follow-up study of root program: growth ... - kobe university

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神戞倧孊 倧孊教育掚進機構 『倧孊教育研究』 第 27 号 2019 幎 3 月 ROOT フォロヌアップ 基瀎ステヌゞず実践ステヌゞにおける高校生の成長 Follow-up Study of ROOT Program: Growth of High School Students in Basic Stage and Practical Stage 村䞭 泰子 神戞倧孊 キャンパスラむフ支揎センタヌ 特呜准教授 米谷 æ·³ 神戞倧孊 倧孊教育掚進機構 教授 è°· 節史 神戞倧孊 人間発達環境孊研究科 准教授 䌊藀 真之 神戞倧孊 人間発達環境孊研究科 教授 蛯名 邩穎  神戞倧孊 人間発達環境孊研究科 名誉教授 芁旚 2017 幎床より神戞倧孊は、兵庫県立倧孊、関西孊院倧孊、甲南倧孊ず ROOT ず名付けた グロヌバルサむ゚ンスキャンパス事業に取り組んでいる。そのプログラムでは匷い知的奜 奇心ず探究心を備えた高校生に根源的な問を喚起するナニットをはじめずする「科孊力逊 成プログラム」ず科孊英語を孊ばせる「囜際性導入プログラム」を基瀎ステヌゞで高校生 に提䟛し、その䞭から遞抜された高校生に実践ステヌゞで倧孊教員が研究指導を行い、ワ シントン倧孊でポスタヌ発衚させる。2017 幎床 ROOT プログラムに参加した 45 名の高校 生を察象にむンタビュヌ、ルヌブリック評䟡、レゞリ゚ンス尺床、質問玙調査を甚いお到 達床、満足床などを調べた。その結果、基瀎ステヌゞで倧半の受講生が満足できる氎準に 到達しおいるこず、実践ステヌゞで 3 ぀のカテゎリヌで有意な䞊昇をしおいるこずが確か められた他、プログラムを通しお困難を乗り越えながらいろいろな気づきを埗おいるこず が確かめられた。たた、二次元レゞリ゚ンス芁因尺床を甚いた調査から受講生の成長を瀺 唆する結果は埗られなかったが、自由回答の分析から受講生が自らの成長に぀ながる様々 な経隓をしたこずが確認された。 1. はじめに 神戞倧孊は、兵庫県立倧孊、関西孊院倧孊、甲南倧孊ずずもに、兵庫県教育委員䌚等の 関係機関ずコン゜ヌシアムを぀くり  、2017 幎床よりグロヌバルサむ゚ンスキャンパス事 業以䞋、「GSC」ず略す。に取り組んでいる。GSC は囜立研究開発法人科孊技術振興機 構以䞋、「JST」ず略す。が 2014 幎床より開始した事業であり、「倧孊が、将来グロヌ  神戞倧孊人間発達環境孊研究科孊術研究員  コン゜ヌシアムは、兵庫県教委以倖に、倧阪府や神戞垂等いく぀かの教育委員䌚のほか、理化孊 研究所蚈算科孊研究センタヌ、生呜機胜科孊研究センタヌ等の研究機関や産業界も含んでいる。 ― 139 ― 神戞倧孊 倧孊教育掚進機構 『倧孊教育研究』 第 27 号 2019 幎 3 月139-158

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Page 1: Follow-up Study of ROOT Program: Growth ... - Kobe University

神戞倧孊 倧孊教育掚進機構 『倧孊教育研究』 第 27 号 2019 幎 3 月

ROOT フォロヌアップ

基瀎ステヌゞず実践ステヌゞにおける高校生の成長

Follow-up Study of ROOT Program:

Growth of High School Students in Basic Stage and Practical Stage

村䞭 泰子 神戞倧孊 キャンパスラむフ支揎センタヌ 特呜准教授

米谷 æ·³ 神戞倧孊 倧孊教育掚進機構 教授

è°· 節史 神戞倧孊 人間発達環境孊研究科 准教授

䌊藀 真之 神戞倧孊 人間発達環境孊研究科 教授

蛯名 邊犎 神戞倧孊 人間発達環境孊研究科 名誉教授

芁旚

2017 幎床より神戞倧孊は、兵庫県立倧孊、関西孊院倧孊、甲南倧孊ず ROOT ず名付けた

グロヌバルサむ゚ンスキャンパス事業に取り組んでいる。そのプログラムでは匷い知的奜

奇心ず探究心を備えた高校生に根源的な問を喚起するナニットをはじめずする「科孊力逊

成プログラム」ず科孊英語を孊ばせる「囜際性導入プログラム」を基瀎ステヌゞで高校生

に提䟛し、その䞭から遞抜された高校生に実践ステヌゞで倧孊教員が研究指導を行い、ワ

シントン倧孊でポスタヌ発衚させる。2017 幎床 ROOT プログラムに参加した 45 名の高校

生を察象にむンタビュヌ、ルヌブリック評䟡、レゞリ゚ンス尺床、質問玙調査を甚いお到

達床、満足床などを調べた。その結果、基瀎ステヌゞで倧半の受講生が満足できる氎準に

到達しおいるこず、実践ステヌゞで 3 ぀のカテゎリヌで有意な䞊昇をしおいるこずが確か

められた他、プログラムを通しお困難を乗り越えながらいろいろな気づきを埗おいるこず

が確かめられた。たた、二次元レゞリ゚ンス芁因尺床を甚いた調査から受講生の成長を瀺

唆する結果は埗られなかったが、自由回答の分析から受講生が自らの成長に぀ながる様々

な経隓をしたこずが確認された。

1. はじめに

神戞倧孊は、兵庫県立倧孊、関西孊院倧孊、甲南倧孊ずずもに、兵庫県教育委員䌚等の

関係機関ずコン゜ヌシアムを぀くり、2017 幎床よりグロヌバルサむ゚ンスキャンパス事

業以䞋、「GSC」ず略す。に取り組んでいる。GSC は囜立研究開発法人科孊技術振興機

構以䞋、「JST」ず略す。が 2014 幎床より開始した事業であり、「倧孊が、将来グロヌ

 神戞倧孊人間発達環境孊研究科孊術研究員  コン゜ヌシアムは、兵庫県教委以倖に、倧阪府や神戞垂等いく぀かの教育委員䌚のほか、理化孊

研究所蚈算科孊研究センタヌ、生呜機胜科孊研究センタヌ等の研究機関や産業界も含んでいる。

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神戞倧孊 倧孊教育掚進機構 『倧孊教育研究』 第 27 号 2019 幎 3 月139-158

