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ビッグデータ活用ワークショップ 報告書 [文書のサブタイトルを入力] 平成27年3月 かがわ情報化推進協議会

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ビッグデータ活用ワークショップ

報告書 [文書のサブタイトルを入力]

平成27年3月

かがわ情報化推進協議会

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目 次

1.はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4

(1)目 的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4

(2)概 要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5

2.ビッグデータ概論 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6

(1)ビッグデータとは ・・・・・・・・・・・・・・・・・・6

(2)ビッグデータの要件 ・・・・・・・・・・・・・・・・・7

(3)ビッグデータの活用事例 ・・・・・・・・・・・・・・・9

3.ビッグデータ活用ワークショップ 開催サマリ ・・・・・・・・12

4.研修レポート ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14

1グループ 研修レポート ・・・・・・・・・・・・・・・16

2グループ 研修レポート ・・・・・・・・・・・・・・・19

3グループ 研修レポート ・・・・・・・・・・・・・・・23

4グループ 研修レポート ・・・・・・・・・・・・・・・28

5.研修風景 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32

6.研修資料 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 38

この報告書は、かがわ情報化推進協議会が平成26年度情報化セミナー事業

として実施した「ビッグデータ活用ワークショップ」の実施報告書として作成

したものである。

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1.はじめに

(1) 目 的

「ビッグデータ」という言葉が注目を集めている。直訳すれば「巨大なデータ」であるが、その

概念自体は曖昧である。これまで、企業向け情報システムベンダーのマーケティング用語として使

われているケースが多くみられる。しかし、今までの大容量データとはどう違うのか、社会におい

てどう役立つのか、といった疑問に対して、明確な回答を聞くことは少ない。総務省の「平成24

年版情報通信白書」では、「事業に役立つ知見を導出するためのデータ」と説明しているが、対象

範囲が広いためそのイメージを描きにくい。

昨今、ビッグデータの活用については、様々な企業・関連学会やフォーラムによる啓発セミナー

等のイベントも頻繁に開催されている。しかし、そういったセミナーではビッグデータの概念や利

活用事例の説明のみに終始することが多く、実務家の情報交換の場の提供や現場の視点やニーズに

合わせた試みはまだ十分にはなされていない。また、多額の参加費がかかることも多い。

そこで、本協議会では、ビッグデータを民間からの視点のみならず地方行政も含めて、私たちの

業務や事業、また暮らしにどう位置付け、整理・分析し、そして利活用が可能かの観点から研究、

体験する必要があると考え、本協議会の平成26年度ワークショップ事業として、「ビッグデータ」

をテーマとして取り上げ実施した。その場合、行政施策的な観点を加味し、具体的にイメージし取

り組みやすい対象分野として「香川の観光」を抽出した。フェイスブックやツイッターといったS

NS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)での日々大量に発信される情報に着目したもの

である。

ワークショップの構成は、「ビッグデータ概論」から始まり、ビッグデータ分析を行うための目

的である「仮説立案」、実際のツールを用いた「ビッグデータ分析」、さらにはその結果に対する「提

言」まで、社会に具体的に適用するための一連の流れ全体とし、これを研究、体験することにより、

