2020年コロナ禍の中国経済・エネルギーの現状と 第14次五ヶ …...2020/11/26...
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2020年11月26日
2020年コロナ禍の中国経済・エネルギーの現状と第14次五ヶ年計画(石油・ガス)の方向性
北京事務所 塚田 裕之
JOGMEC-Webセミナー用資料
1. 2020年中国の経済状況、見通し・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.4
2. 中国のエネルギー構成・電源構成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.11
3. 石油・天然ガスの輸入と対外依存度・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.15
4. 2019年石油・天然ガスの国内開発と生産・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.23
5. 2019年中国天然ガス業界の状況と市場化改革・・・・・・・・・・・・・・・・P.28
6. 2020年中国天然ガス業界の見通し ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.33
7. 第14次5ヶ年計画(石油・ガス)の方向性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.37
8. 2060年ガーボンニュートラル表明(脱炭素社会へシナリオ)・・・・・・・・・・・P.45
【免責事項】本稿に掲載された政府通知、政府報告、統計データ、報道記事は、JOGMEC北京事務所による仮訳を基に作成されたものであり、原文の内容を保証するものではありません。複製・転載はご遠慮ください。 2
①2020年中国経済は2期連続で(+3.2%,+4.9%)プラス成長。通年で2%前後の成長見込み。生産、製造業だけではなく、後半には消費、サービス業がけん引。ADBや世銀は、2021年は7.7~7.9%を予測。
②中国は天然ガスの輸入大国だが、国内で天然ガスがエネルギー消費に占める割合は8%、電源の3%に過ぎない石炭の割合は温暖化対策、直実に低減しているが、引き続き、石炭(58%、52%)が主要エネルギー源。
③コロナ禍の中でも輸入は増加基調。最近の原油安等により輸入量が大きく伸び、備蓄にも力入れている。一方でリスク分散から輸入先も多元化。外交的配慮、ロシアとの関係強化の意図も読み取れる。
④ 今後の政策のキーワードは「安全保障の強化」、「ガス業界の市場化改革」、「2060年カーボンニュートラル」の3つ。
⑤エネルギー安全保障上、昨年は国内の石油・天然ガスの探鉱・開発に5兆円以上もの多額の投資を行った。今後はシェールガスなど非在来型ガスの国内生産やガス貯蔵施設の建設にも力を入れていく模様。
⑥エネルギー備蓄能力の向上にも力を入れ、ガス貯蔵設備の建設を積極的に推進。地下ガス貯蔵施設も27ケ所。地下貯蔵設備、LNG貯蔵コンテナ整備を積極的に推進している。ガス会社やパイプ会社にも貯蔵責任を課す。
⑦ガス業界の上流から下流まで市場化を推進、安定的に発展。探査へ外資参入を緩和。輸送面ではパイプチャイナ設立により設備の第3者へ開放を促進し、コストを下げ、ガス利用を推進。
⑧中国も脱炭素社会に積極的に取り組むことを決意表明。「パリ協定」の2050年達成はハードルが高く困難だが、2060年前の達成に取り組むことを決意。9月の国連総会で習近平主席は2060年カーボンニュートラルを表明。
⑨2060年には化石エネルギー消費割合は20% ~30%との予測もあり。CCSの普及でその割合が変化。この目標から逆算して今後、40年の政策、5ケ年計画が策定される。コミュニケでエネルギー革命の推進を明記。
⑩脱炭素社会の構築は安全保障上も大きなメリットがある。非化石エネルギーの急増、輸入石油ガスの減少によりエネルギー消費に占める輸入石油ガスの対外依存度 は2050年にも現在の17.2%から5%に大きく減少する予測も。
本日のポイント:皆様にお伝えしたいこと
3
1. 2020年中国の経済状況、見通し
【免責事項】本稿に掲載された政府通知、政府報告、統計データ、報道記事は、JOGMEC北京事務所による仮訳を基に作成されたものであり、原文の内容を保証するものではありません。複製・転載はご遠慮ください。
鄧小平 江沢民 胡錦濤
1-1 中国のGDP及び成長率(2015年〜2020年1-9月)
2015年 2016年 2017年 2018年 2019年2020年1-9月
2020年第1四半期
2020年第2四半期
2020年第3四半期
GDP(兆元)
68.9 74.6 83.2 91.9 99 72 20.7 25 27
成長率 6.9% 6.7% 6.8% 6.7% 6.1% 0.7% -6.8% 3.2% 4.9%
出所:国家統計局のデータに基づいてJOGMEC北京が作成
6.9% 6.7% 6.8% 6.7% 6.1%
0.7%
-6.8%
3.2%4.90%
-8.0%
-6.0%
-4.0%
-2.0%
0.0%
2.0%
4.0%
6.0%
8.0%
0
20
40
60
80
100
120
2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
1~9月
2020年
第1四半期
2020年
第2四半期
2020年
第3四半期
GDP(兆元) 成長率
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1-2 2020年中国の経済見通し
発表機関 発表日 成長率 コメント
ADB 2020.9.15 1.8%経済の減速から戻りつつある数少ない国の1つ。効果的な公衆衛生対策が成長への道筋へとつながり、今年の成長率は1.8%、2021年は7.7%と予測される。
