Meiji University

　

Title ユゴーの｢サテュロス｣-サテュロスと神々-

Author(s) 渡辺,誠一

Citation 明治大学教養論集, 124: 35-71

URL http://hdl.handle.net/10291/4884

Rights

Issue Date 1979-02-01

Text version publisher

Type Departmental Bulletin Paper

DOI

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　https://m-repo.lib.meiji.ac.jp/

ユ ゴ ー の 「サ テ ユ ロ ス 」

一 サ テ ユ ロ ス と神 々

渡 辺 誠 －

HugOは,「 《存 在 》 とい う唯 一 の 問 題 が,《 人 聞 〉,《悪 》,〈無限 〉 とい う三

(1)

重 の様相 の もとに反映す るある広 が りを持 ったあ る種 の詩 の草稿」 を 書 き 上

げ,そ れ をもとに,《 進歩的 な もの》,〈相 関的 な もの〉,<絶 対的 な もの》 と呼

べる癖 詩三部作を制作し認 その第一翻 の叙事詩は,畑 の進歩趨 った

LαL99endedesS鋤1θsで あ る。

LaLegendedesS倫 」θ8は,人 類 の 母 で あ る 宜veか らギ リジ ア,ロ ー マ

の 時 代 を経 て,中 世,16世 紀,17世 紀,18世 紀,19世 紀,20世 紀 に至 り,未 来

の 裁 きの 日に及 ぶ まで の各 時 代 を描 き出 した詩 篇 に よ って構 成 され て い る。ら

Hugoは,こ の 叙 事 詩 の 《冒頭 〉,《 中心〉,〈締 め括 り〉 に それ ぞれ 巨大 な神

話 を当 て嵌 め た が,そ の 《中 心 》 をなす 詩 篇 が 加Satyreで あ る6

beSatyreは,Prologueを 除 い て,四 つ の 部 分 か ら成 り,そ の 各 部 分 の主

題 は,そ れ ぞ れ夫 空 の状 態 か らLEBLEU,LENOIR,LESOMBRE・L'・

ETOIL倉 な ってi,Nて,各 部 分 の 内 容 を象 徴 してい る。

Satyreは,自 然 の秩 序 を乱 した とい うか どで,Herculeに よ って神 々の 面

前 に 引 き出 され る。神 々 か ら命 ぜ られ て,《 野 獣 の 歌 〉 を歌 うが,歌 い な が ら,

Satyreは 少 しず つ 自 由 な 自我 を象 徴 す る精 気 を獲 得 して 行 く。 や が て,自 己

の 自 由 な存 在 に気 付 い たSatyreは,権 力 と暴 力の 象 徴 で あ る神 々や 国 王 を非

難 し,否 定 す る。 そ して,精 神 的 に も肉 体 的 に も 巨 大 な入 物 とな り;不 滅 の 自

一35-一

我 と霊 魂 を持 つ神 へ と変貌 して,最 後 にはPanと な る。

これ がhθSatyreの 粗筋 で あ るが,ヒ の長編 叙事 詩は,LaLegendedes

Sieclesを 解 く鍵 と も,Hugoの 哲学 的 宗教的教 義 の 要約 と も言 われて い る。

それ だけにこの詩篇 は難解で あ る。 一句一句慎重に考察 し,詩 篇全体の味解

(3)

Explicationを 行 わ な けれ ば な らない。

LeSatyreの 解 釈 や註解 はか な り多 くの詩 論家 たちに よ って行 われてい るが,

その大 部分 は,SatyreをHugo自 身 で あ る と断 定 し,Hugoの 私生 活 や政 治

的 な面 に まで も言 及 してい る。伝 記作 者 と して知 られ てい るMauroisは,次

の よ うに解 釈 して畜 る。rひ と りの謎 の よ うな,好 色 の,怪 物 の よ うな,天 才

的 な,英 雄 的 な牧 神 が,オ リュ ンポ ス山の時代 お くれ の神 々に 向 って,あ か ら

註 撲 難 を加詩 といラ驚 くべ翻t戦 の詩であった・サテユ・尺 醐 ヰユ

『f－自身で あると同時に,い かに も人間 らしい人 聞の化身 とも言 うべ きもので(4):

あ る 。」s・

■ ∨'1

こう!'ρた解轡 辮 櫟 飢 て 個条書に列挙してみよう・

Satyreの 住 ん で い る オ リ ュ ンポ ス 山 は,追 放 され たHug!、の 住 む ガ ー ン ジ

ニ島に・Saty「‥ 活躍す る糊 の森{ま,HugOの 創作に様 々な霊感 襲 える

岩場 麻 ・ ‥ 所、ル ●ハ ウスの師 こ醐 す る・

絶 えず発 情 し,淫 蕩 な色 好 みで あ るSatyre,Nympheた ち を追い か け,戯

れ るSatyreは,無 類 の精 力家 で,精 力絶倫 のHugo,老 い て もい っこ うに精

力 が衰 えず,死 ぬ ま ぎわ に な って もNympheた ち を強 く求 め たIlugoそ の も

ので あ る。

最 初g)笛 を捨 てて,さ らに大 きな笛で人 間 の進 歩 を歌 うSatyreは,好 情詩

人の竪琴の銀線 を叙事詩人の青銅の琴線に替えて人類の無限進歩 を歌 うHugg

で ある。

神 タ や 国 王 を前 に し たSatyreは ・ .Napoleon三 世 を前 に し たHugo,2ま

り1,オ,リ ュ 叱 ボ ス 叫 はNapgl60n三 世 が勝 利 をお さめ た テ ユ イル リー 宮 殿 で あ

り,Satyreが 神 々や 国 王 を非 難 し,否 定 す る態 度 は,HugoがNapol的n、 三

世 とい う人 聞 に 対 して反 対 の 立 場 を ど り,彼 を非 難 し,否 定 す る態 度 で あ る。、

-36一

(5)、これ は,LesChitimenlsの 延 長 で あ る。

Satyreが 絶 え ず 上 昇 し,Panに な ろ う とす る努 力 は,Hugoが つ ね に 完 全

た ろ う とす る努 力 で あ る。 ∵ ㌍

この 他,人 間 の 悲 惨 な状 態 に涙 を流 す 人 道 主 義 的 なHugo,国 王,戦 争 を敵

とす るHugg等 々で あ るρ'ぼ ., ,一..-

hθSat7reを 独isZし た 作 品 と見 な した場 合, t確 か にSatyreをHugolgttき

換 え,LC:po邑te品tyrC,・Hug〔}Satyreと す る ,こと が で き るで あ ～5、う。 レか し, .

LeSatyreは す で に 述 ざ た よ うに,Lα、L賠口4θdesS`飴1εSの 《中心 》 に あ

.?て,《 冒頭 ≧、と.《締 め 括 り〉 ≒を 結 び つ ける 重 要 な 作 品 で あ る。、、

Le .・Satyre、 を以前 の 作 品 に 結 び つ け るな ら,LesCo〃 御 呼1竺 ゴoμsζ)茸 学

的 な部 分 以 外1司 ま何 も ない 。x、ll .、 日 .f、:

Hugoは,Lest'ContetnPlatiqnsの 哲 学 を叙 事 詩 的 な作 品 に 結 び つ け るlgl

に 三 つ の 神 話 を作 り・LaLggen4.q4θsS抑1召sに 当 て 嵌 め た の だ と言 え る 。

「叙 事 詩 的 ジ ャ ンル に 哲 学 を結 び つ け るの を可 能 な ら しめ るの は ・ ま さに神 話

(6)の形式 で あ る」 のteか ら。,,. 1、 ∴..,t,

従 って,.五S脚 力囲 む 肋L卿 κ4σ4εs蹄C伝 中の一篇 「時 に は良 夜な

くな る程 まで に細 くな るが,決 して切れ る」 こ との ない 「人類 の迷 宮 の神秘 的

(7)

な偉大 な 糸」 に よって結 びつ け られ てい る作 品 として理解 さ拓Hugoの 私 生

活 や政 治観 な どの こ じつ けは抜 きに して味解 され な けれ ば な らな い6だ が, ,次

の よ うな結 論 に達 す る解釈 の仕 方 は あ ま り適 切 とは言 え ない 。　「これ ら の詩篇

(i`諸世紀 の伝説 』)に は著 者 は ま った く姿 を現 わ してい ない 。 それに,こ の著

者 は私 心 をは さまず,自 己 も放 棄 して,歴 史家 と して,ま たは,単 な る年 代記

(8)作 者 と して 語 っ てい る 。」'一 … ・h-lt-il…}

と こ ろ で,LeSatyreの 味 解 を完 全 な形 で 行 うとす れ ば,原 文 が す で に726

行 に も及 ぶ長 編 詩 な の で,尾 大 な分 量 に な る こ とは 聞 違 い な い 。 そ こで,こ の

小 論 で は,Satyreと 神 々の 状 態,態 度,心 の 動 きに 焦 点 を 当て,で き るだ け

(9)

原文 から離れない ように注意 しなが ら論考 を進 めた。

一 ・37一

PROLOGUE

LESATYRE

ギ リシア神 話に よれば,Satyreは,「 山羊の角や耳,長 い尾 に,蹄 の っい た

脚 をもち,毛 ぶか く,鼻 は低 く,口 は大 き く,しば しば興奮 した男性 器 を もつ,

ふつ うは若い成 年男性 の精 霊で ある。 しか し そ の心性 ぱ もっと素朴 に野性的

で,1遊 戯 をこのみ,色 情 的で と くにニ ンフたち をか らか った り,ふ ざけた りじ

て喜 ぶ。酒 も勿論大好物であ る。要 す るに野育 ちの 自然 児で,深 い た くらみや

強い 力 もな く,積 極的な悪 とは全然 かかわ りの ない,愛 すべ きいたず ら者」 で

あ る。 「彼 らは群れ て,あ るいは デ ィオニ ュー ソスや その他の 山野の神 に伴 づ

そ,・・跳ねまわ り醐 狂うほ し描 や笙をこのんで奏で謁 一に

Hugo『 のSatyreは,ギ リシ ア神 話 で伝 え られ てい る通 りの 姿 態 や行 動 を取

るが,'醜 悪 な姿 を した無頼漢で あ り,狩 猟 家であ り,夢 想家で あ る。 この詩篇

で は,Satyreはfaune,eegipan,chevre-pied,sylvainと 呼 ば れ て い るが,こ

れ は,HugoがSatyreと これ らの 神 々 とを混 同 してい るた めで あ る。 しか し

様 々 な呼 び方 を され なが ら も,そ の 実 体 が一 つ で あ る とい う こ と はisatyre

息が強 力な 唯 一 の神 で あ る とい う印象 を与 え る と同 時 に,Satyreの 実体 を大 き

な浮彫 とす るの に効 果的 で あ る。

Prologueに 於 て,す で にSatyreの 未 来 は寓 意 的 に示 され,結 末 が ほの か

に暗 示 され て い る。

Ilavaitl,innocenceimpudiquedeRh6e;

Soncaprice,bltifoisdivinetbestial,

Montaitjusqu.,aurochersacr6de1,id6al, 70

一38一

1-

LEBLEU

Herculeに 耳 をつ か まれJupiterの 面前 につ れ て こ られ たSatyreは,ま だ

野卑 で醜 悪 な牧 神 で あ る。

QuandIesatyrefutsurlacime・vermeille,・ ・

Quandilvit1'escalierc61estecomMengant,

OneΩtditqu'iltremblait,tantc'6taitravissantぷ.

● ・ ・"‥ φ ・ ・ ・ …".・ ….・ ・ ● ・ ・.',

'Ilboitait

,toutgGn6desafangeIpremiere;..一.;・ 、 ・:t,

Sonpiedfourchufaisaitdestrousdanslalumiere,

Lam6nstruosite.brutale .du'Sylvain、,t'

Etantlourdeethideuse .aunuagedivin,130

r

:・

Satyreは,身 体 が あ ま りに も物 質 的 に な り過 ぎて い るの で,神 の 支配 す る

荘 厳 な光 の 世 界 を 目前 に す る と,あ ま りに も強 烈 な まぶ し さに 眩 惑 させら れ て

し まい,・完 全 に 心 を奪 わ れ,震 え懐 い て しま うの で あ る。

B6ant,ilregardaitpasser,commeunessaim

DemOlleSnudit6ssans .丘n・continu6es,

Toutescesd6it6squenousn6mmOIlsnu6es.

