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1

は じ め に

オルメテック錠(一般名:オルメサルタン メドキソミル)は三共株式会

社で開発したアンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤(以下、AⅡ受容体

拮抗剤)です。本剤はアンジオテンシンⅡ受容体のサブタイプである

AT1レセプターに高い選択性と結合性を示し、持続的な降圧作用

を有する薬剤です。1日1回投与で優れた降圧効果が期待できます。

海外では2002年に米国で承認・発売開始されて以来、ドイツ、

英国、アイルランド、ブラジル、オランダ、オーストリアにおいても販売

されております。

本冊子では、本剤のご使用に際しての注意事項を各項目ごとに

解説いたしました。本剤の適正使用の一助となれば幸甚に存じます。

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2

効能又は効果 …………………………………………………………… 3

用法及び用量 …………………………………………………………… 3

禁 忌 …………………………………………………………………… 4

使用上の注意 …………………………………………………………… 5

1.慎重投与 ………………………………………………………… 5

2.重要な基本的注意 ……………………………………………… 7

3.相互作用 ……………………………………………………… 10

4.副作用 ………………………………………………………… 11

5.高齢者への投与 ……………………………………………… 17

6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与……………………………… 19

7.小児等への投与 ……………………………………………… 19

8.適用上の注意 ………………………………………………… 20

目 次

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3

効能又は効果、用法及び用量

軽症・中等症本態性高血圧症のみならず、重症高血圧症、腎機能障害を伴う高血圧症に対し臨床

的有用性を有することが確認されたことより、【効能又は効果】を「高血圧症」と設定しました。

【効能又は効果】

高血圧症

用量設定試験における判定時投与量別累積降圧率は、5mgで30.4%、10mgまでで53.6%、20mg

までで74.4%、40mgまでで85.6%と、5~40mgにおいて用量の増加に伴う高い降圧効果が認めら

れました。安全性については5~40mgの用量範囲において、投与量の増加に伴う副作用発現率の増

加や重症度の悪化は認められておりません。40mgまでの用量において臨床的に危惧すべき事象の

発現はなく、忍容性は良好でした。

本剤による血圧コントロールの維持は10又は20mgにより可能であると考えられ、10~20mgで十

分な降圧効果が得られない場合でも、40mgまで増量することにより十分な降圧効果が確保できる

と考えました。

高齢者に対しては、合併症を有することが多く、それらによる臓器障害のために薬物の体内動態

や反応性が変わることもあり、降圧剤の投与による過度の降圧や副作用を避けるためにも一般的に

は少量から投与を開始し、徐々に増量する等の配慮が必要となります。

特に、75歳以上の高齢者の患者では臓器障害を有している場合が多いことから、慎重な降圧が求

められています。治験段階において、75歳以上の高齢者に対する十分な検討がなされていないこと

から、個々の患者の病態を十分に観察し、開始用量を5mgとするなど、慎重な投与が必要です。

以上より、高血圧症患者に対する本剤の開始用量は1日5~10mg、通常用量は1日10~20mg、効

果不十分な場合には40mgまで増量可能としました。

【用法及び用量】

通常、成人にはオルメサルタンメドキソミルとして10~20mgを1日1回経口投与する。

なお、1日5~10mgから投与を開始し、年齢、症状により適宜増減するが、1日

最大投与量は40mgまでとする。

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4

禁 忌

1. 一般的注意事項として記載しました。承認時までの臨床試験で本剤による過敏症としては皮疹

2件(0.4%)、発疹2件(0.4%)、紅斑1件(0.2%)、 痒(症)1件(0.2%)が報告されております。

2. 「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項(19頁)をご参照ください。

蚤 瘻

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

2. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」

の項参照]

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5

使用上の注意

(1)「重要な基本的注意」の項(7頁)をご参照ください。

(2)「重要な基本的注意」の項(7頁)をご参照ください。

(3)ACE阻害剤は腎保護作用があるとされながらも、腎輸出細動脈を選択的に拡張するため腎灌流

圧の低下により腎灌流圧障害を起こすことが知られています。AⅡ受容体拮抗剤である本剤も

同様に作用するおそれがあることから記載しました。

外国で実施した腎機能障害患者薬物動態試験において、軽度及び中等度腎機能障害患者に本剤

を投与したときのAUCは、腎機能正常者に比べそれぞれ約1.6倍及び約1.8倍でしたが、重度腎

機能障害患者では約2.8倍と高値でした。また、軽度・中等度の腎機能障害を伴う高血圧症患者

では有効性、安全性には問題ないことが確認されていますが、血清クレアチニン値が3.0mg/dL

以上の患者を対象とした有効性、安全性についての検討は行っておりません。このような重篤

な腎機能障害のある患者に降圧剤を投与すると、過度の降圧により腎血流量が減少し、さらに

腎機能を悪化させる可能性があります。本剤でも同様のおそれがありますので、投与量を減ら

すなど慎重に投与してください。

なお、血清クレアチニン値については、米国合同委員会第6次勧告1)を参考に設定しました。

1. 慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)(1)両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者[「重要な