世界銀行 2020.9.29 2%7月の1.6%から2%に上方修正、21年の成長率は7.9%まで回復すると予想。コロナ対策と経済社会の発展が著しい成果を取得した。中国経済の持続且つ安定的な復活が世界経済成長に対する促進の役割が強化
OECD 2020.9.16 1.8%G20の中では唯一2020年プラス成長する見込み、6月より4.4ポイント上方修正。プラス成長の理由:1.コロナの発生時期が早かった。2.コロナの拡散を迅速に抑制。
3.政策の支援で経済活動の復活が早い。
IMF 2020.10.13 1.9%6月の1%から1.9%に上方修正。理由:経済前景が他の発展途上国よりよい。
4月から始めた経済活動の復活が想定を超えている。第2四半期のGDPは強い政策の支援と強靭な輸出によって驚かせる成績を収めた。
中国社会科学研究院(政府系シンクタンク)
2020.9.15 4.1%第3四半期5.2%と予測。
就職以外、ほかの経済指標は前の2年とほぼ同じ、次は段階的に拡張性政策を弱める見込み。
出所:各機関の発表と環球時報、北京商報の記事に基づいてJOGMEC北京が作成
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1-3 2020年1~8月の工業と製造業の生産状況
前年同月比 前月比
一定規模以上の工業生産の成長率(8月)
+5.6% +0.8ポイント
一定規模以上の工業生産の成長率(1~8月)
+0.4%(マイナス➞プラス)
―
サービス業生産指数(8月) +4% +0.5ポイント
ハイテク製造業の生産の成長率(8月) +7.6%(一定規模以上の工業生産を2.0ポイント上回った)
―
ハイテク製造業の投資額(1~8月) +8.8% ―
中国の8月末高炉操業率70.99% +0.69ポイント +3.03ポイント
出所:中国能源網2020年9月16日の記事に基づいてJOGMEC北京が作成
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1-4 2020年8月の消費とオンラインビジネス
前年同期比 伸び率
消費者物価指数(8月CPI) +2.4% -
全国の現物商品オンライン販売額(1~8月)
+15.8% 0.1ポイント加速
現物商品の小売総額のオンラインシェア24.6%
+5.2ポイント -
操業再開率
一定規模の小売業 96%飲食企業 70%~80%
出所:中国能源網2020年9月16日の記事に基づいてJOGMEC北京が作成
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1-5 中国の自動車生産量(2019.9~2020.9)
2019.9 2019.10 2019.11 2019.12 2020.1-2 2020.3 2020.4 2020.5 2020.6 2020.7 2020.8 2020.9
台数(万台)
222 227.9 260.8 270.5 200.5 146.1 210 215.2 231.1 225.8 208.8 252.4
成長率(%)
-6.9% -2.1% 3.7% 8.1% -45.8% -43.0% 5.1% 19.0% 20.4% 26.8% 7.6% 14.1%
-6.9%-2.1%
3.7%8.1%
-45.8% -43.0%
5.1%
19.0% 20.4%26.8%
7.6%14.1%
-50.0%
-40.0%
-30.0%
-20.0%
-10.0%
0.0%
10.0%
20.0%
30.0%
40.0%
0
50
100
150
200
250
300
2019.9 2019.1 2019.11 2019.12 2020.1-2 2020.3 2020.4 2020.5 2020.6 2020.7 2020.8 2020.9
台数(万台) 成長率(%)
出所:国家統計局のデータに基づいてJOGMEC北京が作成
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1-6 中国の粗鋼生産(2019.9~2020.9)
2019.9 2019.10 2019.11 2019.12 2020.1-2 2020.3 2020.4 2020.5 2020.6 2020.7 2020.8 2020.9
粗鋼生産(万トン)
8,277 8,152 8,029 8,427 15,470 7,898 8,503 9,227 9,158 9,336 9,485 9,256
対前年比(%)
2.2 -0.6 4.0 11.6 3.1 -1.7 0.2 4.2 4.5 9.1 8.4 10.9
2.2%
-0.6%
4.0%
11.6%
3.1%
-1.7%
0.2%
4.2% 4.5%
9.1%8.4%
10.9%
-4.0%
-2.0%
0.0%
2.0%
4.0%
6.0%
8.0%
10.0%
12.0%
14.0%
0
2000
4000
6000
8000
10000
12000
14000
16000
18000
2019.9 2019.1 2019.11 2019.12 2020.1-2 2020.3 2020.4 2020.5 2020.6 2020.7 2020.8 2020.9
粗鋼生産量(万トン) 対前年比(%)出所:国家統計局のデータに基づいてJOGMEC北京が作成
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2.中国のエネルギー構成と電源構成
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2-1 中国のエネルギー消費構造(2019年)
出所:国家統計局のデータに基づいてJOGMEC北京が作成
消費量(万トン石炭換算)
割合(%)
消費総量 486,000
