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「日産自動車におけるグローバル経営と人財育成」
日産自動車株式会社
常務執行役員
川口 均
2013年11月5日
資料1
2
1) シェアの低下
1991年以降継続的な凋落傾向にあった
グローバルマーケットシェア
2) 収益性の低さ
1991年以降8年間で7度の赤字計上
3) 巨額な有利子負債を抱える財務体質
自動車関連事業の有利子負債は、FY98:約2兆1千億円
アライアンスによるマネジメント改革以前の日産の状況(1)
3
-2%
2%
4%
6%
8%
10%
12%
94 95 96 97 98 99 85 86 87 88 89 90 91 92 93 0%
2.9%
2.7%
0.6%
-0.8% -1.0%
0.7%
3.0%
1.3%
1.7%
3.6%
1.0% 1.6%
-0.7%
1.4%
27,370
23,980
26,040
22,220
16,530
9,180
12,380
12,490
10,370
22,570
21,000
13,490 6.3%
有利子負債
売上高営業利益率
28,550 28,660
アライアンスによるマネジメント改革以前の日産の状況(2)
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“40億ドルの金塊を太平洋に投げ捨てるようなもの”
(競合メーカー役員) “後悔への道”(Newsweek誌) “ルノー・日産同盟は非常に脆弱である”(Financial Times誌)
1999年3月27日 ルイ シュヴァイツァーと塙義一、
提携契約に調印
ルノーとのアライアンス
注)提携当初のルノーの出資比率は36.8%、日産からの出資はゼロ
(ルノーとの資本関係)
(提携当初の世の中の評価)
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ルノーとのアライアンス、マネジメント改革のスタート
1999年 6月 カルロス ゴーン(当時ルノー上
席副社長)、日産COOに就任
10月 日産リバイバルプラン(NRP)
発表
2001年 6月 カルロス ゴーン、日産CEOに
就任
2005年 4月 カルロス ゴーン、ルノーCEO
に就任(日産CEOと兼任)
6
2,000
2,500
3,000
3,500
4,000
(千台)
99年度 00年度 01年度 02年度 03年度 04年度 05年度 06年度 07年度 08年度 09年度 10年度
2,530 2,633 2,597
2,771
3,057
3,389
3,569 3,483
3,770
3,411 3,515
グローバル販売台数の推移
NRP NISSAN 180 NISSAN Value-Up
4,185
マネジメント改革の成果 (1)
4,500
11年度
NP88
4,914
12年度
4,845
-2%
2%
4%
6%
8%
10%
12%
94 95 96 97 98 99 85 86 87 88 89 90 91 92 93 0%
2.9%
2.7%
0.6%
-0.8% -1.0%
0.7%
3.0%
1.3%
1.7%
3.6%
1.0% 1.6%
-0.7%
1.4%
27,370
23,980
26,040
22,220
16,530
9,180
12,380
12,490
10,370
22,570
21,000
13,490 6.3%
有利子負債
売上高営業利益率
マネジメント改革の成果 (2)
28,550 28,660
9,530
NRP NISSAN 180
NISSAN Value-Up
00
4.8%
7.9%
01 02 03
04 05 06
10.8% 11.1%
10.0% 9.2%
7.3%
1080
4,320
140
-2,060 -3,730
-1,800
07
08
3,880
09
300
10
-2,933
7.4%
-1.6%
4.1%
6.1%
-2,550
-6200 ~
5.8%
11 12
~ -9,159
5.4%
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8
システマティックな、そしてスピーディーな DNA 改革にチャレンジ
マネジメント改革の一例
マトリックス業務運営(3 軸経営)
CFT(クロスファンクショナルチーム)
コミットメントシステム
ダイバーシティ
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北米
機能軸と地域軸が独立したチムニー経営
設計 開発
購買
生産
営業
欧州
一般地域
以前のマネージメント
社長(CEO)
アジア
アフリカ
中南米
マネジメント改革の一例 【3軸経営】
商品企画
研究・設計
生産・物流
購 買
部品事業
経理・財務
人 事
コーポレート・サポート
アジア
MC-Asia
アメリカ
MC-Americas
AME
MC-Americas
マーケティング・セールス
車種群
A
車種群
B
車種群
C
車種群
D
車種群
E
車種群
F
地域軸
機能軸
Pro
gra
m D
irecto
rs
Region(Management Committee)
GNX
Global func.
Global func.
Global func.
Global func.
Global func.
Global func.
Global func.
Global func.
Global func.