C'6tait1'heureo立sortaientIeschevauxdusoleil;

Leciel`toutfr6missantdu』glorieuxr色veil,

OuvraitlesdeuXbattantsdesapOrtesonore;・':・

Blancs,.ilsapparaissaieptfo㎜idablesd'auro衣 ∋;

Defri÷reeux,cbmmfeunorbeeffraYant,'couvertd'yeux,

-39一

90

Eclataitlarondeurd1ユgrandcharradieux;

Ondistinguaitlebrasdudieuqui'tlesdirjge;

Aquilonachevaitd'atteIerlequadrige;'

Lesquatreardentschevauxdressaientleurpoitraild,or;

.FaisantIeurspremierspas,ils'se.¢abraientencor'

E血treIazoneobscureetlazoneenflamm6e;t 、

Deleurscrins,d,o白semblaitsortirunefum6e

Deperles,desaphirs,d'onyx,.de'diamantS,㌦`'

Dispers6eetfuyanteaufonddes,創6ments,"

・Lestro輌spremiers,1'α ∋ii・fier;1anarineernbraSl6e;

Secouaientdanslejourdesgouttesde・ros6e;一'・

Ledemiersecouaitdesastresdanslanuit...・

95

100

・,・105

『これはギ リシア神話の一節 「太陽神が四頭立の馬車 に乗 って,手 ずかち これ

(1)'

:を駁 して天 空 の道 を進 んで ゆ く」 か ら ヒン トを得 て描 き出 され た時 節 で あ る。

ギ リシア神 話 に よれ ば,四 頭 の馬 の 名前 は,「 大体 ピ ュロエ イス,エ ー オー

オス,ア イ,トー ンも し くは ア イ トプス,プ レゴー ンとい った よ うな風 で あ る。

その居 城 は,東 の,曙 が さ し初 め る方に あ り,天 空 を駕 して 日没 に至 れ ば太陽

は西 の涯 の極 洋 に入 り,そ こで沐 浴 と休 息 とをたの しんで か ら,黄 金 の 巨大 な

杯 に乗 って極 洋 の 流れ を航 してめ ぐり,ま た東 へ帰 り着 き,朝 と共 に馬 を御 し

(2)

て 天 に 登 る も の と 考 え ら れ た 。」'・ 一.噛 ・ ・'・ ・

Hugoは,昼 と夜 の コ ン トラス トの効 果 を巧 み に活 か し,み ご とな絵 画 を作

製 して い る。 この画 面の最後 を飾 る四 頭の 馬の描 写 に は言 葉 でほ とて も言 い尽

せ ない 美 しさが あ る。 すで に夜 か ら抜 け出て,朝 日を浴 びでい る三 頭,1…まだ夜

の世 界 か ら抜 け切 らず,星 を震 え させ てい る一 頭,1こ の 四頭の 馬の 描写 はRu-

bensやRembrandtの 絵 を喚起 させ る し,こ こに表 現 され てい る激 昂 や詩情

や色彩 な どはDelacroixを 思い 出 させ るo一こ の詩節 が こん なに も美 し・く憾 動的

なの は,内 容的 な面 か らばか りで は な く形 式的 な面 か ら も様 々な 工夫 が加 え ら

－t40一

れ,Hugo独 特 の 詩 法 が 駆 使 され て い る か らで あ る。 特 に,・101行 の 宝 石 類

Deperles,de'Saphirs,d'onyx,dedialnentsは,'・ この 画 面 を一 層 荘 厳 な もの と

し,精 神 的 に も感 覚 的 に も読 者 の 心 を満 足 させ るみ ご とな 効 果 を産 み 出 して い

る。it.'∴ct..∴1一 三'1∴、.

この 世 界 は まだ 悪 も存 在 せ ず,'唯 ÷ の 神 に よ らて 統 治 され て い る。t'「暗 闇 は

黄金 色 に染 ま り」全 体 は,「 厳 か一(・,幸せで,清 らかで,光 り輝 い てX5註 上

人 間 は,「 憂い を知 らぬ心 を保 って,t－労苦 や嘆 きも知 らずに暮 していたb・ ・i…

そ して あ らゆる善 は彼 らに備 わ ってい た。豊 かにみの る田畑 は おのず と彩 しい

実 りを吝 み な く与 え,彼 らは沢 山 な善 い もの を身 に し,落 着 い そ気楽 に仕 事 を(4)

して い た 。」 だ が ゴ この よ うな 世界 が長 続 きす る は ず が な か った ○ な ん と なれ

ば,被 造 物 は 不 完 全 な物 質 で あ るの だ か ら。 .'・ 、一 ∴ 、:・∴tt・t

lU「ncoil!i、etait・farouche;

La戸 「▲Ilai・nt・P「e・d・1'a諏 ・tiG・ ・g・neseρ ・u・hピ ∵-」 ,・・ttt .

Le・a・m・ ・ .dech・gunqesg・and・di・qx .qq・1'aUt・n ..、"・;_,.

G・ ・d・it・ ・6・e・e・assi・s・ ・des・ ・,dぼtit・n;1・ ・i'"i・:㍉ ・,品 ・ .i

LareposaitlaFo壬ceaveclqViolenqe;.、f41,・,115

0nvoyait,chaudsencor,fumerlesfersdelance; 一一.t..,;.

0皿voyait 、deslambeaUxdechairauxcoutelas

DeBellone,deMars,d,耳6cateetdePallas,:..・ 、.一 ・、.,

=T)escheveuxautrjdentetdusangaJa:foudrC.・ ・.、,:t{一 ・.一'・.i二 ・.:

slO:',

こ こで は,様kな 形 で 悪 の 根 源 で あ る神 々の 存 在 が暗 示 さ れ ・る6 .,ま ず 第 一

に,残 忍 な場 所Uncoinfaroucheが 示 され,・:次に,そ こで 輝 くもの が提 示 さ

れ る。 これ まで 光 り輝 く世 界 に 慣 れ て 来 た読 者 は1 .faroucheに ぶ つ か り少 々1

不 気 味 な もの を感 じて 少 し不 安 に な るが,,次 の 詩 句 で;brillqient.に 出会 っ'て再

び光 の 世 界 に 戻 った よ うfat安 堵 感 に 陥 い る。』だ が,Uば ら く進 ん で そ の輝 ・くも

ち

のの実 体 を知 って 愕 然 とす る。光 り.輝い てい るのは;:・巨大 な神 々の 武器 なので

一41一

あ る。 しか もその 傍 にはGorgone(怪 生の 女)が 横 に な ってい る。

'Gorgoneの 頭 髪 はすべ て蛇 で,歯 は猪の牙 の よ うで あ り,手 は青 銅 で あ る。

黄金 の 翼 を持 うて い て飛 ぶ こと もで きる。彼 女 の顔 を見 る者 はすべ て立 ち どこ

ろ に石 に化 して しま う と言 わ れて い る。

Gorgoneば か りで は な く,Force"(権 力の神)やViolence(暴 力の神)も 共

に体 を休 めて い る。

・・ForceとViolenceは,人 類 の 救い 主 で あ るPrometheeをZeusの 命 に よ

り,「 人跡 を絶 った鴫 野 の涯,ス キ ュテ ィア ともカ ウカ ソスの高 山の嶺 ともい

(5)

われ る巨巖 に礫」 に した神 々で あ る。Prometheeが 人 類 に与 え た恩恵 は,天 上

の火 を盗 み 出 し,そ れ を人 類 に与 えた とい うこ とば か りでは な く,「 家 を建 て

る こ と,気 候 を観 測 す るこ と,数 を数 え る こ と,文 字 を書 くこ と,野 獣 を飼い

(6)

馴 らす こ と,船 を作 って海 を渡 るこ とな ど」 を人 間 に教 え授 けた こ とで あ る。

従 って,Prom6theeは 人 類 に とって は文化 の精 神,知 性 の表徴 ともい うべ き存

在 で あ る。彼 の お蔭 で 「滅亡 に瀕 してい た人 類 は野 蛮 を脱 し,迷 妄の 眼 を開 か(7)

れ,よ りよい 文化の 状 態 に到 りえた」 ので あ る。 その 人類 の救 い主 をForce

とViolenceは 抹殺 しよ うと したの で あ る。

更 に また,こ のForceとVielencと は その 語感 か ら神 々の全盛 と切 り離 す こ

との で きない悪 の要 素 を喚 起 させ る。

詩句 は更 に進 んで,武 器 を どん どん製 造 してい る様 子 や戦 い終 って まだ その

ままに な ってい る武 器(肉 の切 れ は しが付着 してい る短 剣,髪 の 毛 のか らみ っ

い てい る三又 の 戟,血 の したた る投 槍 な ど)を 目撃 させ,神 々の残 忍 性 を感知

させ る。 また,こ の詩節 で列挙 され てい る神 々Bellone(戦 争 の女 神),Mars

(軍 事の神),Hξcate(地 獄 の女神),Pallas(ス テ ユクス河 の夫)も,そ れ ぞ

れ権 力 と暴 力 を欲 しい ま まに振 り回 す神 々の陰 惨な行 動 を予感 させ る。特 に,

H6cateは,妖 怪 変化 の 引率 者,魔 法 や幻術 の指 導者 と して 知 られ,「 郊 外 の

淋 しい夜道 を,恢 か な月光 の もとに,ロ 包聾 す る野犬 の一群 を後 に ひ きい,炬 火

(8)

を手に魔風のご と く疾駆 して過 ぎる。恐 ろしい女神」である。

こ うい った残忍で不気味 な神 々の存在は,・詩句の進行 と 共 に明確な形 を採

一42一

り,罪 悪 の 根 源 と して の 性 格 を顕 著 に して 行 くの で あ る'6-…

Homereに よれ ば,神 々の す み か(オ リュ ン ポ ス 山)は,最 初 喜 び に 浸 って

い た 。Satyreが 到 着 し・た の は,ま さに こ の よ うな 時 で あ った。Hugo・'は その

時 の様 子 を次 の よ うに 描 き出 す 。

Soudainil'secourbasousunfiotdedart6,・.・ ・'・'・-l

Et,lerideaus,6tanttoutacoupξcart6,

DansIeurimmensejoieilvitlesdieuxter}ibles.・ 』'.・';"135

これ は,'Satyreと 神 々 との 最 初 の 出会 い で あ る 。 こ こで は,神 々 を前 に し

たSatyreの 気 持 が 手 に 取 る よ うに 伝 わ って 来 る。.'「 ・'・'・'

Satyreは,自 分 が 野 卑 で 粗 暴 で,誰 が 見 て も醜 悪 な獣 で あ る こ・と を十 分 承

知 して い る の で,偉 大 な神 々に は 唯 ひ たす ら圧 倒 され る ば か りで あ るら 目眩 く

光 を浴 び て 眩 惑 して しまい,身 体 を屈 め,小 さ くな る ば か りで あ る。・神 々め浸

って い る 輌mmensejoieは,、こ れ か ら裁 判 を受 け る惨 あ なSatyre・ の 気 持 とあ

ま りに も対 照 的 で あ る。

神 々 は 何 不 自 由 な く,思 い の ま ま'の楽 園 生 活 を'送 らてい る6'『'・tt

".一,'t:・ 、'f4i㌔

Cesetressurprenantsetforts,cesinvisiblesl・'・ …;.・ ・;

Cesmco加usprof⑳dSde1'abime,'るtaientlb..・..tttl'・ ・

Surdouzetr6nesd'orqueVulCaincisela,・1・ ・'1…":.'.