石炭 280,422 57.70
石油 91,854 18.90
ガス 39,366 8.10
一次電力とその他のエネルギー
74,358 15.30
57.70%
18.90%
8.10%
15.30%
中国のエネルギー消費構造(2019年)
石炭 石油 ガス 一次電力とその他エネルギー
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2-2 中国の発電設備容量(2019年)
出所:中国電力企業連合会『中国電力産業年度発展報告2020』に基づいてJOGMEC北京が作成
種類 万kW 割合(%)
総量 201,006
火力発電(石炭) 104,063 51.77
火力発電(ガス) 9,024 4.49
火力発電(その他) 5,870 2.92
水力発電 35,804 17.81
風力発電 20,915 10.41
太陽光発電 20,418 10.16
原子力発電 4,874 2.42
その他 38 0.02
51.77%
4.49%2.92%
17.81%
10.41%
10.16%
2.42% 0.02%
発電設備容量(2019年)
火力発電(石炭) 火力発電(ガス) 火力発電(その他) 水力発電
風力発電 太陽光発電 原子力発電 その他
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2-3 中国の発電電力量(2019年)
出所:中国電力企業連合会『中国電力産業年度発展報告2020』に基づいてJOGMEC北京が作成
種類 億kWh 割合(%)
総量 73,266
火力発電(石炭) 45,538 62.15
火力発電(ガス) 2,325 3.17
火力発電(その他) 2,602 3.55
水力発電 13,021 17.77
風力発電 4,053 5.53
太陽光発電 2,237 3.05
原子力発電 3,487 4.76
その他 3 0.004
62.15%
3.17%
3.55%
17.77%
5.53%
3.05%4.76% 0.004%
発電形式の構造(2019年)
火力発電(石炭) 火力発電(ガス) 火力発電(その他) 水力発電
風力発電 太陽光発電 原子力発電 その他
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3.中国の石油・天然ガスの輸入と対外依存度
【免責事項】本稿に掲載された政府通知、政府報告、統計データ、報道記事は、JOGMEC北京事務所による仮訳を基に作成されたものであり、原文の内容を保証するものではありません。複製・転載はご遠慮ください。
3-1 中国の原油輸入(月別)
2019年9月
10月 11月 12月2020年1~2月
3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月
輸入量(万トン)
4,124 4,551 4,574 4,548 8,609 4,110 4,043 4,797 5,318 5,129 4,748 4,848
成長率(%)
10.8 17.1 6.7 3.9 5.2 4.5 -7.5 19.5 34.4 25 12.6 17.6
4124 4551 4574 4548 8609 4110 4043 4797 5318 5129 4748 4848
10.8
17.1
6.73.9 5.2 4.5
-7.5
19.5
34.4
25
12.617.6
-10-50510152025303540
0100020003000400050006000700080009000
10000
(%)
輸入量(万トン) 成長率(%)出所:国家統計局のデータに基づいてJOGMEC北京が作成
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出所:国家統計局、PetroChina『2019年国内外石油ガス業界発展報告』に基づいてJOGMEC北京が作成
2016年 2017年 2018年 2019年2020年1~9月
2020(予測)
輸入量(万トン)
38,101 41,957 46,189 50,572 41,602 52,479
対外依存度(%)
68.01% 71.23% 70.82% 72.45% - 72.98%
3810141957
4618950572 52479
68.01
71.2370.82
72.4572.98
65
66
67
68
69
70
71
72
73
74
0
10000
20000
30000
40000
50000
60000
2016 2017 2018 2019 2020(予測)
原油輸入量(万トン) 対外依存度(%)
3-2 中国の原油輸入量と対外依存度(年別)
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サウジアラビア, 16%
ロシア, 15%
イラク, 10%
アンゴ
ラ, 9%ブラジル,
8%
オーマン, 7%
クウェート, 5%
UAE, 3%
イラン, 3%
コロンビア, 3%
その他, 21% ロシア, 16%
サウジアラビ
ア,15%
イラク, 12%
ブラジル, 8%
アンゴラ, 7%
オーマン, 7%
UAE, 6%
クウェート, 5%
ノルウェー, 3%
マレーシア, 2%
その他, 19%
3-3 中国の原油輸入先(2019・2020)
2019年(5.1億t)
2020年1~8月(3.7億t)
出所:SIA Energy、CNPCニュースセンターのデータに基づいてJOGMEC北京が作成
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3-4 中国の天然ガス輸入(月別)
(1トン=1380㎥)
2019年9月
10月 11月 12月2020年1~2月
3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月