ビッグデータ利活用の理解を深めることを目的とした。一定の成果は得たものと考えているが、時

間的また熟度の問題から、まとまった「提言」までには至っていない内容となっている。

なお、このワークショップ事業は、企画、運営全般において、富士通株式会社(ビッグデータイ

ニシアティブセンター)の協力のもとに実施したものであり、感謝の念に堪えない。

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(2) 概 要

「うどん県、それだけじゃない香川県」は、本県の観光振興の象徴的なプロジェクトである。こ

れをベースに、国内外から人を呼ぶ「観光かがわ」を目指している。また、瀬戸内国際芸術祭は、

瀬戸内海と島の魅力を世界に発信するアート事業として展開し、定着しつつある。

平成25年度に来県した観光客数は、瀬戸内国際芸術祭 2013 や高松-台北線就航等の集客効果

により、917 万人(対前年比 3.7%増)となった。近年、増加傾向は続いているが、1,000 万人を超

えた瀬戸大橋開通時(昭和 63 年)には及ばない。また、特徴として、本県を訪れる観光客の多く

が日帰り観光であり、宿泊を伴う観光客は少ないとの分析結果があり、課題となっている。

そこで、平成 23 年 10 月に策定された「せとうち田園都市香川創造プラン」では、「観光の振興」

として、「本県が地域間競争に打ち勝ち、旅行・宿泊先として選ばれ続けるためには、官民が一体

となって、本県独自の豊かな観光資源を発掘し、磨き上げるとともに、積極的な情報発信や誘客活

動を展開する必要」と謳い、そのために、「讃岐うどんや瀬戸の地魚などの食をはじめ、自然、歴

史、芸術・アート、映画ロケ地など本県特有の資源を活用して、県の認知度向上と誘客に努めると

ともに、まち歩きなど地域住民が主体となったまちづくり型観光の推進に取り組む。」としている。

本協議会は、産官学の約 120 団体・個人で組織する団体である。業務として直接観光に携わるメ

ンバーもおり、また、地域振興、情報発信などを通じ、あるいはまち歩きを実践しつつ観光に興味

を持つメンバーも多い。「地域情報化」の観点から「官民一体」となり「香川の観光」を考察、検

討するためのフィールドとしての適性も考慮した。

このワークショップは、後述のとおり、平成 26 年 10 月~平成 27 年 1 月にかけて3回構成で実

施した。「宿泊が少ない」観光客の特性把握や香川の観光の現状分析のために、パソコンやスマー

トフォンからSNSなどを通じて、インターネット上にリアルタイムで大量に発信される情報(観

光地、景観、宿泊、交通、お土産、グルメ、サービス等に関する意見、感想、つぶやき)を収集し、

キーワード等により様々な角度から分析を行った。非定型でリアルタイムの情報はビッグデータ本

来の特性であり、これを基に、仮説設定に向けた「活用目的の設定→効果の設定→データ活

用具体化検討→データ(SNS)分析・解析検証→プロジェクト企画」といったビッ

グデータ活用検討の一連の流れを研究・体験したものである。

また、参加者(約 20 人)を、多くの場面でグルーピングし、ディスカッションやプレゼンテー

ションを取り入れたことから、結果として、参加者自らが思考する創造性の高いワークショップと

なった。これらの成果は、ビッグデータの分析・活用方法を経験したこのと意義だけではなく、今

後、各般の具体的な事業や施策に反映されていくものと思料する。

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2.ビッグデータ概論

(1) ビッグデータとは

一般的な概念として、「ビッグデータ」はコンピュータや通信機器などの高機能なデジタル機器が

仕事や暮らしに広く利用されることにより、インターネット上で日常的に発信され蓄積される多様

で膨大なデータの集まりを指している。具体的には、フェイスブックやツイッターなどのSNSで

発信される情報やスマートフォンでの位置情報などが挙げられる。データの種類や量などに何らか

の規定があるわけではなく、文字や音声、写真、動画など多くの種類と形式のデータがあり、同時

に、これまでのデータベースでファイル管理されている定型化されたデータもあれば、検索や整理、

変更などの一括したファイル管理が難しい非定型データとして記録されているものも含まれてい

る。今後、IPv6 が普及し、家電製品をはじめとしてあらゆる製品に IP アドレスが振られるように

なれば、各製品のセンサー情報、監視カメラなどの情報も含め、爆発的なデータが発生すると言わ

れている。

日本の情報処理推進機構(IPA=Information-Technology Promotion Agency)が 2012 年 3 月に

