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チームアプローチと看護の役割 H301022日② 新城市民病院 脳卒中リハビリテション看護認定看護師 小野田ちえ

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チームアプローチと看護の役割

H30年 10月 22日②

新城市民病院

脳卒中リハビリテ―ション看護認定看護師

小野田ちえ

・リハビリテ―ション看護とは

・リハビリテ―ション看護の専門性と役割

・リハビリテ―ション看護のこれから

・時期及び目的からみたリハビリテ―ション看護

・急性期 回復期 維持期 終末期の特徴と看護

・予防的リハビリテ―ション看護

前回の内容

本日の学習内容

1.チームとは何か理解する

2.チームアプローチとは何か理解する

3.チームの役割について実践・グループワーク

《問題解決演習:ナースを探せ》

4.チーム医療の必要性

チームとは

・ 競技や試合のためにつくられた、何人かのひとのグループ

・ 同じ仕事や活動をする人々の集まり 「国語辞典 三省堂」

・ある目的のために協力して行動するグループ 「国語辞典 大辞泉」

【共通する価値観を持ち、共通の目的にむけて働く、二人もしくはそれ

以上の、職種を異にする保健の専門家による集団】

(米国リハビリテーション医学会による定義)

チームアプローチとは

複数の人が共通の目標に向かって知恵と力を合わせる活動を指す

知恵・・・・・情報

力・・・・・・実践力

合わせる・・協調

目標に向かって~

問題解決演習

ナースを探せ!

【ねらい】

☆グループの中で起こっていることをとらえる。

グループで問題解決の演習をする過程で起こるさまざまなことがら、(メンバー

の参加の仕方、コミュニケーション、リーダーシップ、情報の扱い方)に気づく。

☆グループの中で自分の在り方に気づく

ナースを探せ:正解

小児科:鈴木さん 内科:後藤さん 外科:中澤さん

産婦人科:明石さん 精神科:河合さん

統率力

情報収集力傾聴力

判断力教育力

チームアプローチの要件

複数の人が共通の目標に向かって知恵と力を合わせる活動を指す

知恵・・・情報 力・・・・実践力 合わせる・・協調

有効なチーム医療を行うのは容易な事ではない。

チームアプローチとは、自然にできるものではなく、

構成員の意識的な活動によって実現されるものである。

チームアプローチの要件

1.共通の目標がある

2.各自の専門性が明確にできる

3.円滑なコミュニケーションができる

4.アプローチの場が共有される

5.モチベーションを高めることに繋がるシステムがある

チームアプローチの要件

ホウ・レン・ソウ(報告・連絡・相談)

緊張なく、報告・連絡・相談が可能な状態

随時の情報共有を目指す

多職種の業務や役割を知る

何を誰に相談すれば良いのかわかるようになる

チーム医療の必要性

求められる医療・保健・福祉の様々な職種が専門性を発揮し、

緊密に連携し課題に対処する多職種チームが必要とされた⇒チーム医療

医師の判断だけで治療の方向性を定めることには限界

患者の問題を解決するために

高齢化・慢性疾患の増大

患者の持つ問題が治療を中心とした医療問題から、重複した生活課題へ

急性期疾患が医療の対象の中心であった時代

医師が中心 医師の指示により他の職種が定められた任務を果たすこと

ここまでの学習内容のまとめ

1.チームとは何か理解する

複数の人が共通の目標に向かって知恵と力を合わせる活動を指す

2.チームアプローチとは

自然にできるものではなく、構成員の意識的な活動によって実現されるものである

3.チームの役割について実践・グループワーク

グループの中で起こっていることをとらえる、グループの中で自分の在り方に気づく

4.チーム医療の必要性

次のお題へ・・・・

・リハビリテ―ション関連職種と役割

・多職種によるチームアプローチモデル1)マルチディシプリナリー・モデル2)インターンディシプリナリー・モデル3)トランスディシプリナリー・モデル

・リハビリテーション病棟における入院から退院までのプロセス・地域医療連携における情報共有・チームにおける看護師の役割

リハビリテ―ション関連職種と役割

• 関連職種・・・どんな職種がありますか?

