ミドルリーダーとして学校組織力を高めるための実践沖縄県立総合教育センター...

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沖縄県立総合教育センター 1年長期研修員 第 57 集 研究集録 2015 年3月 〈ミドルリーダー育成〉 ミドルリーダーとして学校組織力を高めるための実践 若手教職員を対象とした校内研修を通して沖縄県立首里東高等学校教諭 眞榮城 敦 テーマ設定の理由 近年、児童生徒を取り巻く社会環境が著しく変化する中で、学校では学力向上のみならず、いじめ・不 登校等生徒指導上の諸課題への対応や、キャリア教育、特別支援教育等、複雑かつ多様な課題に学校組織 として対応することが求められている。 文部科学省(以下、文科省)は、2005 年2月の学校組織マネジメント研修カリキュラム等開発会議にお いて、学校組織力を高める重要性と、教職員全体のリーダー的な役割を果たすミドルリーダーの存在およ び機能発達が必要であると提言している。その中で、学校におけるミドルリーダーに求められる意識や役 割として、「使命感と責任感」「学校ビジョン構築への参画と教育活動の推進」「職場の活性化」「同僚教職 員の指導・育成」「学校外部との折衝・対応」の5点を挙げている。また、1999 年 12 月の教育職員養成審 議会答申において、教員のスキル向上のために校内研修の充実を図ることが必要であると提言している。 沖縄県立首里東高等学校(以下、本校)は、数年前まで生徒の問題行動や進路に関する課題等があった が、個々の教職員の努力により、生徒指導や進路指導等において大きな改善がみられた。その過程におい て筆者は、生徒指導部主任として、本校の課題改善に向けての中・長期的な展望や計画を提示し、2010 年 度から3年間、学校改革の主導的役割を担った。 しかし、初年度は指導方法を大幅に変化させたことで、生徒や保護者だけでなく一部の教職員からも反 発がみられた。そこで、教職員間の連携を密にし、とりわけ経験の浅い若手教職員に対しては、常日頃の 関わり合いの中で信頼関係の構築を心がけながら、生徒指導において足並みを揃えることの重要性につい て発信に努めた。それでも指導の共有化が十分ではない教職員に対しては個別に声をかけ、それぞれが抱 く「子どもたちへの想い」を聴き、筆者自身がフォローすることを約束するなどした。また、生徒や保護 者に対しても、学校全体の規律確立に向けて必要と思われる指導事項や留意事項の共有化に努めた。その 結果、教職員間および学校と生徒・保護者間における共通理解の深化がみられ、共通指導の徹底が実現し、 問題行動の状況が大きく改善されていった。 以上のような生徒指導に関する筆者の取組や行動は、結果として、ミドルリーダーとしての役割を果た していたのではないかと振り返っている。またその他にも、進路指導や部活動面等の改善に取り組んだ教 職員のそれぞれの努力が、学校全体の変容に大きく作用した。学校を変えていくためには、経験豊かな教 職員のスキルや経験の発揮とともに、若手教職員の力や行動を引き出すことの大切さを強く実感し、それ らを学校組織に活用する仕組みや方法について考えるようになった。 そこで、経験豊かな教職員のスキルや経験等を、計画的な校内研修を通して若手教職員に伝えることで、 それぞれの資質を高め、学校課題の解決に向けたよりよい力や行動を引き出すことができるとともに、校 内研修を通じて教職員間のコミュニケーションの促進を図ることによって、相互の連携が密になることが 期待できると考えた。その結果、経験豊かな教職員と若手教職員の力が融合して学校組織力が向上し、ま た校内研修の企画・運営・実施の中心的な役割を担うことによって、筆者自身のミドルリーダーとしての 資質も高まると考え、本テーマを設定した。 〈研究仮説〉 若手教職員を対象として、経験豊かな教職員が講師となる校内研修を、系統化された年間計画のもとに 実施することで、個々の資質向上と教職員間の連携強化が図られ、学校組織力がより高まるであろう。同 時に、本取組を主導する役割を担うことによって、学校におけるミドルリーダーとしての資質が高まるで あろう。

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Page 1: ミドルリーダーとして学校組織力を高めるための実践沖縄県立総合教育センター 1年長期研修員 第57集 研究集録 2015年3月 〈ミドルリーダー育成〉

