エンドトキシン試験 | lal試薬 - endotoxin revision...

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標準操作法 第十七改正日本薬局方における エンドトキシン試験法

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  • 標準操作法

    第十七改正日本薬局方における

    エンドトキシン試験法

  • 1

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    50

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    54

    58

    はじめに

    参考

     器具について

     エンドトキシン標準原液の調製について

     エンドトキシン試験用水について

    日本薬局方におけるエンドトキシン試験法:光学的定量法

     概要

    マイクロプレートリーダーを用いたカイネティック比色法 標準操作法

     エンドスペシーⓇ ES-50Mセットを用いたカイネティック-比色法

     PyrochromeⓇ with GlucashieldⓇ Bufferを用いたカイネティック-比色法

    チューブリーダーを用いたカイネティック比色法 標準操作法

     エンドスペシーⓇ ES-24Sセットを用いたカイネティック-比色法

    汎用比色計を用いたエンドポイント比色法 標準操作法

     パイロカラージアゾカップリング試薬を用いたエンドポイント-比色法

    マイクロプレートリーダーを用いたカイネティック-比濁法 標準操作法

     パイロテル-Tを用いたカイネティック-比濁法

    日本薬局方におけるエンドトキシン試験法:ゲル化法 標準操作法

     概要

     パイロテルを用いたゲル化法

    付録

     第十七改正日本薬局方 一般試験法 4.01 エンドトキシン試験法(全文)

     第十七改正日本薬局方 参考情報G4 エンドトキシン規格値の設定

     主な医薬品のエンドトキシン規格値

    製品一覧

    Contents

  •  日本薬局方(以下、JP)収載のエンドトキシン試験法は、カブトガニの血球抽出成分より調製されたライセート試薬を用いて、グラム陰性菌由来のエンドトキシンを検出または定量する方法です。エンドトキシン試験法には、エンドトキシンの作用によるライセート試液のゲル形成を指標とするゲル化法および光学的変化を指標とする光学的測定法があります。 薬局方への収載は、わが国では、1988年に注射用水のエンドトキシン試験法として、ゲル化法がJP11追補に初めて収載され、その後JP13(1996年)に比色法、比濁法が追加収載されました。 その後、ICH(日米EU医薬品規制調和国際会議)の活動の一環として、エンドトキシン試験法の国際調和作業が進められてきました。その結果、3次にわたり改訂・署名された国際調和文書に合わせてJP、米国薬局方、欧州薬局方が順次改訂されました。2013年には「薬局方テキストのICH地域における相互利用に関する専門家作業部会(ICH Q4B)」ガイドラインに基づく事項別付属文書Annex14(エンドトキシン試験法)について、三極規制当局から、ICH地域内においてエンドトキシン試験法は相互利用が可能であるとの通知*が出されています。 *厚生労働省からの通知は、薬食審査発0321第1号(平成25年3月21日)

    以下、JP17エンドトキシン試験法に準拠した、当社製品を用いた標準操作法を示します。

    はじめに

    1

    第十七改正日本薬局方 エンドトキシン試験法の構成

    準 備

    1. 器具2. 溶液の調製 2.1. エンドトキシン標準原液の調製 2.2. エンドトキシン標準溶液の調製 2.3. 試料溶液の調製3. 最大有効希釈倍数の求め方

    試験方法

    4. ゲル化法

    5. 光学的定量法

    4.1. 予備試験 4.1.1. ライセー卜試薬の表示感度確認試験 4.1.2. 反応干渉因子試験

    4.2. 限度試験法 4.2.1. 操作法 4.2.2. 判定

    5.1. 比濁法5.2. 比色法5.3. 予備試験 5.3.1. 検量線の信頼性確認試験 5.3.2. 反応干渉因子試験5.4. 定量 5.4.1. 操作法 5.4.2. エンドトキシン濃度の算出 5.4.3. 判定

    4.3. 定量試験法 4.3.1. 操作法 4.3.2. エンドトキシン濃度の算出および判定

  • 光学的定量法

    ゲル化法比色法

    カイネティック法

    比濁法

    カイネティック法エンドポイント法

    マイクロプレート法

    その他器具・乾熱滅菌試験管(アルミキャップ付)・乾熱滅菌アルミ箔・トキシペットサンプラー100、200または1000・トキシペットチップ200または1000(エンドトキシン、β-グルカンフリー:以下チップ)・トキシペットディスペンサー・トキシペットディスペンサー用シリンジ(エンドトキシン、β-グルカンフリー:以下シリンジ)・試験管ミキサー ・プレートミキサー(マイクロプレート法) ・試験管立て ・氷-水浴槽

    ・トキシペット プレートLP

    ・乾熱滅菌 アルミキャップ

    ・トキシペット プレートLP

    ・乾熱滅菌 アルミキャップ

    ・トキシペット プレートLP ・パイロチューブ

    ・乾熱滅菌 アルミキャップ

    日本薬局方エンドトキシン標準品エンドトキシン試験用水

    試験管法 マイクロプレート法

    ・パイロカラー DIA150-MP

    ・パイロカラー DIA60-STV

    試験管法 マイクロプレート法 マルチテスト シングルテスト

    ・エンドスペシー®  ES-50M・パイロクロム

    ・エンドスペシー®  ES-24S

    ・エンドスペシー®  ES-50M・パイロクロム

    ・エンドスペシー®  ES-24S

    ・パイロテル-T ・パイロテル マルチテスト・パイロテル シングルテスト

    ・ウェルリーダー アドバンス

    ・EGリーダー SV-12

    ・マイクロプレート リーダー・ドライブロック

    ・分光光度計・恒温槽

    ・ウェルリーダー アドバンス ・ドライブロック・ドライブロック

    汚染防止のためのポイント ☆各バイアルの開栓はピンセットで行ってください。 ☆バイアルの開栓後は、乾熱滅菌アルミ箔をご使用ください。 ☆長時間標準品等を保存する場合は、液の蒸発を防ぐためパラフィルムをご使用ください。

    エンドトキシン試験法に必要な試薬および器具

    2 エンドトキシン試験法に必要な試薬および器具

  • エンドトキシン試験法に必要な試薬および器具

    参考

     医薬品各条の「注射用水」もしくは「注射用水(容器入り)」またはその他の水で、エンドトキシン試験に用いるライセート試薬の検出限界以上の濃度のエンドトキシンを含まず、エンドトキシン試験を行うのに適したものを使用してください。

    器具について

     試験に用いるガラス製および耐熱性の器具は、少なくとも250℃で30分間の乾熱滅菌処理を行ってください。また、マイクロプレートおよびマイクロピペット用チップなどのプラスチック製品を使用する場合は、エンドトキシンが検出されないこと、およびエンドトキシン試験に対する干渉作用がないことを確認されたものを使用してください。