Alatableo立jamaisollneseねssasie,一.・ ド;:-・,t・ ・… 一(・t

Ilsbuvaientlenectaret血ang6aientl'ambroisie.」:1;1'∵:・i…140

V6nus6taitdevantetJupiteraufond.・":・ 、 ・'・.'・'・ ・

Cypris,suflablancheurd'une6cumequifond,r/・ ・'・ ・

Reposaitmollemen .t,nueetsurnatUrellej・ ・..・

Ceinteduflamboiementdesyeuxfix6ssUrelle;:…'・t:'1・ヨEt,parmoments,avec1,encens,1escoeurs;'はesvceux,∴.〉'.!.・'s、'145

-43一

ToutelamersemblaitflotterdanssescheveuX.

最 後 の 詩 句 の 描 写 は,こ ーの 詩 篇 の 終 りで,SatyreがPanに 変 身 す る 時 の 描 写

Sachevelure6taituneforξ}t;desondes,

Fleuves,.lacs,ruisselaientdeSeshapchesprofondes; 692

と同 じ イメー ジで結 びつ き,対 をな してい る。・これ を,詩句 の絵 画性 とい う面 か

ら考 察す る と,精 神 的 に も肉体的 に も巨大 な ものが外 部的 崇高 さと内部的 崇高

さ と:の混 清 し・た描 写 に よ って叙事 詩 的 な崇 高 さに まで高 め られ て い る。唯,注ユ

意 しな け れ ば な らな い の は,こ の 巨大 な もの の 実 体 で あ る。 .一方 ・(v、146)が

禅 客 で あ るの に 他 方 .(v・692)はSatyreで あ る'・ つ、ま り,巨 ・大な もの が,神

神 か らSatyre.に 替 った の.で あ る 。':

と こ う で,'髪 を逆 立 て,ま っ黒 に な った醜 い 田舎 者(Satyre)が 出 現 す るの

を見 た神 々 の 態 度'と 気 持 は ど うで あ ろ うか?.,

チEtPOnvitapParaitrelefaUne,

・H6riss6,noir,hideux,etcependantserein,

Pareilauboucveluqu'aSmy血elemarin,・,

Ensouvenirdespr6s,peint:$urlesblanchesvoiles;

L,6datderirefou.montajusqu,au'xξitoiles,・

Sijoyeux,qu'un9をantenchain6Sousle.1nont・ ・

t:・:LevaIateteetdit:《 .Quelcrimefont・nsdonc?〉'

∫upiter,1epremier,ri乞;PorageuxNeptune',

Sed6rida,changeantlamer.et .laforttlne;"

Une・Heurequipassaitavecso耳'sablier.・ ・

S'arreta,laissant1'llomme>etＬaterreoublier;

Lagait6fut,devant'cesnarinescamuses,一,t:

-44一

、Stforte,、 ・qU'elle'osatneme'alleC'jusqu'aux'Muses;.「1・t'

.-IV6nu$todrna・ 』sonfront,.dont1,aUb6sevoila,'"t".'

Et'dit:〈Qu'est・ceque℃'estquecettebete-1ti?〉 一:a'225

EtDianecherchasursondosuneflさche;

-

PurneduPotailos196tonn6・resta「sbche;':'、 ・ ∴

Lacolofnbefermasesdouxyeux,etlepaon・'_..

DesarOuearroganteinsultaPεegipan;、"1';230

Lesdξessesriaienttoutescommedesfemmes;

Lefauhe,haletantparmiceS・9randeS'daMes,':・"る"∴'』

Cornu,boiteux,difforme,alladroithVξnus;

L・h。)m'me,chev,e・ebl。uゴ,eg。rd。,espi・d;'n・ ・;'一 ・・"

Al。,s。rl'、epAm。;Ma,§'。inb・a,SaMine・v・,'・',・'1・ ・ ■235

M6rcd恒,iflat。iil。'a・B。11。nさavec've・ve,『'・^

L。m。ut。ti。'Dianeab。yasur'r(Eta;t-.一 ■tttt:t

Letonnerre皿'yputtenir,il6clata;`一'";'

Lesimmortelspench6sparlaientauximmorteiles;

・Vul。aindan,ait;Plut。ndiSait込 。h。、e,t。116;:・;t1tt-'∴ …"PtO

QueMomusenξtaitpresqued6concert6;:

P。u。qit。1。1,ei。 とpot,et。tdre。n・lib。rte,・"・':'パ

宜ebe・caChait・JUn。n'derr三ere"sbn・iepaule;・.'1・t…/・1'

E油i。 』r、6{。nai日es・ む6tessu,桓 ・P61。.・ ・'''"・'・ ■'・ ・'・

.t-...1・ ・ 一,〆'・.:一,・ ・.'・ ・.:,'

Ainsi'les'dieuxriaieht.dupau†reipaysan.. ..r'i;245

神 々 の 高 慢 さ,優 越 感 は 最 高 潮 に 達 す る 。

最 初,Jupiterを は じ め 周 囲 の 神k・ は,1オ リ`ユ ン ボ ス 山 の 秩 序 を 乱 し た・犯 人

いD

が どん な人 物 か見 当 もつかず に/期 待 ど不安 の う・ちに犯人 の 出頭 を 符`つ て いヘノ ロ

る6ひ ょっと した ら自分 たち を圧 倒 して しま うよ うな,燦 然 と輝 く巨大 な雄 姿

一45一

の持 ち主か も知れ ない。神 々の内心には恐怖に近い一抹の不安が無い訳 ではな

い。だが,出 現 したのはみすぼ らい ・恰好 を した田舎者である。醜い顔 の無骨

者 がび っこを引 きひ きや って来たのである。神 々は安心 し切 って心の底 か ら笑

うことがで きたので ある。

ここでは,特 に神 々(権 力者 または上に立 つ者)の 無理解 と威厳 の無 さが指

摘 されてい る。

Hugoは,213行 で,

H6riss6,noir,hideux,et㏄pendantserein,

Satyreが 外見 上粗 野 で醜 い 無頼漢 で あ つて も,そ の ど こかに神 々を恐 怖 さ せ

る よ うな力(最 後 には神 々 を全 滅 させ る力)を 秘 め てい るこ とを感 じさせ よう

とす るが,神 々は 高慢 にな り過 ぎてい るため に それ には気 がつか ない でい る。

だが,鷲 だ けは それ に気付 き,神 々の最 後 の結 末 を予感 して不 安 に な り,真 剣

にSaryreを 見 ま も って い る。

Vaigle,qui,seul,n'avaitpasri,dressalatete. 267

Hugoに よれ ば ・ 普 通 人 の 知 覚 で きな い もの や理 解 不 可 能 な もの が,一 般 に

愚 か者,恐 るべ き者,醜 い 者 と して 嫌 わ れ て い る鷲,蓑,ガ マ,ロ バ な どに よ

って 知 覚 され 理 解 さ れ る こ とが あ る・ 例 へ ば,ロ バ は,80年 も探 究 し続 け た偉

大 な 哲 学 者 に も見 え ない もの(神)を 見 抜 くこ とが で き る し,醜 悪 な ガ マ を救.

い 出 す こ と もで き るの で あ る。 だ か らHugoは,、 こ うい った 存 在 を次 の よ う

に 称 え るの で あ る。

Bont6dePidiot!diamantducharbon!、

(9)Sainte壱nigme!1umiさreaugustedest6皿 さbres!

一46一

さて,神 々 か ら職 い 者 に され たSatyreの 気 持 に は,出 獄 した ば か'り のJean

Valjeanの 気 持 に 通 じる もの が あ る。 っ ま り,Satyreと 神 々 の 内 部 的 関 係 が

JeanValjeanと 社 会 の 人 々 との 関 係 を喚 起 させ る の で あ る。

(10)

汗 とほ こ りに まみ れ,「 なん ともい え ない 汚 な ら しい感 じ」 を与 え る、Jean

Valjean,「 髪の 毛 は短 く逆 立bて,青 い ズ ックの ズボ ンはす り切 れ てぼ ろぼ ろ

(ls)

に な り,片 膝 は抜 けて穴 が あい てい る。 古 び た灰 色 の 上 着 はぼ ろ着 同様」、 何

ともい え ない みす ぼ ら しい恰 好 を してい る。すべ ての者 か ら軽 蔑 と不 安 の入 り

混 じ った眼 差で眺 め られ る。 どこへ行 って も,宿 屋 の泊 ま り客 や通 りがか りの

人 たち に取 り囲 まれ て,ま くしたて られ,軽 蔑 され,辱 め られ る。人 聞 として

扱 って貰 えないの だ。 この男 の 出現 に,農 夫 の妻 は 「ふ た りの 子供 を抱 き あ

(12)

げ,あ わて て夫の う しろに隠 れ た。」 犬 か ら も追 い 出 され,iT犬 に もな れ な い

(13)

男 」。

LeSatyreで は,Satyfeの 出 現 に,H6beは ∫unonを 背 後 に 隠 し,鳩 や 孔

雀 や犬 さ え もみ す ぼ ら しいSatyreを 軽 蔑 し,嘲 笑 す る。s-'t

すべ て の 者 か ら忌 避 され,陵 辱 され る こ うい つた 下 賎 な 連 中の 気 持 は 誰 に よ

って理 解 され る の で あ ろ うか 。^

Hugoは,SatyreやJeanValjeanを 通 して,一 般 社 会 人 や 上 に 立 つ 者 の

く小 さ き者 〉 に 対 す る無 知,無 理 解,高 慢 さな ど を読 者 に 示 し,こ うい った も

の は,い つ か は 全 滅 される で あ ろ う し,ま た,全 滅 され な け れ ば な ら な い と主

張 して い る'・:」]『'i・

Eh・

II

LE:NOIR・

Satyreは,神 々か ら 「お ま え を救 う笑 い を続 け る た め に,野 獣 の 歌 を歌 っ

て 聞 か せ ろ」(v.255)と 命 令 されr(,静 か に 」・悲 しみ を お さ え な が ら歌 い 始

め る 。.`・ ・ ぺしひ

LeSatPtreの 第 一 の 主 題 「植 物 界 を養 う大 地 」 が 歌 わ れ る 。t∴.Ii

--47一

Satyre'は,ま ず,万 物 を生 成 し,'生 命 の 源 泉 で あ る精 気 を歌 う。 、L

・・ .い .i:、1・-t.・'・..tt

Lefroncementpensifdu§ourcildesrochers;

'・・Lav芭96tationauxmilletetes.So血ge;

Lesarbrespleinsdeventne'sontpas .oublieuX;

トィDa

.nsJilvall6e,aubord・deslacs,SurIeshautsＬieux,,

IIIsgardentlafigureantiquedelaterre;『"・ 、':

二Le・cheneestentretousprofond,fidさle,austさre;・ ・'、'300

11.prgtegeetd6fendleCoindqboisanlil .、

t".『 ・ ∵ ・ .:.1・'・.i'1."1'「.:↓ 『..$

.耳U90は, .こ の 世 に存 す るす.べ て の もの が 生 を有.し,自 ら を養 い,成 長 して:],る 介

い る と考 えてい る。植物 や動物 は言 うに及 ば ず石 まで が生命 を保 ち,魂 を持 っ

てい る:。生 命 や魂 を持 つば か りで は な く,感 情 や感性.もそ なえてい る。・だ か

ら,花 は鋏 を見 た り,そ の音 を聞い た りす る と恐怖 に戦 くの で あ り,詩 人 に解

けない .謎を:事物 に解)`・.て・も.らお う'とす る と,岩 は考 え こんだ表 情(v・293)に

な る の で あ る 。

・次 に ・Satyre.は,,..植 物 と 大 地 の 関 係 を 歌 う6=.s'… ・ ∴ ・:・・

`:.,、 ・ ㌧...ii.:'.・ 一－ a.、'、s4.一 鶴'・':・

,.》La.terresous、laplante,ouvresonpuitsnocturne...'.・

>Pleindefeuilles,defieursetdel,amasmouvant・.,

>DesrameauXque,plustard,soulさveralevent,

>Etdit:-Vivez!Prenez.C'esta「 、vous.Prends,brind,herbe

》Prends,sapin!-Laforξitsurgit;11,arbresuperbe320

>Fouilleleglobeavecttnehydresoussespieds;

>Laracineeffrayante'adklongscous士epli6s,・'・ ・

>Auxmillebecsb壱antsdansi/la'prof皿deurnoire,'..一 ・.、・'

>Descend,plonge,atteint1'ombreettachedelaboire,

>Et,bue,augfedera▲r,dUlieu,delaSais(》n,'.、.・'∴'㌔ ∴'325

-48一

》1/offreaucielenencens・oula'・cracheenpoison:

>Selonquelaracine,embaUm6eoumalsainei..