基本的注意」の項参照]

(2)高カリウム血症の患者[「重要な基本的注意」の項参照]

(3)重篤な腎機能障害のある患者[腎機能を悪化させるおそれがある。血清ク

レアチニン値が3.0mg/dL以上の患者での十分な使用経験はないので、このような患者に対しては状態を観察しながら慎重に投与すること。]

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使用上の注意

(4)外国で実施した肝機能障害患者薬物動態試験において、軽度及び中等度肝機能障害患者に本剤

を投与したときのAUCは、肝機能正常者と比べそれぞれ約1.1倍及び約1.7倍増加することが確

認されました。肝機能障害患者を対象に有効性、安全性を検討した試験は行っておりませんが、

肝機能障害患者では肝機能障害が悪化する可能性があると考えられます。従って、肝機能障害

患者に対しては慎重に投与する必要があることから記載しました。

(5)脳血管障害の既往のある患者では、過度の降圧により脳血流量の低下を引き起こし、病態を悪

化させるおそれがあります。従って、脳血管障害のある患者には、慎重に投与する必要があるこ

とから記載しました。

(6)「高齢者への投与」の項(17~18頁)をご参照ください。

1. 慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)(4)肝機能障害のある患者[外国において、軽度又は中等度の肝機能障害患者

でオルメサルタンの血漿中濃度(AUC)が、健康な成人と比較してそれぞれ

1.1倍と1.7倍に上昇することが報告されている。]

(5)脳血管障害のある患者[過度の降圧が脳血流不全を惹起し、病態を悪化さ

せるおそれがある。]

(6)高齢者[「高齢者への投与」の項参照]

