ユーザー志向のパートナーシップ戦略を推進...

2
の量産製品にそのまま組み込めるエアマイクロ さんのZigBeeモジュール「AM-205」を組み合 わせた点が異なります(図2)。つまり、単な る評価目的ではなく、最終製品そのものの開発 支援までを対象としている点が今回のソリュー ションの特徴です。 センサネットワーク構築に最適 今日はエアマイクロの木佐貫社長にも来てい ただいています。最初にエアマイクロについて 教えてください。 木佐貫:エアマイクロは2004年11月の設立 で、無線開発に特化したエンジニアリング会社 です。無線開発には様々なノウハウと経験及び 測定技術が必要で、単に無線ICをプリント基 板に搭載しただけでは十分なパフォーマンスは 得られません。たとえば、周辺部品の選定やプ リント基板の微妙な引き回しで、無線モジュー ルの特性は大きく変わってしまいます。当社は まだ少人数のベンチャー企業ですが、様々な無 線開発に対応できる人材を備えており、大手 メーカーを含め多くの問い合わせや開発委託を いただいています。 無線といってもさまざまな方式がありますが、 どのような分野を得意としているのですか? 木佐貫:当社への 引き合いでもっとも 多いのはZigBeeです。 2008 年 に 8051 ベ ー スのZigBeeモジュー ル「AM-201」を 開 発 しましたが、おそら く世界でもっとも小 さなZigBeeモジュー ルではないかと自 負しています。また、WiMAX、無線LAN、あ るいはBluetooth関連の引き合いも増えて います。基本的には、下はRFIDで使われる 13.65MHz 帯 程 度 の 周 波 数 か ら、 上 は 無 線 LANで使われる5GHz帯まで、さまざまな周 波数帯やプロトコルに対応できる技術力を備 えています。 今回、IARとパートナーシップを組んでソ リューション展開を図った ZigBee モジュール 「AM-205」について紹介してください。 木 佐 貫:「AM-205」は、ZigBee プ ロ ト コ ル の国際標準規格であるIEEE 802.15.4準拠の MAC お よ び PHY を 内 蔵 し た Cortex-M3 プ ロ セッサを、チップアンテナとともに、16.0mm ×10.0mmの小さなボード上に実装した ZigBeeモジュールです(図1)。TELEC(財団法 人 テ レ コ ム エ ン ジ ニ ア リ ン グ セ ン タ ー)の 工 事設計認証を取得していますので、お客様の 量産製品にそのまま組み込むことができます。 また、待機時の消費電力を0.8μA以下に抑え ているため、乾電池やボタン電池で長期間に 亘る動作が可能です。これと組み合わせる開 発ボードの「AM-205EB」には、温度センサ、3 軸加速度センサを搭載させていますので、セン サネットワークの評価を簡易的に行う事がで きます。 そもそもZigBeeにはどのような特徴があり、 どのようなアプリケーションに適するのですか? 木佐貫:ZigBeeは免許を必要としない2.4GHz 帯を使った近距離のワイヤレスネットワーク のひとつです。データレートは250kbpsとそ れほど速くありませんが。最大の特長は低消 費電力化が図りやすいところにあります。た とえば、一般的な無線LANと比べて、送受信 パワーはおよそ1/5から1/7程度しか必要と しません。また、スリープ動作からの復帰に 1秒ないし2秒もかかるBluetoothとは違って、 ZigBeeは一瞬で起動します。そのためスリー プ動作からの切り替えで無駄な電力を消費す ることがほとんどありません。こういった特 徴を持つため、スマートビルやスマートハウ スでの温度や明るさのセンシング、衝撃セン サと組み合わせたセキュリティのセンシング など、幅広いアプリケーションへの導入が始 まりつつあります。 