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(資料)⼭梨県の産業構造の状況と特徴
1.⼈⼝・⼈⼝構成・労働⼒⼈⼝
本県の総人口は、1970(昭和 45)年頃から 2000(平成 12)年頃まで⼈⼝増加が続き、2000(平成12)年9月のピーク時には、約89万人に達しました。 これは、本県において、1970年〜1980年代に⼤規模⼯業団地が整備され、1982(昭和57)
年に中央⾃動⾞道が全線開通したことにより、製造業を中⼼に雇⽤環境が向上したことが主な要因と考えられています。 一方、2000年代からは、少⼦化や東京⼀極集中の進⾏など、社会情勢の変化による転出超過を
背景に人口は減少に転じており、2017(平成 29)年時点で 82万 4千⼈となっています。国⽴社会保障・人口問題研究所の推計によれば、現状のままで推移した場合、2040年の総⼈⼝は約 66万6千人になると推計されており、2015(平成27)年と⽐較して約2割減少すると⾒込まれています。
出典:1970〜2015年は「国勢調査」、2016、2017年は「⼭梨県常住⼈⼝調査」
年齢 3区分でみると、年少⼈⼝(0〜14 歳)及び⽣産年齢⼈⼝(15〜64 歳)は、近年減少傾向が続き、2010(平成22)年には、年少⼈⼝は約11万5千⼈、⽣産年齢⼈⼝は約53万1千⼈となっています。⼀⽅、⽼年⼈⼝(65歳以上)は増加し、約21万2千人となっており、総人⼝に占める⽼年⼈⼝の割合は戦後⼀貫して増加しており、2005(平成 17)年には 2割を超え、2040年には約4割になると⾒込まれています。 2010(平成 22)年の従属⼈⼝(年少⼈⼝+⽼年⼈⼝)を⾒ると約 32万 7千人で、従属人
⼝指数(従属⼈⼝÷⽣産年齢⼈⼝×100)は61.5となっています。2045年では従属⼈⼝は約31万 6千人と、2010(平成 22)年から減少しているものの、それ以上に⽣産年齢⼈⼝の減少が進んでいるため、従属人口指数は 111.8に上昇し、働く世代の負担がさらに大きくなると予想されています。 出典:「平成 27年国勢調査」(総務省)、「日本の地域別来推計人口」(平成30(2018)年推計)(国⽴社会保障・⼈⼝問題研究所)
762,029
783,050
804,256
832,832
852,966
881,996 888,172 884,515
863,075
834,930 829,884 823,580
680,000700,000720,000740,000760,000780,000800,000820,000840,000860,000880,000900,000
1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2016 2017
(人) ⼭梨県の⼈⼝推移
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2.県内総生産
本県の2015(平成27)年度の産業別県内総生産の構成比(名目)は、第一次産業1.7%、第二次産業 37.3%、第三次産業 60.5%となっており、全国⽐率の第⼀次産業 1.1%、第二次産業 26.2%、第三次産業 72.7%と比較して、第二次産業が高く、第三次産業が低い状況となっています。
出典:「2015(平成27)年度県⺠経済計算年報」
3.産業集積(付加価値額特化係数、労働生産性特化係数)
本県の産業集積における特化係数を産業別にみると、「農業・林業」「鉱業・採⽯業・砂利採取業」「建設業」「製造業」「電気・ガス・熱供給・水道業」「宿泊業・飲食サービス業」「生活関連サービス業・娯楽業」「複合サービス事業」で特化係数が1を超えており、産業集積の状況がみられます。また、労働生産性では、「農業・林業」「製造業」「電気・ガス・熱供給・⽔道業」「複合サービス事業」が1を超えており、労働生産性が全国よりも高い状況となっています。 本県の基幹産業である製造業の内訳をみると、「飲料・たばこ・飼料製造業」「なめし⾰・同製品・⽑皮製造業」「窯業・土石製品製造業」「はん用機械器具製造業」「生産用機械器具製造業」「業務用機械器具製造業」「電⼦部品・デバイス・電⼦回路製造業」「電気機械器具製造業」「情報通信機械器具製造業」の特化係数が高く、産業集積がみられます。また、労働生産性では、「繊維工業」「印刷・同関連業」「なめし革・同製品・毛皮製造業」「窯業・土石製品製造業」「はん用機械器具製造業」「生産用機械器具製造業」「業務用機械器具製造業」「電気機械器具製造業」が全国よりも高くなっています。 ※付加価値額特化係数=地域で生み出された付加価値の構成比÷全国で生み出された付加価値の構成比