     エンドトキシン標準原液は日本薬局方エンドトキシン標準品をエンドトキシン試験用水で溶解して調製します。

    【調製方法】 1. 日本薬局方標準品エンドトキシン標準品バイアル中の試薬および口を汚染させないように、金属キャップおよび   ゴム栓をピンセットで取り外す。 2. 10,000EU/mLになるよう、添付文書に記載された用量のエンドトキシン試験用水を加える。 3. ゴム栓で蓋をし、蓋の周りにパラフィルムを巻き、密封し、試験管ミキサーで5分間攪拌する。 4. 調製したエンドトキシン標準原液は、使用まで8℃以下(凍結を避ける)で保存し、溶解後は14日以内に使用する。   直ちに使用しない時は、ゴム栓の上からパラフィルムで固定密封する。

    エンドトキシン標準原液の調製について

    エンドトキシン試験用水について

    3

  • 光学的定量法

    日本薬局方におけるエンドトキシン試験法

  • 日本薬局方におけるエンドトキシン試験法:光学的定量法

    日本薬局方におけるエンドトキシン試験法:光学的定量法

     日本薬局方におけるエンドトキシン試験法を実施するに際して、比色法または比濁法の精度と有効性を保証するため、予備試験として検量線の信頼性確認試験および反応干渉因子試験を行う必要があります。

     ライセート試薬は各ロットにつき、使用する前に、また試験結果に影響を及ぼす可能性が予想される試験条件の変更があるときに行います。

    予備試験

    検量線の信頼性確認試験

    反応干渉因子試験 反応干渉因子試験は、試料溶液について反応を促進または阻害する因子の有無を調べる試験です。本試験は、試験結果に影響を及ぼす可能性が予想される試験条件の変更があるときにも行います。

    概要

     表1に従い、A, B, CおよびD液を調製して、試験を行います。

    A*1

    B*2

    C*3

    D*4

    被添加液

    試料溶液

    試料溶液

    エンドトキシン試験用水

    エンドトキシン試験用水

    エンドトキシン濃度

    0

    検量線の中点濃度*2

    3濃度以上

    0

    試験管またはウェルの数

    2以上

    2以上

    各濃度、2以上

    2以上

    表1

    *1 試料溶液のみ(試料溶液のエンドトキシン濃度測定用)。最大有効希釈倍数*を超えない範囲で希釈することができる*2 A液と同倍数で希釈された試料溶液で、検量線の中点または中点付近のエンドトキシン濃度になるように標準エン  ドトキシンを添加したもの*3 検量線の信頼性確認試験で用いた各種濃度のエンドトキシン標準溶液(検量線作成用)*4 陰性対照。エンドトキシン試験用水のみ

     用いるライセート試薬に規定されているエンドトキシンの濃度範囲で、少なくとも3種の濃度のエンドトキシン標準溶液を調製し、これらの各濃度につき3回以上測定して検量線を作成します。

    操作法

    操作法

     作成した検量線について、直線回帰分析を行い、相関係数 rを求め、その絶対値|r|が0.980以上であることを確認します。

    判 定

    6

  • 日本薬局方におけるエンドトキシン試験法:光学的定量法

    最大有効希釈倍数(試料溶液中に存在する反応干渉因子の影響を希釈により回避できるとき、許容される試料溶液の最大の希釈倍数)を次式によって求めます。

    エンドトキシン規格値 :投与量に基づいて規定されており、K /Mに等しくなります。ただし、Kは発熱を誘起するといわれる体重1kg当たりのエンドトキシンの量(EU/kg)であり、Mは体重1kg当たり1時間以内に投与する注射剤の最大量です。ただし、注射剤が頻回又は持続的に投与される場合は、Mは1時間以内に投与される注射剤の最大総量とします。

    試料溶液の濃度 : 試料溶液の濃度の単位は、 エンドトキシン規格値が 質量当たり(EU/mg)で規定されている場合はmg/mL 当量当たり(EU/mEq)で規定されている場合はmEq/mL 生物学的単位当たり(EU/単位)で規定されている場合は単位/mL 容量当たり(EU/mL)で規定されている場合はmL/mLです。

    すなわち、エンドトキシン規格値に試料溶液の濃度を乗じることにより、試料溶液1mL当たりのエンドトキシン規格値 (EU/mL)が算出され、これを検量線の最小エンドトキシン濃度(λ、EU/mL)で除することにより最大有効希釈倍数が求められます。

     回収率が50~200%の範囲にあるとき、反応干渉因子は試料溶液に存在しないと判定します。

    ※注:反応干渉が認められるときは、試料溶液から反応干渉作用を除くために、試料溶液または希釈した試料溶液につき、適切な処理(ろ過、反応干渉   因子の中和、透析または加熱処理など)を施すことができます。   ただし、処理によりエンドトキシンが損失しないことを保証するために、エンドトキシンを添加した試料溶液に当該の処理を施すことにより、   上記の試験に適合する結果が得られることを確認する必要があります。

    回収率(%)= ×100B液エンドトキシン濃度-A液エンドトキシン濃度

    B液の添加エンドトキシン濃度

    ・C液で作成した検量線の相関係数:|r| ≧0.980・D液:設定されている空試験の限度値を超えないか、または検出限界未満である

    試験適合要件

    最大有効希釈倍数= エンドトキシン規格値 × 試料溶液の濃度

                        λ

     B液で測定されたエンドトキシン濃度とA液で測定されたエンドトキシン濃度の差に基づいて、B液の添加エンドトキシン濃度に対するエンドトキシンの回収率を計算します。

    回収率の算出方法

    判 定

    7

    最大有効希釈倍数について*

  • 日本薬局方におけるエンドトキシン試験法:光学的定量法

    定量

     A液の平均エンドトキシン濃度に基づき、被験試料のエンドトキシンの濃度(EU/mL,EU/mg,EU/mEqまたはEU/単位)を求め、その値が医薬品各条に規定されたエンドトキシン規格を満たすとき、被験試料はエンドトキシン試験に適合とします。

     表1に示すA, B, CおよびD液を調製し、予備試験:反応干渉因子試験に準じて操作します。

     C液で作成した検量線を用い、A液の平均エンドトキシン濃度を算出します。

    ・C液で作成した検量線の相関係数:|r| ≧0.980・B液で測定されたエンドトキシン濃度とA液で測定されたエンドトキシン濃度の差に基づいて、B液の添加エンドトキシン濃度に対する エンドトキシンの回収率は50~200%の範囲にある・D液:設定されている空試験の限度値を超えないか、または検出限界未満である

    試験適合要件

    操作法

    エンドトキシン濃度の算出方法

    判 定

    8

  • ウェルリーダーアドバンスを用いたエンドスペシー®ES-50Mセット/Pyrochrome®with Glucashield®Bufferによるカイネティック-比色法の標準操作法を示します。

    マイクロプレートリーダーを用いたカイネティック-比色法 標準操作法

    日本薬局方におけるエンドトキシン試験法:光学的定量法

  • エンドスペシー®ES-50Mを用いたカイネティック -比色法10

     エンドトキシン標準溶液4倍段階希釈 3濃度(0.1, 0.025, 0.00625 EU/mL)および試料溶液(10倍希釈液)を用いる測定操作法を示します。

    カイネティック-比色法(反応速度法)