沖縄県立総合教育センター 1年長期研修員 第 57集 研究集録 2015年3月

〈ミドルリーダー育成〉

ミドルリーダーとして学校組織力を高めるための実践

-若手教職員を対象とした校内研修を通して-

沖縄県立首里東高等学校教諭 眞榮城 敦

Ⅰ テーマ設定の理由

近年、児童生徒を取り巻く社会環境が著しく変化する中で、学校では学力向上のみならず、いじめ・不

登校等生徒指導上の諸課題への対応や、キャリア教育、特別支援教育等、複雑かつ多様な課題に学校組織

として対応することが求められている。

文部科学省(以下、文科省)は、2005年2月の学校組織マネジメント研修カリキュラム等開発会議にお

いて、学校組織力を高める重要性と、教職員全体のリーダー的な役割を果たすミドルリーダーの存在およ

び機能発達が必要であると提言している。その中で、学校におけるミドルリーダーに求められる意識や役

割として、「使命感と責任感」「学校ビジョン構築への参画と教育活動の推進」「職場の活性化」「同僚教職

員の指導・育成」「学校外部との折衝・対応」の5点を挙げている。また、1999年 12月の教育職員養成審

議会答申において、教員のスキル向上のために校内研修の充実を図ることが必要であると提言している。

沖縄県立首里東高等学校(以下、本校)は、数年前まで生徒の問題行動や進路に関する課題等があった

が、個々の教職員の努力により、生徒指導や進路指導等において大きな改善がみられた。その過程におい

て筆者は、生徒指導部主任として、本校の課題改善に向けての中・長期的な展望や計画を提示し、2010年

度から3年間、学校改革の主導的役割を担った。

しかし、初年度は指導方法を大幅に変化させたことで、生徒や保護者だけでなく一部の教職員からも反

発がみられた。そこで、教職員間の連携を密にし、とりわけ経験の浅い若手教職員に対しては、常日頃の

関わり合いの中で信頼関係の構築を心がけながら、生徒指導において足並みを揃えることの重要性につい

て発信に努めた。それでも指導の共有化が十分ではない教職員に対しては個別に声をかけ、それぞれが抱

く「子どもたちへの想い」を聴き、筆者自身がフォローすることを約束するなどした。また、生徒や保護

者に対しても、学校全体の規律確立に向けて必要と思われる指導事項や留意事項の共有化に努めた。その

結果、教職員間および学校と生徒・保護者間における共通理解の深化がみられ、共通指導の徹底が実現し、

問題行動の状況が大きく改善されていった。

以上のような生徒指導に関する筆者の取組や行動は、結果として、ミドルリーダーとしての役割を果た

していたのではないかと振り返っている。またその他にも、進路指導や部活動面等の改善に取り組んだ教

職員のそれぞれの努力が、学校全体の変容に大きく作用した。学校を変えていくためには、経験豊かな教

職員のスキルや経験の発揮とともに、若手教職員の力や行動を引き出すことの大切さを強く実感し、それ

らを学校組織に活用する仕組みや方法について考えるようになった。

そこで、経験豊かな教職員のスキルや経験等を、計画的な校内研修を通して若手教職員に伝えることで、

それぞれの資質を高め、学校課題の解決に向けたよりよい力や行動を引き出すことができるとともに、校

内研修を通じて教職員間のコミュニケーションの促進を図ることによって、相互の連携が密になることが

期待できると考えた。その結果、経験豊かな教職員と若手教職員の力が融合して学校組織力が向上し、ま

た校内研修の企画・運営・実施の中心的な役割を担うことによって、筆者自身のミドルリーダーとしての

資質も高まると考え、本テーマを設定した。

〈研究仮説〉

若手教職員を対象として、経験豊かな教職員が講師となる校内研修を、系統化された年間計画のもとに

実施することで、個々の資質向上と教職員間の連携強化が図られ、学校組織力がより高まるであろう。同

時に、本取組を主導する役割を担うことによって、学校におけるミドルリーダーとしての資質が高まるで

あろう。

Page 2: ミドルリーダーとして学校組織力を高めるための実践沖縄県立総合教育センター 1年長期研修員 第57集 研究集録 2015年3月 〈ミドルリーダー育成〉

Ⅱ 研究内容

1 学校におけるミドルリーダー(文科省資料)

文科省が示す資料から、学校におけるミドルリーダーに求められる意識、役割、行動は、以下のよ

うに整理できる。

(1) ミドルリーダーに求められる意識と役割

マネジメント研修カリキュラム等開発会議(文科省,2005)では、学校組織を組み立てるために、

中堅教職員によるミドルリーダーの存在および機能発達が必要であるとしている。また、ミドルリ

ーダーに必要な意識として、「教育者としての使命感をベースにもち、学校に期待される目的・目

標を達成する学校のキーパーソンとして責任感を持つこと」としている。さらに、求められる役割

として、表1の4点を挙げている。

表1 学校におけるミドルリーダーの役割(文科省,2005)

① 学校ビジョン構築への参画と教育活動の推進

学校教育目標の実現に向けての学校ビジョンに、積極的に関与・意見具申し、学校全体の視点から、自分が取

り組むべき課題の明確化と実現のシナリオを描く役割

② 職場の活性化

学校内外の「人的資源」「物的資源」「資金的資源」「情報的資源」を効果的に活かし、管理職や同僚教職員

とともに、学校の組織を活性化する役割

③ 同僚教職員の指導・育成

学校での各種活動を通じて、自らと同僚の教職員の能力を向上させ、教職員として、社会人としての成長を促

進させる役割

④ 学校外部との折衝・対応

学校での各種活動の効果を上げるため、学校外部との協働のネットワークを築く役割

学校におけるミドルリーダーには「教育者と

しての使命感と、学校のキーパーソンとしての

責任感」という高い意識をベースに持ったうえ

で、表1で示される4点の具体的な役割が求め

られる。これらを整理すると、図1のように表

すことができる。

図示した項目は、学校組織力を組み立てるう

えで必要であり、ミドルリーダーに求められる

内容となっている。 図1 ミドルリーダーに求められる意識と役割

(2) ミドルリーダーに期待される行動

文科省は、学校におけるミドルリーダーに必要な意識や、求められる役割について示したうえで、

さらにそれぞれの内容に関して、期待される具体的な行動例を、複数の公立学校の管理職や中堅教

職員に対してヒアリングを行った結果より、5分野 23項目で表2のように例示している。

表2には、管理者と教職員、また若手教職員と経験豊かな教職員の連携を強化し、学校組織力を

高めていくためのミドルリーダーに求められる役割と行動が具体的に示されている。

表2 学校におけるミドルリーダーに期待される行動〈例示〉(文科省,2005)(一部改変)

意識と役割 ミドルリーダーに期待される行動

使命感と責任感

① 子どもへの関心と優れた接し方を身につける

② 担当する教科や校務の高い専門性を身につける

③ 誰とでも気軽に接するオープンなマインドを身につける

④ 絶えざる自己革新・自己成長への意欲をもち、具体的に取り組む

学校ビジョン構築への

参画と教育活動の推進

⑤ 年度の計画に加えて、中・長期的な学校づくりのビジョンをもつ

⑥ 自校の特色(強み・改善点)について、自分の意見と推進案をもつ

⑦ 現場の情報をもとに、学校運営の方向性を筋道立てて発信する

⑧ 学校運営について、機会を自ら創り出して管理職に意見具申する

⑨ 学校運営や校務について、新しい発想と企画・アイディアをもつ

職場の活性化

⑩ 同僚の教職員と、仕事に関するコミュニケーションを積極的に図る

⑪ 学年間や校務間のつなぎを積極的に引き受ける

⑫ 職場の一体感や雰囲気を盛り上げるイベントを企画する

⑬ 講師や外部の人がもつノウハウをピックアップして、学校に活かす

⑭ 放課後の何気ない雑談場面に進んで参加する

学校ビジョン構築への 参画と教育活動の推進

学校外部との 折衝・対応

同僚教職員の 指導・育成

職場の活性化 使命感と責任感

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同僚教職員の

指導・育成

⑮ 教職員としての模範であることを常に意識する

⑯ 自らの教育や指導のノウハウをオープンにし、若手を育てる

⑰ 若手や後輩の相談に積極的に乗る

⑱ 同僚と一緒になる機会等に、ざっくばらんな教育談義をする

⑲ 自ら学んでいる姿勢を常に見せる

⑳ 疑問点等を遠慮なく聞けるような教職員間の雰囲気を率先してつくる

学校外部との

折衝・対応

㉑ 教職員以外のネットワークをもつ

㉒ 学校関係以外からの情報でも、使えるものは積極的に使う

㉓ 自分なりに保護者や地域のネットワークを築く

2 本県で活躍しているミドルリーダー(事例調査)