発表した報告書によると、世界で1日の間に生成されるデータは、2009年で2.5エクサバイト(EB。

エクサバイトはギガバイトの約 10 億倍の単位)、予想では 2020 年に 35 ゼタバイト(ZB。ゼタバ

イトはギガバイトの約 1 兆倍の単位)に膨れあがるという。このような巨大化するデータ群をリア

ルタイムに分析することで、人々の行動パターンをこれまで以上に詳細に解析することができるよ

うになり、社会や経済動向の予測、病気の予防、犯罪対策などの社会的・環境的な課題に解決にも

役立てることが可能となってきている。アメリカでは、2012 年にビッグデータに関する研究開発

に総額 2 億ドルを超える予算を投じる計画が発表されており、ビッグデータの活用研究が加速して

いる。しかし一方で、ビッグデータは膨大な個人情報を含んだデータの記録であり、その活用にあ

たってプライバシーを如何に守っていくのかが大きな問題となっている。

また、総務省の「平成24年版情報通信白書」によると、ビッグデータを「事業に役立つ知見を

導出するためのデータ」とし、ビッグデータビジネスについては、「ビッグデータを用いて社会・

経済の問題解決や、業務の付加価値向上を行う、あるいは支援する事業」と目的的に定義している

例を挙げている。ビッグデータは、どの程度のデータ規模かという量的側面だけでなく、どのよう

なデータから構成されるか、あるいはそのデータがどのように利用されるかという質的側面におい

て、従来のシステムとは違いがあると考えられる。

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このビッグデータの質的側面については、第一に構成するデータの出所が多様である点を特徴と

して挙げることができる。現在既に活用が進んでいるウェブサービス分野では、オンラインショッ

ピングサイトやブログサイトにおいて蓄積される購入履歴やエントリー履歴、ウェブ上の配信サイ

トで提供される音楽や動画等のマルチメディアデータ、ソーシャルメディアにおいて参加者が書き

込むプロフィールやコメント等のソーシャルメディアデータがあるが、今後活用が期待される分野

の例では、GPS、IC カードや RFID において検知される、位置、乗車履歴、温度等のセンサーデ

ータ、CRM(Customer Relationship Management)システムにおいて管理されるダイレクトメ

ールのデータや会員カードデータ等カスタマーデータといった様々な分野のデータが想定されて

おり、さらに個々のデータのみならず、各データを連携させることでさらなる付加価値の創出も期

待されるところである。(下図を参照)

出典:総務省平成24年版「情報通信白書」(2012) http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h24/html/nc121410.html

(2) ビッグデータの要件

ビッグデータの特徴については、データの利用者やそれを支援する者それぞれにおける観点からそ

の捉え方は異なっているが、共通する特徴としては、次の3点が挙げられる。

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① 大容量

新しい概念であり具体的な値が明示されてはいないが、数百テラ(1 兆)バイトからペタ(1,000

兆)バイト以上のデジタルデータの集積を指す場合が多い。

② 情報の多様性

従来は基幹システムからの数値や文字列といった構造化データが主体だったが、文字、数字、

図表、画像、音声、動画など多くの種類と形式のデータや、検索や整理、変更などの一括したフ

ァイル管理が難しい非構造的に記録されているデータも含まれる。

③ データの更新頻度が高い

従来のデータと比較し高頻度で更新される。例えばビッグデータとして挙げられるSNSでは、

各ユーザーによってリアルタイムで更新され、インターネット上に反映される。

このようなビッグデータとしての3つの要件を、容量(Volume)、種類(Variety)頻度(Velocity)

の各頭文字をとり、3Vと呼んでいる。

多様で膨大なデータを取り扱うための分散処理システムなどの技術進歩と普及、そして分析技術が

ビッグデータを資産として利用するために重要となる。

出典:総務省平成 25年版「情報通信白書」(2013) http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h25/html/nc113110.html