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神戞倧孊 倧孊教育研究 第 27 号 2019

バルに掻躍しうる傑出した科孊技術人材を育成するこずを目的ずしお、地域で卓越した意

欲・胜力を有する高校生等を募集・遞抜し、囜際的な掻動を含む高床で䜓系的な、理数教

育プログラムの開発・実斜等を行うこずを支揎」JSTのHPより匕甚するものであるJST,

2015。教育プログラムは、受講生個々にあわせた才胜育成をするものであるこずが求めら

れ、実斜にあたっおは、各県の教育委員䌚等ず連携しおコン゜ヌシアムを組織し、地域ぐ

るみで将来グロヌバルに掻躍しうる「科孊技術人材」の育成に取り組んでいくこずが、JST

が支揎するための条件ずなっおいる。2014 幎床より、応募した囜内の倧孊から毎幎 2〜8

校が採択されおおり、2017 幎床たでに 17 倧孊が採択されおいる。

神戞倧孊が兵庫県立倧孊、関西孊院倧孊、甲南倧孊ずずもに取り組んでいる GSC プログ

ラムは 2017 幎に採択され、その幎の倏合宿に参加した高校生の投祚により ROOTず名付

けられた。これは「根源を問う」ずいう意味である。ROOT に携わるスタッフのうち村䞭

ず米谷の 2 名が「メンタルサポヌト班」ずなり、毎回の合宿でグルヌプむンタビュヌやア

ンケヌト等を実斜し、ケアが必芁な生埒を発芋・支揎するずずもに、フォロヌアップ研究

を行っおいる。それは高校生が ROOT を通しおどのように成長するかを探ろうずするもの

である。

本論文はそのフォロヌアップ研究の䞭間報告である。たず、2017 幎床 ROOT プログラム

の抂芁を説明する。次に、ルヌブリックによる到達床評䟡ずむンタビュヌの結果をもずに

受講生の成長ず぀たずき、及びそれらの芁因に぀いお考察する。次に、二次元レゞリ゚ン

ス芁因尺床ず自由回答圢匏の質問玙を甚いた調査の結果をもずにプログラム䞭の受講生の

倉化ずその芁因に぀いお考察する。

2. ROOTプログラム抂芁

ROOT の正匏名称は「根源を問い革新を生む囜際的科孊技術人材育成挑戊プログラム」

である。そのねらいは、「匷い知的奜奇心ず探求心を備えた」高校生に、「根源的な問を喚

起するナニットや研究者の指導の䞋での個別課題研究などの科孊力を育む取組ず、海倖研

修を含む囜際コミュニケヌション力を高める取組から成るプログラムを提䟛する」神戞倧

å­Š, 2017: 1こずにある。

毎幎床兵庫県だけでなく近隣の府県から応募者を募っお面接を行い 40 名皋床の基瀎ス

テヌゞ受講生を遞抜する。7月から 1 月䞊旬たでの基瀎ステヌゞのプログラムは「科孊力

逊成プログラム」ず「囜際性導入プログラム」の 2 ぀からなる。「科孊力逊成プログラム」

は科孊哲孊、科孊史、数孊、物理孊、化孊等の専門家が高校生の根源に迫る課題蚭定胜力

を鍛える「根源的な問」ず、物質科孊、情報・蚈算科孊、生呜科孊、人間・環境孊の 4 ぀

 http://www.jst.go.jp/cpse/gsc/about/index.html

 http://www.jst.go.jp/cpse/gsc/about/report.html  Research-Oriented On-site Training Program for innovative scientists in the future の略称

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村䞭 泰子 米谷 æ·³ è°· 節史 䌊藀 真之 蛯名 邩穎

の領域を抂説する「孊問の基瀎ず方法」ずいう 2 ぀のナニットからなる。「囜際性導入プロ

グラム」では英語教材により科孊英語に觊れる。これらは合宿や週末セッションで蚈画的

に実斜される。

基瀎ステヌゞの受講生は実践ステヌゞでやりたい研究の内容ず方法を研究課題提案曞に

たずめお 12月に提出し、1月のサマリヌセッションで倧孊教員の前で発衚し、質疑応答を

する。その結果をもずに実践ステヌゞに進む者が遞抜され、受講生ごずにアドバむザヌ圹

の倧孊教員が぀き、個別に研究指導がなされる。䞭間発衚䌚、最終発衚䌚を経お、圌らは

8 月にワシントン倧孊で開催される倧孊生の STEM 領域の研究発衚䌚で英語によるポス

タヌ発衚を行う。

2017 幎床は基瀎ステヌゞには 45 名の高校生が参加し、8 名が実践ステヌゞに進み、2018

幎 8月 15日にワシントン倧孊で倚くの倧孊生に混じっおポスタヌ発衚をし、倧孊生や教員

ず英語で蚎議した。そのうち4名は垰囜埌に 2018幎床ROOT倏合宿で垰朝報告を行った。

3. 研究1 ルヌブリックによる到達床評䟡ず面接調査によるフォロヌアップ

3.1 目的

ROOT のプログラムを通しお参加した高校生にどのような力が身に぀いたか。たた、圌

らはプログラムをどのように思ったのか。さらに、どのようなこずに぀たずいたり悩んだ

りしたか。これらに぀いおルヌブリックによる到達床評䟡ず面接調査をもずに怜蚎する。

3.2 方法

調査察象は 2017 幎床 ROOT プログラムに応募し、遞抜された高校 1 幎生ず 2 幎生、蚈

45 名平均幎霢 15.9±.71歳であった。

ルヌブリック評䟡衚は谷、蛯名、䌊藀が ROOT 実斜委員䌚のメンバヌず話し合いながら

䜜成した。それは ROOT プログラムの目暙や内容をもずに、「根源に迫る課題蚭定胜力」「高

床な科孊的探究力」「䟡倀の知的怜蚎胜力」「囜際コミュニケヌション力」ず名付けられた

4 ぀のカテゎリヌごずに 5 ぀の氎準が蚭定されたが、ここではそれらを「課題蚭定胜力」「科

孊的探究力」「䟡倀怜蚎力」「コミュニケヌション力」ず呌ぶこずにする。

各氎準は 2〜3 の評䟡項目からなっおおり、各氎準は 5段階評定か、到達しおいる項目を

評定者がチェックするようになっおいた。2017 幎床は倏合宿ではルヌブリック評定の説

明のみを行い、2018 幎 1月のサマリヌセッションで受講生にルヌブリックによる到達床の

 STEM は science, technology, engineering, and math のこずであり、むベントの名称は Summer

STEM Research Poster Session である。  2017 幎床に実斜された ROOT の詳现な報告は、JST の HP に公開されおいる GSC の報告曞神戞

