地域再生計画 - 首相官邸ホームページ ·...

19
1 地域再生計画 1.地域再生計画の名称 尾瀬の郷・片品の地域資源を活用した村中心地区活性化による若者の雇用創造プラン 2.地域再生計画の作成主体の名称 群馬県利根郡片品村 3.地域再生計画の区域 群馬県利根郡片品村の全域 4.地域再生計画の目標 4-1 地域の現状 (地勢) 片品村は、群馬県の北東部に位置し、北は新潟県・福島県、東は栃木県、南は沼田市、西は 川場村・みなかみ町にそれぞれ接している。東西 24km、南北 34km、総面積 391.76k ㎡で、群馬 県内 35 市町村中、第5位の広い面積となっている。 標高は、650m(幡谷地内)から 2,578m(白根山頂)までと幅広く、日光白根山、武尊山、至 仏山などの山々が連なり、中央を片品川が、笠科川、小川、塗川と合流しながら南下している。 村内の 90%は森林に覆われ、集落は川沿いに形成されている。尾瀬、丸沼、菅沼地域は日光国 立公園の一部として指定を受けており、中でも特別保護地区(8,757ha)の尾瀬は、平成 17 にラムサール条約の湿地に登録されている。平成 19 年には、日光国立公園から尾瀬地域を分割 し、新たに「尾瀬国立公園」として指定された。また平成 20 年度には環境省「平成の名水百選」 に認定された尾瀬の郷片品湧水群など、豊かな自然環境を有する。 役場所在地(鎌田地区)における平均気温は 11℃で、最高気温 36℃、最低気温-18℃で、降 水量は年平均 1,042mm、冬季の積雪量は山間部では 3m~4mに達し、居住地域でも 40cm100cm の積雪となり、昭和 54 年度に群馬県内で唯一の豪雪地対策特別措置法による特別豪雪地帯に指 定された。 交通網は、沼田市から片品村を経由して栃木県日光市へ通じる国道 120 号をはじめ、村中心 地区から尾瀬方面へ通じる国道 401 号、みなかみ町へ通じる主要地方道水上・片品線、川場村 へ通じる主要地方道平川・横塚線が通っており、これらが特に重要な生活道路及び観光道路と なっている。なお、沼田ICから関越自動車道を利用すると、片品村役場から練馬ICまで(156 ㎞)は約 2 時間の距離にある。 鉄道の最寄り駅は、JR上越新幹線上毛高原駅、上越線沼田駅になる。上毛高原駅からは関 越自動車道を利用して車で約1時間(役場まで約 40 ㎞)、沼田駅からは約 50 分(役場まで約 33 ㎞)かかる。 (人口) 平成 22 年の片品村の人口は 4,904 人で、年少人口(014 歳)591 人(12.05%)、生産年齢 人口(1564 歳)2,882 人(58.77%)、老年人口(65 歳以上)1,431 人(29.18%)となってい

Upload: others

Post on 03-Aug-2020

2 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 地域再生計画 - 首相官邸ホームページ · 立公園の一部として指定を受けており、中でも特別保護地区(8,757ha)の尾瀬は、平成17年 にラムサール条約の湿地に登録されている。平成19年には、日光国立公園から尾瀬地域を分割

1

地域再生計画

1.地域再生計画の名称

尾瀬の郷・片品の地域資源を活用した村中心地区活性化による若者の雇用創造プラン

2.地域再生計画の作成主体の名称

群馬県利根郡片品村

3.地域再生計画の区域

群馬県利根郡片品村の全域

4.地域再生計画の目標

4-1 地域の現状

(地勢)

片品村は、群馬県の北東部に位置し、北は新潟県・福島県、東は栃木県、南は沼田市、西は

川場村・みなかみ町にそれぞれ接している。東西 24km、南北 34km、総面積 391.76k㎡で、群馬

県内 35市町村中、第5位の広い面積となっている。

標高は、650m(幡谷地内)から 2,578m(白根山頂)までと幅広く、日光白根山、武尊山、至

仏山などの山々が連なり、中央を片品川が、笠科川、小川、塗川と合流しながら南下している。

村内の 90%は森林に覆われ、集落は川沿いに形成されている。尾瀬、丸沼、菅沼地域は日光国

立公園の一部として指定を受けており、中でも特別保護地区(8,757ha)の尾瀬は、平成 17 年

にラムサール条約の湿地に登録されている。平成 19年には、日光国立公園から尾瀬地域を分割

し、新たに「尾瀬国立公園」として指定された。また平成 20年度には環境省「平成の名水百選」

に認定された尾瀬の郷片品湧水群など、豊かな自然環境を有する。

役場所在地(鎌田地区)における平均気温は 11℃で、最高気温 36℃、最低気温-18℃で、降

水量は年平均 1,042mm、冬季の積雪量は山間部では 3m~4mに達し、居住地域でも 40cm~100cm

の積雪となり、昭和 54年度に群馬県内で唯一の豪雪地対策特別措置法による特別豪雪地帯に指

定された。

交通網は、沼田市から片品村を経由して栃木県日光市へ通じる国道 120 号をはじめ、村中心

地区から尾瀬方面へ通じる国道 401 号、みなかみ町へ通じる主要地方道水上・片品線、川場村

へ通じる主要地方道平川・横塚線が通っており、これらが特に重要な生活道路及び観光道路と

なっている。なお、沼田ICから関越自動車道を利用すると、片品村役場から練馬ICまで(156

㎞)は約 2時間の距離にある。

鉄道の最寄り駅は、JR上越新幹線上毛高原駅、上越線沼田駅になる。上毛高原駅からは関

越自動車道を利用して車で約1時間(役場まで約 40 ㎞)、沼田駅からは約 50 分(役場まで約

33㎞)かかる。

(人口)

平成 22 年の片品村の人口は 4,904 人で、年少人口(0~14 歳)591 人(12.05%)、生産年齢

人口(15~64歳)2,882人(58.77%)、老年人口(65歳以上)1,431人(29.18%)となってい

Page 2: 地域再生計画 - 首相官邸ホームページ · 立公園の一部として指定を受けており、中でも特別保護地区(8,757ha)の尾瀬は、平成17年 にラムサール条約の湿地に登録されている。平成19年には、日光国立公園から尾瀬地域を分割

