ここまで分かったバイオリーチング技術 第3回バイオ...

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2009.1 金属資源レポート in バイオリーチングは、化学的な方法では処理が困難な鉱石に対して、微生物が持つ機能を用いて、金属を抽出し ようとする技術である。既に硫化鉱物に取込まれた金の難処理鉱の浸出等では実用化されている。一方、銅のヒー プリーチングでは、輝銅鉱等二次硫化鉱物主体の鉱石に対しては、バイオヒープリーチングが行われているが、黄 銅鉱等一次硫化銅鉱物主体の鉱石に対しては、実用化されていない。JOGMEC では、中長期的な銅鉱石の更なる 低品位化を見込んで低品位一次銅鉱石のバイオヒープリーチング技術開発を行っている。本事業の一環として、平 成 18 年度から毎年、鉱業へのバイオ技術の適用に関してシンポジウムを開催しており、2008 年 11 月 14 日に第 3 回バイオシンポジウムを、秋田県小坂町の JOGMEC 金属資源技術研究所で開催し、鉱山会社、自治体・公益法人、 大学、商社、環境関連会社等関係者 64 名の参加を得た。本稿では、第 3 回バイオシンポジウム in 小坂での講演の 概要を報告する。 神谷 太郎 金属資源技術部 生産技術課長代理 1. 講演プログラム及び要旨 【JOGMEC 金属資源技術研究所 研究内容紹介】 (1)硫酸水溶液による黄銅鉱浸出における硫酸濃度 の影響(主任研究員 趙 成珍) JOGMEC のバイオリーチング技術開発のターゲッ トである難溶性の黄銅鉱の浸出条件を探るべく、その 浸出機構の解明を目的として、硫酸による化学的な浸 出試験を行い、硫酸濃度が黄銅鉱の浸出率に大きく影 響することを報告した。 (2)二次硫化銅鉱を対象としたカラムリーチング(研 究員 田村宗之) 一次硫化銅鉱のヒープリーチングの最適化のため、 既にヒープリーチング操業が実用化されている二次硫 化銅鉱を用いて鉱石を円筒容器に充填して、浸出液を 撒布するカラムリーチング試験を実施し、浸出液の酸 濃度や酸化剤添加の影響等について報告した。 【日本における研究の最前線】 (1)黄銅鉱浸出の電位依存性とバイオリーチング(北 海道大学 准教授 広吉直樹) 黄銅鉱の浸出では、浸出液中の鉄や銅の濃度で決定 される酸化還元電位が重要な因子であることの説明が あり、研究室での試験例や過去の小坂鉱山でのインプ レースリーチングの例を挙げられるとともに、バイオ リーチングにおける電位制御についてコンセプトが紹 介された。 587ここまで分かったバイオリーチング技術 第 3 回バイオシンポジウム in 小坂を開催

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�2009.1 金属資源レポート

特 集

ここまで分かったバイオリーチング技術 ―

第3回バイオシンポジウムin小坂を開催―

バイオリーチングは、化学的な方法では処理が困難な鉱石に対して、微生物が持つ機能を用いて、金属を抽出しようとする技術である。既に硫化鉱物に取込まれた金の難処理鉱の浸出等では実用化されている。一方、銅のヒープリーチングでは、輝銅鉱等二次硫化鉱物主体の鉱石に対しては、バイオヒープリーチングが行われているが、黄銅鉱等一次硫化銅鉱物主体の鉱石に対しては、実用化されていない。JOGMEC では、中長期的な銅鉱石の更なる低品位化を見込んで低品位一次銅鉱石のバイオヒープリーチング技術開発を行っている。本事業の一環として、平成 18 年度から毎年、鉱業へのバイオ技術の適用に関してシンポジウムを開催しており、2008 年 11 月 14 日に第 3回バイオシンポジウムを、秋田県小坂町の JOGMEC 金属資源技術研究所で開催し、鉱山会社、自治体・公益法人、大学、商社、環境関連会社等関係者 64 名の参加を得た。本稿では、第 3 回バイオシンポジウム in 小坂での講演の概要を報告する。

神谷 太郎金属資源技術部 生産技術課長代理

1. 講演プログラム及び要旨【JOGMEC 金属資源技術研究所 研究内容紹介】(1)�硫酸水溶液による黄銅鉱浸出における硫酸濃度

の影響(主任研究員 趙 成珍)JOGMEC のバイオリーチング技術開発のターゲッ

トである難溶性の黄銅鉱の浸出条件を探るべく、その浸出機構の解明を目的として、硫酸による化学的な浸出試験を行い、硫酸濃度が黄銅鉱の浸出率に大きく影響することを報告した。

(2)�二次硫化銅鉱を対象としたカラムリーチング(研究員 田村宗之)

一次硫化銅鉱のヒープリーチングの最適化のため、既にヒープリーチング操業が実用化されている二次硫

化銅鉱を用いて鉱石を円筒容器に充填して、浸出液を撒布するカラムリーチング試験を実施し、浸出液の酸濃度や酸化剤添加の影響等について報告した。

【日本における研究の最前線】(1)�黄銅鉱浸出の電位依存性とバイオリーチング(北

海道大学 准教授 広吉直樹)黄銅鉱の浸出では、浸出液中の鉄や銅の濃度で決定

される酸化還元電位が重要な因子であることの説明があり、研究室での試験例や過去の小坂鉱山でのインプレースリーチングの例を挙げられるとともに、バイオリーチングにおける電位制御についてコンセプトが紹介された。

(587)

ここまで分かったバイオリーチング技術―第3回バイオシンポジウム in小坂を開催―

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ここまで分かったバイオリーチング技術 ―

第3回バイオシンポジウムin小坂を開催―

特 集

(2)�深海底資源へのバイオリーチング適用可能性(大阪府立大学 教授 小西康裕)

深海底資源の製錬法について陸上資源と比較してご説明いただくと共に、従来からバイオリーチングに適用されている硫黄酸化微生物を使った深海底資源の浸出法に加えて、鉄還元微生物を使った浸出方法が紹介された。

【本邦企業の取組み】(1)�日鉱金属のバイオマイニングへの取組み(日鉱

金属(株) 主任技師 三浦 彰)日鉱金属と CODELCO が共同で設立したバイオマ

イニング技術開発を手掛ける BioSigma 社が紹介された。BioSigma 社では、リーチングプロセスの最適化の研究と共に、微生物の機能解析と特定の能力の強化等微生物学からのアプローチを進めている。

