効果をㄥげる サイト制ㆺ 売ㄥ拡大 マネジメント...Ⅲ効果を...

16
効果をげる サイ制 売拡大 Web管理者は何をすべきか 1.Web管理とは 2.経営者の視点を意識したサイト・マネジメント 3. 正しいWebサイトにする方法 要望を引き出すヒアリング手法 1.ヒアリングとは“引き出す”こと 2.相手の状況に応じたヒアリングを実現 3. サイト制作を円滑にするプロジェクトフロー Ⅲ効果を上げるための Web マーケティング 1.Webマーケティングの全体像を把握する 2.Webマーケティングの進め方 3.アクション設定の行い方 4.ターゲット設定の行い方 5.セットで意味を持つ「集客フロー」と「誘導フロー」

Upload: others

Post on 28-May-2020

2 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 効果をㄥげる サイト制ㆺ 売ㄥ拡大 マネジメント...Ⅲ効果を 上げるためのWeb マーケティング 1.Webマーケティングの 全体像を把握する

効果を上げるサイト制作

マネジメント売上拡大

ⅠWeb管理者は何をすべきか1.Web管理とは

2.経営者の視点を意識したサイト・マネジメント

3. 正しいWebサイトにする方法

Ⅱ要望を引き出すヒアリング手法

1.ヒアリングとは“引き出す”こと

2.相手の状況に応じたヒアリングを実現

3. サイト制作を円滑にするプロジェクトフロー

Ⅲ効果を上げるための Web マーケティング

1.Webマーケティングの全体像を把握する

2.Webマーケティングの進め方

3.アクション設定の行い方

4.ターゲット設定の行い方

5.セットで意味を持つ「集客フロー」と「誘導フロー」

Page 2: 効果をㄥげる サイト制ㆺ 売ㄥ拡大 マネジメント...Ⅲ効果を 上げるためのWeb マーケティング 1.Webマーケティングの 全体像を把握する

1

売上拡大

効果を上げるサイト制作マネジメント

(1)多種多様な Web 管理者の職務

自社の Web サイトを持っている会社の多くに、「Web 管理者」または「Web マスター」

といった役割が置かれています。ですが、その役割は会社によって千差万別です。

「Web の予算を管理する」「web 指針を統括する」といった大きな案件のみの場合もあれ

ば、あるいは、それに「制作への指示出し」「見積り管理」「スケジュール調整」も含まれ

るかもしれません。場合によっては「サイトマップの考案」「デザインチェック」「サーバ

指定」なども含まれることもあり、担当者の意識によって業務は実にさまざまです。

つまり「Web 管理」と一口でいっても、何をすべきかなかなか掴みづらいのが実態です。

役割が伝わりにくいということは、プロジェクトを一緒に進める関係者から、想定外の期

待を集める可能性が考えられます。さらに言えば、それが引き金となりトラブルが起こる

危険性さえあるのです。

Web管理者は何をすべきか

Web管理とは

Page 3: 効果をㄥげる サイト制ㆺ 売ㄥ拡大 マネジメント...Ⅲ効果を 上げるためのWeb マーケティング 1.Webマーケティングの 全体像を把握する

2

売上拡大

効果を上げるサイト制作マネジメント

(2)管理者の仕事は大きく分けて2つ

役割が多岐にわたる Web 管理者には、求められる職務はたくさんにあります。Web 管理

者が押さえておくべきポイントとは、大きく分けて「案件を管理すること」と「正しい Web

サイトにする」ことの2つに絞ることができます。

(1)Web サイトの目的を明確に

二つのポイントについて解説する前に、まず Web サイトを見直す原則について確認し

ます。そもそも Web 制作(あるいはリニューアル)は、「目的→企画→設計→制作」とい

う基本フローで進行します。この基本フローは単なる流れではなく、それぞれの要点が影

響しあうことで成り立つ大切なものです。

サイトの目的がなければ企画は立てられませんし、企画がなければサイト設計もままな

りません。さらに、設計がなければ制作を進めることすら不可能です。

