デジタル・バイオエコノミーの実現に向けて（バイオプラスチックをはじめとして）

三菱ケミカル株式会社横浜研究所 バイオ技術研究室長

水無 渉

2019/1/30関西スマートセルフォーラム

Content

1. 三菱ケミカルホールディングスご紹介（KAITEKI）2. 三菱ケミカルの取組み（KAITEKI・SDGｓ）1. 事例紹介2. 具体的な取り組み：植物由来マテリアル，高度廃水処理

3. 今後の展開4. まとめ

2

三菱ケミカルホールディングス 概要

3

会社概要

設立日本社所在地代表執行役社長資本金上場事業内容

事業領域連結売上収益(IFRS)連結コア営業利益(IFRS)

連結従業員数URL

2005年10月3日東京都千代田区丸の内1-1-1 パレスビル越智 仁500億円東京証券取引所グループ会社の経営管理（グループの全体戦略策定、資源配分など）機能商品、素材、ヘルスケア3兆7,244億円3,805億円

69,230名http://www.mitsubishichem-hd.co.jp/

株式会社三菱ケミカルホールディングスMitsubishi Chemical Holdings Corporation

代表執行役社長 越智 仁

数値は、2018年3月期の値

三菱ケミカルホールディングスグループは、持株会社である㈱三菱ケミカルホールディングスのもと、

三菱ケミカル㈱、田辺三菱製薬㈱、㈱生命科学インスティテュート、大陽日酸㈱を事業会社として連結子会社約500社、持分法適用会社約130社を含む、計約700社を擁する企業グループです。

私たちは、「KAITEKI Value for Tomorrow」をコーポレートスローガンに掲げ、KAITEKI実現をめざして企業活動を推進しています。

三菱ケミカルホールディングス 概要

100％100％ 56.3％ 50.6%

純粋持株会社(株)三菱ケミカルホールディングス*1

連結売上収益(IFRS) 3兆7,244億円連結従業員数 69,230名

機能分担会社

三菱ケミカル㈱ ㈱生命科学インスティテュート 大陽日酸㈱*田辺三菱製薬㈱*1

（2014年11月）連結売上高6,462億円

連結従業員数16,746名［事業内容］産業ガスおよび

関連機器・装置等の製造・販売

（2014年4月）連結売上収益1,323億円

連結従業員数4,709名

［事業内容］健康・医療ICT,

次世代ﾍﾙｽｹｱ,創薬ｿﾘｭｰｼｮﾝ

（2017年4月）連結売上収益2兆5,481億円連結従業員数40,290名

［事業内容］機能商品,素材等の

製造・販売

事業会社

100％

（2007年10月）連結売上収益4,338億円

連結従業員数7,187名

［事業内容］医療用医薬品を中心とする医薬品の製造・販売

*1 上場会社

グループ会社 グループ会社 グループ会社 グループ会社2018年3月期数値

事業体制

機能商品

ヘルスケア

素材

＜事業領域＞

2017年4月 三菱化学、三菱樹脂、三菱レイヨンが統合

し、三菱ケミカル(株)に

4

大陽日酸㈱*1

Mitsubishi Chemical Holdings (Beijing) Co., Ltd.

㈱三菱ケミカルホールディングスコーポレートスタッフ （2013年4月）

Mitsubishi Chemical Holdings Europe GmbH （2012年11月）

Mitsubishi Chemical Holdings America, Inc. （2010年11月）

㈱地球快適化インスティテュート （2009年4月）

（2011年1月）

5

社会性 Century（100年単位）

経済性 Quarter（月単位）

イノベーションDecade（10年単位）

３つの重要な視点から成る経営を通じて生み出す価値の総和を企業価値とし、この価値を高める「KAITEKI経営」を推進

価値創造のアプローチ：KAITEKI経営

5＊KAITEKIは目標／ゴール、S・H・Cはその具体化KAITEKI経営はその方法／アプローチ

「人、社会、そして地球の心地よさがずっと続いていくこと」私たちは、これをKAITEKIと名付けました。

この姿をめざして、Sustainability、Health、Comfortを価値基準として、

グローバルにイノベーション力を結集し、ソリューションを提供していきます。

三菱ケミカルホールディングスは未来を見すえて明日をかえる会社THE KAITEKI COMPANYです。

コーポレートメッセージ

6

グローバルフレームワーク

7

The Paris Agreement UN Sustainable Development Goals

世界は、サステナビリティ実現へのロードマップを共有しつつある

MCHCの持続的成長にとって重要なMOSのテーマ：＊気候変動の緩和と適応 ＊循環型経済への適応＊健康経営 ＊ステークホルダーエンゲージメント（＊急速なデジタル化 ＊人口動態変動 ＊化学品管理強化）