【海外における鉱業へのバイオの適用】(1)�MINTEK におけるバイオリーチング技術開発

(MINTEK 主任技師 John�Neale)MINTEK の概要と共にバイオリーチング技術開発

について、紹介された。特に、既に実用化されている金鉱や銅精鉱のタンクバイオリーチングについては、実施例を多く紹介された。

(2)�ヒープリーチングのモデリングと UBC の銅回収新技術“GALVANOX(ガルバノックス)法”の紹介(UBC(University�of�British�Columbia)教授 David�Dixon)

同教授が開発した黄銅鉱浸出の新技術、黄鉄鉱との

電気化学的作用に着目した“GALVANOX 法”についての講演とヒープリーチングにおけるヒープ内の気体、液体、熱の移動等を総合的に解析するモデルの紹介をなされた。

2. 各講演の概要各講演の概要を紹介する。なお、JOGMEC 金属資源技術研究所の趙・田村両

研究員の講演内容は、2008 年資源・素材関係学協会合同秋季仙台大会にて口頭発表したもので、その詳細は同大会講演資料集の D13-2 及び C11-2 に掲載されているのでこちらを参照願いたい。

2-1. 黄銅鉱浸出の電位依存性とバイオリーチング(北海道大学 准教授 広吉直樹)

黄銅鉱のリーチングは一般的にスライド 2-1-1 に示されている式に従って進むと考えられている。この式によれば、黄銅鉱の浸出は Fe3+ によって行われるため、浸出液中の Fe3+ 濃度は高いほうが浸出に有利であり、浸出液の酸化還元電位も高い方が良いとされてきた。

しかし、実際は浸出液の酸化還元電位が高ければ良いという訳ではなく、最適な酸化還元電位があることが判明している。このため、酸化還元電位を制御することによるリーチングの研究が行われてきたが、電位依存性のメカニズムに不明な点が多く、従って、最適電位の決定因子が不明であり、制御目標が不明なため、良い浸出結果が得られていなかった。これに対して、北海道大学のグループでは、このメカニズムの解明を中心に研究を進めた結果、Cu2+ イオンと Fe2+ イオ

(588)

4Fe2++4H++O2 = 4Fe3++2H2O

黄銅鉱のバイオヒープリーチング浸出反応と酸化還元電位

CuFeS2 = Cu2++Fe2++2S+4e-

+) 4Fe3+ + 4e- = 4Fe2+

CuFeS2+4Fe3+ = Cu2++5Fe2++2S

Redox potential of the solutions,Redox potential of the solutions, EEE = 0.67 + 0.059 LogE = 0.67 + 0.059 Log ( [( [FeFe3+3+] / [] / [FeFe2+2+] )] )

CuFeS2 = Cu2++Fe2++2S+4e-

+) 4Fe3+ + 4e- = 4Fe2+

CuFeS2+4Fe3+ = Cu2++5Fe2++2S

酸化還元電位E(Fe3+濃度)を高くすれば

浸出速度は速くなるはず…古い考え!

Iron OxidizingBacteria

Iron OxidizingBacteria

CuFeS2CuFeS2

スライド 2-1-1.

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特 集

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第3回バイオシンポジウムin小坂を開催―

ンが共存する低酸化還元電位溶液で、黄銅鉱 CuFeS2

は Cu2S を経て、浸出されることとを突き止めた。Cu2+ の存在下で黄銅鉱は Fe2+ から電子を与えられ

て Cu2S となる。この反応が起こる電位が Ec であり、この反応は還元反応であるため、Ec より低電位でこの反応が進行する。一方、生成した Cu2S は Fe3+ に電子が奪われて反応が進むため、Eox よりも高電位で反応が進む。従って、この 2 段階の反応が進むのは Eox

と Ec の間の電位ということになる。このモデルを実用的にするために、無次元化電位

Enormal というパラメータが提唱されている。Enormal が0 から 1 の範囲のときに、浸出が促進されることになる。実際に電位制御の精度を上げることにより、非常に良好な浸出結果が得られることが判明している。

実操業へのバイオ・ヒープリーチングの適用では、外部のバイオ酸化による Fe2+ 濃度の制御と銅イオン

(589)

スライド 2-1-2.

CuFeS2 Cu2S Cu2+Red.Red. Ox.Ox.

-35

-30

-25

-20

-15

-10

-5

-0.5 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0

(Log

K)/

(Ec

-Eox

)

10g Cp, no additive10g Cp, Fe(III)+Bac10g Cp, Fe(II)10g Cp, Fe(III)4g Cp, Fe(II)4g Cp, Fe(III)2g Cp Fe(II)2g Cp Fe(III)

無次元化電位Enormal vs. 黄銅鉱浸出速度 K(岡本,2004)

Enormal = (E -Eox)/(Ec-Eox)

Eox Ec

100mL30℃ pH1.5

スライド 2-1-3.

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特 集

の一部を SxEw に送らず、浸出液にバイパスすることで、浸出液を最適電位にすることができると考えられる。

2-2. 深海底資源へのバイオリーチング適用可能性(大阪府立大学 教授 小西康裕)

深海底資源には、海底熱水鉱床、マンガン団塊、コバルト・リッチ・クラストの 3 種類がある。こうした

海底鉱物資源の開発では、初期投資、ランニングコストにおいて製錬の占める割合が大きく、コスト低減としてのバイオリーチングが考えられている。海底熱水鉱床は、硫化鉱物であり、鉱物組成が、陸上の黒鉱鉱床と類似している。

海底熱水鉱床は、鉱石の脱塩処理を行えば、陸上・黒鉱に対する既存の選鉱・乾式製錬技術が適用できる。しかし、陸上・硫化鉱物を対象にバイオリーチン

(590)

電位制御の精度を上げると電位制御の精度を上げると……(桑澤,(桑澤,20082008))

0.0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

1.0

0 20 40 60 80 100Time / day

Frac

tion

ofC

uex

tract

ed/-

実験② 30℃

Cooper et al. (2007) 30℃

岡本ら (2004) 30℃

Petersen et al. (2002) 80℃

○ 本研究

△ 岡本ら(2004) 2)

□ Petersen et al.(2002)3)

× Cooper et al.(2007)4)

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実験② 30℃

Cooper et al. (2007) 30℃

岡本ら (2004) 30℃

Petersen et al. (2002) 80℃

○ 本研究

△ 岡本ら(2004) 2)

□ Petersen et al.(2002)3)

× Cooper et al.(2007)4)

○ 本研究△ Cooper et al(2007)□ 岡本ら(2004)

× Petersen et al(2002)

  温度  微生物 対象鉱物  電位制御○   本研究   30℃   なし CuFeS2    あり△  Cooper et al (2007)   30℃   なし Cu2S    なし□   岡本ら(2004) 30℃   なし CuFeS2    なし×  Petersen et al(2002) 80℃   あり CuFeS2    なし

75%/100日

スライド 2-1-4.