    1. 測定のためのパラメータ

    試 薬

    ・ライセート試薬:エンドスペシー® ES-50Mセット(以下、ES-50M)・標準品:日本薬局方エンドトキシン標準品(以下、JP-RSE)・エンドトキシン試験用水(以下、LRW)

    器 具

    ・トキシペットサンプラー200、トキシペットサンプラー1000・トキシペットディスペンサー・トキシペットチップ200、トキシペットチップ1000・トキシペットディスペンサー用シリンジ・乾熱滅菌試験管(11.6×65mm、アルミキャップ付、以下、試験管)・乾熱滅菌アルミ箔(以下、アルミ箔)・試験管ミキサー・プレートミキサー

    測定機器 ・ウェルリーダーアドバンス

    ソフトウェア ・Software for Wellreader, LIMS+ER/ES指針対応ソフト

    エンドスペシー®ES-50Mセットを用いたカイネティック-比色法(マイクロプレート法)

    必要な試薬および器具

    ウェルリーダーアドバンスを用いたカイネティック-比色法:設定条件

    2. 計算のためのパラメータ

  • エンドスペシー®ES-50Mを用いたカイネティック -比色法 11

    (1)エンドトキシン試験用水および 1-1 で調製した検量線作成用エンドトキシン標準溶液 3濃度(0.1, 0.025,   0.00625EU/mL)の各0.05mLずつをプレートの所定のウェルに分注する(ウェルパターン例参照)。

    1-2 各試料のプレートへの分注

    検量線作成に使用

    JP-RSE

    LRW

    添加量(mL)

    エンドトキシン濃度(EU/mL)

    10,000 1,000

    0.1

    0.9

    100

    0.1

    0.9

    10

    0.1

    0.9

    1

    0.1

    0.9

    0.1

    0.1

    0.9

    0.025

    0.2

    0.6

    0.00625

    0.2

    0.6

    0.1mL0.1mL

    0.91,000

    JP-RSE10,000EU/mL

    0.1mL

    0.9100

    0.1mL

    0.910

    0.1mL

    0.91

    アルミキャップ

    0.90.1

    0.2mL 0.2mL

    0.60.025

    0.60.00625

    エンドトキシン試験用水(mL)エンドトキシン濃度(EU/mL)

    予備試験

    (1)エンドトキシン標準原液(10,000EU/mL)(p.3参照)を試験管ミキサーで1分間攪拌する。(2)氷冷下でエンドトキシン試験用水を用いて10倍段階希釈を繰り返し、0.1 EU/mLを調製する。(3)さらに、4倍段階希釈を2回繰り返し、検量線作成用エンドトキシン標準溶液 3濃度(0.1, 0.025, 0.00625    EU/mL)を調製する。

    ・段階希釈では各1分間試験管ミキサーで攪拌してください。

    1 検量線の信頼性確認試験  1-1 エンドトキシン標準溶液の調製

    ウェルパターン例:予備試験(検量線の信頼性確認試験)

    blk : エンドトキシン試験用水St1~St3 : エンドトキシン標準溶液

    ・調製後のエンドトキシン標準溶液は使用直前に10秒間攪拌してください。・陰性対照として同時にエンドトキシン試験用水を測定することをおすすめします。・試料の分注後、ただちにプレートに蓋をかぶせてください。

  • 12 エンドスペシー®ES-50Mを用いたカイネティック -比色法

    検量線の中点濃度(または中点付近濃度)のエンドトキシンの2倍濃度溶液を調製します。検量線用に調製したエンドトキシン標準溶液のうち、0.1EU/mLエンドトキシン標準溶液を試料添加用エンドトキシン標準溶液として使用します。

    2-3 試料添加用エンドトキシン標準溶液の調製

    2-2 2倍濃度試料溶液の調製

    2-1 エンドトキシン標準溶液の調製

    2 反応干渉因子試験

    0.1mL

    試料原液 エンドトキシン試験用水0.4mL

    (1)ES-50Mセットのライセート試薬(④)に添付の緩衝液(③)の全量   をシリンジで加え、泡立てないように手で振って溶解する。

    ・試験管ミキサーは泡立ちの原因になりますので使用しないでください。・通常5分程度で溶解します。溶解後、15分以内に使用してください。

    1-3 ライセート試液の調製

    ④③ シリンジ

    プレート

    シリンジ ウェルリーダーアドバンス

    ・ウェルリーダーアドバンスの条件設定については、p.10をご参照ください。

    (1)完全に溶解したライセート試液 0.05mLをシリンジで所定のウェルに添加する。(2)プレートに蓋をかぶせ、ウェルリーダーアドバンスにセットする。(3) 測定 ボタンをクリックすると、直ちに1分間攪拌され、あらかじめ設定した測定条件で自動測定が開始    される。

    1-4 ライセート試液の添加および測定

    (1)1 検量線の信頼性確認試験:1-1 エンドトキシン標準溶液の調製に従い、検量線作成用のエンドトキシン標   準溶液 3濃度(0.1, 0.025, 0.00625EU/mL)を調製する。

    例:10倍希釈試料溶液を測定に用いる場合は、試料原液を5倍希釈します。(1)試験管にエンドトキシン試験用水0.4mLを入れる。(2)被検試料原液は試験管ミキサーで渦ができるよう1分間攪拌後、0.1mLを   上記試験管に加え、試験管ミキサーで1分間攪拌し、2倍濃度試料溶液とする。

    ・Software for Wellreader, LIMS+ER/ES指針対応ソフトであらかじめ設定した解析条件で、自動解析されます。(1)測定終了後は、まず「ファイル(F)」の「名前を付けて保存(A)」を実行し、ファイルを保存する。

    ・作成した検量線(横軸:エンドトキシン濃度;実数または対数、縦軸:測定値;実数または対数)について、直線回帰分析を行い、 相関係数 rを求め、その絶対値|r|≧0.980であれば、検量線の信頼性が確認されたことになります。

    1-5 データ解析

    1-6 判定

    (1) 検量線の表示 ボタン- 検量線の情報 ボタンをクリックし、作成した検量線の相関係数 rを求め、その絶対   値|r|が0.980以上であることを確認する。

    (1)1 検量線の信頼性確認試験:1-2 ライセート試液の調製に従い、ライセート試液を調製する。

    2-4 ライセート試液の調製

  • 13エンドスペシー®ES-50Mを用いたカイネティック -比色法

    A, B, CおよびD液をマイクロプレート上で調製します。(1)エンドトキシン試験用水(D液)および 2-1 で調製した検量線作成用エンドトキシン標準溶液 3濃度(C液:0.1,   0.025, 0.00625 EU/mL)の各0.05mLずつをプレートの所定のウェルに分注する(ウェルパターン例参照)。(2)A液:所定のウェル(T1)にエンドトキシン試験用水を0.025mLずつ分注する。(3)B液:所定のウェル(Tr1)に 2-3 で調製した0.1EU/mL試料添加用エンドトキシン標準溶液を0.025mLずつ分   注する。(4)A, B液:2-2 で調製した2倍濃度試料溶液を所定のウェル(T1、Tr1)に0.025mLずつ分注する。(5)プレートミキサーで1分間攪拌する。