松田:当社のお客様でも、ZigBeeに限りま ZigBee 開発 プラットフォームを発表 IARはC/C++コンパイラ・デバッガ「IAR Embedded Workbench」などで広く知られてい ますが、2010年12月に新しいソリューションを 発表したそうですね。概要を紹介してください。 松田:今回IARでは、エアマイクロさんと の パ ー ト ナ ー シ ッ プ の も と、「ZigBee 開 発 プ ラットフォーム」というソリューションの提供 を開始しました(図1)。このソリューション は、当社が提供するARM用IAR Embedded Workbench( 通 称「EWARM」)の 30 日 間 期 間 限定版とARMコアベースのマイコンに対応し たJTAG ICE「J-Link for ARM」に、Cortex-M3ベー スのマイコンを採用したエアマイクロさんの ZigBeeモジュール「AM-205」×2セットとそ の開発ボード「AM-205EB」×2セット、それ にZigBeeのスター型通信サンプルソフトウェ アやケーブル類を組み合わせたソリューション です。近距離ワイヤレスネットワークである ZigBeeアプリケーションの評価と開発を目的 としており、価格は98,000円(税別)です。 IARはこれまでにも「 IAR ARMソリュー ション」としてUSBやイーサネットのプラッ トフォームを提供してきましたが、今回のソ リューションはどこが違うのでしょう。 村井:IARでは、Cortex-M3 またはARM7 ベー スの「TCP/IP開発プラットフォーム」と「USB ホスト開発プラットフォーム」、ARM7または ARM9ベースの「LCD開発プラットフォーム」 を 提 供 し て い ま す。 こ れ ら は、EWARM( 評 価 版)を中核に、「ARM デバイス評価ボード」、リ アルタイムOSであるイー・フォース株式会社 の「μC3」(評価版)、イー・フォースや株式会 社グレープシステムが提供する各種ミドルウェ ア( 評 価 版 )、 当 社 の JTAG-ICE「J-Link」、 そ し て「ボードサポートパッケージ」などを組み合 わせて総合的にご提供するもので、導入後すぐ にデバイス評価とアプリケーション試作が行え るようになっています。ただし、これらのソ リューションはソフトウェア開発を目的とし ているため、お客様が製品を展開される場合 は、ハードウェア部分はお客様ご自身で別途設 計していただく必要がありました。一方、今回 の「ZigBee開発プラットフォーム」は、お客様 組込みマイコン用のC/C++コンパイラ・デバッガ「IAR Embedded Workbench」で世界的に定評のあるIAR システムズはパートナー 事業の強化を推進中である。量産製品にも使えるボードやモジュールに「IAR Embedded Workbench」を組み合わせることで、顧客 の開発期間の短縮や開発コスト削減を支援したい考えだ。今回、エアマイクロ社とのパートナーシップによる「ZigBee開発プラッ トフォーム」を新たに展開し、ワイヤレスネットワークに対する顧客ニーズに応えていく。 IAR システムズ株式会社 セールスマネージャ 村井 一仁 図 2:ZigBee モジュール AM-205 図 1:TELEC 認証済みの Zigbee モジュール搭載 ZigBee 開発プラットフォーム 株式会社エアマイクロ 代表取締役 木佐貫 靖 30 ARM PARTNERS SUCCESS ARM PARTNERS SUCCESS 31 Success STORIES IARシステムズ株式会社 Success STORIES IARシステムズ株式会社 ユーザー志向のパートナーシップ戦略を推進 ZigBee開発を加速する プラッ トフォーム 第一弾として投入

