ボトムアップ型のプロセス改善活動...~東京海上日動システムズ の事例~...

25
~東京海上日動システムズ㈱の事例~ 東京海上日動システムズ(株) プロジェクト推進支援部 小此木 e-mail[email protected] ボトムアップ型のプロセス改善活動 SQiP2014

Upload: others

Post on 30-Jun-2020

2 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: ボトムアップ型のプロセス改善活動...~東京海上日動システムズ の事例~ 東京海上日動システムズ(株) プロジェクト推進支援部 小此木

~東京海上日動システムズ㈱の事例~

東京海上日動システムズ(株) プロジェクト推進支援部 小此木 敦 e-mail:[email protected]

ボトムアップ型のプロセス改善活動

SQiP2014

Page 2: ボトムアップ型のプロセス改善活動...~東京海上日動システムズ の事例~ 東京海上日動システムズ(株) プロジェクト推進支援部 小此木

All Right Reserved,Copyright(C)2014 Tokio Marine & Nichido Systems Co.,Ltd.

本日のアジェンダ

(1) 会社概要 (2) ビジネススキーム

1.東京海上日動システムズ

2.課題

3.課題解決への取組内容

(1) 2009年7月~2012年4月 アセスメントモデル(CMMI)をベースにしたアプローチ (2)2012年5月~現在 プロセスの課題をベースにしたアプローチ

4.CMMIレベル達成を活用した人材育成

5.実施結果

6.今後の課題

SQiP2014

Page 3: ボトムアップ型のプロセス改善活動...~東京海上日動システムズ の事例~ 東京海上日動システムズ(株) プロジェクト推進支援部 小此木

All Right Reserved,Copyright(C)2014 Tokio Marine & Nichido Systems Co.,Ltd.

東京海上グループのIT戦略を担うシステム会社 東京海上グループ情報システムの 企画・提案・設計・開発・保守・運用・ システム活用支援 ●設立 1983年9月 2004年10月 東京海上火災、日動火災、 システムグループ3社が合併して 東京海上日動システムズ(株)が発足 ●社員数 1,381名 平均年齢37歳 (2014年4月現在) ●本社 東京都多摩市

1.(1) 会社概要

多摩市ホームページから

SQiP2014

Page 4: ボトムアップ型のプロセス改善活動...~東京海上日動システムズ の事例~ 東京海上日動システムズ(株) プロジェクト推進支援部 小此木

All Right Reserved,Copyright(C)2014 Tokio Marine & Nichido Systems Co.,Ltd.

1.(1) 会社概要 SQiP2014

Page 5: ボトムアップ型のプロセス改善活動...~東京海上日動システムズ の事例~ 東京海上日動システムズ(株) プロジェクト推進支援部 小此木

All Right Reserved,Copyright(C)2014 Tokio Marine & Nichido Systems Co.,Ltd.

1.(2) ビジネススキーム

IT部門

東京海上日動火災・あんしん生命

情報化委員会

【委員長】 IT企画担当役員(CIO) 【メンバー】 主要サービス部門の部門長(21部門) 【事務局】 経営企画部、IT企画部

経営会議

お客様

アプリケーション オーナー ビジネス部門(商品開発、営業推進、事務設計など)

運用 パートナー

開発 パートナー

代理店

営業・損害

意見 要望

フィード バック

東京海上日動システムズ

IT企画部

運用 開発 支援

40名

1,400名

SQiP2014

Page 6: ボトムアップ型のプロセス改善活動...~東京海上日動システムズ の事例~ 東京海上日動システムズ(株) プロジェクト推進支援部 小此木

All Right Reserved,Copyright(C)2014 Tokio Marine & Nichido Systems Co.,Ltd.

