プレストレストコンクリート部材の 11.2プレストレスト ... · 2011. 7....

25
1 プレストレストコンクリート プレストレストコンクリート 部材 部材 設計と応用 設計と 応用 201182オリエンタル白石(株) 杉田 篤彦 土木学会関西支部 第25回 コンクリート構造の設計・施工 ・維持管理の基本に関する研修会 2 ・プレストレストコンクリートの 設計(設計編11章に即して) 11.1 概説 11.2 プレストレストコンクリート の特徴 11.3 プレストレストコンクリート 部材の挙動と解析 11.4 プレストレストコンクリート 部材の設計 11 .5 PC部材の耐久性を高めるための 方策および構造細目 ・プレストレストコンクリート 技術の応用 3 11.1 プレストレストコンクリート の概説 コンクリート の性質 弱い! 強い! 引張力 圧縮力 コンクリートの 引張強度は 圧縮強度 の1 /10 程度 P.154 4 PCコンクリート PC Pre -stressed Concrete Pre(前もって) 応力が与えられた コンクリート 《鉄筋コンクリート RC Reinforced Concrete プレストレストコンクリート(PC)とは何 1

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  • 1

    プレストレストコンクリートプレストレストコンクリート部材の部材の設計と応用設計と応用

    2011年8月2日オリエンタル白石(株)

    杉田 篤彦

    土木学会関西支部第25回 コンクリート構造の設計・施工・維持管理の基本に関する研修会

    2

    説 明 内 容

    ・プレストレストコンクリートの設計(設計編11章に即して)

    11.1 概説11.2 プレストレストコンクリートの特徴11.3 プレストレストコンクリート部材の挙動と解析11.4 プレストレストコンクリート部材の設計11.5 PC部材の耐久性を高めるための方策および構造細目

    ・プレストレストコンクリート技術の応用

    3

    11.1 プレストレストコンクリートの概説

    コンクリートの性質

    弱い! 強い!

    引張力

    助けて~~~

    楽勝だね

    ♪圧縮力

    コンクリートの引張強度は圧縮強度の 1/10 程度

    P.154

    4

    《PCコンクリート》PC = Pre-stressed Concrete

    Pre(前もって) 応力が与えられた コンクリート

    《鉄筋コンクリート》

    RC = Reinforced Concrete

    プレストレストコンクリート(PC)とは何か

    1

  • 5

    コンクリートの性質2

    多少のひびわれはやむを得ない

    鉄筋で引張部分を補強

    ひびわれの制御が自由にできる

    プレストレスを導入して補強

    《 鉄筋コンクリート(RC)桁 》

    《 プレストレストコンクリート(PC)桁 》

    RC桁とPC桁

    6

    PCの概念

    コンクリートの引張側の補強

    応力をコンクリートに導入

    コンクリートの断面全体が有効

    RCよりも断面を小さくすることができる

    緊張材:PC鋼材

    7

    荷重

    圧縮応力

    引張応力

    上縁

    下縁

    中立軸

    11.2 PCの特徴11.2.1 PCの原理

    PP.154~155

    8

    荷重P C 桁

    PP

    σc’

    σc

    上縁

    下縁

    中立軸

    荷重による応力

    プレストレスによる応力

    σct’

    σct

    合成応力

    Σσc’

    Σσc

    2

  • 9

    u

    プレストレス

    ZuepP

    APu ・

    ZlepP

    APl ・

    死荷重プレストレス

    +死荷重

    活荷重

    プレストレス+

    死荷重+

    活荷重

    :断面上縁のプレストレスによる応力度

    l :断面下縁のプレストレスによる応力度10

    11.2.2プレストレストコンクリートの分類(1)構造体としての設計上の分類

    ①コンクリートに引張応力を発生させない

    PC構造、フルプレストレス :床版、タンク

    ②コンクリートの引張応力は制限値以内

    PC構造、パーシャルプレストレス:道路橋主桁

    ③コンクリートのひび割れの発生を認めるが、

    ひび割れ幅制限を行うPRC(PPC)構造:コスト縮減

    PP.155~156

    11

    PC構造とPRC構造

    ひび割れ幅制御(異形鉄筋併用)