数値が1より大きければ産業集積の状況が全国よりも高いと言えます。 ※労働生産性特化係数=⽣み出された⽣産額÷投下した労働の量
数値が1より大きければ労働生産性が全国よりも高いと言えます。
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出典:全産業・・・「平成24年経済センサス」(総務省・経済産業省)
製造業・・・「平成24年⼯業統計」(経済産業省)
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4.就業構造
2012(平成24)年就業構造基本調査によると、15歳以上人口に占める有業者の割合(以下「有業率」という。)は、59.5%となっており、全国の有業率と⽐べると1.4ポイント高くなっています。 男⼥別にみると、男性は69.4%、⼥性は50.5%であり、全国の有業率と⽐べると、男性は0.6ポ
イント、⼥性は2.3ポイント高くなっています。 年齢階級別有業率は、男性は 30歳〜59歳までは 90%を超えますが、2007(平成19)年の
前回調査との比較では、特に15歳から39歳の若年層で低下しています。⼥性は、最も⾼い45歳〜49歳で77.1%であり、全体として男性に比べ低くなっています。また、結婚・出産期に一旦低下し、育児が終わる時期に再び上昇するといういわゆるM字型カーブを描いていますが、この年代の有業率が上昇したため、M字型カーブの谷の部分が浅くなってきています。 65歳以上の⾼齢者の有業率は、男性は 36.1%、⼥性は 18.9%であり、男⼥ともに全国2位と
⾼くなっています。職業別でみると、農林漁業従事者が最も⾼く、男性では31.1%、⼥性では31.8%となっています。 雇用者(役員を除く)の雇用形態別の割合については、「正規の職員・従業員」は 60.5%、「非
正規の職員・従業員」は 39.5%となっており、「正規の職員・従業員」の割合は、全国の割合と比べ1.3ポイント下回っています。
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出典:「男⼥年齢階級別有業率-2002(平成14)年〜2012(平成24)年」(⼭梨県)
5.開業率・廃業率
全国では、廃業率は緩やかな減少傾向となっており、開業率は緩やかな増加傾向となっています。 本県においては、廃業率は減少傾向が続いており、開業率は 2013(平成 25)年度以降、ほぼ
横ばいとなっています。また2011(平成23)年度と2012(平成24)年度では廃業率が開業率を上回っていましたが、2013(平成25)年度以降は開業率が上回っています。各年において本県の開業率は全国を下回る状況となっています。
出典:「雇⽤保険事業年報」(2011(平成23)年度〜2016(平成28)年度)
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6.中小企業等の設備投資
本県の製造業では、2015(平成 27)年度まで、全国⽔準を下回る年が多い状況であり、その結果、全産業においても多くの年で全国⽔準を下回っていましたが、2016(平成 28)年度は全国水準をやや上回り、非製造業のマイナス分を補って全国水準並みとなりました。
出典:「北関東甲信設備投資計画調査」(⽇本政策投資銀⾏ 2016年度〜2018年度)
7.企業⽴地
本県における⼯場⽴地件数の推移をみると、2006(平成 18)年以降、増減を繰り返しながら、年間10件から20件程度の間で推移していました。2013(平成25)年と2014(平成26)年は太陽光発電事業を⾏う電気事業者が増加し件数が⼤幅に増えています。
出典:「関東経済産業局管内 平成29年(1⽉~12⽉)⼯場⽴地動向調査結果(速報)」
※2015年以降は、電気事業者を含みません。
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28,532 28,805 27,431 27,385 25,904 29,832
95,807
111,535
96,607 96,892 101,607
115,924
0
20,000
40,000
60,000
80,000
100,000
120,000
140,000
2010 2011 2012 2013 2014 2015
貴⾦属製装⾝具(宝⽯、象⽛、⻲甲を含む)出荷額
山梨 全国
(百万円)
(年)
8.地場産業
貴⾦属製装⾝具(宝⽯、象⽛、⻲甲を含む)の出荷額の推移をみると、全国では 2011(平成23)年を除きほぼ横ばいで推移してきましたが、2015(平成 27)年は前年⽐ 114%と増加しました。 一方、本県は2010(平成22)年から2013(平成25)年までほぼ横ばい、2014(平成26)