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使用上の注意

(1)両側性腎動脈狭窄又は片腎で腎動脈狭窄のある患者は、アンジオテンシンⅡが輸出細動脈を収

縮させて糸球体ろ過圧が維持されています。このような患者にレニン・アンジオテンシン系を

抑制する薬剤を投与すると、輸出細動脈が拡張し糸球体ろ過圧が低下します。また腎動脈狭窄

のある患者では、糸球体ろ過圧が低下しても腎動脈が狭窄していることから腎血流量が増加せ

ず、さらに腎機能を悪化させるおそれがあります2)。

これらの患者に対し本剤の使用経験はありませんが、AⅡ受容体拮抗剤であるため同様に作用

する可能性が考えられますので、両側性腎動脈狭窄又は片腎で腎動脈狭窄のある患者には、治

療上やむを得ないと判断される場合を除き投与は避ける必要があることから記載しました。

(2)高カリウム血症の患者に対しての本剤の使用経験はありませんが、AⅡ受容体拮抗剤はアルド

ステロン分泌を抑制し、血清カリウム値を上昇させる可能性が考えられます。

このため高カリウム血症の患者においては、本剤の投与により高カリウム血症を増悪させるお

それがあります。治療上やむを得ないと判断される場合を除き、本剤の投与は避ける必要があ

ることから記載しました。

2. 重要な基本的注意(1)両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者において

は、腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させ

るおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用

は避けること。

(2)高カリウム血症の患者においては、高カリウム血症を増悪させるおそれがあ

るので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。

また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高く

なりやすい患者では、高カリウム血症が発現するおそれがあるので、血清カ

リウム値に注意すること。

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8

使用上の注意

(3)本剤の投与により一過性の急激な血圧低下を起こすおそれがあります。そのような場合には投

与を中止し、適切な処置を行ってください。特に血液透析中の患者、利尿降圧剤投与中の患者、

厳重な減塩療法中の患者では体液量の減少によりレニン活性が亢進しているため、低用量から

投与を開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行う必要があることか

ら記載しました。

(4)国内の臨床試験において、重篤な副作用として「AST(GOT)、ALT(GPT)及びLDHの上昇」が1例

に認められました[「副作用」の項(15頁)参照]。また、他のAⅡ受容体拮抗剤においても添付文

書に記載されていることから、本剤を投与する場合には肝機能検査を実施するなど観察を十分

に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うことが必要と考え記

載しました。

(5)手術時には、失血や麻酔剤の使用等により血圧の低下が認められますが、通常はRA系の賦活作

用等により代償的に血圧が維持されます。本剤の使用経験はありませんが、本剤を含むAⅡ受容

体拮抗剤はこの作用を抑制するため手術前に使用した場合には、その代償機転が作動せず、血

圧低下の助長が原因で過度の低血圧を起こす可能性があります。また、ACE阻害剤(カプトプリ

ル、マレイン酸エナラプリル)により手術当日まで血圧をコントロールしていた患者は、手術前

日に投与を中止した患者と比較し、麻酔導入時の低血圧を来しやすいとの報告があります3)。以

上のことから、手術前24時間は本剤の投与を行わないことが望ましいと考え記載しました。

2. 重要な基本的注意(3)本剤の投与によって、一過性の急激な血圧低下を起こすおそれがあるので、

そのような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、特に次の

患者では低用量から投与を開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観

察しながら徐々に行うこと。

1)血液透析中の患者

2)利尿降圧剤投与中の患者

3)厳重な減塩療法中の患者

(4)本剤を含むアンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤投与中に重篤な肝機能障害が

あらわれたとの報告がある。肝機能検査を実施するなど観察を十分に行い、

異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

(5)手術前24時間は投与しないことが望ましい。

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使用上の注意

(6)運動能力に対する本剤の影響に対する検討は行っておりませんが、本剤の投与後、降圧作用に

基づく「めまい」、「ふらつき」等があらわれることがあり、高所作業、自動車の運転又は重機器

類の操作等危険を伴う機械を操作する際には注意が必要であることから記載しました。

2. 重要な基本的注意(6)降圧作用に基づくめまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、

自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。

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10

使用上の注意

AⅡ受容体拮抗剤はアルドステロンの分泌を抑制します。従って、本剤の投与によりアルドステロ

ン分泌が抑制され、血清カリウム値を上昇させる可能性が考えられます。このためカリウム保持性

利尿剤やカリウム補給剤との併用により血清カリウム値が上昇するおそれがあり、腎機能障害患者

では特に注意をすることが望ましいと考え記載しました。

3. 相互作用併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

血清カリウム値が上昇することがある。

併用によりカリウム貯留作用が増強するおそれがある。 危険因子:腎機能障害のある患者

カリウム保持性利尿剤  スピロノラクトン、  トリアムテレン等 カリウム補給剤 塩化カリウム等

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11

使用上の注意

4. 副作用総症例569例中65例(11.4%)に自他覚症状の副作用が認められた。その主なもの

は、立ちくらみ(1.9%)、ふらつき感(1.6%)、めまい(1.4%)であった。臨床検査値異

常変動の副作用は15.5%(87/563例)に認められ、その主なものはγ-GTP上昇

(3.7% 1/27例)、尿酸上昇(3.1% 17/553例)、血清カリウム上昇(2.9% 16/557

例)、ALT(GPT)上昇(2.7% 15/555例)、トリグリセリド上昇(2.6% 1/39例)、

BUN上昇(2.3% 13/554例)、AST(GOT)上昇(2.2% 12/555例)、ヘモグロビン

減少(1.4% 8/554例)、赤血球減少(1.3% 7/555例)、ヘマトクリット減少(1.1%

6/554例)であった。 〔承認時〕

(1)重大な副作用1)血管浮腫(頻度不明注1)):顔面、口唇、咽頭、舌の腫脹等が症状としてあ

らわれることがあるので観察を十分に行うこと。

2)腎不全(頻度不明注1))

3)高カリウム血症(頻度不明注1)):重篤な高カリウム血症があらわれること

があるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適

切な処置を行うこと。

4)失神(0.18%)、意識消失(頻度不明注1)):過度の血圧低下に伴う失神、一

過性の意識消失があらわれることがあるので、このような場合には投与

を中止し、適切な処置を行うこと。

5)肝機能障害(0.18%)、黄疸(頻度不明注1)):AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等の肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察

を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置

を行うこと。

(2)その他の副作用

注1)海外のみで認められている副作用については頻度不明とした。注2)投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

副作用の頻度

1~5%未満 1%未満

発疹 過 敏 症

赤血球数減少、ヘモグロビン減少、 ヘマトクリット減少

白血球数増加、血小板数減少 血   液

めまい、立ちくらみ、ふらつき感 頭痛、頭重感、眠気 精神神経系

軟便 消 化 器

ALT(GPT)上昇、AST(GOT)上昇、 γ-GTP上昇、LDH上昇

ALP上昇 肝   臓

BUN上昇 血清クレアチニン上昇、尿蛋白、尿沈渣 泌 尿 器

CK(CPK)上昇、CRP上昇、 トリグリセリド上昇、血清カリウム上昇、 尿酸上昇

全身倦怠感、咳嗽 そ の 他

注2)

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使用上の注意

(1)重大な副作用

AⅡ受容体拮抗剤共通の副作用です。

1)血管浮腫

承認時までの国内の臨床試験では重篤症例は認められておりませんが、浮腫が上気道に

生じると気道閉塞に陥り致命的となることもありますので、観察を十分に行い、顔面、口唇、

咽頭、舌の腫脹等が認められた場合には直ちに投与を中止し、必要に応じて気道を確保す

るなどの適切な処置を行ってください。

2)腎不全

承認時までの国内の臨床試験では重篤症例は認められておりませんが、海外臨床試験で

重篤な「腎機能異常」が報告されています。

4. 副作用(1)重大な副作用

1)血管浮腫(頻度不明注1)):顔面、口唇、咽頭、舌の腫脹等が症状としてあ

らわれることがあるので観察を十分に行うこと。

2)腎不全(頻度不明注1))