倧孊他, 2018を参照されたい。  2018幎 1月のサマリヌセッションで䜿甚したものは補遺に瀺すように䞀郚が 5段階評定であった

が、実践ステヌゞで䜿甚したものはすべおチェック方匏に倉曎した。

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神戞倧孊 倧孊教育研究 第 27 号 2019

自己評䟡を行っおもらい、評䟡衚に名前を曞いおもらっお回収した。サマリヌセッション

では受講生 42 人男子 20 人、女子 22 人が回答した。その埌、実践ステヌゞに進んだ 8

名男子 3 名、女子 5 名の受講生を察象に 2018 幎 10月に同様のルヌブリックによる到

達床評䟡を行ったが、女子 1 名が評䟡衚を提出しなかったため分析は 7 名のデヌタをもず

に行った。

面接調査は 2017 幎 8月の倏合宿時ず、2018 幎 1月のサマリヌセッション時にグルヌプ

むンタビュヌの圢匏で実斜した。5 名を 1 ぀の班ずしお、ナむトセッションの最䞭に班ご

ずに別宀に来おもらい、村䞭ず米谷が聞き手ずなりむンタビュヌを行った。むンタビュヌ

は 2 回ずも同じ班線成であり、各班 15 分皋床であった。むンタビュヌでは受講生䞀人䞀人

に「今の気持ち」やその日のプログラムに぀いお思い぀くたた 2〜3 分話しおもらった。蚱

可を埗た䞊で IC レコヌダヌにむンタビュヌを録音し、あずで再生しお文字に起こした。

ルヌブリックによる到達床評䟡に぀いおは、2017 幎 1月に開催されたサマリヌセッショ

ン合宿においお、受講生 42 名男 20 名、女 22 名がルヌブリック評䟡衚を甚いお䞀

斉に自己評定しお名前を曞いお提出した。ルヌブリック評䟡衚は補遺を参照されたい。

3.3 結果・考察

ルヌブリックによる到達氎準の評䟡

各受講生の到達床評定は次の芁領で行われた。それぞれの到達氎準に達しおいるず刀断

する基準は 5段階評定なら 3 以䞊、チェック項目なら 6割以䞊2項目䞭 2項目、3項目䞭

2 項目以䞊がチェックされおいる堎合ずし、カテゎリヌごずに到達氎準を刀定した。1

項目しかチェックされおいない堎合は 0.5 氎準だけ加算した。たた、到達氎準 1 に到達し

おいない堎合は到達氎準 0 ずした。図 1 はサマリヌセッションに参加した 42 人が 4 ぀のカ

テゎリヌのそれぞれでどの到達氎準たで達したかを刀定しお分垃を瀺したものである。

図 1 に瀺すように、どのカテゎリヌも 7割以䞊が氎準 2 以䞊に達しおおり、「科孊的探究

力」はずくによく、7割以䞊が氎準 4 以䞊であり、到達氎準 5 も 1割近くいる。「英語」を

陀く 3 ぀のカテゎリヌは氎準 3 以䞊が 5割以䞊あり、党䜓的に満足できる氎準にたで到達

できたず蚀える。なお、受講生党員の到達氎準の平均は、「課題蚭定胜力」「科孊的探究力」

「䟡倀怜蚎力」「コミュニケヌション力」のそれぞれで 3.58、3.35、2.83、2.38 であり、図

1 からも順に難易床が高いこずがうかがえる。

 1 月のサマリヌセッション合宿 1 日目の倕食埌に蚭けられた玄 2 時間のセッションであり、数名

の倧孊教員が自分自身の研究や分野に぀いお受講生に説明した埌、受講生が班単䜍でその倧孊教員

ごずに蚭けたブヌスを巡っお個別に話しあった他、受講生がペアになっお自分の研究に぀いお説明

しあった。

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村䞭 泰子 米谷 æ·³ è°· 節史 䌊藀 真之 蛯名 邩穎

図1 ルヌブリックによる到達床評䟡基瀎ステヌゞ

図 2 は実践ステヌゞに進んだ受講生のうち、10月分を提出しなかった女子 1 名を陀く 7

名の結果を瀺す。サマリヌセッション時1月ず 10月のルヌブリック評䟡のデヌタをも

ずに、察応のある 2矀の t怜定によりそれらの違いが有意か確かめたずころ、「科孊的探究

力」、「䟡倀怜蚎力」、「英語」の 3 ぀のカテゎリヌに぀いお 5氎準で有意差がみられたt

倀はそれぞれ 1.43、1.37、1.03、df はすべお 12。「課題蚭定胜力」を陀く 3 ぀のカテゎリ

ヌで 1月から 10月たでの実践ステヌゞが有意に䞊昇した。「課題蚭定胜力」は、1月の平

均倀が 3.57 ず最も高く、10月の平均倀が 4.21 ず「䟡倀怜蚎力」4.36に次いで高い倀で

あったものの、個人差が他のカテゎリヌより倧きいために差が有意ずならなかったのであ

り、䞀皮の倩井効果が働いたず考える。

10 月のルヌブリック評䟡の平均倀は、「課題蚭定胜力」ず「科孊的探究力」が 4 を䞊回

り、「䟡倀怜蚎力」ず「英語」は 1月ず比べお有意に䞊昇しおいる。前述したように、基瀎

ステヌゞの党䜓平均や到達氎準の分垃図 2から、それぞれのカテゎリヌの難易床に違

いがあり、「コミュニケヌション力」がもっずも難しいこずが瀺唆されおいる。そのこ

ずを考慮すれば、実践ステヌゞ受講生が 10月たでに到達した氎準は十分満足できるものず

蚀えるだろう。これは、実践ステヌゞにおける研究掻動や研究発衚の準備ずしお行った英

語セミナヌやプレれンテヌション指導、そしおワシントン倧孊等での研究発衚の経隓を通

しお受講生が様々な胜力を高めたこずを瀺唆しおいる。米囜でワシントン倧孊の倧勢の孊

生に混ざっおポスタヌ発衚をしお圌らず蚎議したこずにより、受講生は自信を持ったこず

だろうし、そうした実践経隓ず自信がルヌブリック評䟡を䞊げたものず掚察される。



これに぀いおは、ROOT プログラムが実珟を目指しおいるこずず、「囜際コミュニケヌション力」

に蚭定した項目の間に霟霬があったずいう芋方もある。

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神戞倧孊 倧孊教育研究 第 27 号 2019

図 2 実践ステヌゞにおける到達氎準の倉化

なお、10月にルヌブリック評定をした 7 人の実践ステヌゞ受講生の 1月における 4 ぀の

カテゎリヌの到達床平均はそれぞれ 3.57、3.07、2.71、2.83 であり、䞊述の基瀎ステヌゞ受

講生党䜓の平均ず比范しお「英語」が少し高いものの、他はほずんど違いがない。すなわ

ち、サマリヌセッションで遞抜された実践ステヌゞの受講生が他の受講生ず到達氎準にあ

たり違いがない。これはどう解釈すれば良いだろうか。

サマリヌセッションでの遞抜は研究胜力や孊力ではなく、受講生が基瀎ステヌゞでの孊

修を螏たえお䜜成し提出した研究課題提案曞ずプレれンテヌションをもずに、研究意欲ず

研究遂行胜力を重芖しおなされた。このこずが結果に反映しおいるだろうが、二次遞抜の

重芁な芳点であった研究意欲、研究遂行胜力が受講生自身の自己評䟡であるこずを含め、

ルヌブリック評䟡では評䟡が難しいこずを反映しおいるずも考えられる。

むンタビュヌ結果抜粋

受講生ぞのむンタビュヌは 2017 幎 8月の倏合宿時ず 2018 幎のサマリヌセッション時に

グルヌプ圢匏で行った。米谷が聞き手ずなり、村䞭がメモをずりながら話し手の高校生を

芳察した。

以䞋に、音声蚘録を文字に起こしたものず、むンタビュヌ䞭の芳察を螏たえた所芋をも

ずに、受講生の気づき、すなわち ROOT のアりトカムず、受講生がプログラムに関しお悩

んだり困ったりしたこずに぀いおたずめる。たず、テヌマ別にむンタビュヌ結果を敎理し、

最埌に「気づき」のずころにプログラム党䜓を通しおの感想で代衚的なものをあげる。

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村䞭 泰子 米谷 æ·³ è°· 節史 䌊藀 真之 蛯名 邩穎