本県高等学校において、実際にミドルリーダーとして活躍する教員およびその経験を有する管理者

にインタビュー調査を行った。得られた内容から、ミドルリーダーとしての必要な資質や役割につい

て整理した。結果は以下の通りである。

(1) A高校教諭「学校全体で取り組む生徒指導」

何かに取り組む際には、必ず「目標」と「手立て」を明確に提示することが大切である。それが

なければ、教職員や子どもたちは不安でついていけない。また、教職員や子どもたちを惹きつける

ためには、「指導力」や「教育力」はもちろん必要だが、それらの土台になるものは「人間力」で

ある。

(2) B高校教諭「学校改革としての生徒指導」

学校を良い方向に変えていくために職員を導いていくのは、ミドルリーダーの大切な役割である。

「強い信念」「間違った方向に向かわないための確かな知識」「全職員をまとめるコミュニケーショ

ン能力」「誰からも後ろ指を指されないような、普段からの姿勢」などがミドルリーダーに必要な資

質である。

(3) C高校教諭「生徒の目標実現に向けた進路指導」

進路実績のように学校全体を変えていく必要があるものは、一人の力では絶対にできない。ミド

ルリーダーとして全職員を動かすには、まず何よりも「職員の和」を大切にして、そのうえで具体

的な取組を実践していくことが大切である。したがって、高いコミュニケーション能力が必要にな

る。

(4) D高校教諭「学校全体で取り組む進路指導」

進路指導等の分掌に限らず、学級担任や教科担任にも共通して必要なものは、子どもたちのため

に学校をどうしたいのかという明確なビジョンを持ち、そのための具体的な取組を実践することで

ある。全職員でビジョンを共有し、学校全体で取り組まなければ、大きな成果は得られない。その

先頭に立つのがミドルリーダーである。

(5) E高校校長「グローバルな学校運営」

学校運営をするにあたっては、学校長がもつグローバルな視点での明確なビジョンを全職員で共

通理解することが大切である。そのために、学校ビジョンについて深く理解し、それをわかりやす

く教職員全体へ伝え、さらに実現させるための具体的な取組について率先して実践することがミド

ルリーダーの役割である。

(6) F高校教頭「特色を活かした学校運営」

学校の課題に応じて学校運営をするためには、教職員全体の力が必要である。学校経営目標を明

確にし、全教職員で共通理解して具体的に取り組んでいくことが重要である。ミドルリーダーには、

共通理解するためにまず教職員の和を構築し、さらに全体で足並みを揃えるための取組が求められ

る。

以上の(1)から(6)の内容からは、ミドルリーダーに期待される行動として表2で示される5分野 23

項目に符合する内容をみることができる。

3 学校組織力について

中央教育審議会学校の組織運営に関する作業部会(文科省,2004)において、学校運営に関して、

「学校組織全体の総合力を高めるよう、組織全体として有機的な運営が行われる体制を作ることが必

要である」とし、「教職員の資質能力を高めつつ、教職員が意欲を持って学校運営に参画するようにす

ることが重要である」と述べている。学校組織力を高めるためには、教職員が連携できる体制づくり

と、個々の教職員の資質能力および意欲を高めることの重要性が示されている。

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また、その際の課題として、「OJT(On the Job Training)が十分に行われず、一人の職員の研

修の成果が他の職員になかなか共有されないこともある。組織的な学校運営を支える在り方の一つと

して、組織力の向上に資するよう職員間の連携を更に図ることも大切であると考える」とし、職員間

の連携については特に、「個々人の知識や経験を学校全体で共有することが重要であり、例えば、研修

の成果を他の職員も共有できるよう校内研修を行うなど、知の共有化が図られる体制を作ることが必

要である」と提言し、教職員の連携に向けた校内研修の有効性と実施上のポイントを示している。こ

のように、教職員の資質を向上させ、教職員相互の連携を強化し、学校組織力をより高めていくため

には、校内研修は有効と考えられる。

4 校内研修の実施上の留意点(香川県教育センターの調査研究)

これからの校内研修の在り方(香川県教育センター,2005)では、校内研修の意義や課題等につい

て以下のように示している。校内研修を実施するうえでの留意点とみることができる。

(1) 校内研修の意義

校内研修の意義は、「学校の課題の解決や教員の資質能力の向上をめざして,学校全体で計画的・

組織的に取り組む研修活動である」としており、学校や教職員の現状を把握し、適切な研修テーマ

を設定する必要がある。また一人で進めるのではなく、学校全体を巻き込んで行う必要がある。

(2) 校内研修の特徴

表3は、校内研修の特徴として5点を示したものである。研修の利点として捉えることができる。

表3 校内研修の特徴(香川県教育センター,2005)

① 自分の学校の課題を具体的な研修課題として共有できる。

② 日常の教育実践に即した研修課題を,学校全体で解決していくことができる。

③ 研修の成果を直接子どもの指導に反映できるので,教育実践の充実・改善につながる。

④ 共通の目標達成に向けて取り組むので,教員間の協働意識を高めることができる。

⑤ 研修の時間や場を,学校の実態に合わせて設定できる。

(3) 校内研修の課題

表4は、校内研修を行う際の課題として5点を示したものである。これらの課題を解決できるよ

う事前に考慮して年間計画を作成していく必要があると考えられる。

教職員がもつ課題を研修テーマに反映させ、継続して深く学びつつ、実際の教育活動に活かせる

内容にすることで、研修への参加意欲を高めることができると考える。

(4) 校内研修を充実させるための提言

表5は、校内研修の意義や特徴、課題を踏まえたうえで、研修をより充実させるための提言を示

したものである。提言は、校内研修の企画・運営・実施の充実に向けて、参考にすべき事項と考え

られる。

表4 校内研修の課題(香川県教育センター,2005) 表5 校内研修への提言(香川県教育センター,2005)

① 研修計画に個々の教員の課題が反映されているか

② 研修内容に継続性があるか

③ 研修を実践につなげるための工夫がされているか

④ 研修について適切な評価が行われているか

⑤ 教員間の共通理解が図られているか

① 研究主題を重点化・具体化する

② 研修体制を工夫する

③ 研修内容を吟味し,時間や場の設定を工夫する

④ 自己の研修課題を設定する

⑤ ねらいや内容に応じた方法や形態を考える

⑥ 個々の教員が活躍する

⑦ 研修を日常の実践に生かす

⑧ 研修ごとの評価や総合的な評価を行い次に生かす

5 京都市立堀川高等学校の取組(事例調査)

京都市立堀川高等学校(以下、堀川高校)は、前身である京都市立堀川高等女学校が創立された 1908

年より続く歴史ある学校である。1999年に「人間探求科・自然探求科」が設置されて以来、飛躍的に

進路実績が向上し、「堀川の奇跡」として多数のメディアから取り上げられるようになった。

そのような実績ある公立高校を対象に、「ミドルリーダー、校内研修、教職員の資質と連携、学校組

織力」の視点で、訪問調査およびインタビュー調査を行った。訪問した期日は、堀川高校で行われた

「SSH(スーパーサイエンスハイスクール)研究開発報告会」(2014年 11月)であった。

(1) 研究報告と公開授業

総合的な学習の時間を利用し、生徒自身が課題を見つけ解決していく「探求基礎」という授業に

重点を置いている。少人数のゼミ形式で行われ、必ず中堅・ベテラン教員と若手教員のペアでティ

ーム・ティーチングを行うことで、指導や実践方法の共有と継承を行っている。

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また校内研修等を通して、教職員それぞれの資質向上と共通理解、連携強化を図り、組織として

教育活動に取り組んでいる。

(2) 校長、教員へのインタビュー

報告会や公開授業だけでなく、校長および5名の教員に対して、教職員の資質向上と連携強化、

学校組織力等について、インタビューを行った。

① 校長の回答(抜粋)

これまでの取組や生徒の実態等について話を聴く中で、校内研修について「これまで試行錯誤

を繰り返してきたが、講師としてどんなに偉い人に外部から来てもらうよりも、本校教職員が外

部で学んできたことを同僚に熱く伝えていくことが何よりも大切で効果的だという結論に辿り着

いた。」という言葉がとても印象的であった。

② 教員の回答(抜粋)

