oil leak detection system マイクロ - asahi kaseioil leak detection system 静電容量式...

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検知器 マイクロエポラーム 型式:CSR-1505 変換器 マイクロエポラーム用 変換器 型式:AS-20 変換器収納箱 変換器用 収納箱 (オプション) 型式:ASB-15 型式:ASB-15B 空ピットアタッチメント マイクロエポラーム用 空ピットアタッチメント (オプション) 型式:TC-ME2 型式:TC-ME2R 型式:TC-KM 型式:TC-KMR 〒101-8101 東京都千代田区神田神保町1丁目105番地 神保町三井ビルディング11階 TEL:03-3296-3921 FAX:03-3296-3922 URL:http://www.a-ts.jp 第1.2版 取扱説明書 OIL LEAK DETECTION SYSTEM 静電容量式 油漏れ検知器 Model : CSR-1505・AS-20 マイクロ

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Page 1: OIL LEAK DETECTION SYSTEM マイクロ - Asahi kaseiOIL LEAK DETECTION SYSTEM 静電容量式 油漏れ検知器 Model : CSR-1505・AS-20 マイクロ はじめに (1) 部 お (2)

検知器 マイクロエポラーム型式:CSR-1505

変換器 マイクロエポラーム用 変換器型式:AS-20

変換器収納箱 変換器用 収納箱(オプション) 型式:ASB-15

型式:ASB-15B

空ピットアタッチメント マイクロエポラーム用 空ピットアタッチメント(オプション) 型式:TC-ME2

型式:TC-ME2R型式:TC-KM型式:TC-KMR

〒101-8101東京都千代田区神田神保町1丁目105番地神保町三井ビルディング11階TEL:03-3296-3921FAX:03-3296-3922URL:http://www.a-ts.jp

第1.2版

 取扱説明書 

OIL LEAK DETECTION SYSTEM

静電容量式油漏れ検知器

Model : CSR-1505・AS-20

マイクロ

Page 2: OIL LEAK DETECTION SYSTEM マイクロ - Asahi kaseiOIL LEAK DETECTION SYSTEM 静電容量式 油漏れ検知器 Model : CSR-1505・AS-20 マイクロ はじめに (1) 部 お (2)

はじめに

 

(1)          

(2) 

(3)

  この度は、 油漏れ検知器 をお買い上げ頂きまして、誠にありがとうございます。

取扱説明書に記載された仕様、デザイン等は予告なしに変更することがあります。

  ────────────────── おことわり ───────────────────

本書における保証は本製品自体に対するものであり、本製品の故障または不具合等によって誘発された損害についての責任を定めるものではありません。また、如何なる場合もお客様の逸失利益、特別な事情から生じた損害及び第三者からお客様に対してなされた損害賠償請求に基づく損害について責任を負いません。

  本製品を正しくご使用頂くために、必ずこの説明書をご一読下さいますようお願い致します。

取扱説明書の内容にご不明な点、誤り、記載漏れ等がありましたら代理店または弊社営業部までお問合せ下さい。

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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9

1.概  要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11

2.仕  様・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14

3.構造・機能・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19

4.動  作・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20

5.接続・設置・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 29

6.保守点検・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 33

7.外形図・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 34・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 34・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 35・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 37・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 39

2-1.検知器(マイクロエポラーム)

1-2.動作原理1-1.特長

7-1.検知器:CSR-15057-2.変換器:AS-207-3.変換器収納箱:ASB-15

3-3.変換器の構成・機能3-2.検知器(マイクロエポラーム)の構成・機能3-1.基本構成・機能

2-4.空ピットアタッチメント(オプション)

2-2.変換器

5-3.防爆配線工事方法5-2.設置5-1.基本接続

4-1.動作説明

3-5.本質安全防爆構造について3-4.空ピットアタッチメント(オプション)の構成・機能

6-4.故障診断6-3.実液テスト6-2.定期点検6-1.日常点検

5-4.工事接続図

2-3.変換器収納箱(オプション)

7-5.空ピットアタッチメント:TC-ME2・TC-ME2R7-6.空ピットアタッチメント:TC-KM・TC-KMR

7-4.変換器収納箱:ASB-15B

   目 次    

  <1>安全上の注意事項■ 本製品の安全上のご注意

  <2>製品貼付ラベルの説明

  <4>保証について  <3>その他のご注意

6-5.故障修理

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 この表示は、取扱いを誤った場合、『死亡または重傷を負う可能性が想定される』 内容です。

 この表示は、取扱いを誤った場合、『傷害を負う可能性または物的損害が発生する 可能性が想定される』内容です。

 この表示は、行ってはいけない 『禁止』 内容です。

 この表示は、必ず実行して頂く 『指示』 内容です。

■お守り頂く内容の種類を、次のような絵表示で区分し説明しています。

本製品の安全上のご注意

■ご使用の前に、この『本製品の安全上のご注意』を よくお読みの上、正しくお使い下さい。

■ご使用になる人や他の人への危害、財産への損害を未然に防止するために、必ずお守り頂くことを 説明しています。

■安全上、特に注意して頂く事項には、次のようなシンボルマークを記載しています。

警告

注意

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● 検知器のケースはプラスチックを成形した物です。  静電気を発生させない為、持ち運ぶ時は検知器に散水するなど、静電気が発生  しない処置を行って下さい。

● 電源を入れた状態で変換器の端子部に触れないで下さい。  感電の恐れがあります。

● 変換器の端子P・Nは、検知器付属ケーブルの白色をPに、青色をNに接続  して下さい。  間違って逆に接続すると破損する事はありませんが、システム異常(断線、短絡)  状態の信号を出力します。

● 変換器の電源入力端子、及び警報出力端子はメガー測定(絶縁)を  行えますが、その他の端子に印加しないで下さい。内部回路が破損します。

● 変換器の警報出力接点は電源投入時、内部回路が安定するまでの間、  チャタリングが発生する事があります。  電源投入時の瞬間的な警報を避けたい場合は電源投入から約1秒間、  警報を禁止する回路を外部に設けて下さい。

● 本製品は、検知器から安全保持器(変換器入力)までが本質安全防爆  構造になっています。  変換器:AS-20は、一般機器が含まれており、防爆機器ではありません  ので、可燃性ガス・爆発性ガス・可燃性粉塵の環境では使用できません。  死亡事故や火災の原因になります。   ※変換器を防爆エリアでご使用の場合は、耐圧防爆形変換器:AS-20EXをご使用下さい。

● 防爆配線工事を行う場合は、〔ユーザーのための工場防爆電気設備  ガイド(ガス防爆1994):労働省産業安全研究所[(現)独立行政法人  労働安全衛生総合研究所]〕に基づいて施工して下さい。

● 旧型との組合せについて 防爆エリア  :防爆認定上の理由から、型式の異なる 検知器 及び 変換器 との混用は出来ません。           検知器:CSR-1505 は、必ず 変換器:AS-20 と組み合わせて、ご使用下さい。 非防爆エリア:検知器:CS-1505 及び 変換器:AS-15 との混用は可能ですが、10年以上ご使用の           場合は、検知器・変換器のセットで更新されることをお奨めします。