    2-5 各試料のプレートへの分注

    ・調製後のエンドトキシン標準溶液は使用直前に10秒間攪拌してください。・試料の分注後、ただちにプレートに蓋をかぶせてください。

    ウェルパターン例:予備試験(反応干渉因子試験)

    blk : エンドトキシン試験用水(D液)St1~St3 : エンドトキシン標準溶液(C液)T1 : 試料溶液(A液)Tr1 : 検量線の中点濃度(または中点付近濃度)のエンドトキシン添加試料溶液(B液)

    (1)完全に溶解したライセート試液0.05mLをシリンジで所定のウェルに添加する。(2)プレートに蓋をかぶせ、ウェルリーダーアドバンスにセットし、測定を開始する。(3)測定終了後、測定結果を保存する。

    2-6 ライセート試液の添加および測定

    ※試料溶液原液で測定する場合 その原液に中点濃度(または中点付近濃度)になるようにエンドトキシンを添加しますが、あらかじめ試験管内で、中点濃度の 100倍濃度のエンドトキシン標準溶液を試料溶液原液で10倍希釈を2回行うなどして調製します。それを所定のB液のウェルに 0.05mL分注し、試料溶液原液を所定のA液のウェルに0.05mL分注します。

  • 14

    回収率(%)= ×100B液エンドトキシン濃度-A液エンドトキシン濃度

    B液の添加エンドトキシン濃度

    ②添加エンドトキシンの回収率が50~200%の範囲にあるとき、反応干渉因子は試料溶液に存在しないと 判定する (回収率が50~200%の範囲にあるとき「適合」)。

    米国食品医薬品局(FDA)のガイドライン(1987)では、試験毎に、B液と同様に、エンドトキシン試験用水に標準エンドトキシンを検量線の中点または中点付近の濃度となるように添加した陽性コントロールを同時に測定し、検量線から求めたエンドトキシン濃度が、添加濃度の75~125%であることを確認することが求められていました。 この範囲にない場合は、添加エンドトキシン溶液の調製時の不具合等が疑われます。 (FDAのガイドライン(1987)自体は、2011年に取り下げられています。)

    参考

    (2)エンドトキシン回収率を算出し、試験の判定を行う。

    ①B液で測定されたエンドトキシン濃度とA液で測定されたエンドトキシン濃度の差に基づいて、B液の添加エ ンドトキシン濃度に対するエンドトキシンの回収率を計算する。

    ① 検量線の表示 ボタン- 検量線の情報 ボタンをクリックし、相関係数 rを確認する。② 計算結果 ボタンをクリックし、D液の吸光度変化率が1.00mAbs/minを超えないことを確認する。

    (1)試験の有効性を確認する。

    以下の2つの条件に適合するとき、反応干渉因子試験は有効である。・C液:作成した検量線の相関係数 rを求め、その絶対値|r|が0.980以上である。 ・D液:ライセート試薬に設定されている空試験の限度値を超えないか、または検出限界未満である (本操作法:反応速度法における限度値は吸光度変化率1.00mAbs/minである)。

    2-7 判定

    エンドスペシー®ES-50Mを用いたカイネティック -比色法

  • 15

    (3)完全に溶解したライセート試液 0.05mLをシリンジで所定のウェルに添加する。(4)プレートに蓋をかぶせ、ウェルリーダーアドバンスにセットし、測定を開始する。(5)測定終了後、測定結果を保存する。

    (2)試験の判定を行う。

    以下のすべての条件に適合するとき、本試験は有効である。・C液:作成した検量線の相関係数 rを求め、その絶対値|r|が0.980以上である。・B液で測定されたエンドトキシン濃度とA液で測定されたエンドトキシン濃度の差に基づいて計算され た、B液の添加エンドトキシン濃度に対するエンドトキシンの回収率が50~200%の範囲にある。・D液:ライセート試薬に設定されている空試験の限度値を超えないか、または検出限界未満である (本操作法:反応速度法における限度値は吸光度変化率1.00mAbs/minである)。

    2 反応干渉因子試験と同様に、(1)エンドトキシン標準溶液、2倍濃度試料溶液を調製する。(2)A, B, CおよびD液をマイクロプレート上で調製するため、プレートの所定のウェルに分注する。

    3-1 操作方法

    3 定量

    ウェルパターン例:定量

    blk : エンドトキシン試験用水(D液)St1~St3 : エンドトキシン標準溶液(C液)T1 : 試料溶液(A液)Tr1 : 検量線の中点濃度(または中点付近濃度)のエンドトキシン添加試料溶液(B液)

    ①A液の平均エンドトキシン濃度に基づき、被験試料(希釈しない前の元被験試料)のエンドトキシンの濃度 (EU/mL、EU/mg、EU/mEqまたはEU/単位)を算出する。

    ②その値が医薬品各条に規定されたエンドトキシン規格を満たすとき、被験試料はエンドトキシン試験に適合  とする。

    (1)試験の有効性を確認する。

    3-2 判定

    定 量

    エンドスペシー®ES-50Mを用いたカイネティック -比色法

  • 16 エンドスペシー®ES-50Mを用いたカイネティック -比色法

    試験成績書:例

  • 17Pyrochrome®を用いたカイネティック -比色法

    1. 測定のためのパラメータ

    カイネティック-比色法(反応時間法)

    ウェルリーダーアドバンスを用いたカイネティック-比色法:設定条件

    ・ライセート試薬:Pyrochrome® with Glucashield® Buffer(以下、パイロクロム)・標準品:日本薬局方エンドトキシン標準品(以下、JP-RSE)・エンドトキシン試験用水(以下、LRW)

    試 薬

    ・トキシペットサンプラー200、トキシペットサンプラー1000・トキシペットディスペンサー・トキシペットチップ200、トキシペットチップ1000・トキシペットディスペンサー用シリンジ・乾熱滅菌試験管(11.6×65mm、アルミキャップ付、以下、試験管)・乾熱滅菌アルミ箔(以下、アルミ箔)・試験管ミキサー・プレートミキサー

    器 具

    測定機器 ・ウェルリーダーアドバンス

    ソフトウェア ・Software for Wellreader, LIMS+ER/ES指針対応ソフト

    必要な試薬および器具

     エンドトキシン標準溶液10倍段階希釈 5濃度(50, 5, 0.5, 0.05, 0.005 EU/mL)および試料溶液(10倍希釈液)を用いる測定操作法を示します。

    Pyrochrome®with Glucashield Bufferを用いたカイネティック-比色法(マイクロプレート法)

