二 五. 一一 博士後期課程一般・外国学生入学試験問題〔資 …...語 語...

16
2019.07.22 O 一九年 博士後期課程 【教科教育学専 解答上の注意 教科教育学専攻(国語科教育学・国語科内容学 左記の表の解答すべき問題を解答しなさい。 の入 学試験問題は 量日五 王ロ五 主日五 言語 三ロ五 三”五 呈伺五 d d 廿 内" 襲指警 r'- t f 且才 : f τ'r d 廿"' n 廿 d 廿 A o ,_ ,廿 g R 廿 '7 '.f;: 司同 !,;- コ円 !,;- A A 点マ斗d 導記 プ。 h 1., Y t Y h 1, }{, q h 1, 7 1, 7L f 指二也と 罰了 導願 f 4 γ 望」 教記 0J ナ,,,.,_ f 主,. f A コ日 /"晶、 j,也、’ h 〆’‘、 p ぶ寸三 L N III Il p /"司 15 p 2 J 16 13 f A 3 ザ且 d C 品寸 L 、ー 14 旬、 ,,、、 ,.-、 〆画、、 . p p p p p 11 9 8 7 ン〆 、、_,; 、、_ 4 12 IO 、__, 6 、_, 枚雲必 数用紙安 J 解答用紙の所定欄に受験番号・氏名・研究指導名・指 導教員名を 必ず 記入すること。 解答の際には、問題番号、設問番号を記入してから解 答すること。 問題 1 等) 解答すべき問題以外を解答した場合、当該解答は「 0 となります 問題用紙は「十六枚」 (本ペ l ジ含む)です。 解答用紙は二枚配布しているが、使用する解答用紙は巴 と回と囚がご で、それ以外は です。

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2019.07.22

二O一九年度早稲田大学大学院教育学研究科

博士後期課程一般・外国学生入学試験問題〔資料解読〕

【教科教育学専攻〈国語科教育学・国語科内容学〉】

解答上の注意

一. 教科教育学専攻(国語科教育学・国語科内容学〉

左記の表の解答すべき問題を解答しなさい。

の入学試験問題は、

出願時に届け出た指導教員の欄に従い、

国 !童 国 国 国 国 国 国 国 国 国 国 国 国語 語 量日五ロ 王ロ五口 語 語 主日五ロ 言語 三ロ五ロ 語 語 語 三”五口 呈伺五口 二d也と、

科 科 科科内

科 科 科 科 科 科 科 科 科 科 髄

容学内内 内 内 内 内 内 内

容学内 d廿内" 内 教 教

襲指警r'-t寸f且才:

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一一. 解答用紙の所定欄に受験番号・氏名・研究指導名・指導教員名を必ず記入すること。

一一一. 解答の際には、問題番号、設問番号を記入してから解答すること。

(例

「問題

一1問一一」

等)

解答すべき問題以外を解答した場合、当該解答は「0点」となります。

五.

問題用紙は「十六枚」

(本ペ

lジ含む)です。

解答用紙は二枚配布しているが、使用する解答用紙は巴と回と囚がご

一枚」で、それ以外は

枚」です。

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J・

一一

O一九年度

早稲田大学大学院教育学研究科博士後期課程入学試験問題

科目名資料解読

(菌語科教育学・国語科内容学)

巳国語教育

問題一次の資料は、文部省著作教科書『高等薗語』の巻末に付された「国語学習の手引き」

これを読んで、後の間いに答えなさい。

の一部である。

※この問題は、著作権の関係により掲載ができません。

ヱー

(『高等園語

三下』文部省、

一九四八、八

01八一頁)

問1

この「国語学習の手引き」が、昭和二三年発行の修正版から付された経緯と理由について知るところを

記述しなさい。

間2

この当時の国語教育思潮について、「国語学習の手引き」

の各設問と関連付けながら説明しなさい。

《注意》解答はすべて別紙の解答用紙に記入すること。解答用紙の

「問題番号」欄に「問題ご、「問題二」と

それぞれ記入した上で、「問題ごは問112、「問題二」は問113とそれぞれ記入してから、続けて解答を

記入してください。解答用紙は裏面も使用可です。

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一一O一九年度

早稲田大学大学院教育学研究科博士後期課程入学試験問題

科目名

資料解読

〈国語科教育学・

国語科内容学)