①開発に必要なプロセスが分かりにくい ⇒ プロセスを整理・構築 ②プロセスの強み・弱みや陳腐化を客観的に把握できていない ⇒ CMMIを参考にして分析 ③プロセスに対し「やらされ感」を持つ社員が少なくない ⇒ 開発担当者(SQCパーソン)がプロセスを構築

2.課題 SQiP2014

Page 7: ボトムアップ型のプロセス改善活動...~東京海上日動システムズ の事例~ 東京海上日動システムズ(株) プロジェクト推進支援部 小此木

All Right Reserved,Copyright(C)2014 Tokio Marine & Nichido Systems Co.,Ltd.

2.課題

プロセスの意図や狙いを理解してプロジェクトを進めれば、品質の高いシステムをお客様に提供でき、結果としてプロジェクトの成功が社員の自信に繋がる

企業価値の向上 従業員満足度を向上

SQiP2014

Page 8: ボトムアップ型のプロセス改善活動...~東京海上日動システムズ の事例~ 東京海上日動システムズ(株) プロジェクト推進支援部 小此木

All Right Reserved,Copyright(C)2014 Tokio Marine & Nichido Systems Co.,Ltd.

(1) 2009年7月~2012年4月 アセスメントモデル(CMMI)をベースにしたアプローチ

3.課題解決への取組内容

(2) 2012年5月~現在 プロセスの課題をベースにしたアプローチ

SQiP2014

Page 9: ボトムアップ型のプロセス改善活動...~東京海上日動システムズ の事例~ 東京海上日動システムズ(株) プロジェクト推進支援部 小此木

All Right Reserved,Copyright(C)2014 Tokio Marine & Nichido Systems Co.,Ltd.

(1) 2009年7月~2012年4月 アセスメントモデル(CMMI)をベースにしたアプローチ

3.課題解決への取組内容

a. スケジュール

b. 構築したプロセス

c. プロセス構築時の工夫

d. 成果と評価

SQiP2014

Page 10: ボトムアップ型のプロセス改善活動...~東京海上日動システムズ の事例~ 東京海上日動システムズ(株) プロジェクト推進支援部 小此木

All Right Reserved,Copyright(C)2014 Tokio Marine & Nichido Systems Co.,Ltd.

(1)アセスメントモデルをベースにしたアプローチ

現行プロセスの診断

レベル2: プロジェクト管理能力の向上

レベル3: 開発作業自体の改善 (組織能力向上)

継続的改善サイクル の実現

ステップ4 ステップ3 ステップ2 ステップ1

2009年度 2010年度 2011年度第2四半期 第3四半期 第4四半期 第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期 第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期

現状評価   +計画策定

プロセス構築(Lv.2)

プロセス評価

教育

プロセス構築(Lv.3)

          プロセス構築

 計画 策定

展開

計画策定

教育展開

教育

展開

教育

展開

大きく4つのステップに分けて実施した。

a. スケジュール SQiP2014

Page 11: ボトムアップ型のプロセス改善活動...~東京海上日動システムズ の事例~ 東京海上日動システムズ(株) プロジェクト推進支援部 小此木

All Right Reserved,Copyright(C)2014 Tokio Marine & Nichido Systems Co.,Ltd.

(1)アセスメントモデルをベースにしたアプローチ b. 構築したプロセス

(a)ステップ2 基礎固め プロジェクト管理能力の向上

CMMIモデル成熟度レベル2相当のプロセスを構築

「進捗管理」や「トレーサビリティ」など

(b)ステップ3 開発手順見直し(組織能力向上)

CMMIモデル成熟度レベル3相当のプロセスを構築

「リスク管理」や「レビュー」など

(c)ステップ4 継続的改善サイクルの実現

プロセス全体の最適化と強化

SQiP2014

Page 12: ボトムアップ型のプロセス改善活動...~東京海上日動システムズ の事例~ 東京海上日動システムズ(株) プロジェクト推進支援部 小此木

All Right Reserved,Copyright(C)2014 Tokio Marine & Nichido Systems Co.,Ltd.

