1

HART通信対応I/Oモジュール（以下BU100Hシリーズ）は、 アズビル株式会社製DCSコントローラに対応した、HART通信機能付きベースユニット形アナログ入力モジュール／アナログ出力モジュールです。HART通信対応フィールド機器（以下HART機器）とアズビル株式会社のデバイス・マネジメント･システム InnovativeField Organizer（以下IFO）間のHART通信インタフェース機能を有し、更新周期1秒の高速HART通信機能によりHART機器が持つ各種パラメータや診断情報を、IFOへリアルタイムに送信します。

図1. HART通信対応I/Oモジュール（BU100H）

HARTTM 通信対応I/Oモジュール

（BU100Hシリーズ）

No. SS1-DFS010-0010（初　版）

EthernetEthernet

X－バスX－バス

DOPCⅢPM-EX

E-IM

DOSS／HSUS／ IOUS

… BU100H… BU100H

図2. デバイス・マネジメント・システム InnovativeField Organizer構成

2

1. 特　長高速HART通信を実現 ■

各チャネル毎にHARTモデ.ムを搭載することで、16チャ• ネル同時通信を可能にし、全点1秒更新の高速HART通信を実現しています。IFOへの、よりリアルタイム性の高い状態通知や、DCSと連動した実用性の高いアラート通知が可能です。

チャンネル毎に切り替えてレスポンスを受信するため、時間がかかる。（0.3～0.7sec×n）

16チャンネル同時通信が可能で、マルチプレクサ方式に比べ速い。（0.3～0.7sec）

BU100H (1 to 1) GENERAL HART Multiplexer (1 to 1)

図3. BU100Hシリーズと他社HARTマルチプレクサとの通信方式の比較

アズビル株式会社製DCSへの容易なHART統合 ■

既設アズビル株式会社DCSへのHART対応は、ベースユ• ニット形I/Oモジュールが実装されている装置であれば、I/Oモジュールの交換と、BU100H⇔IFO間の簡単な配線のみで完了になります。※ 既設のフィールド配線はそのまま活かせますので、不要な配線工事をすることなく、比較的簡単にHART対応が可能になります。HART対応に伴う既設DCSのバージョンアップは一切不• 要です。「簡単に・手軽にHARTの価値を実感したい」というお客様にとって最適の商品となっています。既設アズビル株式会社DCSへの部分的なHART機器の導• 入の要求に対し、最小コストで対応できます

同一ベースユニット上で他の入出力モジュールとの混・ 在が可能同一BU100Hシリーズ上にHART機器および一般の ・ 4〜20mA機器の混在が可能

※： 既 設 に ア イ ソ レ ー タ や バ リ ア が 設 置 さ れ て い る 場 合 に は、 これらの機器もHART通信対応機器に変更いただく必要があります。

（詳細5.7参照）

分離構造による安全・安心の提供 ■

BU100Hシリーズ内のアナログ入力／出力ボードとHART• 通信ボードは分離した構造になっているため、仮にHART通信機能が異常をきたしてもアナログ入出力機能に影響を与えることはありません。また、HART通信カードをリセットすることによる復旧措置も、アナログ入出力機能をとめることなく行えるため、制御にも安心してお使いいただけます。

2. 仕　様BU100Hシリーズは、I/Oベースユニット上（表1）に実装可能なHART通信に対応したI/Oモジュールで、1台のI/Oベースユニット上に最大12モジュール実装可能です。

表 1. I/O ベースユニット

形　番 名　称 仕　様

HD-MBU95H I/O ベースユニットX−バス用 別紙 SS1-SYS200-0010参照

HD-MBU95HC I/O ベースユニットX−バス用（ワニスコーティング）

J-MBU90 I/O ベースユニットX−バス用 別紙 SS1-SYS200-0010参照

J-MBU90Y I/O ベースユニットX−バス用（ワニスコーティング）

図4. BU100Hシリーズのベースユニット実装イメージ

BU100Hシリーズには、現在、HART通信対応アナログ入力モジュール（以降HAM100Hシリーズ）と、HART通信対応アナログ出力モジュール（以降AOM100Hシリーズ）の2種類があります。以下にHAM100HシリーズとAOM100Hシリーズについて詳細を示します。