CuFeS2の電位制御バイオヒープリーチング

Cathode Cu Electro-winning

Solvent ExtractionHeap Leaching

CuFeS2+ 4Fe3+ = Cu2++ 5Fe2++ 2S Cu2+

③ Bypass

① Enormal conceptE normal (Cu2+,Fe2+,Fe3+) = opt. value

4Fe2+ + 4H+ + O2 = 4Fe3+ + 2H2O

② Bio-oxidation system

IronOxidizingBacteria

IronOxidizingBacteria

液組成制御②③で

無次元化電位①を最適化!

スライド 2-1-5.

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(591)

グ商業プロセスが稼動している現状から、海底熱水鉱床の金属品位によっては選鉱工程を経ずに、バイオリーチングを適用する可能性を検討すべきであると考えられる。なぜならば、バイオリーチングは、硫黄酸化微生物が空気中の CO2 を炭素源として消費して、硫化鉱物から増殖エネルギーを獲得するために行う酸化反応を利用して、有用金属を浸出・回収するものである。CO2 排出量削減がグローバルな社会問題である

ことから、CO2 を排出しない製錬プロセスとしてバイオリーチングを見直し、海底熱水鉱床を対象にしたバイオリーチング技術が開発されることを期待する。ただし、バイオリーチングは処理速度が遅い点が問題である。この点については、オンサイトでの浸出や、海上輸送中の浸出等貯留する時間を使った浸出等で克服できるものと期待している。

一方、マンガン団塊やコバルト・リッチ・クラスト

スライド 2-2-1.

細細 菌菌 Acidithiobacillus ferrooxidansAcidithiobacillus ferrooxidans Acidianus brierleyiAcidianus brierleyi

分分 類類 中中 温温 性性 細細 菌菌 好好 熱熱 性性 古古 細細 菌菌

最適温度最適温度 30℃30℃ 65℃65℃

最適最適 pHpH 2ー32ー3 1ー21ー2

エネルギー源エネルギー源 FeFe2+2+, S, S, S, S22--,, 硫化物硫化物 FeFe2+2+, S, S, S, S22--,, 硫化物硫化物

炭炭 素素 源源 空気中の空気中のCOCO22 空気中の空気中のCOCO22

2O2 + 8H+ + 8e- 4 H2O

酸 化

細 胞

還 元

電子伝達系

増 殖

M(II)S + 4 H2OM2+ + SO4

2−

+ 8H+ + 8e-

硫黄酸化微生物による硫化鉱物 M(II)S のリーチング

0 2 4 60

20

40

60

80

100

Time [day]

Zn(Ⅱ

)の浸

出率

(%)

海底熱水性鉱物

閃亜鉛鉱(陸上鉱物)

Time (d)

Zinc

leac

hed

(%)

● deep sea sulfides

△ terrestrial sphalerite0 2 4 60

20

40

60

80

100

Time [day]

Zn(Ⅱ

)の浸

出率

(%)

海底熱水性鉱物

閃亜鉛鉱(陸上鉱物)

Time (d)

Zinc

leac

hed

(%)

● deep sea sulfides

△ terrestrial sphalerite

硫黄酸化微生物による海底熱水鉱床(硫黄酸化微生物による海底熱水鉱床(ZnSZnS)のバイオリーチング)のバイオリーチング

• Microbial attack to sulfide by adsorbed cellsZnS + 2O2 → Zn2+ + SO4

2-

• Chemical action with ferric iron (III)ZnS + 4Fe2(SO4)3 + 4H2O→ ZnSO4 + 8FeSO4 + 4H2SO48FeSO4 + 2O2 + 4H2SO4 → 4Fe2(SO4)3 + 4H2O

A. brierleyiO2

ZnSO4

ZnSsulfide

Chemical actionMicrobial attack

Fe2(SO4)3

スライド 2-2-2.

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ここまで分かったバイオリーチング技術 ―

第3回バイオシンポジウムin小坂を開催―

特 集

は、マンガンや鉄の水酸化物や複合酸化物で構成されており、コバルト、ニッケル、銅は単独相ではなく、マンガン相や鉄相と複雑に絡み合って存在している。また、陸上鉱物資源の性状と比べて、含水率が 30%と極めて大きく、多孔質であるため表面積が極めて大きいことから、陸上資源の乾式製錬方法では、エネルギーコスト的に不利である。

マンガン団塊の製錬方法として硫黄酸化細菌を直接マンガン団塊のリーチングに適用することはできないので、元素硫黄を添加することにより間接的に浸出を行うことが考えられる。

しかし、この方法は浸出速度が非常に遅いことや、リーチング微生物の基質となる元素硫黄が必要なこと、酸性条件下(pH1 ~ 3)での操作になること、空気の供給が必要であること等が問題点である。

従って、新たなバイオリーチング法として、Fe(Ⅲ)還元細菌である Shewanella algae を利用する方法を現在研究中である。Shewanella algae は、汽水域の底泥等嫌気的環境に生息する海洋性細菌である。

この方法では、還元細菌の生産する鉄(Ⅱ)が還元力をもち、酸化鉱物を浸出し、酸化鉱物の浸出で生成する鉄(Ⅲ)を、バイオ還元して再生する。これによ

(592)

好熱性・硫黄酸化古細菌好熱性・硫黄酸化古細菌 A. brierleyiA. brierleyi を利用するを利用する

マンガン団塊のバイオリーチングマンガン団塊のバイオリーチング (元素硫黄を添加)(元素硫黄を添加)

● : Cu □ : Zn◇ : Ni ▲ : Co▽ : Mn ○ : Fe

化学対照(無 菌)

・pH 2.0 、65ºC・25-44 µm・20 kg-S0 /m3

・1 kg-nodules/m3

・1014 cells/m3

Sterile control

Bioleaching

スライド 2-2-3.

酸 化

還 元

電子

細 胞増殖細 菌細 胞

還 元電子受容体

電子供与体

酸 化

電 子

ギギ 酸酸 塩塩

Fe (III) Fe (II)

CO2

マンガン・鉄酸化鉱のバイオリーチング微生物マンガン・鉄酸化鉱のバイオリーチング微生物

Fe (Fe (IIIIII) ) -還元細菌-還元細菌 Shewanella algae Shewanella algae

~~ 汽水域の底泥など嫌気的環境に生息する海洋性細菌~汽水域の底泥など嫌気的環境に生息する海洋性細菌~

スライド 2-2-4.