ワークセッション形式でプロセスを構築 議論の質と協働意識を高め、参加者の納得感を得られるよう、ワークセッション形式を採用した。

(1)アセスメントモデルをベースにしたアプローチ c. プロセス構築時の工夫

SQiP2014

Page 13: ボトムアップ型のプロセス改善活動...~東京海上日動システムズ の事例~ 東京海上日動システムズ(株) プロジェクト推進支援部 小此木

All Right Reserved,Copyright(C)2014 Tokio Marine & Nichido Systems Co.,Ltd.

「今なぜ?開発プロセス改革なのか」社内説明会の開催

目的: システム開発を担当する社員にプロセス改善の意義や背景を理解してもらう事

(1)アセスメントモデルをベースにしたアプローチ c. プロセス構築時の工夫

・全員が膝を突き合わせて ・各回10 人程度の少人数 ・期間3 ヶ月半 ・71 回開催 ・764 人が参加

SQiP2014

Page 14: ボトムアップ型のプロセス改善活動...~東京海上日動システムズ の事例~ 東京海上日動システムズ(株) プロジェクト推進支援部 小此木

All Right Reserved,Copyright(C)2014 Tokio Marine & Nichido Systems Co.,Ltd.

CMMIのレベル3相当のプロセスを構築・整備

(1)アセスメントモデルをベースにしたアプローチ d. 成果と評価

プロセスの構築 プロセスの使用

従来 プロジェクト推進支援部 SQCパーソン 開発担当者

今回 プロジェクト推進支援部 SQCパーソン

SQCパーソン 開発担当者

SQCパーソンは、プロセスの意図を

十分に理解できた

SQiP2014

Page 15: ボトムアップ型のプロセス改善活動...~東京海上日動システムズ の事例~ 東京海上日動システムズ(株) プロジェクト推進支援部 小此木

All Right Reserved,Copyright(C)2014 Tokio Marine & Nichido Systems Co.,Ltd.

(2) 2012年5月~現在 プロセスの課題をベースにしたアプローチ

3.解決課題への取組内容

a. 達成目標

b.取り上げた手段

c.達成度の評価

SQiP2014

Page 16: ボトムアップ型のプロセス改善活動...~東京海上日動システムズ の事例~ 東京海上日動システムズ(株) プロジェクト推進支援部 小此木

All Right Reserved,Copyright(C)2014 Tokio Marine & Nichido Systems Co.,Ltd.

(2)プロセスの課題をベースにしたアプローチ a. 達成目標

(a)課題 開発部の社員にプロセスが十分には浸透していない (b)目標 プロセスの定着率(実施しているプロセス数/実施すべきプロセス数)を向上 定着率の向上が目的化しないよう注意した。

SQiP2014

Page 17: ボトムアップ型のプロセス改善活動...~東京海上日動システムズ の事例~ 東京海上日動システムズ(株) プロジェクト推進支援部 小此木

All Right Reserved,Copyright(C)2014 Tokio Marine & Nichido Systems Co.,Ltd.

(2)プロセスの課題をベースにしたアプローチ

SQCパーソン 対象者(プロセス実行者)

そもそも、なんでこのプロセスが必要なのでしょう?

⑥狙いの確認

•それはxxxという 狙いがあるからです

•YYYという組織的意味もあります

⑦意図の説明 良くわかりました。

⑧納得

プロセスを浸透させるため、プロセス適用チェックに注力 プロセス適用チェック: 各プロジェクトで必要なプロセスが適切なタイミングで実施されて いることを各部のSQCパーソンが会議形式で確認する

b. 取り上げた手段

①実施状況の確認

③結果のレビュー

⑤改善事項の識別

②結果の報告

④問題抽出

SQiP2014

Page 18: ボトムアップ型のプロセス改善活動...~東京海上日動システムズ の事例~ 東京海上日動システムズ(株) プロジェクト推進支援部 小此木

All Right Reserved,Copyright(C)2014 Tokio Marine & Nichido Systems Co.,Ltd.