    ひび割れ発生

    許すPRC構造

    縁応力度制御ひび割れ発生

    許さないPC構造

    プレストレス使用限界状態

    12

    RC○(鉄筋の応力度)-(無視)PRC○(ひび割れ幅)○

    PC(パーシャル)×○(許容値内)PC(フル)××(全て圧縮)

    名 称コンクリートの

    ひび割れ

    コンクリートの

    引張応力導入レベル

    自由度の高い設計が可能

    設計荷重作用時(使用限界状態)

    3

  • 13

    11.2.2 PCの分類(2)プレストレス工法による分類

    1)プレテンション 付 着 B.U. B.C.ベンドアップ / ボンドコントロール

    2)ポストテンションくさび式ねじ式

    ループ式

    フレシネー工法アンダーソン工法

    SEEE工法バウル・レオンハルト工法 etc

    3)その他工法

    4)連続繊維補強材

    a.化学的方法(膨張セメント)b.フラットジャッキ(機械的)

    FRP(炭素、アラミド、ガラス)

    PP.156~158

    14

    1)プレテンション方式

    15

    プレテンション方式の定着のしくみ

    16

    プレテンションの定着付近の応力

    ◯ PC鋼材とコンクリートとの付着応力分布付着応力

    付着長さ 65φ

    ◯ PC鋼材引張応力分布

    0

    σpxσp

    PC鋼材

    定着後の変形

    定着前の形状

    部材端部 圧縮応力の流れ◯ 圧縮応力の流れ

    4

  • 17

    2)ポストテンション方式

    18

    ポストテンション方式の定着のしくみ

    くさび方式

    ネジ方式

    19

    くさび方式

    ②ねじ方式

    ネジ方式

    ポストテンション方式の定着具の例

    20

    11.2.3 PC(構造)の特長

    全断面を有効に利用できるスレンダー、長支間化

    ひび割れ安全度が高い水密性、耐久性

    たわみ総量が小さい。プレストレスによるたわみ(反り)、ねじりモーメント低減プレキャスト化が可能工期短縮、型枠の転用(経済的)、CO2の削減施工管理緊張、グラウトなど細心の注意が必要高性能化

    P.158

    5

  • 21

    11.3 PC部材の挙動と解析11.3.1 プレストレス力

    ①プレストレッシング直後の状態

    ②クリープ・収縮、

    リラクセーションが終わった状態

    PP.159~163

    22

    プレストレスの変化に関与する要因

    プレストレスの減少

    構造的

    材料の性質

    PCPC鋼材とシースの摩擦鋼材とシースの摩擦

    定着体のセット(めりこみ)定着体のセット(めりこみ)

    コンクリートの弾性変形コンクリートの弾性変形

    コンクリートのクリープ・収縮コンクリートのクリープ・収縮

    PCPC鋼材のリラクセーション鋼材のリラクセーション

    瞬時に減少する

    徐々に減少する

    緊張直後のプレストレス力

    有効プレストレス力

    )( ③②①pipt)( ⑤④ptpe

    23

    プレストレスの減少①PC鋼材とシースとの間の摩擦

    )( xix ePP

    μ:角変化1ラジアン当たりの摩擦係数α:角変化(ラジアン)λ:緊張材の単位長さ当たりの摩擦係数x :緊張材の引張端から設計断面までの長さ

    PP.159~160

    24

    プレストレスの減少②定着部の滑動(セット)

    EpAl 0

    A0

    P.161

    6

  • 25

    プレストレスの減少③コンクリートの弾性変形による減少

    'cpgp n

    NNn cpgp

    121 '