    2. 計算のためのパラメータ

  • 18 Pyrochrome®を用いたカイネティック -比色法

    ・パイロクロムはエンドトキシン標準溶液のプレートへの分注前に溶解してください。・溶解用緩衝液の吸引・吐出はゆっくりと行ってください。・泡立てないよう、溶液が渦巻くよう攪拌してください。・凍結乾燥粉末が溶けるまでに数分かかります。 調製後は2~8℃で保存し、8時間以内に使用してください。

    (1)パイロクロムのバイアルを軽く叩いて、飛散した粉末を底に落とす。(2)汚染させないようにゴム栓をピンセットで取り外し、アルミ箔でバイアルの口を軽く覆う。(3)パイロクロム添付の溶解用緩衝液3.2mL(0.8mL×4)をピペットで加え、手でゆっくり円を描くように間欠的に   攪拌する。

    1-2 ライセート試液の調製

    チップ

    緩衝液 パイロクロム

    3.2mL

    ・段階希釈では各1分間試験管ミキサーで攪拌してください。

    (1)エンドトキシン標準原液(10,000EU/mL)(p.3参照)を試験管ミキサーで1分間攪拌する。(2)氷冷下でエンドトキシン試験用水を用いて10倍段階希釈を2回繰り返し、100EU/mLを調製後、2倍   希釈し、50EU/mLを調製する。(3)さらに、10倍段階希釈を4回繰り返し、検量線作成用のエンドトキシン標準溶液 5濃度(50, 5, 0.5, 0.05,    0.005 EU/mL)を調製する。

    1-1 エンドトキシン標準溶液の調製

    1 検量線の信頼性確認試験

    0.1mL0.1mL

    0.91,000

    JP-RSE10,000EU/mL

    0.5mL

    0.9100

    0.1mL

    0.550

    0.1mL

    0.95

    アルミキャップ

    0.90.5

    0.1mL 0.1mL

    0.90.05

    0.90.005

    エンドトキシン試験用水(mL)エンドトキシン濃度(EU/mL)

    予備試験

    ・調製後のエンドトキシン標準溶液は使用直前に10秒間攪拌してください。・陰性対照として同時にエンドトキシン試験用水を測定することをおすすめします。・試料の分注後、ただちにプレートに蓋をかぶせてください。

    (1)エンドトキシン試験用水および 1-1 で調製した検量線作成用エンドトキシン標準溶液 5濃度(0.005, 0.05, 0.5,    5, 50EU/mL)の各0.05mLずつをプレートの所定のウェルに分注する(ウェルパターン例参照)。

    1-3 各試料のプレートへの分注

    検量線作成に使用

    JP-RSE

    LRW

    添加量(mL)

    エンドトキシン濃度(EU/mL)

    10,000 1,000

    0.1

    0.9

    100

    0.1

    0.9

    50

    0.5

    0.5

    5

    0.1

    0.9

    0.5

    0.1

    0.9

    0.05

    0.1

    0.9

    0.005

    0.1

    0.9

  • 19Pyrochrome®を用いたカイネティック -比色法

    (1)作成した検量線の相関係数 rを求め、その絶対値|r|が0.980以上であることを確認する。

    1-5 判定

    (1)完全に溶解したライセート試液 0.05mLをシリンジで所定のウェルに添加する。(2)プレートに蓋をかぶせ、ウェルリーダーアドバンスにセットし、測定を開始する。(3)測定終了後、測定結果を保存する。

    1-4 ライセート試液の添加および測定

    ウェルパターン例:予備試験(検量線の信頼性確認試験)

    blk :エンドトキシン試験用水St1~St5 :エンドトキシン標準溶液

    (1)1 検量線の信頼性確認試験:1-1 エンドトキシン標準溶液の調製に従い、検量線作成用のエンドトキシン標準   溶液5濃度(50, 5, 0.5, 0.05, 0.005 EU/mL)を調製する。

    2-1 エンドトキシン標準溶液の調製

    2 反応干渉因子試験

    例:10倍希釈試料溶液を測定に用いる場合は、試料原液を5倍希釈します。(1)エンドスペシー®ES-50Mセットを用いたカイネティック-比色法の2-2 2倍濃度試料溶液の調製(p.12参照)に   従い、2倍濃度試料溶液を調製する。

    2-2 2倍濃度試料溶液の調製

    検量線の中点濃度(または中点付近濃度)のエンドトキシンの2倍濃度溶液(1EU/mL)を調製します。検量線用に調製したエンドトキシン標準溶液から 試料添加用エンドトキシン標準溶液を調製します。

    (1)試験管にエンドトキシン試験用水0.4mLを入れる。(2)2-1 で調製した5EU/mLエンドトキシン標準溶液を試験管ミキサーで1分間   攪拌後、0.1mLを上記の試験管に加え、1分間攪拌する。

    2-3 試料添加用エンドトキシン標準溶液の調製

    エンドトキシン試験用水0.4mL

    JP-RSE5EU/mL

    0.1mL

    (1)1 検量線の信頼性確認試験:1-2 ライセート試液の調製に従い、ライセート試液を調製する。

    2-4 ライセート試液の調製

  • 20 Pyrochrome®を用いたカイネティック -比色法

    ①B液で測定されたエンドトキシン濃度とA液で測定されたエンドトキシン濃度の差に基づいて、B液の添加 エンドトキシン濃度に対するエンドトキシンの回収率を計算する。

    ②添加エンドトキシンの回収率が50~200%の範囲にあるとき、反応干渉因子は試料溶液に存在しないと判 定する(回収率が50~200%の範囲にあるとき「適合」)。

    以下の2つの条件に適合するとき、反応干渉因子試験は有効である。・C液:作成した検量線の相関係数 rを求め、その絶対値|r|が0.980以上である。・D液:ライセート試薬に設定されている空試験の限度値を超えないか、または検出限界未満である。

    2-7 判定

    (1)1-4 に従い、完全に溶解したライセート試液 0.05mLをシリンジで所定のウェルに添加する。(2)プレートに蓋をかぶせ、ウェルリーダーアドバンスにセットし、測定を開始する。(3)測定終了後、測定結果を保存する。

    (1)試験の有効性を確認する。

    (2)エンドトキシン回収率を算出し、試験の判定を行う。

    2-6 ライセート試液の添加および測定

    ① 検量線の表示 ボタン- 検量線の情報 ボタンをクリックし、相関係数 rを確認する。② 計算結果 ボタンをクリックし、D液の反応時間(Ta)がND(検出されず)であることを確認する。

