【有機el】中国国内主要有機elメーカーの現状及び進行中の...

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2011 年 12 月号 805 号 12 月 2 日 【有機 EL】中国国内主要有機 EL メーカーの現状及び進行中の投資計画 2011-11-29 平顕時代 中国内地でアクティブマトリックス(AM)有機ELパネル生産ラインを保有もしくは現在 建設中の企業及びその世代別内訳は、京東方:4.5 世代生産ライン 1 本、5.5 世代生産ラ イン 1 本、成都虹視:4.5 世代生産ライン 1 本、上海天馬:2.5 世代生産ライン 1 本、維 信諾:2.5 世代生産ライン 1 本、4.5 世代生産ライン 1 本、厦門天馬:5.5 世代生産ライ ン 1 本、広東彩虹:4.5 世代生産ライン 2 本、彩顕:2.5 世代生産ライン 1 本、信利:2.5 世代生産ライン 1 本。 2002 年、維信諾は清華大学が研究開発した技術を活用して中国内地初めてのパッシブマ トリックス(PM)有機 EL パネル試験生産ラインを完成、2008 年 10 月には江蘇省昆山市 に中国内地初となるパッシブマトリックス(PM)有機ELパネルの量産ラインを建設して いる。2009 年には中国内地初の AM 有機 EL パネル試験生産ラインを完成、2010 年からは LTPS-TFT バックシート、有機 EL パネルの技術集積にも注力、2010 年の維信諾の中国内 地市場シェアは 40%を超え、2011 年 1-3 月の PM 有機 EL パネル出荷量は世界第 3 位に浮 上している。維信諾が保有する有機ELパネル生産ラインは北京、昆山に建設されており、 北京の PM 有機 EL パネル試験生産ラインは少量生産が可能、昆山の PM 有機 EL パネル生 産ラインは年間 1000-1200 万枚前後を量産、2010 年の売上高は 1.7 億元に達している。 北京維信諾科技有限公司シニアアドバイザーの万博泉氏は、維信諾は中国内地のディス プレイ領域において初めて海外からの技術導入の形を取らない方式で進められたもので、 大型の AM 有機 EL パネルを開発するに当たっては、TFT 等の半導体技術が製品サイズを 拡大する上で決定的な要素となるが、今後もこれまで通り研究開発から、試験生産、実 用化までを全て自社で開発する路線を堅持していくことを明らかにしている。 また、万博泉氏は、維信諾が 5 年以内に 30 インチ以上のテレビ用 AM 有機 EL パネル生産 ラインを建設する計画で、その一環でLTPS-TFTバックシート技術の開発を急いでいると ともに製品の性能向上、コスト削減のための技術開発にも取り組んでいることを明らか にした。 天馬微電子に目を転じると、2010 年 8 月に深圳天馬微電子股份有限公司の子会社である 上海天馬が 4.92 億元を投じて 4.5 世代 AM 有機 EL パネル試験生産ラインの建設を開始、 2011 年 2 月に上海天馬が 4.5 世代 AM 有機 EL パネル試験生産ラインでカラーAM 有機 EL パネルサンプルの生産に成功、フルカラーの AM 有機 EL パネルサンプルの生産にも成功 したことから、ほぼ基本的な試運転調整が完了しているという。今後、4.5 世代 AM 有機 ELパネル試験生産ラインの課題を解決し、半年余りで量産ラインの建設を開始する見通 しを明らかにしている。さらに、親会社である深圳天馬微電子は 2011 年 2 月に日本の NEC 液晶テクノロジーを買収したことから、中国福建省厦門市に 70 億元を投じて 5.5 世 代 LTPS 工場の建設に着手、ポータブル機器用の中小型 AM 有機 EL パネル生産を拡張する 計画を進めている。 一方、京東方は、成都の 4.5 世代液晶パネル生産ラインを AM 有機 EL 生産ラインに改造 1