Upload: others

Post on 24-Mar-2020

1 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

の量産製品にそのまま組み込めるエアマイクロ

さんの ZigBee モジュール「AM-205」を組み合

わせた点が異なります(図 2)。つまり、単な

る評価目的ではなく、最終製品そのものの開発

支援までを対象としている点が今回のソリュー

ションの特徴です。

センサネットワーク構築に最適

今日はエアマイクロの木佐貫社長にも来てい

ただいています。最初にエアマイクロについて

教えてください。

木佐貫:エアマイクロは 2004 年 11 月の設立

で、無線開発に特化したエンジニアリング会社

です。無線開発には様々なノウハウと経験及び

測定技術が必要で、単に無線 IC をプリント基

板に搭載しただけでは十分なパフォーマンスは

得られません。たとえば、周辺部品の選定やプ

リント基板の微妙な引き回しで、無線モジュー

ルの特性は大きく変わってしまいます。当社は

まだ少人数のベンチャー企業ですが、様々な無

線開発に対応できる人材を備えており、大手

メーカーを含め多くの問い合わせや開発委託を

いただいています。

無線といってもさまざまな方式がありますが、

どのような分野を得意としているのですか?

木佐貫:当社への

引き合いでもっとも

多いのは ZigBee です。

2008 年 に 8051 ベ ー

スの ZigBee モジュー

ル「AM-201」を 開 発

しましたが、おそら

く世界でもっとも小

さなZigBeeモジュー

ル で は な い か と 自

負しています。ま た、WiMAX、 無 線 LAN、 あ

る い は Bluetooth 関 連 の 引 き 合 い も 増 え て

い ま す。 基 本 的 に は、 下 は RFID で 使 わ れ る

13.65MHz 帯 程 度 の 周 波 数 か ら、 上 は 無 線

LAN で使われる 5GHz 帯まで、さまざまな周

波数帯やプロトコルに対応できる技術力を備

えています。

今回 、I AR とパートナーシップを組んでソ

リューション展開を図った ZigBee モジュール

「AM-205」について紹介してください。

木 佐 貫:「AM-205」は、ZigBee プ ロ ト コ ル

の 国 際 標 準 規 格 で あ る IEEE 802.15.4 準 拠 の

MAC お よ び PHY を 内 蔵 し た Cortex-M3 プ ロ

セッサを、チップアンテナとともに、16.0mm

× 1 0 . 0 m m の 小 さ な ボ ー ド 上 に 実 装 し た

ZigBee モジュールです(図 1)。TELEC(財団法

人テレコムエンジニアリングセンター)の工

事設計認証を取得していますので、お客様の

量産製品にそのまま組み込むことができます。

また、待機時の消費電力を 0.8 μA 以下に抑え

ているため、乾電池やボタン電池で長期間に

亘る動作が可能です。これと組み合わせる開

発ボードの「AM-205EB」には、温度センサ、3

軸加速度センサを搭載させていますので、セン

サネットワークの評価を簡易的に行う事がで

きます。

そもそもZigBee にはどのような特徴があり、

どのようなアプリケーションに適するのですか?