GRI（Global Reporting Initiative)

TCFD（Taskforce onClimate-RelatedFinancial Disclosures)

GPIF PRI署名

バイオが貢献できる開発目標

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1. 三菱ケミカルホールディングスご紹介（KAITEKI）2. 三菱ケミカルの取組み（KAITEKI・SDGｓ）1. 事例紹介2. 具体的な取り組み：植物由来マテリアル，高度廃水処理

3. 今後の展開4. まとめ

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気候変動への対応関連（MOS指標）

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FY2017実績78百万t-CO2S-3-3指標：GHG排出削減に貢献する製品・サービスの提供

FY2020目標150百万t-CO2

GHG排出削減ソリューションの提供

FY2017実績80.7MWの利用推進S-2-3指標：再生可能エネルギー利用の推進

FY2020目標50MW

再生可能エネルギーの創出、利活用ソリューションの提供

FY2017実績2,194tS-2-2指標：省資源、再生可能材料への転換枯渇資源から持続可能資源への転換

FY2020目標12,000t重油換算使用削減

事例：モビリティ関連ソリューション

ポリプロピレン樹脂

顧客ニーズ・社会ニーズへ、トータルなソリューションを提供 目標事業規模：4,200億円(2020年）←3,000億円(2015年）

軽 量 化 機能付加・強化

機能性樹脂 ポリエチレン樹脂

炭素繊維複合材

IMF成型用樹脂シートディアフィクス™

アクリル樹脂材料アクリペット™

エンジニアリングプラスチック

アクリル樹脂板アクリライト™

ガスバリアフィルム アクリルフィルムアクリプレン™

コンポジットシートGMT SymaLITE ™

白色LED・GaN基板、LED用エピウェハー

樹脂フィルム積層鋼板ヒシメタル™

転写箔加飾材料 MCナイロン

カーボンブラックウェットマスターバッチ

水溶性接着剤

環 境 対 応アルミナ繊維マフテック™

アルミ樹脂複合板アルポリック™

バイオエンプラデュラビオ™

リチウムイオン電池材料

コーティング材料ダイヤナール™

SCR触媒向け高機能ゼオライト AQSOA ™

SCRシステム専用高品位尿素水アドブルー™

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事例：循環炭素社会実現への貢献 原料多様化

省エネルギー部材

創エネルギー部材

バイオマス

人工光合成

断熱材

シェールガス

バイオプラスチック

石炭

リチウムイオン電池材料

炭素繊維 自動車軽量化風力発電 太陽光発電 有機太陽電池ゼロエネルギービル

プロセス効率化

α法MMAプラント

化石資源への極度な依存により失調した炭素循環のバランスを、化学産業が提供する

さまざまなソリューションによって取り戻す

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炭素資源

化学製品 CO2・H2O太陽光

炭化水素炭水化物

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循環型社会の実現

1.GHG排出量の少ない社会づくり：Life Cycle Analysis概念の導入2.化石資源に代わる新しい炭素資源の活用：CO・CO2・バイオなど3.人工光合成開発の国家プロジェクトに参加；ARPChem ’12年～

生物多様性Eco-System

共生Symbiosis

CO2の輪廻Metempsychosis

新・炭素社会Sustainable Carbon

Society

Sustainabilityの基本理念；「新･炭素社会」我々の化学は「錬炭素術」

・・・新・炭素社会を実現する循環炭素化学の役割を果たす

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1. 三菱ケミカルホールディングスご紹介（KAITEKI）2. 三菱ケミカルの取組み（KAITEKI・SDGｓ）1. 事例紹介2. 具体的な取り組み：植物由来マテリアル，高度廃水処理

3. 今後の展開4. まとめ

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MCC bio‐based products: Bio plastics

Bio‐based

Biodegradability

Heatresistance

FlexibilityTransparency

Tear strength

Compatibility withnatural  fibers  

Low temp heat‐sealing

PLA

PBAT

Produced by

Biodegradable plastic

Biodegradable, good compatibility with other plastics and  fibers giving better 

material  properties.