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  • 2011 年 12 月号

    805 号 12 月 2日

    【有機 EL】中国国内主要有機 EL メーカーの現状及び進行中の投資計画

    2011-11-29 平顕時代

    中国内地でアクティブマトリックス(AM)有機 EL パネル生産ラインを保有もしくは現在

    建設中の企業及びその世代別内訳は、京東方:4.5 世代生産ライン 1本、5.5 世代生産ラ

    イン 1本、成都虹視:4.5 世代生産ライン 1本、上海天馬:2.5 世代生産ライン 1本、維

    信諾:2.5 世代生産ライン 1本、4.5 世代生産ライン 1本、厦門天馬:5.5 世代生産ライ

    ン 1本、広東彩虹:4.5 世代生産ライン 2本、彩顕:2.5 世代生産ライン 1本、信利:2.5

    世代生産ライン 1本。

    2002 年、維信諾は清華大学が研究開発した技術を活用して中国内地初めてのパッシブマ

    トリックス(PM)有機 EL パネル試験生産ラインを完成、2008 年 10 月には江蘇省昆山市

    に中国内地初となるパッシブマトリックス(PM)有機 EL パネルの量産ラインを建設して

    いる。2009 年には中国内地初の AM 有機 EL パネル試験生産ラインを完成、2010 年からは

    LTPS-TFT バックシート、有機 EL パネルの技術集積にも注力、2010 年の維信諾の中国内

    地市場シェアは 40%を超え、2011 年 1-3 月の PM 有機 EL パネル出荷量は世界第 3位に浮

    上している。維信諾が保有する有機 EL パネル生産ラインは北京、昆山に建設されており、

    北京の PM 有機 EL パネル試験生産ラインは少量生産が可能、昆山の PM 有機 EL パネル生

    産ラインは年間 1000-1200 万枚前後を量産、2010 年の売上高は 1.7 億元に達している。

    北京維信諾科技有限公司シニアアドバイザーの万博泉氏は、維信諾は中国内地のディス

    プレイ領域において初めて海外からの技術導入の形を取らない方式で進められたもので、

    大型の AM 有機 EL パネルを開発するに当たっては、TFT 等の半導体技術が製品サイズを

    拡大する上で決定的な要素となるが、今後もこれまで通り研究開発から、試験生産、実

    用化までを全て自社で開発する路線を堅持していくことを明らかにしている。

    また、万博泉氏は、維信諾が 5年以内に 30 インチ以上のテレビ用 AM 有機 EL パネル生産

    ラインを建設する計画で、その一環で LTPS-TFT バックシート技術の開発を急いでいると

    ともに製品の性能向上、コスト削減のための技術開発にも取り組んでいることを明らか

    にした。

    天馬微電子に目を転じると、2010 年 8 月に深圳天馬微電子股份有限公司の子会社である

    上海天馬が 4.92 億元を投じて 4.5 世代 AM 有機 EL パネル試験生産ラインの建設を開始、

    2011 年 2 月に上海天馬が 4.5 世代 AM 有機 EL パネル試験生産ラインでカラーAM 有機 EL

    パネルサンプルの生産に成功、フルカラーの AM 有機 EL パネルサンプルの生産にも成功

    したことから、ほぼ基本的な試運転調整が完了しているという。今後、4.5 世代 AM 有機

    EL パネル試験生産ラインの課題を解決し、半年余りで量産ラインの建設を開始する見通

    しを明らかにしている。さらに、親会社である深圳天馬微電子は 2011 年 2 月に日本の

    NEC 液晶テクノロジーを買収したことから、中国福建省厦門市に 70 億元を投じて 5.5 世

    代 LTPS 工場の建設に着手、ポータブル機器用の中小型 AM 有機 EL パネル生産を拡張する

    計画を進めている。

    一方、京東方は、成都の 4.5 世代液晶パネル生産ラインを AM 有機 EL 生産ラインに改造

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  • 2011 年 12 月号

    しているほか、220 億元を投じて内蒙古自治区オルドスに 5.5 世代 AM 有機 EL パネル生

    産ラインを建設する計画を進めている。

    【タッチパネル】牧東、10月売上高が前月比2割増 静電容量式にも注力

    2011-11-29 台湾工商時報

    台湾のタッチパネル専門メーカーである牧東光電(Mutto)は、タッチパネルの旺盛な需

    要を受けて、今年 10 月の連結売上高が 2.9 億 NTD で前月比 19%増となったことを明ら

    かにした。1-10 月の連結売上高は 16.3 億 NTD。

    牧東光電は、本社が台北市、主力工場を中国江蘇省蘇州工業園区に置いており、主に携

    帯電話用中小型抵抗膜式及び静電容量式タッチパネルの開発、製造販売を行っている。

    主力製品は2.4-4.5インチの抵抗膜式タッチパネルで、2010年の売上高は11.78億NTD、

    純利益は 1.23 億 NTD。

    牧東光電は、フォトレジスト及びコーティング技術、タッチセンサ、CNC フォーミング/

    カッティング、材料貼り合わせ等を殆ど in house で行うことができる数少ない抵抗膜式

    タッチパネルメーカー。

    製品構成は、2009 年は抵抗膜式が 99%以上を占め、静電容量式が占める比率は 1%未満

    であったが、タブレット PC、AIO PC、スマートフォンで静電容量式タッチパネルの需要

    が急増していることから、開発及び営業の重点を静電容量式タッチパネルにシフトして

    いる。

    【タッチパネル】光聯、タッチパネルが業績けん引 モトローラからタッチパネル受注

    2011-11-29 精実新聞

    中小型液晶パネルモジュールメーカーである台湾の光聯科技(URT)は、新たに参入した

    タッチパネル事業で、モトローラから大口受注、今年 10 月の売上高に占めるタッチパネ

    ル事業の売上高は 2割以上に達し、業績のけん引役となっていることを明らかにした。

    光聯科技の主力製品は抵抗膜式タッチパネルであるが、昨年から静電容量式タッチパネ

    ルの開発にも注力、今年 6月から正式に量産を開始している。

    昨年末に参入した LED 照明用放熱モジュール事業については、LED 照明市場が世界経済

    減速の影響で伸び悩んでいることから、本格的量産は来年にずれ込む見通しを明らかに

    した。光聯科技:www.urt.com.tw/

    【デジカメ】華晶、昆山しにレンズ工場建設 日系からの受注獲得に有利

    DIGITIMES 29-11-2011

    世界第 2位のデジタルカメラ OEM メーカーである華晶(Altek)は、中国江蘇省昆山市に

    1500 万米ドルを投じて非球面レンズを生産する子会社を設立することを明らかにした。

    来年 4-6 月後半もしくは来年 7-9 月前半に生産を開始する計画。

    非球面光学レンズの自社生産により、2013 年の日系ブランドメーカーからのミラーレ

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  • 2011 年 12 月号

    ス・インターチェンジアブル・レンズカメラの受注獲得に有利になるという。

    【太陽電池】大海集団、甘粛省高台100MW太陽光発電所建設を受注

    2011-12-1 Solarbe 太陽能網

    中国山東省の大海集団有限公司は、甘粛省高台県人民政府から年間出力 100 メガワット

    太陽光発電所の建設事業を受注したことを明らかにした。

    中国西部の日照資源は豊富で、太陽光発電事業に有利といわれることから、山東大海集

    団有限公司は、数回の実地調査を通じて、甘粛省高台県に 100 メガワットの太陽光発電

    所を建設することを決めた。3期に分けて建設、総工費は 10 億元に上る。

    発電所設備に必要となる全ての太陽電池モジュールは、山東大海集団有限公司が供給、

    第 1期の出力は年間 30 メガワット、来年初め着工、来年 7-9 月稼働予定。第 2期も出力

    は年間 30 メガワット、2013 年初め着工、第 3期は同 40 メガワット、2013 年 7-9 月着工、

    2013 年末に全ての事業が完成する予定。

    【太陽電池】中国の太陽電池市場、アジアに占める比率 45%に達する

    2011-11-29 北極星太陽能光伏網

    太陽電池市場調査機関 Solarbuzz のアジアパシフィック主要太陽電池市場の研究報告に

    よると、今年 10-12 月のアジアの太陽電池市場は前年同期比 39%増、今年 10-12 月のア

    ジアパシフィック地区の太陽電池市場は前年同期比 130%増と急成長しており、アジアパ

    シフィック地区が数年後には世界最大の太陽光発電システム市場になると見られている。

    また、今回の報告で最も注目すべきは、中国の太陽電池市場がアジアパシフィック地区

    全体に占める比率が今年 10-12 月は 45%に達していること。中国の太陽電池需要の急増

    は、中国国家能源局が太陽光発電システムの設置目標を当初の 2015 年までに 10 ギガワ

    ットとしていたところを 15 ギガワットに引き上げたことによるもの。また、インド政府

    の太陽光発電に対する奨励策もアジアパシフィック地区の太陽光発電システムの需要を

    押し上げる大きな要因となっている。Solarbuzz は、中国及びインドの太陽光発電所建

    設ラッシュにより、アジアパシフィック地区の太陽電池市場全体に占める非住宅の太陽

    光発電システム需要の比率は、今年年初の 16%から来年年末には 64%に達すると見られて

    いる。

    Solarbuzz は、欧州の太陽電池市場が縮小する中、アジアの太陽電池市場の拡大は欧州

    市場の縮小のダメージを和らげるクッションの役割を果たしている、ただ、アジアの太

    陽電池市場の成長も急激な価格の下落により相殺されていること、多くの企業が資金繰

    りを悪化させ破綻するケースが増えている、既に米国の太陽光発電システムメーカー、