こうした一連の流れがない現場では、企画も決まっていない段階から Web サイトを作

り始めてしまうために、「効果が上がらない」「ナビゲーションが良くないのでは…」と後

から課題が浮き彫りになることがよくあります。

「案件を管理する」のは、Web 管理者なら誰もが意識することです。しかし「正しい

Web サイトにする」ことは、Web サイト自体のクオリティだけにとどまらない本質に迫

る話です。この「正しい Web サイトにする」というポイントを押さえられるかどうかが、

2 経営者の視点を意識したサイト・マネジメント

案件を

管理する

正しい web

サイトにする

目的

企画

設計

制作

目的達成の手段としてWebサイトができる

Page 4: 効果をㄥげる サイト制ㆺ 売ㄥ拡大 マネジメント...Ⅲ効果を 上げるためのWeb マーケティング 1.Webマーケティングの 全体像を把握する

3

売上拡大

効果を上げるサイト制作マネジメント

社内で必要とされる Web 管理者になるかどうかの境目となるのです。

(2)企業は web サイトが欲しいワケではない

そもそも企業はなぜ Web サイトを作るのでしょうか。それは、Web サイトを作ること

で得られる効果を期待しているからです。つまり企業にとっての Web サイトとは、目的

達成の手段の一つであり、それ自体がゴールではありません。

別の言葉で言えば、Web サイトには経営計画を前進させる経営者視点が求められます。

“マーケティングセンスをもった Web 管理者”が必要とされるのは、この点に由来し

ます。

(3)発注サイドと制作サイドの両方の視点を持つ

Web 管理者として押さえるべきポイントとは、「案件を管理する」=制作側の視点、「正

しい Web サイトにする」=発注側の視点という双方の立場に立った視点を持つことです。

Web 管理者は、サイトそのものを制作することばかりに目がいきがちで、発注側(企業・

経営者側)の視点がおろそかになることが多々あります。しっかり進行管理しているはず

なのにトラブルが起こってしまう場合は、このような偏りが原因です。制作側と発注側の

二つの視点を意識し、二つのポイントをバランスよくおさえることが大切です。

ここでは制作の流れを、Web 管理者としてどう押さえていくかを確認します。

(1)良くないWeb制作管理

「自社サイトを作りたい」という指示を受けた段階で、真っ先に「ページ数」「デザイン」

「予定」「スケジュール」に目を向けるのは、制作側に意識が偏った良くない進め方の典型

です。このままサイト制作を進行すると、Web サイトを作ること自体が目的となり、「な

ぜ Web サイトを作りたいのか」という部分をすくいあげることができなくなります。そ

の結果、効果の得られない Web サイトが完成し、後々の修正や作り直しに苦労する事態

3 正しいWebサイトにする方法

目的 商品を売りたい

手段 商品を売りたい

効果 商品が売れて

利益になる

Page 5: 効果をㄥげる サイト制ㆺ 売ㄥ拡大 マネジメント...Ⅲ効果を 上げるためのWeb マーケティング 1.Webマーケティングの 全体像を把握する

4

売上拡大

効果を上げるサイト制作マネジメント

に陥ってしまいます。

(2)良い Web 制作管理

指示を受けた段階で、Web サイトを作る目的をまず明確にします。これにより Web サ

イト制作の方向性がブレることがなくなり、企業の意図する結果につながります。また、

そこから目的に向かって企画を練り、企画に基づいた Web サイト設計ができます。効果

を上げる Web サイトを作れば、社内の満足はもちろん、顧客からも高い評価が得られ、

売上への貢献精度がより高まります。

Web 管理者として、はじめに Web サイト制作に着手する段階で、何を意識するかで結

果が大きく変わってきます。Web 制作管理における「案件の進行管理」は役割の 50%で

しかありません。形として Web サイトを納品したとしても、それだけでは社内の目的が

達成されたとはいえないことを意識すべきです。