問題二次の文章は、甲斐雄一郎著『国語科の成立』の

に答えなさい。

一節である。これを読んで、後の問い

「はじめに」

本研究は成立時において国語科が担った教科内容とその編成の観点を、国語科の成立過程における教科課程、教科

書教材などの展開を分析することによって明らかにすることを目的としている。

小学校における国語科は、明治一二三年の第一二次小学校令においてそれまでの読書、作文、そして習字の三教科を統

合して成立した。しかし読書、作文、習字科と国語科とにおける教科の目標および内容の規定には顕著な変化を認め

ることができない。その一方で中学校においては明治一九年においてすでに国語及漢文科が成立していた。このため

国語科の成立をめぐっては、次に示すような素朴な聞いが未解決のまま残されている。

小学校における国語科の成立はなぜ明治

一九年ではなく明治三三年であったのか、国語科の教科内容として規定さ

れた地理、歴史、理科司などに関わる題材は、当該教科の教科内容とどのような関係にあり、どのように推移したのか、

本来は独立教科であった読書、作文、習字の三教科を統合しえたのはなぜか、国語科成立時に新たに領域として位置

づけられた「話シ方」の教育内容は何だ

ったのか。

本研究はかならずしもこれらすべての聞いに正面からこたえることを目的とはしていないが、検討の帰結が結果と

してこれらの問いにこたえられることを期待している。

論述に先立って本研究が対象とする時代的範囲と、しばしば言及する主要な制度、教科書の年代的位置づけなどに

ついての見取り図を描いておきたい。

本研究が対象とするのは明治

一一年から明治三七年までの四半世紀である。明治

一一年は学制、および関連規則と

しての小学教則、中学教郎略、小学教則概表などが布達第四号(五月〉によって廃止された年である。この時以降、

教科構成や学年構成など、教科課韓の編成は各地、また各学校の自由裁量に委ねられている。一方、明治一二七年は最

初の国定国語教科書が完成し、その使舟が開始された年である。この意味でこの四半世紀は、国家による教科課程立

f

案の放任から、教科課程はもとより教科内容にいたるまで-

種類に限定するにいたった過程なのであるロ

この聞の制度の推移をみるならば、明治二一年に教育令が制定され、教訓竹課程を構成する教科が定められた。教育

令は明治一一一一年の改正を経て、関連する諸制度としての小学校教則綱領

(明治一四年)、

中学校教則大綱

(河年)など

によって小学校、中学校の教科内容についても枠組みが決定されている。その後、明治

一九年から三次にわたって小

学校令が制定され、教科内容については小学校ノ学科及其程度(明治一九年)、

小学校教則大綱

(明治二四年)、小学校

令施行規則(明治三三年)で定められた。一方、中学校は明治

一九年に中学校令が制定され、教科内容については尋

常中学校ノ学科及其程度(明治一九年)、明治三二年の中学校令改正による中学校令施行規則(明治=一四年)、中学校教

授要目(明治三五年)で定められている。

小学校の教科書制度は、明治一一年の自由採択制から明治三七年以降の固定制の実施にいたるまでに、明治

一一一一年

一二月からの

「教科書ニ採用スベカラザル分」などのリストを掲載した『調査済小学校教科書表』の刊行開始、

一四

年五月の開申制、一六年七月の認可制を経て明治一九年四月以降は検定制が実施されているのである。

本研究が主たる検討対象とするのはこれらの諸制度、およびこの間に刊行された教科書群である。教科書は閉申制

以降のものを取り上げるが、とくに検定制の聞に刊行された教科書は四期五類に分けて検討することにする。次頁に

示したのはこの間の略年表である。

1

筆者は、「本研究」の「目的」をどのような研究上の問いによって明らかにしようとしているか。研究

上の問いと調査対象、方法等、右の文章から考えられる「本研究」の設計について、わかりやすく説明しなさ

‘uv 問

2

「国語科」の「成立」時点における教科の目標とはどのようなものであったか。また、その目標観に対

するあなたの考えを詳述しなさい。

問3

語科」

高等学校の国語科が次期学習指導要領では大きく改編されるととになった。新しい科目構成の特徴と「国

としての任務について、あなたの考えを述べなさい。

《注意》解答はすべて別紙の解答用紙に記入すること。

解答用紙の「問題番号」欄に

「問題ご、

「問題二」と

それぞれ記入した上で、「問題ごは問

112、「問題一ご

は問

113とそれぞれ記入してから、続けて解答を

記入してください。解答用紙は裏面も使用可です。

f

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一一

O一九年度

早稲田大学大学院教育学研究科博士後期課程入学試験問題

科目名資料解読

(国語科教育学・

国語科内容学)

ロ日本語学

(含日本語教育)

問題次の文章は、

の一節である。

江湖山恒明『日本文章史』(昭和三十

一年四月・何出書房)