>Sort,parfum,de1,amour,ou,venin,de・1a.haine∵

>Dela,・pourleshξros,lesgracesetlesdieux,

>L'ceillet,lelaur三er-roseoule!ysradieux,・'・ ・"330

>・Et,!pour'1'hommequipenseetquivoit,1acigue.∴'

・ 、`.;i:∴ ・'一,、.1.1.:,三 ・:,

植 物 は 天 地 の 深 奥 か ら 上 昇 し て 来 る精 気 か ら 養 分 を 摂 って 成 長 す る の だ が,

こ の 精 気 は 万 物 を 生 成 す る勢 力,'生 命 の 源 泉 で あ る 。 植 物 は こ め 精 気 を得 る ご

と に よ っ て 大 き くな り,進 化 す る の で あ る 。 こ の 精 気 を・求 め る 植 物 の 動 ぎ は 物

凄 く,恐 るべ き も の'で あ る三`:、i∴ ∵ ∴ 三'tT":.∵ ∵'・IL-∵.1::"

・.地 中 を 蛇 行 す る 喬 木 の 根 は,.・ヒ ドラ(怪 蛇)の 生 命 力 と重 な って 活 気 づ ぎ,

強 力 な 行 動 を 開 始 す る ∫(W320-331)。 ま・た;… 植 物 の 飢 え の 状 態 は,:∴ 動 物 の そ

れ と結 び つ い て,machoirs(v.336),d6vorent(v.338),broute(v・341),

1adentdesplantes(v.:343)spaitre .、(V.343),・=manger・1(v・349)と な って ・

そ れ ぞ れ の 性 格 を表 わ す 。.・z',・,i。、∴.・,J'.'.・1・'・:… … ‥ い …パ ・1崩 ・;ヨ

Hugoは,時 々,事 物 の 生 き生 き.と し た 生 命 力 や そ の 内 部 的 な 動 ぎ 、を 表 出 す

る こ と に よ って,そ の 事 物 の 個 性 や 特 質 を 浮 彫 に す る』こ と が ある が,・1、こ の 描 写

が そ の 一 例 で あ る 。 絵 画 的 な 面 か ら言 え ば1内 部 的 生 命 が 喬 木 の 外 観 を 正 確 に

描 き 出 し て い る の で あ る 。 〆,、 ト∵;・,.一 ・;バ ・㍉:・.:・ ・… ㍉ ・二、..'・・,ゴ

Satyreは 深 淵 で 夢 想 し て い る か の よ うで あ つ た も.tt『:.-t', 、'・∴・・ll;

や が て,植 物 の 戦 い,被 造 物 の 恐 る べ'き 裏 面 な ど を、眺 め て い る う ち に,・SatYre

は1植 物 が 大 地 か ら精 気 を求 め る よ'う に,f自 我 とい う精 気 を獲 得 し よ う:と'努 め

る 。 一'・..:㍉ttl't',

IlavaitPairdesuivreunespritsouslaterre,、∫

'Ilsemblait'6pelerunmag三que-alphabet; ・ ,'・・、、i・

-49-一

One血tditquesachaineinvisibletombait;."t・'∵

11bril!ait;onvoyaits'6chapPerdesabouche

Sonreveavecunbruitd'ailesvagueetfarouche:360

・これ はSatyreの 解 放 の 始 ま りで あ る 。 一

神 々 はSatyreが 物 質 に 束 縛 され た存 在 で あ る と思 って い た の で,、Satyreが

ぶ ざ まで 滑 稽 に 見 え た の で あ るが,Satyreの 心 の 中 に は,す で に,自 我 の 意

識 が 芽 ば え始 め て い たの で あ る。 つ ま り,自 由 な 自我 を獲 得 し,一 個 の 人 間 と

して 意 識 的 に 進 化 して 行 こ う と して い た の で あ る。 この 意 識 の 現 れ は,Satyre

が その 内 部 に 光 を帯 び る こ とに よ って表 明 され る。.

Satyreの 身 体 は 少 しず つ 大 き くな る が,同 時 に彼 の 自我 意 識 も増 大 す る6'

.彼はMercureか ら借 りた 笛 を投 げす て,し ば し瞑 想 に ふ け る。 そ の 間 に 光 が

浸 透 す る が 、'そ の 光 は,ま るでSatyreの エ ネ ル ギ ー 源 とな るか の よ うで あ る。

∵..・'

'.Lesylvain,avaitfe㎜61esyeux;!・390

La艶teque,parmidesmouvementsdefiさvre,'・'

'血

prenaitetquittait,importunaitsalさvre;"i・;'

`L6faunelajetasUrlesacr6Sommet;'

Sapaupiさre6taitclose,onetitditqu,ildormait,

Maissescilsrouxlaissaientpasserdelalumiere.395

神 々 を前 に したSatyreの か な り大 胆 な態 度 で あ る。 笛 を投 げす て る時 の 様

子 もか な りぞ ん ざい で,借 りる時 の 態 度 とは う って 変 って い る。 カ オ ス(渾

沌)の 巨大 な魂 を歌 い 上 げ るの に は,Mercureの 笛 は も う小 さ過 ぎて,邪 魔 に

な るば か りで 何 の 役 に も立 た な くな って し ま った の で あ る 。

や が て,今 度 は か な り くつ ろい だ 態 度 で,

.C・1m・,ilp・it・ ・ngen・ud・P・se・deuxm・in・'`∴`・422

-50一

さ らに大 きな 笛 を手 に入 れ,神 々 を圧 倒 す る。 次 第 に 激 昂 す るSatyreの 額 か

らは,ま るで 「海 か ら引 き上 げ られ る漁 網 か ら海 水 が した た り落 ち る よう に 」

(v・452)'汗 が 流 れ 落 ち,「 髪 の 毛 はlybyenの 風 に吹 か れ た よ うに 揺 れ 動 い

て」(v.453)い るo

-<Marsyas!>mUrmuraVUIcain,.1,envieUxloUChe・ 一一 …

Apollonattentifniitledoigtsursabouche. 、、J420

・";

phoebuslui'dit:一 《Veux-tulalyr訂 －Jeveuxbien,〉 ..一 ・、

Ditlefau口e;et,tranquille,jlpritIa,grandelyre.、. ..',455

1

Alorsjlsedressadeboutdansled61ire ,t-1,1

、Dq・ ,・eves,d・ ・friss・n・,desau・ ・V・ ・,descieuk,.・ 一.1-」,;lt'

AvecdeuxprofondeUrssplendidesdanslesyeux・ ・ .,.・;、1.

.《llestbeau1>mumluraV6nUs6pOuvant6e.1-L.・ ←・.,、 ・

EtYulcain,s'approchantd'Hercule,dit:〈Ant6e.〉,・ 、460

Herculerepgussaducoudeceboiteux.x、,・:、,

1'Cr:e

ここでは;Satyreの 力に唖然 と し,恐 怖 さえ感 じ始 めた神 々の様子 が描 か

れ てい る。 ・ ・.∵;

Marsyasは1esSatyresの 一人 で あ るが,あ る 日野原 を散 歩.してい る折,.小

径 に落 ちてい る一管 の笛 を拾 った。'「これ を手 に入 れ たマル シ ュアー スは,生

れ つ きの 剥離 さ とす ば しこ く働 く小器 用 さか ら,い ろい ろ と試 み るうちおのず

か らこの術 を会得 し1野 山 をめ ぐり歩 くたび に,曲 お もしろ く歌 い奏 でて は,≡

ニ シフた ち を興 が らせてい た。 そ してつい には大変 な天 狗 にな り,技

自慢 の はて は,ア ポ ロー ン神 に もお さ・お さ敗 けは取 る ま い,な ど言 づて歩 い

一'51一

1た 。1:rf∵ ・t－ 一.'一 ・Ii':

1つ い に ア ボ ロー シ と,、サ テ イー ル の マ ル シ 己 ア ー ス と が,技 競 べ をす る 日が

来 た 。 立 会 は オ リュ ンポ スめ 神 々で あ った 。そ して 競 技 の条 件 は ラ 勝 者 が敗 者

を,思 うま まに処 分 しえる こ と,と い うの で あ っ認 結果 はiMarsya§ が敗

れ,生 きなが ら皮 を剥 がれ るこ とに な った 。 「何 故 あ なたは,私 自身 か ら私 を

引 き剥 がす の か。 も う後 悔 しま した。 ゆ る して 下 さい6笛 で こん な 目lt遭 わす

酷,あ ん ま りで 昇 」 こ うあ われ な －M。t、y。。は 臓 だ と言 袖 てい る'。・・

羨 み 深 い,藪 睨 み のVulcainはMarsyas!と つ ぶ や くこ 『と に よ う て,'"Ap'

polonに,昔 の 仇 敵MafsyaSと 強 力 に な らたSatyreiと を同 工 視 させ,tStityre

'に対 す るApPolonの 怒 り;2'燃 え上 が らせ よ う とず る'δ"Vulcainは1∴ 恐 らli〈,

SatyreとApPolonと を戦 わ せ る こ とに よ づて,Satyreを 消 し去 ろ う と思 っ

た の で あ ろ う。 だ が,Appolo皿 は そiれ に 応 じ よ1う と・しない ば か りか ㌧ 逆 に,

Satyreの 歌 に魅 せ られ て し まい,〕Safyre・ に 仕 え よ う・ど さ え して い る。App610n

は 自発 的 に 自分 の 笛 を提 供 す る亘 こ の 時 の'Appolon¢)態 度 は,lMarliyas'fに 懲

罰 を加 え た 時 とは ま るで 反 対 で あ る。

SatyreはApPolonの 好 意 を極 め て 自然 な 形 で 快 く・受 け入 れ るbつ ま:り,

ApPolonがMarsyasを 打 ち負 か した時 の く大 きな笛 〉(高 度 な詩 の 象 徴)を

・乎 に 入 れ た の で あ る。 これ は1∴ あ る意 味 で は,・satyreが ・Appolon:を1負 が し,

Marsyasの 仇 を打 った こ と に もな る 。i:"一 ∴"・'・ ・1'・・t・1,

Satyreは 立 ち 上 が り,予 言 者 の よ うに 陶 然 と してい る 。 彼 の 身 体 は も う不

恰 娃 で も醜 悪で もない・s彼の 眼 が あ ま りに も美 し く輝 い てい1るた めに ・醜 悪 な

部 分 が 見 え な く な って い る の で あ る 。 ド

V6加s/は 自 分 よ り美 し くな っ たSatyreを 見 て 恐 怖 に 襲 わ れ1思 わ ずIl・est

beau!1(v.459).と つ ぶ や い て し ま う 。 彼 女 に は,も う以 前 にQu'est・ceque

c'estquecettebete・la?(v;226)と 言 っ た 時 の あ の 高 慢 さ は 少 し も見 ら れ な

い6'・.二,晶..;i■,.1㌧ ∴1∴.`、;∴ ・三、

'ま す ま す 大 き くなb,強 力 に な るSatyreLを 何 と か し て 抑 え よ う とす るVul-

cainは,・ 合 度 はHerduleを 奮 、S立 た せJ'け し か け る'・"!1・1-・4・ ⊥ ∀1㍉ ・

-52一

Ant6e1は 旅 行 者 を と らえ て は 自分 と格 闘 さぜ,こ れ を負 か して は 殺 じ て い

た。Herculeは こ の 残 忍 な 巨人Ant6e・ ・を殺 す の に大 変 な苦 労 を した。・1とい う

の も,Ant6eは 母 で あ る大 地 に 触 れ る た び に 精 力 を増 した か ら1であ る○・Ant6e

を滅 ぼ す 方 法 は,彼 と取 っ組 み合 うや,・彼 の 体 を高 々と 差 じ上 げ,大 地 に触 れ.

