医療安全だより · 2、看護部オリエンテーション 「kyt」演習...
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今回は安全管理室からのお話です。
以前に安全管理室の役割や病院の安全管理体制についてお話を
しました。
安全管理室の役割の一つに職員への安全管理についての教育が
あります。あたりまえのことですが物事を行うには知識や
スキルが必要です。「医療安全」に関しても必要な知識や
問題を解決するのに必要なスキルがあります。医療安全に関する知識やスキルを身につける
ために病院ではさまざまな研修を行っています。
そこで鋼管病院での医療安全に関する研修の内容や様子について今回は紹介したいと
思います。
鋼管病院で 1 年間に行われている安全に関する主な研修です。
全職員対象研修 医療機器に関する研修 新人看護師研修
4 月 オリエンテーション オリエンテーション
5 月 人工呼吸器・輸液ポンプ勉強会
6 月 人工呼吸器・輸液ポンプ勉強会 3 ヶ月研修
7 月 人工呼吸器 勉強会
9 月 医療安全研修 安全な環境について
10 月 安全な環境について
11 月 人工呼吸器・輸液ポンプテスト
1 月 人工呼吸器テスト
3 月 医療安全発表大会
それぞれの研修の内容や研修の様子をお伝えします。
医療安全だより 発行発行発行発行2014年年年年8月月月月
VoL . 23
病院での安全研修について
医療安全研修内容
1、新人研修
毎年新入職員に向けて、医療安全担当の吉岡副院長より「医療安全」についての
講義があります。ここで病院の安全に関する基本的な考え方を学びます。
2、看護部オリエンテーション
◇「KYT」演習
入職時オリエンテーションのときに医療安全の時間があります。
「ヒューマンエラー」「医療安全の基礎知識」「医療機器の使用方法」など技術指導
や講義をうけます。
そのほかに「KYT(危険予知訓練)」という演習を行っています。
日常の看護場面を再現し、どのような危険が潜んでいるのか考えます。
○○○○点滴と栄養剤が同じ点滴棒点滴と栄養剤が同じ点滴棒点滴と栄養剤が同じ点滴棒点滴と栄養剤が同じ点滴棒
に準備されていに準備されていに準備されていに準備されているるるる
○○○○注射器が患者さんのベッド注射器が患者さんのベッド注射器が患者さんのベッド注射器が患者さんのベッド
に置いたままになっているに置いたままになっているに置いたままになっているに置いたままになっている
など間違いを誘発する状況をなど間違いを誘発する状況をなど間違いを誘発する状況をなど間違いを誘発する状況を
設定して危険に気づく訓練を設定して危険に気づく訓練を設定して危険に気づく訓練を設定して危険に気づく訓練を
行います行います行います行います
ダミー人形のダミー人形のダミー人形のダミー人形の
「鋼管花子さん」です「鋼管花子さん」です「鋼管花子さん」です「鋼管花子さん」です
入院の状況を再現していま入院の状況を再現していま入院の状況を再現していま入院の状況を再現していま
◇「安全パトロール」
看護師は入職して 1 年間は月に 1 回集合研修を行っています。
その中で新人看護師がグループになって自分の病棟の「安全パトロール」を行うという
安全に関する研修も行っています。
「安全パトロール」とは患者さんたちの身の回りに危険な場所や危険な状況がないか
確認する作業です。いつも業務に追われて見えていないことを、安全の目を持って
あらためて確認することで通常の業務の中でも役に立てるようにしています。
「洗面台の下の床に水があって患者さんが転びやすい」
「ロッカーの上に物を置いているのは落ちるかもしれない」
「廊下に車椅子や歩行器があって手すりを使えない」
病棟の中のさまざまな危険を見つけてデジカメにおさめます。
みんなでみんなでみんなでみんなで「花子さん」を「花子さん」を「花子さん」を「花子さん」を
囲んで囲んで囲んで囲んでどどどどこがこがこがこが危険危険危険危険かかかか
意見を意見を意見を意見を出し合います出し合います出し合います出し合います
患者様の頭の上に患者様の頭の上に患者様の頭の上に患者様の頭の上に
吸引するときの吸引するときの吸引するときの吸引するときの
コップが置いてあコップが置いてあコップが置いてあコップが置いてあ
りました。りました。りました。りました。
ロッカーロッカーロッカーロッカーの上にオムツの上にオムツの上にオムツの上にオムツ
を置くのもを置くのもを置くのもを置くのも
落下落下落下落下の危険がありますの危険がありますの危険がありますの危険があります
「安全パトロール」終了後はグループごとにどんな危険があったか、どのように改善す
ればよいのかについて発表します。
新人研修で発表した内容については各自病棟へも持ち帰って病棟全体としてもさらに対
策を検討してみんなで同じように注意していきます。
3、 医療機器の安全な使用のための研修
病院ではさまざまな医療機器を使用しています。
医療機器も使用方法を知らなければ正しく使うことができません。
そこで鋼管病院では輸液ポンプと人工呼吸器についてはそれぞれ勉強会を実施し
その後に実技試験と筆記試験を行っています。
合格した人に「ライセンス」を与え、ライセンスを取得していることが機器を使用でき
いる基準としています。
車も講習を受けて試験で合格した人が免許証というライセンスをもらうのと同じです。
正しい手技で使用できるか正しい手技で使用できるか正しい手技で使用できるか正しい手技で使用できるか
マンツーマンでチェックしマンツーマンでチェックしマンツーマンでチェックしマンツーマンでチェックし
ています。ています。ています。ています。
みんなで対策を考えてみんなで対策を考えてみんなで対策を考えてみんなで対策を考えて
発表発表発表発表資料を作ります資料を作ります資料を作ります資料を作ります
発表の様子です発表の様子です発表の様子です発表の様子です
4、院内医療安全研修
鋼管病院では全職員に対し年に 2 回医療安全に関する研修を行っています。
1 つはテーマを決めて講師の方に来てもらって研修を行っています。
もう 1 つは院内の職員による医療安全発表大会を実施しています。
実際にどのように安全に関する業務改善をしたか、どのような取り組みをしたのかを
発表します。実際起こった内容についてどのように分析し、対策を立てたのか経過を
知ることで自分達の対策の参考にすることができます。
病院で行っている主な安全研修についてご紹介しました。
これ以外に病棟や委員会など小さな単位毎にも研修を行っています。病棟や委員会で抱
える問題へ焦点をあてた研修のほうが実になることもあります。小さいことでも取り組
む姿勢を持つことが病院の安全文化を育てることになると考えています。
実技・筆記試験に合格すると実技・筆記試験に合格すると実技・筆記試験に合格すると実技・筆記試験に合格すると
ライセンスカードがライセンスカードがライセンスカードがライセンスカードが
もらえます!もらえます!もらえます!もらえます!
2013 年 医療安全発表大会プログラム
1、 安全なオムツの当て方についての取り組み
2、 クリニック全体での転倒するリスクのある
患者様への関わり方
3、 KYT を利用した新人研修
4、 医療機器ライセンス研修
5、 安全な配薬について
6、 院内図書館について