これを読んで、後の聞に答えなさい。

言文一致の文は平安時代の仮名文や錐倉時代の和漢混清文と共に、

「特筆せられねばならない」「近代

の新文章」を特色e

つけるこつの柱のうちの一つであると思われるが、この言文一致文をはじめて文芸作品に取り入れ

たという宅二葉亭四迷こ八六四

lZ03の存在はきわめ℃大きいといわなければならない。

ν

この二葉亭の言文一致文の意義についてはバ瀬古氏が

ゴ一葉亭はその作『浮雲』において、遺産の守小説神髄』の

理論をもっともよく具現したのであるが、その表現にあた

っても、まったく目新しい言文

-致の新様式をもってした

ことは、文章史上特筆せられねばならないであろう。しかも、その文体についても泊号

調

1Aa司寸

A同社

UU叫のは、いかに果敢に彼が言

文一致の筆を執ったかを物語るものといわねばならない」

と述べているとおりであろ

50

わたしはコ一葉亭の言文一致」という論文で、二葉亭の言文

-致文に見られる伝統的な要素と創造的な要素とを具

体的な例に即しながら考えたととがあるが、その要旨は次に示すようなものである。

ハ’wld附〉

次に、創造的な要素としては、次のような点が考えられる。

その第一は(

np

和文のところで述べたような、「竹取物語一などに見られる「いはくja--と言ふ」のような形式が用いられていな

いのはもちろしん仁江戸時代の戯作文官官作品このかたのきま

った書き表わし方とも連5、

文ご一は座舗を立出で梯子段の刊まで来ると、後より

「文さん、戴Tの所に今回の新聞が有りますか己

ー「 ー寸

最もハうィお有読りみ まなすナ Jo/

たのL

「読みました。」

「それぢや拝借。」

トお勢は女三の跡に従いドて二階へ上る。ハ第一編)

のように新しい形式が取られている。

を見ても、「・:」「

i」「!」「?L

などが用いられているが、

C

「浮雲

第一縞」

これらは少くとも江戸時代ま

での文章

には用いられていないものであるし、

寸当世書生気質」

のほかには、

「西洋道中膝栗毛」や「安愚楽鍋」などでも用い

られていないものである。

などの外来語をはじめ、

極端な場合には

〉ーヱキxプヲ不lシ2y

H

なし畠ひ

P18Eoロハ示談)L

のように、

純然

二創〉造

的〆:な己要「棄コのヲ第フ三」 tま

震〈場3L→ー

D

たる外国語をルピっき・解釈つをとはいいながら、

原垣間のままで出しているほどである。

こういうような条件を備えて生み出された初期の言文一致文は、

〈守AW〉

山本正秀氏のいわゆる第五期ハ確立期〉における

自然主義文芸の作品によって洗練されたものになり、

第六期

(成長

・完成期〉

における白樺派の作家の作品によって、

そして、

さらに爵きをかけられて完成の婆を見せるようになづた。

Eel--

とんどの敗戦による国語圏字問閣の解決という立場から普通文は完全に姿を消し、憲法をはじめとして、

園内休的には志賀直・哉氏と武者小路実篤氏の乎によって、

法令文・公用文・新聞雑誌の文章まで、

すべて口語文の一色で塗りつぶきれるよ民ノになった。

けれども、話し言葉そのものが動きのはげしい社会状勢を反肺賦して、流動きわまりない実情であるから、言文

一致

大といっても、規範的意識を強くはたらかせようとすれば、

言と文とが不

一致になりがちだという条件から脱れられ

ないのbw,司

ように思われる。

〈W1dwjv

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一一

O一九年度

早稲田大学大学院教育学研究科博士後期課程入学試験問題

科目名資料解読

(国語科教育学・

国語科内容学)

一一葉亭が作品のうえでだけ言文一致文を書い売のに対し、山国美妙

C八六人1i

一九一

O)

で言文一致運動を推進した作家であっただけに

1闘訓耐割岡引刈州司川副点も目立っている。

は作品Lι

理論の二つの面

スープ製造法の備忘録が、俄K警衡の本箱を出立して、

水瓶の上に寄留した

Fia--。(「花の茨茨の花」明治二O年υ

西山を鮒む二十三夜の残月、今艶し前まで降続いた五月雨に洗はれた顔の清さ、まだ北粧は止めずに雲の布巾を携へて折

訴はみづから拭ってゐまナ。〈「酬明蝶」明治ニ二年)

ωその内K、無怯問、勇気!にはかに始まる泣声、物音。

(同〉

ω弱Pました、乙れKは酬明蝶も。(向)

このように、〈

もとより、美妙の文章にも、

(2) (1)