BU100Hシリーズ HAM100Hシリーズ

AOM100Hシリーズ

図5. BU100Hシリーズ　商品構成

3

2.1.HART通信対応アナログ入力モジュール（HAM100Hシリーズ）HAM100Hシリーズは、I/Oベースユニットから供給されるDC24VDC電源により駆動します。専用のリモート・ターミナル・パネル（RTP）を経由してフィールド機器と接続し、アナログ信号の入力処理を行うとともに、HART通信機能を実行します。モジュール1枚あたり最大16点の入力が可能です

（1）形番表 2.HAM100Hシリーズ　形番一覧

形　番 名　称

HD-HAM100H-1 ハイレベルアナログ入力モジュール X −バス用（HART 通信対応）HD-HAM100HC-1 ハイレベルアナログ入力モジュール X −バス用（HART 通信対応、ワニスコーティング）HD-HAM100H-5 ハイレベルアナログ入力モジュール FX −バス用（HART 通信対応）HD-HAM100HC-5 ハイレベルアナログ入力モジュール FX −バス用（HART 通信対応、ワニスコーティング）HD-HAM101H ハイレベルアナログ入力モジュール X −バス／ PM100 用（HART 通信対応）HD-HAM101HC ハイレベルアナログ入力モジュール X −バス／ PM100 用（HART 通信対応、ワニスコーティング）

（2）アナログ入力仕様表 3.HAM100Hシリーズ　アナログ入力仕様

項　目 仕　様

点数／モジュール 16入力回路 差動入力形、非絶縁、マルチプレクサ回路入力信号 1 ～ 5VDC ／ 4 ～ 20mA（AI アダプタ内の I ／ V 抵抗で 1 ～ 5V に変換）入力レンジ（FS） 0.726 ～ 5.276VDC（− 6.9 ～ 106.9%）A/D 変換分解能 0.01%（14 ビット A/D 変換）変換基準精度 ± 0.1% F.S.（電圧入力）AI アダプタ　I ／V 変換抵抗 250 Ω± 0.05%、温度係数 ± 30ppm温度変化による影響 ± 0.005%／℃供給電圧による影響 ± 0.01%／ V（24VDC 公称値から）許容顧問・モード電圧 − 3 ～＋ 5.5VDCコモン・モード除去比

（CMRR）60dB 以上（50 ／ 60Hz）

A/D 変換周期（全点） 50ms発信器電源 HD-CHAM00 ： 電源電圧− 1.5V

HD-HAM100 ： RTP 経由で供給可、（電源電圧）−（1.5+0.01L） L ≦ 100m（L：I/O ケーブル長） 標準電源（HAS-STZ57 ／ 67）では 25.5VDCHD-HAF100 ： なし

発信器電源電流リミッタ AI アダプタにより各点単位に可能短絡時制限電流 30 ± 3mA入力インピーダンス 5M Ω以上（システム電源オン時）自動ドリフト補正 オフセット（ゼロ）、ゲイン（スパン）に対し運転中に実行

表 4.リモート ･ターミナル・パネル（HAM100Hシリーズ用）

形　番 名　称 仕　様

HAS-RTP11 ／ J-RTP11 アナログ入力用 RTP 発信器電源供給可（24VDC）16 点入力、4 ～ 20mA、10 ～ 50mA または 0 ～ 5V、1 ～ 5V（各点単位に選択）発信器電源供給時は AI アダプタを入力点毎に使用

表 5.AI アダプタ

形　番 最大使用電流 I／ V抵抗 電流制限値 電流制限方式 電圧降下（MAX）式 用　途

HAS-AAU20 ／ J-AAU20 25mA 250 Ω 30 ± 3mA 定電流 0.5V (20mA) 4 ～ 20mA 入力、発信器電源付

4

2.2. HART通信対応アナログ出力モジュール（AOM100Hシリーズ）AOM100Hシリーズは、I/Oベースユニットから供給されるDC24VDC電源により駆動します。専用のリモート・ターミナル・パネル（RTP）を経由してフィールド機器と接続し、アナログ信号出力を行うとともに、HART通信機能を実行します。モジュール1枚あたり最大16点の出力が可能です。