ない う ちに 投 げ殺 す 以外 に 方 法 が な か った'6・Vulcain'1は この 残 忍 な 巨人fAntee

'の 名 前 をHerculeに 聞 か せ る こ・とに よ って,Ant6eに 対 す る激 怒 を'Satyreに

転 じさせ よ う とす る 。:だ が,Herculeも}VUIcain・ の 狡 狽 な 企 み に は め らず,

肘 で この 破 足 の 神 を 押 し返 す の だ つた 。'''"・

第 二 の 主 題 「あ らゆ る生 命 の 源,カ オ ス」 が 歌 わ れ る。

まず,Satyreは カaス を讃 美 し,こ の 世 の 始 ま り を歌 ・う・6t'ざ

:・ ・,、、 ・';.,∫ 一:"、}、`{.'㌧:・

:・"<Salut!Chaos!'gloirea'・laTerre!∴t'

Lechaosestundieu;songesteestl'616mentl;1.・ ・.;

Etluiseulacenomsacr6:Commencement.

C,estluiqui,bienavant・lafiaisSafi(ielde1'heure,':三l

Surprit1'aubeendor㎞ieau.fonddesセ 輻demeure,:…'400

Avantlepremierjour:et・le坪emier・ 血6ment;

C,est.luiqui,formidable,・lapPuYadouc《 き㎞6nポ

LagueuledeIaNuitauxl呑vresdel,Aurore,

耳tc,estdece・baiser.qu'Onvitlr壱toile'6clore.・'

Le.chaos.est .・'1'6pouxlqscif・del'infini.[.'i'.、 、

AvantleVerbe,ilarugi,siffl6,henni;

,.1.・,・',',

'続 い て,魂 の こ と を 歌 う ○'1.、't'"・

.,_,■.',・/・'.「 バ

,,t..Jt・ ・'・...L'ame!'.

〉,SOusl,arbre・'qui.btUit,P途sdumonstre.quibrame}.… ∵'・

-53一

'ノ>Quelqu,unparle.Cest .1,Ame.・Ellesortdu'chaos・ …'425

>Sanselle,・pasdevents,1emiasme;pasdeflot5,'

,・ 》 ・]L'ξtang;1,alne,{≒nsortantduchaos,1edissipe;

….〉.qariln,estquel'ebaucheetrameestleprincipe.

1,∵〉!L'Etreestd'abordlnoiti6bruteetmoiti6foret;・ 一,:

・>MaisPAirveutdevenid,Esprit,Phommeapparait.;'.430

>L,homme?'qu,est'cequec'estquecesphinx?11commence

>Ensagesse,δmystere!et五nitend6mence・ ・ ∵

,>Ocielqu,ilaquitt6,rends・luisonaged,or!〉

ト

,Lefaune,interrompantsongrageuXeSsor,'、.'.、 一,・ 、・,

0uvritd,abordundoigt,puisdeux,puisuntroisieme,435

9qmmg,.qu・1qu'unqui-c・mpte・enmemetemps・qu'il甑 ・

Etcria,surlehautOlympe・ †6n6r6:・ ・ 、 、:

・・ト='∵ ・ ・:、

〉 ρdi・ux! .・.1'a・b・ee・t・q・ ・e・1'・nim・1e・t・ac・e・

.>L'hommeestsacr壱; .respectalaterreprofonde!

.>Laterre.o立1'hommecr6e,invente,batit,fondes'

>G6antpossible,encorcach6dans1'embryon,

'440

～

ここで はHugOの 哲 学 的思考が要 約 されて い る。LeSatyreに おけ る哲 学

的思 考 につい ては別 に論 じられ なければ な らない が,こ の小 論 で必 要 な・こ とだ

.けを述べ て おこ う。 ∵'一 ・'∵,い'

Hugoに よれ ば,先 に も少 しふれ たが,す べ ての存在 物 が生 を保 ち,自 らを

養 い,成 長 してい る。植 物や動 物は言 うに及 ばず石 まで が生命 や魂 を持 つ.てい

る。r何 故 すべ ての ものが話す の か1そ れは,風 も,波 も,炎 も,木 も,草

も,岩 も,す べ てが生 きてい るか らなの だ。すべ て が魂 で満 ちてい るか らなの

(3)

だ 。」 も し魂 が な けれ ば,瘡 気 や 沼(v.427i428)は 単 な る澱 み に な うて し.ま う。

-pv・・一・54一

これ らの 存在物 は,そ れ ぞれ道徳 的 な責任 とか義務 を持 って お り,そ れ を果

た してい な けれ ば な らない。例 へ ば,ナ イアガ ラの 近 くの.「流 れ は髪 を振 り乱

(4)

し,そ の 辛い責 苦 に堪 え忍 んでい る。」 それ が流 れ の義務 で あ り,責 任 で あ る。

これ を守 る こ とに よ って,「 石 の よ うな鉱物 の生命 は草 木の よ うな植物 の生命

(5)

に昇進 し,植 物の生命は動物の生命 に昇進す る」ので ある。

この世の存在物は膳夫な階級に分れてい る。石 か ら木,木 から動物,動 物か

ら人間,人 間から天使,天 使 か ら神へ と上昇 してい る。 この階級の始ま りは超

自然の世界,地 獄の底である。その奈落の底 を覗 き込 む と,そ こには黒い恐ろ

しい太陽があって,夜 がそこから光 を放射 してい る。

(6)

UIIaffreuxsoleilnoird,ofirayonneIanuit!、

、 .._:・1,・.『L・1

この階級の最下位 を司るものは,鎖 につながれ た悪魔 たちである。位 は そこ

か ら次第に高 くな り,最 上位 は深遠なる神の世界,光 の世界であ る。人間は こ

の階級のち ょうど真ん中に位する6人 間は原 罪 を負bて い るので,絶 えず苦 し

み,そ れ を堪え忍んでいる。 これは前世か ら課せ られた義務である。物質的 な

誘惑に負けた り,悪 を 行 った りす る 人間は位 をさげられ てしまう。従 って,

我々人間の世界には,天 使 が堕落 して人間にな った もの と,動 物が救霊 を得て

人間にな ったもの とがい ることになる。つ まり,同 じ人間で も天使の よ うに崇

高な人間 もいれば野蛮で粗野で獣的な人間 もい るのである。 「罰せ られ た半神

たちと罪 をゆるされた怪物 とがひ しめ き合 ってい るのである。人聞が神秘的 な(7)

の は この ため であ る。」

$atyreは,崇 高 な存 在 となる可 能 性 を秘 めた人 間の象徴 で あ る。、

III

LESOMBRE

予言 者 の よ うに な ったSatyreは,神 々の 面 前 に い る・に も か か わ らず,∫・神 々

-55-一

の 存 在 を 完 全 に 無 視 し て,超 然 と・し て 歌 い 続 け る 。 、''"∵ 『.

….、第 三 の 主 題lf人 間 」 が 歌 わ れ る ポ,1.・.'1-:';.'i

'Satyreは,、 ま.ず,人 間 の 歴 史 を歌 い,.そ れ を 讃 美 す る 。'次 に ・《最 初 の 時 代 〉

・を 歌 い,地 上 の 楽 園,黄 金 時 代 を喚 起 さ'せ る 。,・'一

,'il.・:・

llchanta1'Honiine.Ilditcetteaverituresombte,'.1・ ・-'

'L'homine

,le"ehiffre61u,tete'auguStedullombre,'..i'∴'・ 、

・Effac6・par .safaute,et,dξsastreux'reflux,t.'、..'、c『;`'・.465

Retomb6danslanuitdecequ'onneVoitplus;t,、.`"・,

Ilditlespremierstemps,lebonheur,1,Atlantide;●

, ・…,い:ン:';㍉::・t、 い1・ .・ 三 ∴;:・t・-l

Hugoに よ れ ば,神 が 被 造 物 を 産 み 出 し た 瞬 間 は す べ て 崇 高 な 光 に 包 ま れ,

'ず べ

て 静 穏 善 良,真 実;至 純 か ら 成 る 強 烈 な 光 で 充 満 し て い た6

'∴1:・'∴..1.:・1'.1ピ 、」'∵1↓ , .、/t・ ・:.・'"J『"・'『},.tt,'・.

':1)e

savalanches-d,brs,6CroUlai6ntdaris1'azirr;1■ ・'・t

Le'joUren'廿amme,aufonddela・'terrelravie♪ ・t".':.・ ・....

.EmbrassaitleざloitaiA』sPlendides'dela'vie;.',・.'.: ...:J・

.L。nuit,e・diss。IV。itd。n。les6n。 ㎜ 。,。i。uk・: ..,・ ・L・ ∴:

'.Od,ienn。 ・t,embl。

,。ti,i。nn。pl,。,e,。u,i。nneS。 頑 £1・ ・:・,

・::

.'.:1'、'.'・ ∵i・:".,"∵r∴.1・L・.'一 ・,一.

爪 やliiElt・iこ捉 え られ 血 を流 す もの も な く,幸 せ な獣 は無 邪気 な彷裡 者 で あ っ

た。蛇 や鷲 や貌 はい か な る神 秘 も授 け られ てい なか った。つ ま り';被 造物 は物ク

質 的 な 重 み を 持 っ て い な か ら た の ぞ あ る 。・・だ が,こ の 至 福 め 状 態 が 長 く 続 ・く は

ず が な か っ た 。

LesContemPlationsで は,<悪 》 の 発 生 が 次 の よ う に 歌 わ れ て い る 。

Or,lqpremiさrefaute

F.ut,lepremier.poids.・ ∴.;-t・1∵',,」..・.・'』.`・'-,.・,…

一ー一・56一

,.・ ・ ∵,kDieusentitunedouleur,㌧ ・パ ・ ・.=/・/ ,.・ ・.]・'.・

LqPoidspritunefo耳ne,et,comme1'oiseleur・1・ .・,i∵ ・'r' .l

Fuit .emportant・?piseau'qui,frissonneet、quilutte,、,.'.・.1.'

ど11 .tomba,iltfainant1'angeξperdudans.・sa.・Chute.'.・. ,書..1∵'

(2)L

emal6tait・fait.・Puis,toutalla ,s'aggrqvant・;--1・.・,.lj

_.、 ・'., ,・.一.・ 、・",∴ ・.、.・ ○

神 は被 造 物 を不 完 全 に とい う条 件 つ 、きで 造 、った 。そ う,でな けれ ば,.被 造 物 は

創 造 者 と 同 じ高 さ,同 じ類 どな り,一 そ の 完 全 さ は無 限 の な か に 没 し,,神 と 湿

り,神 と溶 け合 って し ま うか らで あ る6、.この 不 完 全 さが 物 質 を生 み 出 す原 因 と

な り,悪 の根 源 とな った の で あ る。 t:i:∴.㍉'..・1・.パ ∵ ∴':、・i'∴i・・一…,ヨ

Satyreは,人 聞 の 悪 の 発 生 源 を次 の よ うに 歌 う。

1・;…1.・.,t'、Y.'・1・1丙.・il.,ii

H61as!comme ,Cadmus・ils,on,tbrav今 、.1elsgζt;'tt・ll,ii,1..∵ 一し'::s,f日

Ilsontsem61esdentsdelabete;ilensort

ipesspectrestgqrp・yant.c・mme,1a・f・uille .mg戊e・ ・.t… ・ 、.,.一,

Qqicgr中atten輻1'6P6ea .la,m,aini.βtqピemp9巾:.、..'・1・L'.、;,1

,L'6vanρuissementduveptmySt6rieux.・'、1 .1.'.'.';;,.∵ ・485

.Cesspectressont.les.ro三s;cesspCctres』 §ont 、les、di{≧ux・'『 、'、:i;',T.1え;.1

11srenaissentsansfin,ilsreviennentsanscesse;t't'1・ ,・,、・.,,.,j-tt＼ ・

L'antique6galitedevientsouseuxbass己sミe;・ .・: .i:.・.・ 、 ・.,、 ・1,

Dracondo皿elamainaBusiris;laMort

l .490

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Sefaitcode,etsemetaux.ordresdu.plu$、fort〆 巨 .,・,㍑,!