Optical propertye.g. low birefiringence

High transparency

High impact resistance

Heat resistance

Bio‐basedFlame 

retardanceSurface hardness

UV resistance

DURABIOPolycarbonate

Acrylicresin

TM

Bio‐based engineering plastic

Enhanced functionalities and performance along with an environmental contribution.

Mulching films

Agriculture

One‐way tableware

Living wares

“Paint –less” interior parts

Fiber‐plastics composite

Automobiles

See throughnoise barrier wall

Infrastructures

Sunglasses

Optical applications

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PBSの特徴と主な用途

ディスポーザブル食器・カップ

コンポスト袋

不織布

マルチフィルム

バイオ由来

生分解性

ヒートシール性

印刷の容易性

ラミネーション容易

加工性加工性

柔軟性

耐熱性

フィルム化良好

射出成型容易

繊維化良好

基本特性・物性基本特性・物性

衝撃強度

用途用途

繊維コンポジット

相溶性が材料と材料、特性と特性を結び付け、用途が展開

16

DURABIO®とは?

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グルコース ソルビトール イソソルバイド

DPC

共重合モノマー

透明性=光学特性に優れ、耐候性=黄変し難さや、表面特性=傷付き難さなど、高い機能と特長がバランスした植物由来のエンジニアリングプラスチック

• DURABIO®（Durable + BioPolymer）は再生可能な植物由来原料を使用した新規エンプラ

DURABIO®DURABIO®

DURABIO®のユニークな特徴とターゲット用途

光学特性ガラス代替（軽量化）

光学特性ガラス代替（軽量化）

表面硬度塗装レス（VOC削減）

表面硬度塗装レス（VOC削減）

耐候性・難燃性無黄変（耐久）・自消（安全）

耐候性・難燃性無黄変（耐久）・自消（安全）

バイオマス植物原料（再生可能資源）

バイオマス植物原料（再生可能資源）

PC樹脂PMMA樹脂

DURABIO®

光学特性低複屈折・高透明性

ﾌｨﾙﾑ屈曲性延伸配向性

耐衝撃性・耐面衝撃（打抜加工性）

耐熱性

植物由来 難燃性

高表面硬度

耐候性・耐UV性（無黄変性）

18

植物由来 ウレタン原料（ ）

19

• 植物由来原料を含む、従来にない組成や高分子量のPCDを開発し、優れたポリマー物性の実現を可能としました

• イソシアネートとの反応性が高い性質も持ちます• 2016年から本格展開、現在1,000トン/年の生産能力を有しています

は新たなポリカーボネートジオール（polycarbonatediol,PCD）

は最終製品にユニークな特性を提供する

合成皮革/人工皮革塗料/樹脂コーティング剤

TPU

低温での柔軟性耐摩擦性耐薬品性

耐加水分解性高硬度耐久性

HO R OCO R

O

OHn

植物由来マテリアルビジネスによるKAITEKIの実現

20

• 植物由来、あるいはバイオテクノロジーによる革新的な製品、プロセス、ビジネスモデル創出のため多くのR&Dプロジェクトが進行中

• 活発に新しいパートナーとのコラボレーションの種を探索中我々は、社会・地球の持続性に貢献するため植物由来マテリアルビジネスに取り組んでいます ・・・ KAITEKIの実現