    ・調製後のエンドトキシン標準溶液は使用直前に10秒間攪拌してください。・試料の分注後、ただちにプレートに蓋をかぶせてください。

    A, B, CおよびD液をマイクロプレート上で調製します。(1)エンドトキシン試験用水(D液)および 2-1 で調製した検量線作成用エンドトキシン標準溶液 5濃度(C液:   0.005, 0.05, 0.5, 5, 50 EU/mL)の各0.05mLずつをプレートの所定のウェルに分注する(ウェルパターン例   参照)。(2)A液:所定のウェル(T1)にエンドトキシン試験用水を0.025mLずつ分注する。(3)B液:所定のウェル(Tr1)に 2-3 で調製した1EU/mL試料添加用エンドトキシン標準溶液を0.025mLずつ分   注する。(4)A, B液:2-2 で調製した2倍濃度試料溶液を所定のウェル(T1, Tr1)に0.025mLずつ分注する。(5)プレートミキサーで1分間攪拌する。

    ウェルパターン例:予備試験(反応干渉因子試験)

    blk : エンドトキシン試験用水(D液)St1~St5 : エンドトキシン標準溶液(C液)T1 : 試料溶液(A液)Tr1: 検量線の中点濃度(または中点付近濃度)のエンドトキシン添加試料溶液(B液)

    2-5 各試料のプレートへの分注

  • 21Pyrochrome®を用いたカイネティック -比色法

    ウェルパターン例:定量

    blk : エンドトキシン試験用水(D液)St1~St5 : エンドトキシン標準溶液(C液)T1 : 試料溶液(A液)Tr1: 検量線の中点濃度(または中点付近濃度)のエンドトキシン添加試料溶液(B液)

    2 反応干渉因子試験と同様に、(1)エンドトキシン標準溶液、2倍濃度試料溶液、試料添加用エンドトキシン標準溶液、ライセート試液を調製する。(2)A, B, CおよびD液をマイクロプレート上で調製するため、プレートの所定のウェルに分注する。

    3-1 操作方法

    3 定量

    ①A液の平均エンドトキシン濃度に基づき、被験試料(希釈しない前の元被験試料)のエンドトキシンの濃度 (EU/mL、EU/mg、EU/mEqまたはEU/単位)を算出する。

    ②その値が医薬品各条に規定されたエンドトキシン規格を満たすとき、被験試料はエンドトキシン試験に適合 とする。

    (2)試験の判定を行う。

    以下のすべての条件に適合するとき、本試験は有効である。・C液:作成した検量線の相関係数 rを求め、その絶対値|r|が0.980以上である。・B液で測定されたエンドトキシン濃度とA液で測定されたエンドトキシン濃度の差に基づいて計算され た、B液の添加エンドトキシン濃度に対するエンドトキシンの回収率が50~200%の範囲にある。・D液:ライセート試液設定されている空試験の限度値を超えないか、または検出限界未満である (本操作法:反応時間法における限度値は反応時間(Ta)がND(検出されず)である)。

    3-2 判定

    (3)完全に溶解したライセート試液 0.05mLをシリンジで所定のウェルに添加する。(4)プレートに蓋をかぶせ、ウェルリーダーアドバンスにセットし、測定を開始する。(5)測定終了後、測定結果を保存する。

    (1)試験の有効性を確認する。

    定量

  • EGリーダーSV-12を用いたエンドスペシー®ES-24Sセットによるカイネティック-比色法の標準操作法を示します。

    チューブリーダーを用いたカイネティック-比色法標準操作法

    日本薬局方におけるエンドトキシン試験法:光学的定量法

  • 24 エンドスペシー®ES-24Sを用いたカイネティック -比色法

    必要な試薬および器具

    EGリーダーSV-12を用いたカイネティック-比色法:設定条件

    1. Parameter

    カイネティック-比色法(反応速度法)

    ・ライセート試薬:エンドスペシー® ES-24Sセット(以下、ES-24S)・標準品:日本薬局方エンドトキシン標準品・エンドトキシン試験用水

    ・トキシペットサンプラー200、トキシペットサンプラー1000・トキシペットディスペンサー・トキシペットチップ200、トキシペットチップ1000・トキシペットディスペンサー用シリンジ・乾熱滅菌試験管(11.6×65mm、アルミキャップ付、以下、試験管)・乾熱滅菌アルミキャップ(以下、アルミキャップ)・乾熱滅菌アルミ箔(以下、アルミ箔)・試験管ミキサー

    ・EGリーダーSV-12

     エンドトキシン標準溶液4倍段階希釈 3濃度(0.1, 0.025, 0.00625 EU/mL)および試料溶液(10倍希釈液)を用いる測定操作法を示します。

    エンドスペシー®ES-24Sセットを用いたカイネティック-比色法(シングルバイアル法)

    試 薬

    器 具

    測定機器

  • 25エンドスペシー®ES-24Sを用いたカイネティック -比色法

    (2)直ちにEGリーダーSV-12にセットする。あらかじめ設定した測定条件で加温および測定が開始される。(3)測定終了後、測定結果を保存する。

    (1)ES-24Sセットのライセート試薬(④)のバイアル12本を用意する。(2)各バイアルに添付の緩衝液(③)0.2mLをチップ等で加え、アルミキャップで蓋をし、試験管ミキサーで2秒程   度攪拌する。

    (1)エンドトキシン試験用水および 1-1 で調製した検量線作成用エンドトキシン標準溶液 3濃度(0.1, 0.025,   0.00625EU/mL)の各0.2mLを所定のバイアルに添加し、アルミキャップをかぶせ、試験管ミキサーで2秒   程度攪拌する。

    ・調製後のエンドトキシン標準溶液は使用直前に10秒間攪拌してください。・陰性対照として同時にエンドトキシン試験用水を測定することをおすすめします。

    ・ライセート試薬は使用直前に調製し、完全に溶解していることを確認のうえ、速やかに測定を開始してください。

    1-2 ライセート試液の調製

    1-3 ライセート試液への添加および測定

    (1)エンドスペシー®ES-50Mを用いたカイネティック-比色法:1-1 エンドトキシン標準溶液の調製(p.11参照)   に従い、検量線作成用エンドトキシン標準溶液 3濃度(0.1, 0.025, 0.00625 EU/mL)を調製する。

    1-1 エンドトキシン標準溶液の調製

    1 検量線の信頼性確認試験

    EG ReaderSV-12SEIKAGAKU CORPORATION

    予備試験

    (1)作成した検量線の相関係数 rを求め、その絶対値|r|が0.980以上であることを確認する。

    1-4 判定

    パターン例:予備試験(検量線の信頼性確認試験)

    blk : エンドトキシン試験用水St1~St3 : エンドトキシン標準溶液

  • 26 エンドスペシー®ES-24Sを用いたカイネティック -比色法

    (2)直ちにEGリーダーSV-12にセットする。あらかじめ設定した測定条件で加温および測定が開始される。(3)測定終了後、測定結果を保存する。

    (1)エンドトキシン試験用水(D液)、2-1 で調製した検量線作成用エンドトキシン標準溶液 3濃度(C液:0.1,   0.025, 0.00625EU/mL)および 2-2 で調製したA液、B液の各0.2mLを所定のバイアルに添加し、アルミ   キャップをかぶせ、試験管ミキサーで2秒程度攪拌する。