木佐貫:ZigBeeは免許を必要としない2.4GHz

帯を使った近距離のワイヤレスネットワーク

のひとつです。データレートは 250kbps とそ

れほど速くありませんが。最大の特長は低消

費電力化が図りやすいところにあります。た

とえば、一般的な無線 LAN と比べて、送受信

パ ワ ー は お よ そ 1/5 か ら 1/7 程 度 し か 必 要 と

しません。また、スリープ動作からの復帰に

1 秒ないし 2 秒もかかる Bluetooth とは違って、

ZigBee は一瞬で起動します。そのためスリー

プ動作からの切り替えで無駄な電力を消費す

ることがほとんどありません。こういった特

徴を持つため、スマートビルやスマートハウ

スでの温度や明るさのセンシング、衝撃セン

サと組み合わせたセキュリティのセンシング

など、幅広いアプリケーションへの導入が始

まりつつあります。

松田:当社のお客様でも、ZigBee に限りま

ZigBee開発プラットフォームを発表

IAR は C / C + + コンパイラ・デバッガ「I A R

Embedded Workbench」などで広く知られてい

ますが、2010年12月に新しいソリューションを

発表したそうですね。概要を紹介してください。

松田:今回 IAR では、エアマイクロさんと

のパートナーシップのもと、「ZigBee 開発プ

ラットフォーム」というソリューションの提供

を開始しました(図 1)。このソリューション

は、 当 社 が 提 供 す る ARM 用 IAR Embedded

Workbench( 通 称「EWARM」)の 30 日 間 期 間

限定版と ARM コアベースのマイコンに対応し

た JTAG ICE「J-Link for ARM」に、Cortex-M3 ベー

スのマイコンを採用したエアマイクロさんの

ZigBee モジュール「AM-205」× 2 セットとそ

の開発ボード「AM-205EB」× 2 セット、それ

に ZigBee のスター型通信サンプルソフトウェ

アやケーブル類を組み合わせたソリューション

です。近距離ワイヤレスネットワークである

ZigBee アプリケーションの評価と開発を目的

としており、価格は 98,000 円(税別)です。

IAR はこれまでにも「 I AR ARM ソリュー

ション」として USB やイーサネットのプラッ

トフォームを提供してきましたが、今回のソ

リューションはどこが違うのでしょう。

村井:IAR では、Cortex-M3 または ARM7 ベー

スの「TCP/IP 開発プラットフォーム」と「USB

ホスト開発プラットフォーム」、ARM7 または

ARM9 ベースの「LCD 開発プラットフォーム」

を提供しています。これらは、EWARM(評価

版)を中核に、「ARM デバイス評価ボード」、リ

アルタイム OS であるイー・フォース株式会社

の「μC3」(評価版)、イー・フォースや株式会

社グレープシステムが提供する各種ミドルウェ

ア(評価版)、当社の JTAG-ICE「J-Link」、そし

て「ボードサポートパッケージ」などを組み合

わせて総合的にご提供するもので、導入後すぐ

にデバイス評価とアプリケーション試作が行え

るようになっています。ただし、これらのソ

リューションはソフトウェア開発を目的とし

ているため、お客様が製品を展開される場合

は、ハードウェア部分はお客様ご自身で別途設

計していただく必要がありました。一方、今回

の「ZigBee 開発プラットフォーム」は、お客様

組込みマイコン用の C/C++ コンパイラ・デバッガ「IAR Embedded Workbench」で世界的に定評のある IAR システムズはパートナー

事業の強化を推進中である。量産製品にも使えるボードやモジュールに「IAR Embedded Workbench」を組み合わせることで、顧客

の開発期間の短縮や開発コスト削減を支援したい考えだ。今回、エアマイクロ社とのパートナーシップによる「ZigBee 開発プラッ

トフォーム」を新たに展開し、ワイヤレスネットワークに対する顧客ニーズに応えていく。

IARシステムズ株式会社セールスマネージャ

村井 一仁 氏

図2:ZigBee モジュール AM-205

図1:TELEC認証済みのZigbee モジュール搭載 ZigBee 開発プラットフォーム

株式会社エアマイクロ代表取締役

木佐貫 靖 氏

30 ARM PARTNERS SUCCESS ARM PARTNERS SUCCESS 31

Success STORIESIARシステムズ株式会社

Success STORIESIARシステムズ株式会社

ユーザー志向のパートナーシップ戦略を推進

ZigBee開発を加速するプラッ トフォームを第一弾として投入

ザーが効率よく ZigBee のソフト開発を行える

と考え、「AM-205EB」にも IAR さんのプラット

フォームを採用しました。

今回はZigBee のプラットフォームですが、IAR

では今後どのような展開を考えているのですか?

村井:先ほども触れましたが、既存のプラッ

トフォームは USB やイーサネットのような特

定の機能を評価するためのものでした。IAR は

これからの展開として、エアマイクロさんの

モジュールのように、よりお客様の製品に近

いソリューションの種類を増やしていくこと

を考えています。まだ具体的なお話はできな

いのですが、あるパートナーさんが開発して

いる標準的な FA 用マザーボードに当社の「IAR

Embedded Workbench」を 組 み 合 わ せ た ソ

リューションも検討しています。このように、

エアマイクロさんをはじめとするさまざまな

ベンダーさんとパートナーシップを組んで、お

互いに win-win となるような循環を促すととも

に、お客様のアプリケーション開発に役立つ

ソリューションを展開し、開発期間の短縮や

開発コストの低減に寄与していきたいと考え

ています。APS の読者様で当社とのパートナー

シップにご興味を持たれたらぜひご一報をい

ただければと思います。

I AR とパートナーシップを組むメリットはど

のようなところにあるのでしょうか?