    プレテンション方式の場合

    ポストテンション方式の場合

    PP.160~161

    26

    プレストレスの減少④コンクリートのクリープ・収縮

    211 φ+

    σσ

    +n

    ε)+E+σ(σφnσ∆

    pt

    cpt

    cspcptcdpcs

    PP.161~162

    27

    Δe

    弾性変形

    Δe

    Δc

    弾性変形+塑性変形

    クリープ 一定の持続荷重の元でコンクリートの変形が大きくなる現象

    Δe:弾性変形

    Δc:塑性変形

    時間

    28

    時間

    時間

    コンクリート

    PC鋼材

    乾燥収縮

    7

  • 29

    プレストレスの減少⑤PC鋼材のリラクセーション

    ptpr ・

    γ:PC鋼材の見かけのリラクセーション率

    一定ひずみ下で応力が低下する現象

    PP.162~163

    30

    プレストレス力の変化に及ぼす要因

    状態Ⅱ状態Ⅱ 状態Ⅰ状態Ⅰ

    ○-○-クリープ,乾燥収縮

    ○○○-リラクセーション

    ---○定着具の滑動

    -○-○弾性変形

    ---○シースとの摩擦

    プレテンション方式ポストテンション方式

    注)状態Ⅰ:緊張中から緊張直後までに考慮すべき要因状態Ⅱ:緊張直後から,クリープ,乾燥収縮,リラクセーション終了時までに

    考慮すべき要因

    31

    11.3.2 曲げと軸力を受ける部材

    (1)ひび割れ発生前

    (2)ひび割れ発生後

    (3)終局耐力

    PP.163~166

    荷重状態(a)

    たわみが0となる荷重(b)

    断面に引張応力は発生しない(c)

    ひび割れ発生荷重( d)

    (e)

    (f) P C鋼材降伏

    P C鋼材量が適当な

    場合の破壊荷重(g)P C鋼材量が極端に

    少ない場合の

    破壊荷重

    弾性

    領域

    遷移

    領域

    塑性

    領域

    G L

    D L

    D L + L L

    G L :はり自重

    D L:死荷重

    L L:活荷重

    荷 

    た  わ  み

    32

    (1)ひび割れ発生前

    ZM

    ANc

    ZM

    ANc   ,

    '' epPM

    N軸力:曲げ:

    ■応力解析の仮定

    ①コンクリート、PC鋼材、鉄筋は弾性体

    ②断面内のひずみは直線分布

    ③コンクリートは全断面有効

    ■コンクリート断面の応力度算出式

    上縁 下縁

    8

  • 33

    (2)ひび割れ発生後

    ■PC部材の破壊様式

    ①コンクリートは圧壊しないでPC鋼材が破断

    ②PC鋼材が降伏、部材曲率が大きくなり圧壊

    ③PC鋼材が降伏する前に圧壊

    ■応力解析の仮定

    中立軸以下のコンクリートの引張抵抗は無視し、断面内のひずみは直線分布と仮定。

    34

    (3)終局耐力

    ■終局耐力算定の仮定

    ①破壊時の断面ひずみは直線分布

    ②付着のある鋼材のひずみは各位置のコンクリートひずみと同じ

    ③中心軸以下部分のコンクリートの引張抵抗は無視

    )・・()・・( xkdsTsxkdpTpMu 22■破壊モーメントMu

    35

    11.3.3 せん断を受ける部材

    44)(

    2

    22 τyxyxi

    σσσσσ

    ■せん断破壊耐力

    bwwcdwcd γdbfV /■ウエブ圧縮破壊耐力

    ■曲げせん断破壊耐力

    pedsdcdyd VVVV

    圧 壊

    (b) 曲げせん断破壊

    ウエブ圧壊

    (c) ウエブ圧縮破壊

    (a) せん断引張破壊

    PP.166~168

    36

    11.3.4 ねじりを受ける部材

    ■ねじりひび割れ発生前の挙動

    ひび割れ発生ねじりモーメントの約80%以下では弾性理論が適用可能(0.7f’cd程度が事実上の適用限界と推定される)。

    ■ねじりひび割れ発生後の挙動

    ① ねじり補強筋を有しない場合、爆発的に破壊(1%程度の補強筋でじん性向上)。

    ② ねじり剛性は急激に低下。

    ③ ねじり抵抗モーメントの分担は明らかでない。

    P.169

    9

  • 37

    11.4 PC部材の設計設計の手順(1)

    PP.169~172

    38

    Start

    断面形状の仮定

    荷重の計算 断面力解析荷重による

    応力度の計算

    PC鋼材の仮定

    合成応力度の照査

    プレストレスの計算

    制限値を満足

    EndNOYES

    応力度に関する検討の一般的な流れ

    39

    ポストテンション単純T桁橋

    横桁

    場所打ち床版

    主桁

    横桁場所打ち床版

    主桁 を架設した後,

    のコンクリートを打設し,

    横締めPC鋼材を緊張して一体化

    40

    ① 設計断面の仮定します。

    10

  • 41

    ② 作用荷重を計算

    します。

    42

    ①死荷重

    主桁自重

    桁間床版

    横桁自重

    橋面荷重

    ②活荷重

    A活荷重

    B活荷重

    群集荷重

    衝撃荷重

    43

    ③温度、温度差

    ④乾燥収縮

    44

    ⑤クリープ

    ⑥プレストレス

    プレストレス プレストレス

    11

  • 45

    ③ 断面力を計算します。

    曲げモーメント図

    46

    ④ 荷重によるコンクリート応力度を計算します。

    圧縮(+)

    引張(-)

    47

    ⑤ PC鋼材を仮定します。

    P C 鋼 材

    48

    PC鋼材を図心に配置

    軸力 N=P

    曲げモーメント M=P×e=0

    PC鋼材を偏心配置

    軸力 N=P

    曲げモーメント M=P×e=P・e

    PC鋼材配置(1)

    12

  • 49

    PC鋼材を曲線配置断面力に合わせて曲線配置する

    軸力 N=P

    曲げモーメント M1=P×e1(負の曲げモーメント)

    M2=P×e2(正の曲げモーメント)

    PC鋼材配置(2)

    50

    ⑥ プレストレスを計算します。

    PP

    圧縮(+)

    引張(-)

    51

    ⑦ 荷重による応力度とプレストレスを合成し

    ます。

    圧縮(+)

    引張(-)

    荷 重

    圧縮(+)

    引張(-)

    プレストレス

    圧縮(+)

    引張(-)

    合成応力

    52

    ⑧ 合成応力度が

    許容値以内にあるか検討

    YES

    NO①か⑤へ戻る

    ① 断面変更

    ⑤ PC鋼材量変更

    13

  • 53

    ⑨ 図面を作成します。

    チェックを行い設計終了!

    54

    設計の手順(2)限界状態設計法

    使用限界状態に対する検討

    :設計荷重作用時

    終局限界状態に対する検討

    :終局荷重作用時(6章 7章)

    施工時の検討

    :緊張時 ひび割れ 施工時コンクリート応力度

    変形 桁の横座掘 etc

    PP.172~174

    55

    11.4.5 定着部の設計

    ■ポストテンション方式

    定着支圧応力度

    定着部補強(割裂 周辺引張 偏心力 etc)

    ■プレテンション方式

    部材端周辺引張に抵抗する補強筋

    PP.174~177

    引張域

    引張域

    圧縮域

    引張域

    圧縮域

    引張域

    56

    11.5 PC部材の耐久性を高めるための方策および構造細目

    PC橋の耐久性を高める方策 (1)■緊張材の腐食防止

    PP.177~184

    14

  • 57

    ■確実なグラウト注入

    グラウトの目的

    ・緊張材の耐腐食性・コンクリート部材と緊張材に付着を与え一体化すること

    ・適切なシース径(空隙率)や中間排気口の設置位置を決定する.・注入口・排気口の構造やグラウトホース径は,圧力損失が

    少ないものを選定する.・PC鋼材の定着端部まで充填可能な構造を有する定着具を

    使用する.・必要に応じて,充填状況の確認やPCグラウトの再注入が

    可能であるシステムを使用する.