2

る。なお、平成 27年の国勢調査人口(速報値)は 4,390人で、平成 22年と比べて 10.5%減少

している。

総人口は、昭和 35年の 8,491人以降、跡継ぎ以外の若い男女が職を求めて村外へ流出したこ

とにより大きく減少し、その後昭和 50年~平成 7年までは 6,100人台で安定していたが、平成

12年以降再び減少に転じている(図1)。

平成 26 年群馬県移動人口調査結果(平成 25 年 10 月~26 年 9 月)によると、自然増減は△

49人(出生 22人、死亡 71 人)、また社会増減は△83人(転入 89人、転出 172人)で、社会減

の影響が大きくなっている。

ちなみに、人口が比較的安定していた平成 2 年から平成 7 年と人口が急激に減少を始めた平

成 17年から平成 22年の年齢別社会増減を比較すると、両期間ともに 15~19歳から進学や就職

のために村外への転出超過が特に多くなっているが、平成 2 年から平成 7 年の期間は、25~29

歳及び 30~34歳で一定の人数が村内に戻ってきており、転出と転入のバランスがある程度保た

れていた。しかし、平成 17 年以降は、高校卒業後の世代の転出が増加する一方、20 代以降の

転入が増加せず、人口の減少に拍車がかかっている。

また、尾瀬の郷片品村人口ビジョン(平成 27 年 12 月策定)による将来の人口予測において

は、現在の減少傾向が今後も続くと仮定すると、平成 42 年に 2,927 人、平成 52 年には 2,122

人になると推計している。

(産業)

平成 22 年の就業者数は 2,640 人で、その内訳としては、第一次産業が 20%、第二次産業が

20%、第三次産業が 60%となっている。

第一次産業のうち大きな割合を占めるのが、トマト、大根、レタスなどの夏期の高原野菜の

生産である。特に片品村のトマトは高値で取引され、ブランド価値が高い。また、リンゴやブ

ルーベリーなどの観光農園、農家民宿、さらに農家が中心となって季節限定で 30以上の小さな

直売所が立ち並ぶ「とうもろこし街道」を形成し、ドライブ客の憩いの場となっている。

8,561 8,491

7,570

6,754

6,228 6,134 6,132 6,109 6,106 5,925 5,471

4,904

4,390

100% 99%

88%

79%

73% 72% 72% 71% 71% 69%64%

57%

51%4,000

4,500

5,000

5,500

6,000

6,500

7,000

7,500

8,000

8,500

9,000

図1 人口の推移

Page 3: 地域再生計画 - 首相官邸ホームページ · 立公園の一部として指定を受けており、中でも特別保護地区(8,757ha)の尾瀬は、平成17年 にラムサール条約の湿地に登録されている。平成19年には、日光国立公園から尾瀬地域を分割

3

平成 22年の総農家戸数は 473戸で、30年前と比べると 3割以上減少し、平成 12年を底にこ

の 10 年間でやや増加したものの、耕作放棄地は平成 12 年の 131ha から 274ha へと増加してい

る(表1)。

表1 総農家数と耕作放棄地の推移

昭和 60年 平成 7年 平成 12年 平成 17年 平成 22年

総農家数 647戸 474戸 450戸 477戸 473戸

耕作放棄地 41ha 138ha 131ha 272ha 274ha

資料:農林水産省「農林業センサス」

第二次産業は、時計や精密機器、ボタン工場が稼働しているほか、平成 19年にはミネラルウ

ォーターの工場が誘致された。

第三次産業は、首都圏から比較的近いという地理的状況も相まって、グリーンシーズンのス

ポーツ合宿や尾瀬の登山客、冬のスキー客(村内6スキー場)などの観光業が中心となってお

り、片品村の観光業における総生産は、村全体の 24%、従業者数は村民の1割以上を占めてい

る。

しかし、バブル崩壊とスキーブームの沈静化により、冬期の観光客数が大幅に減少し、片品

村の観光入込客数(宿泊及び日帰り)は、平成 4年度の 387万人をピークに、平成 26年度には

186 万人まで減少し、2つのスキー場が閉鎖に追い込まれている。また、全国的な少子化の影

響により、グリーンシーズンの合宿目的の宿泊利用者数も年々減少しており、宿泊施設数は平

成 9年の 322 軒から、平成 26年には 203軒まで減少し、多くの施設が廃業を余儀なくされてい

るなど、雇用機会が失われている。

その一方で、片品村では、花咲地区に総合交流ターミナル施設「花の駅・片品 花咲の湯」

を平成 10 年にオープンさせ、年間 14 万人以上が訪れる当該地区の重要な観光集客周遊拠点施

設となっており、村にとっても大きな雇用の場となっている。また、同施設を管理運営するた

めに設立された片品村振興公社では、村内の観光振興の充実に向けて旅行業取扱部門「尾瀬ツ

ーリスト」を設置し、都市部の学校などの自然体験や農業体験、あるいはスポーツ合宿の受け

入れなどを行っている。

このほか、村の中心地区である鎌田地区では、空き店舗を活用し、地元農産物の購入や食事

ができる「村の産物屋かたしなや」を平成 24年にオープンさせるなど、観光振興に向けた新た

な芽も生まれている。

(地域資源)

○観光資源

高山植物と湿原で全国でも名高い「尾瀬」をはじめ、関東以北最高峰の日光白根山などの

山岳景観などの自然に恵まれている。関東地方で唯一の特別豪雪地帯に指定されているため、

「雪」も貴重な地域資源と位置づけられており、その恩恵により村内には6か所のスキー場

が稼働し、冬期間のみで 73万人(平成 26年度)が訪れている。

特に、「尾瀬」については、年間 20 万人以上の誘客を誇る観光地であり、高山植物や景観

Page 4: 地域再生計画 - 首相官邸ホームページ · 立公園の一部として指定を受けており、中でも特別保護地区(8,757ha)の尾瀬は、平成17年 にラムサール条約の湿地に登録されている。平成19年には、日光国立公園から尾瀬地域を分割

4

の維持・保全のために、マイカーの通行規制や企業・地域住民とのタイアップなどによる環

境保全活動を先駆的に行っており、観光地におけるごみ持ち帰り運動発祥の地でもある。し

かし、近年は尾瀬への入山者は減少傾向(平成 8年 39.8万人 → 平成 26年 21.1万人)

にあり、また入山者の多くは 50 代・60代である。

さらに、東京から車で2時間という地の利に加え、豊かな自然環境、高地、整備されたサ

ッカー場、10 ヶ所の温泉地など、スポーツ観光の条件が整っている片品村では、運動と観光

を融合させた「ヘルスツーリズム」を推進してきている。

○食資源

片品村は、高地ならではの昼夜の気温差を活かした高原野菜(トマト・大根・レタスなど)