● 検知器から変換器間のケーブルを延長する場合、外部配線の  インダクタンス 及び キャパシタンスは下記の通りですので、ご注意下さい。  許容インダクタンス:2.0mH以下 許容キャパシタンス:0.3μF以下

● 検知器のケーブルが長すぎる場合は最適長に切断して施工下さい。  余ったケーブルを巻いた状態にすると誤作動の原因になることがあります。

● 電源のGND端子は接地して下さい。感電の恐れがあります。

(1)運転操作上の注意事項

<1>安全上の注意事項

(2)工事方法での注意事項

警告

注意

警告

注意

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● 検知器の清掃を行う時は乾いた布等でこすらず、散水後水を湿した布で、  汚れを落として下さい。

● 変換器内にヒューズが入っていますが、お客様で交換は出来ません。

● 故障が発生した場合その回復の為、内部の部品を交換したり改造等を  お客様が行う事は出来ません。

● 故障の時はご購入先 または、弊社へご連絡下さい。

● 本書に記載されていない取り扱いは絶対に行わないで下さい。

● 本製品は十分な検査を経てお客様へお届けしておりますが、受領後開梱  しましたら、外観の損傷や付属品の有無について、ご確認をお願い致します。  万一、損傷、欠品等がございましたら、ご購入先または弊社へご連絡下さい。

● 本製品は工業計器として最善の品質管理のもとに製造、検査をしていますが、  予測できない原因で故障する可能性があります。 安全上の重大な問題が発生する場所、プラント、プロセス等において本器を  使用する場合は、本器に加えて同様な機能を果たす機器を併設し二重化  等によって、一層の安全性を確保して下さい。

● 機能及び性能を良好な状態で維持するため定期的に清掃やメンテナンスを  行って下さい。

● 長期間未使用時は、電源を切り高温多湿でない屋内に保管下さい。

(3)保守点検での注意事項

(4)一般的な注意事項

警告

警告

注意

注意

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<2>製品貼付ラベルの説明

(1)検知器用:本質安全防爆構造 定格ラベル     本質安全防爆構造に関する、防爆性能・使用温度範囲・本質安全回路定格・注意事項が     記載されたラベルにです。

(2)変換器用:本質安全防爆構造 定格ラベル     本質安全防爆構造に関する、防爆性能・使用温度範囲・本質安全回路定格・注意事項が     記載されたラベルにです。

(3)検知器・変換器共通:本質安全防爆構造 労検ラベル     本質安全防爆構造に関する、取得年月・型式検定合格番号が記載されたラベルです。

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<3>その他のご注意

(1) 本製品の廃棄方法について本製品を廃棄する場合は、産業廃棄物として「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に基づき処理して下さい。また、各市町村自治体の条例に従って処理して下さい。

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<4>保証について

本製品( 油漏れ検知器 を指すものとします。 ただし、取扱説明書に記載される使用方法に従って使用されている場合に限り、本書に記載されているオプション品も含みます。 )について、弊社(旭化成テクノシステム株式会社)は以下の保証を行います。

(1)弊社は本製品が取扱説明書に記載される仕様及び性能を充足することを保証します。

(2)前項に定める保証の期間はお客様への納品日から1年間とします。

(3)取扱説明書に従った使用にもかかわらず、本製品が保証期間内に故障した場合、取扱説明書に記載される仕様 及び 性能を欠くことが保証期間内に確認された場合、弊社は、交換部品の提供、代替品の提供、または修理を無償で実施致します。ただし、以下の各号に該当する場合は、保証期間内でも有償対応となりますので予めご了承願います。①. 取扱説明書に記載された範囲を超える条件または用途等で使用された場合、本体等を分解した場合、

及びお客様または第三者による改造や修理に起因して発生した故障及び損傷。②. 本製品に対して弊社指定以外の付属品、部品、接続機器等が使用されたことによる故障及び損傷。③. お客様への納品後に発生した落下、輸送、移動、またはその他の誤った取扱いによる故障及び損傷。④. 火災、地震、水害、落雷、その他の天災地変、不可抗力、公害や異常電圧等の弊社に責任のない

事由による故障及び損傷。⑤. 弊社出荷時の科学・技術水準では、予見が不可能だった事由による故障。

(4)本書に記載される保証は日本国内において使用される場合にのみ有効です。

(5)修理等のご依頼、本製品のご使用に関するお問い合わせ等については,代理店または弊社営業部へご連絡下さい。なお、本書に基づく修理等のご依頼に際してはお客様への納品日の記載された納品書等のご用意をお願い致します。

重要な注意事項

● 本書における保証は本製品自体に対するものであり、本製品の故障または不具合等によって誘発された損害についての責任を定めるものではありません。また、如何なる場合もお客様の逸失利益,特別な事情から生じた損害及び第三者からお客様に対してなされた損害賠償請求に基づく損害について責任を負いません。

● 本製品は、医療機器、航空宇宙用機器、原子力制御機器など、その機器の故障や動作不良が直接または間接を問わず、生命、身体、財産等へ重大な損害をおよぼすことが通常予想されるような、極めて高い信頼性を要求される用途に使用されることを想定しておりません。弊社は事前の当社の承諾なくこれらの用途に本製品を使用された結果発生した損害等に対する責任を負いませんのでご了承下さい。

● 本製品の修理対応期間は、製造販売終了後5年間です。但し、部品の調達が不可能で代替品もない場合は、5年未満となることもあります。

 ・取扱説明書に記載された仕様、デザイン等は予告なしに変更することがあります。 ・取扱説明書に記載された社名及び製品名は、弊社または付属品メーカーの商標または登録商標です。 ・取扱説明書の内容にご不明な点、誤り、記載漏れ等がありましたら代理店または弊社営業部まで  お問合せ下さい。

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油類を使用している事業所などで、予期し得ない事由から、油漏れ事故が発生した場合、その影響を最小限に食い止めるため、その事故の早期発見と素早い的確な処理が最も大切です。『              』は、長年エポラームCとして実績を積み重ねた油漏れ検知器をベースに、地下洞道などの狭く波立ちの小さい場所の油漏れ監視を目的として小型化し、開発したものです。特に、洞道等に設置された油入り高圧ケーブルなどでの油漏れ監視に最適です。

 1-1.特  長

(1)信頼性を追求した検知器です。安定した検知のために、検知器のフロートは、喫水線の上下で非対称になっており、上下動に対して安定しています。波や風による誤動作を防止する為、出力を遅延する遅延タイマー(1~10SEC)がついていますので誤報の心配がありません。

(2)ポリブテン油など粘度の高い油も検知可能です。

(3)フロート、ケーブル共、自己消火性樹脂を採用しています。     また、耐油性、耐薬品性に優れています。

(4)マイクロエポラームシステムは、フェイルセーフ方式です。     変換器の電源が停電した時、ケーブルが断線・短絡した時には、システム異常警報を発します。     漏油検知警報とシステム異常警報の2種類の警報を装備しています。