ROOT プログラム、テヌマ決定、自分で研究するこず

・ 倧孊の先生から盎接話を聞くのは、ROOT プログラムに入っお初めお。

・ 先生たちの話は自分の奜きな範囲はわかったが、興味のないものは難しくおわからなかった。

・ 興味のない分野の先生も回らなければなかった。けれども、かえっお興味ができた。

・ いろんな先生から話を聞くこずでいろんな芳点から䞀぀のこずを芋られるようになった。

・ 倧孊の先生からチヌムで研究するプロゞェクトに぀いお話を聞けたのは参考になった。

・ ここで習ったこずを孊校の先生に話したら、「いいわねヌ、私も行きたかったわ」ず蚀われた。

・ 研究テヌマを䜕にするか迷った。

・ 盎前にテヌマを倉えたので、合宿盎前はプレれンの準備で忙しかった。

・ 研究テヌマの決定に右埀巊埀しお締め切りの 12/25 に決めお、その日のうちに提案曞を党郚䜜っ

た。突貫工事だった。

・ 掘り䞋げお調べるこずができる機䌚になった。

・ 自分でやったこずはやっぱり倧倉だった。日頃しないこずなので、自分でテヌマを調べおやる

こずは初めおだったんで。䜕かをしろずいうわけではなかったので。でも䜕かしなければなら

ないずいうプレッシャヌがあった。どうすればいいのかずいう気持ちがすごく倧きかった。

合宿、ナむトセッション、盞互発衚、受講生

・ みんなで䞀緒にご飯を食べるのがよかった。

・ 倜の 1 察 1 で話すのが楜しい。ちょっずいい感じです。

・ 今やっおいる盞互発衚が印象匷い。女子校なので男女が混ざっお 1 察 1 で話をするこずはなか

ったが、今回ここに来お男女がペアになっお共修できおいるのっおすごいなっお思った。

・ 今回の GSC で情報分野に党く興味がなかったのだが、ナむトセッションで感銘を受けお、それ

で情報の分野に興味を持ち、研究課題を情報分野にした。

・ すごい人がいっぱいいるずころに来ちゃったな。

・ 自分ず同じ䞖代にこんなすごいや぀がいっぱいいるんだなぁず改めお感じた。

斜蚭芋孊・倧䌚参加京コンピュヌタヌ、蚈算科孊センタヌ、人ず自然の博物通、GSCå…š

囜受講生研究発衚䌚

・ 京コンピュヌタヌがすごくビックリした。うわヌスゲヌず思った。

・ VR を䜓隓できおよかった。

・ コンピュヌタヌの実習ができたのはずおもよい経隓だった。

・ 人ず自然博物通の収蔵庫に行くツアヌがあっお、滅倚に芋られない暙本鳥類、怍物、昆虫

や剥補を芋るこずができ印象に残っおいる。

・ 印象に残っおいるのは東京GSC 党囜受講生研究発衚䌚に行ったこず。よその生埒の話を聞

いおすごく刺激を受けた。結構すごい研究をしおいる人がいお。習っおいないこずを自分で調

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Page 8: Follow-up Study of ROOT Program: Growth ... - Kobe University

神戞倧孊 倧孊教育研究 第 27 号 2019

べおやっおいる。自分はただ調べおやっおいくレベルには達しおいないず思った。

週末セッション豊岡䌚堎、神戞䌚堎

・ セッションを受けおいるず、今たでそんなに専門的な講矩を䜕時間もうける経隓がなかったの

で、貎重な経隓ができ、いろんな面で成長できたず思っおいたす。

・ 週末セッションで色々な倧孊から来おくれお盎接来おくれお高校ずは違っお珍しかった。皀有

な経隓ができた。

・ 週末セッションが孊校のいろいろな行事ず重なったので行くのが倧倉だった。西脇から出おく

るのに 1 時間かかるので、それも倧倉だった。が、来たらきたで埗るものはあっお、すごく良

い経隓をさせおもらったなず思っおいたす。

面接・プレれン・テヌマ決定

・ 面接はき぀かった。蚀い方がき぀かったずいうこずではなく、自分の実力が足りないこずを思

い知らされたのがき぀かった。

・ プレれンのずきにいろいろ先生から蚀っおもらえおすごく参考になった。そういう芖点があっ

たず気づいた。

英語セッション

・ 英語のセッションが党く分からなかった。高校では英䌚話の授業はあったけど、詊隓察策みた

いなものだけだった。高床な内容の話を続けるのは倪刀打ちできなかった。

・ 英語をもっず孊んだほうがいいなず思った。

気づき

・ おおげさですけど、新しい䞖界を知るこずができたなず思っおいる。

・ 自分の知らない分野にもこんなに面癜いものがあるんだっおいうこずがすごい刺激になったし、

ずおも良い経隓になった。

・ 科孊ずは広い䞖界なのに深いずころでは぀ながっおいるんだなぁ。それが分かっお面癜いなず

思った。

・ 問は倧切。気になったらノヌトに曞くようになった。

・ 知識っお倧事だなっお思った。もずもずの知識がいっぱいないず、その䞊の知られおいないこ

ずを知る研究なんおできないなず思った。なので、勉匷しお、良い倧孊に入りたす。

・ 自分の郚掻ではどれだけみんなに甘えおきたかずいうこずを実感した。

・ 今回孊べたこずは挫折っおいうか、自分がどれだけ孊べおいないかずいうこずがわかった。・・・

わけもない自信があったが、それが良い意味で壊されたかなヌっおいう感じ。もうちょっず自

分を改めおみるきっかけができたかなっおいう感じ。

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Page 9: Follow-up Study of ROOT Program: Growth ... - Kobe University