Page 6: 効果をㄥげる サイト制ㆺ 売ㄥ拡大 マネジメント...Ⅲ効果を 上げるためのWeb マーケティング 1.Webマーケティングの 全体像を把握する

5

売上拡大

効果を上げるサイト制作マネジメント

(1)ヒアリングの目的

Web サイトの構築は、発注者へのヒアリングから始まります。一般的に、ヒアリングは

「発注者に対して要件を聞く行為」と認識されますが、それだけでは正確にヒアリングで

きたとはいえません。

制作管理においてヒアリングとは、「要望を引き出す行為」といえます。たとえばヒアリ

ングシートを用意して、そこに書かれていることをそのまま質問しても、発注者が抱える

課題を十分に引き出せたことにはなりません。

そもそも“聞く”という行為は、あらかじめ明確な答えを持っている人にするものです。

ただ要件を聞くだけのヒアリングでは「Web サイトを立ち上げたいがどうしたらいいかわ

からない」「どのポイントを押さえるべきか判断できない」「プロに相談しながら進めたい」

という Web 制作に不慣れな立場の人に対して不親切です。

まずはサイトを必要とし発注する立場の視点から、相手が言葉で表現しきれない頭の中

のイメージや要望を“引き出す”ことを意識しながら、最初のヒアリングに臨みましょう。

(2)一つの Web サイトで達成する目的は一つ

ヒアリングのゴールは、「目的」を明確にし、共有することです。発注する側は Web サ

イトを作るとき、目的を絞り込めず、あらゆる要素を盛り込みがちになる傾向があります。

しかし、一つの Web サイトに対して、一つの目的を達成する姿勢で取り組んでいかなけ

れば、目的が一つも達成できない無効果な Web サイトが完成する可能性が高くなります。

逆にヒアリングできちんと目的を洗い出しておけば、後からさまざまな要望が出てくる

1 ヒアリングとは“引き出す”こと

Ⅱ 要望を引き出すヒアリング手法

Page 7: 効果をㄥげる サイト制ㆺ 売ㄥ拡大 マネジメント...Ⅲ効果を 上げるためのWeb マーケティング 1.Webマーケティングの 全体像を把握する

6

売上拡大

効果を上げるサイト制作マネジメント

のをあらかじめ予測し、対処することができます。こうしたことからヒアリングは、後々

の制作フローにも大きく影響することが理解できます。

Web 制作案件は、必ずしも毎回同じ段階からスタートするとは限りません。案件の状態

(案件の進行レベル)によって、ヒアリングに要する時間が変化します。逆に、段階を無

視してヒアリングをしていては、話が二転三転する可能性も出てきます。最初に“プロジ

ェクトがどの段階なのか”を見極め、そこからポイントを押さえることを心がけていくこ

とで、無駄を省いた効果的なヒアリングが実現できます。

■段階別ヒアリングポイント

2 相手の状況に応じたヒアリングを実現

Page 8: 効果をㄥげる サイト制ㆺ 売ㄥ拡大 マネジメント...Ⅲ効果を 上げるためのWeb マーケティング 1.Webマーケティングの 全体像を把握する

7

売上拡大

効果を上げるサイト制作マネジメント

(1)プロジェクトフローを意識する

Web 制作を社内の側から取り仕切る Web 管理者にとって、点在する不安要素を一つ一

つ紐ときながら、現場を安定させていくことは大きなテーマです。その際、意識したいの

が「プロジェクトフロー」です。

プロジェクトフローとは「プロジェクトの流れ」です。Web 制作においては「Web 制

作案件の進行を先読みするもの」と言い換えられます。それぞれの Web 管理者の立場や

状況によって異なりますが、下図で自身のプロジェクトフローも一度再確認してください。

■プロジェクトフロー例

プロジェクトフローを整理することで、案件の進行がスムースになります。実際に自身

の扱うプロジェクトフローを書き出してみて、その流れに違和感があれば、制作現場での

進行にも支障が出るかもしれません。プロジェクトによっては、前半の企画から設計に至

る部分で、営業担当者、外注先などの第三者による進行が入るケースも出てきます。すべ

ての関係者とプロジェクトフローを共有することで、効率的な制作管理が行えます。

(2)プロジェクトフローの共有は何をもたらすか?