(5)検知器が小型軽量です。(エポラームCに比べ大きさが 約1/2)

(6)本質安全防爆構造を採用していますので、検知器はゾーン0(0種場所)の危険場所にも     設置できます。

・ 詳細は、『防爆配線工事方法』を参照下さい。・ 「国際規格(IEC規格)に整合した新技術的基準」に基づいています。

1.概  要

マイクロ

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 1-2.動 作 原 理

(1)検知器

(a)検知の方法検知電極3本全てが油に接した時、漏油検知信号を出力します。1本でも電極が水に接していれば漏油検知信号は発しません。これは正常時、波・風などにより誤報を出す事を防止する必要上このように設計されています。

(b)回路原理検知器は、検知電極の先端が約2mm水面に接して浮いています。検知器内は、高周波発振回路、交流ブリッジ回路、スイッチング回路及び定電圧電源回路で構成され、交流ブリッジ回路には高周波(約1MHz)電圧が印加され、ブリッジの一部が3本の電極に並列に接続されています。検知電極周囲の静電容量の変化を交流ブリッジ回路で検出している事になります。水面上に油が流入し、検知電極に接すると電極周囲の静電容量は大きく変化し、交流ブリッジ回路のバランスが反転します。これをスイッチング回路で検出・増幅し、定電圧電源回路で電流信号に変え、監視器に信号を送ります。この信号は油無し時約14mA DC、油を検出した場合約4mA DCとなります。

<参考>電極が水に接している時、高周波信号は(a)電極 -> (b)水・大地 -> (c)大地 ->(d)大地を経由して変換器の接地 -> (e)変換器内より検知器へと流れます。このループが上図のように水面の油により遮断されると、漏油検知となります。

変換器の接地

判定回路電流検出回路

大地

E

N

P

交流ブリッジ

発振回路高周波

B点と大地の等価インピーダンス

電極

比較器

負荷抵抗

油層

大地

変 換 器

検 知 器

図1-1

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(2)変換器

変換器(AS-20)は検知器からの電流信号を受け、電流弁別回路を働かせ、さらに遅延回路を介して接点信号(ON-OFF信号)を出力します。[Ry1]又、変換器は検知器への電源供給も兼ねています。尚、入力信号が 約21mA DC以上となった場合 及び 約2mA DC以下 となった場合、システム異常警報(短絡・断線検出回路)が働きます。[Ry2]

図1-2

PF

200V

0V

漏油検知出力

システム異常出力

機器接地

LD2

VR

RY2RY1LD1

RY2

RY1

電流弁別 遅延回路 警報回路 電源回路

100V 電源入力

筐体接続

検 知 器

変 換 器

安全保持器 信号変換器

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 2-1.検知器(マイクロエポラーム): CSR-1505: 原油、ガソリン、軽油、灯油、重油、潤滑油、溶剤 及び 動・植物油類

※但し、固形化したものは除く: 3~5mm: 本質安全防爆構造(ExiaⅡCT4)

耐水構造(IP67相当): 電 流 ・・・ ・ ・ ・ 正常時 13~15mA、漏油検知時 3~6mA: フ ロ ー ト ・・ ・ ・ ・ ・ 高耐衝撃性PVC

検知電極 ・・・ ・ ・ ・ SUS316: 耐熱性ビニル混合シースケーブル(耐屈曲性、耐震性、耐熱性、耐油性に富む)

12m付属 0.2mm2 2芯: -20~60℃(但し凍結なきこと): 付属ケーブルを除く ・・・ 約200g 、 付属ケーブルを含む ・・・ 約400g: 検知器から変換器間のケーブルを延長する場合

許容インダクタンス:2.0mH以下、キャパシタンス:0.3μF以下となるように選定下さい。【参考】 600V CVV 2mm2 2芯 … 安全上2km以下

 2-2.変換器: AS-20(遅延回路、断線・短絡警報付き): 変換器は安全保持器と信号変換器で構成されています。

安全保持器:本質安全防爆構造([Exia]ⅡC )信号変換器:一般機器

: 屋内非危険場所設置IP20程度のケースに収納してご使用下さい。※変換器は屋内仕様のため、環境の悪い場所へ設置する場合は、  収納盤または変換器収納箱(オプション)をご利用下さい。

: AC100/110V 50/60HzAC200/220V 50/60Hz

: 約2VA: 漏油検知 正常 約 10~20mA (中心値14mA)

漏油 約  3~  8mA (中心値  4mA)システム異常 断線   2mA以下

短絡 21mA以上

出 力

構 造

検 知 対 象

2.仕  様

重 量周 囲 温 度

ケ ー ブ ル

材 質

検 知 油 層

型 式

延長ケーブル

構 造型 式

消 費 電 力

約1~10秒(時間設定機能付き)/工場出荷時、約5秒に設定

動 作 ( 電 流 )

設 置 場 所

電 源

漏油警報接点動 作 タ イ マ ー

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: 漏油検知出力 (1C接点出力)… 正常時非励磁システム異常出力 (1C接点出力)… 正常時励磁

: 漏油検知表示灯 (緑)正常時点灯 / 漏油検知時消灯システム異常表示灯 (赤)正常時消灯 / システム異常時点灯

: AC 250V,4A  DC 30V,4A: -10~50℃: 95% R.H.以下

: 約800g

 2-3.変換器収納箱(オプション)  (1)

: ASB-15: 壁掛け型樹脂ケース 防水構造(IP65相当): AS-20変換器1台の収納が可能・出力リレー1個・端子台・12P: AS-20の漏油検知出力を2C接点に増幅します。

コイル電圧・・・AC100V  接点容量・・・AC220V/5A(外部からの電源がAC200Vの場合は、御注文時にご指定下さい。)

: 175W×250H×100D(取り付け用突起含まず)  (2)

ASB-15B壁掛け型樹脂ケース 防水構造(IP65相当)AS-20変換器1台の収納が可能・出力リレー1個・端子台・12PAS-20の漏油検知出力を2C接点に増幅します。コイル電圧・・・AC100V  接点容量・・・AC220V/5A(外部からの電源がAC200Vの場合は、御注文時にご指定下さい。)230W×300H×110D(取り付け用突起含まず)

 2-4.空ピットアタッチメント(オプション)  (1)

: TC-ME2(水位変動による検知器の上下移動に合わせて、ケーブルを固定したケーブル浮子が上下します。 常時水なし環境で使用される場合はTC-ME2Rをご用意しております。)

: 組立てゲージ式 SUS304: 160×160(250:壁面取付ブラケット含む)×高さ1,000mm(標準)

  (2): TC-KM

(水位変動がない場所でご使用できます。常時水なし環境で使用される場合は、TC-KMR をご用意しております。)

: 組立てゲージ式 SUS304: 160×160(341.5:取付アーム含む)×高さ150mm(標準)