Etlederniersoupirlibreetdivins,exhale;、 、、i,….;,川

Sousladifformit6delaloicolossale;・1・ ∵'"・.,・.ft,,、 、.注;

パL'hOmmeseta三t,ploy6soUscetentas§ement;.:,'・'・.・ ら、・ ・川,・

Ilsevenge;ildevien七perverS;ii'vole,・ ・iii・前ent;fi!!

L,ameinconnueetsombreadesvices・d,edave;・t

.,;4'

";}

、sゴ.495

1,ふ 、パ

一57_

Cadmusは 女神Ath6naの 助 言に従 って 自分 の殺 した竜 の歯 を抜 き取 り,地

を耕 して播 い た。 「す る とその 畝が む くむ くと動 き出 して,ま ず初 め に光 った

槍 の切先 が現 われ,つ づい て兜 が,そ れ か ら肩,胸 と,胸 甲 を着 けた武 士 の姿

(3)

が出て来 た。 それ か ら武 士 たちは互 い に,血 な ま ぐさい殺 裁に熱 中 した。小 つ

ま り竜 の歯 か ら互に殺 し合 う人 間の 一族 が生 じた訳 で あ る。Hugoは,こ の歯

か ら生 れ たの は神 々と国王で あ る と想像 してい る。神 々や国王 は単 な る亡 霊 に

過 ぎない ので あ るが1人 間 は この亡 霊 に惑 わ され てい る。 この亡霊 に恐 れ をな

.し,そ れ らの言 い な りにな ってい る とい うの で あ る。"・'.

HUgoに と づて,神 々 と国王は,政 治 的,宗 教 的 な権 威 を発揮 し,権 力で人

間 を圧迫 す るとい う点で,同 一の存 在で あ る。l

IIdittouslesforfaiset.touteslesmiseres,475

Depuis-Iesroispeubonsjusqu'aUx'・dieuxP6usincさres.:1・ ・

it・1曇"1!1・}`

'ところで,国 王 とい うの は,権 力 と暴 力に よ って,つ ま り‡,絶 えず戦 うごと

に よ って その 世襲 的身 分 を保 持 してい るの で,必 然的 に 軍隊,戦 争,殺 入 と切

り 離 す こ との で きない存 在 とな ってい る。人 間 は この よ うな存在 を主 と仰 ぎ,

忠実 に仕 えてい る。人 間 が復讐 した り,盗 み を した り,嘘 をつい た りして堕 落

す る(v.494)の は 当然 なので あ る。

従 って,残 忍 な戦 争 は終 る ことが ないの で あ る○ 苛:'・ ∴

`iLamel6eenfeu

,1,homme色gOrg6sansremord,,・ビLagloire,etdanslajoieaffreuSedela'rnort'・'〉:

Lesplisvoluptueuxdes1)anniさresflotta血tes;・'r'…'.;

OnSerenCOntre,6ChOChideUX!1eSdeUXarm6eS,、 ・一"、511

Seheurtent,delameme6pouvanteenfiamm6es,・"・1

-Carlarageguerriereestungouffred,effroi.1・t…

Ovasteeffarement!・

-58-'

こ うい った恐 るべ きこ とが 生 じるのは;人 間 が神 々や 国王 に忠実 に仕 え,彼

らの言い な りに な って い るか らで あ る。人 聞 は,.す べ ての 物質 が戦 争 の加 担 者

とな ってい るので,す べ ての もの と戦 わ な けれ ば な らない 。',

>Touteslessurdit6ss,entendentcontrelui;

》]Leso11,alourdit,1'air.1'enfiさvre,1,eaul,isole';'、.:

>Autourdeluila,mersinistresed6sole;t,,:,,,一 、.'1560

>LeSflammeS,1eSeClairS,SOntCOntrelUi・serpentS;.1.、..、,ぼ

》Ledespote,etlanuits'ajoute・auconqu6ra血t;'・'・.… ∴;∴

1'.,.'・':.■ 、 ・∵ ～ ・_・li'

これ も人 間 が物 質的 な要 素 ・(獣性)か ら抜 け出 ず1・霊 的 な存 在 に な づ言 い な

い か らで あ る。 〈物 質〉 が く宿 命〉 どな うてい るか らで あ・る。㌧ ○:一パ

.1・ 一 ・.・ し 、,;:…,・ ・こt・.:i

・Uhomme6bauchξnesortqu,bdemiduchaosi・'・ …( ・'・ ・'・1…

E亡jusqu'盆!aceintUreil・plongedanslabrute;,.・ ・`'・:'、.fl':555

・:1

.,1…:'r.,・ 三 ・1'.1:・.'・1L

Satyteは,人 間 の 堕 落(過 去)・ を歌6た 後,・'今度 は 魂 と科 学 に よる 人 間 の

救 済(未 来)・ を予 告 し,人 間 性 の 復 活 を宣 言 す るρ∵ ・1'・・`・∵'『　∴':'・ビ

.:」 ∵.L.f.,ビ 、 、;ttt:r・'!1

》Oui,1'heure6nor町tevient,quifera・toutrenaitre,・ ・'"t;

>Vaincratout,changeralegranitenaimant,t-1・ ・

>Ferapencherl,ξpaule・aumorneescarpement,・:…i・'・ ・

>Etrendra1'impossibleauxhommes'.pぬticable.:、'.・ ・:一'

>Aveccequil'opPrime,avecCequiPaccable,:・::;:」580

>Legenrehumainsevaforgersonpointd,appui;ジ.

「t

、'・.t・ 、 ← ・;'='〆 ・

こ こで は,石 か ら金属 を取 り出 し.(v.557),山 の 急斜 面 を削 り,石 や金属

を採 取 して(v.578),そ れ を科 学 に役 立 て る こ1と1ま た,;そ れ まで人 間 を圧

一59,一

遺 してい た物質 を,今 度 は逆 にi人 間 が その物質 を用 い て(w580)自 分の 支

柱 を:うち立 て る こ とが暗示 され,'偉 大 な科学 の進 歩 を予感 させ てい る6』

Satyreは,'人 間 を解放 す る科学 め発 明品 と して,蒸 気機 関車,蒸 気船,飛

行 船 を挙 げてい るが,そ の表 現 方法 は極 めて象 徴 的で あ る。

》 .Sellerlacroupeenfeudes"souMさsde'1,enfer;a『 〉 一

>Etmettreu皿freindefiamm6'a',1agueuledufer11・

>Onleverra,vannantlabraiSedansson・crible,:"9'…

>Maitreet.palefrenier.d'unebeteterrible,　 '600

>Crianthtoutechose:〈Ob6is,germe,nais!〉'「.>AjUstaIItSur 、lebronzeet'1'aCierunharnaiSい

>FaitdetouslessecretsqueP壱tudeproCute,・ 、"1・

>Prenantauxmainsduventlagrandebrideobscure,

'>P

asserdanslalueurainsi・queilesd6mons三 、・・ ∴,、.,;:'605

・.>EttraverserIesbois,1es;fleUvesetlesmo血ts,_.,1'

>Beau,tenantunetorcheauxastresallum6e,

"〉'1§iXr:une'hydred'airainJd宇foudreetde'tum6e!

・>OnPentendracourirdansl,o、mbreavecle.bruit.

>De1'auroreenfonCantlesportesdelanuit!,610

>Quisaitsiquelque・j皿r,grandissantd'ageenage〆 ・1・1

>Ilnejetterapassondrago皿alanage,1・ …

>Etnefranchirapaslesnlers,lafiammeaufrOnt!ビ>Quisaitsiquelquejour,brisantI'antiqi!e』affro'nt,'}・

>11neluidirapas:《Envole・t6i,matiさre!〉.t...、.615

>S'ilnefranchirapoilltlatonnantefrontiere,1,・ …

>S'iIn,arracherapasdesoncorpsbrusquement

>Lapesanteur,peaUvile,immondevetement.

>Quelafangeh三deusealapehs6einflige,'・ 、.

-60一

>Desortequ'onverrateut.a.coupi6、prodige;'・ 『 ・.,,620

>Ceverdeterreouvrirsesailesdanslescieux!

Satyreは,人 間 に 向 って 「こ れ まで の 恥 ず べ き.束縛 は 捨 て・去 ,り,神 聖 な ・束

縛 を 取 れ!男,小 供,女 とい う三 重 の 《人 間 〉 に な れ!」 ・.(v.630,、631)・ と

励 ま す 。 そ れ と 同 時 に,物 質 を 離 れ,ま す ま す 霊 的 に な る よ う勧 告 す る 。 そ う

す る こ と に よ っ て 人 間 は 自 由 の 身 と な り,解 放 さ れ る の で あ る 。,...,・ ・唱、

;・.'."'i'1.,",:一_tttl1,'1't,」 ・1

》Transfigure-toi!va!soisdeplusenplus1,ame!∵,,∵.i

》Esclave,graind,unroi,d6mon,1arved'undieu,..

>Prendslerayon,saisisPaube,usurpe正qfeu;,lr…,,・:1ttt,.;'い 、.;..,・.・f,1

>Torseail6,frontdivin,Monte.aulouf,・m6nteaUtr6nejii、 一 ….・635

>Etdanslasombrenuit.jetrelespiedsdufaunel!〉 ∵1"i.'…,lt:{

1;・ .:∴:… い い`…"… ∴i

Satyreは,こ の よ うに 人 間 に 向 らて 呼 び か け,・ 命 令 し て い る が,・ 実 はs',一.1そ

の 対 象 は 半 ば 人 間 に な りか,け た,一'Satyrej・ 自身 な の で あ る 。'.特 に636行 の 詩 句

Etdanslasombrenuitjette・les.pieds.du .,faune!で は,.Satyreは ま・さ に

人 間 の 象 徴 と して 表 わ れ て い る 。・ ・./・ ・;'一:・,∵ ・い 、 ・い1

Satyreの 神kを 無 視 した 態 度・は,644行 まで続 くが,'Satyreの 上 昇 過 程 は

《光 〉 に よ って 徐 々 に 示 され て行 く。.「'・ 、、 ・"

・'=".・.:・'.・;::'∵ ソ・・…'y」:

Ilne-P・ ・n・ng・pas瘡len・md・P・ ・methe・ ・.・"・ ・'・"i…'-t-

Maisilavaitdans1'ceil1'6clairdufeuV'016';t/1'・473

Satyreの 眼 に輝 く火の 光 は,Prom6th6eの 盗 ん だ火 の光 で あ.る。prom6th6e

の人類 に与 え た恩 恵 は,す でに述べ たが,人 間に火 の効用 を教 えた ことば か り

で はな ぐ,',知性 や文化 を もた ら した こ とで あ る。・その知性 や'文化 の源 ど も言 え

一61・ 一

る光 を,Satyreは す で に保 持 して い るの で あ る。

Seulsurlaterreilalalueurfaciale;532

EtVOnvitpoindreauxyeuxdufaunelaclart6

DedeUxlam㎡'es'coulantcom㎞ebtfaverslaflatnme.一:.皇'

全 被 造 物 の 中 で 入 間 だ け が 顔iご 魂 の 輝 く反 映 を 持 つ こ と が で き る の で あ る

が,Satyreは 魂 の 象 徴 で あ る光 を,顔 面 全 体 で は な い に し て も,両 眼 に 現 、わ

し始 め て い る 。:一't='ド"1'∴':'"1〔 一.i'"t

ひ

1〆egrandsou伍evivant,cetrahs丘gurateuち";':'.,・ ・'・l

t・Luimettaitsous,lespiedslac61este三hauteur; 、.・1..・ ・ ㌦

Encercleautourde:luisetaisaientlesiBor6es;.・.1.1'

・'Et,commeparunfilinvisibletir6es,

Les-brutes,10upS,renards,ours,lionschevelus,:・ ・1'.545

`'Panthさres,s,apProchaientdeluideP1usenplus;'「-

Quel(iues・uneS6taiehtsi'pr壱s'・deSdi6uゴ とveriues,・ ・'∴

・Pasapas,qu'onvoyaitleursgueulesdanslesnues。."