プロジェクトフローや、それをさらに細かく落とし込んだ「ワークフロー」「作業タスク」

は、案件の先行きを予測する最強のツールになります。

逆に行き当たりばったりの進行は、その場しのぎの非効率な進行の典型といえます。

制作側と発注側の双方で、プロジェクトフローを共有しながら進めれば、Web 制作に不慣

れな発注者も事前に準備しやすく、意見や要望を後回しにすることなく、ベストなタイミ

ングでの指摘もできるようになります。

さらに、発注側に制作者側の都合を最大限に理解してもらうための効果的な手段にもな

3 サイト制作を円滑にするプロジェクトフロー

Page 9: 効果をㄥげる サイト制ㆺ 売ㄥ拡大 マネジメント...Ⅲ効果を 上げるためのWeb マーケティング 1.Webマーケティングの 全体像を把握する

8

売上拡大

効果を上げるサイト制作マネジメント

るのです。プロジェクトフローの導入と整備によって Web 制作の流れを「可視化」する

ことは、制作者と発注者の溝を埋めるための有効な懸け橋となります。

Page 10: 効果をㄥげる サイト制ㆺ 売ㄥ拡大 マネジメント...Ⅲ効果を 上げるためのWeb マーケティング 1.Webマーケティングの 全体像を把握する

9

売上拡大

効果を上げるサイト制作マネジメント

Web 上でよく行われているマーケティング活動とは「完成したばかりの企業サイトをい

かに宣伝、告知していくか」「ネット通販サイトにおける顧客獲得のための戦略立案」など

です。しかし、ここではよりシンプルに、「ターゲットとなるユーザが行動する一連の流れ」

をどのようにイメージするかをまずは解説します。

いくらデザインがよく、ユーザビリティを意識した Web サイトでも、ターゲットとな

るユーザを集め、自社が求める効果を上げなければ意味がありません。このターゲットユ

ーザの「集客」、そして「誘導」の部分を担うのが Web マーケティングの役割です。

Web マーケティングとは、“ターゲットユーザの行動の流れ”そのものと定義出来ます。

「ユーザがメディアから何らかの情報を受け取る」〜「Web にアクセスしてサイトのトッ

プページ(入り口)を訪れる」〜「コンテンツを経由し、最終的に用意されたアクション

を起こす」。このユーザの流れが Web マーケティングを行う上で、つねに意識しておきた

い全体像です。

Web 管理者が社内で Web マーケティングプランを立案するとき、流れにかかわるすべ

てのプロセスに対して前もって対応策を練る必要があります。

また、ターゲットユーザが何も知らない状態から情報を得ていく過程で行動を変化させ、

結果としてアクションを起こすという点がポイントになります。ユーザに行動の変化を起

こさせることが、Web マーケティングの最大の狙いです。

効果を上げるためのWebマーケティング

Webマーケティングの全体像を把握する

Page 11: 効果をㄥげる サイト制ㆺ 売ㄥ拡大 マネジメント...Ⅲ効果を 上げるためのWeb マーケティング 1.Webマーケティングの 全体像を把握する

10

売上拡大

効果を上げるサイト制作マネジメント

(1)アクション設定

Web マーケティングプランは、最初に「アクション設定」を決めるところから始めます。

まず、Web サイトを立ち上げた本来の目的に基づいて、ターゲットユーザに起こさせたい

アクションを考えていきます。

たとえば「商品を売りたい」のであれば、ターゲットに「商品を注文する」というアク

ションを起こさせる必要があります。また「自社を広報したい」のであれば、「企業活動に

ついて興味をもって積極的に知ろうとする」ことがアクション設定になるでしょう。つま

り、単一の目的に対しては単一のアクション設定をすればよいのです。

(2)ターゲット設定

次に、アクションを起こしてもらいたいユーザ層を絞り込んでいく「ターゲット設定」

を行います。このとき、ユーザモデル像をイメージし(ペルソナ)、ターゲットとなるユー

ザ像を明確にしていくことで、サイト構築の方向性やデザインが決定します。

最後に、絞り込んだターゲットが Web サイトのトップページへと到達するまでの「集客フ

ロー」を考え、トップページからアクションを起こす(ゴール)までのつながりである「誘

導フロー」を考えます。

どのユーザも最初はアクションを起こす可能性はあまり期待できません。必要な情報を

提供し、集客から誘導という一本の道をつくることで、アクションを起こす確率は少しず

つ高まっていきます。

2 Webマーケティングの進め方

Page 12: 効果をㄥげる サイト制ㆺ 売ㄥ拡大 マネジメント...Ⅲ効果を 上げるためのWeb マーケティング 1.Webマーケティングの 全体像を把握する