<症例概要> 腎機能異常

投与

副作用

性別・年齢

男・50代

使用理由 (基礎疾患) (合併症) (既往歴)

症状・経過及び処置

高血圧 (腹水) (脳症) (食道静脈瘤) (肝障害) (無症候性胆囊結石症) (臍ヘルニア)

50代・男性に高血圧のため本剤40mg/日を投与開始した。

非重篤な腎機能異常を認めた。(血清クレアチニン:3.33mg/dL、クレアチニン・クリアランス:17.32mL/min)

治験終了時、腎機能は更に悪化した。急激なクレアチニン・クリアランス低下を伴う血清クレアチニン上昇を発現し、低血圧も認めた。 その後、その他に異常を認めず軽快、自他覚症状は良好で退院した(治験のため入院していた)。

血清クレアチニンの再検査を行った。値はわずかに低下していた。(血清クレアチニン:3.53mg/dL) 利尿剤(フロセミド、スピロノラクトン)を中止した。

再検査を行い、回復が判明した。(血清クレアチニン:1.01mg/dL、クレアチニン・クリアランス:120.7mL/min)

投与7日目

投与14日目 (投与中止日)

中止5日後

中止13日後

1日量・期間

備 考

外国症例

40 mg・14日間

患 者

併用薬:フロセミド、スピロノラクトン、メチプラノロール、ラクツロース、ファモチジン、オメプラゾール

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13

使用上の注意

3)高カリウム血症

承認時までの国内の臨床試験では重篤症例は認められておりませんが、海外市販後にお

いて重篤な「血清カリウム増加」が報告されています。

4. 副作用(1)重大な副作用

3)高カリウム血症(頻度不明注1)):重篤な高カリウム血症があらわれること

があるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適

切な処置を行うこと。

<症例概要> 血清カリウム増加

投与

副作用

性別・年齢

男・70代

使用理由 (基礎疾患) (合併症) (既往歴)

症状・経過及び処置

高血圧 (心不全) (冠動脈疾患) (末梢性虚血)

70代・男性に高血圧(220/100mmHg)のためエナラプリルを投与開始した。

血清クレアチニン1.8mg/dLとなる。

血清クレアチニン2.2mg/dL、血清カリウム5.4mEq/Lとなる。エナラプリルを中止し、本剤20mg/日を投与開始した。

血清クレアチニン2.8mg/dLとなる。

入院。血清クレアチニン3.8mg/dL、血清カリウム6.1mEq/Lとなり本剤を中止した。 アムロジピン、フロセミド、ビソプロロールへ変更した。

血清クレアチニン1.1mg/dL、血清カリウム5.3mEq/Lとなり退院した。

投与5日前

投与直前 (投与開始日)

投与4日目

投与5日目 (投与中止日)

中止後 10日以内

1日量・期間

備 考

外国症例

20 mg・5日間

患 者

併用薬:ヒドロクロロチアジド

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14

使用上の注意

4)失神、意識消失

承認時までの国内の臨床試験で、重篤症例は認められておりませんが、非重篤な「失神」が

報告されています。

4. 副作用(1)重大な副作用

4)失神(0.18%)、意識消失(頻度不明注1)):過度の血圧低下に伴う失神、一

過性の意識消失があらわれることがあるので、このような場合には投与

を中止し、適切な処置を行うこと。

<症例概要> 失神

投与

副作用

性別・年齢

男・60代

使用理由 (基礎疾患) (合併症) (既往歴)

症状・経過及び処置

60代・男性に高血圧のため本剤10mg/日を投与開始した。

一過性の失神、嘔吐を発現した。 夕食後(飲酒後)に気分不良となり嘔吐し、その後意識消失を来した。数分後には症状は軽快した。発現後の家庭血圧は104/61mmHgであった。発現時投与量は10mg/日、副作用の程度は中等度であったが、治験中止等の処置は必要とせず、以後終了時までに再度同様の症状は認められなかった。

投与38日目

1日量・期間

備 考

国内症例

10 mg・84日間

患 者

併用薬:なし

高血圧 (高脂血症) (ビリルビン代謝障害) (花粉症) (顆粒球角膜変性症) (耳鳴) (肺結核) (左眼角膜手術) (痔)

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15

使用上の注意

5)肝機能障害、黄疸

承認時までの国内の臨床試験で、重篤な「AST(GOT)、ALT(GPT)及びLDH上昇」が報告

されています。

4. 副作用(1)重大な副作用

5)肝機能障害(0.18%)、黄疸(頻度不明注1)):AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等の肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察