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(3) ビッグデータの活用事例

ビッグデータの活用については、現在、検索、電子商取引、ブログ、ツイッター等のSNSのウェ

ブサービス分野において日常的に多量に生成・収集等されるデータを活用することを中心に進展して

きている。アマゾン、グーグルなどは、利用者の商品・デジタルコンテンツ等の検索履歴、購買履歴

や決済情報、コミュニケーションの発信履歴など膨大なデータを蓄積しており、それらのデータをリ

アルタイムで分析、活用しつつ様々な分野でのサービス革新等を進めている。

日本においても、一部企業等において精力的に取り組まれており、具体的な成果を挙げつつある。

① 本田技研工業

ドライバーの快適なカーライフを実現するため、より安全で環境にも配慮したドライブ情報ネッ

トワークとして、安全・安心、防災、天気、省燃費ルート等の情報を提供する「internavi」を提

供中。会員から 5 分毎の間隔で収集した装着車の走行データの共有により、渋滞を回避し、目的

地へより早いルート案内を行う。

② 楽天

ターゲティング広告について、リアルタイム性を加味したデータベースシステムにより、会員の

多種多量に及ぶデータを日次等で集約・分析し、顧客特性に応じた広告等を配信している。

③ 国土交通省関東地方整備局(+NTTデータ)

東京湾臨海道路の東京ゲートブリッジに多数のセンサーを設置し、橋のひずみや振動を常時検知

することにより、橋の破損状況や過積載の監視を可能としている。

④ カブドットコム証券

投資情報について、分散処理ソフトを活用しツイッター等のSNS上のデータを収集、分析し、

キーワードの登場頻度と株価動向の相関関係等を分析している。

⑥ 徳島大学病院

医療機関等の診療等データを集積し、疾病を管理・分析することにより、包括的な疾病予防管理

サービスの提供を目指している。

⑦ アマゾン

購買履歴やサイト内のアクセス情報などのビッグデータを基に、商品を購入する際に、個人ごと

に他のおすすめ商品を表示している。

⑧ ソフトバンク

同社が関わる検索サイト「Yahoo!」から得られるビッグデータを積極的に利用して、他社から

乗り換える可能性の高そうなユーザーを絞り込み、該当するユーザーにのみ乗換案内キャンペー

ンのバナー広告を表示させている。

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⑨ カルチュア・コンビニエンス・クラブ

Tポイント運営会社であり、会員の購買データを外部の企業に販売し、消費者の動向を反映した

食品や日用品メーカーの商品開発に活用してもらっている。

⑩ ローソン

ポイントカードから、リピート率を含めた消費者動向を分析し、販売戦略に活用している。

⑪ スシロー

すし皿に埋め込んだICチップで年 10億件の販売データを把握して鮮度管理に活用するととも

に、仕入管理や人員配置にも役立てている。

⑫ 富士通

イオンと共同で、畑にセンサーとカメラを設置し、土壌中の水分量や温度、湿度などのデータを

収集して、農作物の生産性や品質の向上に取り組んでいる。

⑬ 香川大学、東京大学、東北大学など(医療情報データベース基盤整備事業:厚生労働省)

癌や糖尿病などの患者 30 万人分のデータを収集し、病気の原因究明や副作用の少ない薬の開発

に取り組んでいる。

出典:総務省平成 24年版「情報通信白書」(2012) http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h24/html/nc121420.html

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3.ビッグデータ活用ワークショップ 開催サマリ

研修の 目的・狙い:

「ビッグデータ概論」「仮説立案」「ビッグデータ分析」「提言」を学習し、ビッグデ

ータ利活用検討の進め方を理解する。

研修内容 : 第1回: 活用目的・効果の設定

・ワールドカフェ方式のグループディスカッションにより課題・テーマを抽出

第2回: データ活用具体化検討/データ分析・解析検証

・ツイッターやブログ等のソーシャルメディアに投稿された声を収集し、様々

な角度から分析

第3回: プロジェクト企画

・ツイッターやブログ等のソーシャルメディアに投稿された声を分析した結果を

プロジェクトへ反映

研修期間 /会 場:

第1回: 平成 26 年 10 月 10 日(金)13:30~17:00 第2回: 平成 26 年 12 月 5 日(金)13:30~17:30 第3回: 平成 27 年 2 月 10 日(火)13:30~17:00

会 場: 情報通信交流館(e-とぴあ・かがわ) BBスクエア

講 師 : 第1回 ~ 第3回

富士通株式会社 統合商品戦略本部

ビッグデータイニシアティブセンター

安部 純一 氏(第1~3回)/ 蔦谷 雄一 氏(第2・3回)