看護師(1948年)保健師(1948年)助産師(1948年)準看護師(1948年)

医師(1948年)歯科医師(1948年)

薬剤師(1960年)放射線技師(1951年)

理学療法士(1965年)作業療法士(1965年)言語聴覚士(1997年)視能訓練士(1971年)義肢装具士(1987年)

臨床工学技士(1987年)臨床検査技師(1958年)

救急救命士(1991年)

精神保健福祉士(1997年)社会福祉士(1987年)介護福祉士(1987年)介護支援専門員(1997年)

歯科衛生士(1948年)

管理栄養士(1947年)

多職種によるチームアプローチモデル

チームアプローチの種類

1)マルチディシプリナリー・モデル

チームの目的:人命に関わる可能性のある緊急な課題の達成

構造・役割分担:一人の人物の指示により、チームの中で与えられた専門職としての役割

〈急性期リハビリテーション〉

疾患の治療が優先。医師の治療方針に基づき、病状にあわせて各自が専門職の役割を果たす

多職種によるチームアプローチモデル

チームアプローチの種類

2)インターンディシプリナリー・モデル

チームの目的:複合的だが、緊急性がなく直接人命に関わることが少ない課題の達成。

構成・役割分担:各専門職がチームの意思決定に主体的に関与し、それぞれの役割を協働・連携し果たすことに重点が置かれる。

〈回復期リハビリテーション〉

カンファレンスを通して、各職種からみた患者の現状や問題点、予後予測などの情報を共有し、共通の目標に向けてアプローチしていく。

多職種によるチームアプローチモデル

チームアプローチの種類

3)トランスディシプリナリー・モデル

チームの目的:さまざまな課題の達成

構成・役割分担:各専門職がチームの中で果たすべき役割を意図的に計画的に、専門分野を超えて横断的に共有する。「役割開放を行う」

〈維持期リハビリテーション〉

それぞれの専門性を活かした観察によって得られた情報は、カンファレンスを通してチームで共有する。

情報共有

情報共有とは、個々の社員のもつ情報を蓄積、共有、活用することをいう。

情報共有・・・チームメンバーの組織の種類によって異なる

①同一組織における同一組織の連携

②同一組織における多職種の連携

③多職種における同一組織の連携

④多職種における多職種の連携

同一組織における同一組織の連携

看護チームチームカンファレンス

〚患者個々の問題点〛

ケアの計画・実施➡評価

計画の評価➡修正

チームで情報を共有

患者に合ったケアのマニュアル

観察項目や評価の視点をメンバーに明示➡記録

同一組織における多職種の連携

専門職であるチームメンバー(回復期リハビリテ―ション病棟)回復期

入院時カンファレンス評価カンファレンス

リハビリテ―ション病棟における連携

〚一人の患者の生活について、目標を決めたアプローチ〛

入院時カンファレンス(患者・家族・Dr・Ns・PT・OT・ST・MSW)・・・目標設定現状分析➡問題点抽出➡目標設定➡治

療・ケア計画➡実施➡評価の課程

看護師とセラピスト間の連携

(看護師が情報の基盤となる)

看護師と介護士間の連携

①同一組織における多職種の連携

・看護計画とリハビリテーションプログラムとの整合性

・日常的な問題に即応し合う(看護師 セラピスト)

介護士の独自性を活かす介護士(介護福祉士・ケアワーカー・看護助手)

心休まる工夫・家族に近い立場から行われる援助

情報共有の場

多職種間の共通言語(指標)

②同一組織における多職種の連携

電子カルテの普及情報交換しやすい環境

情報を共有する為の共通言語(指標)・ADL(日常生活動作)・mRS(脳卒中急性期の患者の自立度評価)・FIM(機能的自立度評価法)・BI(バーセルインデックス)・IADL(手段的ADL) ・・・など・・・