表 示 灯

(max)DC14.3V

(max)DC121.6mA

周 囲 温 度接 点 容 量

検 出 器 間

出 力 回 路

周 囲 湿 度

型 式構 造内 部 収 納

開 放 電 圧重 量

型 式

構 造

外 形 寸 法

検 出 器 間

寸 法構 造

内 部 収 納

型 式

端 子 台

寸 法

外 形 寸 法

型 式構 造

端 子 台

短 絡 電 流

14

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 3-1.基本構成・機能マイクロエポラームシステムは、検知器(CSR-1505)と変換器(AS-20)の組み合わせで機能を発揮します。必要に応じて、その他のオプション製品と組み合わせて使用します。

※ ① 空ピットアタッチメント: 油分離漕内の水位が低下した時、検知器を接地し、水と接している状態と同様の状態を保ちます。(空ピットアタッチメントを使用していないと、水位低下した場合、漏油検知の状態となります。)

② 検知器 : CSR-1505

※ ③ 補助フロート : 水位変動が大きい時、検知器にケーブルの荷重がかからないようにします。

※ ④ ガイド棒 : ピットが広い時、水の流れがある時、水位変動が大きい時、検知器が流れ、傾かないようにします。

※ ⑤ 接続箱 : 検知器と変換器が12m以上ある時、延長ケーブルと接続する所で使用します。

★ ⑥ 延長ケーブル : お客様で、現場の状況に併せて施工をお願い致します。ケーブル長は、制限がありますので、“3-5.(2)”を参照下さい。

⑦ 変換器 : AS-20

★ ⑧ 電源・警報ケーブル : お客様で、現場の状況に併せて施工をお願い致します。

※ ⑨ 変換器収納箱 : 変換器を環境の悪い場所へ設置する時に使用します。(IP65相当)【ASB-15】 漏油検知警報外部接点出力の増幅リレーを搭載した収納箱になります。

※ ⑩ 変換器収納箱 : 変換器を環境の悪い場所へ設置する時に使用します。(IP65相当)【ASB-15B】 “⑨”同様の機能を搭載しており、他リレー等の取付けができるよう収納箱サイズが大きくなっております。

※ ①・③・④・⑤・⑨・⑩は、オプションとなります。★ ⑥・⑧は、お客様準備品となります。

3.構 成 ・ 機 能

図3-1

Delay Time(sec)

G

OIL ALARM SYSTEM ALARM10

0

5

PNE P1N1E1

~200V

220V

100V~

110V0VA2B2C2A1B1C1

E2 N2 P27

C1 B1 A1 C2 B2 A2 0V 110V~100V

220V

200V~

E1 N1 P1E N P

5

0

10SYSTEM ALARMOIL ALARM

G

Delay Time(sec)

E2 N2 P2

端子台

リレー

C1 B1 A1 C2 B2 A2 0V 110V~100V

220V

200V~

E1 N1 P1E N P

5

0

10SYSTEM ALARMOIL ALARM

G

Delay Time(sec)

E2 N2 P2

リレー

端子台

1096

15

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 3-2.検知器(マイクロエポラーム)の構成・機能(1)構造

(a)耐水構造  フロートは2つの樹脂成形品よりなり、接合面は溶接されています。  又、ケーブル引出し部はグランドパッキンと接着剤により2重にシールされています。(シーリング構造)

(b)ケーブルの堅牢性  特殊軟質ケーブルをケーブルクランプで固定し、グランドパッキンに無理な力が加わらないように設計  してありますが、むやみにケーブルを持って、振り回したりしないで下さい。

(2)検知対象油類原油、ガソリン、軽油、灯油、重油、潤滑油、溶剤 及び 動・植物油類 を対象としています。

(a)検知できるための条件  ① 比重が水より小さいこと。  ② 水溶性の油類でないこと。(エーテル、メタノールなどは検知不能です。)  ③ 比誘電率が5以下であること。     比誘電率が5~10程度でも検知可能ですが検知油層が多少厚くなります。

(b)主要な油の比誘電率と比重

溶接部分

検知電極(SUS316)

グランドパッキン

フロート

基板

図3-2

■石油類 ■動植物など、その他の油名 称 比 誘 電 率 比 重 名 称 比 誘 電 率 比 重原 油 2.2~2.5 大 豆 油 3.2 0.92ナ フ サ 2.0 0.70 綿 実 油 3.1 0.92ガ ソ リ ン 2.0 0.76 ひ ま し 油 4.8 0.96ジ ェ ッ ト 燃 料 1.7 0.83 オ リ ー ブ 油 3.1 0.90灯 油 2.0 0.78 亜 麻 仁 油 3.4 0.93キ シ レ ン 2.3 0.87 テ レ ピ ン 油 2.2 0.87ベ ン ゼ ン 2.3 0.87ト ル エ ン 2.3 0.87A 重 油 2.0 0.85B 重 油 2.2 0.89C 重 油 2.3 0.93パ ラ フ ィ ン 油 2.2~4.7 0.85前後ス チ レ ン 油 2.4 0.89マ シ ン 油 2.1 0.93潤 滑 油 2.3~3.0 0.90~0.93

表3-1

表3-2

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(c)検知油層     流動する油はその種類に関係なく検知油層はほぼ一定で3~5mmです。     又、高粘性油は電極全てに接した厚みが3~5mmとなった時検知します。

(3)材質

(a)フロート     フロートは、PVCを使用しています。     耐薬品性、耐候性に優れた自己消火性の樹脂です。     尚、BTX系溶剤については、短時間(3~5時間)なら問題ありません。     事故発生時のみ溶剤に接する場合なら使用上の実害はありません。

(b)ケーブル     耐屈曲性、耐震性、耐熱性、耐油性に優れたケーブルです。

■各種油類の検知油層水 温 油 温 比 重 粘 度 検知油層(℃) (℃) (CP) (mm)

灯 油 13.5 14.0 0.796 1.6 3.4タービン油 13.5 13.5 0.877 330 3.1A 重 油 13.5 13.5 0.846 4.9 3.0B 重 油 13.5 13.5 0.910 3.6

〃 25.0 25.0 0.888 50 3.4C 重 油 25.0 25.0 0.925 約300 3.5

油の種類

表3-3

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 3-3.変換器の構成・機能(1)構造

(a)安全保持器  安全保持器と検知器の組み合わせで、本質安全防爆構造になっています。  検知器接続端子に検知器ケーブルを接続します。

(b)信号変換器  信号変換器は、一般機器ですので、危険場所に設置できません。  漏油検知・システム異常時の2種類の表示灯と接点出力を持っており、漏油検知時の接点  動作時間を遅延できるタイマーも備えています。

 3-4.空ピットアタッチメント(オプション)の構成・機能(1)機能

ピット内の水位変動が大きく、水が無くなる恐れがある場合は空ピットアタッチメントを使用します。ピット内の水位が低下した時、検知電極の先端がアタッチメントのタッチプレートに接する為、電極がアースされ検知器が水面に浮いている時と同じ状態となります。このためピット内の水位が低下した時でも「漏油検知」の誤報が出力しません。