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特 集

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(593)

り、酸化鉱をマイルドな環境下(室温・大気圧、中性溶液)で浸出処理できるようになると共に、コバルト等のレアメタルの浸出が可能になり、従来のバイオ浸出法の問題点であった処理速度を大幅に向上させることに成功した。今後は、そのダウンストリーム・プロセスから構成されるトータルシステムを構築し、システム全体の経済性評価を行うことも必要である。

2-3. 日鉱金属のバイオマイニングへの取組み(日鉱金属(株) 主任技師 三浦 彰)

日鉱金属(株)では、日本鉱業(株)時代を含めると1968 年に石油タンパクに関するバイオ研究を開始して以来、石油に関連した研究を行ってきた。1982 ~1984 年に鉄酸化細菌による上北鉱山坑廃水処理法に関する研究を行い、1992 年からは Leaching-SxEw 技術開発として Bio-Mining 技術開発を開始した。2001

• 還元細菌の生産する鉄(II) が 還元力をもち、酸化鉱物を浸出する

• 酸化鉱物の浸出で生成する鉄(III)を、バイオ還元して再生する

バイオ還元

還元剤として

浸出作用

クエン酸鉄 (II)

クエン酸鉄 (III)

酸化鉱 物

浸出剤の

再生作用

新規バイオリーチング技術新規バイオリーチング技術 の開発の開発 ((JOGMECJOGMECとの共同研究との共同研究))

・ 室温、大気圧下

・中 性(pH~ 7)

・ 嫌気的環境下

Fe (III) イオン

還元細菌

(海洋性)

Fe (III) イオン

還元細菌

(海洋性)

スライド 2-2-5.

Proprietary Information of Nippon Mining & Metals10

■ 銅鉱物とリーチング特性

硫酸で容易に浸出酸化銅鉱Radomiro Tomic鉱山等多数

硫酸+微生物で浸出輝銅鉱・銅藍(二次硫化銅鉱)Quebrada Blanca鉱山等一部

リーチング困難黄銅鉱(一次硫化銅鉱)埋蔵資源の大半

より速く

リーチング可能に

スライド 2-3-1.

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第3回バイオシンポジウムin小坂を開催―

特 集

(594)

年には、CODELCO とチリ政府間でバイオマイニングの技術開発推進に合意し、CODELCO からの要請を受け、日鉱金属のプロジェクトへの参加を決定、2002 年に BioSigma 社が設立された。バイオマイニング技術開発では、硫酸と微生物で浸出される輝銅鉱・銅藍等の二次硫化銅鉱の浸出をより速く、リーチング困難な黄銅鉱等の一次硫化銅鉱のリーチングを可能にすることが目標である。

このため、バイオリーチングの基礎的研究開発に取組むと共に、BioSigma 社におけるパイロット試験等を通じた実用化技術開発を推進することにより、バイオリーチングによる湿式製錬プロセスを構築し、鉱山開発への展開を目指している。

BioSigma 社は、CODELCO 66.67%、日鉱金属 33.33%の出資比率で 2002 年 5 月に設立された。2005 年 1 月に早期商業化を目指したマスタープランをスタート

Proprietary Information of Nippon Mining & Metals14

BioSigma社の研究開発ターゲット

③リーチングプロセス最適化

④微生物の機能解析と特定能力の強化

能力強化微生物の利用

①微生物のモニタリング

微生物環境最適化

②微生物の分離と利用

微生物の培養リーチング液供給

スライド 2-3-2.

し、同年 5 月には Chuquicamata 鉱山内で 2,000t 規模の パ イ ロ ッ ト テ ス ト を 開 始 し た。2007 年 4 月 にAndina 鉱山で 50,000t 規模のプロトタイプ操業を開始すると共に、同年 8 月に新マスタープランを開始、さらに 2008 年 1 月には慶応義塾大学との共同研究を開始した。

BioSigma 社の研究開発ターゲットは、①微生物のモニタリング、②微生物の分離と利用、③リーチングプロセス最適化、④微生物の機能解析と特定能力の強化に大別される。

微生物のモニタリングでは、非 DNA 解析である顕微鏡観察・計数、蛍光色素を用いた生死分析、微生物による酸素の取込みや二酸化炭素の排出等の呼吸能分析や DGGE(変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法)や定量PCR(Polymerase Chain Reaction:ポリメラーゼ連鎖反応(DNA を増幅する方法として遺伝子工学から生まれた技術))等の DNA・遺伝子解析を行い、どのような微生物がいるかをモニタリングしている。DGGEや定量 PCR はパイロットヒープでの微生物のモニタリングにも使用している。

微生物の分離と利用では、微生物を現場からサンプリングし、単離・培養している。幾つかの微生物を単離しているが、特に 3 菌株を登録・特許申請している。

リーチングプロセスの最適化では、350 種以上の鉱石を対象としたカラムリーチング試験を実施し、鉱石・鉱種毎のリーチング特性の解析、鉱物バランスの解析、リーチング重要因子の抽出を行っている。また、パイロットヒープ(Chuquicamata:2,000t)やプロトタイプヒープ(Andina:50,000t)によるリーチング試験を実施し、2007 年 5 月には BioSigma 技術による最初の銅カソードが生産された。

微生物の機能解析と特定能力の強化では、最新のバイオテクノロジー技術を用いた研究を行っている。鉄や硫黄の微生物酸化には微生物が持つ酵素・タンパクが機能している。これは微生物中のゲノム DNA 中の遺伝子が環境の影響により発現して、mRNA を経由して翻訳され、酵素・タンパクが作られるというのがメカニズムである。BioSigma 社では、リーチングに使用される微生物のゲノム DNA 配列解析や様々な環

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特 集

ここまで分かったバイオリーチング技術 ―

第3回バイオシンポジウムin小坂を開催―

(595)

Proprietary Information of Nippon Mining & Metals18

■ パイロットヒープ(Codelco Chuquicamata鉱山)

スライド 2-3-3.

Proprietary Information of Nippon Mining & Metals19

■ プロトタイプヒープ(Andina鉱山)

スライド 2-3-4.