評価法の数字の理解記録の表現の統一

多職種における同一組織の連携

※病院連携(病院・病院)※病診連携(病院・診療所)紹介状や看護サマリーなどの情報提供

・看護問題の推移・患者家族が障害をどのように受け止めているかという認識

・障害やADL改善の程度・生活場面での持久力や適応性・患者家族の障害に対する認識の変化

・詳細な情報は、退院後の生活のサービスに役立つ・患者の安全と患者家族の安心に繋がる

急性期➡回復期➡維持期

それぞれの職種がサマリーなどを介して情報を共有する連携

〚急性期から回復期へ提供する情報〛 〚回復期から維持期へ提供する情報〛

急性期

医師(病院)看護師(ER・ICU退院支援)救急救命士薬剤師MSW

亜急性期

医師(病院)

看護師(病棟・退院調整)

理学療法士作業療法士言語聴覚士薬剤師

管理栄養士MSW

回復期

医師(病院)

看護師(病棟・退院調整・外来)理学療法士作業療法士言語聴覚士

MSW

維持期

医師(病院)看護師(外来)

ケアマネージャー訪問看護師

地 域医師(診療所)ケアマネージャー訪問看護師介護保険事業所

患者の変化に応じたチーム編成例

マルチディシプリナリー・モデル インターンディシプリナリー・モデル トランスディシプリナリー・モデル

地域医療連携における情報共有

連携パス

人口ピラミッの変化(1970~2025年)

団魂世代が全て75歳を迎える年・高齢者の増加・認知症患者の増加・一人暮らし高齢者の増加・出生数の減少 医療・介護の

ニーズの増大

生活習慣病であるがん、心疾患、脳卒中などの慢性疾患認知症を抱える高齢者が増加

2025年問題

医療提供体制の危機

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
団魂世代が75歳を迎える年である 2025年問題はみなさんもご存じかと思いますが 少子超高齢化、認知症患者の増加から、医療・介護にニーズの増大、 医療提供体制 の危機が訪れようとしています。

そこで医療、介護分野において、高度急性期から在宅医療・介護までの一連のサービスを切れ目なく提供するために、効率かつ質の高い医療提供体制と、地域包括ケアシステムの構築が図られている。

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
そこで、 効率かつ質の高い医療提供体制と、地域包括ケアシステムの構築が図られています。 地域包括ケアシステムとは 住み慣れた地域で、 自分らしい暮らしを 人生の最後まで続けることができるように、 と厚生労働省はいっています。

患者・家族の不安は?

病気や症状のこと

通院をどうしよう

もう少し動けるようになり

たい食べることが・・・

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
では、実際に患者さん・家族の不安は 食べることだったり、病気や症状のこと、通院、もう少し動けるようになりたい 退院後の生活、経済的なこと、相談の窓口など、不安を抱えています。

地域包括ケア病棟

在宅療養に不安

リハビリ退院支援

チーム医療における看護師の役割

看護師は患者の最も身近な存在として24時間関わっている

患者の気持ちをくみ取る 患者・家族の代弁者 患者が理解できるように伝える

情報発信、チームメンバーへフィードバック、チーム機能の向上

お互いの職種の役割を理解し、必要に応じて専門職と患者家族を取り次ぐキーパーソンとしての役割

患者・家族の多様化する価値とニーズに対応すること、急性期から生活期にかけて質の高い看護を効率的に提供すること

質の高い実践力・倫理的判断力を備えた認定看護師・専門看護師

本日の復習

・リハビリテ―ション関連職種と役割

・多職種によるチームアプローチモデル1)マルチディシプリナリー・モデル2)インターンディシプリナリー・モデル3)トランスディシプリナリー・モデル

・リハビリテーション病棟における入院から退院までのプロセス・地域医療連携における情報共有・チームにおける看護師の役割