輸入量(万トン)
821 652 946 951 1780 692 772 784 833 735 936 866
成長率(%)
8 -10.2 3.8 3.7 2.8 0.3 1.3 4.2 11.5 -6.4 12.3 5.5
821 652 946 951 1780 692 772 784 833 735 936 866
8
-10.2
3.8 3.7 2.80.3 1.3
4.2
11.5
-6.4
12.3
5.5
-15
-10
-5
0
5
10
15
0
200
400
600
800
1000
1200
1400
1600
1800
2000
2019.9 2019.1 2019.11 2019.12 2020.1~2 2020.3 2020.4 2020.5 2020.6 2020.7 2020.8 2020.9
輸入量(万トン) 成長率(%)
出所:国家統計局のデータに基づいてJOGMEC北京が作成
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3-5 中国の天然ガス輸入と対外依存度(年別)
2016年 2017年 2018年 2019年2020年1~9月
2020(予測)
輸入量(億㎥)
746 947 1,248 1,337 1,021 1,400
対外依存度(%)
35.8% 39.2% 48.6% 45.2% - 42.6%
746947
1248 1337 1400
35.839.2
48.645.2 42.6
0
10
20
30
40
50
60
0
200
400
600
800
1000
1200
1400
1600
2016 2017 2018 2019 2020
輸入量(億㎥) 対外依存度(%)
出所:国家統計局、PetroChina『2019年国内外石油ガス業界発展報告』、国家能源局『中国天然ガス発展報告2020』 に基づいてJOGMEC北京が作成
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トルク
メニス
タン,
62%
カザフス
タン,
16%
ウズベキ
スタン,
6%
ミャン
マー, 9%
ロシア,
7%
トルクメ
ニスタ
ン, 66%
カザフスタ
ン, 14%
ウズベキス
タン, 10%
ミャンマー, 10%
オースト
ラリア, 46%
カタール, 14%
マレーシア, 11%
インドネシア, 8%
パプアニュー
ギニア, 5%
ロシア, 4%
ナイジェリア, 3%
オーマン, 2%
トリニダードト
バゴ, 1%
ペルー, 1%
その他, …
3-6 中国の天然ガスの輸入先
PLG*総量(2019)50bcm
LNG総量(2019)6,050万t
オーストラリ
ア, 45%
カタール, 11%
マレーシア, 10%
インドネシ
ア, 9%
ロシア, 7%
パプアニュー
ギニア, 5%
ナイジェリア, 4%
アメリカ, 3% ペルー, 1%
オーマン, 1%
その他, 4%
LNG総量(2020.8まで)
4,245万t
PLG*総量(2020.8まで)
32bcm
出所:SIA Energyのデータに基づいてJOGMEC北京が作成
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注:PLG(Pipeline Natural Gasパイプラインガス)
21
3-7 2019年LNGの輸入主体
2,130
3,895
②LNG輸入(スポット)割合
スポット その他
(35.4%)6,025万トン(64.6%)
5,584
441
①LNG輸入主体
主要石油・ガス企業 地方国有、民間、港資企業
6,025万トン
(7.3%)
(92.7%)
出所:国家能源局『中国天然ガス発展報告2020』に基づいて JOGMEC北京が作成
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4. 2019年石油・天然ガスの国内開発と生産の状況
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投資 大幅増加、過去最高記録
確認埋蔵量
①石油、ガスの探鉱は多数の重要な成果を挙げ、石油・天然ガスの確認埋蔵量は大幅に増加
②億トン級の油田が2カ所新規増加③千億㎥級の天然ガス田とシェールガス田それぞれ3カ所増加④石油・ガスの確認埋蔵量は引き続き「石油は安定的で、ガスは増加している」勢いを見せている。
生産量石油生産量は安定的に増加し天然ガスの生産量は急速増加
4-1 石油・ガスの探鉱と開発の全般状況(2019)
出所:中国自然資源部『2019年中国石油・天然ガス資源探鉱開発報告書』に基づいてJOGMEC北京が作成
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4-2 石油・ガスの探鉱と開発への投資
石油・ガス 投資額(億元) 成長率
探鉱 821.29 29%
開発 2,527.10 24.4%
項目 面積 対前年比(%)
2D探査 5.14Km 17.9%
3D探査 4.17K㎡ 40.2%
項目 掘削数(個) 対前年比(%) 掘削深度(万m) 対前年比
試掘用坑井 2,919 -1.2 809.18 -0.1
開発用坑井 23,412 0.7 5,198.18 5.2
出所:中国自然資源部『2019年中国石油・天然ガス資源探鉱開発報告書』に基づいてJOGMEC北京が作成
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4-3 石油・ガスの新規の確認埋蔵量
石油11.24億トン
対前年比17.2%
天然ガス8090.92億㎥
対前年比-2.7%
シェールガス7644.24億㎥
対前年比513.1%
石炭層ガス64.08億㎥
対前年比-56.4%(1)新規の確認埋蔵量1億