    Solyndra、Evergreen 等が破綻しており、今後米中の貿易摩擦の火種となり兼ねない状

    況となっていると指摘する。

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  • 2011 年 12 月号

    【太陽電池】中国ソーラー産業で人員削減拡大 台湾企業は市況見守る

    2011 年 11 月 30 日 Solarbe.com

    2011 年は太陽電池産業にとって深刻な供給過剰となっていることから製品価格が大幅

    に下落する中、殆どの太陽電池メーカーが赤字系に陥っており、中国内地の大手太陽電

    池メーカーで人員削減、賃金削減の動きが広がっている。一方、台湾の大手太陽電池メ

    ーカーは今後半年今の状態の市況が続くようであれば、存続のために最終手段として人

    員削減を行う方針で、半年は市況を見守ることが明らかになった。

    中国内地では競争力がない中小メーカーで人員削減が既に行われており、大手メーカー

    による救済合併も進んでいる、上場している大手メーカーでは経理(マネージャー)以

    上の管理職の給与カットが行われていることも明らかになっている。

    台湾の大手太陽電池メーカーにおいても、茂迪(Motech)、昱晶(Gintech)、新日光(Neo

    Solar)、昇陽(Solartech)、太極(Tainergy)、益通(E-ton)のうち、昱晶だけが例外

    的に設備利用率 90%を維持しているが、その他のメーカーの設備利用率は 40-60%に低迷

    しているという。

    【LED】徳豪潤達、揚州子会社に 3500 万米ドル増資 LED チップ生産

    2011-11-29 半導体制造

    中国内地の大手 LED 実装メーカーである徳豪潤達(Elec-Tech)は、香港の 100%子会社

    である徳豪潤達国際(香港)有限公司を通じて、中国内地の子会社である揚州徳豪潤達

    光電有限公司に 3500 万米ドル(約 2.2 億元)の増資を行い、揚州徳豪潤達光電有限公司

    の登録資本を 7500 万米ドルとすることを明らかにした。

    揚州徳豪潤達光電有限公司は、徳豪潤達が安徽省蕪湖で進めている LED 光電産業基地の

    関連事業であり、30 台の MOCVD 設備を導入し LED チップを生産する計画だという。

    【半導体】3大ファウンドリ合計売上高、2四半期連続で前四半期比減

    2011-12-1 Digitimes

    台湾のIT市場調査機関Digitimesは、中華圏の3大半導体ファウンドリ、台積電(TSMC)、

    聯電(UMC)、中芯(SMIC)の今年 7-9 月の合計売上高は、ユーロ圏債務危機等の影響を

    受けて、4-6 月比 7.2%減の 47.9 億米ドルだったことを明らかにした。

    中でも、IDM メーカーの外注が大幅減となったことから、聯電及び中芯の同期売上高は

    4-6 月比 2桁減となった。一方、台積電は、45/40 ナノ技術の優位性により、IDM メーカ

    ーからの受注が 4-6 月比小幅増を確保したことから、聯電、中芯に比べ 4-6 月比減少幅

    が小さく収まったという。

    同 3社の今年 10-12 月の合計売上高見通しについても、Digitimes は 7-9 月比 5.9%減の

    45.1 億米ドルとなると予想しており、2四半期連続で同 3社の合計売上高が前の四半期

    を下回るとしている。2四半期連続で同 3社の合計売上高が前の四半期を下回るのはリ

    ーマンショック後としては初めてという。ただ、2011 年通年の同 3 社の合計売上高は、

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  • 2011 年 12 月号

    台積電の業績が好調を維持していることから前年比3.3%増の193.8億米ドルを確保でき

    ると見られている。

    【アルミ】立敦、中国四川工場の中高圧用アルミ箔生産能力を大幅に拡張

    DIGITIMES 29-11-2011

    アルミ電解キャパシタ用アルミ箔メーカーである台湾の立敦科技

    (Liton Technology)は、中国四川省の工場の生産能力を大幅に拡張

    することを明らかにした。

    四川工場の現在の低圧用アルミ箔の月産能力は 45 万平方メートルだが、36-54 本の中高

    電圧用アルミ箔生産ラインを新たに構築する計画で、中高圧用アルミ箔の月産能力は 31

    万平方メートルに達する見込み。

    中高圧用アルミ箔は、生産に多くの時間を要するが、低圧用アルミ箔に比べ高収益であ

    ることから、立敦は中高圧用アルミ箔の生産能力拡張に注力してきた。また、アルミ箔

    を生産する際に必要となるエッチド箔の生産にも着手、自社で必要となる数量の 20-30%

    を賄うことができるようになっている。

    今年 10-12 月の見通しについてはやや低調としているが、来年 1-3 月には好転する見通

    しを示している。立敦科技:www.liton.com.tw/

    【コネクタ】中光、ジルコニアセラミックフェルール好調 今年売上高 3.5-5 億元

    訊石光通訊諮詢網 2011-11-30

    中国内地の大手光ファイバ用コネクタメーカー、温州中光科技有限公司董事長の劉順峰

    氏は、主力とするジルコニウムセラミックフェルール製品で業績を伸ばし、今年通年の

    売上高が 3.5-5 億元に達する見通しを明らかにした。

    807 号 12 月 7日

    【スマホ】宏達、特許係争で敗北続く 4Q売上高見通しを大幅下方修正

    2011 年 12 月 02 日 PCB 信息網

    Android スマートフォン大手の宏達(HTC)は 11 月 23 日、今年 10-12 月の売上高が当初

    の昨年同期比 20-30%増を大幅に下回る昨年同期比ゼロ成長にとどまる見通しを明らか

    にした。

    宏達の業績悪化の原因は、欧米経済の減速もあるが、宏達が特許係争で相次いで敗北し

    ていることも大きな要因となっている。先ず、米国国際貿易委員会(ITC)が 11 月 22 日に

    アップルの製品が宏達子会社である S3Graphics 社の特許を侵害していないとの裁定を

    下し、併せて関連調査審議を終了することを発表したことから、宏達が 4ヶ月前に 3億

    米ドルを投じて買収した画像処理チップ製造の S3Graphics 社を通じてアップルとの特

    許係争を勝利するという戦略が崩れたこと、次に 11 月 25 日にドイツの IP 管理会社であ

    5

  • 2011 年 12 月号

    る IPCom が宏達のスマートフォンが IPCom の特許を侵害しているとしてドイツでのスマ

    ートフォン販売を速やかに停止するよう求めていた裁判で宏達がドイツのマンハイム法

    廷が宏達スマートフォンのドイツでの販売差し止めを認めた裁定に対する控訴を取り下

    げたことである。ドイツの IPCom は既に年末商戦の終了を待たずに宏達スマートフォン

    の販売を終了させたい考えを示しており、この販売差し止めが実行されれば、10-12 月

    業績の下方修正をしている宏達にはさらなる打撃となると見られている。

    宏達は米国国際貿易委員会が下した「アップルが S3Graphics 特許を侵害していない」と

    の裁定に関して、S3Graphics の買収を決定した際、アップルの特許侵害は動かしがたい

    事実であり、米国国債貿易委員会も当初はアップルが S3Graphics の 2 つの特許を侵害し

    ていると判断していたことから、今回の裁定はそれを覆すもので到底容認できないとし

    ている。また、S3Graphics の元の親会社である威盛電子(VIA)と、S3Graphics 買収に

    ついて全面的に見直すことにも言及しているという。

    中国内地の IT 市場調査機関である中投顧問 IT 産業研究員である李方庭氏は、今回の宏

    達の業績下方修正は、上記の要因のほか、携帯電話ブランド大手がスマートフォン戦略

    を加速させていることから、シェア争いが本格化していることも影響していると指摘す

    る。

    宏達が拠り所とする Android とアップルの特許係争も、Android 陣営が必ずしも優位に

    あるとはいえない。関連特許管理会社の統計によると、2010 年のマイクロソフト及びア

    ップルの新特許出願数はそれぞれ 3094 件、563 件であるのに対し、Android を開発した

    グーグルの新特許出願数はランキング外になっており、グーグルが現在保有している

    700 件余りの特許についても、単独保有の特許は少なく、大部分が検索あるいは LBS 関

    連技術であると指摘する。

    また、宏達の特許技術の集積が、5 年余りの技術集積とブランド営業はあるものの、デ

    ィスプレイ技術の韓国三星、移動通信技術のモトローラ、ノキア、コンピュータ技術の

    アップルに比べると厚みがなく、宏達の今後の成長性にも何らかの影響を与える要素と

    なってくる可能性がある。

    中国内地最大の移動通信設備メーカーである華為技術(Huawei)互聯網業務総裁の朱波

    氏は、これからの携帯電話端末事業はバリューチェーンを構築できるか否かに勝敗がか

    かってくる、モトローラ、ノキア、エリクソン等が衰退を余儀なくされていることから

    も、携帯電話端末機だけに依存したビジネスモデルが長期では優位性を維持できないこ

    とを証明していると指摘する。また、宏達が新浪、騰訊、人人網、迅雷といった SNS 企

    業と戦略的パートナーシップ関係を締結していることについても、グーグルとモトロー

    ラのようなソフトウェアとハードウェアの融合といったシナジーはなく、あくまで表面

    的な提携に過ぎないと有効性を疑問視している。

    市場は、宏達が Android システムに過度に依存していること、ライバルであるアップル、

    三星と比べ特許集積が弱いことが宏達の今後の成長に影を落とし始めたと見ており、宏

    達の株価が大幅に下落する要因となっている。

    また、宏達がスマートフォンの超低価格戦略に対しても否定的な態度を取っていること

