囲気の中でイベントが行われました。そして、参加した学生たちからは「今回の体験でボランティアのイメージがはっきりと分かった」「自己成長という見返りがあることに気付いた」「ボランティアは『人の為に何かしてあげる』ではなくて、『人の為に何かをさせてもらう』が正しいと気づいた」「責任感、達成感を感じることができた」といった感想を頂き、このプログラムを通して多くのこと感じ取ってもらえたようです。このボランティア入門講座に参加してくれた学生全員がこれからもボランティアをしたいと答えてくれました。                               (BKC学生コーディネーター 濱辺 浩司)

ぼららじ

☆「ぼららじ」の活動を振り返って☆

「ボランティアラジオ」の略で、毎週ボランティアを紹介するラジオ番組です。産業社会学部 坂田ゼミの学生が中心となって企画・取材・編集・収録を行っています。 ぼららじスタッフは下記のグループに分かれて交代で番組を担当しています。   ・チームルーキー    ・ブルースチーム   ・ぼらじチーム     ・パニック☆チーム

ぼららじとは

 文部科学省の現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)「地域

活性化ボランティア教育の深化と発展」から生まれた「ボランティア・ラ

ジオ(以下「ぼららじ」)」は、いったん活動を休止した。2005年12月5日

から放送を開始した「ぼららじ」は、まる4年経過した2009年12月29

日の放送まで、150回を超えるボランティア情報を地域に発信してきた。

 ボランティアに関する情報をラジオ番組という形で提供したのは、

おそらくあまり例がないだろう。ボランティアは「実践」することに重

点があり、多くの場合ボランティア情報とは「ボランティアを求めて

いる」情報を意味していたからだ。それであれば、いつでも入手可能な

チラシや掲示板の方が、おそらくピンポイントの情報が入手できるし、

機能的であろう。しかし、「ぼららじ」はそうではなく、ボランティアに関

する知識やボランティア活動をしている方々の生の声を届けることで、

ボランティアへの知識を広め、理解を深めるお手伝いをしようと思っ

たのだ。その結果、ボランティアへの興味や、活動への参加を促し、ひいては地域の活性化につなげようとしたのである。

 この4年間の放送は、学生たちの努力の賜であり、立派なボランティア活動だった。最初は、正直なところここまで学生が

自主的に集まってくるとは思っていなかった。坂田ゼミの学生以外にも多くの学生が参加を希望し、産業社会学部を中心に

文学部、政策科学部の学生も参加してくれた。そして、一時はBKCの学生も参加してくれたのだ。これほどまでにボランティ

ア情報をラジオで発信することは魅力的であり、そこには声だけで伝えるラジオというメディアの力(ちから)も大きかった

のだろう。ボランティア活動の内容を正確に伝えるのであれば、映像の方が勝っている。しかし、ボランティアには、なぜそ

れを行うのか、誰に対して行うのか。そして、自分にとってそのボランティアはどのような意味を持つのかを「想像」するこ

とが重要なのではないだろうか。だからこそ、ラジオというメディアが大きな役割を果たしたのではないだろうか。

 2008年度で現代GPが終了した後、「ぼららじ」をどのように継続

させようかと思い悩んだ。学生たちは継続して参加する意思を示して

くれたので、後は番組制作に必要な経費をどこから捻出するかだった。

あれこれ可能性を探ってみたが、最終的には産業社会学部の企画研究

という、教員提案型の授業として存続させることにした。産業社会学

部の学生以外も参加することは可能だが、学部独自の科目のために、

残念ながら単位は認定されない。内容は、今一度原点に立ち返ること

にした。ボランティアとは何かをまず学び、それをベースにしてボラ

ンティア団体の取材を行い、ラジオ番組を制作する。そして、自らも何

らかのボランティア体験を実践し、知識と実践から得た「何か」を基礎

として、ボランティア情報を伝える番組を作るのだ。

 この記事を読んでもし興味をもったのなら、ぜひ参加して

はどうだろうか。産業社会学部生以外でも参加は可能なので、

坂田([email protected])まで問い合わせをして

ほしい。「ぼららじ」の活動は、まだまだこれからも続けてい

く予定だ。                      

             (産業社会学部教授 坂田 謙司)