本年度採用された若手教員は、「教職員全員が学校のビジョンについて共通理解しているため

同じ方向に向かって努力し、学校全体の雰囲気がとても良い。校内研修でなくとも、日々の繋が

りの中で先輩教職員からいつでも学ばせてもらっている。」と述べ、OJTがしっかりと機能して

いると感じた。

(3) 調査結果のポイント

学校組織力を高めるには、教職員が自ら創り上げる校内研修を実践し、知的共有や学校ビジョン

の共有と、連携強化を図ることが重要であると捉えた。また、研究報告を行っていた発表者は中堅

教員が多く、校長が述べた内容と併せると、学校組織力を高めるためには、ミドルリーダーの存在

が重要であることがうかがえた。このような、教職員の意識改革や校内研修の取組、ミドルリーダ

ーの存在等により、堀川高校の学校組織力は飛躍的に高まったものと考えられる。

Ⅲ 研究の実際

本研究では、上述の文科省資料(学校におけるミドルリーダー、学校組織力)および実践事例(本県の

ミドルリーダー、堀川高校)、そして香川県教育センターの調査研究資料(校内研修の実施上の留意点)を

踏まえ、以下に示すように研究を進めた。

1 校内研修の対象者

校内研修の対象とする若手教職員は、管理者と筆者で検討し、年齢 35歳以下または教職経験 10年

未満の 20名とした。ただし、希望があれば、その他の教職員の参加も可能とした。

2 事前実態調査の結果と考察

校内研修を実施する前に、対象者 20名に対して事前のアンケート調査を行った。その結果と考察は

以下の通りである。

(1) 学校組織力等に関する意識調査の結果

学校組織力に関する質問項目と回答結果は、図2に示す通りである。

図2 学校組織力と校内研修についての意識調査(回答 20名)

(2) 学校組織力等に関する自由記述の結果

学校組織力等に関する意見について自由記述形式で回答を求めた。同様意見の多い内容を整理し

た結果は、表6に示す通りである。

15

70

75

100

100

100

50

30

20

35

5

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

⑥ 校内研修が年間計画に基づき実施されている

⑤ 連携を強化するために校内研修は有効である

④ 資質を高めるために校内研修は有効である

③ 組織力を高めるために連携強化は必要である

② 組織力を高めるために資質向上は必要である

① 学校組織力をさらに高めることは必要である

そう思う ややそう思う あまりそう思わない そう思わない

0 50 100(%)

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表6 学校組織力等に関する若手教職員の意見(抜粋)

① 学校組織力や教職員の資質を高め、お互いの連携を強化するにはどうしたらよいか。

・ さまざまな校内外研修を行い、知識と意識を高める。

・ 職員研修やレク等を通して交流する。コミュニケーションが大切。

② 学校組織力や教職員の資質を高め、お互いの連携を強化するために、障害があるとすれば何か。

・ 校務が多忙すぎて、教職員一人一人の余裕がない。

・ 臨任職員が多いため、これまでの学校全体の取組が見えにくい。

③ 効果的な校内研修を企画・実施するために、どうすればよいか。

・ 学校の課題を踏まえた内容の研修にする。

・ コミュニケーションも図れるような校外研修も企画してみる。

④ 効果的な校内研修を実施するために、障害になっていることがあるとすれば何か。

・ 校務の多忙さ。

・ 個人によってニーズが異なり、今すぐに必要のないテーマだと思うと参加しない場合がある。

⑤ 校内研修で学びたいテーマはどのようなものか。

・ 生徒指導、進路指導、学級経営に関すること。

・ 発達障害のある生徒への対応。

(3) 調査結果の考察

図2より、学校組織力と資質の向上、連携強化は必要かについては全員が「そう思う」と回答し

た。また資質向上に校内研修は有効かについては、「あまりそう思わない」と回答した5%(1名)