11

売上拡大

効果を上げるサイト制作マネジメント

(1)Web サイトの種類と目的別アクション設定例

種類や目的の異なるいくつかの Web サイトにおけるターゲットユーザ像、ターゲット

に起こしてもらいたいアクション設定の具体例は下記のようにまとめられます。

Web メディア上では表現豊かなコンテンツ展開が可能です。そのためサイト自体の種類や

目的も多種多様になっています。

3 アクション設定の行い方

Page 13: 効果をㄥげる サイト制ㆺ 売ㄥ拡大 マネジメント...Ⅲ効果を 上げるためのWeb マーケティング 1.Webマーケティングの 全体像を把握する

12

売上拡大

効果を上げるサイト制作マネジメント

(2)ユーザを迷わせないシンプルなアクション設定

アクション設定を行う際に大切なのが、「目的が明確で絞り込まれているほど、ターゲッ

トに起こさせたいアクション設定がシンプルなものになってくる」ということです。

「目的」達成に向けてスムースな流れでユーザを導くためには、よりシンプルなアクショ

ン設定が必要になるわけです。

Web サイト内に仕掛けとしてのアクション部分がいまひとつ物足りないからといって、

複雑な動線設定にしたり、さまざまなコンテンツを盛り込んでしまうと、ターゲットに迷

いを与えることになります。これでは、せっかくのマーケティングプランも台無しになっ

てしまいます。

Web サイトを利用するターゲットユーザのことを考えるなら、複雑なものよりシンプル

な設定のほうが迷いを与えることなくアクションへと導けます。『アクション設定はシンプ

ルに』これが、Web マーケティングを成功に近づけるための秘訣なのです。

(1)ペルソナの行動パターンをイメージすることが重要

「アクション設定」を決めたら、次に「ターゲット設定」に着手します。

ターゲット設定には分析していくべき優先順位があります。まず、「性別」と「年代」から

実際のユーザー調査を実施し、統計分析を進めていきます。

会社側の意向として「性別、年代問わずとにかく幅広い層のユーザーをターゲットにし

たい」と考えるかもしれません。しかしターゲットユーザーを絞り込まないプランでは良

い結果は生み出せません。たとえば 10 代/女性と 50 代/男性では性別だけでなく、生

育環境や文化的背景、これによる趣味なども大きく異なってきます。ターゲットユーザー

の「性別」と「年代」を洗い出すことは、制作を進める上でとても重要な位置づけになる

わけです。これによって、インターフェイス設計やデザイン、ひいては文字サイズや色味

などを含む Web サイト全体の仕様を判断する基準につながるからです。

性別と年代の次に分析すべきはユーザーの「職業」です。たとえばビジネスマンや OL、

専業主婦や学生といった職業の違いによって、Web サイトにアクセスする時間帯、利用す

る端末などが異なってきます。このため、イベントやキャンペーンの展開方法、さらには

リスティング広告やサイト情報更新のタイミングも変わってくるのです。このように、優

先順位をつけて性別、年代、職業と絞り込んでいくことでターゲットユーザー像はより明

確になっていきます。

4 ターゲット設定の行い方

Page 14: 効果をㄥげる サイト制ㆺ 売ㄥ拡大 マネジメント...Ⅲ効果を 上げるためのWeb マーケティング 1.Webマーケティングの 全体像を把握する