村䞭 泰子 米谷 æ·³ è°· 節史 䌊藀 真之 蛯名 邩穎

・ 孊校では生物郚でゎキブリの研究をしおいる。「根源を問う」授業を受けお、私の䞭で腑に

萜ちた。郚掻で孊䌚に行っおも積極的に質問が出おくるようになった。

・ 印象に残っおいるのは最初のセッション。「自分の身の回りのこずに疑問を持ったら楜しいよ」

ずいう話を聞いたので、そういう態床で倏䌑みを過ごしおいお、あれこれ気になるこずがたく

さんでおきお、それをもずに実際に自分の研究に぀なげられたし、その時も先生からいろんな

話しが聞けお、ほんたに自分の芖野が広がっお、よい経隓ができた。

・ これやったら絶察答えが出るずいう実隓は高校でしおいるんですけど、自分で研究課題を考え

お、答えのないものを自分で実隓方法や研究蚈画を考えおやったこずがなかったが、こういう

こずは倧孊に入っおからやらなきゃいけないんだずいうこずがわかった。

考察 基瀎ステヌゞで受講生はどんな経隓をしたか

むンタビュヌから、ほずんどの受講生が 2017 幎床基瀎ステヌゞの受講生が ROOT プロ

グラムの趣旚をよく理解し、合宿、週末セッション、芋孊䌚等ぞ参加するだけでなく、家

庭や孊校で時間を䜜っお文献を怜玢し、資料を読み、サマリヌセッションに向けお研究蚈

画提案曞を䜜成し、それをサマリヌセッションで発衚しお質疑応答を受けるずいう、半幎

に枡る研究掻動に積極的に取り組み、それを遂行したこずが確認できた。以䞋に、むンタ

ビュヌだけでなく応募者ぞの面接や䌑憩時間等、さたざたな機䌚における受講生からの意

芋聎取をもずに基瀎ステヌゞをふりかえる。

プログラム参加の動機・意欲・満足床

2017 幎床 ROOT プログラム基瀎ステヌゞ受講生の募集は 6月 21日から 7月 4日たでで

あり、56 名が応募した。圌らは兵庫県内だけでなく奈良県、岡山県、埳島県の高 1 ず高 2

の生埒であった。遞考は曞類志望動機、研究蚈画、掚薊曞等ず面接詊隓をもずに行っ

た。面接は 7月 1日から 7月 9日たでの 4 回実斜した。遞考にあたっおは孊力ずくに理数

系科目や英語の成瞟よりも参加意欲や課題研究等の経隓を重芖した。たた、8月ず 1月の

合宿に参加できる者だけを遞んだ。最終的に高 1、高 2、蚈 45 名を遞び出したが、意欲や

胜力においお問題のある者はいなかった。

面接時に確認された䞻な志望動機は「倧孊教員により研究指導が受けられるから」「倧孊

の蚭備や機噚を䜿甚できるから」「本栌的な研究のし方を孊びたいから」であった。実践ス

テヌゞでワシントン倧孊に行けるこずも動機の䞀぀であろうが、それを第䞀目的にあげた

受講生はいなかった。なお、むンタビュヌで「倧孊入詊AO 入詊等に圹立぀から」参

加した者もいるこずがわかった。

サマリヌセッションに参加した 1 人の男子高校生が「こんな合宿に出おくるより自宅で

研究する方がよい」ず話したように、党受講生がすべおのプログラムを満足したわけでは

ないが、ほずんどの受講生は基瀎ステヌゞのプログラムに満足した。サマリヌセッション

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神戞倧孊 倧孊教育研究 第 27 号 2019

で実斜したプログラムの満足床調査では、「基瀎ステヌゞ党䜓を通じお、教育プログラムを

楜しむこずができたしたか」ずいう問いに察しお 93がポゞティブであり、「どちらずも

いえない」「あたりそう思わない」がそれぞれ 5%、2であった神戞倧孊他2018, p.24。

ROOT プログラムの評䟡

ROOT プログラムは倧孊教員が科孊研究に意欲のある優れた高校生に講矩や研究指導を

通しお本栌的な科孊研究の䞀端に觊れさせるものであり、高校で扱わない分野や倧孊レベ

ルの内容を講矩した。できるだけ幅広い芖野をもたせるために、物理孊、化孊、生物孊、

地孊だけでなく、情報科孊、環境科孊、生呜科孊等に関しおも講矩や察話セッションを蚭

け、たんべんなく孊ばせるようにした。これに぀いおの受講生の受けずめ方は䞀様ではな

く、「いろいろなこずが孊べた」「さたざたな芖点に気づいた」「知らない分野に興味を持っ

た」ずいったポゞティブなものから、「関心のないものはさっぱりわからなかった」「奜き

な分野だけで十分」ずいったネガティブなものたであった。

基瀎ステヌゞは、「食わず嫌い」をなくすために、関心のないもの、嫌いなもの、苊手な

ものも䞀通り孊ばせるこずにしたので、ある皋床の抵抗や反発はやむを埗ないだろう。関

心があれば倧孊レベルの内容であっおも食い぀いおいくこずはできるだろうが、関心のな

い分野はよほどのきっかけがなければじっくり話を聞く気になれないものであるし、䞭に

は嫌いになる者もあるかもしれない。むンタビュヌで確認した範囲では幎床基瀎

ステヌゞの受講生にそうした者はいなかった。

受講生が経隓した困難ず察凊

ROOT プログラムのねらいどおり、受講生の倚くが根源的な問いを立おるこず、そのた

めに幅広い芖野をもち、自分で調べお自分で考えるこず、他人に自分の考えをうたく䌝え

るこずなど、科孊研究の基瀎基本の倧切さに経隓を通しお気づき、その難しさを経隓した。

こうした事項は䞻䜓的に研究する䞊での必須事項であるが、倚くの受講生にずっおは䞀か

ら身に぀けなければならない胜力であった。実践ステヌゞに進めば、それらがある皋床な

ければどうにもならない。それだけに、実践ステヌゞをめざしお基瀎ステヌゞで切磋琢磚

する受講生は、基瀎ステヌゞの䞭でそれらの胜力を身に぀け、䌞ばすこずが課題ずなる。6

ヶ月で高校での孊習掻動や課倖掻動をしながら、それをするのは容易でなかっただろう。

この困難な課題を受講生はどのように察凊したのだろうか。

むンタビュヌから、倧半の受講生が研究蚈画提案曞の䜜成においお、テヌマがなかなか

決たらず、迷ったり悩んだりしおいたこずがわかった。研究蚈画提案曞を曞くために専門

曞や孊䌚誌論文を読んだ受講生も䜕人もいたが、研究テヌマ決定が締め切り盎前になった

り、締め切り盎前にテヌマ倉曎をしたりした受講生も䜕人もいた。「時間切れ」で研究蚈画

すらしっかり立おられない者がいた。

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村䞭 泰子 米谷 æ·³ è°· 節史 䌊藀 真之 蛯名 邩穎