参加人数: 第1回:21名、 第2回:22名、 第3回:10名

参加団体: 穴吹コンピュータカレッジ,㈱STNet,香川県,香川県商工会議所連合会,

かがわ県民情報サービス㈱,㈱火燵,坂出市,㈱四国総合研究所, 四国総合通信局,

㈱四電工,四国電力㈱,ソフトバンクテレコム㈱,高松市,㈱たからのやま,

ダックケーブル㈱,ユニアデックス㈱,㈱ロジック

主催 共催等:

主催: かがわ情報化推進協議会

共催: 四国情報通信懇談会、情報通信交流館(e-とぴあ・かがわ)

協力: 富士通株式会社

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4.研修レポート

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選定テーマ:

作成日:2015 年 2月 10 日

ビッグデータ(SNS 分析)研修レポート

A:滞在型観光客を増やす

SNS 分析 :

(結果コメント)

【マーケティング戦略不足】

・どのような滞在客に的を絞るのかという戦略が明確でない。

・消費額の多寡、来県目標の大小等についての絞り込みが必要。

【宿泊施設のグレード】

・香川県の宿泊施設の現状からして、レアな市場としての高額消費者の連泊という

戦略をとってはどうか。

【知名度(魅力の発信度)】

・今から魅力をつくるのは大変。今あるブランド力を中心に据える。

グループ: 1

参 考 :(分析結果)

阻害要因 : (仮説)

知名度(魅力の発信度)、宿泊施設のグレード、マーケティング戦略不足

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・今ある直島ブランドを活用し、高額宿泊者の連泊者を増やすための戦略を考える。

・そのため、アートと宿泊をキーワードに検索し、その関連の地名、名詞等のスケルトンマップを作

成すると以上のようになる。

・やはりアートと宿泊では、直島、ベネッセハウスが多くなっていることから、直島のブランド力は

有効と考えられる。

・また、ツイートの中には、ベネッセハウスでは外国人が多いとか、予約が取れないなどの記録が

見られることから、高額なベネッセハウスにおいても予約が取れない客が多いことが予想された。

・さらに、アートのほかに瀬戸内海、美術館、建築家という言葉も見受けられる。

・アートに関しては直島のほかに最近の道後温泉における草間彌生のプロジェクトに関するものも見

られ、アートの有効性を補完していると思われる。

・ただし、連泊というキーワードでは該当がなかった。

施策(案): ・今ある直島ブランドを活用し、高額消費者を対象とした連泊に絞り込んだマーケティ

ング戦略とし、まずは外国人を含めたレアな市場の形成を図る。

・ベネッセハウスの予約を取れてない者をターゲットに宿泊プラン等の開発をする。

・それに合わせて、県内の他のアート施設等に誘導するプランの開発、また、そのブラ

ンド化により、周辺のより低額な宿泊者用のプランを開発し、徐々にすそ野を広げて

いく。

検討結果(グループ):

(模造紙上の検討結果)

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参加者の所感:

・第 2回を受講できなかったので、3回目でのSNS分析ツールの操作性が今ひとつだったのが残念

である。もう少し操作できれば、違った切り口を想定できたかもしれない。

・手元にSNS分析ツールを持っていないと意味がないことではあるが、今回、事前に用意されてい

たデータ自体をどのようなものから切り取ってくるのか、すなわち検討の対象とするデータをどの

ように特定していくかに大きな意味があると思うので、この点がブラックボックスのままである。

つまり、ここがビッグデータを扱う際のポイントだと思うので。

・上記に関連して、データ量からして、ビッグデータを処理したといえるのはどの程度の量、あるい

は質のデータ量なのかについては確認できていない。すなわち少ないデータ量になった場合に、ど

こまで分析結果を評価しうるのかということ。これは統計学的なことかもしれないが、対象とする

データの切り取り方も大きいと思うので。

・また、分析しようとする領域の種類によって、ビッグデータの分析がどの程度有効なのか、差はあ

るのかなどということについても理解不足のままである。

・以上、ビッグデータ分析でできることという+面ばかり強調するのではなく、並行してビッグデー

タ分析の限界、陥りやすい傾向なども理解できないとダメではないかと思った。それも含めた今回

の実践演習になればなおよかったと思う。

・研修参加者の到達点を同じくすること、あるいは共通理解の程度を同等にするためには、グループ

ディスカッションでの討議・まとめは必要かもしれないが、今回のように、企画分析の結果をある

程度成果として期待するのなら、個人の企画力とそれに基づく分析演習という点からは一人ずつ自

由に分析できるやり方であったほうが、短い時間での研修には向いているのではないかと思われた。

(すなわち自分の意見をグループで調整するのに時間がかかる。)