トン以上の盆地①オルドス盆地②ジュンガル盆地③渤海湾盆地(海域含)
(2)新規増加の確認埋蔵量1億トン以上の石油・ガス田
①オルドス盆地の・慶城油田
②ジュンガル盆地の・玛湖油田
(1)新規増加の確認埋蔵量が1000億㎥以上の盆地
① オルドス盆地・靖辺ガス田・蘇里格ガス田
② 四川盆地・安岳ガス田
①CNPCが有する四川盆地の・長寧シェールガス田・威遠シェールガス田・太陽シェールガス田(全て千億以上)
②SINOPEC所属四川盆地の
・永川シェールガス田
貴州水鉱の文家ダムの石炭層ガス
出所:中国自然資源部『2019年中国石油・天然ガス資源探鉱開発報告書』に基づいてJOGMEC北京が作成
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4-4 石油・ガスの生産量
石油1.91億トン
対前年比1.1%
生産量が1000万トン以上の盆地:①渤海湾盆地(海域含)、②松遼、③オルドス④ジュンガル、⑤タリム⑥珠江口盆地合計1.67億トン、中国の生産総量の87.6%
天然ガス1508.84億㎥対前年比6.6%
生産量50億㎥以上の盆地:①オルドス、②四川、③タリム、④珠江口、⑤チャイダム、⑥松遼合計1352.68億㎥、中国の生産総量の89.7%
シェールガス153.84億㎥
対前年比41.4%
生産量の由来:主に四川盆地と周辺地域
石炭層ガス54.63億㎥
対前年比6.1%
石油 天然ガス シェールガス 石炭層ガス CO2ガス
確認済み石油・ガス田(カ所) 756 284 7 25 3
2019年まで累計生産量 71.26億トン 2.23万億㎥ 492.01億㎥ 244.78億㎥ ―
出所:中国自然資源部『2019年中国石油・天然ガス資源探鉱開発報告書』に基づいてJOGMEC北京が作成
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5. 2019年中国天然ガス業界の状況と市場化改革
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5-1 2019年国内天然ガス産業の安定発展
2019年末時点
ガス輸送パイプライン幹線 87,000キロ超
ガス輸送能力 年間3,500億㎥超
地下ガス貯蔵施設 27か所
地下ガス貯蔵施設有効稼働量 102億㎥(前年比30億㎥以上増)
天然ガス見掛け消費量* 3,064億㎥(前年比8.6%増)
出所:国家能源局『中国天然ガス発展報告2020』に基づいてJOGMEC北京が作成
897
598
396 375
0100200300400500600700800900
1000
華東 華北 西北 西南
地域別の天然ガス消費(一部)(億㎥)
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(*生産量と純輸入量の合計数量)
29
5-2 2019年中国の天然ガス市場化改革
2019年以降、中国は天然ガスの市場化改革を継続的に推し進めてきた。
上流(探鉱・開発): ①参入許可の緩和
②鉱業権の競争的譲渡
中流(輸送・貯蔵): ①運送と販売を切り離す②パイプチャイナの創設
下流(販売・利用): ①天然ガス価格改革の深化②税金削減・費用低減措置
⇒ ガス開発の活性化
⇒
⇒ 天然ガス利用促進
出所:国家能源局『中国天然ガス発展報告2020』に基づいてJOGMEC北京が作成
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第三者にインフラ設備を公平利用
30
5-3 2019年中国の天然ガス市場化改革(上流)
方針 ⇒ 市場化改革を深め、探鉱開発市場を秩序的に自由化させる。
措置 ⇒ ① 社会的資金を石油ガス探鉱・生産市場に導入する。
② 企業に探鉱開発を増やすよう促す。
③ 石油ガス探鉱生産統合制度を築く。
④ 探鉱権2年間1回の延期を5年間1回に変更する。
⑤ 炭層ガスの鉱業権の譲渡登記権限を省レベルの主管部門に移転する。
⑥ 2019年7月30日より、外資への探鉱開発規制を緩和する。
⑦ 非在来型天然ガス補助金政策を完備し、企業の開発加速を奨励
出所:国家能源局『中国天然ガス発展報告2020』に基づいてJOGMEC北京が作成
探鉱・開発
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5-4 2019年中国の天然ガス市場化改革(中流・下流)
方針 ⇒ 国家石油ガス管網公司(パイプチャイナ)を創設、国内一つのネットワークを築く。
措置 ⇒ ① 国有資本が持株となり、投資本体多様化であるパイプチャイナを創設する。
② 石油ガス管網施設における開放。
③ ガス貯蔵インフラ施設の建設を推進する。
④ ガス貯蔵施設の運営モデルを創設し、独立した経営を進める。
⑤ 土地、財政税金、金融、投資など政策による支援を強化する。
方針 ⇒ 天然ガス発電と交通輸送用ガスの発展を推進する。
措置 ⇒ ① 天然ガス発電プロジェクトの建設を着実に推進させる。
② 減税・費用削減を実施し、末端ユーザーに改革配当金を与える。
③ 都市ガスプロジェクトの取り付け費用の基準を定める。
④ 企業のガス消費コストを段階的引き下げる。
出所:国家能源局『中国天然ガス発展報告2020』に基づいてJOGMEC北京が作成
輸送・貯蔵
販売・利用
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6. 2020年中国天然ガス業界の見通し
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6-1 2020年中国の天然ガス業界
(1)2020年中国天然ガス発展の予測
2020年
全国天然ガス消費量 3,200億㎥
全国天然ガスの新規確認原始埋蔵量 8,000億㎥
国内天然ガス生産量 1,890億㎥
天然ガス輸入量 1,400億㎥