境下でどのような遺伝子が発現してくるかを解析するためのマイクロアレイ解析、タンパク・代謝物解析を行い、包括的な微生物の働きの把握を行っている。

慶應義塾大学先端生命研究所との共同研究では、実

際のリーチングサイトから採取した微生物を培養し、代謝物を抽出、代謝物の網羅的な解析を行い、代謝経路の最適化によるバイオリーチング性能の改良を目指している。

特集_神谷_P1-20.indd 9 2009/01/16 11:23:53

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2009.1 金属資源レポート�0

ここまで分かったバイオリーチング技術 ―

第3回バイオシンポジウムin小坂を開催―

特 集

2-4. MINTEK におけるバイオリーチング技術開発(MINTEK 主任技師 John Neale)

(1)MINTEK の概要MINTEK は南アフリカ共和国の公的研究機関であ

り、2009 年に設立 75 周年を迎える。選鉱・製錬分野におけるエンジニアリングやサービスの提供を世界的に行っている。2008 年の収入は約 36 億円相当であり、このうち 35%は南ア政府からの研究資金であり、65%は商業的な収入である。MINTEK の技術分野は選鉱、湿式製錬、バイオテクノロジー、乾式製錬、金属材料、環境、計測等多岐にわたっている。

(2)バイオリーチング技術開発の歴史MINTEK のバイオリーチング技術開発は、難処理

金精鉱の処理を目的として始まった。難処理金精鉱の処理技術としては、鉱石を焙焼する方法があったが、この方法であると亜硫酸ガス発生による酸性雨の恐れ、ヒ素が含まれているため亜ヒ酸の放出が問題であった。これに対して、バイオリーチング法はコスト的に競争力があり、比較的ローテクな技術である。また、環境的には従来の技術に比べて非常に優れている。

バイオリーチ・リアクターの設計では、固体の混合と気液の物質移動の関係を理解することが重要である。

商業スケールのバイオリーチ・リアクターの内部には幾つかの重要な部品がある。一つはインペラで、大量の空気の拡散と固体の懸濁を維持する。インペラの下にはリング状のガススパージャーが設置されてい

る。そして、発生する熱を除去するための冷却コイルが設置されている。

精鉱のタンク・バイオリーチング技術は、着実に技術開発が進んでおり、難処理金精鉱のバイオリーチング技術は既に実用化されている。また、ウガンダのKasese プラントではコバルトの生産にも実用化されている。Kasese はもともと銅山であり、浮選で硫化銅鉱と黄鉄鉱を分離していた。黄鉄鉱は堆積場に堆積されていたが、国立公園が近接しており、環境問題の面からもこの選鉱尾鉱からコバルトを回収している。従って、実質的にはこのプラントは黄鉄鉱のリーチングプラントである。

多くの場合、これらのプラントでは 100 ~ 200t/日の処理能力があるが、ガーナの Sansu プラントは約1,000t/日の処理能力があり、最近では他にも 1,000t/日規模のプラントが操業されている。

ガーナの Sansu プラントは 1994 年に完成した最初の大規模バイオタンク・リーチングプラントであり、このプラントの成功によって、バイオタンク・リーチングが難処理金鉱の処理方法の選択肢の一つとみなされるようになった。最近では、この分野における技術開発はベースメタルを対象としている。幾つかはデモンストレーション規模のプラントを作っており、Chuquicamata の 銅 生 産 プ ラ ン ト や MINTEK がBilliton と共同で実施したニッケルを生産する BioNICプラントが例として挙げられる。Chuquicamata のプラントは好熱性微生物を使っているのが特徴である。タンクの構造は難処理金鉱のものと大きくは違わないが、Chuquicamata のプラントでは、タンクがステン

(596)

Proprietary Information of Nippon Mining & Metals21

④ 微生物の機能解析と特定能力の強化(バイオテクノロジー技術開発)

硫化銅鉱Fe2+

Fe3+鉄酸化経路酵素・タンパク

硫黄酸化経路酵素

・タンパクエネルギー獲得・増殖

e-

SO42-

Cu2+

遺伝子ゲノムDNA mRNA

翻訳

発現

リーチング微生物

ゲノムDNA配列解析 タンパク・代謝物解析マイクロアレイ解析

スライド 2-3-5.

特集_神谷_P1-20.indd 10 2009/01/16 11:23:53

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特 集

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第3回バイオシンポジウムin小坂を開催―

レスではなく、内部をセラミックでライニングしたコンクリートタンクを使っていることと、酸素濃度を高めている点で異なる。

MINTEK でも、1997 年に BacTech とパートナーシップを組んで、豪 WA 州の Youanmi 鉱山、豪・TAS 州の Beaconsfield 鉱山、中国・Laizhou で金のバイオタンク・リーチングプラントを手掛けた。Laizhou のプラントは買鉱精錬を行っており、様々な精鉱に対応で

きるプラントとすることが課題であった。また、MINTEK では複雑多金属精鉱(銅、亜鉛、

鉛、銀)のバイオタンク・リーチングについても技術開発を行い、2001 年に BacTech、Peñoles と組んで、メキシコにデモンストレーションプラントを完成させた。このプラントでは中度好熱性菌を用いて 45℃程度でリーチングを行っている。

(597)

スライド 2-4-1.

Specialised impeller

The key to the design of bioleach reactors is to understand the interactions between solids mixing and gas-liquid mass transfer

Cooling coils

Gas sparger

…Steady growth…

• Refractory gold sulphide• Base metal sulphide

Concentrate tank bioleach development

Laboratory scale

Pilot scale

Demonstration scale

Industrial scale

1970 1980 1990 2000 2010

First tests (Gencor, Mintek)

1 tpd Fairview (Gencor)

62 tpd Fairview (Gencor)20 tpd Vaal Reefs (Mintek)

150 tpd Sao Bento (BIOX)40 tpd Harbour Lights (BIOX)

158 tpd Wiluna (BIOX)960 tpd Sansu (BIOX)

60 tpd Tamboraque (BIOX)150 tpd Youanmi (BacTech)

1,069 tpd Kokpatas (BIOX)

First tests Cu (Mintek)

First tests Ni (Billiton)

250 tpd Kasese Co (BRGM)

BioNiC Ni (Billiton, Mintek)Penoles Cu (Mintek)

First tests Co (BRGM)

Chuquicamata Cu (Billiton)

100 ktpa Chuquicamata Cu (ACL)

BioZINC Zn (Billiton)

70 tpd Beaconsfield (Mintek)120 tpd Laizhou (Mintek)211 tpd Fosterville (BIOX)

750 tpd Bogosu (BIOX)

スライド 2-4-2.