次 第 に光 の濃度 を増 し,・物質,〈獣性)か ら徐 々に抜 け出すSatyreは,.今 度

は竪 琴の 名 手Orph6eの イメー ジと重 な る6・ ・l

Orph6eは 「オ リュ ンポ ス山の近 くに住 まい,歌 を も って衆 にす ぐれ,心 な

い野獣 や あ るい は森 の樹 々 をさえ感 動 させ た とい う6彼 は また例 の 巨船 アル ゴ

ーの遠征 に も加 わ り,音 楽 を以 て彼 らを激 励 した∂ また暴風 の ど きに,琴 を弾

じ歌 を うた って風 浪 を しず め,一 同 を感嘆 させ,あ るいは かの セ イ レー=ネスが

怪 しい歌 で一 同 をひ'きつ け よ うと した とき,正 しい楽 の音 に よ って これに打 ち(4)

克 ち,船 の 安 全 を保 つ こ とが で きた 。」

Satyreは,楽 器 に お い て も歌 に おい て もOtpheeと 同 じ力 量 を持 ち,・ ・同 じ

一62一

高 さに まで達 してい る。 つ ま りSatyreは 精神 的 に も肉体 的 に も神 々 と同等 な

状態 にい るの で ある。Satyreが 神 々に向 って教 訓 を与 え,命 令 口調 一(最初 神

々がSatyireに 向 って使 った 口調)で 語 ってい る と ころか ら察す る と○す で に

神 々 を凌駕 してい る とも言 え る。 また,540行 のtransfigurateUrはHugoに よ

って創 造 され た言葉 で あ り,SatyreのPanに 変 身す る前兆 を表 わ してい る。

威 圧的 にな ったSatyreに 対 しr(,神 々は どの よ うな様子 を してい るので あ

ろ うか。' 、

Lesdieuxneriaientplus;touscesVictotieux,,

Touscesrois,commengaient・aprendre証u .s6rieux・,、 ∴ ・ ・.::・ ・,ビ550

Cetteespξ1ced'esprit .quisortaitd'unebete.』...t、 一 、-t、

最 初 黒 く醜 悪 なSatyreを 見 て 大 笑 い し た 神 々 は,も う 笑 う こ と,さ え で き な

い で い る 。 物 質 か ら 抜 け 出 し,精 神 的 に 巨 大 な 存 在 に な っ たSatyreに 不 安 を

感 じ,事 の成 り行 きを真剣な面持 ちで見守るばか りで ある。-∴

t

、'「t、'1V-.'、

ク タ

1,,ETOILE-・ 、

ト

精 神的 に も肉体的 に もかな り成長 したSatyreが 本格 的 に変貌 し始 め る と,

神々の気持は不安な状態 か.ら恐れの状態へ と変 り,そ の恐怖 感は最高潮 に達す

る 。'1・ ≡':・ ・t∵ 、.∴.1..一 一 ～::

Unautre'e .tresemblaitsoussaface包pparaitre;

Lesdieu琴s,ξitaienttourn6s,inquiets,versle.Maitre,640

Et,penSifS,regardaient .JUpiterStUpξfait.

T!:`..….・`:1,、 い ・♪ ….;

鷲 の 予 感(v・267)し てい た 状 態 が,.こ こで 実 現 した の で あ る。一、 べtt:

-63一

."SatYr6は;恐 怖 に戦 く神 々 を前 に:して,神 々の 消滅 と唯]の 神 の到来 を誇

らがに歌 う○ ・.'、'富 ㊨1"『 層 ■ ∫ 一 ・,・:・'・..

;世界 が何 で あ るの か を知 らない神 々,権 力で征服 す るば か りで何 も解 ってい

ない神ki;1血 を流 し,・憎悪,欺 開,死 を播 き散 らす神 々,『心 の奥底 まで 見 え逐

い で しま う限界 のあ る神 々,・こ うい った もの は真 の神 で はない。真 実の神 は,

被 造物 を活 気づ け,1そ れ を発 展 させ る内部的 な力 で あ る。 そ の 力は全能 で あ

り無限 で ある。"・ltt－

Lesdieux,1esfi壱aux,ceux・d,ら φr6sent,ceuxd,もnsuite,1.:lr;'

り、、TraversentmaIueuret"sOnt・lamemefuite.ばt','・ ・:+・=ni

l

Jestlist6moinquetoutdisparait.Quelqu,unest.・./‥'i'・:・'・ 二665

Etleschosesqu'oncruteternelless'6croulent

㌔A

va泣qu・onaitletempsdecompterjusdu'bvingt.・ ㌶:∵

1.・ 、.・.[∵'¶ ∴1.'.'1.'tt・ ・-t:「,「

物 質 的 存 在 で あ り,亡 霊 で し が な い 神 々 は;Lilith-lsisが 天 使Liberteを 前

(D

に して消滅 す る よ りも早 く,何 の抵抗 もな く崩 壊 して しま う。

物質(悪 の要 素)が 消 えて精神(善 の要 素)が 増大 す る描写 は,す べ て

Hugoの く人類 の無限進 歩》 に通 じる。 ∵

最初 は物質 だが到着 点は魂 とな るこ と,「 悪 か ら善へ の,不 正 か ら正 義へ の,

虚 偽 かち真実 への,液 か ら昼 への,欲 望 かち 良心への,腐 敗 か ら生命 へ の∴獣(2)

性 か ら義務 べの,地 獄 か ら天 国ぺの,虚 無 か ら神へ の前進 主 これ こ そま さに;

LaL6gendedesSW1θSを 始 めか ら終 りまで,と い う よ りHugOの 生涯 を貫(ー

く彼 の宗教 的 思想で あ り,彼 の信念 で あ る。

次 に挙 げ る例 か ら も判 る よ うに1暗 闇 か ら光 ぺの移行 状 態は極 めで微妙 なタ

ジ チで描 かれ,そ の く光 ・と陰〉の 扱い方 は絶妙 で ある"。;i'`,

∫JiFl'・.・t:'

Ovisionterribleetsublime!bmesure

Quel'astregrandissait,la、Jarve-d6croissait;

-64一

L,ardentgrossissemehtde1,6toilepousSait.・"

Lilith-lsisvers1'ombre,etm創aitalafarige.ト ・・

Lefant6merong6'parlaclartξde・1'ange;.

Lesrayonsd6voraient1'affreuXlinceulfiottaht;、 ・'・f"l

L'etoileauxfeuxdivins,plusIargeachaqueinstaht,

M6t60red,abOrd,pUiSCOmさteetfOUrnaiSe,.'aiI,';:

lFOndaitlemOnStreainSiqU,ULnglaCOndanSlabraiSe.

L・「'"・ ・1.'・ ・ 『1'

(3)

Quand1,astrefutsolei1,lespectren,6taitplus.

∴ ・'・'-':㌧'・:".・ ・=三

`satyreは 神 々の 消 滅 を語 り'なが ら神 々 よ り巨 大 に;'∫ 並 は'ずれ ・て大 き く」(v.

683)な る6完 全 に 霊 的 に な った ・Satyreは,自 己 の 存 在 の 中に 宇 宙 のす べ て

を包 括 し,魂 を領 有 す る人 間 の 象 徴 か ら不 滅 の 霊 魂 を持 つ神 べ と変 貌 し て 行

ぐ。「..・:'・"・,'ト":∵.一

一 方 消 滅 寸 前 の 神 々 は、'Satyreか ら圧 倒 され て,縮 み 上 が り,・何 もなす こ

とが で き ない 。・た だ 立 ち.上が うて,'恐 るべ き巨人 が まず ます 大 き くな る の を唖

然 と して 見 守 る ば か りで あ・る〇 一'":['・

Satyrelは 更 に,・ 全 世 界 が 幸 福 に なる'た め に は も っ と全 面 的 に精 神 が事 物 のの

中 に入 り',・深 く浸 透 しな けれ ば な ら ない,と 訴 え か け るb"・ ∵1・.・'1

、Satyreの 歌 は,・;極 め て劇 的 な場 面 を展 開 しな が ら,激 情 の う ちに 最 終 部 に'・.L

入 る 。..`'tt'『 ・'..'-'一.";

.〉、Monde,toutlema豆vientdela.fOrrnedesdieux.

>Qn.fait・du、t亡n6breuxavecleradieux;・

>Pρurquoimettre'4u・dessusde1'Etre,desfant6mes～

>Lesclar蛤s,1es6thers,ne・s・n已asdesr・yaume,.、.、

>Placeaufourmillement6terneldescieuxnoirs,・

〉.DeSCieU文bleUS,.deSmidiS,rdeSaUrOreS,deSSOirS1,,

一'65一

ス

.715

>Placea1,atomesaintquibrOleouquiruisselle1

>Placeaurayonnementde・PameuniverSelle!

>Unroic'estdelaguerre,undieu・c,estdelanuit.

>Liberte,vieetfoi,surledogMed6truit!

>Partoutunelum三breetpartoutung6nie1

>Amour!touts'entelldra,tout6tant1,harmonie!

>L…u・d・ci・IS・ ・aPap・isement.d・Sl・up・.・

>PlaceaTout1JesuisPan;Jupiter!bgenoux・ 》

`・720

.720

ギ リシア神 話 に よれ ば,Panは,f上 半身 は人 間の姿 な が ら角 と 耳 は 山 羊

の如 く,腰 か ら下 は 山羊の脚 で,蹄 が つい てい る。肩 に は斑 な 山猫 の 皮 を 掛

け,腰 には一 管の笙笛 を手挟 む 。そ して 夕方 か けて,狩 を して帰 る山道 に,あ

るい は黒い水 を溜 め る森蔭 の泉 の ほ と りに,、しず かに低 く,あ るい は飛沫 を散

らす激 流の よ うに烈 し く急 に,歌 の 曲を鳴 りひび かせ る。 その 性 も活 濃 で 山野

を 自在に辿 り,陽 気 に戯 れ を好 み,家 畜 蕃殖の 司神 としてや や淫 蕩 に色 好み で'

(4)

も あ る。」 この よ うな 姿,性 格 か らPanは 時 々Satyreと 混 同 さ れ 易 い が,'

(5)

「サ テ ユ ロ ス よ りは 大 分 格 が 上 の,少 く と も二 流 神 格 」 の 神 で あ った 。

' -Plutarqueに よれ ば ,ロ ー マ 皇 帝Tibさreの 時 代,つ ま りJ6sus・Christの 生の

れ た時 代 に,「 あ る船 が ギ リシアか ら イタ リアに航行 してい た。 その と き,:パ

クソス島 の近 くで凪 にあ って,し ば ら く難行 した お り,夜 中 逮 か に 海 岸 で 何(6)

者 と もしれず馨 しい 物音 が湧 き起 って,タ ムー ズ と呼 ば わ る の が 聞 え た。」

ThamousとV.・ うエ ジプ トの舵取 りが返答 す る と,「 くお前 が バ ロー テズへ 往 っ

た ら,皆 に,大 い な るバー ンは死 に果 て た,と 伝 え て くれ〉と呼 ば わ った。船 がパ

ロー デ スの港 近 くに来 た と き,彼 は船 か ら 〈大い な るバー ンは,死 に果 て た ぞ〉

と叫 んで や った。す る とそれ に応 えて岸 か らは がや がや とい う驚 きの声 に,悼

(7)み 嘆 くよ うな物 音 が,湧 き上 が って 来 た」 とい うの で あ る。'・

パ ンメガぽ ス

〈大 い な るパ ー γ〉(パ ンメ ガ ー ス)は ∫《何 よ り も大 な る〉.'と同 音 で あ るの

で,Thamousは,「 何 よ り も偉 大 な シ シ リ.アの 神 タ ン ム ズ ・・(異教 〉・が 死 ん だ」

-66一

(8)

と叫ん だので あ ろ う,と 推 定 され てい る。 つ ま り,パ ガ ニス ムが滅 びて キ リヌ

ト教 が生 まれ た こ とを 伝 えてい るの であ る。PascalもPens6esで 「偉大 な る

(9)