Delay Time(sec)

G

OIL ALARM SYSTEM ALARM10

0

5

PNE P1N1E1

~200V

220V

100V~110V0VA2B2C2A1B1C1

E2 N2 P2

システム異常表示灯

漏油検知表示灯

検知器

電源入力異常出力システム

出力漏油検知

漏油警報接点動作タイマー

安全保持器

信号変換器

接続端子(3P)

図3-3

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 3-5.本質安全防爆構造について本システムは、検知器と変換器の組合わせで、本質安全防爆構造になっています。

(1)本質安全防爆構造仕様一覧

(2)ケーブル配線長の制限検知器-変換器間のケーブルが一種のコンデンサ及びコイルとして働くため、ケーブルに電気エネルギーが蓄積され本質安全性を損なうことがあります。従ってケーブル配線長が防爆検定で制限されています。検知器-変換器間を接続するケーブルの 許容インダクタンス 及び キャパシタンス  ◆ 許容インダクタンス:2.0mH以下  ◆ 許容キャパシタンス:0.3μF以下

  【参考値】    600V CVV 2mm2 2芯 ケーブルを電線管に挿入した場合     ⇒ 安全上2km以下       許容インダクタンス ・・・・・・ 0.6~1.0 mH/km       許容キャパシタンス ・・・・・・ 0.1~0.15μF/km※許容インダクタンス・キャパシタンスは参考値ですので、詳しくはケーブルメーカーにお問合せ下さい。

一般回路の定格最大電圧 最大電流 最大電力 許容電圧

検知器 CSR-1505 ExiaⅡCT4 ― 60℃

安全保持器(変換器側) AS-20 [Exia]ⅡC  AC250V 50/60Hz DC250V 50℃

周囲温度防爆等級型式品名 本質安全防爆回路の定格

0.435W121.6mA14.3V

表3-4

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 4-1.動作説明(1)動作タイミングチャート

(2)漏油警報接点動作タイマー “ Delay Time (sec) ”漏油検知状態が一定時間(設定時間)連続して発生した場合に漏油検知警報として出力します。設定時間は、 “ Delay Time (sec) ” ボリュームにて約1~10秒の範囲で設定することができます。これにより、水面の波立ち・風による漏油検知の誤報出力を防ぐことができます。

4.動 作

図4-1

Delay Time(sec)10

0

5

図4-2

t1

※ ※

点灯(緑)消灯

閉開

閉開

消灯

表示灯SYSTEMALARM

接点出力A2-C2間

接点出力B2-C2間

(P-N間) (P-N間)

(Delay Time)

接点出力B1-C1間

接点出力A1-C1間

表示灯OILALARM

断線 電源断

検知器出力

(電流)

t2 漏油出力

波・風による出力

点灯(赤)

点灯

消灯

2mA

4mA

短絡

[システム異常]

[漏油検知]

14mA

21mA

点灯

消灯

20

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 5-1.基本接続(1)接続図

(2)変換器の警報出力動作

5.接 続 ・ 設 置

機器接地

C1 B1 A1 C2 B2 A2 G OV 110V 220V

200V100V~ ~

納入時接続済み接続を変更しないでください

A種接地単独

M3.5

M3

黒 白N P

単独A種接地

漏油検知警報

システム異常警報

D種接地

電源入力

変換器検知器CSR-1505

E N P

接続箱

Delay Time(sec)

G

OIL ALARM SYSTEM ALARM10

0

5

PNE P1N1E1

~200V

220V

100V~110V0VA2B2C2A1B1C1

E2 N2 P2

AS-20

図5-1

点灯 消灯 A1-C1 B1-C1 点灯 消灯 A2-C2 B2-C2

● - 開 閉

- ● 開 閉

- ● 閉 開

● - 開 閉

システム異常警報ランプ “赤” 外部接点

- ● 閉 開

開 閉

開 閉

開 閉-

● -

変換器

断線

漏油

正常

電源断

短絡(P-N間0Vの場合)

漏油検知警報状態

外部接点ランプ “緑”

開 閉

表5-1

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(3)変換器収納箱:漏油検知警報外部接点出力の増幅リレー回路

※ Ry2の駆動電圧は “AC100V” が標準です。

AC200Vをご希望の場合、200V用リレー:MK2P-AC200Vをご使用下さい。その際は、Ry2コイルに接続している“AC100V”の配線を“AC200V”に変更して下さい。

B2

A2

C3

B3

A3

C4

B4

A4

0V

100V

200V

C2

C1 B1 A1 C2 B2 A2 G OV 110V 220V

200V100V~ ~

漏油検知警報

システム異常警報

Ry2

Ry2-1a

Ry2-1b

Ry2-2a

Ry2-2b

変 換 器

外 部 接 続 端 子 台

外部接地端子

変換器収納箱のベース板

図5-2

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 5-2.設置(1)設置場所の選定

漏洩した油の油層は拡散面積が増すほど反比例して薄くなります。従って、いかに油を一箇所に集めるかが重要です。集めることは、油の回収も容易にし、かつ災害の拡大防止にもつながり、ひいては検知器の信頼性向上に大きく役立ちます。以上のことを十分ご理解いただき、適切な場所に正しく設置していただくようお願いします。例えば、次のような所が適当です。 ◇ 洞道内排水ピット  ◇ プラント内部の油分離槽 ◇ ケーブル接続部漏油受け皿  ◇ 廃水処理設備の出入口 ◇ タンクヤード防油堤内の油溜  ◇ 各工場排水路の油分離槽 ◇ ポンプヤード油溜内

(2)設置上の注意① 検知油層と検知時の流出油量の関係 油が漏れ始めて、どのくらいの量に達した時点で信号を発するかは、 検知時の流出油量=(検知器の検知油層)×(ピット表面積)の式で表されます。 特に油水分離槽や排水ピットでの大きい表面積のものに設置する場合はオイルセパレータで仕切るなどの 考慮が必要で結果的には実用上の感度を良くすることになります。

② 風対策・太陽光対策 検知器は水に浮く軽いフロートです。 強風を受ければ風圧により水面上へ引上げられ、吹き飛ばされる可能性があり、誤報も発します。 従って、風の影響を受けない場所に設置して下さい。 また、検知器は耐光処理をしていませんので、太陽光の当たらない場所でご使用下さい。

③ 高粘性油 検知器は電極を外部に出しているため、高粘性油の検出が容易です。 たとえグリース状になっても検知器付近に集積すれば検知します。従って特殊な対策は不要です。 検知後には粘性油は拭き取って下さい。

④ 凍結 ピット内が凍結しても検知器は電気的に破損することはありませんが、正常に漏油検知をしなくなります。 従って、凍結を防止する事が必要です。 凍結防止に対しては設置場所により対策が異なりますが1例としてヒーティング用の熱源をピット内に 施工し、凍結を防止して下さい。 尚、この場合ピット内水温が60℃以上にならないよう配慮下さい。 また凍結が進むと漏油検知信号を発します。