や舞茸、リンゴ、豆類の栽培なども盛んである。特にトマトはその品質が高く評価され、高

値で取引されている。これらの農産物を活用し、トマトジュースやジャムなどの農産加工品

も充実している。このほか片品産大白大豆と湧水を使って作るこだわりの「尾瀬ドーフ」は、

全国的にも知名度がある。近年では、村内の飲食施設等が互いに連携し、『食』の魅力を高め、

利用客を増やすことによって地域経済の活性化を図るため、若い住民や女性などで構成する

「かたしなの食・盛り上げ委員会」を立ち上げ、大盛り料理で利用客を迎える『はげ盛り』

プロジェクトや、片品の新鮮野菜を存分に楽しんでもらう『はげ旨ぇ』プロジェクトなどの

企画を行うなど、現在約 20店舗で取り組みがなされている。

○官民の連携体制

片品村では、第3次片品村総合計画・後期基本計画(平成 23年 3月策定)に位置づけた「若

者の雇用創造に向けたシンボルプロジェクト」を確実に実行していくために、積極的に地域

づくり活動に取り組む村民の参画を得て、3つの部会から構成する「シンボルプロジェクト

推進本部」を立ち上げた。特産品を活用した新商品の開発や、インターネット販売などの実

施による販路拡大事業、約1万人の集客を有する片品村収穫祭の開催など、ここから新たな

取り組みが生み出された。

また、「花の駅・片品 花咲の湯」整備の際も、コンセプト設計から村民の意見を取り入れ

るなど、片品村では、日常的に役場と村民が様々な協議・議論する場を設け各種施策を進め

ており、このような官民連携の強固な推進体制は、片品村固有の地域資源と言える。

(村中心地区(鎌田地区)の現状)

村中心地区(鎌田地区)には、村役場、医療機関(診療所、医院、歯科医院、薬局)、小学校、

文化センター、金融機関(銀行、郵便局、農協)、バスターミナルのほか、商店や飲食店、旅館、

公共日帰り温泉施設などが集積しており、位置的にも、機能的にも村の中心地となっている。

しかし、交通の利便性の向上や、近隣市に大規模小売店舗が進出したことなどにより、商店

の利用者が減少している。廃業を余儀なくされる事業者も増え、平成 9年には 35店舗が営業し

ていたが、平成 27 年現在ではうち 22 店舗が営業しているものの、8 店舗が空き店舗、残り 5

店舗は既に建物が取り壊され、空き地となっている。

Page 5: 地域再生計画 - 首相官邸ホームページ · 立公園の一部として指定を受けており、中でも特別保護地区(8,757ha)の尾瀬は、平成17年 にラムサール条約の湿地に登録されている。平成19年には、日光国立公園から尾瀬地域を分割

5

4-2 地域の課題

片品村では若者の流出と以前は見られた 20 代後半から 30 代にかけての転入が減少したこと

などにより人口の減少が進んでおり、地域産業従事者の高齢化や担い手不足がより深刻化して

いる。その結果、耕作放棄地の拡大や平成 25 年度までは 4 校あった小学校が平成 28 年度には

1 校となり、各小学校と地区の住民との共同で行われていた運動会やお年寄りとの交流行事、

伝統文化の伝承行事などが継続できなくなることをはじめ、婦人会組織の一部解散などのコミ

ュニティ機会の減少など様々な課題が顕在化している。

このため、将来にわたり片品村の持続性を担保していくためには、新たな地域の担い手を確

保し、住み続けられる環境づくりとして、村の中に「稼ぐ」「働く」環境を整備していく必要が

あるが、片品村の基幹産業である観光は、スキー客や尾瀬の登山者数の減少によりますます厳

しさを増している。また、全国でも知名度の高い「尾瀬」などの観光資源を有し、年間 1,000

万人以上の観光客が訪れる栃木県日光市と隣接しているという優位性があるものの、現状は、

片品村はこれら観光地の通過地点にしかなっていない。

そのため、「尾瀬」をはじめとする観光資源を十分に活用し、食の提供、農産物や特産品等の

販売など、地域の魅力を観光客等に十分に伝え、観光客が訪れる環境を整備し、新たな雇用を

創出していくことが必要となっている。

また、「尾瀬」については近年入山者の減少及び高齢化が進んでいることから、若年層や外国

人旅行客などに対して尾瀬の魅力を発信し、他の観光地との差別化による誘客を図るとともに、

環境にも配慮し、将来にわたり持続性のある観光地づくりを目指す必要がある。

4-3 目標

本計画は、片品村むら・ひと・しごと創生総合戦略(平成 27 年 12 月策定)における具体的

施策と密接に関連しており、日光-尾瀬の郷-富岡を結ぶ世界遺産・広域観光ルートの確立及

び尾瀬の自然環境等を活かした環境に配慮した観光地づくりなどに取り組むことで他の観光地

との差別化を図ると同時に、小さな拠点として、村中心地区(鎌田地区)に情報発信・交流連

携拠点「(仮称)尾瀬の郷エリア」を整備し、既存商店や温泉施設等と連携し、村中心地区全体

で観光客等を迎え入れ、情報発信により村内各地区を周遊する体制づくりを進めていく。ここ

に片品村の様々な地域資源を有機的に結合させ、これまで観光客の通過地点であった村中心地

区を核として誘客を図ることで、交流人口の拡大とそれに伴う雇用の場づくり、さらには若者

のUターン・Iターンを促進させるための教育環境の整備や移住政策等、人口の社会増を目的

とした各種取り組みによって、村内外の人々にとって魅力的な生活基盤を築き上げ、人口減少

の抑制を図ることを目指すものである。

目標1 観光交流人口の増加

186万人(平成 26年度)→ 225万人(平成 32年度)

目標2 農林業総生産額

913 百万円(平成 24 年度)→ 1,113 百万円(平成 32年度)

目標3 就業者数

Page 6: 地域再生計画 - 首相官邸ホームページ · 立公園の一部として指定を受けており、中でも特別保護地区(8,757ha)の尾瀬は、平成17年 にラムサール条約の湿地に登録されている。平成19年には、日光国立公園から尾瀬地域を分割

6

2,278人(平成 27年度(推計))→ 1,995人(平成 32年度)

※施策を講じなかった場合の平成 32年度推計値は 1,965人

目標4 25 歳~29歳の社会増減数の改善

▲10 人(平成 17年から平成 22年の累計)→ 78人(平成 27年から平成 32年の累計)