パイプラインガス輸入量 500億㎥
LNG輸入量 900億㎥
出所:国家能源局『中国天然ガス発展報告2020』に基づいてJOGMEC北京が作成
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6-2 2020年上半期の状況
(2)2020年上半期の回顧
① 新型コロナウイルスに影響を受けながらも、2020年上半期天然ガスの消費はプラス。
②天然ガス生産、供給、備蓄、販売体系の建設が安定的に推進され、中露東線(シベリ
アの力)などのインフラ重点プロジェクトや相互連続プロジェクトが操業再開。
③ 2020年上半期、中国天然ガス探鉱開発が強化され、生産量が引き続き増加。
天然ガスの生産量は940億㎥を達し、前年同期比10.3%増。
④天然ガス需要の構造化の差異が目立った。
工業のガス使用はマイナス成長から2019年同期の水準に回復した。
都市ガスは安定的に増加。
発電ガス使用と化学工業ガス使用には新型コロナから受けた影響が顕著し、上半期
には下落した。
出所:国家能源局『中国天然ガス発展報告2020』に基づいてJOGMEC北京が作成
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6-3 2020年下半期の展望
(3)2020年下半期の展望
① 2020年下半期、天然ガス産業の持続的安定的発展の総方向は変わらない。
② 国際天然ガスの需給状況は緩和し、天然ガス価格が低いレベルで変動し、国内の備
蓄増加、生産能力投入が強化され、天然ガスの安全供給保障能力が更に向上している。
③ 国内資源を基に天然ガスの探査開発を引き続き推進する。四川、新疆、オルドス、
海域四大石油ガス生産基地の規模を拡大し、在来型天然ガス生産量の増加、非在
来型天然ガスの発展を推進する。
④ パイプラインネットワークやガス貯蔵施設の建設を加速する。
⑤ 石油ガス体制改革を引き続き深化し、天然ガス鉱業権改革やパイプチャイナ運営体制
改革の実行を推進し、天然ガス市場体系の構築のために基礎を築く。
出所:国家能源局『中国天然ガス発展報告2020』に基づいてJOGMEC北京が作成
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7.第14次5ケ年計画(石油・ガス)の方向性
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7-1 五中全会での「第14次5ヶ年計画・2035年長期目標策定に関する党中央の提案」(抜粋)
◎14.インフラ建設の統一的推進。エネルギー革命を推し進め、エネルギーの生産・供給・貯蔵・販売システムを整備し、国内
の石油・天然ガス探査開発を強化し、石油・天然ガス備蓄施設の建設を急ぎ、全国の幹線石油・ガスパイプライン建設を急ぎ、スマートエネルギーシステムを建設する。
◎20.各種市場主体の活力を喚起する。資本管理を主体とする国有資産監督管理体制を整え、国有資本投資・運営会社改革を深め
る。エネルギー、鉄道、通信、公的事業など業界の競争的部門の市場化改革を推進する。
◎23.ハイレベルの市場体系を構築。市場体系の基礎的制度を整え、平等参入、公正監督管理、オープン・秩序、誠実・順法を堅持
し、高効率で、規範化された、公平な競争のある国内統一市場を形成する。
◎35.グリーン低炭素の発展を加速する。エネルギーのクリーン低炭素安全高効率利用を後押しする。グリーン建築を発展させる。
グリーンなライフスタイル(Green Lifestyle 持続可能な生活)創建活動を繰り広げる。炭素排出強度を引き下げ、条件のある地方が率先して炭素排出ピークを2030年より前に持っていく行動プランを策定することを支持する。
エネルギーに関する内容
出所:新華社「国民経済と社会発展の第14次5カ年計画と2035年長期目標の制定に関する中国共産党中央委員会の提案」から抜粋
38
7-2 第14次5ケ年計画の3つのキーワード
① エネルギー安全保障の強化 ⇒ ◎国内の石油・ガスの開発・増産。◎国内備蓄施設建設の推進。◎石油・ガスの代替能力の強化。◎輸入元の多元化による柔軟性の強化
② ガス業界の市場化改革 ⇒ ◎パイプラインネットワーク施設の公平開放(パイプチャイナの設立)。
◎中小・地方のガス会社新規参入。競争促進◎費用、価格を引き下げ、利用促進を図る。
③ 2060脱炭素社会の構築 ⇒ ◎エネルギー革命。革新的な新技術の導入。◎2060年脱炭素社会目標から逆算した政策。◎新規電力は非化石エネルギー電力。◎化石エネルギーの減少は単に経済問題に
留まらず社会価値の選択の問題でもある。
【免責事項】本稿に掲載された政府通知、政府報告、統計データ、報道記事は、JOGMEC北京事務所による仮訳を基に作成されたものであり、原文の内容を保証するものではありません。複製・転載はご遠慮ください。 39
(1) 2020年主要目標①エネルギー消費:標準炭換算で50億トン未満、石炭の割合は57.5%②供給の保障:石油1.93億t、天然ガス1810億㎥、非化石エネルギー発電機9億kW③質と効率:エネルギーシステム効率、風力発電・太陽光発電利用効率向上など④民生の向上:太陽光発電導入による貧困支援プロジェクト
「三区三州」*と国境近辺農村の電力網改造など⑤改革革新:石油ガスの探鉱開発管理体制の完備
石油ガスのパイプラインネットワークの運営体制の完備など
(2) 政策の方向性①エネルギーの安全保障(がトップ:最重要課題)②民生向上が根本的な目的③グリーン・低炭素化④質と効率を重視
7-3 2020年エネルギー活動指導意見の基本理念(第1章)
出所:国家能源局「2020年エネルギー活動指導意見」に基づいてJOGMEC北京が作成
【免責事項】本稿に掲載された政府通知、政府報告、統計データ、報道記事は、JOGMEC北京事務所による仮訳を基に作成されたものであり、原文の内容を保証するものではありません。複製・転載はご遠慮ください。