1 月のサマリヌセッションでのプレれンテヌションず質疑応答ずいう課題は、ほずんど

の受講生にずっお倧きなプレッシャヌずなっおいたようである。しかしながら、プレれン

終了埌に実斜したむンタビュヌで、受講生は䞀様にほっずした衚情をし、困難な課題にチ

ャレンゞしお乗り越えたこずぞの満足を口にした。質問にうたく答えられない䞍甲斐なさ

を痛感した受講生も䞀郚にはいたが、倧孊教員の質問や指摘をネガティブに受けずめた者

はいなかった。

関心のない分野や知らない分野たで孊ばねばならず、幅広い芖野で研究テヌマを探し出

しお決定し、文献をもずに研究蚈画を立おお蚈画曞を曞き、倧孊教員が数人いる前でプレ

れンしお質問に答える。こうしたこずを独力でやらなければならない。ROOT プログラム

は高校で孊んでいる教科の孊習や受隓勉匷に盎結するようなものはなく、基瀎ステヌゞだ

けでは研究成果も出ない。倧孊に行っおから身に぀ければよいような研究胜力を芁求する

教育プログラムを、たずえ志願したずはいえ、高校生に提䟛するこずは果たしおよいのだ

ろうか。意味があるのだろうか。

こうした問いぞのひず぀の答えが、基瀎ステヌゞの受講生に察しお実斜したむンタビュ

ヌの結果から芋いだせるのではなかろうか。研究成果プロダクトではなく研究過皋プ

ロセスを重芖した教育プログラムだからこそ、科孊研究に必芁な研究マむンドを鍛え、

䌞ばし、詊しお基瀎胜力を身に぀けさせるこずができたのだろう。たた、同じ志をも぀同

䞖代の高校生や倧孊で研究しおいる専門家・研究者ずかかわりあい、切磋琢磚するこずに

より研究マむンドの基盀ずしおの人間力が培われたず考える。むンタビュヌ結果からわか

るように、研究を進める䞊での䞻䜓性の倧切さに気づいた受講生は少なくない。

4. 研究2 二次元レゞリ゚ンス芁因尺床ず質問玙調査によるフォロヌアップ

4.1 目的

研究 2 では、二次元レゞリ゚ンス芁因尺床ず質問玙を甚いた調査の結果をもずにプログ

ラム䞭の受講生の倉化ずその芁因に぀いお考察する。

4.2 方法

調査察象

研究 1 ず同じく、2017 幎床 ROOT プログラムに応募し、遞抜された高校 1 幎生ず 2 幎

生、蚈 45 名平均幎霢 15.9±.71歳が調査察象ずなった。

質問玙

平野2010が䜜成した二次元レゞリ゚ンス芁因尺床BRSを甚いた。レゞリ゚ンス

ずは、誰もが身に぀けられる粟神的回埩力のこずであり、BRS は、「楜芳性」「統埡力」「瀟

亀性」「行動力」を因子ずしお持぀資質的レゞリ゚ンスず「問題解決志向」「自己理解」「他

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神戞倧孊 倧孊教育研究 第 27 号 2019

者心理の理解」を因子ずしお持぀獲埗的レゞリ゚ンスからなる 5件法たったくあおはた

らない(1)よくあおはたる(5)の尺床である。なお、資質的レゞリ゚ンスは 12 項目、獲

埗的レゞリ゚ンスは 9項目で構成されおいる。

手続き

初幎床の ROOT プログラムは、図 3 に瀺すように、党䜓で行う合宿型のセッションを倏

に 2 回、冬䌑み時に 1 回実斜した。冬䌑み時に行われたサマリヌセッション以降は、実践

ステヌゞに遞抜された 8 名以䞋「実践組」ず略す。以倖の生埒はプログラムの参加はな

く、サマリヌセッションで修了ずなる。

BRS 尺床平野, 2010による評定を ROOT プログラムの初回の倏合宿2017 幎 7月

および実践ステヌゞ遞抜のために生埒が自分で䜜成した研究蚈画を発衚するサマリヌセッ

ション2018 幎 1月時に行った。たた、「問い」や「ROOT プログラムに関しお感じた

こず」の調査を自由蚘述方匏で 2 回目の倏合宿2017 幎 8月およびサマリヌセッション

2018 幎 1月時に行った図 3。

なお、実践組の囜内での最終プレれン時2018 幎 5月に、実践組にはプレれン終了埌、

その他の生埒には郵送で、BRS 尺床による評定および「根源に察する問い」ず「ROOT プ

ログラムに関しお感じたこず」の調査を自由回答圢匏で行った。

図3 第 1期 ROOTプログラムのスケゞュヌルず調査のタむミング

4.3 結果

本研究の結果はそれぞれのレゞリ゚ンスを構成しおいる項目の合蚈埗点で瀺した。なお、

実践ステヌゞには 8 名の生埒が参加したが、実践ステヌゞ移行者の特城を怜蚎する際には、

倧孊でのプログラムぞの出垭や研究アドバむザヌずの接觊が著しく少ない 1 名を陀いた蚈

7 名を分析察象者ずした。

受付開始

基瀎ステヌゞ1幎目7月~ 1月

実践ステヌゞ2幎目1月8月

6月䞊旬

7月

8月末

9〜12月の週

12月

1月

基瀎ステヌゞ受講生遞抜

実践ステヌゞ受講生遞抜 8名皋床

1〜7月

3月

5月

8月䞭旬

受講

生

応募受付

倏合宿①

倏合宿②

週末セッ ショ ン 月 回皋床 ・

特

別週末セッ ショ ン 4-5回

冬合宿 サマリヌセッ ショ ン

個別課題研究 倧孊の研究宀等

実践英語集䞭研修

海倖研修・ 英語での成果発衚 シアト ル ワシント ン倧孊

研究進捗

状

況報告䌚 囜内最終プレれン

研究課題提出案曞提出

BRS尺床枬定

自

由

蚘述

BRS尺床・ 自

由

蚘述

BRS尺床・ 自

由

蚘述 実践ステヌゞ組以倖は郵送にお実斜

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受付開始

基瀎ステヌゞ1幎目7月1月

実践ステヌゞ2幎目1月8月

6月䞊旬

7月

8月末

9〜12月の週

12月

1月

基瀎ステヌゞ受講生遞抜

実践ステヌゞ受講生遞抜8名皋床

1〜7月

3月

5月

8月䞭旬

受講生応募受付

倏合宿①

倏合宿②

週末セッション月回皋床・特別週末セッション4-5回

冬合宿サマリヌセッション

個別課題研究倧孊の研究宀等

実践英語集䞭研修

海倖研修・英語での成果発衚シアトルワシントン倧孊

研究進捗状況報告䌚囜内最終プレれン

研究課題提出案曞提出

BRS尺床枬定

自由蚘述

BRS尺床・自由蚘述

BRS尺床・自由蚘述実践ステヌゞ組以倖は郵送にお実斜

Page 13: Follow-up Study of ROOT Program: Growth ... - Kobe University

村䞭 泰子 米谷 æ·³ è°· 節史 䌊藀 真之 蛯名 邩穎

参加高校生の特城

2017 幎床 ROOT プログラムに参加した高校生は、資質的レゞリ゚ンスおよび獲埗的レゞ

リ゚ンスは、M 資質41.6±6.71、M 獲埗32.5±4.54 であった衚 1。平野・梅原2018

の高校生 320 名の結果ず比范したずころ、資質的レゞリ゚ンスおよび獲埗的レゞリ゚ンス

が有意に高かったt 資質(44)=2.44, p< .05、t 獲埗45=3.44, p< .01。

è¡š1 倏合宿①初回およびサマリヌセッション時の各レゞリ゚ンスの基本統蚈量

è¡š2 倏合宿①初回およびサマリヌセッション時の因子埗点別の

基本統蚈量ずt怜定の結果

最小倀 最倧倀 平均倀 暙準偏差 t 倀 自

由

床

有意確

率

(䞡偎)

資源レゞリ゚ンス 初回 28 55 41.6 6.71

サマリヌ 25 56 40.0 6.96

獲

埗レゞリ゚ンス 初回 23 42 32.5 4.54

サマリヌ 22 42 31.6 4.94

1.70 .098

1.14 39 .263

39

平均倀 暙準偏差 t 倀 自由床有意確率

(䞡偎)

楜芳性 初回 10.79 2.710 0.000 41 1.000

サマリヌ 10.79 2.737

行動力 初回 10.63 2.222 2.389 40 0.022*

サマリヌ 9.85 2.231

自己理解 初回 10.44 1.924 0.703 40 0.486

サマリヌ 10.20 2.400

瀟亀性 初回 9.66 2.717 0.636 40 0.529

サマリヌ 9.54 2.767

他者心理理解 初回 11.02 1.774 0.423 41 0.675

サマリヌ 10.90 1.973

統埡力 初回 9.93 1.980 -0.318 41 0.752

サマリヌ 10.00 1.938

問題解決 初回 10.83 1.815 1.312 40 0.197

サマリヌ 10.46 1.989

* p < .05

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Page 14: Follow-up Study of ROOT Program: Growth ... - Kobe University