以外は、「そう思う」「ややそう思う」という肯定的な回答であった。連携強化に校内研修は有効か

についても、全員が肯定的な回答であった。しかし、校内研修が年間計画に基づいて実施されてい

るかについては、「あまりそう思わない」という回答が 35%(7名)で、校内研修の必要性と有効

性を感じているものの、現状では実効性に課題がみられる。

表6より、学校組織力等に関しては、組織力や資質の向上、連携強化のために、校内研修が有効

であると考えているが、問題点として校務の多忙化を挙げた回答が多くみられた。

以上の結果から、若手教職員は、学校組織力を高める必要性や、そのために教職員の資質向上と

連携強化を図ることの重要性を強く感じているとともに、それに関する校内研修を実施することは

有効であるとみている。しかし、校務の多忙化のため研修に参加できないことや、教育活動に研修

内容を活かしきれていないと感じていることがうかがえる。

3 校内研修の年間計画

(1) 年間計画を作成する際の留意点

① 研修内容

若手教職員に求められる資質が向上するものになるよう考慮する。また各研修の中でワークシ

ョップの時間を設定して討議等を行うことで、若手教職員が自ら考えたことを教育活動に活かせ

る内容にする。

② 研修により向上する資質

研修により向上させたい資質について整理する。表2で示すミドルリーダーに期待される行動

は、若手教職員が目指すべきものでもあると考え、それらに関する資質が向上するような研修を

設定する。

③ 研修テーマ

学校の現状や課題を踏まえ、管理者との話し合いや、若手教職員からの要望を参考にして決定

する。

④ 実施時期

より効果的な実施時期について検討する。早い時期に共通理解しておくべきものについては、

多忙ではあっても年度初めに実施することで、以後の教育活動に活かすことができる。

⑤ 講師

若手教職員にさまざまな経験やスキルを伝えられる中堅・ベテラン教職員へ主に依頼し、また

ミドルリーダーとして率先して行動するために、筆者が講師となる研修も取り入れる。

(2) 校内研修の年間計画モデル

上記の留意点を踏まえて、年間計画を表7のように作成した。各研修時間は放課後の 60分間とす

る。各研修で若手教職員に向上させたい資質については、表2の番号に対応している。

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表7 校内研修の年間計画モデル

月 日 研修テーマ 講師 (各 60分) 研修概要およびねらい 資質

4 4 学校組織力を高めるために

-若手教職員の想いを活かすには-

講師:(筆者)眞榮城敦

学校の諸課題や学校経営目標に組織的に取り組むには、教

職員の資質向上や連携が必要になる。そのために若手教職員

にできることを考え、学校組織力の向上に繋げる。

①~㉓

4 4 活気にあふれるホームルーム経営

-実践事例を通して-

講師:(2年6組担任)比嘉健二

子どもたち一人一人が夢に向かって努力し、またクラス全

体が団結するために、担任がやるべきことは何か。具体的な

取組や接し方など、実践事例を交えながら考える。

①~⑥

⑩⑰

4 4 本校の生徒指導について

-統一した指導のための共通理解-

講師:(生徒指導部主任)徳門潔

本校の生徒指導に関する課題や取組について、実践事例を

通して共通理解を深める。外部からの要望・苦情への対処法

や、生徒指導部各係の仕事内容についても把握する。

①~⑦

⑨⑩⑰

4 21 スクール・コンプライアンス

-教職員として意識を高めるために-

講師:(教頭)末吉康徳

教職員の不祥事が起こる度に、教育界への不信感が増す。

生徒や同僚等を裏切らないために、私たちがやるべきことは

何か。ワークショップを行い、意識を高める。

①②④

⑩⑮⑯

5 9 学校の危機管理について

-子どもたちの命を守るために-

講師:(教育センター研究主事)小松聡

学校にはさまざまな危機が起こる可能性がある。大切な生

徒の命を守るために、「防災・防犯・事故」について具体的な

事案を交えながら、的確な対応について確認する。

④⑦⑧

⑨⑩⑬

⑮⑯

5 16 本校の進路指導について

-夢実現に向けた具体的な支援-

講師:(進路指導部主任)関口由紀子

本校の進路指導に関する課題や取組について確認し、生徒

の夢の実現に向けてどのような支援ができるか考える。また、

進路指導部各係の仕事内容についても把握する。

①~⑦

⑨⑩⑰

6 6 発達障害の子どもたちへの生徒指導

-全体と個々への指導を通して-

講師:(筆者)眞榮城敦

本校にも発達障害の生徒が在籍する。学校全体の規律を確

立するための統一指導と、個々への対応・指導について、ど

ちらも満たすためにはどうすればよいのか考える。

①~④

⑥⑨⑩

⑮⑯⑰

6 27 いじめ・不登校に悩む子どもたち

-子どもたちを守るためにできること-

講師:(教育センター研究主事)宮城広行

いじめられている子やいじめている子への適切な対応や、

いじめが起こらない学級づくりについて考える。また、不登

校の子どもたちへのアプローチについても考える。

①~④

⑨⑩⑬

⑮⑯⑰

7 10 本校における効果的な授業とは

-中高連携を通して-

講師:(筆者)眞榮城敦

本校は2次募集での入学者もおり、授業方法に工夫が必要

である。近隣中学校(多様な生徒が在籍)での授業観察や意

見交換等を行い、本校での効果的な授業について考える。

①~④

⑥⑩⑬

⑯⑰㉓

7 18 教職員間のコミュニケーション1

-野外研修を通して-

講師:(筆者)眞榮城敦

学校組織力を高めるために、野外研修を通して、若手教職

員と中堅・ベテラン教職員とのコミュニケーションを図り、

教職員全体の連携を強化する。

③④⑩

⑪⑫⑭

⑰⑱⑳

8 7 多様な生徒とどう向き合うか

-生徒指導事例を通して-

講師:(生徒指導部主任)徳門潔

本校は、2次募集で入学する生徒の比率が高く、それによ

って生じる問題や状況を認識し、生徒にどう声かけをして方

向付けていくか、実践事例を交えながら考察する。

①~④

⑥⑦⑨

8 25 今、若手教職員に求められているもの

-溢れるパワーとアイディアを活かすには-

講師:(琉球大学教育学部准教授)吉田浩之

現在、学校では多くの若手教職員が活躍している。学校全

体が活性化するためには、若手教職員の力が大きな役割を果

たす。生徒のために何をするべきなのかを考える。

①~㉓

9 12 子どもたちが自律できる特別活動

-新たな取組を考える-

講師:(生徒指導部生徒会係)和宇慶忠勝

子どもたちが自律するために、部活動や生徒会活動等を通

して、どのような支援ができるのかを確認する。また、ワー

クショップを行い、新たな取組についても考える。

①~⑩

10 8 自由討論

-教職員が抱える悩みや問題について-

講師:(筆者)眞榮城敦

学校の問題からテーマを挙げ、その原因や対策について、

中堅・ベテラン教職員も交えながら、活発な意見交換を行う。

答えを導けなくてもよいので、自由な討論を行う。

①~㉓

11 27 教職員間のコミュニケーション2

-レクリエーションを通して-

講師:(筆者)眞榮城敦

学校組織力を高めるために、教職員レクを通して、若手教

職員と中堅・ベテラン教職員とのコミュニケーションを図り、

教職員全体の連携を強化する。

③④⑩

⑪⑫⑭

⑰⑱⑳

12 11 学校運営に関わる業務について

-本校教務部の取組を通して-

講師:(教務主任)津波直仁

教職員は、生徒への直接的な関わり以外に、学校運営に関

する事務的業務を行う場合もある。その業務に関する知識習

得と、本校教務部各係の仕事内容について把握する。

②~⑪

4 検証方法

(1) 校内研修の実施

本研究の検証は、年度途中での実施ということから時間的制約を踏まえ、表7に示す年間計画の

中から実施可能な4つの研修を選択して検証する予定であったが、検証を進める中で、若手教職員

から追加実施の要望が多くあり、結果として全5回の校内研修実施となった。

なお、それら5つの研修は、研修を通して高めたい若手教職員の資質である、表2で示す学校に

おけるミドルリーダーに期待される行動内容を網羅したものである。

Page 8: ミドルリーダーとして学校組織力を高めるための実践沖縄県立総合教育センター 1年長期研修員 第57集 研究集録 2015年3月 〈ミドルリーダー育成〉

(2) 校内研修実施の流れ

校内研修は図3のような流れで進める。対象者の若手教

職員には、毎回「振り返りシート」への記入を求める。ま

た、不参加の場合にはその理由を記入してもらい、参加促

進に向けた資料にする。

記入後は、所属する学年の学年主任に提出し、助言を受

けるようにする。次に、学年主任はシートを教頭へ渡す。

その後に、ミドルリーダーと学年主任、教頭で研修内容の

振り返りを行い、改善点を次回に活かすようにする。

このような流れで進めていくことで、若手教職員は研修

だけではなく、学年主任とコミュニケーションを図りなが

ら助言を受ける機会を得ることになる。また管理者も関わ

る仕組みを設定していることで、学校ビジョンとの整合性

を保つことができるようになっている。

また、中堅教職員の中から2名に協力を仰ぎ、チームと

して企画・運営・実施することで、次年度以降も同様な取

組ができるような体制を同時に築いていく。 図3 校内研修の流れ

(3) 効果検証の方法

3つのアンケート調査によって効果を検証する。1つには、表2の文科省が示すミドルリーダー

に期待される5分野 23行動内容を点検評価項目(評価用アンケート項目)として利用し、それを若

手教職員および本取組を主導する役割を担うミドルリーダー(筆者)に対して実施する。2つには、

若手教職員に意識の変容に関するアンケート調査を実施する。3つには、全参加者に対して全取組

後に自由記述形式での振り返りを求める。

それらの結果をもとに、若手教職員の資質向上、教職員間の連携強化、学校組織力の変容につい

て検討するとともに、本取組を主導する役割を担うミドルリーダー自身の変容についても検討する。

5 校内研修の実施

年間計画の中から選択して実施した5つの校内研修の概要は、以下に示す通りである。 (1) 第1回「教職員間のコミュニケーション2 -レクリエーションを通して-」(参加:33名)

講師:眞榮城敦(実施日:2014年 11月 27日)

教職員間のコミュニケーションを図ることが目的であったので、教職員全体に呼びかけ、管理者

や事務職員も含め、多くの参加があった。教職員レクとしてソフトバレーボール大会を実施し、コ

ミュニケーションを図った。その様子を写真1に示す。また振り返りシートでの感想を表8に示す。

表8 第1回校内研修の感想(抜粋)