~2010 2015 20252020 2030 2035

Well-b

alan

ced po

rtfolio

for su

staina

bility

TM TM

C4C5CX

New high-function products

Direct production C3

Reduction of oil/coal/gas consumption by improvement of efficiency

C2

Further applications

水環境保全に貢献する廃水処理技術

英国政府BIS“The Perfect Storm Scenario ”(J. Beddington), 2015年

MBR；効率的な廃水処理技術• Membrane Bioreactor (MBR)：生物処理と膜分離とを組合わせた排水処理システム

• 膜分離(Membrane Filtration) は、従来の沈殿法と比較して分離性能、処理時間、維持管理に優位性を持つ

生物処理Biologicaltreatment

MBR 膜分離Membrane filtration

使用する膜の一例（中空糸膜）

コンパクトに、高効率で、高度な処理水へ

21世紀は水の世紀Water Crisis

21

高度・高効率水処理による環境負荷の低減

22

排水 活性汚泥

MBR処理水

1. 高度な処理水質（再利用可能）：ROと組み合わせるとさらに高度処理水取得も可能 細菌フリー 原理的には繊維由来のマイクロプラスチックも除去可能 ZLD（Zero Liquid Discharge）化可能

2. 省スペース（沈殿槽不要），オペレーションシステムがシンプル

MBRの特徴

Content

1. 三菱ケミカルホールディングスご紹介（KAITEKI）2. 三菱ケミカルの取組み（KAITEKI・SDGｓ）1. 事例紹介2. 具体的な取り組み：植物由来マテリアル，高度廃水処理

3. 今後の展開4. まとめ

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2018（平成30）年７月19日

三菱ケミカル（株）横浜研究所バイオ技術研究室長 水無 渉

『デジタルを融合したバイオ産業戦略』

COCNフォーラム2018 「Society 5.0のデータ連携基盤」

COCNフォーラム2018

推進テーマ プロジェクト体制（FY2017）

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テーマリーダー：三菱ケミカル 横浜研究所 バイオ技術研究室長 水無 渉

○その他の参加企業IHI、味の素、出光興産、江崎グリコ、カネカ、サントリーグローバルイノベーションセンター、JSR,JXTGエネルギー、島津製作所、清水建設、大陽日酸、高砂香料、帝人、東芝、東レ、日立化成、日立製作所、日立ハイテクノロジーズ、富士フイルム、ブリヂストン、北海道三井化学、マルハニチロ、三菱総合研究所、ユーグレナ、ユニバーサルマテリアルズインキュベーター 等

ＷＧ１（化学品）

◎住友株式会社技術企画部担当部長

〇理化学研究所副主幹

◎主査、〇副主査

COCN実行委員〇住友化学株式会社 専務執行役員 小川 育三〇JXTGエネルギー株式会社 取締役 常務執行役員 五十嵐 仁一〇三菱ケミカル株式会社 顧問 折戸 文夫

ＷＧ２（高機能食品）

◎キリン株式会社R&D本部技術開発推進部長

〇産業総合研究所生物ﾌﾟﾛｾｽ研究部門長

ＷＧ３（その他の分野での活用）◎三菱ケミカル株式会社バイオ技術研究室長

〇鹿島建設株式会社環境本部環境ｿﾘｭｰｼｮﾝG次長

ＷＧ４（デジタル活用）

〇東京工業大学大学院 総合理工学研究科 教授◎株式会社日立総合計画研究所 副所長

COCN産業競争力懇談会（COCN）とはCOCNは、国の持続的発展の基盤となる産業競争力を高めるため、科学技術政策、産業政策などの諸施策や官民の役割分担を、産官学協力のもと合同検討により政策提言としてとりまとめ、関連機関への働きかけを行い、実現を図る活動を行う。

http://www.cocn.jp/是非ご参照ください ⇒ 26

COCNフォーラム2018

プロジェクト検討の全体像（FY2017～）

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コンセプト○ 持続可能な社会（循環型社会の実現と健康寿命の延伸など）形成を目標○ データを有効に活用して、バイオによる合理的なモノづくり・コトづくりシステムを構築○ 産学連携・産産連携などを通じて“有用なデータベースの整備及び開発プラットフォー