    も、超低価格戦略も排除しないとしているモトローラ等との比較で評価を下げる結果に

    なっているという。

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  • 2011 年 12 月号

    【パソコン】聯想、今年 3Qの PC世界販売シェアが DELL を抜いて 2位に

    2011-12-2 新浪科技

    米国市場調査機関 iSuppli が 7 日に発表した統計によると、聯想の今年 7-9 月の世界の

    パソコン市場における販売シェアは DELL を抜いて第 2位となるとともに、シェア首位の

    HP を脅かすところまでシェアを伸ばしていることが明らかになった。

    聯想は今年 1-3 月には世界シェアが 4位だったので、わずか半年で順位を 2つ上げたこ

    とになる。今年 7-9 月の世界の PC 出荷量は 4-6 月比 5.5%増にとどまったが、聯想の 7-9

    月の PC 出荷量は 4-6 月比 14.5%増の 1250 万台に達している。聯想の 7-9 月の世界 PC 出

    荷量シェアは 13.9%に上昇、HP との差は 4.2 ポイントまで縮まった。iSuppli のデータ

    によると、シェア第2位のPCメーカーが首位のHPにシェアにこれほど接近したのは2008

    年 4-6 月以降では初めてという。因みに 2008 年 4-6 月にはシェア 2位だった DELL が HP

    のシェアにあと 2.7 ポイントまで迫ったという。

    iSuppli チーフアナリストの Matthew Wilkins 氏は、聯想の躍進は中国内地の堅調なパ

    ソコン需要に支えられている、米国及び欧州のパソコン市場が財政危機で停滞する中、

    中国内地ではデスクトップ型及びノート型パソコンの堅調な販売が続いており、このこ

    とが聯想が欧州で強い宏碁(ACER)、米国で強い DELL を抜いて HP の首位の座を脅かす存

    在となった最大の要因と指摘する。聯想の今年 7-9 月のデスクトップ型及びノート型パ

    ソコンの出荷量は 4-6 月比それぞれ 12%増、16%増となっているという。こうした中国内

    地市場での優位性のほか、NEC との合弁、ドイツ Medion 社の買収も聯想の躍進には欠か

    せない要因となっている。なお、大手 IT 市場調査機関 Gartner も今年 10 月発表したレ

    ポートで、聯想の今年 7-9 月の世界パソコン出荷量が DELL を抜いて世界第 2位の PC メ

    ーカーになったとしており、聯想が世界第 2位の PC ブランドメーカーとなったことがほ

    ぼ確定的と見られている。

    iSuppli によると、今年 7-9 月の世界の PC 出荷量は 9040 万台で、4-6 月の 8560 万台に

    比べ 5.5%増、昨年同期の 8810 万台に比べ 2.6%増となったものの、iSuppli の昨年同期

    比 6.8%増という予想を大幅に下回った。

    聯想が DELL を抜いて世界第 2位の PC ブランドとなったこととともに、世界市場シェア

    5位の華碩(ASUS)の 7-9 月の PC 出荷量が 4-6 月比 36%増、シェア 4位の宏碁の 7-9 月

    の PC 出荷量が 4-6 月比 6.8%増にとどまったことから宏碁と華碩のシェア差が縮まって

    いることも注目される。また、シェア 7位、シェア 8位のアップル、三星がそれぞれ 7-9

    月の PC 出荷量を昨年同期比それぞれ 27%増、36%増と伸ばしていることも見逃せない。

    【ノート PC】華碩、新製品連続投入で台湾域内ノート PC 出荷量シェア 40%

    2011-12-2 巨亨網

    IT 市場調査機関 IDC によると、ノート PC ブランド大手の華碩(ASUS)の今年 7-9 月の台

    湾域内のノートパソコン出荷量シェアは39.9%で 2位に11.4ポイントの差をつけて首位

    となった。

    7

  • 2011 年 12 月号

    業界最長の使用時間 7時間のバッテリを搭載したウルトラブック ZENBOOK、N シリーズノ

    ート PC、NVIDIA の Tegra 2 デュアルコアプロセッサ搭載のタブレットパソコン

    Transformer、27 インチ 3D LED モニタ等をコンスタントに市場に投入していることが安

    定したシェア獲得につながっていると見られている。

    【タッチパネル】勝華、ガラス一体型受注好調 11 月売上高前月比 74%増

    2011-12-2 精実新聞

    中小型静電容量式タッチパネル大手の勝華科技(Wintek)は、主要ユーザーであるアッ

    プル、宏達(HTC)等の新機種投入とガラス一体型(One-Glass-Solution)タッチパネル

    の受注増により、今年 11 月の連結売上高が 98.26 億 NTD、前月比 74.22%増、前年同月比

    でも 10.97%増となり、今年 10 月の売上高大幅減から一気に回復、過去最高の月間売上

    高を達成したことを明らかにした。今年 1-11 月の連結売上高も 832.1 億 NTD で前年同期

    比 46.11%増となった。

    市場は、勝華の今年 10-11 月の売上高が既に 154 億 NTD に達していることから、12 月の

    売上高が若干の減少に転じても、10-12 月の四半期売上高は 230-240 億 NTD を確保、7-9

    月比 5%以内の減少に抑えられ、今年通年の売上高は 900 億 NTD 超、前年比 40%近い増加

    となり、通年の純利益も 5億 NTD に達すると予想している。

    勝華の今年 10 月の売上高が 56.4 億 NTD に落ち込んだ最大の要因は、最大のユーザーで

    あるアップルが今年 10-12 月の出荷見通しを 10-15%下方修正、部品サプライヤへの発

    注量を大幅カットしたためだが、アップルの iPad 3 投入、勝華科技が新たに開発したガ

    ラス一体型タッチパネルが日系及び台湾系のブランドメーカーに採用されたことから、

    11 月の売上高は 10 月を大幅に上回る実績を達成できたという。

    勝華科技の小型タッチパネル生産能力は月間 1000 万枚、中型タッチパネルの前工程生産

    能力は月間 570 万枚、後工程生産能力は月間 350 万枚に達しており、当面は生産能力を

    拡張する計画はないとしている。ただ、ガラス一体型タッチパネル、有機 EL パネル等の

    次世代技術開発への投資については今後も拡大するとしている。

    【液晶パネル】富士康、シャープ設備導入しブラジルで 8.5G 液晶パネル生産

    2011-12-2 新浪科技

    EMS 最大手の鴻海富士康(Foxconn)が、シャープの液晶パネル製造技術を導入して、ブ

    ラジルに 8.5 世代液晶パネル生産ラインを建設することが明らかになった。

    富士康がブラジルで液晶パネル生産基地を建設すること、生産設備はシャープもしくは

    傘下の奇美電子(Chimei Innolux)から購買するとの観測は数ヶ月前から出ていたが、

    富士康には 8.5 世代液晶パネル生産技術がないことから、傘下の奇美電子 CEO の段行建

    氏がブラジルの液晶パネル生産事業の陣頭指揮を執っていると見られていた。奇美電子

    が台湾域内にある第 5世代液晶パネル生産ラインもしくは 7.5 世代液晶パネル生産ライ

    ンをブラジルに移転するとの報道もあるが、今のところ、奇美電子が関連当局に液晶パ

    ネル生産ラインの海外移転を申請した形跡は見られないという。技術、資金、税務、市

    8

  • 2011 年 12 月号

    場条件など未解決の部分が多く、富士康のブラジルでの液晶パネル生産計画が具体的に

    確定するのは来年初めになると見られている。

    【デジカメ】台湾のデジタルカメラ生産量、2-3年以内に世界生産の50%超

    2011-12-2 台湾経済日報

    台湾は世界第 2 位のデジタルカメラ生産国で、世界生産シェアは 42%に達しているが、

    昨今の超円高で日系ブランドメーカーが外注比率を上昇させていることから、2-3 年以

    内に台湾メーカーのデジタルカメラ世界生産シェアが 50%を超え、日本を凌駕する見通

    しが明らかになった。これを受けて台湾の関連部材メーカーにも恩恵が広がることが期

    待されている。

    日本のカメラ映像機器工業会(CIPA)の統計によると、昨年の世界のデジタルカメラ販

    売量は 1.21 億台だったが、今年は日本の東日本大震災及びタイの洪水被害の影響で、世

    界販売量は前年を若干下回る見通し。2012 年の世界のデジタルカメラ販売量についても

    前年比 2.5%増の 1.24 億台にとどまると予測されている。

    また、欧米日の成熟市場向け高価格製品の販売が低調で、新興国市場向け低価格製品の

    販売が世界市場をけん引していることから、日系ブランドメーカーが鴻海(Foxconn)、

    亜洲光学(Asia Optical)、佳能(Ability)、華晶(Altek)等の台湾の大手デジタルカ

    メラ OEM メーカーに発注する低価格製品 OEM が増える見通しで、今後 2-3 年で台湾のデ

    ジタルカメラ生産量は世界生産の 50%を超える可能性が大きいと見られている。

    【PCB】臻鼎、上場で調達した資金で IC/フレキ基板の生産能力を拡張

    2011-12-2 鉅亨網

    EMS 最大手の鴻海集団(Foxconn)傘下のプリント配線基板(PCB)メーカー、臻鼎科技

    (Zhending、旧鴻勝科技)は 6日、計画通り 12 月 26 日に正式に台湾で上場することを明

    らかにするとともに、これまで注力してきた IC 搭載基板及びフレキシブル基板の生産能

    力拡張により、今年 1-9 月の 9ヶ月の純利益が 15.29 億 NTD に達し、昨年通年の実績を

    上回ったことを明らかにした。

    臻鼎科技の上場前の総資本額は 64.6 億 NTD であるが、上場後の資金調達により総資本額

    は 70 億 NTD を突破する見通しで、総資本額は南亜電路板(Nan Ya)及び健鼎(Tripod)