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特 集

(3)技術開発の現状資源開発の進展に伴い、品位が低下すると共に鉱床

の複雑さが増してきている。鉱床胚胎深度が深くなるについて、鉱石鉱物の複雑さが増し、品位が低下する。これに対応した生産技術が開発されてきている。現在の技術開発は低品位一次硫化銅鉱の生産技術に向かっているが、これは残された銅資源のほとんどが硫化物であり、そのうち 80%が低品位黄銅鉱と考えら

れているからである。生産方法には多くのオプションがあるが、各種生産

技術にはそれぞれの特徴があり、プロセスが多くなればコストが上昇する。例えば、ヒープリーチング、タンクリーチング、乾式製錬を比べると、ヒープリーチングはコスト的に優位である。

タンクバイオリーチングと乾式製錬を比べるとあまりコストに違いがない。また、新たに乾式製錬所を建

(598)

In partnership with BacTech and Peñoles of Mexico, a large-scale demonstration plant was commissioned and operated in 2001

スライド 2-4-3.

0 1 2 3 4 5 6 7

Prim Sulphides

Sec Sulphides

Oxides

Annual production, Mt copper

0 20 40 60 80 100 120 140

Economic ore reserves, Mt

SMELT SX/EW

Mesophiles (40 Mesophiles (40 C)C)

ThermophilesThermophiles(65(65--85 85 C)C)

Most of the world’s remaining copper ore resources are sulphides –probably 80 % of which is “low-grade” chalcopyrite

スライド 2-4-4.

特集_神谷_P1-20.indd 12 2009/01/16 11:23:56

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特 集

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設するとした場合、バイオリーチングは生産量が少ないほうが経済的により優位であるが、現状は多数の乾式製錬所が存在しており、この点がバイオリーチングを含め、湿式製錬法が直面する課題である。しかし、リーチング可能な鉱石が枯渇しつつある鉱山等では、既存の SxEw プラントを有効活用できるため、浮選精鉱のバイオリーチングを行うことが可能であろう。また、古い鉱山では、浮選により乾式製錬が適用可能

レベルの精鉱品位を達成することが難しくなりつつある。バイオリーチングは乾式製錬の溶錬ほど多くの硫黄を必要としないため、精鉱品位を低くし、実収率を高めることが可能である。

MINTEK は EU が資金提供をしている BioMinE と呼ばれる 4 年間の研究プロジェクトに参加した。このプロジェクトは欧州において、鉱業へのバイオテクノロジーの適用を研究するものである。MINTEK では、

Mine(Open Pit)

MineMine(Open Pit)(Open Pit)

ConcentrateConcentrateConcentrate

Smelt/RefineSmelt/RefineSmelt/Refine

Tank bioleachTank bioleachTank bioleach

Heap leachHeap leachHeap leach

SX-EWSXSX--EWEW

SalesSalesSales

Direct cost 10 c/lbDirect cost 10 c/lbCapital component 5 c/lbCapital component 5 c/lb

16161010

9933

8833

21211818

141466

88--

Process RouteProcess Route Cost, c/lb CuCost, c/lb CuDirect Capital Total Direct Capital Total

componentcomponent

Mine -Concentrate - Smelt/Refine - Sales 55 33 88

Mine - Tank bioleach – SX – EW - Sales 56 24 80

Mine - Heap leach – SX – EW - Sales 41 14 55

Comparative economics

スライド 2-4-5.

Innovations have included the use of controlled conditions in the bioleach process to enhance the rate of chalcopyrite oxidation

70

80

90

100

0 1 2 3 4 5 6 7Time (days)

% C

u ex

trac

tion

High ORP Controlled ORP

30

40

50

60

70

80

90

100

350 400 450 500 550 600ORP (mV)

% C

u ex

trac

ted

In one instance, the controlled conditions

allowed moderate thermophiles to be used in place of thermophiles

The BioMinE studies have shown that

bioleach capital and operating costs can be reduced significantly

スライド 2-4-6.

(599)

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特 集

好熱性菌を使ったベースメタル精鉱(銅及び銅・ニッケル精鉱)のタンクバイオリーチングの研究を行い、黄銅鉱浸出を促進するためのバイオリーチング条件のコントロールについて成果を得た。例えば、酸化還元電位をコントロールすることにより、高度好熱性菌の代わりに中度好熱性菌を使うことができ、低酸化還元電位では、浸出時間が短縮されるため、設備費を低く抑えることができ、黄鉄鉱の浸出が低く抑えられること、空気吹込量を削減できること、中和コストを抑えることができること等から、操業コストも下げることができると考えられる。パイロットプラントを用いて、連続的な操業試験まで行った。

ヒープリーチングは、工業的に成熟した技術であり、二次硫化銅鉱に関しては主にチリで幅広く行われている。今後は、一次硫化銅鉱や複雑硫化鉱に対する技術開発に向うものと考えられる。例えば、チリの

Escondida 鉱山での一次硫化銅鉱やフィンランドのTalvivaara 鉱山での硫化ニッケル鉱のバイオ・ヒープリーチングプロジェクトが進行中である。MINTEKでも黄銅鉱のバイオ・ヒープリーチングの研究を 10年以上続けている。イランの NICICO と共同で、イランの Sar Chesmeh 鉱山に 4 つの 25,000t のヒープを建設した。ヒープではボーリング孔を掘削して、ヒープ内の溶液サンプル採取やガス濃度、酸化還元電位等の測定を行った。デモンストレーション・プラントでの操業は成功し、商業規模プラントに向けた FS を実施中である。このプロジェクトは NICICO にとって重要である。なぜならば、既存の SxEw プラント向けの浸出可能な鉱石が枯渇しつつあり、これを補うものとなるからである。バイオ・ヒープリーチングでは、ヒープの発熱と保熱のため、バクテリアの接種とヒープリーチングの適切な操業が重要である。

スライド 2-4-7.

Mintek’s main research effort over the past decade has been to develop technology for the heap bioleaching of chalcopyrite

After extensive column-leach testing at Mintek, four 25,000 t heaps were designed, constructed, commissioned and successfully operated

at NICICO’s copper mine at Sarcheshmeh in Iran

2-5. ヒープリーチングのモデリングと UBC の銅回収新技術“GALVANOX(ガルバノックス)法”の紹介(UBC 教授 David Dixon)

(1)GALVANOX 法についてGALVANOX 法は大気圧、80°C で行われるリーチ

ング法で、バイオリーチングではない。硫酸による化学的リーチングであり、塩化物を使わないため腐食の恐れがなく、ステンレス等の典型的な建材での建設が可能である。微粉砕を必要としない。他のタンクリーチングと異なり、元素硫黄ができるので、酸素消費量が少なく、廃液の中和処理コストが少なくて済む。元素硫黄の融点以下での操業なので、界面活性剤の必要がない。黄鉄鉱に対して黄銅鉱の選択性があるので、