グローバル本社機能
マトリクス組織に対し 目標と方向性を与え、
全体としてのパフォーマンスを 最大化する
マネジメント改革の一例 【3軸経営】
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CFT の狙い
CFT (Cross Functional Team)活動
CFT の役割
■事業運営と収益の改善に向けてより戦略的・構造的な 課題にチャレンジし改革の提案を続けていくこと
■取り組むべき主要領域について
・改革のアイデア出しを行う
・改革のオポチュニティを定量化し、経営会議に提案する
・実行部署に移されたアイテムについてフォローする
・特定の地域あるいはオペレーションに留まるのではなくグローバル
・過去のやり方、しがらみにとらわれず、独創的なアイディアを出すこと
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マネジメント改革の一例 【CFT】
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CEO
CFT コーディネーション
パイロット
A D E F G H I J K C B
リーダー
クルー
•ECまたはMCメンバー •CFTへのアドバイス •提案内容のEC報告 •各リージョン連携の推進 •パイロットの評価
•ルノーCFT、リージョンCFTとの 情報交換促進 •CFT活動の予算・人選サポート •パイロットへのコーチング
1999年に導入され、NRP(NISSAN Revival Plan)の策定やその後の日産の成長の大きな原動力。
パイロットやメンバーは社内の様々な部署から構成され、従来のやり方やマネジメントに挑戦し、既存の枠を超えたブレークスルーを追求。
• ファンクションに対するチャレンジ(ストレッチした目標設定と変革を促す) • ベンチマーク • 会社業績へのインパクト特定 • 提案内容の導入状況のフォロー
CFTの役割
マネジメント改革の一例 【CFT】
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•世界全管理職を対象としたVariable Compensation制度
•個々に設定した目標(コミット値、ターゲット値)をベースにコミット達成しなかったらゼロ、ターゲットを達成したら金額上乗せ
目的
ポイント
•会社や個々人として最低限成し遂げなければならない目標と、Stretchした高い目標を分ける
•目標を明確化し、業績評価の透明性を高める
•成果・業績に応じた処遇を実施する
マネジメント改革の一例 【コミットメント&ターゲット】
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Life-
style
Academic
background
Age Gender
Mid-career
recruitment
Value
Experience
Race
Culture
Life-
stage
色々な価値観をもつ人の意見がぶつかり合うことにより
より大きな価値を創造
マネジメント改革の一例 【ダイバーシティ】
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(千台) 87%
(%)
46%
日産のグローバル販売台数の推移
海外販売比率が全体の87%を占めている。
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日産の国内生産比率の推移
2006年度:日本生産比率40%を切る
2012年度:日本生産比率22%
91% 90%
85%
81% 80% 79% 78% 75%
69%
64%
59% 61% 61% 61% 62%
57%
51% 51% 53%
44%
36% 35% 34%
31%
39% 48%
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500
3,000
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
日本生産台数
海外生産台数
日本生産比率
(1,000台)
(年度)
3,500
22%
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グローバル主要拠点所在地
英国日産自動車製造(NMUK)
日産テクニカルセンター欧州(NTCE) 日産デザインヨーロッパ(NDE)
中東日産
日産エジプト
南アフリカ日産
日産モトール イベリカ
日産インターナショナル
(NISA)
AMIE*
豪州日産 豪州日産鋳造
東風汽車
鄭州日産汽車
裕隆日産汽車
インドネシア 日産自動車
タイ日産 東南アジア日産
Asia
日産自動車(NML)
北米日産
(NNA) 日産デザイン
アメリカ(NDA)
日産テクニカルセンター
ノースアメリカ(NTCNA)
北米日産(スマーナ)
北米日産(デカード)
北米日産 (キャントン)
メキシコ日産
(NMEX)
ブラジル日産
Americas
赤字-統括会社、地域統括会社
*)AMIE:アフリカ、中近東、インド、欧州
ロシア日産
各リージョンに、地域本社、開発、デザイン、工場、販売拠点がある
ルノー・日産 アライアンス チェンナイ工場
グローバルな企業組織に必要とされる仕組み
世界共通・公平なルール/制度
給与体系・報奨スキーム 評価システム 海外出向制度 教育スキーム 行動規範(Common Value) etc.
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日本発(初)のグローバルカンパニーを目指して
グローバル企業 無国籍企業 ≠
和魂洋才 目指すべきところは
海外が持つ
良いところ 日本人、日本企業が持つ強み
ex. モノづくり、組織力
融合
ex. 個人力、リーダーシップ