・ 多くの先生方と気軽に話せるようになり、仕事での相談や連携をする意識が高まった。

・ 楽しい雰囲気で行うことができ、教職員間の雰囲気も明るく良いものとなった。

(2) 第2回「学校組織力を高めるために -若手教職員の想いを活かすには-」(参加:20名) 講師:眞榮城敦(実施日:2014年 12月 9日)

学校の諸課題や学校経営目標に組織的に取り組むには、経験豊かな教職員だけでなく若手教職員

の力も必要である。そのために、若手教職員が今できることは何か、これから取り組んでいかなけ

ればならないことは何かについて考え、今後の教育活動に活かせる内容とした。感想を表9に示す。

表9 第2回校内研修の感想(抜粋)

・ 若手同士でも話し合い、子どもたちのために「想い」をもって頑張ろうと強く思った。

・ 自分にも取り組めることが具体的に示されていて、とてもやる気になった。

(3) 第3回「本校の進路指導について -夢実現に向けた具体的な支援-」(参加:18名) 講師:関口由紀子(実施日:2014年 12月 11日)

本校の進路指導に関する課題や取組について確認し、生徒の夢の実現に向けてどのような支援が

できるか具体的に考え、これからの教育活動に活かせる内容とした。また、本校進路指導部各係の

仕事内容についても把握し、進路指導に対する理解を深めた。感想を表 10に示す。

表 10 第3回校内研修の感想(抜粋)

・ 現状把握と対策のためのデータ活用法がとても勉強になった。ぜひ実践してみたい。

・ 要点を押さえた内容で、本校でこれからすぐに活用できる指導法を多く学べた。

教頭

校内研修

振り返りシート記入 (若手教職員)

学年主任 (若手教職員へアドバイス)

ミドルリーダー

シート 受け渡し

シート 受け渡し

ミドルリーダーと教頭の 話し合い

整理 まとめ

シート提出 報告

話し合い 報告

工夫

改善

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(4) 第4回「多様な生徒とどう向き合うか -生徒指導事例を通して-」(参加:18名) 講師:徳門潔(実施日:2014年 12月 16日)

本校は、2次募集で入学する生徒の比率が高く、それによって生じる問題や状況を認識し、生徒

にどう声かけをして方向付けていくか、生徒指導だけではなく進路指導の視点も取り入れながら今

後の教育活動に活かせる内容とした。感想を表 11に示す。

表 11 第4回校内研修の感想(抜粋)

・ 本校の課題を具体的に知ることができ、指導の方向性についても共通理解できた。

・ 先輩方の経験を具体的に聴くことができ、それを今後の教員生活に活かしていきたい。

(5) 第5回「発達障害の子どもたちへの生徒指導 -全体と個々への指導を通して-」(参加:20名) 講師:眞榮城敦(実施日:2015年 1月 13日)

本校にも発達障害の生徒が在籍する。学校全体への統一指導と、個々への対応・指導のどちらも

充実させるためにはどうすればよいのか考え、具体的な支援方法について、実践事例をもとにまと

め、今後の教育活動に活かせる内容とした。その様子を写真2に示す。また感想を表 12に示す。

表 12 第5回校内研修の感想(抜粋)

・ 理論だけでなく実践例も多かったので、とてもわかりやすく、すぐに活かそうと思った。

・ 発達障害について、自らもっと積極的に学んで取り組まなくてはならないと思った。

写真1 第1回校内研修の様子 写真2 第5回校内研修の様子

6 仮説の検証

(1) 学校組織力の変容

① 若手教職員の資質の変容(自己評価)

若手教職員に対して、全5回の校内研修受講前後における自らの資質の変容について、自己評

価を実施した。なお、表 13に示す評価項目は、表2で示すミドルリーダーに期待される行動内容

を利用したものであり、それらは若手教職員にとっても習得が期待され目標とする対象であると

考えた。

質問項目へは4件法(4:そう思う,3:ややそう思う,2:あまりそう思わない,1:そう

思わない)による回答を求め、回答結果は表 13に示す通りである。

表 13 文科省が例示したミドルリーダーに期待される行動内容に関する若手教職員による自己評価(回答 20名)

回答選択肢(4:そう思う 3:ややそう思う 2:あまりそう思わない 1:そう思わない)

意識と役割 評価項目 20名による回答の平均値

研修前 研修後 増減

使命感と 責任感

① 子どもへの関心と優れた接し方を身につけている 2.55 3.20 +0.65

② 担当する教科や校務の高い専門性を身につけている 2.60 2.80 +0.20

③ 誰とでも気軽に接するオープンなマインドを身につけている 2.75 3.40 +0.65

④ 絶えざる自己革新・自己成長への意欲をもち、具体的に取り組んでいる 2.55 3.35 +0.80

①~④の平均値 2.61 3.19 +0.58

学校ビジョ

ン構築への参画と教育活動の推進

⑤ 年度の計画に加えて、中・長期的な学校づくりのビジョンをもっている 2.15 3.05 +0.90

⑥ 自校の特色(強み・改善点)について、自分の意見と推進案をもっている 2.00 2.90 +0.90

⑦ 現場情報をもとに学校運営の方向性を筋道立てて発信することができる 1.85 2.60 +0.75

⑧ 学校運営について機会を自ら創り、管理職に意見具申することができる 1.75 2.45 +0.70

⑨ 学校運営や校務について、新しい発想と企画・アイディアをもっている 2.00 3.00 +1.00

⑤~⑨の平均値 1.95 2.80 +0.85

職場の 活性化

⑩ 同僚と仕事に関するコミュニケーションを積極的に図ることができる 2.80 3.55 +0.75

⑪ 学年間や校務間のつなぎを積極的に引き受けることができる 2.55 3.20 +0.65

⑫ 職場の一体感や雰囲気を盛り上げるイベントを企画することができる 2.25 3.05 +0.80

⑬ 外部の人がもつノウハウをピックアップして学校に活かすことができる 2.60 3.15 +0.55

⑭ 放課後の何気ない雑談場面に進んで参加することができる 2.70 3.50 +0.80

⑩~⑭の平均値 2.58 3.29 +0.71

Page 10: ミドルリーダーとして学校組織力を高めるための実践沖縄県立総合教育センター 1年長期研修員 第57集 研究集録 2015年3月 〈ミドルリーダー育成〉

同僚教職員

の 指導・育成

⑮ 教職員としての模範であることを常に意識している 2.60 3.25 +0.65

⑯ 自らの教育や指導のノウハウをオープンにし若手を育てることができる 2.30 2.70 +0.40

⑰ 若手や後輩の相談に積極的に乗ることができる 2.25 2.85 +0.60

⑱ 同僚と一緒になる機会等にざっくばらんな教育談義をすることができる 2.75 3.40 +0.65

⑲ 自ら学んでいる姿勢を常に見せることができる 2.45 3.35 +0.90

⑳ 疑問点等を遠慮なく聞けるような雰囲気を率先してつくることができる 2.75 3.30 +0.55

⑮~⑳の平均値 2.52 3.14 +0.62

学校外部と

の折衝・対応

㉑ 教職員以外のネットワークをもつことができる 2.90 3.40 +0.50

㉒ 学校関係以外からの情報でも、使えるものは積極的に使うことができる 2.65 3.45 +0.80

㉓ 自分なりに保護者や地域のネットワークを築くことができる 2.50 2.95 +0.45

㉑~㉓の平均値 2.68 3.27 +0.59

全項目(①~㉓)の平均値 2.47 3.14 +0.67

すべての項目において、研修前よりも研修後の平均値が高かった。若手教職員は、ミドルリー

ダーに期待される行動に繋がる資質に関して、プラスの変容を実感している。

5つの分野別にみると、「学校ビジョン構築への参画と教育活動の推進」は、研修前の数値が5

つの中で最も低く、若手教職員にとって大きな課題になる内容であったとみられるが、研修後は

他の4つに比べて最も大きな向上がみられた。

本取組は、「学校ビジョン構築への参画と教育活動の推進」を含め、5つのすべての面について

若手教職員に資質向上の効果が期待できる可能性を示唆している。

② 若手教職員の意識の変容(アンケート調査)