神戞倧孊 倧孊教育研究 第 27 号 2019

ROOTプログラム前埌での比范

初回の倏合宿①時2017 幎 7月ずサマリヌセッション時2018 幎 1月の資質的レゞ

リ゚ンスおよび獲埗的レゞリ゚ンスを察応のある t 怜定で分析した結果、獲埗的レゞリ゚

ンスは統蚈的に有意な差は認められなかったが(t 獲埗39=1.14, n.s.)、資質的レゞリ゚ン

スは 10の有意傟向が認められt 資質(39)=1.70, p<.10、初回倏合宿時ず比しおサマリヌセ

ッション時に資質的レゞリ゚ンスが䜎い傟向にあるこずがわかった衚 1。たた、因子埗

点別に比范した結果、「行動力」因子が䜎䞋しおいたt 行動力(40)=2.39, p<.05衚 2。

実践ステヌゞ移行者の特城

実践ステヌゞぞ移行した生埒以䞋実践組ず略ずその他の生埒の間には、各ステヌゞ

においお獲埗的レゞリ゚ンスおよび資質的レゞリ゚ンスに統蚈的に有意な差は認められな

かったが、実践組は、その他の生埒ず比范しお、週末セッション図 3の参加回数が有

意に倚かったt(44)=3.75、.01。

è¡š3 実践組のサマリヌセッションおよび囜内最終プレれン時の基本統蚈量ず倀

平均倀 暙準偏差 t 倀 自由床

有意確率

(䞡偎)

サマリヌ 40.6 6.90

囜内最終 42.9 8.17

サマリヌ 30.1 5.37

囜内最終 31.3 3.90

サマリヌ 10.7 2.43

囜内最終 12.3 1.50

サマリヌ 10.7 1.98

囜内最終 10.6 2.44

サマリヌ 9.6 2.51

囜内最終 10.4 1.51

サマリヌ 9.1 2.04

囜内最終 9.4 3.69

サマリヌ 10.3 1.98

囜内最終 10.4 1.90

サマリヌ 10.0 2.00

囜内最終 10.6 2.15

サマリヌ 10.3 1.60

囜内最終 10.4 1.81

† p < .10

獲埗レゞリ゚ンス -0.685 6 .519

資源レゞリ゚ンス -1.145 6 .296

行動力 0.213 6 .838

楜芳性 -2.294 6 .062 †

瀟亀性 -0.281 6 .788

自己理解 -0.969 6 .370

統埡力 -0.834 6 .436

問題解決 -0.194 6 .853

他者心理理解 -0.203 6 .846

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Page 15: Follow-up Study of ROOT Program: Growth ... - Kobe University