(地方創生推進交付金事業及び地方創生拠点整備交付金事業に係る目標)

平成29年

3月末

平成30年

3月末

平成31年

3月末

平成32年

3月末

平成33年

3月末

目標5

年間観光入込客数 1,900千人 1,960千人 2,040千人 2,140千人 2,250千人

目標6

20代以上における社会

増減数

▲49人 ▲40人 ▲31人 ▲25人 ▲20人

(地方創生拠点整備交付金事業に係る目標)

平成29年

3月末

平成30年

3月末

平成31年

3月末

平成32年

3月末

平成33年

3月末

目標7

施設における総売上

(農産物・加工品販売、

飲食販売)

0千円 0千円 136,000

千円

205,000

千円

210,000

千円

5.地域再生を図るために行う事業

5-1 全体の概要

目標を達成するため、地域資源と民間のノウハウを活用した運営と企画による産業の育成・

強化と雇用の創出=「にぎわいづくり」を推進することで交流人口を増加させ、村民総活躍によ

る村全体の活性化と暮らしの豊かさを享受できる=「しごと・ひとづくり」によって、将来的

に定住人口の減少を抑制させる。具体的には、村中心地区に情報発信・交流連携拠点「尾瀬の

郷エリア」を整備し、しごと・暮らしなどの村情報の集約・発信、資源を活用した新商品開発

及び販路拡大、起業・創業・就業支援、国内外からの観光客増のための産官学民等との連携体

制の構築、協定締結自治体等との連携深化によって交流人口を増加させ、観光業の経営基盤強

化による雇用の安定化を目指す国際的観光振興事業を展開する。また、交流人口の定着化と安

全で安心して暮らすことが出来る生活環境やライフスタイルの向上を目指し、にぎわい事業を

担う人材・組織の育成と仕事創生にも注力し、中心施設と連携した”小さくても輝くむらづく

り”を推進する。

なお、この5年間においては順次、調査研究、基盤整備、人材及び推進主体の育成、試験実

施、民間活用の推進、自立支援を行う。

Page 7: 地域再生計画 - 首相官邸ホームページ · 立公園の一部として指定を受けており、中でも特別保護地区(8,757ha)の尾瀬は、平成17年 にラムサール条約の湿地に登録されている。平成19年には、日光国立公園から尾瀬地域を分割

7

5-2 第5章の特別の措置を適用して行う事業

(1)地方創生推進交付金(内閣府)【A3007】

1 事業主体

群馬県利根郡片品村

2 事業の名称及び内容

尾瀬の郷にぎわい・しごと・ひとづくり事業

①にぎわいづくり事業

地域資源と民間のノウハウを活用した運営と企画による産業の育成・強化と雇用創

出を推進することで交流人口を増加させることを目的として村中心地区に情報発信・

交流連携拠点エリアを整備する。しごと・暮らし・産業(観光・農業)などの村情報

の集約・発信、国内外からの旅行客増のための地域間及び産官学民等との連携体制の

深化・構築等を行う。

②しごと・ひとづくり事業

にぎわいづくり事業を担う人材・組織の確保・育成、受入環境の充実、商品・サー

ビスの開発等、仕事創生に注力し、交流人口の定着化と安全で安心して暮らすことが

できる生活環境の向上を目指し、中心施設と連携した“小さくても輝くむらづくり”

を推進する。

③事業運営円滑化事業

地方創生推進交付金事業を確実かつ円滑に遂行させるため、専属の職員を雇用する

とともに、本事業終了後の継続実施に必要な知識の習得を図る。

3 当該事業が先導的であると認められる理由

①自立性

にぎわいづくり事業の中心となる新たに整備する中心施設(農産物直売所及びレス

トラン等)における売上、テナント料収入、体験受入及びガイド料収入などによる財

源の多様化を図り、自立した運営を目指す。また、しあわせづくり事業により、村民

の暮らしが改善され、社会保障費の圧縮や地域活動団体による自主的な事業が促進さ

れ、村の歳出が抑制され、自主自立による村運営の継続性が保たれる。

②官民協働

村は、先行投資や地域住民のネットワーク化、実施主体の初期(3~4年程度)にお

ける事業の運営体制の構築及び地域住民と民間事業者との仲介など、実施主体となる

民間業者や地域団体の自立に向けた支援を行う。事業実施主体となる片品村振興公社

(株)は、事業運営の継続のための経営基盤の強化、担い手となる人材の育成をしつつ、

「経営の視点」を第一に事業のマネジメントを行う。

③政策間連携

交流人口の増加を目的とした観光振興策に留まらず、観光客や訪問者が移住・定住

のきっかけとなるよう片品村における暮らしや仕事の基盤整備と情報発信を同時に行

う(経済振興策と社会福祉の向上)。また、産業基盤の強化とともに、将来村に住み、

Page 8: 地域再生計画 - 首相官邸ホームページ · 立公園の一部として指定を受けており、中でも特別保護地区(8,757ha)の尾瀬は、平成17年 にラムサール条約の湿地に登録されている。平成19年には、日光国立公園から尾瀬地域を分割

8

仕事の担い手となりうる学生から若者の教育環境を充実させる(経済振興策と人材育

成・教育)。

④地域間連携

観光振興における公共交通機関の協力・連携プログラム開発を目的とした近隣市町

村の回遊マップの作成のほか、協定自治体における交流や防災、教育等の連携等、経

済・福祉・防災等他分野にわたる連携を密に行い、地域自治にける相互補完を図る。

⑤その他の先導性

(事業推進主体の形成)

片品村、利根沼田農業協同組合、振興公社出資組合がそれぞれ出資して設立されて

いる片品村振興公社(株)に新規部門(地方創生事業部)を設立し、法人として経営

的視点に立ち、主体的に事業を運営する。

(地域社会を担う人材の育成・確保)