を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置

を行うこと。

<症例概要> AST(GOT)、ALT(GPT)及びLDH上昇

投与

副作用

性別・年齢

女・60代

使用理由 (基礎疾患) (合併症) (既往歴)

症状・経過及び処置

60代・女性、投与前より肝機能検査値が高めであった。[AST(GOT):57、ALT(GPT):33、γ-GTP:70、LDH:381] 高血圧のため本剤10mg/日を投与開始した。

検査値は投与前と同程度の値を示していた。

検査にてAST(GOT)、ALT(GPT)、LDHの急激な上昇[AST(GOT):975、ALT(GPT):315、LDH:841]を認め入院。本剤とベシル酸アムロジピンの投与を中止した。

検査値の改善[AST(GOT):343、ALT(GPT):209、LDH:358]。

更に検査値の改善が見られた。

退院。

投与61日目

投与70日目 (投与中止日)

中止1日後

中止2日後

中止14日後

1日量・期間

備 考

国内症例

10 mg・70日間

患 者

併用薬:ベシル酸アムロジピン

高血圧 (胆囊ポリープ) (大腸ポリープ) (脂肪肝) (アルコール摂取  焼酎1杯/毎日)

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16

使用上の注意

●副作用一覧表(自他覚症状、臨床検査値異常変動)

569 65(11.4)

1(0.2) 1(0.2) 2(0.4) 2(0.4) 6

1(0.2) 1(0.2) 3(0.5) 3(0.5) 1(0.2) 8(1.4) 11(1.9) 9(1.6) 1(0.2) 38 1(0.2) 1

1(0.2) 1

1(0.2) 1

4(0.7) 4

1(0.2) 1(0.2) 1(0.2) 1(0.2) 5(0.9) 1(0.2) 1(0.2) 1(0.2) 12 1(0.2) 1

1(0.2) 1

2(0.4) 2

1(0.2) 2(0.4) 1(0.2) 1(0.2) 5

1(0.2) 1(0.2) 1(0.2) 3

1(0.2) 1

1(0.2) 1

1(0.2) 1(0.2) 2(0.4) 1(0.2) 3(0.5) 1(0.2) 1(0.2) 10

評価例数 発現例数

器官分類 皮膚・皮膚付属器障害 中枢・末梢神経系障害 自律神経系障害 視覚障害 聴覚・前庭障害 精神障害 消化管障害 代謝・栄養障害 心・血管障害(一般) 心拍数・心リズム障害 呼吸器系障害 泌尿器系障害 男性生殖(器)障害 新生物(腫瘍) 一般的全身障害

自他覚症状 臨床検査値異常変動

症状名 紅斑  痒(症) 発疹 皮疹

小計 肩こり 手指冷感 頭痛 頭重(感) 偏頭痛 めまい 立ちくらみ ふらつき(感) ふらふら(感)

小計 失神

小計 眼のしょぼしょぼ(感)

小計 耳鳴

小計 眠気

小計 胃炎 吐き気 嘔吐 下痢 軟便 血便 舌異常感 食道閉塞感

小計 口渇

小計 低血圧

小計 動悸

小計 呼吸困難 咳 咳嗽 咽喉頭異物感

小計 尿量増加 排尿頻回 頻尿

小計 インポテンス

小計 直腸癌

小計 胸部異常感 胸部不快感 倦怠(感) 身体不快感 全身倦怠(感) 手掌浮腫 全身脱力(感)

小計

563 87(15.5)

7(1.3) 8(1.4) 6(1.1) 3(0.5) 2(0.4) 1(0.2) 1(0.2) 1(0.2) 1(0.2) 3(0.5) 33 3(0.6) 1(0.2) 3(0.6) 7

4(1.4) 1(0.4) 5

2(0.4) 1(0.2) 2(0.4) 13(2.3) 3(0.5) 17(3.1) 16(2.9) 2(0.4) 1(0.4) 1(0.4) 1(0.2) 12(2.2) 15(2.7) 4(0.7) 6(1.1) 9(1.7) 1(2.6) 1(3.7) 107

評価例数 発現例数

検査内容 血液学的検査 尿検査 免疫学的検査 血液生化学的検査

変動内容 赤血球数減少 ヘモグロビン減少 ヘマトクリット減少 白血球数増加 白血球数減少 好中球増加 好中球減少 好酸球増加 リンパ球減少 血小板数減少

小計 尿蛋白陽性化 尿沈渣(白血球)陽性化 尿沈渣(円柱)陽性化

小計 CRP(定量)上昇 CRP(定性)陽性化

小計 総蛋白低下 アルブミン低下 総コレステロール上昇 BUN上昇 クレアチニン上昇 尿酸上昇 K上昇 K低下 Ca低下 P低下 総ビリルビン上昇 AST(GOT)上昇 ALT(GPT)上昇 ALP上昇 LDH上昇 CK(CPK)上昇 TG上昇 γ-GTP上昇