（1）形　番表 6. AOM100H シリーズ　形番一覧

形　番 名　称

HD-AOM100H-1 アナログ出力モジュール X −バス用（HART 通信対応）HD-AOM100HC-1 アナログ出力モジュール X −バス用（HART 通信対応、ワニスコーティング）HD-AOM100H-5 アナログ出力モジュール FX −バス用（HART 通信対応）HD-AOM100HC-5 アナログ出力モジュール FX −バス用（HART 通信対応、ワニスコーティング）HD-AOM101H アナログ出力モジュール X −バス／ PM100 用（HART 通信対応）HD-AOM101HC アナログ出力モジュール X −バス／ PM100 用（HART 通信対応、ワニスコーティング）

（2）アナログ出力仕様表 7. AOM100H シリーズ　アナログ出力仕様

項　目 仕　様

点数／モジュール 16出力レンジ DC4 〜 20mA（0 〜 100%）出力範囲 2.9 〜 21.1mA（− 6.9 〜 106.9%）出力精度 ± 0.35% F.S.分解能 ± 0.05% F.S.（12 ビット D ／ A 変換）温度変化による影響 ± 0.025% F.S. ／℃供給電圧感度 ± 0.1% F.S. ／ V（DC24V 公称値から）最大負荷 750 Ω最大電圧 15V負荷変動の影響 100 Ω未満　± 0.1%出力電流リードバック・チェック ありコントローラ異常時の出力設定

コントロールモジュール異常時出力ホールドまたはクリア（モジュール単位）

D/A 変換周期（全点） 50ms

表 8. リモート ･ ターミナル・パネル（AOM100H シリーズ用）

形　番 名　称 仕　様

HAS-RTP20 ／ J-RTP20 アナログ出力用 RTP 16 点出力、4 〜 20mA

2.3. HART通信機能（BU100Hシリーズ共通）BU100HシリーズのHART通信機能には、HART機器と接続し周期的なデータの読み出しを行う「定周期通信」、IFOからのコマンドにより特定の機器に対してHARTコマンドを実行する「コマンドパススルー」、HART機器のステータス変化を通知する「フィールドイベント通知」があります。モジュール1枚あたり最大16点のHART通信が可能です。16点同時にHART通信を行うことで、最速1秒の高速なHART通信が可能です。

表 9. BU100H シリーズ　HART 通信仕様

項　目 仕　様

適用通信規格 HART Protocol Revision 7.2通信ポート数 RTJ45 × 2 ポートHART 通信機器数 16 機器／モジュール伝送速度 1200bpsデータ更新周期 最速 1 秒／モジュール通信方向 双方向通信方式 マスタ・スレーブモード、バーストモード（標準出荷時設定はマスタ・スレーブモード）冗長方式 HART 機能は非冗長（アナログ部分は従来通り冗長化可能）

5

2.4. 消費電流（BU100Hシリーズ共通）表 10. BU100H シリーズ　消費電流

項　目最大消費電流（mA）DC 24 V 時 最大突入／再突入電流（A）

DC 24 V 時モジュール単体の消費電流 モジュール内部電源使用時

HAM100H シリーズ 100 480 ※ 3AOM100H シリーズ 140 460 ※ 3

※：入力側（発信器など）の電流をモジュールから供給する場合の消費電流

2.5. モジュール質量（BU100Hシリーズ共通）表 11. BU100H シリーズ　モジュール質量

項　目 質　量（kg）

HAM100H シリーズ 0.70AOM100H シリーズ 0.70

2.6. 外形寸法（BU100Hシリーズ共通）

MODEL NO.POWERDATE

SLOTI/O 1

SLOTI/O 2

SLOTI/O 3

SLOTI/O 4

SLOTI/O 5

SLOTI/O 6

SLOTI/O 7

SLOTI/O 8

SLOTI/O 9

SLOTI/O 12

SLOTI/O 11

SLOTI/O 10

A BX-BUS

J2

LD1 J3 J4

SW1JP1

JP2

260.4

465.1482.6

8.8

190.5

30.6

11

2－φ6穴

260.4

11

5312.6

6

11

13取付穴詳細

190.5

図6. I ／ Oベースユニット

160.5

147.5

57.5

250

57.5 34.5

45.3

図7. BU100Hシリーズ

100

5(10)

45 8

(20)