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 受講生がボランティア活動を通して地域に貢献し、地域社会の一員としての自覚と能力を育み、専門知識の応用的な理解を深めることを目標とした正課の授業です。各プログラムは、京都府・滋賀県の行政・公的機関・NPO、地域組織などと協定を締結して行っています。

地域活性化ボランティアとは

●環境保全と伝統文化:百人一首のふるさと、小倉山復活プログラム●「こどもがつくるまち」サポートプログラム●地域資源活用、交流デザイン、情報発信で農山村の活性化に挑む●あなたも京都伝統文化継承の担い手になれる!時代祭応援プログラム●コンテンツ産業最先端!「太秦戦国祭り」による太秦地域映像産業活性化プログラム

●障害のある子どもの放課後地域活動「わくわくクラブ」●あなたも舞台のプロデューサー!県民創作ミュージカル制作プログラム●「沖島ふるさと絵図」づくりによる地域活性化プロジェクト●里山保全!間伐材を使った夏祭りと遊歩道の整備で地域と連携しよう●都市と農村の共生:笹葺き古民家再生プログラム      

「地域活性化ボランティア」の現場から

地域資源活用、交流デザイン、情報発信で農山村の活性化に挑む

 受入先の方へのインタビューでは、「“地域を美しくしたい”、“環境を守りながら、子どもたちが森の中で楽しく遊べる場を作りたい”という思いでこの活動をしています。作業が膨大にあり、やってもやってもきりがないという大変さもありますが、成果が見えたときは本当に楽しいです。竹炭がうまく作れるようになったことがその1つで、以前は16時間もかかっていたのを8時間でできるようになり、また、自分達が作った竹炭が売れたときはすごくうれしかったです。」というコメントをいただきました。                        (生命科学部1回生 森 美穂)

 僕自身、里山保全という活動にはとても興味があり、このプログラムには絶対参加したいと思っていました。自分の興味のあることで、ボランティアが出来る。しかも、学校の授業の一環ということで、僕にとっては最高のプログラムでした。実際、山に入っての活動は正直大変でした。しかし、その大変さ以上に、学年や学部の違うメンバーと一緒に知恵を絞って話し合い、1つの形として残るものを作れたときの達成感は、大変さをはるかに上回るほど大変充実して楽しかったです。しかもこのような感覚は普通の大学生活ではなかなか味わうことのできない貴重な経験だったと思います。とても良い刺激になりました。出来ることなら、これからも何らかの形でこの牟礼山に関わっていきたいと思いました。このように、この活動を通して多くの人がボランティアに興味を持ってもらえれば良いなと思いました。                         (生命科学部1回生 藤原 幹大)

 大学生最後の年に今までと違う活動をやってみようと思い、地域活性化ボランティアプログラムに参加しました。今回、わくわくクラブでの参加者は私ひとりでしたが、現場では子どもたち、保護者、先生、地域の方とにぎやかで、とても楽しく活動できました。私はこれまで障害のある子どもさんと交流する機会がなく、単独で何らかの活動に参加することや企画を考えて実行することがなかったので最初はとても戸惑いました。しかし、この地域活性化ボランティアに関わる方々に多くのアドバイスをいただき、その協力のおかげで無事活動を終えることができました。このようにひとりでも楽しく活動できたので、なにか活動をやってみたいと思う方にはぜひわくわくクラブに参加していただきたいです。 今回実際に地域活動に参加することで地域の人々や地域の課題を肌で感じることができ、また、人と人のつながりの大切さやコミュニケーションにおける相手理解の大切さについて考えるきっかけにもなりました。障害のある子どもとコミュニケーションをとることは私にとって容易なことではなく、戸惑うことも多々あったのですが、回数を重ね、彼らについて理解が深まるうちに戸惑うことも少なくなりました。普段あまり人のつながりの大切さなど意識することがなかったのですが、この体験を通して改めて考えることができ、コミュニケーションにおける相手理解の大切さは教訓にもなりました。 地域活性化ボランティアに参加することで大学の他の学部生や地域の人々など多くの人と関わることができ、貴重な体験をすることができました。大学生は地域の方々と関わる機会が少ないと思いますが、このような活動に参加することでさまざまな地域の人々と関わることができ、そこで新たな発見や気づきが得られると思います。今までこのようなボランティアに参加したことのない方でなにか新しくチャレンジしたいと思っている方はぜひこの活動に参加してみてほしいです。