小計

例数(%)

例数(%)

蚤 瘻

[承認時]

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17

使用上の注意

(1)高齢者では多くの合併症を有することが多く、それらによる臓器障害のために薬物の体内動態

や反応性が変わることもあり、降圧剤の投与による過度の降圧や副作用を避けるためにも一般

的には少量から投与を開始し、徐々に増量する等の配慮が必要です。また一般的に高齢者では

過度の降圧により脳梗塞等が発症する可能性が知られていることから、高齢者に対しては、患

者の状態を観察しながら適宜用量を調節する等慎重な投与が必要であると考え記載しました。

(2)国内の臨床試験において、75歳以上の高齢者での使用経験は少なく十分な検討が行われており

ません。また、この年代の患者では臓器障害を有している場合が多いことから、慎重な降圧が

求められています。このことから、75歳以上の高齢者に対しては、加齢に伴う臓器障害の有無

や程度、個々の患者の病態を十分に観察し、開始用量を5mgとするなど、慎重な投与が必要であ

ると考え記載しました。

5. 高齢者への投与(1)高齢者では一般に過度の降圧は好ましくないとされているので、患者の状態

を観察しながら慎重に投与すること[脳梗塞等が起こるおそれがある。]。

(2)75歳以上の高齢者の使用経験は限られているので、患者の状態を十分に観

察し、開始用量を5mgとするなど考慮すること。

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18

使用上の注意

(3)本剤の国内の全臨床試験において、高齢者(65歳以上)と非高齢者(65歳未満)における因果関

係が否定できない自他覚症状の発現率は、高齢者で11.7%(18/154例)、非高齢者で11.3%(47/

415例)と同様でした。過度の血圧低下に伴うと考えられる「立ちくらみ」などの症状が高齢者に

おいて多く認められていることもありませんでした。一方、因果関係が否定できない臨床検査

値異常変動の発現率は、高齢者で20.9%(32/153例)、非高齢者で13.4%(55/410例)でした。ほ

とんどの臨床検査値異常変動の発現率は5%未満であり、また個々の変動も軽度でした。

臨床検査値異常変動

自他覚症状

年 齢

65歳未満 65歳以上

410 153

55(13.4) 32(20.9)

2/405

2/405

2/405

7/406

10/405

9/406

7/406

11/406

4/404

7/386

0

0

3/223

(0.5)

(0.5)

(0.5)

(1.7)

(2.5)

(2.2)

(1.7)

(2.7)

(1)

(1.8)

(0)

(0)

(1.3)

5/150

6/149

4/149

6/148

7/148

7/151

5/149

4/149

2/148

2/142

1/23

1/15

1/69

(3.3)

(4)

(2.7)

(4.1)

(4.7)

(4.6)

(3.4)

(2.7)

(1.3)

(1.4)

(4.3)

(6.7)

(1.4)

評価例数

発現例数a)

検査内容

血液学的検査

血液生化学的検査

免疫学的検査

変動内容

赤血球数減少

ヘモグロビン減少

ヘマトクリット減少

BUN上昇

尿酸上昇

K上昇

AST(GOT)上昇

ALT(GPT)上昇

LDH上昇

CK(CPK)上昇

TG上昇

γ-GTP上昇

CRP(定量)上昇

●背景因子別副作用一覧表(発現率1%以上の自他覚症状、臨床検査値異常変動)

年 齢

65歳未満 65歳以上

415 154

47(11.3) 18(11.7)

5

8

6

(1.2)

(1.9)

(1.4)

3

3

3

(1.9)

(1.9)

(1.9)

評価例数

発現例数a)

器官分類

中枢・末梢神経系障害

症状名

めまい

立ちくらみ

ふらつき(感)

a)発現率1%未満の副作用発現例を含む

a)発現率1%未満の副作用発現例を含む

例数(%)

例数(%)

5. 高齢者への投与(3)65歳未満の非高齢者と65歳以上の高齢者において本剤の降圧効果及び副

作用に差はみられなかった。

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19

使用上の注意

動物実験(ラット)で、妊娠中期以降の投与において胎児及び新生児の低体重、生後分化の遅延が

確認され、また、同様に動物実験(ラット)で乳汁中への移行が認められています。従って、妊婦又は

妊娠している可能性のある婦人に対しては使用を禁忌とし、また授乳中の婦人への投与も避けるこ

ととしますが、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させる必要があります。このことから妊婦又

は妊娠している可能性のある婦人に対する投与を禁忌とし、本項にも記載しました。

なお、妊娠に伴う高血圧症の場合、脳卒中の予防と子癇への進展防止を目的に降圧剤が使用され

る可能性がありますが、ACE阻害剤やAⅡ受容体拮抗剤の使用により、新生児に腎不全を惹起した

り、動物で胎児死亡が報告されていることから、高血圧症に対する各種診断と治療のガイドライン2,4,5)