(三区:チベット自治区、青海・四川・雲南・甘粛4省のチベット族居住区、新疆ウイグル自治区のカシュガル地区・ホータン地区・クズルスキルギス自治州・アクス地区。三州:四川省の涼山州、雲南省の怒江州、甘粛省の臨夏州)」など深刻な貧困地域。)
40
7-4 (指導意見の第2章)石油ガスの安全的保障の能力を向上
(1)石油ガスの探鉱開発の強化①渤海湾、四川、新疆、オルドス四大探鉱基地を建設②シェールガスの商業化開発③CBMの大規模開発と利用④新疆キムサル等のシェールガス開発
(2)天然ガス生産・供給・貯蔵・販売システム構築の加速①パイプラインネットワークやガス備蓄施設②ガス供給企業やパイプチャイナのガス備蓄責任を実行③LNGの長期契約の締結とスポット調達の運営④プロジェクト用地・海、EIA等のメカニズムを整備
(3)石油ガスの代替エネルギーの増強①内モンゴル、新疆、陝西、貴州等の石炭合成ガス(SNG)のモデルプロジェクトの建設②燃料エタノールの政策体系を整備し、バイオエタノールの生産拡大③バイオガスプロジェクトの建設を起動
出所:国家能源局「2020年エネルギー活動指導意見」に基づいてJOGMEC北京が作成
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7-5 石油ガスの備蓄輸送重点プロジェクト
現在建設中の石油ガスパイプライン重点プロジェクト:
(1)中露東線中段(吉林省長嶺ー河北省永清区間)、新疆石炭ガス輸送パイプライン(湖北省潜江ー
湖南省郴州区間)、陝西省神木ー河北省安平CBMパイプライン、青寧(青島ー南京)天然ガスパイ
プライン等;山東省日照ー河南省濮阳—河南省洛陽原油パイプライン等
(2)唐山LNG輸送パイプライン(天津市宝坻ー河北省永清)、粤東(広東省南部)LNGプロジェクト第一
期関連パイプライン等
(3)一部区域パイプラインネットワーク及び相互接続パイプライン等
現在建設中のガス貯蔵庫重点プロジェクト:
雷61、双台子ガス備蓄庫群、吉林双坨子ガス備蓄庫、大慶四ステーション、西南相国寺ガス備蓄庫
(容量拡張、ガス量が基準に達する)、呼図壁ガス備蓄庫(容量拡張、ガス量が基準に達する)、蘇橋ガ
ス備蓄庫(容量拡張、ガス量が基準に達する)、驴驹河ガス備蓄庫、CNPC文23ガス備蓄庫、蘇東39-61ガス備蓄庫、中原文23ガス備蓄庫等
現在建設中のLNG受け入れ基地重点プロジェクト:
広西北海、浙江第二期、唐山第三期等
出所:国家能源局「2020年エネルギー活動指導意見」に基づいてJOGMEC北京が作成
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7-6 エネルギー制度の整備(関連部分を抜粋)
(2)エネルギーのメカニズムの改革を深く推進①山西省のエネルギー革命の総合改革モデル地域と海南エネルギー総合改革②電力網企業の補業を市場化する計画③電力取引機関の独立運営を推進④クリーンエネルギー消費の市場化メカニズムを整備⑤送電と配電の価格改革⑥石油ガスパイプライン網の運営メカニズムを整備⑦非民生用ガスの価格市場化
(5)エネルギー業界や市場の監督管理の強化①中央政府によるエネルギー計画、政策、重点プロジェクトの実施状況への監督管理を強化②電力市場参入、電力調達、市場取引、価格コスト、石油ガスパイプラインネットワーク施設の
公平開放管理を強化
出所:国家能源局「2020年エネルギー活動指導意見」に基づいてJOGMEC北京が作成
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(1) エネルギー生産供給能力の向上③ 国内の石油・ガスの生産量の安定と増加を推進
・渤海湾、オルドス、タリム、四川等重点石油ガス盆地の探査・シェールガス、タイトガス、炭層ガス等非在来型資源の探鉱開発
(2)エネルギー輸送インフラ建設の推進④ 石油、ガスパイプライン建設を推進する
・天然ガスパイプライン相互連携重点プロジェクト・区域間、企業間、ガス源間の相互供給と相互支持・重点石油製品のパイプライン建設
⑤ 輸入石油、ガスの安定供給・海外の石油、ガス資源を整え、輸入資源の安定供給を確保・石油、ガス企業と輸送企業の連携
(3)エネルギー貯蔵能力の向上③ ガス貯蔵設備の建設
・地下貯蔵設備、LNG貯蔵コンテナの配置・省級ガス貯蔵設備建設
7-7 2020年エネルギー安全保障推進の指導意見(石油・ガス関連部分抜粋)
出所:発改委・国家能源局「2020年エネルギー安全保障推進の指導意見」に基づいてJOGMEC北京が作成
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8. 2060年カーボンニュートラルを表明
(中国の脱炭素社会へのシナリオ)
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8-1 近年の脱炭素社会への取組みと「2060年カーボンニュートラル」
2005年 2019年
中国GDP一単位あたりのCO2排出量 - (2005年比)-48%
中国GDPの成長率 - (2005年比)4倍
第三産業の割合 41.3% 53.9%
石炭消費の割合 72.4% 55.7%
非化石エネルギーの1次エネルギーに占める割合 7.4% 15.3%
2020年10月、清華大学「中国の長期的低炭素発展戦略と転換経路研究報告」が発表された。
この中で、パリ協定の原則に従い、清華大学気候変化と持続可能発展研究院が中心となり、2050年にカーボンニュートラル実現の可能性を関連技術、コスト、困難、経済社会への影響の視点から評価した。
2025年CO2排出量ピーク、2050年に脱炭素社会の達成はハードルが非常に高い
出所:光明日報2020年10月18日記事、中国能源網2020年10月19日記事に基づいてJOGMEC北京が作成
2030年CO2排出量ピーク 2060年CO2排出量実質ゼロなら達成は可能。