85

32.3

4

3

2

NST

4321

1

PWR RUN MOD COM NST FAIL

LINK/ ACT

図8. コミュニケーションボックス

6

2.7. 設置環境条件表 12. BU100H シリーズ　設置環境条件（アズビル株式会社製標準キャビネット実装時）

項　目 基準条件 動作条件 動作限界 輸送保管条件

周囲温度 レンジ （℃）変化率 （℃ /h）

23 ± 2± 5

0 〜 40± 20

0 〜 50± 20

− 40 〜− 70–

相対温度 （% RH） 50 ± 10 5 〜 95（0.020kg/kg’）※

5 〜 95（0.020kg/kg’）※

5 〜 95（0.028kg/kg’）※

振動 加速度 （m/s2）振幅 （mm）

00

<1 （9 〜 150Hz）<0.35 （2 〜 9Hz）

<1 （9 〜 150Hz）<0.35 （2 〜 9Hz）

<5 （9 〜 150Hz）<1.5 （2 〜 9Hz）

衝撃 加速度 （m/s2）持続時間 （ms）

00

––

<40<20

<40–

※：最大絶対湿度（湿り空気中の水蒸気と乾き空気の質量比 kg/kg’）

3. デバイス・インフォメーション・ネットワークBU100HシリーズとIFO間のネットワークをデバイス・インフォメーション・ネットワークと呼びます。デバイス・インフォメーション・ネットワークは、イーサネット（Ethernet：ANSI ／ IEEE802.3CSMA/CD）をベースとした、HART通信専用のネットワークです。デバイス・インフォメーション・ネットワークは、DCSの制御ネットワークとは独立しているため、制御ネットワークの通信負荷に影響を受けることなく、BU100HとIFO間の安定したHART通信を実現します。

3.1. ネットワーク構成デバイス・インフォメーション・ネットワークは、複数のネットワーク・グループから構成されます。ネットワーク・グループは、リング型ネットワークです。同じコントローラに接続されている複数のBU100Hシリーズをイーサネットで接続し、最終端をコミュニケーションボックス（CB）に接続し、リング型ネットワークを構築します。また、CBをカスケード接続することで、複数のリング型ネットワークを、1つのネットワークグループに統合することも可能です。IFOあたり最大20のネットワーク・グループを管理できます。

IFOIFO

コントローラコントローラ

Cabinet

イーサネット

BU100Hの数：最大64台／ネットワークグループ（Controller）

ネットワークグループの数　最大20グループ／IFO

ネットワークグループ

コントローラコントローラ

コミュニケーション・ボックス（CB）

図9. デバイス･インフォメーション・ネットワーク構成

表 13. デバイス・インフォメーション・ネットワーク仕様

項　目 仕　様

接続トポロジ Ethernet （10BASE-T／ 100BASE-TX）通信方式 CSMA/CD対応規格 ANSI ／ IEEE802.3伝送速度 10Mbps ／ 100Mbps通信媒体 UTP ストレート・ケーブル（CAT5）ネットワーク・グループ数 20 グループ／ IFO配線方法 ネットワーク・グループ内：リング型

ネットワーク・グループ、IFO 間：バス型伝送距離 ネットワーク・グループ内の合計長：100m

ネットワーク・グループ、IFO 間：100mHART 機器接続数 3000 機器／ IFO、16 機器／モジュールBU100H 接続数 64 モジュール／ネットワーク・グループコミュニケーションボックスカスケード接続段数

4 段（コミュニケーションボックス 4 台）まで

 

表 14. コミュニケーションボックス（CB）仕様

項　目 仕　様

形番 NX-CB1NR0400、NX-CB1NR0400（硫化対策仕様）通信ポート数 4 ポート× 4（リング接続用× 2、上位接続用× 2）通信仕様 100Base-TXコネクタ RJ-45定格電源電圧 DC24V冗長化 非冗長