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選定テーマ:

作成日:2015 年 2月 10 日

ビッグデータ(SNS 分析)研修レポート

B:リピーターになってもらう

グループ: 2

SNS 分析 :

(結果コメント)

「また行きたい」をキーワードとして、分析を行うと「うどん」「小豆島」「島」など、

予想された結果が出てきた。「島」(定例の小豆島、直島以外)の詳細を確認すると、島

へ猫を見に行くSNS記事が見受けられ、猫にて再検索をかけたところ、意外なことに

香川にデータが集中しており、これを観光誘致に使えないかと考えた。

島で遊んだあと滞在してもらうにあたり『食』を考えたところ「うどん」のネームバリ

ューが強いのであれば、高級感のある「うどん」を提供するのが、宿泊誘致に貢献する

と導いた。

「猫」マップ

参 考 :(分析結果)

阻害要因 : (仮説)

「また行きたい」感がない。 & うどん以外の食べ物(高級感のある)がない。

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参 考 :(分析結果)

「高級」マップ

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施策(案): 直島(ベネッセ)や小豆島での『高級』は、提供されているようだが、香川のメイン食

「うどん」での高級感を打ち出し、市内宿泊のリピートにつなげる。

検討結果(グループ):

(模造紙上の検討結果)

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参加者の所感:

○猫島

・「猫」をキーワードに観光を盛り上げる。

・具体的には、佐柳島を「猫島」として設定する。

・猫にいやしされる島として、各施設を整備するとともにSNSをはじめ情報発信を行う。

○プレミアうどん

・うどんに関し、従来の手軽なセルフうどんに加え、富裕層をターゲットに「高級うどん」も提供す

る。

・既存の郷屋敷や山田家での夜の会食をさらにPRする。

・ホテルの部屋もしくはこぢんまりとした個室で、手打ちうどんの実演を行う。「あなただけ手打ち

うどん」

・実演をプレミア・オプションとしてツアー・メニューに加えてもらう。

・3回開催すべて参加させていただき、大変参考になりました。また、ビッグデータの具体的な活用

についても学べました。特に 3回目では、ビッグデータならではの意外性「データ分析結果より導

かれた想定外の結果」には、大変興味深いものがありました。

・今後期待することとして、広い分野・範囲のビッグデータを手軽に利用できる環境やサービスの提

供を望みます。ビジネスのみならず、生活そのものの改革につながるのとはと感じています。

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選定テーマ:

作成日:2015 年 2月 10 日

ビッグデータ(SNS 分析)研修レポート

B:リピーターになってもらう 前提:うどんを目的としたリピーターは多い(うどん以外を目的としたリピーターは何をしているのか) テーマ:うどん以外を目的としたリピーターを増やすには?

阻害要因 : (仮説)

① うどん以外のリピートしたいコンテンツが少ない? (=直島・小豆島以外の魅力発信ができていない?) ② 2次交通が不便なため島以外に行かない?

グループ: 3

SNS 分析 :

(結果コメント)

① 「また行きたい」での3県比較でみると、香川県は直島と小豆島に偏っている

⇒その他の地の情報発信が不足?