FU

先に考えた一一葉亭の文章のように、伝統的な要素が残っているので、

こういう新しい

欧文脈との併用は、それらが新本町であればあるだけに、ご葉亭の場合よりも不統

一な感じを強くさせるという点はあ

るが、部分的には二葉亭よりも斬新脊抜な欧文脈の手法を用いているといえよう。

これ州議開三八七二|一九四三)の小説の文章あたりになると、欧文脈の要素とそれよりほかの要素主張

と融け合ったという感じになって来る。

けれども、欧文脈を高度に取り入れ、しかも乎際よく取り入れ、それによって文章に新鮮な息吹きを与えたのは、

やはり白樺派の作家である有島武郎三八七八ーで九三る

が、もっとも代表的な存在だといえるであろう。

ただ「耗乱には十人並みな可生活を生活し』ながら、私の心はややともすると突き上げて来る不安にいらいらさせ

られた。(寸小さき者へ」大正七年どの二重括弧でかこんだ部分などは、欧文の匂調をそのまま写し、それによって新鮮

な効果を与えることをねらったのであろうが、日本語としては熟さない言い方(太平洋戦争中にも、「科学を科学す

る」「哲学を哲学する」というような言い方が、熟さない言い方だとして問題になったくらいである〉であるから、ぃ

ささか脊をてらいすぎたということができるであろう。

また、「小さき者よ。不幸な而して同特に幸福なお前たちの父と母との祝福を胸にしめて人の世の旅に登れ。

前途

は違い。而して暗い。然し恐れてはならぬ。恐れない者の前に道は開ける。行け。勇んで。

小さき者よ。(小さき者へど

T

’’SEtt』aEEPIlli--

Illlli--

なEは、やはり「生活を生活する」町剖

とか、「私の仕事?

私の仕事は私から千里も遠く離れてしまった。(聞と

ころ可制矧刻制こと配置しい性格のものと考えられるのではないかと恩われる。

「フ

市1

J町一v

こういえノいろいろな欧文脈の技法が縦横に取り用いられたために、

JUすると貞祉はもう死ぬ:::それを葉子は直賞したやうに思った。限の前で枇図作が急に暗くなった。

r.5) 電燈の光も見えない程に頭の中が暗い渦巻きで一杯になった。ハ「成る女」〉

ゆ私の個性は私に告げてかう言ふ。

私はお前だ。私はお前の精髄だ。私は肉を離れた一

つの概念の幽霊ではない。また霊を離れた

一つの肉の盲動

でもない。お前の外部と内部との溶け合った一つの全体の中に、お前がお前の存在をザってゐるやうに、私も亦

その会体の中で

a厳しく働くカの総和なのだ。ハ「惜しみなく愛は怒ふ」大正六年〉

のように

J調識調署員司司司ゴ寸dH習を与え、作者の名を伏せて読めば、いまの作家の

手に成った文章かと恩われるほど、われわれにとっても身近な文章だということができるところにまでおし進められ

たと恩われる。

こういうように考えると、「有島以前にも、すでに年く明治一一十年前後から欧文脈は小説界に摂取せられたけれど

も、いまだ隠様式の表記法を止揚することができず、新奇を誇ることはできたにしても、

いちじるしく不調和の感を

まぬがれなかったのを思い、さらに明治会期を通じて、

欧文脈のきして進展しなかヮたのを考え合す時、有島の文章

にとくに高度の欧文摂取の見られるばかりでなく、進んでこれを駆使しているかに見えることは、何とい

っても注目

せられねばならない」之述べている瀬古氏の考えの玉しさが認められるであろう。

νRIl--sIll1

すなわち、有島武郎より前では、欧文脈の語棄やhw法が、それまでの広い意味での和漢混滑文の中へ象眼のように

はめこまれていた〈外国語を象眼のようにはめこむという手法に似ているといえよう〉けれども、発想法なり構文の

基本なりは、パグくさいものではなく、それまで長く持ち続けられて来たものに拠っていた、いいかえれば、

全体を

通じて摘れるH本的なものの中へ、ところどころ欧文脈の語伺が挿入されているというように、

日本的なものとヨ

1

ロザパ的なものとが、よ〈溶け合わないままに雑居していた場合が多かったのではないか左思われるが、有島武郎の

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二O一九年度

\ノ、

』、

j

早稲田大学大学院教育学研究科博士後期課程入学試験問題

科目名

資料解読

(国語科教育学・国語科内容学)

出現によって、発想法や構文の基本までもヨ

1ロてハ的なものを多く加えるようにな

って来た、すなわち、

物の考え

S』

方自体にパグくささが強まって来たため、附対鯛付朝劉付叫測を用いても、具質のものが雑居しているというような

ちぐはぐな感じを与えなくなった、いいかえれば、日本的なものと

ヨIロヲパ的なものとが表面だけで組み合される

のでなく、もっしι根抵において溶け合うようになヮたといえるのではあるまいか。

こう考えることによって、終りに示した二つの例文などは、取り立ててきわだ

った欧文脈の表現手法がどぎつく用

いられていないにもかかわらず、会休として欧文脈の表現だと思わせる理由がうなずけるであろう。

間1

傍線部Aについて、具体的に説明しなさい。

問2

二葉亭の言文一致文に見られる創造的な要素として、ここでは三点挙げ

C

)(

D

)に簡潔に説明を入れなさい。

B

問3

傍線部E-

Kの文体について説明しなさい。

間4

傍線部Fについて、携帯やスマホが欠かせなくな

った現代人の言語生活

についても同様のことが言えると思われる。具体例を挙げながら詳しく論

じなさい。

間5

傍線部Gの表現技法について、

G

)に説明を入れなさい。

ωi凶を例として、具体的にかつ簡潔に、

問6

傍線部Hの代表作を一つ挙げなさい。

問7

傍線部Iについて、なぜそのように言えるのか、

から引かれた二例をもとに説明しなさい。

その前の

「小さき者へ」

間8

傍線部Jについて、

的問闘を例にしながら、

具体的に説明しなさい。

間9

傍線部Lと関連して、欧文脈の語葉や句法が現代日本語の語葉

・文法

文章・談話などに与えている影響について、

自分の考えを述べなさい。(以

上)