2020年9月、習近平国家主席が国連総会で「2060年カーボンニュートラル」を表明。
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8-2 中国の脱炭素社会へ転換の課題と対応策
出所:中国能源報2020年10月19日記事に基づいてJOGMEC北京が作成
中国の脱炭素社会へ転換の課題
① 製造業の国際産業連関における付加価値の水準が低く、製品のエネルギー消費量が多く、経済構造の調整が難しい。
② 石炭消費の割合が依然高く、エネルギー原単位あたりのCO2排出量は、世界平均より30%高く、エネルギー構造の改善が難しい。
③ GDP単位あたりのエネルギー消費量が世界平均水準の1.5倍、先進国の2~3倍、低炭素経済システムの構築が難しい。
李政常務副院長によれば、その対応策として、
清華大学気候研究院の解振華院長によれば、
① エネルギーと電力システム、省エネとエネルギー代替分野でのインフラ建設が必要。
② 化石エネルギーの使用量を減少することは単なる経済問題ではなく、社会価値の選択が求められる。
③ 各分野の技術協力が必要、革新的、戦略的技術が重要。
【免責事項】本稿に掲載された政府通知、政府報告、統計データ、報道記事は、JOGMEC北京事務所による仮訳を基に作成されたものであり、原文の内容を保証するものではありません。複製・転載はご遠慮ください。 47
8-3 2060年を見据えて第14次五ヶ年計画で取り組むべき政策
同報告書は、第14次五か年計画の中で、取り組むべき政策として以下のことを提案。
① 新規電力の需要は非化石エネルギー電力によって賄う。
② 新規石炭火力発電所の建設を厳しく制限する。
③ 気候変動対処関連立法の強化。法的な形で気候変動対処戦略、メカニズム、政策体系の実施。
④ 長期低炭素発展を支える財政、税制面での支援を強化。財政投入や税金優遇を強化し、低炭素転換を支える投資メカニズムを形成。
⑤ CO2排出権取引市場の建設を加速推進。市場メカニズムと政府の規制性措置を結合し、国の排出削減目標の実現を図る。
出所:光明日報2020年10月18日記事に基づいてJOGMEC北京が作成
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(参考1)2060年脱炭素社会実現に向けて中国専門家の見通し
中国の遠景テクノロジーグループの張雷社長の見通しによれば、
(1) 2020年から2060年への取り組み① 中国の電力需要が3倍以上に増え、20兆kWhを超える見込み、
100億kWの新エネルギー発電設備容量が必要。② 再生可能エネルギーの年間平均新規設備容量が2億kW以上に達する。
(2) CO2排出ピークの2030年から2060年への取り組み① 純炭素排出量を100億トン以上の状態からゼロに削減② 年間3億~3億5000万トンの炭素排出削減
(3) 2060年の化石エネルギー消費の割合① 2020年の中国エネルギー構造 ⇒ 化石エネルギー消費の割合80%
(そのうち石炭55%)② 2060年の中国エネルギー構造 ⇒ 化石エネルギー消費の割合20%~30%
出所:光伏头条2020年9月25日記事に基づいてJOGMEC北京が作成
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(参考2) 2050年までのエネルギー転換の発展目標について国家電網の元社長、現在、中国電力企業連合会の劉振亜理事長の見通し(その1)
類別 2019 2025 2035 2050エネルギー消費総量 48.6 56 58 60石炭消費量 28 27.8 17.5 8.2石油消費量 9.2 9.5 9.1 5天然ガス消費量 3.9 4.8 5.5 4.5クリーン(非化石)エネルギー消費量 7.5 13.9 26.2 42
出所: 中国能源報2020年7月28日記事に基づいてJOGMEC北京が作成
(石炭換算単位:億トン)
0
10
20
30
40
50
60
70
2019 2025 2035 2050
エネルギー消費総量 石炭消費量 石油消費量 天然ガス消費量 クリーンエネルギー消費量
1次エネルギー総量
【免責事項】本稿に掲載された政府通知、政府報告、統計データ、報道記事は、JOGMEC北京事務所による仮訳を基に作成されたものであり、原文の内容を保証するものではありません。複製・転載はご遠慮ください。 50
類別 2019 2025 2035 2050
石炭消費の割合 58 50 30 12
石油消費の割合 19 15 13 6
天然ガス消費の割合 8 9 10 8
クリーン(非化石)エネルギー消費の割合 15 26 47 74
(単位:%)
2019 2025 2035 2050
輸入石油の消費 13.7 12.3 11.0 3.9
輸入天然ガスの消費 3.5 3.6 3.4 1.2
合計 17.2 15.9 14.4 5.1
1次エネルギーにおける輸入石油・ガスの割合(エネルギー安全保障)
1次エネルギーの構造
出所: 中国能源報2020年7月28日記事に基づいてJOGMEC北京で作成
(参考2)2050年までのエネルギー転換の発展目標について、国家電網の元社長、現在、中国電力企業連合会の劉振亜理事長の見通し(その2)
(単位:%)
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また、本資料は視聴者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがってJOGMEC北京事務所は本資料に依拠して行われた投資等の結果については
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発表内容の分析や見解は、発表者個人の見解であり、JOGMECを代表したものでないことを申し添えます。
謝 々