Ⅰ.拠点施設のマネジメントを行う人材

片品村地域おこし協力隊員に対して組織運営や経営に関する研修等を行い、地方

創生のための人材として育成する。

Ⅱ.外国人旅行客を受け入れるための外国語ガイド

インバウンドを受け入れる人材確保のために、外国語に対応できる住民の情報を

収集し、活用する。

Ⅲ.国内外へのプロモーションを行う人材

大手旅行会社等との協力関係を強化し、海外を含むプロモーションのノウハウを

習得する。

Ⅳ.観光サービスを企画・マーケティング・運営を行う人材

観光業従事者に対して運営や経営、語学に関する研修等を行う。必要に応じて地

域外からも観光マーケティング、企画、運営経験者を中心的な役割を担う人材とし

て登用する。

4 交付金対象事業の実施状況に関する客観的な指標(KPI)】

平成29年

3月末

平成30年

3月末

平成31年

3月末

平成32年

3月末

平成33年

3月末

目標5

年間観光入込客

1,900千人 1,960千人 2,040千人 2,140千人 2,250千人

目標6

20代以上におけ

る社会増減数

▲49人 ▲40人 ▲31人 ▲25人 ▲20人

5 効果検証の方法、時期及び体制

①外部組織による検証

Ⅰ.検証方法

村内外の有識者による「『尾瀬の郷片品』むら・ひと・しごと創生本部有識者会議」

Page 9: 地域再生計画 - 首相官邸ホームページ · 立公園の一部として指定を受けており、中でも特別保護地区(8,757ha)の尾瀬は、平成17年 にラムサール条約の湿地に登録されている。平成19年には、日光国立公園から尾瀬地域を分割

9

に事業の進捗を共有する他、事業実施後は、すみやかに会議を開催し、KPI に基づ

く客観的な事業の評価、検証を行い、事業の見直し、推進を図る。

Ⅱ.検証時期

平成 28 年度(1年目) 平成 29年 7月

平成 29 年度(2年目) 平成 30年 7月

平成 30 年度(3年目) 平成 31年 7月

平成 31 年度(4年目) 平成 32年 7月

平成 32 年度(5年目) 平成 33年 7月

Ⅲ.外部組織の参画者

片品村商工会、片品村森林組合、利根沼田農業協同組合、地区代表、片品村民宿

旅館組合連合会、高崎経済大学、群馬県立尾瀬高等学校、(株)群馬銀行、利根郡信

用金庫、東京パワーテクノロジー(株)、(株)上毛新聞社

Ⅳ.検証結果の公表の方法

村の広報、ホームページに検証結果を速やかに公表するとともに、国に報告する。

②議会による検証

Ⅰ.検証方法

事業の中間報告を含めて適宜情報共有を行い、意見を求める。また、事業実施後

は速やかに事業の評価並びに検証を行い、事業の見直し及び推進を図る。

Ⅱ.検証時期

平成 28 年度(1年目) 平成 29年 9月

平成 29 年度(2年目) 平成 30年 9月

平成 30 年度(3年目) 平成 31年 9月

平成 31 年度(4年目) 平成 32年 9月

平成 32 年度(5年目) 平成 33年 9月

6 交付対象事業に要する費用

①法第5条第4項第1号イに関する事業【A3007】

・総事業費 532,000千円

7 事業実施期間

地域再生計画認定の日から平成 33年3月 31日(5ヵ年度)

(2)地方創生拠点整備交付金(内閣府)【A3007】

1 事業主体

群馬県利根郡片品村

2 事業の名称

(仮称)片品村交流連携拠点施設整備計画

3 事業の内容

Page 10: 地域再生計画 - 首相官邸ホームページ · 立公園の一部として指定を受けており、中でも特別保護地区(8,757ha)の尾瀬は、平成17年 にラムサール条約の湿地に登録されている。平成19年には、日光国立公園から尾瀬地域を分割

10

栃木県日光市から本村を経由して群馬県沼田市まで通じる国道 120 号線沿いの村中心

エリアに、農産物直売、飲食物提供、農産物加工販売、体験交流、観光情報等発信の各

機能を併せ持つ「交流連携拠点施設」を新設し、本村の特産品(トマトやとうもろこし

などの高原野菜等)販売や、特産品を活用した料理の販売提供を行うほか、村内観光情

報等を集約して提供し、集客効果を村内の宿泊業者や体験施設など全村的に拡大させる

とともに、栃木県日光市や群馬県沼田市との広域連携により行う「日光-片品-沼田広

域観光ルート」の確立を図るための情報発信拠点とし、交流人口の増加を図る。

また、施設に隣接する空き家を村が購入・改修して食品加工所を整備し、製造された

加工品を拠点施設において販売する。

4 事業が先導的であると認められる理由

【自立性】

交流連携拠点施設の運営については、農産物直売所及びレストラン等における収入

から、仕入原価、販売費及び一般管理費を差し引き、年間 1,495 千円の営業利益(平

成 31年度)を見込んでおり、将来にわたって公的資金を投入することなく運営ができ

る見込みである。なお、その実効性については、平成 10年に村の公共施設管理運営の

ために設立され、当初から黒字経営を続けている片品村振興公社株式会社が管理運営

主体となり、これまでの実績とノウハウを活用し、本計画により更に経営を向上させ

て運営に当たることで確保できる。

【官民協働】

村は、先行投資や地域住民のネットワーク化、実施主体の初期段階(3~4 年程度)

における事業の運営体制の構築及び地域住民と民間事業者との仲介など、実施主体と

なる民間業者や地域団体の自立に向けた支援を行う。管理運営主体となる片品村振興

公社株式会社は、事業運営の継続のための経営基盤の強化、担い手となる人材の育成

をしつつ、「経営の視点」を第一に事業のマネジメントを行う。

【政策間連携】

交流連携拠点施設の整備によって観光客の誘客が図られることにより、農産物等の

域内消費拡大をはじめとする販路拡大に伴う農家の所得向上、耕作放棄地の減少とい

った農業振興が図られるとともに、商品需要の増大により新たな加工品や料理などの

商品開発が進展することにより、域内における食の魅力向上が図られ、新たに開発さ

れた商品がまた新たな観光資源となり、更なる誘客につながるといった、観光業と農

業それぞれにとって良い循環が生まれるものである。

【地域間連携】

隣接する栃木県日光市及び群馬県沼田市との連携により、相互の観光振興を図るこ

とを目的として、公共交通機関の協力・連携プログラム開発を促進させるための近隣

市町村の回遊マップの作成をはじめ、相互の拠点施設において「日光-片品-沼田広

域観光ルート」の情報を発信し、エリア一体となって首都圏や海外からの誘客を図る。

5 重要業績評価指標(KPI)及び目標年月

Page 11: 地域再生計画 - 首相官邸ホームページ · 立公園の一部として指定を受けており、中でも特別保護地区(8,757ha)の尾瀬は、平成17年 にラムサール条約の湿地に登録されている。平成19年には、日光国立公園から尾瀬地域を分割

11

事業開始前

(現時点)

平成 28年度

(1年目)