個々の資質向上、教職員間の連携強化、学校組織力に関する若手教職員の意識の変容について

アンケート調査を行った。結果は図4に示す通りである。

図4 学校組織力等に関する意識調査(回答 20名)

質問項目①②③より、校内研修を通して自らの資質向上、教職員間の連携強化、学校組織力が

高まったかについては、すべての項目で95%が「そう思う」「ややそう思う」という肯定的な回

答であった。一方、それぞれの項目で5%(1名)が「あまりそう思わない」の回答であった。

これは否定的な意見ではなく、「現段階ではまだわからない」との理由からであることも記述より

得られた。

また質問項目④⑤⑥では、次年度以降、本研究で提示した校内研修の年間計画に基づきすべて

実施した場合、同じく自らの資質、教職員間の連携、学校組織力がさらに高まると思うかについ

て回答を求めた。その結果、全員が「そう思う」「ややそう思う」という肯定的な意見であった。

以上の結果より、本取組は、若手教職員の資質向上と教職員の連携強化、また学校組織力を高

めるのに有効であったことが示された。

③ 本取組後の振り返り(自由記述)

最後に、本取組後の振り返りとして自由記述形式で回答を求めた。同様の内容が多いものを整

理した結果は、表 14に示す通りである。

表 14 本取組後の振り返り(抜粋)

若手教職員の

感想

・ 学校組織力向上の目的でこうした校内研修を実施すると、学校は良い方向に必ず変わる。

・ 理論だけでなく、本校に即した具体的な取組方法等も学べ、すぐに活かしてみたいと思った。

・ 自らの資質向上だけでなく、学校全体の取組にどんどん関わっていけるようにしたい。

・ 教師としての考え方に大きな変化があり、貴重な経験となった。必ず実践に繋げていきたい。

75

75

85

35

40

55

25

25

15

60

55

40

5

5

5

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

⑥ 年計通りに行えば学校組織力がより高まる

⑤ 年計通りに行えば相互連携がより強化する

④ 年計通りに行えば自らの資質がより高まる

③ 今回の研修で学校組織力が高まった

② 今回の研修で相互連携が強化された

① 今回の研修で自らの資質が高まった

そう思う ややそう思う あまりそう思わない そう思わない

0 50 100(%)

Page 11: ミドルリーダーとして学校組織力を高めるための実践沖縄県立総合教育センター 1年長期研修員 第57集 研究集録 2015年3月 〈ミドルリーダー育成〉

若手教職員が

考えた課題

・ 年間計画の通りに実施する場合、校務の多忙化解消についても具体的に取り組む必要がある。

・ 若手教職員から学校全体へ発信できるような取組も自分たちで考えて実践する必要がある。

・ 有志で行うような小さな研修等を自分たちで企画し、大きな研修に繋げるようにする。

・ 校内研修だけでなく、ふだんからお互いで学べるように、OJTの機能も高める必要がある。

講師として

参加した

教員の感想

・ 講師として研修の準備をする中で、これまでの取組をまとめる良い機会となった。

・ 若手教職員に理解してほしいことを伝えることができ、大変良かった。

・ 他の分掌の先生と共通理解ができ、若手教職員に限らず、得るものがあった。

・ 学校全体にとって良い取組なので、ぜひ継続してほしい。その際の協力は惜しまない。

若手教職員の感想からは、校内研修を受講したことで、課題に対する具体的な実践方法や、教

職員としての意識等、多くのことを得られたと考えられる。

さらに、この取組に対してとても明確な課題が挙げられ、若手教職員の意識の高まりが認めら

れる。次年度以降、これらを考慮しながら取り組むことで、学校全体を巻き込んだ取組にするこ

とができると考えられる。

また講師として参加した2名の中堅・ベテラン教員(生徒指導部主任・進路指導部主任)の感

想からも充実感が認められ、本取組が若手教職員のためだけではなく、関わる中堅・ベテラン教

職員にとっても有意義であったと言える。

④ 学校組織力の変容に関するまとめ

表 13・表 14・図4の結果および考察より、本研究における若手教職員を対象とした計画的な校

内研修を通じて、個々の資質向上と教職員間の連携強化が図られ、その結果、学校組織力が高ま

ったことが認められた。

(2) ミドルリーダーとしての資質の変容

本研究の校内研修を企画・運営・実施した当事者(筆者)について、ミドルリーダーとしての資

質の変容を検証するために、他者評価と自己評価を行った。

他者評価は、表2で示すミドルリーダーに期待される行動をもとにした若手教職員の自己評価と

同じ評価項目を用いて、本研究の取組前後となる、本年度初め頃と現在の状態について評価を求め

た。

その際の評価者は、校長、教頭、各学年主任3名、講師(生徒指導主任・進路指導主任)2名、運

営協力者の中堅教員2名、若手教職員のうち昨年度から本校在籍の者 11名の計 20名である。また、

同時にその項目で筆者による自己評価も行い、結果は表 15に示す通りである。

表 15 ミドルリーダーに期待される行動に関する他者評価と自己評価

回答選択肢(4:そう思う 3:ややそう思う 2:あまりそう思わない 1:そう思わない)

意識と 役割

評価項目

20名による他者評価の平均値

( )内は自己評価

年度初め 現在 増減

使命感と 責任感

① 子どもへの関心と優れた接し方を身につけている 3.50(3) 3.90(3) +0.40(0)

② 担当する教科や校務の高い専門性を身につけている 3.65(3) 3.90(3) +0.25(0)

③ 誰とでも気軽に接するオープンなマインドを身につけている 3.35(3) 3.85(3) +0.50(0)

④ 絶えざる自己革新・自己成長への意欲をもち、具体的に取り組んでいる 3.50(3) 3.95(4) +0.45(+1)

①~④の平均値 3.50

(3.00) 3.90

(3.25) +0.40

(+0.25)

学校ビジョ

ン構築への参画と教育活動の推進

⑤ 年度の計画に加えて、中・長期的な学校づくりのビジョンをもっている 3.45(3) 3.90(4) +0.45(+1)

⑥ 自校の特色(強み・改善点)について、自分の意見と推進案をもっている 3.60(3) 3.95(4) +0.35(+1)

⑦ 現場情報をもとに学校運営の方向性を筋道立てて発信することができる 3.40(3) 3.75(3) +0.35(0)