    ・調製後のエンドトキシン標準溶液は使用直前に10秒間攪拌してください。

    2-4 ライセート試液への添加および測定

    パターン例:予備試験(反応干渉因子試験)

    blk : エンドトキシン試験用水(D液)St1~St3 : エンドトキシン標準溶液(C液)T1 : 試料溶液(A液)T2 : 検量線の中点濃度(または中点付近濃度)のエンドトキシン添加試料溶液(B液)

    ・調製済みの0.1EU/mLエンドトキシン標準溶液は使用直前に10秒間攪拌してください。(1)試験管を2本準備し、下図に従い、A液、B液を調製する。

    2-2 試料溶液(10倍希釈液、A液)とエンドトキシン添加試料溶液(B液)の調製

    (1)1 検量線の信頼性確認試験:1-1 エンドトキシン標準溶液の調製に従い、検量線作成用のエンドトキシン標準   溶液 3濃度(0.1, 0.025, 0.00625 EU/mL)を調製する。

    2-1 エンドトキシン標準溶液の調製

    2 反応干渉因子試験

    ・ライセート試薬は使用直前に調製し、完全に溶解していることを確認のうえ、速やかに測定を開始してください。(1)1-2 ライセート試薬の溶解に従い、ES-24Sセットのライセート試薬(④)のバイアル12本分を緩衝液で溶解する。

    2-3 ライセート試液の調製

    A液

    試料原液

    B液 0.1EU/mL0.5mL

    0.1mL

    0.1mL

    エンドトキシン試験用水(mL)エンドトキシン濃度(EU/mL)

    0.40.05

    0.9̶

  • 27エンドスペシー®ES-24Sを用いたカイネティック -比色法

    ・調製後のエンドトキシン標準溶液は使用直前に10秒間攪拌してください。

    ①B液で測定されたエンドトキシン濃度とA液で測定されたエンドトキシン濃度の差に基づいて、B液の添 加エンドトキシン濃度に対するエンドトキシンの回収率を計算する。

    ②添加エンドトキシンの回収率が50~200%の範囲にあるとき、反応干渉因子は試料溶液に存在しないと判定 する(回収率が50~200%の範囲にあるとき「適合」)。

    以下の2つの条件に適合するとき、反応干渉因子試験は有効である。・C液:作成した検量線の相関係数 rを求め、その絶対値|r|が0.980以上である。・D液:ライセート試薬に設定されている空試験の限度値を超えないか、または検出限界未満である (本操作法:反応速度法における限度値は吸光度変化率3.00mAbs/minである)。

    (1)試験の有効性を確認する。

    (2)エンドトキシン回収率を算出し、試験の判定を行う。

    2-5 判定

    2 反応干渉因子試験と同様に、(1)A, B, CおよびD液を調製する。(2)ES-24Sセットのライセート試薬(④)のバイアル12本分を緩衝液で溶解する。(3)A, B, CおよびD液の各0.2 mLを所定のバイアルに添加し、アルミキャップをかぶせ、試験管ミキサーで2秒程   度攪拌する。(4)直ちにEGリーダーSV-12にセットする。あらかじめ設定した測定条件で加温および測定が開始される。(5)測定終了後、測定結果を保存する。

    3-1 操作方法

    3 定量

    パターン例:定量

    blk : エンドトキシン試験用水(D液)St1~St3 : エンドトキシン標準溶液(C液)T1 : 試料溶液(A液)T2 : 検量線の中点濃度(または中点付近濃度)のエンドトキシン添加試料溶液(B液)

    定量

  • 28 エンドスペシー®ES-24Sを用いたカイネティック -比色法

    ①A液の平均エンドトキシン濃度に基づき、被験試料(希釈しない前の元被験試料)のエンドトキシンの濃度 (EU/mL、EU/mg、EU/mEqまたはEU/単位)を算出する。

    ②その値が医薬品各条に規定されたエンドトキシン規格を満たすとき、被験試料はエンドトキシン試験に適合  とする。

    以下のすべての条件に適合するとき、本試験は有効である。・C液:作成した検量線の相関係数 rを求め、その絶対値|r|が0.980以上である。・B液で測定されたエンドトキシン濃度とA液で測定されたエンドトキシン濃度の差に基づいて計算され た、B液の添加エンドトキシン濃度に対するエンドトキシンの回収率が50~200%の範囲にある。・D液:ライセート試薬に設定されている空試験の限度値を超えないか、または検出限界未満である (本操作法:反応速度法における限度値は吸光度変化率3.00mAbs/minである)。

    (1)試験の有効性を確認する。

    (2)試験の判定を行う。

    3-2 判定

  • パイロカラージアゾカップリング試薬を使用した エンドポイント-比色法(マイクロプレート法およびシングルバイアル法)の 標準操作法を示します。

    汎用比色計を用いたエンドポイント-比色法標準操作法

    日本薬局方におけるエンドトキシン試験法:光学的定量法

  • 30 パイロカラージアゾカップリング試薬を用いたエンドポイント -比色法

    1. 測定のためのパラメータ

    エンドポイント-比色法

    (1)Sodium nitrite[1]のバイアルにHCl Solution[1A]を全量(4mL)添加し、溶解する(1液)。(2)Ammonium sulfamate[2]バイアルに蒸留水を4mL添加し、溶解する(2液)。(3)N-(1-Naphthyl)ethylenediamine dihydrochloride[3]のバイアルにN-Methyl-2-pyrrolidone    solution[3A]を全量(4mL)添加し、溶解する(3液)。

    1-2 ジアゾカップリング試薬の調製

    (1)ライセート試液をA, B, CおよびD液の所定のウェルに0.05mL添加し、プレートに蓋をかぶせ、ヒートブロック   を使用し、37℃で所定の時間加温する(加温中にジアゾカップリング試薬の調製を行う)。

    1-1 ライセート試液の添加および反応

    操作方法

    ウェルリーダーアドバンスを用いたエンドポイント-比色法:設定条件

    試 薬 ・ジアゾカップリング試薬:PyroColor Diazo Reagents DIA150-MP

    必要な試薬

    1液

    [1A]液の全量を[1]に加え、混合溶解

    2液

    蒸留水4mLを[2]に加え、混合溶解

    3液

    [3A]液の全量を[3]に加え、混合溶解

    蒸留水

    [1][1A] [2] [3][3A]

     エンドポイント法は、特別な測定装置を必要とせず、導入の際のイニシャルコストが少なくてすみます。 マイクロプレートを用いたエンドポイント-比色法を行う場合は、カイネティック-比色法(マイクロプレート法)標準操作法 (p.9~p.15参照)に準じてください。予備試験、定量それぞれの標準操作法のライセート試液の調製後、以下の操作を行ってください。

    パイロカラージアゾカップリング試薬を用いたエンドポイント-比色法(マイクロプレート法)