    58

    ■プレグラウトPC鋼材

    ポリエチレン(PE)管で被覆されたPC鋼材に遅延硬化型のエポキシ樹脂をグラウト材として、あらかじめ充填したPC鋼材

    エポキシ樹脂

    PE管

    PC鋼より線

    59

    ■樹脂塗装PC鋼材

    エポキシ樹脂系

    樹脂でコーティングすることにより、PC鋼材に防食機能を付与したもの

    高密度ポリエチレン樹脂系

    60

    PC橋の耐久性を高める方策 (2)■高性能コンクリート

    15

  • 61

    PC橋の耐久性を高める方策 (3)■エポキシ樹脂塗装鉄筋

    エポキシ樹脂塗装鉄筋の適用例

    エポキシ樹脂でコーティングすることにより、鉄筋に防食機能を付与したもの

    62

    PC橋の耐久性を高める方策 (4)■非鉄シース

    63

    外ケーブル用

    グラウト充填の確認

    PCケーブルの維持管理

    PC橋の耐久性を高める方策 (5)■透明シース

    64

    PC構造物の照査の前提条件<構造細目>

    緊張材のかぶり緊張材のあき緊張材の配置形状・配置間隔緊張材の最小曲げ半径定着体と緊張材図心線の直角性定着具支圧面からの直線区間の設置曲げモーメント交番点付近の分散配置定着間隔・縁端距離の確保と定着部付近の補強緊張ジャッキ作業空間の確保偏向部(外ケーブル)の補強

    PP.179~183

    16

  • 65

    a

    a’ かぶり確保

    注:グラウトキャップ使用時はキャップのかぶりを確保

    グラウトキャップ

    定着具

    桁端部定着

    a

    a

    1) 端部定着具のかぶり

    66

    1352207S12.7

    23035012S15.218027012S12.7

    dD種別

    マルチワイヤーシステム定着具、最小間隔 (単位;mm)

    d D d

    D

    d

    A A

    d

    B B e

    ADA・B≧D2

    Dとeに方向性は無いここに、e=1.5dとする。

    2) PC鋼材の定着具間隔と縁端距離

    67

    D

    ○斜角のある場合の留意点

    斜角のある場合の定着具間隔は、切り欠き寸法を考慮し余裕を持って間隔(D)を決める。

    3) 斜角を有する場合の端部定着具間隔

    68

    58557S12.7

    78(87)75(80)12S15.268(77)65(70)12S12.7

    シース外径

    シース内径

    鋼材種別

    B

    PC鋼材

    バイブレーター

    バイブレーター45mm~60mm

    (シース)

    注; シース径( )内数値は、ケーブルを後挿入する場合を示す。

    後挿入は#2000番台のものを使用

    鋼材種類別シース径

    Bはバイブレーターの挿入スペース60~80mm程度

    ○留意事項; 十分な打設性能を考慮した部材厚さの設定を行う

    4)鋼材間隔と部材厚

    17

  • 69

    外ケーブル構造およびプレキャストセグメント構造

    ◆内ケーブル方式 ◆外ケーブル方式

    PP.183~184

    70

    プレキャストセグメントT桁 プレキャストセグメント箱桁

    ロングラインマッチキャスト方式

    プレキャストセグメント方式について

    仕切板

    ショートラインマッチキャスト方式

    71

    このほかにも海洋構造物・地下構造物・舗装や補強などに利用されています.

    プレストレストコンクリート技術の応用

    72

    PC橋梁(その1)連続ラーメン箱桁

    旧 日本道路公団 大井沢橋 P&Z工法

    旧 建設省 菅野橋 張出し架設工法

    18

  • 73

    上信越自動車道 碓氷橋 支間[email protected]

    大芝大橋 (広島県) 最大支間210m セグメント洲本大橋 (洲本市) 支間2@74m

    呼子大橋 (佐賀県) 最大支間250mPC橋梁(その2) PC斜張橋

    74

    長大支間に適している。

    国内最大支間は260m(伊唐島大橋 鹿児島県)である

    桁高を低くでき,桁下空間が大きく取れる

    斜材に調整力を与えることにより主桁・塔に作用する断面力を軽減でき,経済的な設計ができる

    斜材配置・塔形状などの自由度が高く,景観も独特なものとなる

    斜材を用いた張出し架設により,合理的な施工法となる

    ● PC斜張橋の特徴

    75

    PC橋梁(その3)