13

売上拡大

効果を上げるサイト制作マネジメント

(2)ペルソナの行動パターンをイメージすることが重要

さて、ここまできたらターゲットユーザーに対する理解をより深め、具体的なニーズを

つかむためにも、仮想ユーザーモデル「ペルソナ」を利用します。ペルソナはアンケート

やインタビューなどのユーザー調査を行って、実際に得られた個々のデータを基に、平準

化した具体的な人物像を付与することによりつくり上げられていきます。何の事実にも基

づかない、まったくゼロからつくり上げた人物像では戦略的に意味をなさないので注意し

ます。

ペルソナを扱ううえで意識したいのは、行動パターン(シナリオ)をイメージしやすい

人物像に設定することです。Web マーケティングプランは、ターゲットユーザーの行動の

流れによって結果が左右されるため、ペルソナで設定した行動パターンがその成否の鍵を

握っているといっても過言ではありません。ユーザーの行動パターンをイメージしやすく

するためにも、下図のようなプロファイル(人物描写)を参考にします。

Page 15: 効果をㄥげる サイト制ㆺ 売ㄥ拡大 マネジメント...Ⅲ効果を 上げるためのWeb マーケティング 1.Webマーケティングの 全体像を把握する

14

売上拡大

効果を上げるサイト制作マネジメント

Web サイトの規模によっては、ペルソナを何十、何百通りも設定して行動パターンを研

究し、マーケティングプランを展開していくケースもあります。重要なのはペルソナ設定

そのものではなく、そこから導き出されるペルソナの行動パターンです。Web マーケティ

ングを手がけていくうえで、ペルソナの行動パターンから適切な「ターゲット設定」を引

き出し、Web サイト構築をしてくことを心がけます。

(1)Web の最終目標は「集客」と「誘導」

Web マーケティングプランの進め方の最後として「集客フロー」と「誘導フロー」につ

いて解説します。

Web マーケティングは「集客」と「誘導」という2段階がセットになってはじめてその

役割を果たします。Web マーケティングにおける「集客」とは、Web サイトにターゲッ

トユーザーを集めること、つまりはアクセス数をアップさせること、「誘導」は、集客した

ターゲットを Web サイト上に設定したアクションへと導く道筋のことです。「集客」と「誘

導」はセットで用いることによって、はじめて効果につながる組み合わせになります。む

やみにコストをかけ、アクセス数を増やして集客だけを行ったとしても、その先の誘導部

分が整備されていなければ、ターゲットがアクションへとたどり着く確率(コンバージョ

ン率)は下がってしまいます。

期待される集客(=アクセスアップ)とは、Web サイトの入り口をノックさせるだけの

もので、誘導を含めた 100%の Web マーケティングを想定していない場合も多く、した

がって、この誘導部分に関しては Web 管理者が意識して補っていくよう心がけていきま

す。

5 セットで意味を持つ「集客フロー」と「誘導フロー」

Page 16: 効果をㄥげる サイト制ㆺ 売ㄥ拡大 マネジメント...Ⅲ効果を 上げるためのWeb マーケティング 1.Webマーケティングの 全体像を把握する

15

売上拡大

効果を上げるサイト制作マネジメント

(2)3つの目線の使い分け

制作案件が Web マーケティングプランの段階に入ったら、それまでの経営目線のディ

レクションをユーザー目線のディレクションに切り替えます。これにより情報配信者側の

一方的な偏りが軽減され、ユーザーにとって最適な集客誘導プランが立てやすくなります。

Web 管理者が制作側としての目線、企業側の目線、そしてターゲットユーザー側の目線の

3 つを使い分けることで、Web サイトはより効果的なものになるのです。

(3)アクションの先にあるもうひとつのアクション

ここまでが Web 管理者が取り組むべき Web マーケティングの概要です。

さらに、もう一アクションすることで、さらにマーケティング効果をアップさせることが

できます。

Web サイトに設定するアクションは、二つ存在します。一つ目は先に述べた、クライア

ントの目的に直結する、ユーザーが起こすアクションです。もう一つは最初のアクション

から派生する二次的なアクションです。

具体的には「口コミ(バイラル)」「紹介アクション」「リピートアクション」などがそれ

に当たります。これらは、マーケティング効果を何倍にも膨らませる可能性を秘めていま

す。言い換えれば、ターゲットユーザーが自らマーケティングプランに参加して、別のユ

ーザーを誘導してくれるということになります。

これこそが、Web サイトを活用したマーケティングの強みです。そして、成功している

Web サイトが共通して取り組んでいることでもあります。