(法学部4回生 林田 安岐子)

『京都議定書発祥の地から、持続可能な社会の重要性を発信する』

 最初は「全国でも珍しい笹葺き屋根の家に笹を挿せる=自分の功績が国定公園の中に残り続ける!」という子供じみた野心から参加しました。けれど活動を続ける間に、自分たちの活動がいかに重要な意味を持つかを考えさせられました。そして最後には、単なる野心が里山の大切さを伝えていきたいという「使命」へと変わりました。その直接のきっかけとなった、受け入れ団体の担当者である松田さんのお話を紹介します。 松田さんは仕事の傍ら何年間も里山保全に尽力されてきた方で、僕たちの活動を指揮してくださいました。忙しいのにも関わらずこの活動を続けられている理由として、松田さんは「多くの人とつながり続けることで里山の大切さを伝えられる。そして多くの人が里山に関心を持つ続けることが、長い目で見るとこの地域の活性化につながる」とおっしゃっていました。 感動したのは「里山は日本のセーフティネット」だとおっしゃられたことです。もしライフラインが機能しなくなり、貿易も滞ってしまったとすると、都会では生活が立ち行かなくなります。しかし里山がある場所では一年ぐらいは生活できます。その意味で里山は日本のセーフティネットと呼べ、その里山がなくなっているということは日本が崩壊しかかっているということでもあります。さらに里山での生活は循環型の持続可能な生活といえます。燃料に使う木も、食材に使う植物も、屋根に使う笹も、人が適度に手を加えることで再生します。今地球上で叫ばれている持続可能な社会の成功例として、里山での生活は注目に値し、日本が世界に誇るべき遺産だといえます。 以上の話を聞いて里山を守ることは単なる生態系保護に留まらず、僕たちの生活そのものに直結しているんだなと感じました。

(経済学部3回生 五島 拓人)

6号に引き続き、受講生に、活動を通して感じたことや、受け入れ先の団体の方・関係者の方からお話を伺って感じたことをまとめてもらいました。

2008年度実施プログラム

 綾部市は京都市から車で2時間程度走ると到着できる近さの割には、わたしたちが訪れた集落は京都市とは似つかない大自然に囲まれたところでありました。周りを山々に囲まれて、とてものどかな集落です。現在その集落は、65歳以上の高齢者が住民の過半数を占めているという、いわゆる「限界集落」です。私達がお世話になったNPOの「里山ねっと・あやべ」は、廃校になった小学校を改装した建物を拠点として活動しています。このNPOは「里山・農村部の魅力を市内外にPR、都市農村交流や第二の人生の場としての綾部定住化を促進し、21世紀の綾部の可能性を拓く」ことを目的とし、具体的には一般の人々に対して宿を提供し、パン作り・竹炭作りなどの活動を行っています。 私達はこのNPOを通じて地元の団体のお手伝いをしました。特に印象的だったのが、「志賀郷さくらの会」です。この団体は、里の共有林に山桜を植える活動をしており、そこは「後世に残る桜の名所づくりモデル事業」に指定されています。 地元の方々は限界集落ということに未来を諦めているということは全くなく、夢や目標を持って、とても精力的に活動しておられました。私達は桜や畑の除草活動や竹林の間伐などのお手伝いをさせていただきました。そこで何よりも強く感じたのが少子高齢化の現実です。実際そこで出会う人々は高齢の方ばかりで、若い人達に会うことができませんでした。またその中でやる活動も大変で、炎天下での除草作業はとてもしんどく、これらを高齢者の方々だけでやっていることにも驚かされました。ただ活動の休憩時間に飲んだお茶の美味しさや、地元の方々に「春になったら桜を見にまたおいで」と言っていただいたので、それを見ることへの期待で心がふくらんでいます。 (産業社会部2回生 中越 健太)