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⑤ 浮遊物 水面上のゴミ、水中の生物、水垢、藻、スケールなどに対しては影響ありません。 但し、電極に付着すると検知油層が厚くなることがありますので定期的に清掃して下さい。

⑥ 波及び流速 検知器は喫水面上下で非対称形であり、波による上下動に対し早く安定します。 又、電極3本中の1本でも水に接していれば正常信号を出し続けます。 一方3本の電極が同時に水面上に出る確率は極めて少ない上、変換器に約1~10秒の遅延 回路を付加しています。 これらの事から波による誤報の心配はありません。 但し、小型軽量のため、風・波・流れにより逆転し、検知不能になる可能性がありますので、地下ピット などの穏やかな安定した場所でご使用下さい。 また、安定した検知のため必ず空ピットアタッチメント(オプション)をご利用下さい。

⑦ ケーブルの荷重に対する検知油層 ケーブルの重量は約4g/mですが、補助フロートをケーブルに付けることにより荷重影響を受けない ように設計されています。 検知油層は電極の沈み量に比例しますので、フロートに荷重をかけると検知油層は増加します。 又、横ゆれがある場合も同様ですので、常時大きな横ゆれがある場合は対策を要します。 対策としては下記のものが考えられます。 ◇ 排水の流入落差を小さくするか、散らす。 ◇ 波よけ板、ネット、チャンバーなどにより検知器部分の波を小さくする。  安定した検知のため必ず空ピットアタッチメント(オプション)をご利用下さい。

⑧ 耐ノイズ性 検知器の内部には、高周波(約1MHz)が使われています。 このためトランシーバー、その他の高周波発生源が近くにあると誤報を発することがあります。 検知器は、外来ノイズに対し耐ノイズ性をUPさせていますが、検知器付近でのトランシーバーの 御使用は極力避けて下さい。 又、ノイズ発生源との距離をとれない場合は、検知器の据え付け架台及び電線路を遮蔽構造と して下さい。 検知器ケーブルを敷設する場合、動力ケーブル(排水ポンプなど)や高圧ケーブルと隔離(50cm以上) 出来ない場合には、金属の電線管に入れてノイズ源と遮蔽して下さい。

⑨ 水質の影響 スチームドレンのような電気抵抗の高い排水がピットに流入すると誤報を発する事があります。 電気抵抗が100KΩ・cm以下(純水は1~10MΩ・cm)となるよう他の排水を同時に流入 させる等の対策を取って下さい。

⑩ ピット内の据付位置 ピットへの排水の落とし込み口又は流入口の付近は、波又は流速により油が押され、油層ができない ばかりでなく誤報の原因となります。 水面に浮遊しているゴミの集まる場所は、油の集まる場所であると共に波や流速による誤報の少ない 場所となります。 このような位置に検知器を据付けて下さい。

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⑪ 海面での使用禁止 検知器は海面での使用を目的として設計されてはいません。 海面で検知器を使用すると以下の問題が発生します。 ◇ 波による激しい上下動のため、誤報を発します。 ◇ フジつぼなどの生物がフロート下面に付着し、検知能力が失われます。 ◇ 塩の被膜により電極と海面の間にバイパス回路が生成され検知能力を失います。 従って、海面では使用しないで下さい。

⑫ ピット内の排水が海水の場合 検知器を海水で使用すると、塩の被膜により電極と海水との間にバイパス回路が生成され検知能力を 失いますので、海水での使用はできません。

⑬ その他の特殊排水の場合 溶剤が含まれていたり、強酸、強アルカリなどの特殊な排水の場合は、フロートが破損したり、侵されて 検知能力を失うことがありますので事前にご相談下さい。

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 5-3.防爆配線工事方法マイクロエポラームシステムの配線工事は、図5-3の推奨配線工事を参考に、施工して下さい。 施工に当たっては、「ユーザーのための工場防爆電機設備ガイド(ガス防爆1994):労働省産業安全研究所[(現)独立行政法人労働安全衛生総合研究所]」を参照して下さい。 以下にマイクロエポラームシステムを設置するに当たって必要な防爆指針の要点をまとめています。

(1)危険場所の選定 ユーザーのための工場防爆電気設備ガイド(ガス防爆1994)   「5.5 危険場所の種別及び範囲の決定」 ご使用者側で選定された危険場所の種別[ゾーン0(0種場所)、ゾーン1(1種場所)、ゾーン2(2種場所)]に従って検知器を設置する場所 及び 途中の配線箇所の工事グレード(本安工事等)を明確にして下さい。 [ゾーン0(0種場所)の危険場所に使用できる電気機器は本質安全防爆構造だけです。]

(2)本質安全回路の配線工事方法 ユーザーのための工場防爆電気設備ガイド(ガス防爆1994)   「9.6 防爆電気配線」 検知器の配線を他の配線に接近して布設する場合は、混触・静電誘導及び電磁誘導を防止する為、金属管・金属ダクト等による独立配線として下さい。 尚、エポラームの本安回路を他の本安回路と同一ダクト等で布設する場合は、シールド付ケーブルを使用し、シールドを確実に接地して下さい。

検知器

単独A種接地

外傷防護

検知器 ケ ー ブ ル金属管配管

専用金属管配管

検知器 ケ ー ブ ル

(D種接地)

警報器

危険場所

非危険場所

変換器電源

(D種接地)

変換器

計器 パ ネ ル

(D種接地)接続箱

図5-3

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(3)使用電線 ユーザーのための工場防爆電気設備ガイド(ガス防爆1994)   「9.6.6.4 配線材料」 本安回路及び本安関連回路の電線は、600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル(JIS C 3342)VV:0.5mm2と同等以上の絶縁性能、公称断面積及び強度を有するものをご使用下さい。

(4)本安回路の外部配線の識別 ユーザーのための工場防爆電気設備ガイド(ガス防爆1994)   「9.6.6.6 本安回路の配線の識別」 本安関連機器に接続される外部配線は、絶縁被覆を明青色とするか、ケーブルの端末に明青色の絶縁テープを巻くなどの処置をし、本安回路と他の回路の識別を行って下さい。

(5)配線相互の接続又は分岐 ユーザーのための工場防爆電気設備ガイド(ガス防爆1994)   「9.6.6.5 配線相互の接続」① 本安回路の配線は、本安機器への接続を除いて、ゾーン0(0種場所)において相互に接続し  又は分岐してはなりません。② 本安回路の配線を接続箱内において、相互に接続又は分岐する場合には、非本安回路の接続  部と共存させてはなりません。  ただし、非危険場所において混触のおそれがないように本安回路と非本安回路を隔離板などにより  分離し、且つ、本安回路の収納区分を表示した接続箱を用いる場合は、この限りでありません。③ 本安回路の配線を接続し又は分岐する場合には、接続又は分岐する部分で、他の本安回路と  混触するおそれのないようにして確実に接続して下さい。