平成 29年度

(2年目)

平成 30年度

(3年目)

施設における総売

上(農産物・加工

品販売、飲食販売)

0千円 0千円 0千円 136,000 千円

年間観光入込客数 1,860千人 40千人 60千人 80千人

20 代以上における

社会増減数 -62人 13人 9人 9人

平成 31 年度

(4年目)

平成 32年度

(5年目)

KPI増加分の

累計

施設における総売

上(農産物・加工

品販売、飲食販売)

69,000 千円 5,000千円 210,000 千円

年間観光入込客数 100千人 110千人 390千人

20 代以上における

社会増減数 6人 5人 42人

6 評価の方法、時期及び体制

毎年度、村内外の有識者による「『尾瀬の郷片品』むら・ひと・しごと創生本部有識者

会議」に事業の進捗を共有する他、事業実施後は、すみやかに会議を開催し、KPI に基

づく客観的な事業の評価、検証を行い、事業の見直し、推進を図る。

また、村議会観光産業常任委員会において、事業の中間報告を含めて適宜情報共有を

行い、意見を求める。また、事業実施後は速やかに事業の評価並びに検証を行う。(検証

時期:平成 30年 9月)

7 交付対象事業に要する経費

①第5条第4項第1号イに関する事業【A3007】

・総事業費 358,939千円

8 事業実施期間

地域再生計画認定の日から平成 33年3月 31日(5ヵ年度)

5-3 その他の事業

5-3-1 地域再生基本方針に基づく支援措置による取組

農山漁村振興交付金(うち農山漁村活性化整備対策)(農林水産省)【B1027】

【事業名】

情報発信・交流連携拠点施設「(仮称)尾瀬の郷駅」整備事業

【事業主体】

Page 12: 地域再生計画 - 首相官邸ホームページ · 立公園の一部として指定を受けており、中でも特別保護地区(8,757ha)の尾瀬は、平成17年 にラムサール条約の湿地に登録されている。平成19年には、日光国立公園から尾瀬地域を分割

12

群馬県利根郡片品村

【事業の種類】

農産物直売所、飲食施設、農産加工販売施設、観光案内・情報発信コーナー、附帯施

設等

【事業区域】

片品村地区

【活性化計画の目標】

片品村の主要な産業である農業及び観光の連携による交流人口の拡大と地元農林産物

及び加工品等の消費拡大を図るため、これまで日光―沼田の観光客の通過点であった村

中心地区(鎌田地区)に情報発信・交流拠点施設を整備し、ここに農林水産物直売・食

材提供供給施設等を併設するとともに、尾瀬の自然環境や地域の食の魅力等を発信し、

片品村の地域資源を活用した交流を進めていく。

上記の新たな情報発信・地域交流施設を整備し、現在の片品村の交流人口(入込客数)

を 186 万人(H26)から、225 万人(H32)を目指す(計画期間前3か年入込客数 559 万

人から、計画期間3か年入込客数 640万人へと増加を目指す)。

【事業期間】

平成 28 年度~平成 29年度

【整備量】

農産物直売所 190 ㎡、飲食施設 194㎡、農産加工販売施設 29㎡、観光案内・情報発信

コーナー34㎡、附帯施設等 計 1029.27㎡

【活性化計画の目標と事業の関連性】

当該施設を整備することにより、尾瀬を代表する自然の魅力、農産物や郷土料理等の

片品村の食資源などを発信し、都市農村交流による交流人口の拡大と、それに伴う所得

機会、雇用機会を創出し、若者を中心とする社会増減の改善を図る。

5-3-2 支援措置によらない独自の取組

(1)街中の魅力づくりと地域資源の有機的連携

① 既存施設との連携促進事業

【事業概要】

「(仮称)尾瀬の郷駅」の整備に伴い、「(仮称)尾瀬の郷駅」運営検討委員会を設立し、

近隣の寄居山温泉「ほっこりの湯」、寄居山公園などの既存施設、さらに各商店等との連携

手法を検討していく。これにより、村中心地区の街中への観光客の回遊を促し、「(仮称)

尾瀬の郷駅」と既存施設との相乗効果を図る。

また、「(仮称)尾瀬の郷駅」では、村内各地域の観光資源のPR・発信すると同時に、体

験プログラムメニューの受付などを担い、村中心地区から片品村全体への波及効果を発揮

していく。

【実施主体】

片品村

【事業期間】

平成 28 年度~平成 32年度

Page 13: 地域再生計画 - 首相官邸ホームページ · 立公園の一部として指定を受けており、中でも特別保護地区(8,757ha)の尾瀬は、平成17年 にラムサール条約の湿地に登録されている。平成19年には、日光国立公園から尾瀬地域を分割

13

② 空き店舗活用事業

【事業概要】

村中心地区の街中の魅力づくりに向けて、空き店舗を有効活用するための地権者との交

渉を進め、アート空間やギャラリースペースなど、「(仮称)尾瀬の郷駅」からの観光客の回

遊を促すための集客装置としての役割が果たせるよう活用方法を検討していく。また、空

き店舗の活用にあたっては、借り上げや改修費用の補助など新たな支援措置についても検

討する。

【実施主体】

片品村

【事業期間】

平成 28 年度~平成 32年度

③ 村中心地区遊歩道整備事業

【事業概要】

情報発信・交流連携拠点施設「(仮称)尾瀬の郷駅」の整備に伴い、村中心地区を楽しみ

ながら散策できるよう、人工物のない片品川の傾斜地とその景観を活用しながら、温泉や

公園などの既存施設、各商店等を周遊するための遊歩道の整備を進めていく。

【事業主体】

片品村

【事業期間】

平成 28 年度~平成 32年度

④ 尾瀬・片品を特徴づける魅力的な商品開発事業

【事業概要】

片品村の資源である湧水群、地域に伝わる郷土料理、村の農業を支える高原野菜の活用

など、必要に応じて専門家等を招へいし、食事メニューや農産加工品、土産品など片品村

を代表する新たな商品開発及びブランド化に向けた研修会等を開催する。

【実施主体】

片品村

【事業期間】

平成 28 年度~平成 32年度

(2)世界基準の環境観光地づくり

① 世界基準の環境観光地づくり事業

【事業概要】

将来にわたり持続性のある観光地づくりを目指し、“環境”という視点で他の観光地と差

別化を図るため、サスティナブル・ツーリズム国際認証取得の検討も含め、エコビレッジ

片品村としての新たな商品開発(体験プログラムメニューなど)、プロモーションツールの

開発及び情報発信を強化などに取り組み、世界基準の環境観光地・尾瀬の郷片品村として

Page 14: 地域再生計画 - 首相官邸ホームページ · 立公園の一部として指定を受けており、中でも特別保護地区(8,757ha)の尾瀬は、平成17年 にラムサール条約の湿地に登録されている。平成19年には、日光国立公園から尾瀬地域を分割