においても、それらの使用を避け、他の降圧剤を使用することとされています。従って、妊婦又は妊

娠している可能性のある婦人には投与しないでください。

6. 妊婦、産婦、授乳婦等への投与(1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと[動物実験(ラ

ット)で、妊娠中期以降の投与において胎児及び新生児の低体重、生後分化

の遅延が報告されている。]。

(2)授乳中の婦人への投与を避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止さ

せること[動物実験(ラット)で乳汁中への移行が認められている。]。

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対しては、使用経験がなく安全性が確立していない

ため記載しました。

7. 小児等への投与低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない

(使用経験がない)。

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20

使用上の注意

日本製薬団体連合会では安全性委員会に「PTP検討部会」を設け、誤飲対策を検討し、日本気管食

道科学会、日本病院薬剤師会、日本薬剤師会及び厚生省(現厚生労働省)からなる懇談会において協

議しました。その結果、PTPの最小分割を食道異物になりにくい大きさにするため、スリット、ミシン

を削減する、ケアマークをPTPシートの裏面に表示する、とともに添付文書の「適用上の注意」欄に

上記のとおり表示することが、日本製薬団体連合会の自主申し合わせ事項として取り決められまし

た(平成8年3月27日付日薬連発第240号6))。

8. 適用上の注意薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導す

ること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔

を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)。

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21

参考文献

1)The Joint National Committee on Prevention, Detection, Evaluation, and Treatment of High Blood

Pressure: The Sixth Report of the Joint National Committee on Prevention, Detection,

Evaluation, and Treatment of High Blood Pressure. Sheps S.G. et al.:Arch. Intern. Med. 157(24),

2413-2446(1997)

2)日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会, 高血圧治療ガイドライン2000年版(2000)

3)Coriat P., Richer C., Douraki T., Gomez C., Hendricks K., Giudicelli J.F., et al.:Influence of chronic

angiotensin-converting enzyme inhibition on anesthetic induction. Anesthesiology 81, 299-307

(1994)

4)2003 World Health Organization(WHO)/International Society of Hypertension(ISH)statement on

management of hypertension. World Health Organization, International Society of

Hypertension Writing Group: J. Hypertens. 21(11), 1983-1992(2003)

5)The seventh report of the Joint National Committee on Prevention, JNC 7 report. JAMA 289(19),

2560-2572(2003)

6)厚生省薬務局監修 Drug Safety Update, No.41, 1996.8.

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23

DRUG INFORMATION 日本標準商品分類番号 8 7 2 1 4 9

2004年1月作成(新様式第1版)

指定医薬品、要指示医薬品:注意-医師等の処方せん・指示により使用すること

貯法:室温保存 開封後は湿気を避けて保存すること。 使用期限:包装に表示の使用期限内に使用すること。

禁忌(次の患者には投与しないこと)

通常、成人にはオルメサルタン メドキソミルとして10~20mgを1日1回経口投与する。なお、1日5~10mgから投与を開始し、年齢、症状により適宜増減するが、1日最大投与量は40mgまでとする。

販 売 名

1錠中オルメサルタン メドキソミル10mgを含有 片面に割線の入った白色の素錠で、においはないか、又はわずかに特異なにおいがある。 識別コード:SANKYO 331

1錠中オルメサルタン メドキソミル20mgを含有 片面に割線の入った白色の素錠で、においはないか、又はわずかに特異なにおいがある。 識別コード:SANKYO 332

高血圧症

禁忌を含む使用上の注意の改訂に十分ご留意下さい。

製 造 承 認 番 号

使用上の注意

薬 価 基 準

効 能 ・ 効 果

用 法 ・ 用 量

販 売 開 始 年 月

再 審 査 期 間

一 般 名 オルメサルタン メドキソミル(Olmesartan Medoxomil)

組 成 ・ 性 状

添加物:低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、乳糖、ステアリン酸マグネシウム

オルメテック®錠10mg OLMETEC® TABLETS

血清カリウム値が上昇することがある。

カリウム保持性利尿剤  スピロノラクトン、  トリアムテレン等 カリウム補給剤  塩化カリウム等

併用によりカリウム貯留作用が増強するおそれがある。 危険因子:腎機能障害のある患者

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

オルメテック®錠20mg OLMETEC® TABLETS

6年間(2010年1月満了)

収載

2004年5月

21600AMZ00031〔2004年1月29日承認〕 21600AMZ00032〔2004年1月29日承認〕

1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 2. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]

1. 慎重投与(次の患者には慎重に投与すること) (1)両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者[「重

要な基本的注意」の項参照] (2)高カリウム血症の患者[「重要な基本的注意」の項参照] (3)重篤な腎機能障害のある患者[腎機能を悪化させるおそれがある。

血清クレアチニン値が3.0mg/dL以上の患者での十分な使用経験はないので、このような患者に対しては状態を観察しながら慎重に投与すること。]