村井:ある市場調査によると、「IAR Embedded

Workbench」やJTAG-ICE「J-Link」は、Cortex-M3

プロセッサの開発ツールとしておよそ 80%も

の国内シェアを獲得しているといわれていま

す(※)。つまり、IAR のツールは ARM プロセッサ

ユーザーにとって標準のひとつであり、ソフト

ウェア開発者が慣れ親しんだ当社のツールをソ

リューションとしてパッケージングすることで、

パートナーの皆様にとっても拡販の機会が増え

ると考えています。

松田:IAR はスウェーデンを本拠としていま

すが、外資系のツールベンダーとしては珍し

く日本法人を設けてきちんとした国内サポー

トを提供している点も、パートナーさんおよ

び お 客 様 に と っ て の 安 心 材 料 の ひ と つ と 言

えるのではないでしょうか。また、グローバ

ル・スタンダードともいえる「IAR Embedded

Workbench」を開発環境に採用し、グローバル

企業である IAR と協業することで、パートナー

さんのワールドワイドでのビジネス展開も具体

的に検討することが可能です。

そのほかに新しいトピックがあれば教えてく

ださい。

松 田:2010 年 11 月 に、Cortex-M3 お よ び

Cortex-M4 を対象に、動作中の消費電力を見な

がら開発ができる「Power デバッグ」という新

しい機能をリリースしました。「IAR Embedded

Workbench」のバージョン 6.10 から搭載されて

います。現時点では JTAG ICE から給電を受け

るボードに限られるなど制約がありますが、高

まる低消費電力化のニーズに応えるひとつの

手段としてご活用いただければ幸いです。ま

た、 中 長 期 的 な 方 針 と し て「IAR Embedded

Workbench」にこだわらず幅広いツールに取り

組んでいきたいと考えており、「こんな機能が

欲しい」といったご要望やご意見をぜひお寄せ

いただきたいと思っています。スウェーデン本

社では、お客様の声を集約し製品に反映するプ

ロセスも確立されていますので、これからも皆

様のご要望に応えていけるよう努めていきたい

と考えています。

(※) 富士経済社、2010 年 5 月発行、  「エンベデッドシステムマーケット 2010」

せんが、計測器や家電系含めてワイヤレスアプ

リケーションを展開されるケースがすごく増え

ていると実感しています。ワイヤレスにすると

電源ケーブルが邪魔になりますから、バッテ

リー動作が必要となり、その結果ローパワーの

ニーズが高くなります。ですから、ワイヤレス

とローパワーの二点がお客様のニーズとして顕

著です。「AM-205EB」は Cortex-M3 ベースです

から、パワーを細かく制御できる点もメリット

のひとつになると考えています。

機器メーカーが「AM-205EB」を製品に組み込

む場合、どのような開発が必要になるのですか?