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一一O一九年度

早稲田大学大学院教育学研究科博士後期課程入学試験問題

科目名

資料解説

〈国語科教育学・国語科内容学)

国古典文学I

(上代文学)

〔問題〕

後の

〈資料〉について、次の間一

i間三に答えなさい。

間二、

全文(傍書を除く)を意味の通る漢字仮名交じりの書き下し文にしなさい(適宜句読点を施す

こと)。その際、時代や文体を考慮し、また誤字・脱字・街字等が認められる場合には適切な形

に改めること。

当該資料の名称を「西本願寺本『高葉集』

巻ご「興福寺本『日本霊異記』上巻」のような形で

答え、その伝本としての性格について説明しなさい。

本文中に含まれる歌謡を現代日本語に訳し、かつその性格について説明しなさい。

問間三、

〈資料〉

ココカラ↓

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一一

O一九年度

早稲田大学大学院教育学研究科博士後期課程入学試験問題

科目名資料解読

(国語科教育学・国語科内容学〉

E

(中古文学)

同一次の影印を行数・字配りなどはそのままに翻刻せよ。

問一一この作品はどのような作品だと考えるか、根拠も含めて説明せよ。

間三この部分について、この作品内および作品外で、どのようなことが論じられ

か、説明せよ。

間四本文校訂について、研究者はどのような態度で臨むべきか、ご自身の研究領

わらせながら論述せよ。

間五次の中から一つ選び論述せよ。選択した番号を明記すること。

①『源氏物語』の古注釈

②『和泉式部日記/物語』の作者および語り手

③藤原頼通文化圏について

ている

域に関

{影印】A

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O一九年度

早稲田大学大学院教育学研究科博士後期課程入学試験問題

科目名資料解読

(国語科教育学・国語科内容学)

古典文学E

(中世文学)

次の問題

、後の聞いに答えなさい。

問題一次の資料を読んで、後の聞いに答えなさい。

※この問題は、著作権の関係により掲載ができません。

問問問問問五四三二一

全文を行数・字配りはそのままに翻宇しなさい。

この資料の作品名を答え、この作品に関して知るところを述べなさい。

傍線部1はどのような人物であるか説明しなさい。

傍線部2はどのような行事であるか説明しなさい。

傍線部3・4の人物は『平家物語』においてどのような人物として語られているかを、それぞれ説明しなさい。

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O一九年度

早稲田大学大学院教育学研究科博士後期課程入学試験問題

科目名資料解読〈国語科教育学・国語科内容学)

問題二次の資料を読んで、後の問いに答えなさい。

bhソザ4イ

K7ι巧〈はみλ一ヤ勺

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4

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問一全文を行数

・字配りはそのままに翻字しなさい。

間二本文中の和歌二首を現代語訳しなさい。

間三これは中世の散文作品の一部である。作品名と作者を書き、作者、作品の特質”成

立、時代背景などについて自由に論述しなさい。

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一一O一九年度

早稲田大学大学院教育学研究科博士後期課程入学試験問題

科目名資料解読

(国語科教育学・国語科内容学)

学N

(近世文学)

次の文章は、浄瑠璃『凱陣八嶋』の一節である。これを読んで、あとの設

問に答えよ。

1通

//

(1)文字藷とゴマ点を除いた本文を、原文どおり翻刻せよ(原文の振り仮名

も翻刻すること)。

(2)本作の作者について記せ。また本作が上演されたと推定されている貞享

二年前後の大坂の人形浄瑠璃上演の動向について記せ。

(次頁に続く)

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一一

O一九年度

早稲田大学大学院教育学研究科博士後期課程入学試験問題

科目名資料解読

〈国語科教育学・国語科内容学)

次の文章は、西鶴『好色一代男』の版文である。これを読んで、あとの設

問に答えよ。

ニ柱のはじめは鏡蔓の塗下地とおぼえ、移民烏は沼のなひ牛の事かと、

吾す

む里は津圏樫探の人にたつねても空耳潰して、天に指さし、地に土け放れず、

五替をまげて桔樟の水より外をしらず。ひろき区波の海に手はとYけ共、人のこ

〉ろは制聞がたくてくまず。或時鶴翁の許に行て、穐の夜の楽媒、月にはきかし

ても、余所には漏ぬむかしの文枕と、かいやり捨られし中に、轄合書のあるを

取集て、荒猿にうつして、稲臼を挽藁口鼻に讃てきかせ侍るに、姪誘因より関

あがり大笑ひ止ず、鍬をかたげて手放っぞかし。

落月蓄西吟

1)本書が、浮世草子の鴨矢とされる理由について述べよ。

2)文中の傍線部「縛合書のあるを取集て、荒猿にうつして」

書の成立について諸説があるが、その概要について述べよ。

を根拠に、本

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一一O一九年度

早稲田大学大学院教育学研究科博士後期課程入学試験問題

科目名資料解説

(国語科教育学・国語科内容学)