7

CabinetIFOIFO

コントローラコントローラ

図10. デバイス・インフォメーション・ネットワーク 構成例 ①（1キャビネット）

Cabinet

コントローラコントローラ

IFOIFO

図11. デバイス・インフォメーション・ネットワーク 構成例 ②（2キャビネット）

IFOIFO

コントローラコントローラ

Cabinet

図12. デバイス・インフォメーション・ネットワーク構成例 ③（CBカスケード接続）

Cabinet

コントローラコントローラ

IFOIFO

図13. デバイス・インフォメーション・ネットワーク 構成例 ④（スイッチングHUBによる接続）

Cabinet

コントローラコントローラ

X‒バスへ

光ファイバーケーブル

光エクステンダモジュール（リモート側）

光エクステンダモジュール

メディアコンバータ

IFOIFO

図14. デバイス・インフォメーション・ネットワーク 構成例⑤ （リモートI/O）

CabinetIFOIFO

コントローラコントローラ

X‒バスへ

図15. デバイス・インフォメーション・ネットワーク 構成例 ⑥（リモートI/O）

8

3.2. ネットワーク・グループネットワーク・グループは、BU100Hシリーズのモジュール前面にあるイーサネット・ポートを使用して、1台のコントローラに接続されるモジュール間をチェーン接続し、リングの先端と末端をCBに接続して構成します。（図16参照）配線方法はリング型ネットワークを採用しており、1台のモジュールが故障した場合や、1台のモジュールを抜いた場合にも、リング型ネットワークのループバック機能を利用して、他のモジュールのHART通信を維持することができます。（図17参照）

コミュニケーションBOX（CB）

イーサネット

図16. BU100Hシリーズ間のネットワーク（リング型ネットワーク）

ループバック

ループバック正常時のデータの流れ

1台故障時のデータの流れ

故障

図17. 1枚故障時のデータアクセスの流れ

4. 既設システムとの互換性シリーズは、他のベースユニット形I/Oモジュールと同様に、Advanced-PS、Industrial-DEO、Harmonas、Harmonas-DEOの各コントローラと接続できます。システム構成図を図18〜20に、詳細を表15、16に示します。

US／IOUS

…BU100H

E-IM

PM-EX

図18. Advanced-PSとの接続

…BU100H

DOSS／HS

DOPCⅡ／Ⅲ

図19. Industrial-DEO ／ Harmonasとの接続（R350以前）

…BU100H

DOSS／HS

DOPCⅡ／Ⅲ

図20. Industrial-DEO ／ Harmonasとの接続（R400以降）

9

表 15. HART 通信対応アナログ入力モジュール（HAM100H シリーズ）コントローラ互換性

形　番接続可能コントローラ

A-MC PM100 PM-EX HC DOPC DOPC Ⅱ DOPC ⅢHD-HAM101H ○ ○ ○※ 1

HD-HAM101HC ○ ○ ○※ 1

HD-HAM100H-1 ○※ 2 ○※ 2 ○※ 2

HD-HAM100HC-1 ○※ 2 ○※ 2 ○※ 2

HD-HAM100H-5 ○※ 3 ○※ 3 ○※ 3 ○ ○※ 3

HD-HAM100HC-5 ○※ 3 ○※ 3 ○※ 3 ○ ○※ 3

表 16. HART 通信対応アナログ出力モジュール（AOM100H シリーズ）コントローラ互換性

形　番接続可能コントローラ

A-MC PM100 PM-EX HC DOPC DOPC Ⅱ DOPC ⅢHD-AOM 101H ○ ○ ○※ 1

HD-AOM 101HC ○ ○ ○※ 1

HD-AOM100H-1 ○※ 2 ○※ 2 ○※ 2

HD-AOM 100HC-1 ○※ 2 ○※ 2 ○※ 2

HD-AOM 100H-5 ○※ 3 ○※ 3 ○※ 3 ○ ○※ 3

HD-AOM 100HC-5 ○※ 3 ○※ 3 ○※ 3 ○ ○※ 3

※1： PM−EX（X−バス）のみ接続可能。PM−EX（FX−バス）とは接続できません。また、ネジの形状の違いから、HAS ／ DEO系コントローラ（HC、DOPC、DOPCⅡ／Ⅲ）とは接続できません。

※2： X−バス（1M）タイプのみ接続可能。また、ねじの形状の違いから、APS系コントローラ（A-MC、PM100、PM-EX）とは接続できません。※3： FX−バス（5M）タイプのみ接続可能。（DOPCⅡはFX-バス（5M）タイプしか存在しません）