 私は古都の歴史や文化の伝承を体感したいと思い、時代祭プログラムに参加した。プログラムの受講生は、行列の先頭を歩く、唯一の鼓笛隊である維新勤王隊のもとで活動した。私は活動を始めるにあたり、積極的に多くの人と話すという目標を立てた。写真撮影や口承情報の記録を担当していたため、時代祭を支える人々の自然な姿や、より正確な情報を記録したいと考えたからである。また何よりも、本来あるべき人間の関わりを再確認したかったのだ。 維新勤王隊を支えるのは、今年初めて隊士となる学生から、半世紀関わってきた経験のある指導員や相談員の方まで多様だ。私は隊士の楽器練習に通う事を、とりわけ楽しみにしていた。彼らの演奏に惹かれ、小太鼓のばちを取らずにはいられなかった私は、今年入隊した学生たちの隅や、体育館の側で独特の楽譜と格闘した。「こんな事をするボランティア生は、君が初めてだ」と、隊に加わることの出来ない私に指南していただいた。リズムを口ずさんだり、演奏している楽譜箇所を指で追ったり、暗号のような楽譜の法則を記したメモをつくり教えてくださったりと、多くの方から温かい手が差し伸べられた。そして時には体験談や時代祭への想いなどを聞き、多くを学んだ。日々流動する厖大な情報の中で、伝承され続ける文化をそこに見たのだ。 私は活動に参加し、伝統を継承する人々の時代祭と歴史への愛情と誇りを、深く感じた。国際化や情報社会である今こそ、自国の歴史や文化を見つめ直す必要があるのではないだろうか。雄大な人類の流れを感じ、笑顔と共に、私も日本の伝統を受け継いでいきたい。                     (文学研究科1回生 安木 美帆)

里山保全!間伐材を使った夏祭りと遊歩道の整備で地域と連携しよう

障害のある子どもの放課後地域活動「わくわくクラブ」

あなたも京都伝統文化継承の担い手になれる!時代祭応援プログラム

都市と農村の共生:笹葺き古民家再生プログラム

06 07

Page 7: Research - 立命館大学...07 号 2009.3.30 立命館大学ボランティアセンター ニューズレター 2009春ボランティアセンターに行こう!学生コーディネーター活動報告

 受講生がボランティア活動を通して地域に貢献し、地域社会の一員としての自覚と能力を育み、専門知識の応用的な理解を深めることを目標とした正課の授業です。各プログラムは、京都府・滋賀県の行政・公的機関・NPO、地域組織などと協定を締結して行っています。

地域活性化ボランティアとは

●環境保全と伝統文化:百人一首のふるさと、小倉山復活プログラム●「こどもがつくるまち」サポートプログラム●地域資源活用、交流デザイン、情報発信で農山村の活性化に挑む●あなたも京都伝統文化継承の担い手になれる!時代祭応援プログラム●コンテンツ産業最先端!「太秦戦国祭り」による太秦地域映像産業活性化プログラム

●障害のある子どもの放課後地域活動「わくわくクラブ」●あなたも舞台のプロデューサー!県民創作ミュージカル制作プログラム●「沖島ふるさと絵図」づくりによる地域活性化プロジェクト●里山保全!間伐材を使った夏祭りと遊歩道の整備で地域と連携しよう●都市と農村の共生:笹葺き古民家再生プログラム      

「地域活性化ボランティア」の現場から

地域資源活用、交流デザイン、情報発信で農山村の活性化に挑む

 受入先の方へのインタビューでは、「“地域を美しくしたい”、“環境を守りながら、子どもたちが森の中で楽しく遊べる場を作りたい”という思いでこの活動をしています。作業が膨大にあり、やってもやってもきりがないという大変さもありますが、成果が見えたときは本当に楽しいです。竹炭がうまく作れるようになったことがその1つで、以前は16時間もかかっていたのを8時間でできるようになり、また、自分達が作った竹炭が売れたときはすごくうれしかったです。」というコメントをいただきました。                        (生命科学部1回生 森 美穂)