    を抜いて、台湾最大の PCB メーカーである欣興電子(Unimicron)に次ぐ台湾第 2位のプ

    リント基板メーカーとなるという。

    スマートフォン用フレキシブル基板及び IC 搭載基板の需要が拡大し続ける中、臻鼎科技

    は中国内地での生産拡張を続けており、現在、深圳、淮安、煙台、秦皇島、営口に工場

    を展開しているほか、台湾桃園大園に R&D センターを設立するとともに、IC 搭載基板の

    人材が台湾域内に集中していることから、台湾域内に新たに IC 搭載基板工場を建設する

    ことも明らかにした。

    9

  • 2011 年 12 月号

    【PCB】耀華、40 億 NTD 投じたビルドアップ基板生産能力拡張が完成

    PCB 信息網 2011-12-2

    プリント配線基板(PCB)大手の耀華電子(Unitech)は 11 月 30 日、40 億 NTD を投じて

    建設していた台湾宜蘭工場第 2期が完成、4段から Anylayer までのビルドアップ基板の

    月産能力が 200 万枚に達したことから、土城工場の 3段以上のビルドアップ基板の月産

    能力を加えたビルドアップ基板の総月産能力が 600 万枚となり、台湾最大のビルドアッ

    プ基板メーカーになることを明らかにした。

    807 号 12 月 7日

    【タブレット】華碩、来年タブレット出荷量 300-400 万台 三星と首位争う

    2011-12-3 台湾経済日報

    ノートPCブランド大手の華碩(AUSU)CEOの沈振来氏は、12月 1日の Eee Pad Transformer

    Prime 発表会で、華碩の来年のタブレット PC 出荷量は今年の約 2倍の 300-400 万台に達

    する見通しを示すとともに、三星電子と Android タブレット PC 出荷量で首位を争うこ

    とになるとの見通しを示した。

    華碩が新たに投入した Eee Pad Transformer Prime は近く世界同時販売される予定で、

    世界で初めて Nvidia のクアッドコア Tegra3 プロセッサ搭載、Google の Ice Cream

    Sandwich(ICS)オペレーションシステム搭載のタブレット PC となる。Tegra プロセッ

    サ開発者である Nvidia モバイル事業部シニア副総裁である Philip Carmack 氏が台湾で

    開催された同発表会に出席、世界初の Tegra 搭載タブレット PC の普及に期待を示した。

    華碩は、同じポジショニングにあるアップル iPad2、三星 GalaxyTab に対抗して、軽さ、

    薄さ、外観、パネル輝度、スピーカ技術において Transformer Prime が iPad2、GalaxyTab

    に対して優位性がある、年内に 27 万台を出荷する計画で、今年の華碩のタブレット PC

    総出荷量の 15%以上を占め見通しとなっている。

    毎年 10-12 月は新旧製品の世代入れ替えの時期に当たり、華碩の 10-12 月のタブレット

    PC 出荷量は 7-9 月の 80 万台を下回る 60 万台程度になると見られている。市場は、華碩

    の来年のタブレットPC出荷量が今年の180万台の2倍前後の300-400万台に達する可能

    性は十分あり得るとしている。また、華碩の来年のノートパソコン出荷量については、

    2200-2500 万台で今年比 20-25%増になると予想している。

    【タブレット】広達、7 インチ Kindle Fire 累計出荷量 300-400 万台達する

    DIGITIMES 2-12-2011

    台湾の部品サプライヤによると、ノートパソコン ODM 世界最大手の広達(Quanta)は、7

    インチのアマゾンKindle Fireの出荷量が既に300-400万台に達していることが明らか

    になった。アマゾンは年内もしくは来年 1月までに 500 万台の Kindle Fire を OEM 出荷

    する計画で、Kindle Fire の OEM パートナーである広達がその恩恵を受けると見られて

    10

  • 2011 年 12 月号

    いる。

    Kindle Fire 用タッチパネルの主力サプライヤである勝華(Wintek)も、アマゾン向け

    タッチパネルの出荷量見通しを引き上げ、年内の出荷量を 300-350 万枚としている。

    【タブレット】宏碁、正式に 10 インチ A200 Android 4.0 タブレット PC 発表

    2011 年 12 月 5 日 泡泡網

    ノート PC 第 4 位の宏碁(ACER)は、正式に Android 4.0 搭載の IconiaTab A200 タブレ

    ット PC を発表、A200 は NVIDIA 1 ギガヘルツ Tegra2 デュアルコアプロセッサ搭載、1

    ギガバイト RAM、10.1 インチパネル、解像度 1280×800、カラーはチタングレー、レッ

    ドの 2種類となっている。

    また、IconiaTab A200 は、ひとつのインターフェースに 7つのアプリケーションと 6つ

    のファンクションを集約した Acer Ring、200 万画素のカメラを搭載。宏碁は 11 月から

    一部の国・地域で Android 3.2 搭載の Iconia Tab A200 タブレット PC の販売を開始して

    いるが、Android 4.0 搭載の Iconia Tab A200 については来年 1 月に世界同時販売を開

    始する予定。

    【モニタ】冠捷、来年は液晶モニタ 7 千万台、液晶テレビ 1500 万台出荷

    DIGITIMES 5-12-2011

    液晶モニタ/液晶テレビ業界関係者によると、世界最大の液晶モニタ/液晶テレビ OEM メ

    ーカーである冠捷(TPV)は、今年の液晶モニタ出荷量見込みが 6000 万台、来年の液晶

    モニタ出荷量は 7000 万台に達する見通し。また、同社の今年の液晶テレビ出荷量見込み

    は1300-1400万台、来年は1500-2000万台に達する見通しであることが明らかになった。

    なお、冠捷の発表によると、今年 1-9 月の冠捷の液晶モニタ出荷実績は 4402 万台、液晶

    テレビ出荷実績は 935 万台。

    【電子書籍】電子書籍の売上高、2016年に 100億米ドル近くに達する

    2011-12-5 新浪科技

    英国のモバイル端末市場調査機関Juniper Researchが発表した電子書籍販売報告による

    と、2016 年には電子書籍の売上高は 100 億米ドル近くに達し、今年の売上高見込み 32

    億米ドルの 3倍以上になる可能性があるという。

    電子書籍の売上高が 5年で 3倍に拡大するする最大の要因として Juniper Research は、

    電子書籍リーダー、スマートフォン、タブレットPCの普及のほか、アップルのiBookstore

    やアマゾンのKindle Storeといった端末ブランドにより運営される書店の増加を挙げて

    いる。中でも、アマゾンが運営する Kindle Store は、新たに 1.6 万種類のイタリア語電

    子書籍、2.2 万種類のスペイン語電子書籍を追加することから、電子書籍の種類は総計

    90 万種類に達している。

    また、Juniper Research は、タブレット PC の需要が急増していることから、2016 年に

    11

  • 2011 年 12 月号

    はタブレット PC を通じてダウンロードされる電子書籍は、電子書籍ダウンロード総量の

    30%近くを占めると予測。一方、スマートフォンについては、電子書籍をダウンロードす

    る主なプラットフォームになるとは考えにくいとの見方を示した。

    【タッチパネル】和鑫、来年 3月から 5.5G 生産ラインでタッチセンサ生産開始

    DIGITIMES 2-12-2011

    タッチセンサ大手の和鑫光電(Sintek)は、来年 3月終わりもしくは来年 4月初めに三

    星電子との合弁で建設している台湾南部科学園(STSP)の 5.5 世代液晶パネル生産ライ

    ンで 4-10 インチタッチセンサの量産を開始することを明らかにした。

    同 5.5 世代生産ラインの月産能力は、1350 ミリ×1500 ミリガラス基板換算で 5万枚で、

    主にタブレット PC、スマートフォン、ウルトラブック用パネル用で供給されることにな

    るという。

    別電によると、和鑫光電の親会社である彩晶(HannStar Display)が台湾南部科学園の

    5.3 世代液晶パネル生産ライン関連の従業員の 5%に当たる 100 名をレイオフするとの報

    道が流れたことについては、レイオフされる従業員の比率は 5%ではなく 1%未満になるこ

    とを明らかにしている。

    【ノートPC】新普/順達、売上高高水準で推移 可成は蘇州工場影響続く

    DIGITIMES 6-12-2011

    ノートパソコン用バッテリ大手の新普(Simplo)及び順達(Dynapack)、ノートパソコン

    用筐体大手の可成(Catcher)は、それぞれ今年 11 月の売上高を発表、新普は 45 億

    NTD(1.49 億米ドル)で前月比横ばい、前年同月比では 21.6%増、1-11 月の累計売上高は

    443.7 億 NTD で前年同期比 25.78%増、また順達は 24.6 億 NTD で前月比 2.92%増、前年同

    期比 45.75%増、1-11 月累計売上高は 214.3 億 NTD で前年同期比 31.74%増と大幅な伸び

    を示している。

    一方、可成は、中国内地の蘇州工場が有毒ガス問題で操業停止になっていることが響い

    て、今年 11 月の売上高は前月比 18.9%減、前年同月比 3.2%増の 26.1 億 NTD となった。

    ただ、1-11 月の累計売上高は 326 億 NTD で、依然前年同期比 68.2%増の非常に高い伸び

    を維持している。

    市場関係者は、上記 3社がアップルの主力サプライヤであることから、ブラックフライ

    デーでのiPad 2及びMacBookシリーズ販売好調の恩恵を受けたことが予想されるとして

    いる。ただ、可成については、蘇州工場の操業再開が遅れていることから、台湾域内及

    び中国内地の別工場で臨時対応しているほか、蘇州工場の生産設備を江蘇省の別工場に

    移転する方策も取り始めているという。

    【LED】鴻利光電、2.65 億元投じて広州市に LED 生産基地を建設

    2011-12-5 中華液晶網資訊中心

    12

  • 2011 年 12 月号

    中国広東省広州市の LED メーカー、鴻利光電(Honlitronic)は、100%子会社の広州市莱

    帝亜照明科技有限公司を新らたに設立することを通じて、広州市花都空港ハイテク産業

    基地に 5 万平方メートルの国有土地使用権を取得、LED 製品生産基地を建設することを

    明らかにした。総投資額は 2.65 億元。

    なお、恵州仲凱高新技術産業開発区管理委員会と 2011 年 9 月 14 日に締結した 4万平方

    メートルの土地を使用して LED 製品生産基地を建設するという覚書については、双方が

    投資の具体的内容で合意に至らなかったため、白紙撤回することを明らかにした。

    鴻利光電:www.honglitronic.com/

    【LED】四聯集団、重慶にアジア最大の LED サファイア基板生産基地建設

    2011-12-5 騰訊網

    米国の電子機器大手のハネウェル社からカナダのサファイア加工工場を取得し LED 産業

    に本格参入した四聯集団は、100 億元を投じて重慶市にアジア最大のサファイア生産基

    地を建設することを明らかにした。

    現在、欧州、北米、日本、韓国及び中国国内の LED 関連メーカーから既に相次いで四聯

    集団製造のサファイア基板の引き合いが来ているという。四聯集団が計画通り投資を進

    めれば、2015 年には重慶市はアジア最大のサファイア基地になる見通しで、年間 1800

    万枚のLEDサファイア基板を生産、年間生産高は100億元近くに達すると見られている。

    年間 1800 万枚の LED サファイア基板とは、世界市場の 30%に相当する規模となることを

    意味する。四聯集団は、IC 事業、LED 事業、モノレール自動化事業の 3つのコア事業を

    構築することに成功しており、2015 年の四聯集団の生産高は 215 億元に達すると見られ

    ている。

    【LED】LED 中堅メーカー、閑散期に売上高伸ばす 需要が底打ち反転か

    2011-12-5 DIGITIMES

    LEDメーカーの業績が2011年 7-9月から下降傾向に入り、需要期であるにもかかわらず、

    受注が伸びない状況にあるが、一部中堅の LED メーカーの 11 月の売上高が反転上昇して

    おり、LED の需要が底を打って回復している可能性が指摘されている。

    LED 実装メーカーの佰鴻(Bright LED)の 11 月の売上高は 3億 NTD を突破、華興(Ledtech)

    は米国ウェルマート等からの年末商戦用低温照明の大口受注で 11 月の売上高が前月比

    30-40%増、LED 照明の艾笛森(Edison)も 11 月の売上高が前月比 10-20%増となることを

    見込んでいる。

    【太陽電池】天合光能、米 Xunlight から 220KW フレキ太陽電池を調達

    2011-12-6 索比太陽能

    中国内地の大手太陽電池メーカーである天合光能(Trina)は、米国の薄膜太陽電池メー

    カーであるXunlightの中国昆山市の子会社から出力220キロワットのフレキシブル太陽

    13

  • 2011 年 12 月号

    電池モジュールを調達し、共同で試験的に太陽光発電を行うことを明らかにした。

    【労働】Hi-P 社、工場移転で約 1千人解雇 従業員が抗議のストライキ

    2011-12-6 中国企業網

    アップル及び HP に部品を供給しているシンガポールの電子機器メーカー、Hi-P 社の上

    海工場が、工場の蘇州への移転に伴って約 1千人の従業員に対して経済補償に言及せず

    突然解雇通告を行ったことから、解雇通告を受けた約 1千名の従業員が不当な解雇に抗

    議して大規模なストライキを起こしたことが明らかになった。

    Hi-P 社は 1990 年代初めに中国に進出、上海、天津等に工場を展開し、従業員は 1 万人

    を超える規模となっている。

    【半導体】聯発、低価格スマホ用チップ好調で 11月売上高90億 NTD超

    DIGITIMES 5-12-2011

    携帯電話用チップ大手の聯発科技(Mediatek)は、中国内地の携帯電話メーカーからの

    低価格スマートフォンをターゲットにした MT6573 チップのラッシュオーダー増加によ

    り、今年 11 月の連結売上高が今年としては最高の 90 億 NTD に達したことを明らかにし

    た。同社の今年 10 月の売上高は前月比 5%減の 75.3 億 NTD まで低下していた。

    808 号 12 月 9日

    【液晶パネル】奇美、経営建て直しの一環でOEM事業全てを鴻海に移管

    DIGITIMES 6-12-2011

    旧奇美電子(Chimei)出身の廖錦祥氏が業績不振の責任を取って董事長を辞任した奇美

    電子(Chimei Innolux)は、鴻海(Foxconn)傘下の旧群創光電(Innolux)出身の段行

    建氏が新董事長に就任し、鴻海主導体制で経営を立て直す方針を明らかにし、その一環

    として奇美電子の液晶モニタアッセンブリ等の OEM 事業を全て鴻海に移管し、奇美電子

    は液晶パネル事業に経営資源を集中することが明らかになった。

    奇美電子の OEM 事業は、鴻海が HP 等のデスクトップ PC 等を生産する重慶工場に移管さ

    れる見通しで、鴻海のデスクトップ PC 製品事業と奇美電子の液晶モニタ OEM 事業を統合

    により、鴻海はデスクトップ PC のサプライチェーンの効率を上げることが可能になると

    している。

    奇美電子としては、液晶モニタ OEM 事業を鴻海に移管することで、事業を大型液晶パネ

    ル、中小型液晶パネル、タッチパネルの 3つのパネル事業に集中することができ、特に

    今後成長が期待できるタッチパネル事業への資源集中が加速することが予想される。ま

    た、鴻海系の段行建氏が奇美電子の陣頭指揮を執ることで、鴻海が進めているブラジル

    での液晶パネル生産事業でも奇美電子との連携がしやすくなると見られている。

    14

  • 2011 年 12 月号

    【液晶パネル】深超、中国初の LTPS 液晶パネル生産ラインを深圳で稼働

    2011-12-7 新華社

    中国深圳市政府系の深超光電(深圳)有限公司は、中国国内初の低温ポリシリコン(LTPS)