(4)肝機能障害のある患者[外国において、軽度又は中等度の肝機能障害患者でオルメサルタンの血漿中濃度(AUC)が、健康な成人と比較してそれぞれ1.1倍と1.7倍に上昇することが報告されている。]

(5)脳血管障害のある患者[過度の降圧が脳血流不全を惹起し、病態を悪化させるおそれがある。]

(6)高齢者[「高齢者への投与」の項参照] 2. 重要な基本的注意 (1)両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者に

おいては、腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。

(2)高カリウム血症の患者においては、高カリウム血症を増悪させるおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。 また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、高カリウム血症が発現するおそれがあるので、血清カリウム値に注意すること。

(3)本剤の投与によって、一過性の急激な血圧低下を起こすおそれがあるので、そのような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、特に次の患者では低用量から投与を開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。 1)血液透析中の患者 2)利尿降圧剤投与中の患者

3)厳重な減塩療法中の患者 (4)本剤を含むアンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤投与中に重篤な肝機能

障害があらわれたとの報告がある。肝機能検査を実施するなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

(5)手術前24時間は投与しないことが望ましい。 (6)降圧作用に基づくめまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所

作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。

3. 相互作用 併用注意(併用に注意すること)

4. 副作用 総症例569例中65例(11.4%)に自他覚症状の副作用が認められた。 その主なものは、立ちくらみ(1.9%)、ふらつき感(1.6%)、めまい(1.4%)であった。臨床検査値異常変動の副作用は15.5%(87/563例)に認められ、その主なものはγ-GTP上昇(3.7%1/27例)、尿酸上昇(3.1%17/553例)、血清カリウム上昇(2.9%16/557例)、ALT(GPT)上昇(2.7%15/555例)、トリグリセリド上昇(2.6%1/39例)、BUN上昇(2.3%13/554例)、AST(GOT)上昇(2.2%12/555例)、ヘモグロビン減少(1.4%8/554例)、赤血球減少(1.3%7/555例)、ヘマトクリット減少(1.1%6/554例)であった。                     〔承認時〕 (1)重大な副作用

1)血管浮腫(頻度不明注1)):顔面、口唇、咽頭、舌の腫脹等が症状としてあらわれることがあるので観察を十分に行うこと。

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24

包 装 オルメテック錠10mg: オルメテック錠20mg :

100錠(PTP) 140錠[14錠×10](PTP) 500錠(PTP) 700錠[14錠×50](PTP) 100錠(PTP) 140錠[14錠×10](PTP) 500錠(PTP・瓶) 700錠[14錠×50](PTP)

禁忌を含む使用上の注意の改訂に十分ご留意下さい。 使用上の注意

副作用の頻度

1~5%未満 1%未満

精神神経系

過敏症注2)

血 液

消化器

発疹

軟便

肝 臓 ALP上昇 ALT(GPT)上昇、 AST(GOT)上昇、 γ-GTP上昇、LDH上昇

泌尿器 血清クレアチニン上昇、 尿蛋白、尿沈渣

BUN上昇

その他 全身倦怠感、咳嗽 CK(CPK)上昇、CRP上昇、トリグリセリド上昇、 血清カリウム上昇、 尿酸上昇

赤血球数減少、 ヘモグロビン減少、 ヘマトクリット減少

白血球数増加、 血小板数減少

めまい、立ちくらみ、 ふらつき感

頭痛、頭重感、眠気

2)腎不全(頻度不明注1)) 3)高カリウム血症(頻度不明注1)):重篤な高カリウム血症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。

4)失神(0.18%)、意識消失(頻度不明注1)):過度の血圧低下に伴う失神、一過性の意識消失があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

5)肝機能障害(0.18%)、黄疸(頻度不明注1)):AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等の肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

(2)その他の副作用

注1)海外のみで認められている副作用については頻度不明とした。 注2)投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5. 高齢者への投与 (1)高齢者では一般に過度の降圧は好ましくないとされているので、患

者の状態を観察しながら慎重に投与すること[脳梗塞等が起こるおそれがある。]。

(2)75歳以上の高齢者の使用経験は限られているので、患者の状態を十分に観察し、開始用量を5mgとするなど考慮すること。

(3)65歳未満の非高齢者と65歳以上の高齢者において本剤の降圧効果及び副作用に差はみられなかった。

6. 妊婦、産婦、授乳婦等への投与 (1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと[動物

実験(ラット)で、妊娠中期以降の投与において胎児及び新生児の低体重、生後分化の遅延が報告されている。]。

(2)授乳中の婦人への投与を避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること[動物実験(ラット)で乳汁中への移行が認められている。]。

7. 小児等への投与 低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

8. 適用上の注意 薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)。

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memo

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