E凹

中国古典文学

問題一次に示すのは、唐の慧立撰『大慈恩寺三蔵法師伝』巻

一の一節である。よく読ん

で、設問に答えなさい。

13

~3:

伊五口:・地名。

婆羅門園:・国名。

何弘達・:人名。

〔設間二前から八行自の「悔也」までの全文を、

書き下し文にするか、現代中国語の

発音記号(ピンイン)で書くか、いずれかを選んで答えなさい。

〔設問一一〕前から八行自の「胡翁臼」以下の全文を、口語訳しなさい。

〔設問一三奈良の薬師寺玄奨三蔵院伽藍の玄世〈塔に掲げられる一届額には、

「不東」の二

字を認める。玄奨三蔵法師の「西天取経」の旅をめぐって、

『西遊記』の成立に

いたる小説史的な観点をもまじえて論述しなさい。

〔次ペ

Iジに続く〕

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O一九年度

早稲田大学大学院教育学研究科博士後期課程入学試験問題

科目名資料解読

〈国語科教育学・国語科内容学)

問題二次の詩は、北宋・王安石の「元日」と題する七絶(A)と注(B)である。これを読んで、設

問に答えなさい。

A

爆竹書中一歳除

春風送暖入屠蘇

千円高戸瞳瞳目

線把新桃換奮符

B

爆竹、歳日一爆竹於庭、世惇庭燦之種、

非也。『神異記』云、

「西方山中、

有人長丈録、人見之、即病寒熱、

名目山牒。以竹著火中、爆外有替、則

驚遁遠去」。爆音畢、外立日朴。

〔設間二

A詩の全文を書き下し文に改めよ。

〔設問二〕

A詩を全訳せよ。

〔設問三〕

Bは、

A詩第一句の「爆竹」についての注である。

全文を和訳せよ。

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二O一九年度

p,コ

早稲田大学大学院教育学研究科博士後期課程入学試験問題

科目名資料解読

(国語科教育学・

国語科内容学)

て以下に示すのは、尾崎紅葉『金色夜叉』の

一節である。明治一一一

0年代の読者は、

『金

色夜文』のどこに新しさを感じ、どこに面白さを感じたと思われるか。この

一節を参照し

て、あなたの考えを述べなさい。

問主民ゐ一いが村判的恥駒山間の駄に前町駅せるは、犬山田弘鵬仙聞くて叡回る与なり。献は鯨弘一蹴がり

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かれ七じiMじゃ,もゆ・2HF《そっげふ

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し頃世をずりて、

Tは樹m叫零常中皐を卒業するを見るに及ばずして病死せしより、

制約議長広島慾時Ummwm耐子製トバ禁法恥影石川勝戦料配fvrar

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り。父在りし日きへ月謝の支出の血を絞るばかりに苦き痩世帯なりけるを

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十五歳ながら問問の戸主は祭ぶに先ちて食ふべき念に迫られぬ。幼き戸主の畳半ぷに先ち

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ては食ふべきの念、食ふべきに先ちては葬すべき晶巧猶之に先ちては看護嘗擦の急あ

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りしにあらずや。自活すべくもあらむ幼き者の如何にして是等の念を救得しか。周よ

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り貫-・か力の能ふべきにあらず、嶋津隆司ニの身一個に引承けて寓端の世智せしに医る

なり。蹴貼の公は竪が郡川にて、慨は酢純一震

に、酷に鵬ずりし

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時に扶助せしのみならず、常に心着けては貫

一の月謝をさへ関支排したり。低くて貧

もa・うしなみULごとうしるみえしぎ魯は

いへ見vek

,ゅaJgうおんじん

き父を亡ひし孤児は寓める後見を得て鳴海の家に引取られぬ。隆三は恩人に報ゆるに

そ旬詠じか佳いじ

a・?あ舎記おも

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そのわずれかたみあγほれOとな

一個かれいもおら

甘円短き生時を以て僚らず思ひければ、左右は甘歪山形見を天晴人と成して、彼の士同も

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忘れざりし志を継がんとせるなり。

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亡き人常に言ひけるは、有くも侍の家に生れながら、何の面目ありて我子賞〕をも人

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に侮らすべきや。彼は拳士となして、願くは再び四民の上に立たしめん。貫一一は不断

ζのζとば‘いさしりゅ,掌‘,a仰ととまたとのこkdua--A

かむかれものいいと玄

に此昌一を以て嘗められ、隆三は曾ふ毎に亦此言を以て酬明たれしなり。彼は言ふ這だに

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無くて暴に残りけれども、共の前常に口にせし所は間関かに彼の遁言なるべきのみ。