⑧ 学校運営について機会を自ら創り、管理職に意見具申することができる 3.50(3) 3.80(4) +0.30(+1)

⑨ 学校運営や校務について、新しい発想と企画・アイディアをもっている 3.50(3) 3.80(4) +0.30(+1)

⑤~⑨の平均値 3.49

(3.00) 3.84

(3.80) +0.35

(+0.80)

職場の

活性化

⑩ 同僚と仕事に関するコミュニケーションを積極的に図ることができる 3.50(3) 3.90(4) +0.40(+1)

⑪ 学年間や校務間のつなぎを積極的に引き受けることができる 3.40(3) 3.80(3) +0.40(0)

⑫ 職場の一体感や雰囲気を盛り上げるイベントを企画することができる 3.35(3) 3.80(4) +0.45(+1)

⑬ 外部の人がもつノウハウをピックアップして学校に活かすことができる 3.30(3) 3.80(3) +0.50(0)

⑭ 放課後の何気ない雑談場面に進んで参加することができる 3.35(3) 3.85(4) +0.50(+1)

⑩~⑭の平均値 3.38

(3.00) 3.83

(3.60) +0.45

(+0.60)

Page 12: ミドルリーダーとして学校組織力を高めるための実践沖縄県立総合教育センター 1年長期研修員 第57集 研究集録 2015年3月 〈ミドルリーダー育成〉

他者評価において、すべての項目で本年度初め頃よりも現在の平均値が高かった。5つの分野、

すなわち「使命感と責任感」「学校ビジョン構築への参画と教育活動の推進」「職場の活性化」「同僚

教職員の指導・育成」「学校外部との折衝・対応」のそれぞれについても、現在の平均値が高く、全

般的にプラスの変容がみられた。

5つの分野それぞれにおいて、自己評価に比べ他者評価が高い結果であったが、ミドルリーダー

の役割を踏まえると、自己評価よりも同僚からの評価(他者評価)の結果がより重要であると捉え

られる。したがって、本研究の校内研修を主導する役割を担うことで、ミドルリーダーとしての資

質が高まったと考えられる。

また本取組の中で、このように他者評価を取り入れたことや、文科省の例示をもとに評価項目を

作成したことで、学校におけるミドルリーダーに対する評価方法を示せたことは成果であったと捉

えられる。

以上の結果と考察から、本研究における取組を年間計画通りに実践することは、若手教職員の幅

広い資質向上と教職員間の連携強化、また学校組織力を高めるために効果的であるだけでなく、同

時に、取組を主導する役割を担うことで、ミドルリーダーとしての全般的な資質も高めることが期

待できると考えられる。

Ⅳ 成果と課題

1 成果

(1) 若手教職員の資質向上や教職員間の連携強化を図り、その結果、学校組織力が高まるような校内

研修のテーマ、内容、実施時期等を考慮したうえで年間計画を作成し、その中から実際に校内研修

を実施することができた。

(2) 計画的な校内研修の実施により、若手教職員の幅広い資質向上と教職員間の連携強化を図ること

ができ、その結果、学校組織力が高まった。

(3) 若手教職員を対象とした校内研修を企画・運営・実施する中で、ミドルリーダーとしての全般的

な資質が高まった。

(4) 文科省が示す学校におけるミドルリーダーに期待される行動をもとに評価項目を作成し、他者評

価と自己評価によるミドルリーダーの評価方法を提示することができた。

2 課題

(1) 次年度以降、本研究で作成した年間計画に基づき、多忙化する校務の中でもより多くの教職員が

校内研修に参加して自らを研鑽できる環境作りが必要である。

(2) 計画された校内研修だけでなく、常日頃から教職員が相互に学び合える雰囲気作りや取組が必要

である。

(3) ミドルリーダーとしての資質をさらに向上させ、学校全体の教育活動を推進できるよう実践する

ために、これからも自己研鑽に努める必要がある。

同僚教職員

の 指導・育成

⑮ 教職員としての模範であることを常に意識している 3.55(3) 3.85(3) +0.30(0)

⑯ 自らの教育や指導のノウハウをオープンにし若手を育てることができる 3.40(3) 3.95(4) +0.55(+1)

⑰ 若手や後輩の相談に積極的に乗ることができる 3.55(3) 3.95(4) +0.40(+1)

⑱ 同僚と一緒になる機会等にざっくばらんな教育談義をすることができる 3.50(3) 3.90(4) +0.40(+1)

⑲ 自ら学んでいる姿勢を常に見せることができる 3.45(3) 3.95(4) +0.50(+1)

⑳ 疑問点等を遠慮なく聞けるような雰囲気を率先してつくることができる 3.35(3) 3.85(4) +0.50(+1)

⑮~⑳の平均値 3.47

(3.00) 3.91

(3.83) +0.44

(+0.83)

学校外部と

の折衝・対応

㉑ 教職員以外のネットワークをもつことができる 3.35(3) 3.80(4) +0.45(+1)

㉒ 学校関係以外からの情報でも、使えるものは積極的に使うことができる 3.50(3) 3.90(3) +0.40(0)

㉓ 自分なりに保護者や地域のネットワークを築くことができる 3.50(3) 3.75(3) +0.25(0)

㉑~㉓の平均値 3.45

(3.00) 3.82

(3.33) +0.37

(+0.33)

全項目(①~㉓)の平均値 3.46

(3.00)

3.86

(3.61)

+0.40

(+0.61)

Page 13: ミドルリーダーとして学校組織力を高めるための実践沖縄県立総合教育センター 1年長期研修員 第57集 研究集録 2015年3月 〈ミドルリーダー育成〉

〈参考文献〉

石川晋編 2014 『THE校内研修』 明治図書出版

山﨑保寿 2014 『ミドルマネジメント研修 BOOK』 教育開発研究所

石川晋・大野睦仁 2013 『笑顔と対話があふれる校内研修』 学事出版

諸富祥彦 2013 『教師の資質 できる教師とダメ教師は何が違うのか』 朝日新聞出版

井上智・井上賞子 2012 『読めなくても、書けなくても、勉強したい』 ぶどう社

村川雅弘 2012 『ワークショップ型校内研修』 教育開発研究所

杉山登志郎 2011 『発達障害のいま』 講談社

東ちひろ 2010 『子どもが伸びる!魔法のコーチング』 学陽書房

阿部博志 2010 『発達障害の子どもの指導で悩む先生へのメッセージ』 明治図書出版

白鳥信義 2010 『教師の意識を変える 校内研修マニュアル』 学事出版

前田勝洋編 2010 『教師のリーダーシップ力をきたえる』 黎明書房

浜田博文編 2009 『学校の組織力向上 実践レポート』 教育開発研究所

佐久間茂和編 2007 『ミドルリーダーを育てる』 教育開発研究所

杉山登志郎 2007 『発達障害の子どもたち』 講談社

成田幸夫編 2007 『若い教師を育てる』 教育開発研究所

香川県教育センター 2005 「これからの校内研修の在り方」

木岡一明 2004 『学校組織マネジメント研修』 教育開発研究所

北神正行編 2004 『リーダーシップ研修』 教育開発研究所

高階玲治 2001 『学校のマネジメント』 教育開発研究所