 僕自身、里山保全という活動にはとても興味があり、このプログラムには絶対参加したいと思っていました。自分の興味のあることで、ボランティアが出来る。しかも、学校の授業の一環ということで、僕にとっては最高のプログラムでした。実際、山に入っての活動は正直大変でした。しかし、その大変さ以上に、学年や学部の違うメンバーと一緒に知恵を絞って話し合い、1つの形として残るものを作れたときの達成感は、大変さをはるかに上回るほど大変充実して楽しかったです。しかもこのような感覚は普通の大学生活ではなかなか味わうことのできない貴重な経験だったと思います。とても良い刺激になりました。出来ることなら、これからも何らかの形でこの牟礼山に関わっていきたいと思いました。このように、この活動を通して多くの人がボランティアに興味を持ってもらえれば良いなと思いました。                         (生命科学部1回生 藤原 幹大)

 大学生最後の年に今までと違う活動をやってみようと思い、地域活性化ボランティアプログラムに参加しました。今回、わくわくクラブでの参加者は私ひとりでしたが、現場では子どもたち、保護者、先生、地域の方とにぎやかで、とても楽しく活動できました。私はこれまで障害のある子どもさんと交流する機会がなく、単独で何らかの活動に参加することや企画を考えて実行することがなかったので最初はとても戸惑いました。しかし、この地域活性化ボランティアに関わる方々に多くのアドバイスをいただき、その協力のおかげで無事活動を終えることができました。このようにひとりでも楽しく活動できたので、なにか活動をやってみたいと思う方にはぜひわくわくクラブに参加していただきたいです。 今回実際に地域活動に参加することで地域の人々や地域の課題を肌で感じることができ、また、人と人のつながりの大切さやコミュニケーションにおける相手理解の大切さについて考えるきっかけにもなりました。障害のある子どもとコミュニケーションをとることは私にとって容易なことではなく、戸惑うことも多々あったのですが、回数を重ね、彼らについて理解が深まるうちに戸惑うことも少なくなりました。普段あまり人のつながりの大切さなど意識することがなかったのですが、この体験を通して改めて考えることができ、コミュニケーションにおける相手理解の大切さは教訓にもなりました。 地域活性化ボランティアに参加することで大学の他の学部生や地域の人々など多くの人と関わることができ、貴重な体験をすることができました。大学生は地域の方々と関わる機会が少ないと思いますが、このような活動に参加することでさまざまな地域の人々と関わることができ、そこで新たな発見や気づきが得られると思います。今までこのようなボランティアに参加したことのない方でなにか新しくチャレンジしたいと思っている方はぜひこの活動に参加してみてほしいです。

(法学部4回生 林田 安岐子)

『京都議定書発祥の地から、持続可能な社会の重要性を発信する』

 最初は「全国でも珍しい笹葺き屋根の家に笹を挿せる=自分の功績が国定公園の中に残り続ける!」という子供じみた野心から参加しました。けれど活動を続ける間に、自分たちの活動がいかに重要な意味を持つかを考えさせられました。そして最後には、単なる野心が里山の大切さを伝えていきたいという「使命」へと変わりました。その直接のきっかけとなった、受け入れ団体の担当者である松田さんのお話を紹介します。 松田さんは仕事の傍ら何年間も里山保全に尽力されてきた方で、僕たちの活動を指揮してくださいました。忙しいのにも関わらずこの活動を続けられている理由として、松田さんは「多くの人とつながり続けることで里山の大切さを伝えられる。そして多くの人が里山に関心を持つ続けることが、長い目で見るとこの地域の活性化につながる」とおっしゃっていました。 感動したのは「里山は日本のセーフティネット」だとおっしゃられたことです。もしライフラインが機能しなくなり、貿易も滞ってしまったとすると、都会では生活が立ち行かなくなります。しかし里山がある場所では一年ぐらいは生活できます。その意味で里山は日本のセーフティネットと呼べ、その里山がなくなっているということは日本が崩壊しかかっているということでもあります。さらに里山での生活は循環型の持続可能な生活といえます。燃料に使う木も、食材に使う植物も、屋根に使う笹も、人が適度に手を加えることで再生します。今地球上で叫ばれている持続可能な社会の成功例として、里山での生活は注目に値し、日本が世界に誇るべき遺産だといえます。 以上の話を聞いて里山を守ることは単なる生態系保護に留まらず、僕たちの生活そのものに直結しているんだなと感じました。