14

のブランド価値を確立させ、観光交流人口の増加を図る。

【実施主体】

片品村、片品村振興公社株式会社(尾瀬ツーリスト)

【事業期間】

平成 28 年度~平成 32年度

② 外国人観光客の誘致(インバウンド)を含むユニバーサルデザインの観光地づくり事業

【事業概要】

日光や富岡の世界遺産からの誘客を図るため、様々な人が片品村を訪れても対応できる

体制づくりを進める。世界に向けた片品のプロモーションツールの開発、観光ウェブサイ

トやパンフレット等の多言語化、外国人対応の観光案内看板等の設置、観光従事者向けの

外国人対応研修会、料金決済環境の向上(クレジットカード使用等)支援などに取り組ん

でいく。

また、宿泊施設や主要な観光施設における wi-fi などの通信環境の整備、村内宿泊施設

のインターネットによる申込受付など、利便性の高い観光地づくりを進める。

【実施主体】

片品村、片品村観光協会、片品村振興公社株式会社(尾瀬ツーリスト)

【事業期間】

平成 28 年度~平成 32年度

③ 体験プログラム等の観光メニュー開発事業

【事業概要】

これまで片品村で取り組んできたヘルスツーリズムや、スポーツ観光の取組をさらに充

実させ、スポーツ合宿の誘致などを引き続き取り組むとともに、トレイルランニングやバ

ックカントリースキーなど新たなイベントの誘致、自然環境を活かした体験メニューの開

発、狩猟など自然の恵みを享受するプログラムづくりなど、新しい観光商品の開発を進め

ていく。

【実施主体】

片品村、片品村振興公社株式会社(尾瀬ツーリスト)

【事業期間】

平成 28 年度~平成 32年度

(3)広域観光ルートの確立

① 世界遺産観光ルート確立事業

【事業概要】

片品村は、世界遺産として多くの観光客でにぎわう日光の社寺、平成 26年に世界遺産に

登録された富岡製糸場の中間地点に位置する。このような立地条件を活かし、日光や富岡、

周辺の関係自治体と連携した世界遺産広域観光ルートの確立を図る。

具体的には、日光、富岡からの観光客の誘客を図るため、広域観光ルートマップの普及

促進など積極的な情報発信のもと、日光―片品―富岡間のバスルートの開発などにより、

Page 15: 地域再生計画 - 首相官邸ホームページ · 立公園の一部として指定を受けており、中でも特別保護地区(8,757ha)の尾瀬は、平成17年 にラムサール条約の湿地に登録されている。平成19年には、日光国立公園から尾瀬地域を分割

15

片品村への立寄客を確保し、交流人口の拡大を図る。

【実施主体】

片品村、片品村観光協会

【事業期間】

平成 28 年度~平成 32年度

② 尾瀬のプロモーション強化事業

【事業概要】

尾瀬国立公園を構成する、福島県南会津町、檜枝岐村、新潟県魚沼市、栃木県日光市な

どと連携を図り、尾瀬の自然環境をPRするためのイベントの開催、首都圏や海外に向け

た営業活動及びプロモーションツールの開発などを進めていく。

【実施主体】

片品村、片品村観光協会、片品村振興公社株式会社(尾瀬ツーリスト)

【事業期間】

平成 28 年度~平成 32年度

③ 北群馬(みなかみ、沼田、渋川等)との連携による誘客促進事業

【事業概要】

群馬県北部は、片品村のほかに、アウトドアや登山、温泉などを目的に、国内外から多

くの観光客が訪れている。北群馬エリア全体の誘客を図るため、みなかみ町や渋川市、沼

田市などとの連携体制を確立するとともに、誘客のためのキャンペーンや情報発信などの

取組を進めていく。

【実施主体】

片品村、片品村観光協会、片品村振興公社株式会社(尾瀬ツーリスト)

【事業期間】

平成 28 年度~平成 32年度

④ 協定自治体を結ぶ直通便試験運行事業

【事業概要】

「ふれあい交流協定」や「防災協定」を結ぶ埼玉県蕨市や上尾市などの協定自治体との

交流をより深めていくため、協定自治体の住民に来村を促し、住民同士の交流をさらに盛

んにしていくため、協定自治体と片品村との直通高速バスを試験運行する。片品村へ訪問

しやすい環境を整備し、交流の活性化による観光及び関連する産業の振興を図る。

【実施主体】

片品村、片品村振興公社株式会社(尾瀬ツーリスト)

【事業期間】

平成 28 年度~平成 32年度

(4)地域の担い手対策

① 「(仮称)尾瀬アカデミー」開設事業

Page 16: 地域再生計画 - 首相官邸ホームページ · 立公園の一部として指定を受けており、中でも特別保護地区(8,757ha)の尾瀬は、平成17年 にラムサール条約の湿地に登録されている。平成19年には、日光国立公園から尾瀬地域を分割