⇒岡山・愛媛と比較し、大観光地が飽きられているのでは?(こんぴら、栗林公園)

② 移動手段が不便なのか、島以外に行く場所がないから移動していないのかは不明

参 考 :(分析結果)

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参 考 :(分析結果)

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参 考 :(分析結果)

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施策(案): ―

検討結果(グループ):

(模造紙上の検討結果)

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参加者の所感:

・ワークショップの内容は大変興味深く、分析ツールの操作体験もでき、とても勉強になりました。

また機会がありましたら参加させていただきたいと思います。

・SNS分析ツールもそれなりに使いやすいものだっと思いますが、以下のような機能があるともっ

といいと思いました。

1)検索の結果表示として、「つぶやき順位○位から○位までのワード」もしくは「つぶやき率○%

~○%のワード」という順位の範囲指定(「上から数えて○位まで」だけでなく、中間の順位だ

けを抜き出せるようにする)が指定でできるとさらに良い。

2)現在どのような検索条件がかかっているのかが、結果表示と同じ画面で見えるようにしていた

だけるとありがたい。

3)検索を何回か重ねた後、途中の検索条件だけを変更・削除して(その他の条件は変えず)改め

て検索し直す、といった機能があると便利だと思います。

※例えば、条件①→条件②→条件③→条件④→条件⑤と、検索を5回重ねた後、条件②だけ

除外してもう一回検索しようとすると、現状では条件①の検索後まで戻り、条件③→条件④

→条件⑤を入れ直す必要があると認識していますが、もし「条件②を消すだけでその他の条

件は変えない」というような設定が行えるのであれば、条件③以降の条件を改めて入力せず

とも検索できるようになるので便利)

※そのためにも、上記2)の機能は欲しいところです。

・私は、今回第1回目と第3回目に参加させていただきました。第1回目では、ビッグデータとはど

のようなものでどのように活用していけるかを初めから学ぶことができ理解しやすかったです。

第3回目は、第2回目に行くことが出来なかったので、SNS分析ツールの使い方に初めはとま

どってしまいましたが、実際に使っていくことで理解していくことができました。

しかしながら使い慣れていないこともあってか、なかなか欲しいと思うデータを得ることが出来

なかったように感じます。

また、事前に参加者に課題を伝えることでより深みのある話し合いになっていたと感じます。

このようなツールを使っていくことで、最新のトレンドや動向をつかめるということは非常におも

しろいと感じました。

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選定テーマ:

作成日:2015 年 2月 10 日

ビッグデータ(SNS 分析)研修レポート

リピーターになってもらう

阻害要因 : (仮説)

① 一回で周りきれてしまう、目的が終わる ②感動が小さい、地味 ③ うどん以外のインパクトが小さい

グループ: 4

SNS 分析 :

(結果コメント)

① :見どころが少ないと思われる。

② :県民と観光客とで、見どころ、感動する点に乖離がある

③ :比較的人気のある島であっても、うどんのインパクトが依然強く、それ以外にイ

ンパクトのあるものがあまりない印象

① 「見どころ」について、三県比較 →香川県は劇的に見どころが少ないという印象を受けられて

いる(n=200件程度)

参 考 :(分析結果)

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参 考 :(分析結果)

②「感動」について、老舗観光地は挙げられず、島(直島)に対する感動値が高いことが伺われる

・感動として挙げられたのは、「小豆島」「直島」「うどん」であった

(スポットという観点でも類似の結果となった。)

③「島」「また来たい」→ うどんのインパクトにひきずられている。

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施策(案): ① 見どころが少ないとの印象を与えている面があるため、観光地の認知度を向上させ

る施策が必要である。

② 島に対する認知度が高いことから、それを利用して、更なる観光地化を強化する。

③ うどん「だけじゃない」香川県とは謳っているが、うどんに引きずられる面は否定

できないので、うどんと合わせて巡るなど、うどんを利用して他の観光地・名所等

を PR できる施策をうつ。

検討結果(グループ):

(模造紙上の検討結果)

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5.研修風景

参加者の所感:

・スケルトンマップなど図示ツールが分析に役立った。

・見どころが少ないという現実が一面見受けられたことが衝撃的でした。

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5.研 修 風 景

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第1回 研 修 風 景

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第2回 研 修 風 景

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第3回 研 修 風 景

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(略)

6.研 修 資 料

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ビッグデータ活用ワークショップ

報告書

平成27年3月

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