(6)非危険場所におけるパネル内配線 ユーザーのための工場防爆電気設備ガイド(ガス防爆1994)   「9.6.6.7 非危険場所におけるパネル内配線」 非危険場所における計装盤などのパネル内の本安回路の配線は、パネル内配線として次の各項によることができます。 尚、パネルは、外部配線を接続するための中継端子台を設けることを原則とし、この中継端子台回路の配線をパネル内配線とします。

① 本安関連機器及び一般の電気機器が、一つのパネルに取付けられる場合には、混触及び誘導を  防止するため、機器、中継端子台及び配線の位置を検討しなければなりません。

② パネルには、本安回路の配線と当該本安回路のパネル内配線とを中継する端子台を設けることを  原則とし、当該端子は、本安回路の配線を接続したとき非本安回路と混触しないように露出充電  部分をカバー等で防護した構造のものとして下さい。  また、配線の誤接続を防止するため本安回路の中継端子台には、明青色のものを使用するなど  して、非本安回路の中継端子台と識別できるようにしなければなりません。

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(7)その他の配線工事 ユーザーのための工場防爆電気設備ガイド(ガス防爆1994)   「9.6 防爆電気配線」 に従って配線工事を行って下さい。

(8)接地① 変換器の接地  変換器内部の本安側端子「P、N、E」の「E」と電源入力側端子「G、0V、100~110V、  200~220V」の「G」端子は変換器内部で接続されていません。 ■本安側端子「P、N、E」の「E」   本質安全防爆構造の維持     ⇒ 本質安全防爆用の単独でA種接地の工事を行って下さい。   本質安全防爆以外でご使用の場合     ⇒ 単独でD種接地の工事を行って下さい。 ■電源入力側端子「G、0V、100~110V、200~220V」の「G」   電気設備技術基準による感電防止     ⇒ ケースに接続されています。必要に応じてD種接地の工事を行って下さい。 ■安全保持素子側面の接地端子「G」     ⇒ 電源入力側端子「G」と接続されています。必要に応じてD種接地工事を行って下さい。       (「G」端子はケースに接続されています。)      

(8)空ピットアタッチメントの接地 空ピットアタッチメントは接地が必要ですが、通常の設置で自動的に接地状態となる為、特に接地工事をする必要はありません。 但し、油溜め、分離槽等が樹脂製で、アタッチメントの接地抵抗が極端に高い場合は誤報を発することがありますのでD種接地を行って下さい。

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 5-4.工事接続図

E2 N2 P2

Delay Time(sec)

G

OIL ALARM SYSTEM ALARM10

0

5

PNE P1N1E1

~200V

220V

100V~110V0VA2B2C2A1B1C1

機器保安用D種接地

電源

システム異常時

油検知時

機器接地

G

〔100V〕〔200V〕

〔開〕〔閉〕

〔閉〕〔開〕

その際には延長ケーブルに誘導ノイズ等が乗らないように離線又は金属管配線等を施して下さい。

接地線と繋ぐことができます。接地が取れず動作が不安定な時には、N端子を

※この場合、D種接地線は必ず離線すること。

※非防爆エリアの場合のみ

空ピットアタッチメント

延長ケーブル (CVV 等)

2sq2芯で2km以下として下さい。

できるだけ空ピットアタッチメントを用いた設置として下さい。

D種接地

② 非防爆エリアの場合:単独D種接地

① 防爆エリアの場合 :単独A種接地

※他の機器(特にインバーターアース)と同一になったD種接地ラインでは機器の運転ノイズや起動時のノイズで誤作動する事があります。

動力ライン(排水ポンプ等)、高圧ケーブルと50cm以上離せないときは金属管に入れて下さい。

変換器

検知器

接続箱

図5-4

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検知器は原理・構造上、ほとんど保守に気を使う必要がないように設計されています。ノロ、電極の汚れ及びゴミなどに対して強いものです。しかし、より確実に、本来の機能を発揮させるために次のような点にご留意下さい。

 6-1.日常点検(1)検知器を取付けた後、変換器の電源をONにし、検知器のP-N間の電流を測定して下さい。     正常値は下記の通りです。

    油なし : 13~15mA DC    油有り :   3~  6mA DC    この測定は設置した当初及び1回/年 実施して下さい。

(2)日常点検項目(1回/1~2週間)① 検知器が逆さになったり異常に傾いてないか。② ピット内に多量のゴミが有ったり、藻が発生していないか。③ 検知器の電極やその周りに異物(泥、藻など)が付いていないか。④ 検知器が空ピットアタッチメントの外へ出ていないか。⑤ その他検知上有害な状況はないか。   凍結、高温、強風、波 等  ※ 尚、大雨、台風等の時はその都度点検して下さい。

 6-2.定期点検(1)マイクロエポラームシステムは一種の安全装置です。     万一油漏れが発生した場合は確実に働く必要があります。     従って、1回/1~3ヶ月は定期的にその機能を確認して下さい。

(2)定期点検項目① ピット内の掃除② フロートの掃除(特に電極の周囲)③ フロート及び配線の異常の有無④ 引上げテスト   フロートを引上げた時、漏油検知出力が出る事を確認します。

 6-3.実液テスト(1)フロート近くに容器を持込み、水を張って検知器を浮かべ、油を容器内に注いで検知した時の油層の     厚みを計測下さい。     この検査は1回/年、実施して下さい。

(2)電流測定     1回/年、前記6-1.(1)項の電流測定を行い、検知器の劣化の程度を推定します。(全数)

6.保 守 点 検

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 6-4.故障診断(1)時々、誤報が出る場合

(a)漏油検知警報 [OIL ALARM]  ① 検知器設置上の問題     ・ 5-2.(2)項 ①~⑨ に示す事項を点検して下さい。     ・ 5-3.(8)項 に示す空ピットアタッチメントの接地を点検して下さい。  ② 検知器・変換器の故障     ・ 下記(3)項をご参照下さい。

(b)システム異常警報 [SYSTEM ALARM]  ① 配線上の問題     ・ 検知器~変換器間の配線不良がないか(絶縁不良等)点検して下さい。  ② 検知器・変換器の故障     ・ 下記(3)項をご参照下さい。

(2)警報が出ない、又は警報が出たまま復元しない場合(a)漏油検知警報 [OIL ALARM]  前記(1)-(a)項と同様の点検を行って下さい。

(b)システム異常警報 [SYSTEM ALARM]  前記(1)-(b)項と同様の点検を行って下さい。

(3)検知器・変換器 故障の場合(a)変換器の点検  変換器のP-N端子の配線を外し、下図のように電流計と可変抵抗器(5~10KΩ)を  接続します。

C1 B1 A1 C2 B2 A2 G OV 110V 220V

200V100V~ ~

電源入力

E N P

Delay Time(sec)