ムを構築”、さらに“バイオ産業加速施策”と合わせて提言、推進○ 強みのあるサイバー（データ）とフィジカル（リアルリソース等）を特定、拡幅、活用

し競争力の源泉へ現状 目指す姿

各種データベース（サイバー）

各種バイオ・ケミカルリソース（フィジカル）

新しい価値例えば高機能ポリマー

新しい価値例えば高機能食品

＊フィジカル（リアルリソース等）：例えば、有用菌株、特殊環境サンプル、健常人サンプル、品種 etc

開発プラットフォーム（機能予測AI）

開発プラットフォーム（機能予測AI）

データベースの統合・利活用

リアルリソースの共有

COCNフォーラム2018

革新的バイオ素材・高機能品開発

マテリアルインフォマティクス基盤技術の開発

各種物性データ

機能素材の合理的予測

サプライチェーン関連技術の高度化

フロー速度

フロー速度

例えば 廃水処理の高度化

ボトルネック解消による低コスト化

生物機能活用

AIを用いた

機能設計

植物 鶏卵

微生物

「食」を通じた新たな健康システムの開発

健康 軽度不調 病気

軽度不調マーカーの特定とセンシング技術の

開発

大規模コホート研究 大規模データベース化

1a

1b

2a

2b

2

4

5

6

システマティックレビューシステム開発

食品成分と効果効能データの集積

コホート研究データの集積

（腸内マイクロバイオーム等）

「食」の新素材開発の効率化とヘルスケア産業の活性化

昨年度（FY2017）提言まとめ

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○ 国のプロジェクトも活用し前競争領域における成功モデルを確立、データ協調化へ○ 標準化・規格などの産業振興施策、人材育成、国民受容などの社会的課題

⇔ ⇔ ⇔

ＡＰＩ開放／連系／セキュリティ確保

⇔ ⇔ ⇔

公的機関保有データ

⇔ ⇔ ⇔ ⇔ ⇔ ⇔民間企業保有データ

バイオ・素材関連データベース統合・利活用促進

関連施策・プロジェクト等

議論途上の課題①産業界と公的機関のデータ利活用/公的機関のさらなる連携・融合

②センサー・植物・廃棄物有効利用に関する先進技術

③提言内容の具体的な推進方法

合理的な生物機能デザイン(NEDOスマセル事業)

機能設計スマートセル（生物細胞）

生産株 統合バイオDB

生物情報

AI

COCNフォーラム2018

第2期戦略的イノベーション創造プログラム（SIP）の動き

29出所：内閣府ホームページ；戦略的イノベーション創造プログラム（SIP）第2期

「生物の機能を活用したものづくり」による持続可能な成長社会の実現

課題C-2課題C-1

サプライチェーン上のボトルネックを解消することにより、再生可能原料からの化学品等の事業をクラスター化し循環型社会を実現する＊研究開発のボトルネック（ビックデータを活用した機能予測）、生産技術のボトルネック（生物機能の徹底活用、ダウンストリームの優位技術）、原料活用のボトルネック（農林水産業系未利用資源の徹底活用、持続性ある原料生産）

研究 開発 製造 流通 消費原料

革新的バイオ素材・高機能品等の開発実用化* 機能設計：バイオ素材の合成可能性予測技術・マテリアルズ

インフォマティクス基盤技術の開発* 生物機能を活用した高度生産システムの開発・実用化

バイオ合成可能化合物の自動発生

各種物性データ

AIを用いた機能設計

（例）

高機能化合物の高効率開発・実用化 高度生産システム開発

微生物活用

遺伝子組換えカイコ活用

植物活用

鶏卵活用

データ活用による高度化

スマートセル産業を支えるサプライチェーン関連技術の高度化・実証研究* ボトルネックプロセス（廃水・バイオ変換等）高度化・優位化* 原料効率的利活用（農林水産業系未利用資源等）