低品位精鉱、さらに浮選尾鉱に対して有効である。銅回収は 12 時間以下で、3 ~ 4 時間で済むこともある。通常の SxEw 法を適用できる。

GALVANOX 法は 3 つのステップからなる。第 1 にGALVANOX・リーチングそのものである。浸出液は分けられて、一つはオートクレーブに行き、鉄と酸を回収する。処理される精鉱の 10%はオートクレーブで処理され、残りの 90%が GALVANOX・リーチングで処理される。残りの浸出液は従来の SxEw 法で処理され、貧液は GALVANOX・リーチング工程に戻される。

GALVANOX 法は黄銅鉱と黄鉄鉱の間のガルバニック効果を利用したものである。黄銅鉱は半導体であ

(600)

特集_神谷_P1-20.indd 14 2009/01/16 11:23:59

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特 集

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り、酸化溶液中で電気化学的に浸食される。黄銅鉱は硫酸第二鉄と反応し、硫酸銅と硫酸第一鉄、元素硫黄が生じる。この反応は 2 つの半電池反応に分解でき、陽極反応では黄銅鉱の分解、陰極反応では第二鉄イオンが第一鉄イオンに還元される。

従来の方法では、黄銅鉱の周りに硫黄の不動態が形成される。

我々は、不動態が形成された黄銅鉱表面では陰極反応、すなわち第二鉄イオンの還元反応が遅くなること

を発見した。黄鉄鉱は第二鉄イオン還元のための新たな表面となり、黄銅鉱の陰極の不動態化を防ぐことができる。加えて、黄銅鉱の浸出速度が速くなることにより、溶液の電位を低く保つことができるため、陽極の不動態化も防ぐことができる。これは、黄鉄鉱の分解も防ぎ、黄鉄鉱は不活性のまま残る。

黄銅鉱は陽極のみを持つことになる。電子は陰極となる黄鉄鉱に移動する。浸出中の粒子の様子は非常に異なっており、硫黄は多孔質になっている。浸出後

David G Dixon, UBC HydrometallurgyDavid G Dixon, UBC HydrometallurgyGALVANOXGALVANOXTMTM –– A Novel Process for Copper ConcentratesA Novel Process for Copper Concentrates

スライド 2-5-1.

スライド 2-5-2.

David G Dixon, UBC HydrometallurgyDavid G Dixon, UBC HydrometallurgyGALVANOXGALVANOXTMTM –– A Novel Process for Copper ConcentratesA Novel Process for Copper Concentrates

UNASSISTED CHALCOPYRITE LEACHING

Cu2+

Fe2+

4 Fe3+

4 Fe2+

So

4 e-

CuFeS2

Anodic Site Cathodic Site

(601)

特集_神谷_P1-20.indd 15 2009/01/16 11:23:59

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特 集

は、硫黄が元の黄銅鉱の粒子の形のまま残っており、黄鉄鉱は浸出されていない。

GALVANOX 法で必要となる第二鉄イオンはタンクの中で酸素により再生される。

鉄は 220℃のオートクレーブで酸化してヘマタイトとし、除去される。また、大気圧下でのリーチングに必要な温度の供給と二次硫化鉱物や脈石に必要な酸を供給するために、オートクレーブで精鉱の一部を処理する。

GALVANOX 法では、溶液の電位を厳密にコントロールする必要がない。スライド 2-5-5 で溶液の電位425mV と 440mV はバイオリーチングや GALVANOX法以外のリーチング方法で最適といわれる電位だが、GALVANOX 法では電位をこれ以上高くしても、浸出は進行する。しかし 485mV では、黄鉄鉱の浸出も始まるため、通常は 470mV 程度でリーチングを行う。

GALVANOX 法は硫ヒ銅鉱のリーチングにも適用できる。反応によって生じたヒ酸はオートクレーブで

David G Dixon, UBC HydrometallurgyDavid G Dixon, UBC HydrometallurgyGALVANOXGALVANOXTMTM –– A Novel Process for Copper ConcentratesA Novel Process for Copper Concentrates

GALVANICALLY-ASSISTEDCHALCOPYRITE LEACHING

Cu2+

Fe2+

So

Py

Py

Cp

4 e-4 e-

4 Fe3+

4 Fe2+

Anodic Site Cathodic Site

スライド 2-5-3.

David G Dixon, UBC HydrometallurgyDavid G Dixon, UBC HydrometallurgyGALVANOXGALVANOXTMTM –– A Novel Process for Copper ConcentratesA Novel Process for Copper Concentrates

GALVANICALLY-ASSISTEDCHALCOPYRITE LEACHING

Partially leached particle Completely leached particles

スライド 2-5-4.

(602)

特集_神谷_P1-20.indd 16 2009/01/16 11:24:00

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特 集

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酸化し、スコロダイトとして回収できる。GALVANOX 法は浸出の最適化が容易である。す

なわち、十分な黄鉄鉱、酸、電位、温度が必要というだけである。また、黄鉄鉱は再利用できる。浸出速度は速いが、気液混合の速度によって制限されることがある。比較的少量のシアンで金の回収が可能である。ヒ素-銅硫化物にも適用できる。

(2)ヒープリーチングのモデリングヒープリーチングを最適化するにはモデルが必要で

ある。モデリングを考える上で、ヒープスケールでの反応、ヒープ内の鉱石の集合体における反応、鉱石の集合体の中の鉱石粒子の反応、鉱石粒子中の鉱物粒子の反応を考慮する必要がある。鉱物粒子のスケールでは、第二鉄イオンの還元、鉱物の酸化、硫黄の酸化、鉱物表面における反応(吸着や沈着)を考慮する必要がある。鉱石粒子には様々な形、サイズのものがあ

スライド 2-5-5.

David G Dixon, UBC HydrometallurgyDavid G Dixon, UBC HydrometallurgyGALVANOXGALVANOXTMTM –– A Novel Process for Copper ConcentratesA Novel Process for Copper Concentrates

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

0 4 8 12 16 20 24

Time (h)

Cu

Rec

over

y

E = 485 mV (K20)E = 470 mV (K16)E = 455 mV (K19)E = 440 mV (K18)E = 425 mV (K17)

CHALCOPYRITE CONCENTRATE – 35% CuEffect of solution potential (50 g con, 100 g Py, 90 g acid, 80 C)

David G. DixonDavid G. Dixon Jochen PetersenJochen PetersenModeling the dynamics of heap bioleaching for process improvemenModeling the dynamics of heap bioleaching for process improvement and innovationt and innovation

Principles of Heap Bioleaching

Mineral Grain Scale

Ore Particle Scale

Stagnant Cluster (Agglomerate) Scale

Heap Scale

スライド 2-5-6.