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令〈かいも@ひそか’K

ごと

然れば貫一が鳴津の家内に於ける境遇は、

決して周介者として絵に疎まるL如き憂自

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に蓮ふにはあらぎりき。拡都ひ縫子などに生れたらんよりは、信て在りなんこそ幾許か

きいはひ也事且隠し

nvと3時怖をあ砂ゆ5ぎ,ふ,ふげ

かれおんじんL

写五がたみ

幸は多からんよ、と知る人は噂し合へり。

後三夫婦は貨に彼を恩人のt山形見として

お艇かならず尉酷ゲけるなり。例制ばかり齢の離せらるtA

を出品て三慌時千は配4uzば鵬げ艇

にJK」-むとすならんと鮒へる載もありしかど、

断叫吋御学院樹へて制的るMMUりしにはあら

かれ之問主之が〈五副主

&宇多aT

そのときるい

きかれか,kpち’Bが《かιr

ざりけるも、彼の篤象なるを見るに及びて、漸〈其心は出で来て、彼の高等中皐校

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一かれられ5けゐはじさだ企

に入りし時、彼等の了簡は始めて定りぬ。

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令rbnζaphrし

貫-は篤撃のみならず、性質も直に、行も疋かりければ、此人物を以って率土の冠を

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戴かんには、誠に獲易からざる婿なるべし、と夫婦は私に喜ぴたり。此身代を婁られ

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かれ固いさ度よぜ

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たりしιて、他姓を冒して得輔闘はれぬ居届障を忍ばんは、彼の屑しと潟ざる所なれども、

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EOLんだい〈。むよ〈信にあ

かれ

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美き宮を事責に層向るを得ば、此身代も屈一熔も何か有らんと、

彼はなか/\夫婦に惜唱し

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たる慨を綾きて、金且層間を勘みたり。宮も貫一をば帰国からず恩へり。然れど恐くは

《わんい色白調‘なか川悼すかれみづか暑

貫一の思へるATには過ぎざらん。畿は自ら其の色好を知ればなり。世間の女の離か自

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ら其の色好を知らざるべき、菱ふる所は自ら知るに過るに在り。謂ふ可〈んば、宮は

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れ事っくもわづかかほど

芭が美しきの幾何値するかを晶画然に知れるなり。彼の美しきを以てして績に箇程の

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かれ@ぞネぜザ-mhT3

資産を嗣ぎ、類多き母士風情を夫に有たんは、決して彼が所望一の絶頂にはあらざりき。

佼賀川の繋の箆よりぽでした附百円からざるを伊たり。対岳山川の離がc訴を舵ひ

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企とB7し

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て可美き妾に窺むを見たり。才だにあらば男立身は恩のまLなる如く、女は色をもて

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そ〈ば〈み

富貴を得べしと信じたり。向彼は色を以て富貴を得たる人たちの若干を見たりしに、

そ@かたち布。れし制限みい必

あまずさかれゆ

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其容の己に如かざるものL多きを見出せり。剰へ彼は行く所に其美しさを唱はれざる

な幽醇臥vto‘タと一O

かれいつよ

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はあらざりき。尚一件最も彼の意を強うせし事あり。そは彼が十七の裁に起りし事な

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り。嘗時吋彼は明治脅繁院に遜ひたりしに、ゲイオリンのプロフユツサアなる濁逸人は

雛の艶らしき撚叫甑翫V酷いハれぬ。匙割問よ同倣なる蹴にはあらで三だだの勲V鞍みし

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なり。殆ど同時に、院長の莱は年四十を像えたるに、先年其妻を喪ひしをもて再び

かれめ、とひそかいグしつまねせ。己主ろ

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彼を安らんとて、密にご廷に招きて切なる心を打開閃かせし事あり。

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のなかば犯はか

此時彼の小き胸は破れんとするばかり務けり。傘は曾て宛えざる可蓋の震に、企・は晴海

蜘附い白ぞみやz

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はじおのれ略。〈す〈な=“そ3にんいじゃ3

に大なる希撃の宿りたるが潟に。彼は放に始めて己の美しきの寡くとも奏任以上の地

問山ある税制を結対に敵ひナペきを猷じたるなり。備わ割引

vrたるは鉱の叫別配と蹴時υι

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臥か仇み

のみならで、踏を憐れる男子部の諸生の常に彼を見んとて打騒ぐをも、宮は知らざり

しにあらず。

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若彼のプロプ品ツサアに時酬はんか、或は四十の抽出長に従はんか、簡の柴容ある館町は、

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皐土を婿にして鳴海の後を嗣ぐの比にはあらざらんをと、

一広相ける希芸人はが刑と動に

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太りて、彼は始移蜜ながら夢みつL、今にも貴き人又は富めるド八丈はが咽あるい〈の白山r