5. 注意・制限事項BU100Hシリーズは、HART協会のSPEC　Rev7.2（HCF_SPEC-013）に準拠していますが、一部下記の機能や品質の制約があります。

5.1. アナログ出力変化に関する注意（対象：AOM100Hシリーズ）AOM100Hシリーズでは、制御出力時のアナログ電流の変化が、以下に示すスペックを超えるため、結果としてHART通信に影響を与える可能性があります。制御出力の変化量が25%以上を継続するようなループでは、HART通信ができなくなる可能性があることをご了承ください。なお、変化量が25%以上を継続しても、制御出力そのものには全く問題ありません。

関連スペック： HCF_SPEC-054　Rev8.1　13.5 Analog • Rate of Change

5.2. ノイズに関する注意（対象：AOM100Hシリーズ）AOM100Hシリーズは以下に示すスペックにて規定されているノイズ

（29Hz/16V）に適合していません。ただし、本ノイズレベルは通常使用状態では発生しないため、実用上問題ありません。

関連スペック： HCF_SPEC-054　Rev8.1　13.8 Noise • Sensitivityの29Hz/16V

5.3. マルチドロップに関する注意（対象：HAM100Hシリーズのみ）HAM100Hシリーズは、以下に示すスペックにて規定されているマルチドロップ（Multidrop※）には対応しておりません。※ Multidrop… アナログ電流を固定してHART通信のみを使用することで、フィ

ールド配線上に最大5台のフィールド機器を接続する方法。

関連スペック： HCF_SPEC-081　Rev8.2　HCF_SPEC-127 • Rev7.1　Cmd6

5.4. HART レビジョンに関する注意（対象：BU100Hシリーズすべて）BU100Hシリーズが対応するHARTレビジョンはRev5以上です。ただし、Rev5以上のすべてのHART機器との接続を保証するわけではありませんので、接続できない場合は当社までお問い合わせください。

5.5. HART通信機能を冗長化する場合の制限BU100HシリーズのHART通信機能は、冗長化に対応していません。HAM100Hシリーズおよび、AOM100Hシリーズ同士を冗長構成で使用することは禁止します。なお、AOM100Hシリーズおよび、HAM100Hシリーズのアナログ入出力機能を冗長化する場合は、それぞれ相手側にHART通信機能に対応していないモジュールを組み合わせて使用ください。

（表17参照）表 17. HAM100H シリーズ冗長化の組み合わせ

HAM100H シリーズ形番 組み合わせ可能なモジュール形番

HD-HAM100H-1, HD-HAM100HC-1 HD-HAM100-1, HD-HAM100C-1HD-HAM70H-1, HD-HAM70HC-1

HD-HAM101H-1, HD-HAM101HC-1HD-HAM101-1, HD-HAM101C-1J-HAM70, J-HAM70CJ-HAM50, J-HAM50Y

HD-HAM100H-5, HD-HAM100HC-5 HD-HAM100-5, HD-HAM100C-5HD-HAM70H-5, HD-HAM70HC-5

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表 18. AOM100H シリーズ冗長化の組み合わせ※

AOM100H シリーズ形番 組み合わせ可能なモジュール形番

HD-AOM100H-1, HD-AOM100HC-1 HD-AOM100-1, HD-AOM100C-1HD-AOM101H-1, HD-AOM101HC-1 HD-AOM101-1, HD-AOM101C-1HD-AOM100H-5, HD-AOM100HC-5 HD-AOM100-5, HD-AOM100C-5

※： AOM100Hシリーズと旧形番製品との組み合わせでの使用はできません。必ず表Xの組み合わせで使用ください。（HAM100Hシリーズについては表Xの通りで、特に制限はありません）

5.6. HAM100HシリーズとHART機器との接続時の制限HAM100HシリーズとHART機器との配線方法を下表に示します。HART通信信号の健全性を保つために、HART通信に対応していないアナログ入力モジュール（HAM100シリーズ、HAM70シリーズ）に比べて、使用可能なパターンを制限しています。AOM100Hシリーズについては特に制限はありません。

表 19. HAM100H シリーズのフィールド配線接続方法

No. 接続回路図と説明

c)