(経済学部3回生 五島 拓人)

6号に引き続き、受講生に、活動を通して感じたことや、受け入れ先の団体の方・関係者の方からお話を伺って感じたことをまとめてもらいました。

2008年度実施プログラム

 綾部市は京都市から車で2時間程度走ると到着できる近さの割には、わたしたちが訪れた集落は京都市とは似つかない大自然に囲まれたところでありました。周りを山々に囲まれて、とてものどかな集落です。現在その集落は、65歳以上の高齢者が住民の過半数を占めているという、いわゆる「限界集落」です。私達がお世話になったNPOの「里山ねっと・あやべ」は、廃校になった小学校を改装した建物を拠点として活動しています。このNPOは「里山・農村部の魅力を市内外にPR、都市農村交流や第二の人生の場としての綾部定住化を促進し、21世紀の綾部の可能性を拓く」ことを目的とし、具体的には一般の人々に対して宿を提供し、パン作り・竹炭作りなどの活動を行っています。 私達はこのNPOを通じて地元の団体のお手伝いをしました。特に印象的だったのが、「志賀郷さくらの会」です。この団体は、里の共有林に山桜を植える活動をしており、そこは「後世に残る桜の名所づくりモデル事業」に指定されています。 地元の方々は限界集落ということに未来を諦めているということは全くなく、夢や目標を持って、とても精力的に活動しておられました。私達は桜や畑の除草活動や竹林の間伐などのお手伝いをさせていただきました。そこで何よりも強く感じたのが少子高齢化の現実です。実際そこで出会う人々は高齢の方ばかりで、若い人達に会うことができませんでした。またその中でやる活動も大変で、炎天下での除草作業はとてもしんどく、これらを高齢者の方々だけでやっていることにも驚かされました。ただ活動の休憩時間に飲んだお茶の美味しさや、地元の方々に「春になったら桜を見にまたおいで」と言っていただいたので、それを見ることへの期待で心がふくらんでいます。 (産業社会部2回生 中越 健太)

 私は古都の歴史や文化の伝承を体感したいと思い、時代祭プログラムに参加した。プログラムの受講生は、行列の先頭を歩く、唯一の鼓笛隊である維新勤王隊のもとで活動した。私は活動を始めるにあたり、積極的に多くの人と話すという目標を立てた。写真撮影や口承情報の記録を担当していたため、時代祭を支える人々の自然な姿や、より正確な情報を記録したいと考えたからである。また何よりも、本来あるべき人間の関わりを再確認したかったのだ。 維新勤王隊を支えるのは、今年初めて隊士となる学生から、半世紀関わってきた経験のある指導員や相談員の方まで多様だ。私は隊士の楽器練習に通う事を、とりわけ楽しみにしていた。彼らの演奏に惹かれ、小太鼓のばちを取らずにはいられなかった私は、今年入隊した学生たちの隅や、体育館の側で独特の楽譜と格闘した。「こんな事をするボランティア生は、君が初めてだ」と、隊に加わることの出来ない私に指南していただいた。リズムを口ずさんだり、演奏している楽譜箇所を指で追ったり、暗号のような楽譜の法則を記したメモをつくり教えてくださったりと、多くの方から温かい手が差し伸べられた。そして時には体験談や時代祭への想いなどを聞き、多くを学んだ。日々流動する厖大な情報の中で、伝承され続ける文化をそこに見たのだ。 私は活動に参加し、伝統を継承する人々の時代祭と歴史への愛情と誇りを、深く感じた。国際化や情報社会である今こそ、自国の歴史や文化を見つめ直す必要があるのではないだろうか。雄大な人類の流れを感じ、笑顔と共に、私も日本の伝統を受け継いでいきたい。                     (文学研究科1回生 安木 美帆)