村䞭 泰子 米谷 æ·³ è°· 節史 䌊藀 真之 蛯名 邩穎

è¡š4 実践組3名の自由蚘述内容䞀郚抜粋

生埒 倏合宿 2 回目コメント2017 幎 9

月

サマリヌセッションコメント2018

幎 1 月

囜内最終プレれン埌コメント

2018 幎 5 月

実践 B に぀いお研究したいず思

っおいたすが、根源を問うこずに

぀なげられるように適宜テヌマ

を倉える぀もりです。孊校での

掻動よりも根源を远求できるの

が面癜いので頑匵りたいです。

よろしくお願いしたす。

初めのうちは根源的な問いに関

する講矩がほずんど理解でき

ず、よくわかりたせんでしたが、

自分のしたい研究における根源

的な問いを考えお教えおいただ

いたこずでわかるようになりたし

た。

実隓協力者にお願いしお蚈画

的に実隓を進めるこずは思っお

いたよりも難しいこずだずわかっ

た。

䞭略

研究内容に぀いお考えるずきで

も英語を孊ぶずきでも、及ばな

いこずが倚いので、がんばりた

い。

実践 D 前回の合宿から“なぜだろう”ず

考えるようにしたした。怍物採集

に行ったずき、発芋した怍物や

呚蟺の環境を芳察し、なぜず考

えるこずがあったので、合宿で

問いにに぀いお孊んだこずはい

かせたのかなず思いたす。た

た、奜きなものや興味のある分

野はありたすが、具䜓的なテヌ

マは決たっおいたせん。

孊校の勉匷もある䞭で、論文を

読んだりしお孊校ずは党く関係

のない勉匷をしなければなら

ず、結構しんどいこずもありたし

た。しかし、なんずか曖昧ではあ

るものの、圢にするこずができ

お、少しですが達成感がありた

した。”研究”内容を”考える”ず

いうこずは普段したこずがなかっ

たし、埌略

たず、研究は難しいず感じたし

た。仮説通りの結果が埗られる

だろうずかなりポゞティプ思考で

実隓を行っおいたので、違った

結果になった時に始めお様々な

パタヌンを考えおおくこずが必

芁だず実感したした。

実践 F 月の合宿以来、身の回りのい

ろいろなこずに察しお疑問を持

ち、考えるこずが倚くなりたし

た。たた、このプログラムにおい

おは、今はに興味がある

のでそのこずに぀いお䜕かしら

研究をしおみたいです。

倚くの先生の話を聞いおいるう

ちに、ただただ自分の知らない

こずがたくさんあるのだずいうこ

ずず、自分が知っおいるこずずい

うのは、少ししかないのだずいう

こずを実感できたした。今埌は、

積極的にいろいろなこずを孊び

たいず思いたす。

このプログラムを通じお、自分

で研究の蚈画を立お、それを実

行するずいう倧倉貎重な䜓隓が

できたので、嬉しく思いたす。

実践組のレゞリ゚ンスおよび因子埗点の倉化

実践組の実践ステヌゞにおける倉化を怜蚎するために、サマリヌセッション時2018 幎



䞋線は筆者が挿入

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神戞倧孊 倧孊教育研究 第 27 号 2019

1月ず囜内最終プレれン時2018 幎 5月の資質的レゞリ゚ンス、獲埗的レゞリ゚ンス、

およびレゞリ゚ンスの因子埗点を察応のある t 怜定で分析した結果、資質的レゞリ゚ンス

および獲埗的レゞリ゚ンスには統蚈的に有意な倉化は芋られなかったが、「楜芳性」に有意

傟向が芋られ、サマリヌセッション時に比べ囜内最終プレれン時の「楜芳性」が高い傟向

が芋られたt6楜芳性-2.29、 p < .10。

実践組の自由蚘述コメント

実践組の代衚的なコメントをした生埒 3 名の自由蚘述を衚 4 に蚘茉した。

倏合宿 2 回目では、日垞生掻で ROOT プログラムの倧きな柱ずいえる「根源」「問い」

を意識できたこずが述べられおおり、たたサマリヌセッション時には、自分の珟段階の研

究に察する距離感ず考えられる発蚀「論文を読むのがしんどい」「自分が知っおいるこず

は少し」が芋られた。たた、囜内での最終プレれンテヌションでは、研究を遂行するこず

の倧倉さに぀いお述べられおいた衚 4。

4.4 考察

本研究では、ROOT プログラムに参加した生埒の倉化をレゞリ゚ンスの倉化および自由

蚘述コメントで怜蚎した。

第 1期 ROOT プログラムに参加した高校生は、䞀般的な高校生のレゞリ゚ンス平野・

梅原, 2018より高かった。これは、ROOT プログラム自䜓が自己掚薊型の募集方法をずっ

おおり、たたプログラム参加には曞類および面接の審査など、粟神的な負荷がかかる条件

を乗り越えおきた生埒ず考えられ、本研究で甚いた指暙が䞀般高校生よりも高いこずから

も粟神的回埩力が高い生埒であるこずが瀺唆される。

基瀎ステヌゞ埌に資質的レゞリ゚ンスが䜎䞋傟向、特に「行動力」の因子埗点が䜎䞋し

た。これはプログラムの内容がマむナスに䜜甚したず考えるのではなく、プログラムず平

行しお同時に通垞の高校での課題や行事も行う必芁があるこずが圱響しおいるず考えられ

る。初回に調査を行った時点では倏䌑み開始盎埌か぀ ROOT プログラムからの課題は課せ

られおいない状態であった。しかし、サマリヌセッション時基瀎ステヌゞの最埌たで

に研究蚈画曞を䜜成し提出する必芁があった。たたサマリヌセッションでは遞考のための

個人のプレれンテヌションがあった。これらの経隓は倚くの参加生埒にずっお初めおの経

隓であり、たた通垞の高校生掻の䞭での負荷授業、孊校行事、郚掻や定期詊隓などに

加えお、研究蚈画やプレれンテヌションの準備をするずいう負荷が加わり、通垞の生掻で

党おをうたくやりずおす自信が䞋がった結果ず蚀えよう。

参加生埒の自由蚘述の結果からも、「結構しんどい」「自分の知らないこずがただただあ

る」のように研究蚈画を立おる倧倉さや、自分自身の珟時点の胜力を研究蚈画䜜成プロセ

スで改めお自芚したこずが掚枬されるコメントがみられた。

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村䞭 泰子 米谷 æ·³ è°· 節史 䌊藀 真之 蛯名 邩穎

実践ステヌゞに移行した生埒ずその他の生埒を比范するず、基瀎ステヌゞ内で行われた

週末セッションの参加回数が倚いこずが統蚈的に有意な差ずしお珟れおいる。週末セッシ

ョンは最䜎限の参加回数は定められおいるが、それ以䞊の参加は受講生の自由意志に任さ

れおいる。぀たり、プログラムに興味を持っおコミットするこずが研究を進める䞊で䞀぀

の倧きな指暙ずなりうるこずが瀺唆された。

たた、実践ステヌゞ䞭のレゞリ゚ンスの倉化では、「楜芳性」に䞊昇傟向がみられたが、

「行動力」には統蚈的に有意な倉化は芋られなかった。実践ステヌゞに遞抜された生埒は

日垞の高校生掻に加えお実際の研究をやり遂げたが、高校生掻ず研究ずを䞡立し自分の時

間をマネゞメントでき、それらがどうにかやり遂げるこずができるずいう自信に぀ながっ

たこずが瀺唆される。

さらに、倏合宿②の自由蚘述コメントから、「日垞生掻で“根源”を考える」機䌚が増え

たこずや「根源を問う楜しさ」を述べおいる生埒が倚いのが実践組の䞀぀の特城ずいえる。

ROOT プログラムの柱ずなる抂念を日垞生掻においおも意識でき、プログラムずの汎化が

なされたこずが瀺唆される。

少ない事䟋ではあるが、第䞀期の ROOT プログラムの生埒の倉化から、日垞の負荷に加

えお研究に割く機䌚をどれだけ自分でマネゞメントできるかずいうこずや、忙しい環境の

䞭でも興味のあるこずに察しおコミットできるのかずいうこずが、研究を行う䞊での必芁

な資質の䞀぀ず考えられる。たた、レゞリ゚ンスは幎霢が䞊がるに぀れ緩やかに䞊昇する

平野・梅原, 2018が実践ステヌゞを経るこずで、レゞリ゚ンスを構成する䞀郚の芁因が

䞊昇する可胜性が瀺唆された。

5. おわりに

ROOT プログラムは 2017 幎 7月に 45 名の高校生を受け入れ、8 名が実践ステヌゞで研

究を進めお 2018 幎 8月にワシントン倧孊でポスタヌ発衚をし、そのうち 4 名が垰朝報告を

した。そこで党員が堂々ず英語で研究発衚した。出発盎前のリハヌサルでたよりなさそう

に発衚しおいた受講生が耇数おり、短期間でしっかりプレれンできるようになったこずに

驚かされたし、それぞれが実践ステヌゞで芋違えるような成長をずげたこずがわかった。

このように、実践ステヌゞの成果は盎接確認できたが、基瀎ステヌゞで高校生がどのよう

な倉化をしたかはよくわからなかった。今回調査結果を敎理・分析するこずにより、基瀎

ステヌゞでも倚くの受講生が様々な気づきを埗、経隓を孊びに倉えたこずを確認した。

謝蟞

このプログラムの実斜には、神戞倧孊および共同機関の倚くの関係教員の倚倧なる貢献

のもずで進めるこずができおいたす。特に、倚くの教員が倧孊や専門分野の違いを超えお、

高校生ぞの先進的な取り組みに向けお緊密な協力䜓制を䜜り䞊げおいるこずが倧きいず思

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神戞倧孊 倧孊教育研究 第 27 号 2019

いたす。たた、連携機関である理化孊研究所蚈算科孊研究センタヌ、理化孊研究所生呜機

胜科孊研究センタヌ、兵庫県立人ず自然の博物通、高茝床光科孊研究センタヌのご協力の

もずで進めるこずができおいたす。たた、神戞倧孊や共同機関の事務担圓者や神戞倧孊教

育担圓理事である藀田誠䞀先生のご協力も埗おいたす。受講生の獲埗に関しおは、兵庫県

教育委員䌚や他の教育委員䌚からも支揎を受けおいたす。さらに、JST から研究費だけで

なく、事業に぀いお様々な指導ず助蚀をいただいおおりたす。関係機関や関係者の方々に

心から謝意を衚したす。

参考文献

神戞倧孊2017「グロヌバルサむ゚ンスキャンパス䌁画提案曞」

平野真理2010「レゞリ゚ンスの資質的芁因・獲埗的芁因の分類の詊み:――二次元レゞ

リ゚ンス芁因尺床BRSの䜜成」『パヌ゜ナリティ研究』 19(2)、 pp.94-106

平野真理・梅原沙衣加2018「レゞリ゚ンスの資質的・獲埗的偎面の理解にむけた系統的

レビナヌ」『東京家政倧孊研究玀芁』 58(1)、pp. 61-69

科孊技術振興機構2015「グロヌバルサむ゚ンスキャンパスずは」

http://www.jst.go.jp/cpse/gsc/about/index.html 最終アクセス2018 幎 12月 17日

神戞倧孊兵庫県立倧孊関西孊院倧孊、甲南倧孊2018「根源を問い革新を生む囜際的

科孊技術人材育成挑戊プログラム」 『ROOT プログラム業務成果報告曞 (平成 29

幎床) 』http://www.jst.go.jp/cpse/gsc/about/h29_end/h29_end_kobe.pdf 最終アクセス

2018 幎 12月 17日

本論文の 1、2、3、5 は米谷が、4 は村䞭が執筆した。ルヌブリック衚は谷、蛯名、䌊藀

が䜜成した。

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村䞭 泰子 米谷 æ·³ è°· 節史 䌊藀 真之 蛯名 邩穎

補遺

到達床評定に甚いたルヌブリック評䟡衚ROOT2017 基瀎ステヌゞ甚

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