＋

＋－AI＋

AI－

XP

250Ω

4～20mA

－

・ トランスミッタ電源供給形 電流入力（4 〜 20mA）外部機器接地なし

・ 信号の複数分岐（点数）には●で示した端子（上記、iii）を参照）を使用します。

・ AI アダプタユニットが必要です。

d)

＋ ＋－

AI＋

AI－250Ω

－

XP ・ 電流入力（4 〜 20mA）外部機器接地なし

・ AI アダプタユニットが必要です。

5.7. 他社絶縁器との接続時の制限BU100HシリーズとHART機器間に絶縁器を接続する場合、必ず下表に示す絶縁器を使用ください。下表に示す以外の絶縁器には対応していません。

表 20. BU100H シリーズと接続可能なアイソレータ

メーカー 形　番 種　別

クーパー・インダストリーズ・ジャパン株式会社 MTL5046 AOPEPPERL & FUCHS KFD2-SCD2 AO株式会社 エム・システム技研 M2DYH- □□ AO/AIクーパー・インダストリーズ・ジャパン株式会社 MTL5042 AIPEPPERL & FUCHS KFD2-STC4 AI

5.8. フィールド配線使用時の制限BU100Hシリーズに接続されるリモートターミナル・パネル（RTP）と、HART通信対応フィールド機器間のフィールド配線には、HART協会の物理層SPECが推奨する、表21に示す仕様のケーブルを使用ください。既設フィールド配線を再利用する場合には、ご使用のマルチケーブルの種類を確認の上、表22に示す最大ケーブル長を超えないことを確認して、ご使用願います。

表 21. フィールド配線ケーブル

シングル マルチ種類 より対線シールド付 より対線シールド付

（個別シールド推奨）絶縁材質 ポリエチレン ポリエチレンケーブル長 〜 1500m 〜 1500mケーブル直径 0.51mm（#24 AWG）以上 0.51mm（#24 AWG）以上

表 22. マルチケーブルの種類と最大ケーブル長

タイプ 名　称 絶縁被覆材公称

断面積 （mm2）

最大 ケーブル長（m）

対より形 ビニル絶縁ケーブル （CV ※相当）

ビニル 0.90 7211.25 6912.00 626

ポリエチレン 絶縁ケーブル

（CE ※相当）

ポリエチレン 0.90 15001.25 15002.00 1500

同心形 （平行）

ビニル絶縁ケーブル （CV ※相当）

ビニル 0.90 4331.25 4152.00 375

ポリエチレン 絶縁ケーブル

（CE ※相当）

ポリエチレン 0.90 12231.25 11722.00 106

CV*：制御用ビニル絶縁ケーブルCE*：制御用ポリエチレン絶縁ケーブル

注意事項：・ 最大ケーブル長は通信状態を保障するものではなく、目安です。最大ケー

ブル長を超える、超えないに関わらず、フィールドの周辺環境のノイズ等により、HART通信に影響を与える場合があります。

・ 最大ケーブル長とは、I/OモジュールからHART機器までのケーブル長の総和です。最大ケーブル長からI/Oケーブル（BU100Hとリモートターミナル・パネル間のケーブル）長を引いた長さが、実際に使用可能なフィールド配線ケーブル長です。

・ HART機器側で使用するフィールド配線ケーブルの最大長が規定されている場合、規定された最大ケーブル長以内でご使用ください。

・ HART機器内部のアナログ信号ラインとアース間に大きな容量がある場合には、最大ケーブル長が短くなる場合があります。

5.9. アナログフィールド機器からHART機器への切替え上の注意事項AOM100Hシリーズの出力インピーダンスは750Ωです。アナログフィールド機器からHART機器に切替える場合には、HART機器の入力インピーダンスを確認の上、バリヤ等を含めた入力インピーダンスの合計が750Ωを超えないように注意ください。

5.10. HARTコミュニケータ接続時の注意IFO−BU100Hシリーズ−HART機器の組み合わせでHART通信を実行している場合、通信周期1秒の定周期通信によりHART通信負荷が高くなるため、HARTコミュニケータを接続しても接続エラーとなるか、または通信レスポンスが非常に遅くなります。HARTコミュニケータを使用する際には、IFOから当該チャネルのHART通信を無効にしてから接続してください。（設定方法については

「RTC-HT取扱説明書」を参照ください）

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初版発行：2013年4月