木佐貫:「AM-205EB」に搭載している Cortex-

M3 は、UART、SPI、I2C、A/D コンバータ、GPIO

といったさまざまな入力を備えていますので、

接続するセンサやインタフェースに応じたボー

ド設計と対応するソフトウェア開発が必要です。

ZigBee の ID 付与やチャネル設定などもソフト

ウェアで行います。これらプロトコルスタック

を含めたソフトウェアはサンプルコードが提供

されますので、そういった情報を参照しながら

EWARM 上で開発を進めていただくことになり

ます。

win-winのパートナーシップを拡大

両社がパートナーシップを結んだきっかけを

教えてください。

松田:ZigBee モジュール「AM-205EB」に搭

載されている Cortex-M3 の SoC ベンダーの方か

らエアマイクロさんを紹介されたのがきっかけ

です。当社は C/C++ コンパイラ・デバッガ「IAR

Embedded Workbench」を主力製品として展開

していますが、お客様が開発現場で本当に必要

としているツールやソリューションにより広く

取り組んでいきたいという意向を以前から持っ

ており、ZigBee を広めたいとする木佐貫さんの

お考えとも一致し、パートナーシップを結ぶに

至りました。

木佐貫:無線モジュールを様々なアプリケー

ションに使用するためには、ソフト開発は必

須のテーマです。その際、当社のソフトエン

ジニアからも使いやすいと好評である「IAR

Embedded Workbench」であれば、多くのユー

IARシステムズ株式会社マーケティングマネージャ

松田 直樹 氏

組込み開発環境のグローバル・スタンダード

IAR 統合開発環境評価から試作、製品化までを一貫サポートIAR ARMソリューション

IARではARMマイコン採用の具体的なサポートとしてARMソリュー

ションを展開しています。

■ 評価

ARMマイコン搭載の評価キットを多数品揃え。

IARの評価キットには、評価ボードの他に、JTAG-ICEの機能や評価版

の統合開発環境やリアルタイムOS、ミドルウェア等が含まれており、

安価(9,800円~)で手軽にARMマイコンの評価を行うことが可能。

※詳しくはHPをご参照ください。 http://www.iar.com/kits_jp

■ 試作

評価キットに含まれる、評価版のリアルタイムOSやミドルウェア、

サンプルプロジェクトを利用することで、ユーザのアプリケーション

に近いレベルの試作まで行うことも可能。

■ 開発

評価から試作で利用した評価版の開発環境を製品版へ置き換えること

で、スムーズに製品開発をスタートすることが可能です。また、ユー

ザの開発状況やスタイルに合わせてIARが最適な開発環境をご提案。

■ 製品化

ARM用のオンボードフラッシュ書き込みツールも用意。その手軽さで

多くのユーザが活用中。 

※詳しくはHPをご参照ください。 http://www.iar.com/flasherarm_jp

世界中の組込み開発者の『共通ツール』IAR EWシリーズ

IARの統合開発環境であるIAR Embedded Workbenchは世界中の組

込開発で利用されており、グローバル・スタンダードのツールとして日

本においても存在感を増しています。今回はその魅力をご紹介します。

■ 幅広いコアファミリ対応

対応コアはARMをはじめ、8051系や各社オリジナルマイコンを含め

20種類以上のコアファミリを、EWシリーズでサポートしています。

※詳しくはHPをご参照ください。 http://www.iar.com/jp

これにより、複数種類のマイコンを利用するプロジェクトや、事業部

間・部署間においてもEWシリーズであれば開発環境を統一すること

が可能となり、開発毎に環境が変わることによる開発初期の導入負荷

が大幅に軽減されます。

■ ワールドワイドのメーカーサポート

日本を初め、アメリカ、中国、ドイツ、イギリス、フランス、スウェー

デン、ブラジルと、IARシステムズは世界の主要拠点に現地法人を展開

しています。これにより、ワールドワイドの販売チャネルだけでなく、

メーカー対応のテクニカルサポートが提供され、世界各国の開発拠点

やパートナー間における開発連携もスムーズに行え、研究~開発~製

造拠点のグローバルな連携にも貢献します。

■ MCUメーカーとの強力な連携

各地の現地法人を中心に世界中のMCUメーカーと連携し、様々な

MCUサポートおよびソリューション展開を行っています。これにより、

最新のMCUシリーズもリリースと同時にサポートされ、安心して利用

できる環境がタイムリーに提供されます。

また、MCUメーカーとIARの連携によるMCUとツールのトータルな

サポートも魅力です。

お問い合わせ先

IARシステムズ株式会社セールス

Web フォーム:http://www.iar.com/contact _ jp TEL:03-5298-4800

ARM用統合開発環境(EWARM)とJTAG-ICE(J-LINK for ARM) IAR評価キット(一例)

32 ARM PARTNERS SUCCESS ARM PARTNERS SUCCESS 33

Success STORIESIARシステムズ株式会社

テクニカル・ノート

Technical NOTE IAR システムズ株式会社