16

【事業概要】

Iターンを促進するための片品村への関わりづくりとして、地域に伝わるチエやワザな

どを学ぶ「(仮称)尾瀬アカデミー」を設立する。統廃合によって生まれた空き校舎等を活

用し、数か月から1年間のインターンシッププログラムを提供し、片品村への移住の足が

かりを築く。

―新規就農コース

交流連携拠点エリアの整備に伴い、農産物の販売拠点ができたことにより、農産物直

売所への出荷を前提とする農産物の栽培技術、商品づくり、販売方法などを学ぶカリキ

ュラムを開発し、全国から新規就農希望者を受け入れていく。

―ハンター養成コース

猟友会の高齢化などにより、鳥獣害被害は深刻になっている一方、近年都市部ではジ

ビエへの関心が高まり、同時に狩猟免許を取得する人たちが増えてきている。しかし都

市部では実際に狩猟を行う場がないため、このような都市部の狩猟免許取得者等を積極

的に受け入れ、既存の猟友会等と連携を図り、狩猟の実践を学ぶ場(カリキュラム)を

提供する。都市部の狩猟免許取得者を積極的に誘致し、鳥獣被害の抑制に努めていくと

ともに、片品村での暮らしの魅力を体現できるプログラムを提供することで、移住促進

にも繋げていく。

―農村起業コース

自然環境や食など、片品村にある様々な地域の未利用資源の活用を図るため、農村で

の小さな生業づくりを学ぶインターンシップ事業の創設を図る。片品村での起業を促進

するため、修了者を対象とした助成制度、農地や空き店舗の斡旋なども併せて検討し、

これら一連の取組を通じて、村内における就労の場づくりと移住者の受け入れを目指す。

【実施主体】

片品村

【事業期間】

平成 28 年度~平成 32年度

② 継業インターンシップ事業

【事業概要】

平成 19 年の片品村の小売業は 64 事業所、商品販売額 3,459 百万円で、販売額は平成 9

年の 6,114 百万円をピークに大きく減少している(平成 26 年の商業統計では 33 事業者、

販売額 2,231 百万円であるが、調査設計の大幅変更により、平成 19年の結果とは数字が接

続しない)。一方、商売を辞めていく人の中には、「儲からないから辞める」という人のほ

かに、「儲からない訳ではないが高齢で続けられない」という理由がある。そこで、後者の

理由で辞めることを検討している商売をデータベース化し、これを都市部で「農村で商売

をやりたい」と考えている人たちとをマッチングする仕組みを作っていく。

具体的には、農村地域での商売を考えている都市住民をインターンシップ事業として一

定期間受け入れ、実際の商売の現状を知ってもらうと同時に、事業主からは本当に事業を

継承するに値する人物かを見定める場を創出する。

これにより、ゼロから新たな事業を立ち上げるよりも、既存の経営資源を活用しつつ、

Page 17: 地域再生計画 - 首相官邸ホームページ · 立公園の一部として指定を受けており、中でも特別保護地区(8,757ha)の尾瀬は、平成17年 にラムサール条約の湿地に登録されている。平成19年には、日光国立公園から尾瀬地域を分割

17

新たな視点で新たな経営者が事業を継承し、移住・定住の促進と雇用創出を図っていく。

【実施主体】

片品村

【事業期間】

平成 28 年度~平成 32年度

③ 地域おこし協力隊事業

【事業概要】

平成 28 年 1月現在、片品村では総務省の「地域おこし協力隊」制度を活用し、6名の都

市部の若者が移住し、片品村の課題解決や各種地域活動を担っている。ヨソ者の新たな視

点で村に新しい風を吹かせていくために、今後も地域おこし協力隊事業を継続して行って

いく。

【実施主体】

片品村

【事業期間】

平成 28 年度~平成 32年度

6 計画期間

地域再生計画認定の日から平成 33年 3月 31日まで

7 目標の達成状況に係る評価に関する事項

7-1 目標の達成状況にかかる評価の手法

本計画で定めた以下の目標の達成状況、進捗評価を行うため、毎年各指標の集計を行い、

村長を本部長とする「尾瀬の郷片品」むら・ひと・しごと創生本部においてその結果につい

ての評価を行う。併せて、目標の効果的な実現に向けて必要な計画の見直しや変更を行う。

目標1 観光交流人口の増加

群馬県が行っている観光施設入込状況調査のデータを基に交流人口を把握する。

目標2 農林業総生産額

群馬県が行っている市町村民経済計算のデータを基に農林業総生産額を把握する。

目標3 就業者数

国勢調査のデータを基に就業者数を把握する。

目標4 25 歳~29歳の社会増減数の改善

RESAS又は群馬県が行っている移動人口調査のデータを基に、社会増減数を把握する。

目標5 年間観光入込客数

群馬県が行っている観光施設入込状況調査のデータを基に観光入込客数を把握する。

目標6 20代以上における社会増減数

RESAS又は群馬県が行っている移動人口調査のデータを基に、社会増減数を把握する。

目標7 施設における総売上(農産物・加工品販売、飲食販売)

レジシステムにおける売上データに基づく指定管理者の決算数値を基に、売上データを把

Page 18: 地域再生計画 - 首相官邸ホームページ · 立公園の一部として指定を受けており、中でも特別保護地区(8,757ha)の尾瀬は、平成17年 にラムサール条約の湿地に登録されている。平成19年には、日光国立公園から尾瀬地域を分割

18

握する。

7-2 目標の達成状況に係る評価の時期及び評価を行う内容

関連事業

平成

27年度

平成

28年度

平成

29年度

平成

30年度

中間目

平成

31年度

平成

32年度

最終目

目標1

観光交流人口

情報発信・交流連携拠点

施設「(仮称)尾瀬の郷

駅」整備事業、街中の魅

力づくりと地域資源の

有機的連携、世界基準の

環境観光地づくり、広域

観光ルートの確立

- 186万

186万

200万

215万

225万

目標2

農林業総生産

情報発信・交流連携拠点

施設「(仮称)尾瀬の郷

駅」整備事業、街中の魅

力づくりと地域資源の

有機的連携、

- 913百

万円

913百

万円

1,013

百万円

1,063

百万円

1,113

百万円

目標3

就業者数

情報発信・交流連携拠点

施設「(仮称)尾瀬の郷

駅」整備事業、街中の魅

力づくりと地域資源の

有機的連携、地域の担い

手対策

- 2,215

2,153

2,101

2,048

1,995

目標4

25歳~29歳の

社 会 増 減 数

(平成 27年か

ら 各 年 の 累

計)

情報発信・交流連携拠点

施設「(仮称)尾瀬の郷

駅」整備事業、地域の担

い手対策

- ▲12人 ▲12人 +8人 +38人

+78人

目標5

年間観光入込

客数

尾瀬の郷にぎわい・ひ

と・しごとづくり事業 -

1,900千

1,960

千人

2,040千

2,140

千人

2,250千

目標6

20 代における

社会増減数

尾瀬の郷にぎわい・ひ

と・しごとづくり事業 - ▲49人 ▲40人 ▲31人 ▲25人 ▲20人

目標7

施設における

総売上(農産

物・加工品販

(仮称)片品村交流連携

拠点施設整備計画 - 0千円 0千円 136,000

千円

205,000

千円

210,000

千円

Page 19: 地域再生計画 - 首相官邸ホームページ · 立公園の一部として指定を受けており、中でも特別保護地区(8,757ha)の尾瀬は、平成17年 にラムサール条約の湿地に登録されている。平成19年には、日光国立公園から尾瀬地域を分割

19

売、飲食販売)

7-3 目標の達成状況にかかる評価の講評の手法

評価結果については、毎年片品村のホームページにおいて公表する。