里山保全!間伐材を使った夏祭りと遊歩道の整備で地域と連携しよう

障害のある子どもの放課後地域活動「わくわくクラブ」

あなたも京都伝統文化継承の担い手になれる!時代祭応援プログラム

都市と農村の共生:笹葺き古民家再生プログラム

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Page 8: Research - 立命館大学...07 号 2009.3.30 立命館大学ボランティアセンター ニューズレター 2009春ボランティアセンターに行こう!学生コーディネーター活動報告

私のボランティア履歴書

先輩に誘われて「出会った」ボランティア

私は高校を卒業するまで、学校へ行って勉強して、サッカーをやって帰る、それが生活のすべてでした。そ

んな私が大学に入って、先輩に誘われて何をするかも知らずに入ったのが、たまたまボランティアサークルで

した。高い理想や強い想いがあって「始めた」わけではなく、ただ先輩に誘われて「出会った」ボランティア

ですが、それに私は完全にハマってしまいました。

そのサークルは子どもといっしょにキャンプに行くのが主な活動でしたが、まずその準備をサークルのメン

バーでやるのがとっても楽しかったです。週1回集まって企画を考え、会議が終わったら定食屋に移動して食

事をするのですが、ここでも気が付いたら企画の話になっていました。結局、本来の会議よりも定食屋での会

議の方が長くなることもしばしば。時にはメンバーの家に集まって徹夜で会議をし、朝6時に近所の公園で踊

りの練習をしたことも。冷静に考えたらものすごく非効率でバカみたいなことばかりですが、だからこそ楽し

い思い出として強く残っています。

そしてようやくキャンプ当日になり、子どもたちといっしょに食事を作ったり、キャンプファイヤーをした

り、公園で練習した踊りをしたり。長い時間をかけて準備してきたことが一気に花開く瞬間です。たった数日

のキャンプでも、子どもは大きく成長して、他の子どもに気遣いができるようになっているのを見たりすると、

本当に嬉しかったです。それまでの苦労が大きかった分、喜びもまた大きい。今だったら「ボランティアは他

人のためだけでなく、自分のためにもなるんだ」なんて考えるでしょうが、当時はただ「楽しかった、嬉しかっ

た」と感じただけ。でも、そこで「感じた」ことが今の自分に大きな影響を与えていると思います。

それからはいろいろなボランティアをやってきました。カナダの高齢者施設でレクリエーションや送迎を手

伝って、福祉水準の高さに驚いたり、日本中の文化人が集まる会議の運営補助をやって、当時の経済企画庁長

官にお酒をついだりしたこともありました。そして気が付けば、「ボランティア」の仕事に就いて、今もボラ

ンティアを通じて世界が広がり続けています。今、私の周りにあるものは、友達も仕事もお金も、ほとんどみ

んなボランティアを通じて得たものだと感じています。これもみんな、先輩に誘われてボランティアに「出会っ

た」ことが始まりでした。だから今は、学生とボランティアの出会いをコーディネートする仕事にやりがいを

感じているし、学生には出会いを大切にしてほしいと願っています。

ボランティアセンター主事 小林 政夫

立命館大学ボランティアセンター 衣笠〒603-8577京都市北区等持院北町56-1 衣笠キャンパス学而館1階

[email protected] http://www.ritsumei.jp/vc/index_ j.html

立命館大学ボランティアセンター BKC〒525-8577滋賀県草津市野路東1-1-1 びわこ・くさつキャンパスセントラルアーク2階

URL

TelFax

e-mail

075-465-1952075-465-1982

TelFax077-561-5910 077-561-5912

開室時間 10:00 ~17:00開室時間 10:00 ~17:00

立命館大学ボランティアセンターニューズレター「River」07号 2009年3月30日発行発行・立命館大学ボランティアセンター

編 集 後 記

この3月で4年続いた「地域活性化ボランティア教育の深化と発展」プログラムも終了します。ご協力いただいた関係者のみなさま、ありがとうございました。引き続きよろしくお願い致します。今後は本プログラムで培われたものを活かして、新しい展開をして行きたい。そんな気持ちもこめて、春の「ボランティアしよう」ページを作りました。学生のみなさん、ぜひボランティアセンターに足を運んでくださいね。