    液晶パネルの第 5世代生産ラインを深圳で正式に稼働したことを明らかにした。

    深超光電(深圳)有限公司の低温ポリシリコン液晶パネル事業総顧問の孫月衛氏は、低

    温ポリシリコンディスプレイはスマートフォン、タブレット PC 等に不可欠の部材になっ

    ており、アモルファスシリコンディスプレイに比べ、高解像度、高輝度という優位性が

    あり、低消費電力、低ノイズ、軽量薄型でもあるという利点があるものの、製造技術が

    複雑で技術面でのハードルが高かったことを明らかにした。

    【タッチパネル】宸鴻、11月売上高前月比 12%増、前年同月比 36%増

    台湾経済日報 2011.12.07

    アップル製品用静電容量式タッチパネルの主力サプライヤである宸鴻(TPK)は、今年

    11 月の連結売上高が 149 億 NTD(約 4.91 億米ドル)で、10 月比 11.6%増、昨年同月比

    35.6%増、単月としては過去最高となったことを明らかにした。

    市場は、アップルとアマゾンをユーザーに持つ宸鴻の 10-12 月の売上高はさらに伸長し

    7-9 月比 10%増、今年通年売上高は 1350-1400 億 NTD に達すると予想している。

    【タブレット】White-box、ブランド製品超低価格化でタブレット市場から撤退

    DIGITIMES 8-12-2011

    アップル以外のタブレットPCメーカーがアマゾンKindle Fireに対抗するためタブレッ

    ト PC 価格を大幅に引き下げたことが、中国内地の White-box メーカーのタブレット PC

    市場からの撤退を促す強いプレッシャとなっているが明らかになった。

    中国内地の聯想(Lenovo)が人民元で 1000 元(約 158 米ドル)の超低価格タブレット

    PC を投入したことをきっかけに、大手 White-box メーカーはタブレット PC 製品の売れ

    行きが急速に悪化、在庫が急増したことから、価格を一気に採算ぎりぎりの 800 元以下

    に引き下げ始めると同時に、在庫を処理でき次第、タブレット PC 市場から撤退していく

    ことを検討しているという。

    大手ブランドメーカーが、Android 4.0、Nvidia Tegra 3 搭載のタブレット PC 新機種を

    投入すると同時に、タブレット PC 価格を大幅に引き下げ、シェア確保の値下げ戦略に出

    ている。中でも、聯想は 7インチ 16 ギガバイト LaPad A1 価格を当初の 2500 元から 1400

    元に引き下げ、エントリレベルの 2ギガバイト機種価格も大手 White-box メーカー機種

    よりも低価格の 1000 元に引き下げるなど、White-box メーカーに撤退を迫る徹底した値

    下げ戦略を取っている。

    聯想は中国内地に強力な販売網を有していることから、消費者に延長保証と高品質をア

    ピールすることで、White-box メーカーに大きなプレッシャをかけることができる優位

    15

  • 2011 年 12 月号

    性を持っているという。

    中国内地の ODM メーカーは、聯想がタブレット PC 価格を大幅値下げを実施してから、

    White-boxメーカーからのタブレットPC受注量が従来比30-50%減少している、White-box

    メーカー製品は 800 元以下に値下げしても、売上が戻らないとしており、一部 White-box

    メーカーは一旦タブレット PC 市場から撤退することを決めていると指摘。また、今後販

    売実績が低迷し続ければ、タブレット PC 市場に参入している White-box メーカーのうち

    約 7割は来年 3月頃までにタブレット PC 市場から撤退する可能性があるとも指摘。

    【タブレット】LGD、タブレット PC 広視野角パネルシェア 51% 三星は同 35%

    hc360.com 2011 年 12 月 08 日

    市場調査機関 IHS iSuppli によると、アップル iPad、アマゾン Kindle Fire、バーンズ・

    アンド・ノーブルの Nookall 等の主要タブレット PC が何れも韓国の LG Display から液

    晶パネルを大量に調達しており、LG Display がタブレット PC 大手メーカーにとって液

    晶パネルの筆頭サプライヤとなっている。

    これは、アップル、アマゾン、バーンズ・アンド・ノーブルのタブレット製品が何れも

    LG Display の IPS 技術を 7-10 インチの中型液晶パネルに採用しているためで、IPS 技術

    はスマートフォン、デジタルカメラ、MP3 プレーヤ等にも幅広く使用されていることか

    ら、LG Display は ISP 技術によってタッチパネル用液晶パネル市場では三星を上回るシ

    ェアを確立することに成功している。

    LG DisplayのタブレットPC用液晶パネル市場での今年4-6月のシェアは51%に達してお

    り、第 2位の韓国三星モバイルディスプレイの同シェア 35%に 16 ポイントの差をつけて

    いる。ただ、韓国の 2大液晶パネルメーカーが 9割近いシェアを保有し、市場をほぼ独

    占している。なお、三星モバイルディスプレイは、アップル iPad の液晶パネルを供給す

    ると同時に、三星電子のタブレット PC、GalaxyTab の液晶パネルも供給している。一方、

    台湾の奇美電子(Chimei Innolux)も、後発ながら既にアップル iPad 用液晶パネルを供

    給しており、中国 White-box メーカーのタブレット PC 用液晶パネルも供給しているが、

    シェアは 9%にとどまっている。

    タブレット PC に不可欠の広視野角液晶パネルには、LG Display の IPS 技術のほか、台

    湾の元太科技(Prime View)傘下の E Ink 社/Hydis 社が保有する FFS 技術があるが、E Ink

    社には大中型液晶パネルを製造する能力がないことから、同技術を LG Display、中華映

    管(CPT)等の大手液晶メーカーに供与し生産するしかないという課題がある。こうした

    状況から、LG Display が広視野角液晶パネルの領域で依然圧倒的な優位性を持つ状況が

    続いている。なお、タブレット PC の価格は現在、9.7 インチのタブレット PC 用 IPS パ

    ネルで約 60 米ドル、7インチのタブレット PC 用 IPS パネルは 50 米ドル前後だという。

    【電子紙】E Ink社、一部出荷の前倒しで11月売上高が前月比33%減

    DIGITIMES 8-12-2011 元太科技(Prime View)傘下の電子ペーパー最大手の E Ink Holdings は、今年 11 月の

    16

  • 2011 年 12 月号

    連結売上高が 35.7 億 NTD(1.18 億米ドル)で、前年同月比では 9%増となったものの、前

    月比では 33%減となったことを明らかにした。なお、今年 1-11 月の累計売上高は 368.4

    億 NTD で前年同期比 71%増を維持している。

    11 月の売上高が前月比大幅な減少となったことについて、E Ink Holdings は 11 月分オ

    ーダーの一部が 10 月に前倒しで出荷されたことによるものと説明、今年通年の出荷量は

    目標を達成できるとしている。

    電子書籍リーダー及びタブレット PC の今後の成長性については、電子書籍、電子雑誌、

    電子新聞等の電子出版市場が 2016 年には 97 億米ドルまで成長する見通しであることか

    ら、今後 5年間は安定した成長が期待できるとの見方を明らかにした。

    【LED】晶元、北米のLED テレビ販売回復で11月売上高が予想上回る

    台湾経済日報 2011.12.06

    世界第 4位の LED チップメーカーである晶元光電(Epistar)の今年 11 月及び 12 月の受

    注が予想を上回っていること、LED 照明の華興電子(Ledtech)の今年 11 月の売上高も

    前月比 50%増となっているなどから、LED產業に復調の兆しが見られ、来年 1-3 月の受

    注推移に注目が集まっている。

    晶元光電広報の張世賢氏は、例年 10-12 月は LED メーカーにとっては閑散期、赤色 LED

    の需要が下降することから、当初は 11 月の売上高が 10 月を下回ることを予想、12 月の

    売上高も同じトレンドが続くことを予想していたが、予想に反して液晶テレビ用 LED チ

    ップのラッシュオーダーが入ったことから、11 月の青色 LED の出荷が好調、設備利用率

    もわずかながら上昇していることから、11 月及び 12 月の売上高が予想を上回る見通し

    であることを明らかにした。

    三星、LG 等の韓国ブランドメーカーが例年 10-12 月に新機種を投入すること、北米市場

    の消費に回復の兆しが見られることから、台湾の 2大 LED チップメーカーである晶元光

    電、璨圓光電(Forepi)の設備利用率が上昇しており、LED の原材料であるサファイア

    基板の価格が依然下落していることから、LED チップメーカーの収益にも改善が期待で

    きると見られている。また、LED 照明の華興電子も、米国ウォルマートからの低温照明

    の追加発注等により、11 月の連結売上高が前月比 50%増の 1.3 億 NTD に達している。

    一方、LED 実装大手の東貝(Unity Opto)の今年 11 月の売上高は 3.5 億 NTD で 10 月比

    微減となったが、これは赤外線製品市場が閑散期に入ったこと、大手テレビメーカーが

    新旧機種の入れ替え時期にあることなどが響いたためと見られている。

    【PCB】敬鵬/耀華、タイ最大のPCB メーカー KCEからの転注の恩恵享受

    DIGITIMES 6-12-2011

    台湾の車載プリント配線基板(PCB)大手の敬鵬(Chin-Poon)、耀華(Unitech)は、深

    刻な洪水被害で操業停止が長期化しているタイ最大の PCB メーカー、KCE エレクトロニ

    クスからの車載 PCB の転注が急増していることを明らかにした。また、洪水被害を受け

    ていないタイ地場系の PCB メーカー、Apex Circuit も、KCE エレクトロニクスからの転

    17

  • 2011 年 12 月号

    注の恩恵を受けていることを明らかにしている。

    KCE エレクトロニクスは、今年 10 月 12 日から操業を停止しているタイ北西部アユタヤ

    地区にある工場の完全復旧には少なくとも 2-3 ヶ月を要するとしているが、復旧作業は

    思うように進展しておらず、完全復旧は来年 3月前後にずれ込むと見られている。

    KCE エレクトロニクスの昨年の売上高は約 2 億米ドル、車載 PCB の売上高が全体の 70%

    を占めている。

    【半導体】三星、中国内地にフラッシュメモリチップ工場建設 2013 年稼働

    新浪 2011-12-7

    半導体大手の三星電子は 6日、中国内地にフラッシュメモリチップを生産する工場を建

    設することを明らかにした。2013 年から生産を開始予定。工場の建設場所、具体的な投

    資金額については未定としているが、投資額については 4兆ウォン(約 35 億米ドル)以上

    になることを明らかにしている。

    三星電子は現在、世界最大の NAND フラッシュメモリチップメーカーで、世界市場シェア

    は 40%、主なコンペチタは日本の東芝、韓国のハイニックス、米国のマイクロン。なお、

    三星電子唯一の海外フラッシュメモリチップ工場は米国テキサス州オースチンにある。

    【半導体】華虹 NEC、世界最大の 8 インチ半導体分立部品ファウンドリに

    2011-12-6 上海華虹 NEC 電子有限公司

    中国華虹集団と日本の NEC の合弁である中国内地の大手半導体ファウンドリ、上海華虹

    NEC 電子有限公司の営業副総裁の高峰氏は、上海華虹 NEC が世界最大の 8 インチ半導体

    分立部品ファウンドリへの転換に成功したこと、分立部品の累計出荷量は 8インチウエ

    ハ換算 250 万枚に達していることを明らかにした。

    華虹 NEC は独自の大容量 MOS 部品、高圧大容量 MOSFET 部品の製造技術を保有しており、

    現在 IGBT 技術の開発も進め、鉄道、電気自動車等領域の半導体分立部品の国産化をリー

    ドしているという。

    【筐体】可成、蘇州工場 1 ヶ月前倒しで復旧 関連サプライヤにも恩恵

    台湾経済日報 2011.12.07

    ノートパソコン/スマートフォン用金属筐体大手の可成(Catcher)の蘇州工場が 12 月 1

    日、有毒ガス汚染で操業が停止していた状態から既に全面復旧していることが明らかに