    エクストラドーズド橋

    都田川橋

    日見夢大橋

    保津川大橋

    76

    山陽自動車道 つくはら橋

    最大支間180m 場所打ち張出し架設

    西湘バイパス 小田原ブルーウェイブリッジ

    最大支間122m 場所打ち張出し架設

    桁橋

    エクストラドーズド橋

    斜張橋

    エクストラドーズド橋は,桁橋と斜張橋の中間的な形状と構造特性を有しています.桁橋に配置した外ケーブルを塔部で大きく偏心させています.

    19

  • 77

    PC橋梁(その4)

    アーチ橋

    池田へそっこ大橋

    朧大橋

    78

    景観に優れ,耐震性に優れた構造形式である

    アーチ部材の主断面力は圧縮力であり,コンクリートの特性に合致している

    国内最大支間は260m(天翔大橋 宮崎県)である

    地盤の堅固な所に採用される

    架設途中はアーチを形成していないため,不安定な構造である

    アーチ橋の施工法

    ①全支保工施工

    ②セントル工法

    ③張出し工法:ピロン・メラン張出し工法・トラス張出し工法

    ④合成アーチ巻立て工法

    ⑤ロアリング工法

    ● アーチ橋の特徴

    79

    PC橋梁(その5)

    張弦橋

    吊り床版橋(直路・上路)

    80

    吊り構造であり,床版は純引張部材である

    大きな水平反力をとるためのアンカー基礎が必要である

    国内最大支間は147.6m(夢吊橋)

    理論的には,吊り橋規模の超支間が可能である

    スレンダーで景観に優れる

    床版厚は支間長に関係なく15cm~35cm程度と薄い

    支保工が不要であり,大規模な架設機械も不要である

    張渡した主ケーブルを利用して,プレキャスト床版を架設できる

    歩道橋としての実績が多い

    自動車道橋には,たわみ抑制の目的で上路式吊り床版橋が適用されている(速日峰橋,青雲橋、のぞみ橋、など)

    ● 吊り床版橋の特徴

    20

  • 81

    PC橋梁(その6)コンポ橋

    10700

    445 9810 445

    2300

    200

    775 3000 3150 3000 775

    外ケーブル

    19S15.2BPC板t=110mm

    PC板t=80mm

    場所打ち床版

    t=200mm

    10250

    450 9250 550

    925 925

    175

    0

    3@2800=8400

    場所打ちRC床版18cm

     PC板8cm

    主桁(セグメント)

    2%

    82

    施工の合理化・省力化

    主桁・横桁の少数化

    工期短縮(セグメント化,PC板)建設コスト縮減

    耐久性の向上

    ライフサイクルコスト低減

    環境保全に貢献

    産業廃棄物の減少

    現場作業騒音振動の減少

    架設時の安全性向上

    吊り足場の組立解体不要

    主桁の安定性向上

    ● PCコンポ橋

    PC板

    主桁セグメント

    場所打コンクリート

    PCコンポ橋は,主桁をプレキャストセグメント工法で製作し,床版はプレキャストPC板を型枠代わりに使用してPC合成床版としたPC合成桁橋です

    T形コンポ橋

    U形コンポ橋

    83

    PC容器

    卵形消化漕

    貯水槽

    84

    PC防災構造物

    ロックシェッド

    スノーシェッド

    PCフレーム

    21

  • 85

    PC海洋構造物

    消波堤

    ポンツーン

    86

    その他

    段床版

    覆蓋

    耐震補強

    87外ケーブル補強例

    緊張材をコンクリートの外側に配置し,定着部あるいは偏向部(デビエータ)を介して部材に緊張力を与えることにより,必要な性能の向上を図る工法です

    外ケーブルによる既設橋の補強

    88

    酒田みらい橋酒田みらい橋 (2002(2002年、年、50m50m、歩道橋、歩道橋))