(603)

特集_神谷_P1-20.indd 17 2009/01/16 11:24:01

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特 集

る。様々なサイズの純粋な鉱物粒子や複数の鉱物からなる鉱石があり、鉱物により浸出速度が異なる。また、多孔質の粒子で鉱石を粒子内部に含んでいる場合、拡散による浸出のみが起こる。

鉱石粒子の集まりでは、水分があり、表面が空気と溶液に接している。その結果、酸素と二酸化炭素を含むガスの吸収、粒子間の拡散、不動水を通じた粒子内の拡散、微生物の成長、付着、酸化が起こる。ヒープのスケールでは、非常に複雑な溶液の流れ、溶液ほど複雑ではないガスの流れ、熱の流れがある。

それぞれの鉱物にはそれぞれの浸出速度がある。浸出速度は、温度、溶液の組成、浸出の度合いの関数である。温度は Arrhenius(アレニウス)の式に従い、活性化エネルギーの関数であり、溶液の組成は第一鉄イオンと第二鉄イオンの濃度等に関係する。また、浸出の度合いは Shrinking core model(シュリンキング・コア・モデル)等による。

鉱石粒子スケールや団鉱スケールでは拡散モデルを使うことがあるが、粒子内拡散は、大きい鉱石粒子のみで重要であり、このような粒子から銅を回収するこ

David G. DixonDavid G. Dixon Jochen PetersenJochen PetersenModeling the dynamics of heap bioleaching for process improvemenModeling the dynamics of heap bioleaching for process improvement and innovationt and innovation

Leaching Kinetics

For each leaching reaction j, a rate law is defined, thus:

tdαd

εgρ

tdgd

ερr jjj

j )S(0,

)H(

)S(

)H(

==

)1()()(where jjjjj αwCfTk

dtdα

−⋅⋅=

スライド 2-5-7.

David G. DixonDavid G. Dixon Jochen PetersenJochen PetersenModeling the dynamics of heap bioleaching for process improvemenModeling the dynamics of heap bioleaching for process improvement and innovationt and innovation

Leaching Kinetics

−−=

00

11exp)()(TTR

ETkTkThermal function(Arrhenius Rate Law)

Compositional function(e.g., mixed anodic/cathodic control)

m

A CKC

Cf

+=

II)(Fe

III)(Fe)(

Topological function(e.g., generalized model)

ϕ)1()1( ααw −=−

Topological function(e.g., shrinking sphere model)

3/2)1()1( ααw −=−

Topological function(e.g., shrinking core model) 3/1

3/1

)1(1)1()1(αααw−−

−=−

スライド 2-5-8.

(604)

特集_神谷_P1-20.indd 18 2009/01/16 11:24:02

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2009.1 金属資源レポート ��

特 集

ここまで分かったバイオリーチング技術 ―

第3回バイオシンポジウムin小坂を開催―

とはないので、あまり重要ではない。リーチング反応に加えて、酸素の移動、第一鉄イオ

ンの酸化、硫黄の酸化の 3 つの反応をモデルに考慮する。第一鉄イオンと硫黄の酸化にバクテリアが関与する。移流するガスから酸素が溶液中に吸収され、バク

テリアの働きにより第一鉄イオンが第二鉄イオンに酸化される。第二鉄イオンが鉱物と反応し、浸出される。バクテリアは溶液中にも鉱物表面にも存在する。そして、脈石による酸消費とジャロサイトの沈殿が考慮される。

David G. DixonDavid G. Dixon Jochen PetersenJochen PetersenModeling the dynamics of heap bioleaching for process improvemenModeling the dynamics of heap bioleaching for process improvement and innovationt and innovation

Reaction Networks

O2

gas advectionsolution flow

mineralmineral

Fe3+

mineraloxidation

O2

Fe2+

H+ bacterial oxidationbacterial oxidation

oxygen adsorption

スライド 2-5-9.

David G. DixonDavid G. Dixon Jochen PetersenJochen PetersenModeling the dynamics of heap bioleaching for process improvemenModeling the dynamics of heap bioleaching for process improvement and innovationt and innovation

Concept of the Turner Structure

Partition between stagnant and flowing fluid volume

Pore length determined by size of cluster or particle

Diffusiontransport

Advection flow

Solute Transport

スライド 2-5-10.

溶液の流れのモデリングは非常に困難である。このため溶液はパイプを下方に流れ、不動水中に拡散して

いくという仮説を立てることがある。

(605)

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2009.1 金属資源レポート�0

ここまで分かったバイオリーチング技術 ―

第3回バイオシンポジウムin小坂を開催―

特 集

ヒープ内では反応により発熱が起こる。熱は溶液の流れにより下方に移動し、湿った空気の流れにより上

方に移動する。また、太陽光や風、雪等の影響を受ける。

カラム浸出試験では、輝銅鉱の浸出により部分的に生成する銅藍の浸出速度が非常に遅く、影響が大きい。しかし実際のヒープでは不動水への酸の拡散速度が遅い。従って、カラムリーチング試験の結果から

ヒープリーチングの結果を予測することは危険であり、適切な数学モデルが必要となる。

(2008.12.18)

スライド 2-5-12.

David G. DixonDavid G. Dixon Jochen PetersenJochen PetersenModeling the dynamics of heap bioleaching for process improvemenModeling the dynamics of heap bioleaching for process improvement and innovationt and innovation

Heap Bioleaching of Cu2S – Most Significant Factors

Cu1.2S rate important in columns, not in heaps

In heaps, Cu1.2S oxidation delayed due to acid diffusion

Increasing temperature increases Cu1.2S and FeS2 rates

Also has beneficial effect on growth rates of mesophilic bacteria

Effect of Covellite Rate Constant

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

0 60 120 180 240 300

Time (days)

Cu E

xtra

ctio

n

high CuS rate (column)

baseline CuS rate (column)

high CuS rate (heap)

baseline CuS rate (heap)

Effect of Applied Solution (or Column) Temperature

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

0 60 120 180 240 300

Time (days)

Cu E

xtra

ctio

n

T = 30°C (column)

T = 20°C (column)

T = 15°C (column)

Sol'n T = 30°C (heap)

Sol'n T = 20°C (heap)

Sol'n T = 15°C (heap)

David G. DixonDavid G. Dixon Jochen PetersenJochen PetersenModeling the dynamics of heap bioleaching for process improvemenModeling the dynamics of heap bioleaching for process improvement and innovationt and innovation

Heat transport down with solution flow

Heat generationthrough reaction

Heat transport up through humid air

Boundary effects

Heat Transport

スライド 2-5-11.

こういった要素をまとめてヒープリーチングモデルを作る。

(606)

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