    なった。可成は先日、操業再開は来年 1 月になるとしていたが、1 ヶ月前倒しで全面復

    旧したことになる。

    アップルの部品サプライヤは、アップル超軽量薄型ノートパソコン MacBook Air の需要

    量は月間 50 万台であるが、可成の蘇州工場が 10 月中旬に生産停止となってから、受注

    量が従来比 10%減になっていることを明らかにしている。

    アップルは、可成の蘇州工場が生産停止となってからも、可成を筆頭サプライヤ、鴻準

    18

  • 2011 年 12 月号

    (Foxconn Technology)を次席サプライヤとする立場は変えておらず、臨時措置として

    可成の供給不足分を鴻準の生産で補う対応を取っている。鴻準のアップル向け生産が増

    えていることから、今年 10-12 月のアップル MacBook Air の出荷量への影響は小さいと

    見られている。

    可成は蘇州工場が 10 月中旬に生産停止してから、同工場の約 2000 台の CNC 加工設備を

    同じ江蘇省域内の宿遷工場に移転する措置を取ったことから、今年 11 月の可成の売上高

    は当初予想比 4割減、9月に比べると 3割減となっている。

    可成の蘇州工場の生産再開が前倒しされれば、MacBook Air のアッセンブリを行う広達

    (Quanta)、ヒンジを供給している新日興(SZS)、バッテリモジュールを供給している新

    普(Simplo)、順達(Dynapack)の生産も正常化すると見られている。

    809 号 12 月 12 日

    【タッチパネル】iPhone タッチパネルの新技術採用観測で宸鴻株大幅下落

    2011 年 12 月 09 日 慧聡電子網

    スマートフォン最大手のアップルが次世代 iPhone で新たなディスプレイ技術を採用す

    るとの観測が出ていることから、iPhone タッチパネルの筆頭サプライヤである台湾の宸

    鴻科技(TPK)の株価が 20%近く下落、昨年 10 月上場以来の最安値となった。

    バークレイキャピタルのアナリスト Jamie Yeh 氏は、アップルが次世代 iPhone のディス

    プレイで、宸鴻科技が開発した、カバーガラス上にタッチセンサを付与するタッチ・オ

    ン・レンズ(Touch on Lens)方式ではなく、LG Display 等の大手液晶パネルメーカー

    が開発した、液晶パネル上にタッチセンサを付与するイン・セル(in-cel)方式を採用

    することが仮に決定すれば、最悪の場合、宸鴻科技は売上高全体の 35%を失うことにな

    ると見られているが、イン・セル方式がまだ量産に成功していないことから、アップル

    がイン・セル方式を採用する可能性は小さく、観測は憶測の域を出ないものとの見方を

    示した。

    宸鴻科技 CFO の Freddie Liu 氏も同様の見方をしており、イン・セル方式が今後新たな

    技術として期待される可能性はあるが、タッチ・オン・レンズに比べ技術的に難度が高

    く量産は難しいため、短期的に大きな影響が出ることは考えにくいとの見方を示した。

    三星証券香港のアナリスト、Lu Chialin 氏も、イン・セル方式は技術的に未解決の部分

    が多く、アップルがイン・セル方式を今後 1年以内に正式に採用する可能性は極めて小

    さいとの見方をしている。

    【タブレット】B&N、Nook 販売好調 年末までの出荷量 100万台に拡大

    DIGITIMES 9-12-2011

    電子書籍分野でアマゾンと競合する米国書店チェーン最大手のバーンズ・アンド・ノー

    ブル(Barnes & Noble)は、自社ブランドタブレット PC、Nook Tablet が北米の感謝祭

    シーズンに予想以上の売上を達成したことから、部品サプライヤ及び OEM パートナーで

    19

  • 2011 年 12 月号

    ある英業達(Inventec)に出荷量の拡大を要請、今年年末までの出荷量は 100 万台に達

    することが明らかになった。

    市場は当初、バーンズ・アンド・ノーブルの今年年末までの Nook Tablet の出荷量は 80

    万台前後と予想していたが、北米の年末商戦が予想以上に活況を呈していることから、

    予想を 20 万台ほど上回ることになったと見ている。英業達はパソコン最大手の HP の突

    然の WebOS 搭載タブレット PC、TouchPad の生産停止を決めたことから、従業員のレイオ

    フ等の大きなダメージを受けたが、Nook Tablet の販売好調により漸くタブレット PC 事

    業が軌道に乗ることとなった。

    【ノート PC】広達、11 月売上高が前月比・前年比減 緯創は過去最高に

    DIGITIMES 9-12-2011

    ノートパソコン ODM 世界最大手の広達(Quanta)は、今年 11 月の連結売上高が前月比

    9.68%減、前年同月比でも 3.41%減となったことを明らかにした。一方、同業第 3位の緯

    創(Wistron)の今年 11 月の連結売上高は 661 億 NTD(21.9 億米ドル)に達し、過去最高

    となった。

    広達の 11 月のノートパソコン出荷量は 440 万台、1-11 月の累計出荷量は 5160 万台に達

    したが、今年通年のノートパソコン出荷量は、タイの洪水被害に伴う HDD 不足が響いて

    当初目標である前年比 10%増には届かず、前年比 5%増前後にとどまる見通しを明らかに

    している。

    一方、緯創の 11 月のノートパソコン出荷量は 310 万台に達したことから、今年通年のノ

    ートパソコン出荷量見通しを 3000 万台に上方修正、来年のノートパソコン出荷量につい

    ても 3600 万台、タブレット PC 出荷量目標を 400 万台と上方修正することも明らかにし

    ている。なお、同業第 4位の英業達(Inventec)の今年 11 月のノートパソコン出荷量は

    120 万台だった。

    【ノート PC】ノート PC ODM業界、サプライヤへの春節休日残業要請を躊躇う

    2011-12-9 台湾経済日報

    ノートパソコン ODM メーカーは例年であれば、春節 1-2 ヶ月前に部材サプライヤに対し

    て春節期間中の休日残業要請を出すところを、今年はその残業要請をまだ出していない

    ことから、広達(Quanta)、仁宝(Compal)、緯創(Wistron)等の来年 1-3 月の出荷量が

    今年 10-12 月の出荷量を大幅に下回る可能性が出ていることが明らかになった。

    ノートパソコン部材サプライヤは、今年の発注の動きは例年に比べると鈍く、タイの洪

    水被害の影響でハードディスクドライブ(HDD)が供給不足となっていることが主な要因

    ではあるが、世界の消費市場の不振も影響していると指摘する。また、連休期間に残業

    を要請すれば、通常給与の 3 倍の手当てを支払う必要があることもノートパソコン ODM

    メーカーに残業要請を出すことを躊躇わせていると見る向きもある。

    仁宝は今年初めの春節期間にはユーザーの納期に間に合わせるため、休日を返上して残

    業する必要があったが、来年初めの春節については未だ見通しが立たない状況にあるこ

    20

  • 2011 年 12 月号

    とを明らかにしている。

    市場は、華碩、宏碁の Ultrabook の今年 10-12 月の出荷量がどちらも 25-30 万台に達し

    たものの、両社とも来年 1-3 月の市況については不透明としているほか、ハードディス

    クドライブ(HDD)の在庫が底をつく来年 1-3 月の出荷量が今年 10-12 月比 2割減の大幅

    な減少となる可能性が高いと予測している。

    【パソコン】タイ洪水 HDD 不足、来年 1Qに 380万台の PC出荷が困難

    DIGITIMES 9-12-2011

    市場調査機関 IHS iSuppli は、タイ洪水に伴うハードディスクドライブ(HDD)不足によ

    り、来年 1-3 月には 380 万台のパソコンの出荷が困難になるとの最新の見通しを明らか

    にした。

    IHS は、来年 1-3 月のパソコンの世界出荷量について、年末商戦後のパソコン出荷抑制

    から、2011 年 10-12 月に比べ 11.6%減の 8420 万台になると予想、2012 年通年のパソコ

    ン世界出荷量についても、HDD の供給難と需要の低迷により、2011 年の 4億台を 2千万

    台以上下回る 3.76 億台となるとの見通しを明らかにした。

    IHS のシニアアナリストの Mattthew Wilkins 氏は、パソコンのサプライチェーンは、通

    常 1ヶ月分以上の HDD の在庫を確保しているため、今年 10-12 月についてはパソコン生

    産に大きな影響は出なかったものの、来年 1-3 月にはその在庫が底をつくことからパソ

    コンの生産に相当の支障が出ることが懸念されるとしている。

    2012 年 1-3 月からは徐々に HDD 供給不足の状況が改善されてくるものの、HDD のサプラ

    イチェーンが完全に回復するのは 2012 年年央と見られているため、パソコンの出荷が本

    格的に回復してくるのは来年 4-6 月以降になる見通し。

    【スマホ】アップル、低価格 iPhone 3GS を来年 1Q までに 350 万台出荷

    DIGITIMES 9-12-2011

    スマートフォン最大手のアップルは低価格のエントリタイプのスマートフォン市場での

    シェアを拡大するため、iPhone 3GS を今年年末までに 200 万台、来年 1-3 月にさらに 150

    万台前後出荷することを明らかにした。

    また、CDMA 対応 iPhone 4 についても、今年年末までに 80-100 万台、来年 1-3 月に 50-60

    万台を出荷する計画だという。

    【液晶 TV】TCL、11 月の液晶 TV販売量が前年比 76%増の 118 万台

    2011-12-9 美通社

    中国内地の液晶テレビブランド大手の TCL は 8 日、今年 11 月の液晶テレビの販売台数が

    昨年同期比 75.7%増の 118.5 万台、うち LED バックライト液晶テレビの販売台数が 62.1

    万台で液晶テレビ販売台数全体の 52.4%を占めたことを明らかにした。

    11 月の液晶テレビ販売台数 118.5 万台のうち、国内市場向けは前年同月比 36.8%増の

    21

  • 2011 年 12 月号

    67.9 万台、そのうちインターネットテレビの販売量は 13.323 万台、3D テレビの販売量

    は 4.9 万台、海外市場向けは前年同月比 183.5%増の 50.6 万台、そのうち新興市場向け

    が前年同月比 345.8%増の 25.3 万台に急増した。新興市場向けが TCL の海外市場向け販

    売量の半分を占め、新たなけん引役に成長している。

    【EMS】鴻海、11 月売上高 3千億 NTD 突破 2 ヶ月連続で過去最高

    台湾経済日報 2011.12.10

    アップル iPhone/iPad の販売好調が続く中、鴻海(Foxconn)は 9日、今年 11 月の単体

    売上高が 3072 億 NTD に達し、10 月比 3.94%増、前年同月比 32.54%増となり、2ヶ月連続

    で単月過去最高を更新したことを明らかにした。また、台湾企業としては初めて単月売

    上高が 3000 億 NTD を突破したことも明らかにした。

    市場は当初、米国の雇用悪化、iPad 3 の投入等によって、米国のクリスマス商戦でのア

    ップル製品の販売が低調となることを予想していたが、消費者の節約疲れもあってブラ

    ックフライデー以降のアップル製品の販売は予想を上回る好調さを維持しているという。

    特にジョブズ氏の死により、ジョブズ氏が最後に開発したとされるアップル iPhone 4S

    の爆発的ヒットに火がつけたことも、鴻海の売上高を押し上げている。

    鴻海の今年 1-9 月の連結売上高は 2.38 兆 NTD に達しており、10 月、11 月の単体売上高

    それぞれ 2955 億、3071 億元を加えると 3 兆 NTD 近くに達することになる。鴻海の今年

    通年の連結売上高は 3.3-3.6 兆 NTD、来年の連結売上高は 4 兆 NTD に達する可能性があ

    ると見られている。

    【有機 EL】有機 EL パネル市場今年は飛躍の年 45億米ドル市場に成長

    2011-12-7 電子元件技術

    主にスマートフォンに使用されている有機 EL パネル市場は今年飛躍的発展により、その

    市場規模は前年比 3倍近くの 45 億米ドル(うちアクティブマトリックスが 42 億米ドル)