G

OIL ALARM SYSTEM ALARM10

0

5

PNE P1N1E1

~200V

220V

100V~110V0VA2B2C2A1B1C1

E2 N2 P2

OIL ALARM

SYSTEM ALARM

可変抵抗器

A5~10k Ω

電流計30mA

図6-1

31

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変換器の正常な動作は下記の通りです。

上記のように変換器が動作しない時は変換器の故障です。

(b)検知器の点検  フロート近くに容器を持込み、水を張って検知器を浮かべ、油を容器内に注いで漏油検知出力が  発報した時の油層の厚みを計測し検知器の点検をします。  まず、変換器との間に電流計を接続後、変換器の電源をONにし、電流を測定しておいて下さい。  正常値は下記の通りです。    油なし : 13~15mA DC    油有り :   3~  6mA DC  このとき、油なし、有りの状態にしても、電流値が変化しない 又は 正常値を示さない場合、  検知器が故障です。

点灯 消灯 点灯 消灯

備考

断線警報

21mA DC ● - ● - 短絡警報

漏油警報

0mA DC(断線) ● - ● -

正   常●

4mA DC - ● - ●

14mA DC ● - -

電流値

変換器漏油検知警報 システム異常警報

ランプ “緑” ランプ “赤”

表6-1

C1 B1 A1 C2 B2 A2 G OV 110V 220V

200V100V~ ~

電源入力

E N P

Delay Time(sec)

G

OIL ALARM SYSTEM ALARM10

0

5

PNE P1N1E1

~200V

220V

100V~110V0VA2B2C2A1B1C1

E2 N2 P2

OIL ALARM

SYSTEM ALARM

A電流計30mA

変換器

検知器

図6-2

32

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(4)ヒューズ断変換器は、安全保持器内部にヒューズが入っておりますが、本質安全防爆構造の為、お客様での交換はできません。

(5)その他異常(a)検知感度が悪くなった場合  実液テストで検知油層が厚くなっている場合は、検知器の電極部を掃除して下さい。  それでも正常にならない場合は、検知器の不良です。

(b)漏油検知警報 [OIL ALARM]は次の場合に発します。  ・ 漏油を検知した場合  ・ 検知器を空気中に引上げた場合  ・ その他、検知器の電極より発する高周波信号が絶縁された時     〔例〕 ① 空ピットアタッチメント上の汚れが乾燥し絶縁物となったとき。

② ピット内の誘電率が高くなったとき。③ アース電位に異常がある場合。④ 強風により検知器が水面より吹き上げられたとき。

(c)システム異常警報 [SYSTEM ALARM]は次の場合に発します。  ・ 検知器~変換器間の配線が断線の時  ・ 同上の配線が絶縁不良又は短絡の時  ・ 変換器の電源がOFF又はヒューズ断の場合 (電源OFF時:LED消灯)

万一、誤報又は動作不良が発生した場合はこれらを調査し、原因を確認して下さい。

 6-5.故障修理万一故障が発生した場合その修復のため内部の部品を交換したり、改造等をお客様が行う事はできません。故障の修復は代品と交換する事により行って下さい。(検知器は樹脂密閉構造のため修理は出来ません。)

33

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 7-1.検知器:CSR-1505

 7-2.変換器:AS-20

7.外 形 図

ケーブル長12m

約φ150

約57.5

約32

約41.5

E2 N2 P2

Delay Time(sec)

G

OIL ALARM SYSTEM ALARM10

0

5

PNE P1N1E1

~200V

220V

100V~110V0VA2B2C2A1B1C1

5815.2

258080

14

14

25

514

1615.2

110

1916

7213

4-2.5R

120

34

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 7-3.変換器収納箱:ASB-15

C1 B1 A1 C2 B2 A2 0V 110V~

100V

220V

200V~

E1 N1 P1E N P

5

0

10SYSTEM ALARMOIL ALARM

G

Delay Time(sec)

E2 N2 P2

リレー

端子台

235±1

250±1

4-5.4φ

205 ±1

190 ±1

175 ±1

103 ±1

3

検知器用ケーブル

ケーブル外径 2-6.5φ ケーブル外径 8-14φケーブル外径 8-14φ

出力用ケーブル電源用ケーブル

35

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 7-4.変換器収納箱:ASB-15B

C1 B1 A1 C2 B2 A2 0V 110V~

100V

220V

200V~

E1 N1 P1E N P

5

0

10SYSTEM ALARMOIL ALARM

G

Delay Time(sec)

E2 N2 P2

端子台

リレー

ケーブル外径 6-16φ

出力用ケーブル出力用ケーブル電源用ケーブル検知器用ケーブル

12

12

300±1

288±1

4-φ5.5

254±1

242±1

230±1

118.5 ±1

110±1

55

1

8.5

36

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 7-5.空ピットアタッチメント:TC-ME2・TC-ME2R

【上下板をアンカーで固定する場合の寸法】

160

160

φ10

アンカー固定穴

アンカー固定穴

140

80

「N」端子接続用穴

R65

電極接触部R65

R57

検知器受け皿

1040

10

117

405720

φ8.6

2-φ6

33

60

30

10 20

ガイド長-68mm

87

40

40

97

160

120

12

342

120

134

160

4-φ3

4-φ8.6

20

押さえ金物 2個付属

2-φ7ブラケット上下板

M6ボルト

浮子ガイド棒

8.6φ20φ

ピット壁面に固定

検知器ケーブルをインシュロックで固定

上下板

満水以上時

ガイドパイプ

検知器

ケーブル浮子

有効水位

最低水位

壁面等

上下板

変換器へ配線

水位変動によるケーブルの重みが掛からない様にしてください。

TC-ME2用 TC-ME2R用

※上記外形図はTC-ME2です。

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【検知器受け皿の組み立て図】 ※緩みの無いようしっかりと締め付けて下さい。

M5

M5

M5

M5

M2.6

M2.6

M2.6

M2.6

8φパイプ

パイプが抜け落ちないよう止めてください

ナット

平ワッシャ

スプリングワッシャ

M5

上下板

M5

ブラケット

押さえ金物

(TC-ME2用又はTC-ME2R用)検知器受け皿

検知器受け皿がTC-ME2Rのみ必要スペーサ:

※TC-ME2では不要です。

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 7-6.空ピットアタッチメント:TC-KM・TC-KMR

【組み立て図】 ※緩みの無いようしっかりと締め付けて下さい。

(アタッチメント位置の調整兼用)

アングルの固定用)(取付アームと架台、

φ12:ケーブル引出し穴

M6ナット 2点止め

固定用架台、アングル M6ボルト3点止め

31

341.5

228.5

60

47(アタッチメントの位置調整範囲)

10

最低水位33

ガイド長

最大 t5.5

検知器受け皿

R57

R65電極接触部

「N」端子接続用穴

R65

TC-KM用 TC-KMR用

□160(アタッチメント/コーナー10mm面取り

※上記外形図はTC-KMです。

押さえ金物

上板

M5ネジ×4本

M6ボルト×3

M5ネジ×4本

M6ナット×2取付アーム

8φパイプ

下板

M5ネジ×4本

スペーサ:検知器受け皿がTC-KMRのみ必要

検知器受け皿(TC-KM用又はTC-KMR用)

※TC-KMでは不要です。

39

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