ボトルネックプロセスの高度化・優位化

フロー速度

例えば

廃水処理の高度化

多センサーによる状態解析、生物叢解析データ

サプライチェーンボトルネック解消による低コスト生産技術確立

農業系バイオリソース

水だけを使う全成分の分離・回収

セルロースイソプレノイドポリフェノールフラン・無水糖芳香族・シリカ

機能性化学品原料

革新的糖化プロセス技術

次世代のトップ化学プラットホーム＝安価なC6糖を実現

バイオリソース情報

プロセス情報

プロダクト情報

地域(人/産業/社会）情報

出所：内閣府ホームページ；戦略的イノベーション創造プログラム（SIP）第2期

COCNフォーラム2018

Society5.0データ連携基盤の社会実装に向けた考え方

31

持続可能な社会

（循環型社会の実現・健康寿命延伸の実現など）学（国研・大学等の研究機関）

テクノロジ

・プ

シ

マ

ケ

ト・プル

高機能化学品

高機能食品産業界

有用データベースの統合価値創造APIの開発

競争力のある先進技術の持続的開発

人材育成（高度専門性，アントレプレナー）

政府バイオ産業誘導化施策（バイオプリファード，食薬区分の適正化など）

資金的・制度的支援（成功モデル構築，先進技術開発など）

人材育成やベンチャー支援など

バイオ製品・・

高機能化学品デザイン（MIとの連携）や高機能食品開発（効率的SR/機能予測）などでの成功モデル構築など

消費者

MI:マテリアルズインフォマティクス，SR:システマチックレビュー，API：アプリケーション・プログラム・インターフェイス

産業界がクラスター化 データ駆動型の優位

技術，異分野間での利活用によりマーケットニーズ（消費者ニーズ）とソリューションを

コネクト⇒持続可能な社会の

実現

産業界と消費者を繋ぐ

産業間を繋ぐ

三菱ケミカル株式会社横浜研究所 バイオ技術研究室長

水無 渉

日本バイオ産業人会議（ＪＡＢＥＸ）2018 年第１回臨時世話人会議2018 年8 月31 日（金）バイオインダストリー協会会議室

産業界からの意見提案 「ものづくり・環境」0. まとめ1. ものづくり産業の目指すべきビジョン2. バイオ戦略をはじめとする政策策定に向けた体制のあり方3. ものづくり産業の目指すべき循環型社会の取組の方向性4. 日本の地域バイオマス活用等を含めたエコシステム構築へ

JABEX ワーキンググループ三菱ケミカルリサーチの協力のもと作成

ものづくり産業の目指すべきビジョン

33

2018年8月31日バイオ産業人会議臨時世話人会会議 報告資料より

製品設計の段階からリサイクル・リユースを考えて設計（デジタルデータ・AIの活用） 地域自治体を巻き込んだエコシステムの構築（食糧との競合はよく考慮する必要） 環境影響・廃棄物処理コストなどに対するバイオ製品の価値について

科学的エビデンスを蓄積、国民理解へつなげることが重要

地域連携による産業振興

34

2018年8月31日バイオ産業人会議臨時世話人会会議報告資料より

バイオマス原料を用いたバイオ化学品

廃水・廃棄物処理

リサイクル有機飼料・肥料

コンポスト

まとめ；産業界からの意見 「ものづくり・環境」

資源小国の弱みを強みに変える施策＊地域バイオマスを持続的に活用できる仕組み作り（エコシステム構築）＊ASEANなどを中心としたバイオマス資源国との連携（輸入資源ハブ）技術を基盤としたグローバル社会への貢献＊産官学連携して競争力のある技術を構築・展開＊リサイクル法に基づく資源回収技術・インフラは日本の強み＊生物機能を利用したものづくりに対する国民理解と社会貢献政策策定及び実施体制の強化＊バイオ関連の技術見極めを継続的にできる機関の設置＊省庁連携、国研連携の強化：融合へ

参考資料２；経済産業省のバイオ産業関連国費投入状況参考資料７；欧州プラスチック市場に向けた規制標準化ビジネスモデル

ものづくり産業の目指すべきビジョン

持続可能な循環型社会の実現に向けたものづくり持続可能な経済成長（バイオ戦略 等）を両立

まとめ

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1. 持続可能な社会の実現のためにバイオテクノロジーは有効な手段の一つである（国連で決議された持続可能な開発目標：SDGsの実現にも寄与する）

2. 化石燃料を主な原料として様々なマテリアルを提供してきた化学企業が循環型社会形成に取り組むべきである

3. バイオテクノロジーとデジタルテクノロジーを有効に活用したデータ駆動型の優位技術により“持続可能な循環型社会の実現に向けたものづくり” と“持続可能な経済成長”の両立を目指すべきである

4. 日本のバイオマスで、食料とバッティングすることなく、全ての化学品を生産することは不可能に近いが、地域で特徴のあるバイオ製品産業のエコシステムを作ることは意義がある

Thank you!