パ ンは死 ん だ」 と叫 んで,パ ガニス ムの終 りとキ リス ト教 の誕 生 を告 げ知 らせ

てい る。

Panの 存 在 を以 上の ような イメー ジで捉 えて み る と,LeSatyreのPanは

全 く不可解 な存 在に な って しま う。 とい うの も,Satyreは もとも と牧神 で あ

り,最 後 に は神 々 を全滅 させ る巨大 な存在 とな ったので あ るか ら,ギ リシア神

話のPan牧 神 と同一視 す る こ とは不 可能 であ る し,ま た,PlutarqueやPagcal

の伝 え るPanと 見倣 した場 合,beSatyreで は すでに パ ガニ スムの 世界 が歌

われ てい るの で あ るか ら,再 び パ ガニス ムの復活,再 来 を告 げ るの は不 適切 で

あ る。

後年,]Panの 解釈 はい ろい ろ と行 われ てい るが,神 学 者や哲学 者 は;Pan

が ギ リシア語 の 《すべ ての もの〉 に通 じる ことカ・ら,《 全〉,、〈宇宙 その もの〉

と解釈 して い た し,・汎神 論者 は大 自然 をGrandPanと 呼 ん でい た。'・また,ア

レクサ ン ドリア時代 で は,Panを 自然 全体 の象徴 と見 倣 してい た。 こ の 他,・

Panは ・〈生命 の神〉,《すべ ての ものの神〉 として崇拝 され た ごと もあ った。

LeSatyreのPanは,こ うい った解釈 の総合 に更にHugoの 解釈 が加 わ っ

てで きた神,〈 何 よ りも大 き く,偉 大 な もの〉,宇 宙 のすべ て を包括 し,不 滅 の

自我 と霊魂 を持 った 《汎神 論的 宇宙神》 と見倣 す こ とがで きる。 「

beSatyreが 占め てい るル ネ サ ンスの時代(16世 紀)は,そ の特徴 だ けを捉

えれば,個 人主 義,現 実主義 の到来 した時代 で あ るとい え る。 中世で は無視 さ

れてい た個 我の 目覚 め,あ るが ま まの世界,あ るが ままの現 実(人 間)を 肯 定

し,真 剣 に生 きて行 こ うとす る生活態 度が生 まれ たので あ る。 「こ うい う人 聞

肯定,そ して人 間社会 の現 実肯定 の態度 はひ と り詩 や小説 に現 われ た もの では

なく政 治論や歴珊 究にも共通しそ認められるものであ鷲 」 この現実追求

の態度,現 実 その もの か ら出発 す る とい う態度 は,ま さに,ル ネサ ンスの基本

的態度 で あ った。`・",∴

-67一

Satyreカ ミ,

Le蛇elrenaitra,dompteurdumalimmonde. 643

と歌 って,現 実 の再現 を予告 したの も,こ の現 実主 義iを伝 え よ うとしたか らで

あ る。

;Satyreが 身心 と もに巨大 に な ってPanと な った時,つ ま り く耳ugoの 現 実〉

が完 全 に大 きな真実 とな って出現 した時,権 力 と暴 力 をふ るい,∧ 類 を圧 迫す

る残忍 な神 々,(悪)は,し ょせん物質 的 な 力で しかな く,現 実 を隠 蔽 してい る

幻 影 で しか ない ので,簡 単 に消滅 して しま うの で あ る。 ・.

またルネサンスの特徴 として,古 代文化 と異教文化の崇拝 と興隆 を挙げるこ

とがで きる。 当時g)人 々は古代 を尊び,古 代に心酔 し,L人 聞性の解放 を.求め(ll)

た。 「古典 古代 を直接 的,個 性 的に理解 しよ うとす るフラ ンス芸術家 の 世代 」

が誕 生 したので ある。 当時 の民 衆に と って フ ォ ンテー ヌブ ローの芸術 は,、何 と

も言 えない,す ば ら しい,魅 惑的 な作 品で あ った。[な ん とい う目新 しさで あ

ったこ とか 。女 性 の裸 体 が これ ほ ど誇示 され る よ うな ことは,こ れ まで どこに

も見 られ なか った。・それ は福音 を打 ち負 かす オ リンポスの神 々や,詩 神 で あ り,

(12)'歓 喜の う.ちに 肉体 の美 と生 きる陶 酔 とを祝福 す る異教 の民 その もの であ る。」

16世 紀 は,こ の異教 を形式 的 に採 り入 れ た訳 で は な く,異 教 の魂 その もの を

吸 収 したので ある。従 って,神 話 か ら発 生 した汎神 論 も当然 受 け入れ た訳 であ

る。 い

E.Rigalは,・1「 キ リス トが汎神 論 を阻 止 しなか った ら,汎 神 論は も っとは っ、

(13)

き りした形 で16世 紀 に到 来 したであ ろ う」 と述べ,汎 神論 が16世 紀 に与 えた影

響 を強 調 してい る。

この他 に,ル ネサ ンスの特徴 として,才 能の多 面性 を挙 げ るこ とがで ぎる。

(14)

つ ま り,「人 間 が 自然 か らさずか ったあ らゆ る能 力 を全面的 に伸 ばす」、こ とを理

想 としたの で あ る。 「事実 ルネ サ ンスは一人 で 文化 の ほ とん ど全領 域 をカバ ー(15)

す るよ うな多 面的 な才 能 を持 った巨人 を生 み だ した。」例 え ばDeVinciIが い

一68一

る。 「彼は芸術家であ るばか りではな く,築 城術,大 砲術の ような軍事科学で

も一家 をなし,解 剖学を研究 し,航 海術や天文学 も勉強 じ,飛 行術 ざえ・考えて

(16).'fL'・ ㌦い た 。」

当時 の 人 々 は,科 学 の 進 歩 と発 展 を通 し て人 間 を解 放 し,1更 に 人 間 性 を豊 か

ぎ ヒ 　 け

に しよ うとしてい た。 つ ま り,自 然 か ら与 え られ た能 力 を十 分 に発揮 す るこ と

に よって,人 類 の全 面的 な改革 を遂行 し よう と,じ ζい たの で あ る・ ,,

この ように16世 紀 を概 観 す る と1・髭Satyre'が ま'さに16世 紀 その も㎡の を象徴

してい る ことに気が つ く筈 で あ る。

(1?)-tt・ ノ

結 局,Satyreは,こ の詩 篇 の 副題 が示 す よ うに,ル ネサ ンス(耳 μgq】1自身

の抱 くルネ サ ンス)の 真髄 の 象徴 どしてr:LαL賠 ε掘 ¢dθs5`認eの 中に登 場

したの だ とい え る。∴ ぼ.r.三 －tI・

直t.:

この詩篇 を貫、〈見 えな～、.≦神秘的 な糸〉!㌧後退 しなが ら将恭の守仁入 ㌣ズ行

く進 歩,こ の 進歩 こそル ネサ ンスの 理 想で あぢ たので あ る。'・

.注1:

(1)(EuvresCemψ1冶tesdeVictDr』fugti;一 よC砧b盛anCais;ddlLiv}ei'iff・967^」'1970,

TomX,P・434・ 、…t, .:,),:∵,

(2)肋Lψ9・ 坤4・ ぽi∂ ψ ・・μF∫ 醜 β碑 ・・ρ吻 ・∵ 、.㍉ ∵ 、 ビ .

(3)荒 木 享 氏 がrも の の 静 寂 と充 実 』 に於 て提 唱 し工y・)る味 解 を意 味 す る。{い

(4)Andr6Maurois:OlympiooμLaviedeVicter1酎 跳 耳a(lhette,1954.、 『ヴ

ィク トール ・ユ ゴ ー』 辻 ・横 山 訳,新 潮 社,下,P・157～15婁1 . .,、

(5)ユ ゴーの 風 刺 詩 集 。1851年 の クー デ タで 亡 命 した詩 人 が,圧 制 者 ナ ポ レ オ ン三

(6)欝 欝 の蕊 竃隠 隠 霊 亀醐 歳 一 ・(7)(Euv。e。ComPlbles,・P.'・itlp;≧432.;t・ ∵ ∴"…dt

〈8)Emil。M。nteg・t・R帥 。,4,。D蹴 励 磁i5'Obi・b・e融'ごtざ 血 。,じ、LesGrandsEerivainsdeLaFrance,Hachette、1921j↑olhI.R.XCII.

ロ い 　 き

(9)紙 面 の都合で律 動や文体 の問題 にはふれ るこ とがで きなか つた。-..

PROLOGUE

(1)呉 茂一著rギ リシア神話』新潮社版1974年 。179頁 。(以 後 『神 話』 と略記 す

る).・ 三 .'・:い.'一,・.・ 、・・∵ ビ 、

LEBLEU'"}、 ・ ∴:}・:

(1>『 神 話 」,P.2β..1バ ーtt.1'tぼ..亀 ∫ ・l」,

-69-一

ぐ2) 同 上 『

Te対e,v.110 ...(の

『神 話 』tp.33.(4)

同 上,P.37.(5)'伺 上

,p.36.(6)

同 上,p.37.(7)

向 上,p.109.'"(8).

VictorHugo:La・LψgendedesS諺c'θs,LaPl6iade,1950,.p.658.(9)

(EuvresCo栩 ㌘'冶蛤,OP.cit.TomXI,P.・93...,.(IO).

(11)∬bid.

(12)Ibid.p.97・ ・v98.、"'"一

・(13)㍑ ∫bid,P.98:..1'、

:』1'い.∴ ・'"∵,E' ..』 ・,LENOIR'.・ ・●

(1)「 神 話 』,P.100,

(2)、.同.± ・P・IQI・. ...,.,

(3)"-VidtorHu96:'"Les'Con'teMplatioits,Garllier,1962,'p:325.・

(4)LaLe'gendedesSiecles,、LaPl6ia{le,op.cit.p.435,1.

(5)L已 ノb"rnalD'AdeleHecgθ,Minard,1968,TomI.P.266.

( .6)LesCoπ'θ 〃功lation・OP・cit・P・329・

.、,、(17){;直 唾 剛 ・utgi・ …p・1ρit・ 、;P・-138、 一.. . .、 ・・

(1)

(2)

(3)

(4)

)

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可⊥

9旦

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〈,3)パ 、ia .Fin,ば ぽ 麺 ・?P・git・

LESOMBRE

LaLegendedesS∫ 壱ε1召s,La'PI6i乞de,6P.cit.・

LesContemPlations,'op.cit,・ 『p.326.

'

『神 話 』,『P.26(;,L・ ・1"・t/'

同 上,p.150;'・ ・

'

L' ..'L,ETOILE.

VictorHugo:LaFipdeSatan,LaPl6iade.ロロ　エン ぼ

auvresComψtetes,op.cit.TomXI,p.869.

ビ

p:1gLN20・

1950,Pr .926・}

(4)∫+一『神 話 』・.P・184.・ ・,,...、 .,

(5)同 上

(6)同 上,P.'188.-.".

(7)同 上

(8)同 上,・P.189.

(9)世 界 文 学大 系 『パ ス カル,デ カル ト』 筑、摩i書房p.304.'

(1の 『世 界 の 文 学 』(ル ネ サ ン ス)新 日本 出版 社P.34..

(11)P・ ガ ク ソ ッ ト著 『フ ラ ンス人 の歴 史 』 皿 内 海利 郎 訳,み す ず 書 房,pi344.

一70一

(12)同 上

(13)EugeneRigal:Victm'品go,Po冶teZpieue,Societ6Frangaised,lrnprimerie

etdeLibrairie,p.89.

(14)『 世 界 の 文 学 』op.cit・P.37.

(15)同 上

(16)同 上

(17)SEIZIEMESIECLERENAISSANCE-PAGANISME

こ の 副 題 が 定 ま る ま で に は,次 の よ う な 経 過 が 示 さ れ て お り,Hugoの 苦 心 し た 様

子 が う か が え る 。SeiziemeSiecle/SeiziemeSiecle:LemythePaienretrouve/

lemondepaienretrouve/1epoさmepa董enretrouv6/Paganisme,?SEIZ聴ME

SIECLE./～RENAISSANCE.PAGANISME/LESATYRE.

附 記 。LeSatyreのTexteは,

L色vy,1877,2voLを 使 用 。

LaLegendedessiecles.Nouvelleserie.C.

、

一71一