    鉄筋は使用しない、上床版厚鉄筋は使用しない、上床版厚50mm50mm、ウエブ厚、ウエブ厚80mm80mm

    新素材新素材 →→ 超高強度繊維補強セメント系複合体超高強度繊維補強セメント系複合体

    σσckck==200200N/mmN/mm22

    新材料・新構造の橋梁例

    22

  • 89

    北海道縦貫自動車道北海道縦貫自動車道 シラリカ川橋シラリカ川橋 ((96.2m96.2m))

    コンクリートはコンクリートは50N/mm50N/mm22、単位重量、単位重量18.5kN/m18.5kN/m33

    新材料・新構造の橋梁例

    軽量化軽量化 →→ 高強度人工軽量骨材の使用高強度人工軽量骨材の使用

    90

    新材料・新構造の橋梁例

    PCトラス橋PCトラス橋 斜材にコンクリート製斜材を採用斜材にコンクリート製斜材を採用

    91

    ストラット付き張出し床版ストラット付き張出し床版

    新材料・新構造の橋梁例

    比較的小型の箱型断面で広比較的小型の箱型断面で広

    幅員の橋梁が建設できる。幅員の橋梁が建設できる。

    92ストラットと上床版接合部の例、ストラットは鋼製またはコンクリート製ストラットと上床版接合部の例、ストラットは鋼製またはコンクリート製

    ストラット付き張出し床版ストラット付き張出し床版

    23

  • 93

    第二東名第二東名 芝川高架橋芝川高架橋 (ストラット付き(ストラット付きPCPC箱桁)箱桁)

    第二東名第二東名 桂島高架橋(波形ウェブストラット付き桂島高架橋(波形ウェブストラット付きPCPC箱桁)箱桁) 94

    プレテンションウエブプレテンションウエブPCPC橋橋

    新材料・新構造の橋梁例

    第二東名第二東名 錐錐ケケ瀧橋瀧橋

    ••軽量化軽量化

    ••現場の省力化現場の省力化

    ••耐久性の向上耐久性の向上

    95

    複合構造橋梁

    合成構造

    混合構造

    異種材料の組合せで異種材料の組合せで

    部材断面を構成部材断面を構成

    異種材料の部材の組合せ異種材料の部材の組合せ

    で構造物を構成で構造物を構成

    ・コンクリート桁と鋼桁を橋軸・コンクリート桁と鋼桁を橋軸

    方向に接合した橋梁方向に接合した橋梁

    波形鋼板ウェブ橋

    複合トラス橋

    合成けた橋

    新材料・新構造の橋梁例

    96

    ● 複合橋(波形鋼板ウエブPC橋)

    PC箱桁橋のウエブを波形鋼板に置き換えた合成構造です。

    主桁自重の軽減(20~30%)高いせん断座屈耐力・補剛材が不要

    優れたアコーディオン効果・軸力に抵抗しないウエブ・効率のよいプレストレス導入

    施工の合理化・工期短縮コスト縮減接合部の耐久性重要

    銀山御幸橋 (秋田県) 最大支間45.5m耐候性鋼板使用 押出し架設

    新開橋 (新潟県) 最大支間30m2主単純箱桁 架設桁架設

    24

  • 97

    ● 複合橋(鋼トラスウエブPC橋)

    第二東名 猿田川橋・巴川橋 最大支間119m場所打ち張出し架設

    鋼管トラス材

    主桁自重の軽減

    合理的構造・コスト縮減

    施工性に有利な等桁高

    長支間化が可能

    圧迫感の少ない景観性

    トラス格点部の耐久性重要

    98

    プレストレストコンクリート技術の応用プレストレストコンクリート技術の応用

    丈夫で、美しく、長持ちするコンクリート構造物の実現

    Concrete Concrete forfor Human !Human !人と文明を支えるコンクリート構造物を造り、人と文明を支えるコンクリート構造物を造り、

    将来に残していく。そして技術の研鑽も!将来に残していく。そして技術の研鑽も!

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