プロセスは定着しつつある。

未達部分とその原因

経験の浅い社員の定着率を如何にあげるか。

経験豊富な社員が実施していないプロセスは本当に必要なのか。

定着率=実施しているプロセス数/ 実施すべきプロセス数

2013年 69%

2012年 65%

4% 改善

c. 達成度の評価 (2)プロセスの課題をベースにしたアプローチ

SQiP2014

Page 19: ボトムアップ型のプロセス改善活動...~東京海上日動システムズ の事例~ 東京海上日動システムズ(株) プロジェクト推進支援部 小此木

All Right Reserved,Copyright(C)2014 Tokio Marine & Nichido Systems Co.,Ltd.

4.CMMIレベル達成を活用した人材育成

プロセス構築の結果・・・ CMMIのレベル3相当のプロセスを構築・整備

内製部門の課題・・・ ●若手社員は実践経験が少ない ●基礎数値データを蓄積する基盤がない

⇒ あと少しでレベル3を達成できるんじゃない?

⇒ CMMIで課題解決できるんじゃない?

SQiP2014

Page 20: ボトムアップ型のプロセス改善活動...~東京海上日動システムズ の事例~ 東京海上日動システムズ(株) プロジェクト推進支援部 小此木

All Right Reserved,Copyright(C)2014 Tokio Marine & Nichido Systems Co.,Ltd.

4.CMMIレベル達成を活用した人材育成 CMMIの主張(おそらく) メンバー全員が、自分の責任として、毎回のプロジェクトのなかで、プロセスを改善し、指標を改善していくことをめざして努力する。 その個人個人の強さがとても重要。 ⇒ CMMIレベル3達成は、人材育成に使えるんじゃない?

内製部門で取り組んだところ・・・ ・実践経験を踏むことで着実に成長 ・アプレイザルがエンジンに

SQiP2014

Page 21: ボトムアップ型のプロセス改善活動...~東京海上日動システムズ の事例~ 東京海上日動システムズ(株) プロジェクト推進支援部 小此木

All Right Reserved,Copyright(C)2014 Tokio Marine & Nichido Systems Co.,Ltd.

4.CMMIレベル達成を活用した人材育成 結果 ・内製部門の標準プロセスを網羅的に整備できた。 ・グローバルな仕事のやり方だと認められた達成感

SQiP2014

Page 22: ボトムアップ型のプロセス改善活動...~東京海上日動システムズ の事例~ 東京海上日動システムズ(株) プロジェクト推進支援部 小此木

All Right Reserved,Copyright(C)2014 Tokio Marine & Nichido Systems Co.,Ltd.

5.実施結果

トラブル件数

2013年 39件

2012年 48件

2011年 50件

年々 削減

システム品質は確実に良化している。

SQiP2014

Page 23: ボトムアップ型のプロセス改善活動...~東京海上日動システムズ の事例~ 東京海上日動システムズ(株) プロジェクト推進支援部 小此木

All Right Reserved,Copyright(C)2014 Tokio Marine & Nichido Systems Co.,Ltd.

アプリオーナーへのアンケートの平均点 30項目中27項目で改善

3.00

3.20

3.40

3.60

3.80

4.00

4.20

4.40

4.60

4.80

5.00

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

2012年度平均

2013年度平均

5.実施結果 SQiP2014

Page 24: ボトムアップ型のプロセス改善活動...~東京海上日動システムズ の事例~ 東京海上日動システムズ(株) プロジェクト推進支援部 小此木

All Right Reserved,Copyright(C)2014 Tokio Marine & Nichido Systems Co.,Ltd.

6.今後の課題 ・経験豊富な社員が実施していないプロセスは本当に必要なのか。

テーラリングを推進して

「プロジェクトで実施するプロセスは、開発部が自分達の裁量で選択し決定する」

・「やらされ感」を感じない

・開発部の裁量判断の的確さを

モニタリング

SQiP2014

Page 25: ボトムアップ型のプロセス改善活動...~東京海上日動システムズ の事例~ 東京海上日動システムズ(株) プロジェクト推進支援部 小此木

All Right Reserved,Copyright(C)2014 Tokio Marine & Nichido Systems Co.,Ltd.

ありがとうございました。

SQiP2014