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-もたまとしか&むかへ蜘たてん・危んかならめぐりいた

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見出して、玉の輿を界せて迎に来るべき天縁の、必ず廻到らんことを信じて疑はぎり

き。倣の貯までに慨く見」いが』尉はざりしは封いおが儲のみ。府れども糊して縦を純へ

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るにはあらず、彼と添は2有繋に雌ーからんとは念へるなり。如此〈決-に先とは無け

またあみ一九同州主会g

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-は彼の己を愛する外には英の胸の中に何もあらじとのみ恐へるなhvけり。

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二O一九年度

早稲田大学大学院教育学研究科博士後期課程入学試験問題

科目名

資料解読

(国語科教育学・

国語科内容学)

一、①以下の文章は「歴史其債と歴史離れ」

状況について説明しなさい。

②この文章の著者の小説を具体的にとりあげ、

の冒頭部分

である。

この文章と、

その書かれた頃の文学

ここで述

べられていることとの関係を論じなさい。

わたくしの近頃書いた、回航史kの人物を取り扱った作品は、

小説だと

か、小説でないとか去って、友人間にも議論がある。しかし所謂凶O?

gME4な美事を岩・じて、小誌はかうなくてはならぬと云ふ畢者の少く

なワた時代には、この判断はなか/\むづかしい。わたくし悶身

6、

これまで持いた中で、材料を観間的に者た程度に、大分の相違のあるの

を知予てゐる。中にも「.東山大勝」は、わたくしのすぐれなかった値践

と位しかった境界とのために、殆ど寧に筋書をしたのみの物になってゐ

る。そこでそれを太陽の某記者にわたす時、小説欄に入れずに、雑鎌様

のものに交ぜて削して賞びたいと一五った。某はそれを承諾した。さてそ

れが例になくわたくしの校正を続ずに、太陽に出たのを見れば、総ルピ

を挺って、小説閥に入れてある。殊に共ルピは敏人で子分をして振った

がしら

ものと見えて、二三ペエジ毎に縫ってゐる。餓砲蝋が餓砲のかみになAJ

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たり、左右良の城がさうらの城になったりした雌のあるのも、是非がな

、。‘hv さうした行遼のある栗山大勝は除くとしても、わたくしの前に言った

矧の作品は、誰の小説とも退ふ。これは小説には、

事質を自由に取捨し

て、踏まりを附けた越がある淵円であるに、あの類の作品にはそれがない

からである。わたくしだって、これは脚本ではあるが「日越上人辻説

法しを杏く時なぞは、ずっと後の立正安岡論を、前の鎌AMの辻説法に

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み込んだ。かう一式ふ乎段を、わたくしは近頃小説を書く時全く斥け

てゐ

るのである。

なぜさうしたかと云ふと、其動機は簡単である。わたくしは史料を調

べて見て、共山,に践は札る

7け然」を時現するん泌を殺した。

そしてそれ

を狼に鑓更するのが献になった。これが一

つである。わたくしは又現存

の人が自家の生活をありの備に古くのを見て、現在がありの備に書いて

好いなら、過去も書いて好い容だと思った。

これが一.

つである。

わたくしのあ?釧の作品が、他の物と迩ふ鮎は、巧拙は別として縄々

あらうが、其巾核は市に陳べた貼にあると、わたくしは必ふ。

友人中には、他人は「情」を以て物を取り扱ふの

に、わたくしは

「特L

を以て扱ふと一五った人込あるω

しかしこれはわたくしの作品恐慌

に渡った事で、版山人上人物を取り扱った作品に限つてはゐない。わたく

しの作品は概して丘OMY包括伊でなくワて、

ao--仲同回目的。げなのだ。わた

くしはまだ作品を岳OBJ50MM

にしようとして努hしたことはない。わ

たくしが多少努力した事があるとすれば、

それは円ハ観照的ならしめよう

とする都必のみである。

わたくしは腔史の「日然」を鑓.史することを嫌って、知らず識らず磁

・史に縛られた。わたくしは此緋の下に哨ぎ背んだ。そしてこれを脱せよ

うと思った。

まだ弟鰐衣郎の生きてゐた頃、わたくしは種々の流抵の短い語物を集

めて見たことがある。共中に巣の鳥を逐ふ木の事があった。わたくしは

そ札を一部物に書きたいと弟に言った。弟は出来たら成旧民にさせると

去った。まだ闘十郎も生きてゐたのである。

栗山市川耐を謡ふ火の引は、山線大・天体説の

一簡である。わたくしは背F

に取うた健で棄てた一幕物の企を、人寸草篇小話に蘇らせようと思ひ史ワ

たり山栂大夫のやうな体設は、帯いて行く途中で、想像が道草を食って

iも

述fにならぬ放の制度に筋が立ウてゐると.TA

ふだけで、わたくしの辿っ

て行く糸には人を縛る掛さはない。わたくしは俳誌比物をも、繰り縞し

く採らずに、野のやうな物訴を夢のやうに思ひ浮べて見た。