年は減少しましたが、2015(平成27)年は対前年⽐115%増加しました。
出典:「工業統計表品目編(平成22年,平成24年〜平成26年)」 「経済センサス-活動調査 品目編(平成24年,平成28年)」
果実酒の製成数量の推移をみると、全国では 2010(平成 22)年度以降右肩上がりで推移して
います。2016(平成28)年度は前年度より減少したものの、2014(平成26)年度を超える水準にあります。 本県では、2010(平成22)年度以降ほぼ横ばいの状態となっており、2016(平成28)年度は
2014(平成26)年度⽔準をやや下回りました。
出典:「国税庁 統計年報(酒税 都道府県別の製成数量)」
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織物の生産概況は、近年増加傾向にあります。中でも、インテリア地の⽣産額が⼤きく、また近年増加しています。 ネクタイ地や袖裏地などは安定して推移しています。
出典:「産地織物生産概況(推定値)(2009(平成21)年〜2016(平成28)年)」
(⼭梨県産業技術センター富⼠技術⽀援センター調べ)
ミネラルウォーターの⽣産数量の推移をみると、全国、⼭梨ともに 2012(平成 24)年以降、右肩
上がりとなっています。2017(平成29)年においては、⼭梨のシェアは43.8%となっています。
出典:「ミネラルウォーター類の統計資料」(⽇本ミネラルウォーター協会)
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9.農業
2016(平成28)年の⼭梨県の農業⽣産額は約958億円で、品⽬別で⾒るとぶどうやももなどの果実の生産額が約536億円で生産額全体の5割以上を占め第1位で、ぶどう、もも、すももの⽣産量は⽇本一となっています。 果実に次いでスイートコーンやトマト、なすなどの野菜の生産額は約144億円で第2位、牛肉、豚肉、卵などの畜産物が約135億で第3位となっています。
10.観光関連産業
本県における観光入込客数の推移をみると、東日本大震災のあった 2011(平成 23)年に⼀度落ち込んだものの、2012(平成 24)年以降は増加傾向が続いています。それに伴って観光消費額も増加傾向にあります。
出典:「平成28年⼭梨県観光⼊込客統計調査報告書」
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本県における外国⼈の延べ宿泊者数の推移を⾒ると、2011(平成 23)年の東⽇本⼤震災で落ち込むものの、2013(平成25)年の富⼠⼭世界遺産登録後は⼤きな伸びを⽰しています。
出典:「観光庁宿泊旅⾏統計調査」
本県の宿泊者を国籍別にみると、1位が中国(44.4%)、2位が台湾(13.7%)、3位がタイ
(11.6%)と、上位3カ国で全体の 69.7%を占めています。伸び率で⾒ると、中国は 10%以上減少したものの、タイや香港が微増、その他の国はほぼ横ばいとなっており、国籍の多様化の傾向は続いています。
出典:「観光庁宿泊旅⾏統計調査」
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(資料)策定に係る有識者会議 名簿
所属 役職 氏名 備考
1 国⽴⼤学法⼈ ⼭梨⼤学 理事 早川 正幸 座⻑
2 ⼭梨県市⻑会 常務理事 堀内 浩将
3 ⼭梨県町村会 次⻑ 大柴 武
4 株式会社 日本総合研究所 調査部 上席主任研究員
藤波 匠
5 株式会社 野村総合研究所 社会システムコンサルティング部⻑
神尾 文彦
6 日本労働組合総連合会 ⼭梨県連合会
会⻑ 萩原 雄二
7 一般社団法人 ⼭梨県森林協会 専務理事 ⼩林 均
8 公益社団法人 やまなし観光推進機構
事務局⻑ 新井 達司
(市川 勝茂)
9 ⼭梨県農業協同組合中央会 参事 小池 克也
10 ⼭梨県信⽤保証協会 保証部 部⻑ 有野 文明
11 ⼭梨県中⼩企業団体中央会 事務局⻑ 知⾒寺 好幸
12 ⼭梨県商⼯会連合会 事務局⻑ 内藤 ⼒
(河野 ⾏秀)
13 ⼭梨県商⼯会議所連合会 事務局⻑ 越石 寛
14 公益財団法人 やまなし産業支援機構
専務理事 木之瀬 久司
※氏名欄の括弧書きは、平成29年度における有識者
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元気やまなし産業ビジョン (素案)
策定 平成30年 月 発⾏ 平成30年 月
編集・発⾏ ⼭梨県産業労働部 〒400-8501 甲府市丸の内一丁目6-1
TEL 055-223-1532 FAX 055-223-1534