    に達すると見られている(下グラフ参照)。2011 年は有機 EL パネルにとって間違いなく

    テイクオフの年となる見通し

    で、韓国の三星モバイルディス

    プレイ(SMD)が 5.5 世代生産

    ラインで本格的にアクティブ

    マトリックス有機 EL パネルの

    量産を開始している。テイクオ

    フ後の有機 EL パネル市場は今

    後も数年間爆発的成長を続け

    る見通しで、2016 年には市場規

    模は200億米ドル以上に達する

    と見られている。一方、2012

    年以降についてはパッシブマ

    22

  • 2011 年 12 月号

    トリックスの占める金額は 30 億米ドル程度にとどまると見られている。

    2011 年のアクティブマトリックス市場 42 億米ドルのうち、スマートフォン用が 40 億米

    ドルを占め、有機 EL パネル市場の急成長が正にスマートフォン用アクティブマトリック

    スに依存していることがうかがえる。また、アクティブマトリックス有機 EL パネルがデ

    ジタルカメラやゲーム機などでも使用されるようになっており、来年上半期にはタブレ

    ット PC 用 8 インチ製品の生産も開始、2012 年下半期にはテレビ用 55 インチ製品も生産

    される。

    市場は、これまでアクティブマトリックス有機 EL パネルがタブレット PC 及び大画面液

    晶テレビで普及するかどうかに注目しているが、大画面液晶テレビ市場で本格的に普及

    するのは 2013 年以後になると見られている。

    また、有機 EL パネルの技術的課題は高解像度をいかに実現するかにあるが、低温ポリシ

    リコン TFT 液晶パネルの主力製品である 3.5 インチが 960×640 画素(330ppi)を実現し

    ているのに対し、有機 EL パネルの主力製品である 4.0 インチは 800×480 画素(233ppi)

    にとどまっている。

    このほか、有機 EL パネルがバックシートに低温ポリシリコン TFT 液晶パネル基板を使っ

    ていることについても、新たに酸化物半導体の採用が検討されているほか、フレキシブ

    ル有機 EL パネルの開発も注目されている。テレビ用大型有機 EL パネルにも、電流駆動、

    電力消費量、視野角、寿命、白色有機 EL 等の課題が指摘されている。

    【半導体】来年の半導体市場成長率 5% ファウンドリ市場成長率 8-9%

    2011-12-9 精実新聞

    UBS 証券アジアパシフィック地区半導体産業チーフアナリストの程正樺氏は 8 日、来年

    の半導体市場について低価格スマートフォン投入ラッシュ、Windows8 発売といった需要

    をけん引する要素が多数あることから、半導体市場は来年 2 月、3 月から回復軌道に入

    り、通年では 5%の成長率を達成する、また半導体ファウンドリ市場の成長率も 8-9%に達

    するとして、どちらも今年を上回る成長率が期待できるとの見方を示した。

    810 号 12 月 14 日

    【携帯電話】華宝、ノキア Mangoの販売好調で11月売上高前年比3倍

    台湾経済日報 2011.12.12

    世界最大の携帯電話ブランド、ノキアが iPhone の類似品としてスマートフォン Mango

    を投入し販売が好調であることから、ノキアの ODM パートナーである華宝(Compal)の

    今年 11 月の売上高が前年同月比では昨年同期比 232%増の 48.66 億 NTD を達成、2007 年

    5 月以來の高水準となったことを明らかにした。市場は、華宝の 10-12 月の四半期売上

    高が 7-9 月比 3-4 倍になる可能性が高いと予想している。

    ノキアの Mango スマートフォンは予想以上に反響が大きく販売も好調であることから、

    ODMメーカーだけでなく、部品メーカーも受注量を増やしており、10-12月はノキアMango

    23

  • 2011 年 12 月号

    関連部品メーカーの業績にも注目が集まっている。一方、RIM 社と宏達(HTC)のスマー

    トフォンは、売上が足踏み状態となっている。

    Mango のフレキシブル基板を供給している毅嘉(Ichia)は、今年 11 月の売上高が 15.12

    億NTDで過去最高、音響部品を供給している美律も同月連結売上高が8.8億NTDに達し、

    過去 2番目に高い水準を記録している。

    華宝の今年 10-11 月の連結売上高は 64.38 億 NTD に達しているが、12 月は例年 ODM メー

    カーの出荷量は減少することから、華宝の 12 月売上高は 30 億 NTD 以下になる可能性が

    高く、同社の今年 10-12 月の売上高は 2008 年 1-3 月に記録した過去最高の 95.18 億 NTD

    に次ぐ実績となると予想されている。

    【スマホ】スマホ/タブレット PC、来年も半導体市場成長をけん引する見通し

    2011-12-12 Gartner

    大手 IT 市場調査機関 Gartner は、最新の展望レポートで、来年の携帯電話生産量見通し

    について、前回のレポートで示した前年比 7%成長としていたところを同 7.5%成長に若干

    上方修正した一方、タブレット PC の生産量については、前回のレポートの 1.1 億台から

    若干下方修正して 1.07 億台とすることを明らかにした。タブレット PC の生産量は 1.07

    億台でも前年比で見ると 63%増となるとしている。

    Gartner アナリストは、2012 年もスマートフォンとタブレット PC が半導体産業の成長を

    けん引する状況が続く、中でも NAND Flash 及び SSD が最も恩恵を受ける分野になるとし

    ている。また、2015 年には米ドル換算ベースでスマートフォン、タブレット PC、SSD の

    半導体市場成長への貢献度は 8割近い 77%に達するとの見方を示した。

    【液晶パネル】奇美電子、大型パネル受注増で 11月売上高前月比 8%増

    2011-12-12 精実新聞

    大型液晶パネル世界第 3位の友達(AUO)が今年 11 月の売上高で前月を下回る実績だっ

    たのに対し、同業第 4位の奇美電子(Chimei Innolux)は同月売上高が前年同月比では

    依然3.47%減ではあるが、前月比では8.1%増の434億NTDに達したことを明らかにした。

    奇美電子は今年 1-11 月の累計連結売上高でも 4542.8 億 NTD で前年同期比 4.36%増まで

    回復させた。同社の今年 10 月以降の設備利用率は 75-80%付近で推移しているものの、

    今年年初から累積した赤字が巨額となっていることから、董事長が辞任する事態になっ

    ている。なお、今年 11 月の液晶パネル出荷量については、大型パネルが 1214.3 万枚で

    前月比 18.4%増、中小型パネルが 3699.3 万枚で前月比 14.1%減だった。

    【液晶パネル】中韓合弁の金正光学、山西省に光学薄膜工場建設開始

    慧聡家電網 2011-12-13

    中国太原天龍集団と韓国 NANOSYSTEM の合弁で設立された山西金正光学科技有限公司は、

    中国山西省太原市で液晶パネル用光学薄膜生産工場の建設を正式に開始した。

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    山西金正光学科技有限公司は、太原天龍集団:65%、韓国 NANOSYSTEM:35%(現金出資

    ではなく特許 6件及び 1本の自動生産ライン)で 1億 5385 万元の資本金で設立した中外

    合弁企業で、NANOSYSTEM の自社開発技術を導入して 5本の幅 1.2 メートルの光学薄膜自

    動生産ラインを建設する計画を示している。

    主に液晶パネル用増光膜、拡散膜、複合膜を生産する計画で、フル稼働後の生産量は年

    間 1200 万平方メートル、年間売上高は約 6億元を見込んでいるという。中国国内では初

    めての増光膜、拡散膜専門メーカーで、これまで海外からの輸入に依存してきた同製品

    の国内生産が実現することになる。

    【タッチパネル】アップル、タッチパネル新技術開発に200人余りを新たに投入

    2011-12-13 技術在線

    米国アップルは、200 名余りの人員を iPhone/iPad タッチパネルの新技術開発のために

    新たに配置したことが明らかになった。アップルが求めている新技術が、液晶パネル上

    にタッチセンサを形成するイン・セル(Incell)技術か、カバーガラス上にタッチセン

    サを形成するワン・ガラス(One Glass)技術かは依然不透明ではあるが、いずれの技術

    としても、両製品の大幅な軽量化、薄型化が実現できることが期待されている。

    アップルが最終的にどちらの技術を採用するかについては、アップルが 2012 年中に本格

    的量産が可能になることを要求していることから、今のところ、静電容量式タッチパネ

    ル最大手の宸鴻光電(TPK)が開発しているワン・ガラス技術が一歩リードしていると見

    られている。

    【EMS】富士康、小米と交渉開始 販売好調スマホの ODM を受注か

    2011-12-13 第五頻道

    EMS 最大手の鴻海富士康(Foxconn)執行董事兼行政総裁である程天縦氏が中国内地のス

    マートフォンメーカーである北京小米科技(Xiaomi)と内々に交渉を開始したことが明

    らかになり、業界関係者からは、小米科技が自社ブランドスマートフォンの出荷量が予

    想以上に好調であることから、富士康を新たな主力 ODM パート

    ナーとして起用するのではないかとの観測が出ている。

    北京小米科技は今年 8月 16 日、小米スマートフォンが台湾の大

    手携帯電話 ODM メーカーである英華達(Inventec Appliances)

    が生産していることを明らかにしているが、今年 10 月 20 日の

    正式発売以降、英華達の生産能力不足により生産が注文に追い

    つかない状況が続いているという。直近で小米の 1 日のスマー

    トフォン出荷台数は 1.5 万台に達しているという。

    【LED】中国のMOCVD保有量600台突破 補助金廃止で今後は減速

    2011-12-12 PCB 網城

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