    2. 計算のためのパラメータ

  • 31パイロカラージアゾカップリング試薬を用いたエンドポイント -比色法

    カイネティック-比色法(マイクロプレート)と同様です。

    1-5 判定

    (1)2波長測定可能なマイクロプレートリーダーにセットし、545nm(対照波長630nm)で吸光度を測定する。

    1-4 吸光度の測定およびデータ解析

    (1)加温終了後、マイクロプレートを氷上に置き、直ちに 1-2 で調製した1液を各ウェルに0.05mLずつ添加し、   マイクロプレートを攪拌し、十分に混合する(攪拌には、マイクロプレートミキサーの使用をおすすめします)。(2)さらに、2液を0.05mLずつ添加し、同様に攪拌、混合し、次いで3液を0.05mLずつ添加し、同様に攪拌、    混合する。

    注:ジアゾカップリング試薬溶液の調製およびステップ 1-4 の操作は、エンドトキシン、(1→3)-β-D-グルカンフリーの条件下で行  う必要はありません。

    1-3 反応停止

  • 氷-水浴槽

    注:ジアゾカップリング試薬溶液の調製およびステップ1-4の操作は、  エンドトキシン、(1→3)-β-D-グルカンフリーの条件下で行う必要はありません。  3液を入れたあとは、液量が1.9mLとなりますので、攪拌中に液がこぼれないように注意してください。

    ④④ 3液④2液1液

    混合 混合

    0.5mL 0.5mL

    混合

    0.5mL

    32 パイロカラージアゾカップリング試薬を用いたエンドポイント -比色法

    (1)加温終了後、直ちにバイアル(④)を氷-水浴槽に移し、アルミキャップをすべて取り去り、1液を0.5mLず   つ添加し、氷-水浴槽から取り出し、試験管ミキサーで2秒間攪拌し、混合する。(2)さらに、2液を0.5mLずつ添加し、同様に攪拌、混合し、次いで3液を0.5mLずつ添加し、同様に攪拌、混合   する。

    1-4 反応停止

    (1)Sodium nitrite[1]のバイアルにHCl Solution[1A]1バイアルの全量(12mL)を添加し、溶解する(1液)。(2)Ammonium sulfamate[2]のバイアルに蒸留水を12mL添加し、溶解する(2液)。(3)N-(1-Naphthyl)ethylenediamine dihydrochloride[3]のバイアルに蒸留水12mLを添加し、溶解する  (3液)。

    (1)A, B, CおよびD液の各0.2mLを所定のバイアルに添加し、アルミキャップをかぶせ、試験管ミキサーで2秒   程度攪拌した後、恒温槽で37℃、30分間加温する(加温中にジアゾカップリング試薬の調製を行う)。

    1-2 ライセート試液の添加および反応

    1-3 ジアゾカップリング試薬の調製

    (1)必要本数のES-24Sセットのライセート試薬(④)のバイアルを準備、開封し、アルミキャップで蓋をして   氷冷する。(2)各バイアルに添付の緩衝液(③)0.2mLをチップ等で加え、アルミキャップで蓋をし、試験管ミキサーで2秒   程度攪拌する。

    1-1 ライセート試液の調製

    2液1液 3液

    恒温槽(37℃)

    [1A] [1] [2]

    蒸留水

    蒸留水12mLを加え、混合溶解

    [1A]液の全量を[1]に加え、混合溶解

    蒸留水12mLを加え、混合溶解

    蒸留水

    [3]

    操作方法

    パイロカラージアゾカップリング試薬を用いたエンドポイント-比色法(シングルバイアル法)

    試 薬 ・ジアゾカップリング試薬:PyroColor Diazo Reagents DIA60-STV

    必要な試薬

     試験管(シングルバイアル)を用いたエンドポイント-比色法を行う場合は、カイネティック-比色法(シングルバイアル法)標準操作法 (p.23~p.28参照)に準じてください。予備試験、定量それぞれの標準操作法のライセート試液の調製後、以下の操作を行ってください。

  • カイネティック-比色法(シングルバイアル法)と同様です。

    1-6 判定

    (1)蒸留水を対照として、波長545nmで吸光度を測定する(2時間以内)。

    1-5 吸光度の測定およびデータ解析

    33パイロカラージアゾカップリング試薬を用いたエンドポイント -比色法

  • ウェルリーダーアドバンスを用いたPyrotell®-Tによるカイネティック-比濁法の標準操作法を示します。

    マイクロプレートリーダーを用いたカイネティック-比濁法 標準操作法

    日本薬局方におけるエンドトキシン試験法:光学的定量法

  • 36 パイロテル -T を用いたカイネティック -比濁法

    1. 測定のためのパラメータ

    カイネティック-比濁法(反応時間法)

    必要な試薬および器具

    ウェルリーダーアドバンスを用いたカイネティック-比濁法:設定条件

     エンドトキシン標準溶液10倍段階希釈3濃度(1, 0.1, 0.01 EU/mL)および試料溶液(10倍希釈液)を用いる測定操作法を示します。

    パイロテル-Tを用いたカイネティック-比濁法(マイクロプレート法)

    2. 計算のためのパラメータ

    ※閾値は0.015~0.050の幅で適宜設定してください。

    試 薬

    ・ライセート試薬:パイロテル-T・標準品:日本薬局方エンドトキシン標準品(以下、JP-RSE)・エンドトキシン試験用水(以下、LRW)

    器 具

    ・トキシペットサンプラー200、トキシペットサンプラー1000・トキシペットディスペンサー・トキシペットチップ200、トキシペットチップ1000・トキシペットディスペンサー用シリンジ・乾熱滅菌試験管(11.6×65mm、アルミキャップ付、以下、試験管)・乾熱滅菌アルミ箔(以下、アルミ箔)・試験管ミキサー・プレートミキサー

    測定機器 ・ウェルリーダーアドバンス

    ソフトウェア ・Software for Wellreader, LIMS+ER/ES指針対応ソフト

  • 37パイロテル -T を用いたカイネティック -比濁法

    (1)エンドトキシン標準原液(10,000EU/mL)(p.3参照)を試験管ミキサーで1分間攪拌する。(2)氷冷下でエンドトキシン試験用水を用いて10倍段階希釈を繰り返し、0.1EU/mLを調製する。(3)さらに、10倍段階希釈を2回繰り返し、検量線作成用エンドトキシン標準溶液 3濃度(1, 0.1, 0.01 EU/mL)を   調製する。

    ・段階希釈では各1分間試験管ミキサーで攪拌してください。

    1-1 エンドトキシン標準溶液の調製

    1 検量線の信頼性確認試験

    0.1mL0.1mL

    0.91,000

    JP-RSE10,000EU/mL

    0.1mL

    0.9100

    0.1mL

    0.910

    0.1mL

    0.91

    アルミキャップ

    0.90.1

    0.1mL

    0.90.01

    エンドトキシン試験用水(mL)エンドトキシン濃度(EU/mL)

    ・調製後のエンドトキシン標準溶液は使用直前に10秒間攪拌してください。・陰性対照として同時にエンドトキシン試験用水を測定することをおすすめします。・試料の分注後、ただちにプレートに蓋をかぶせてください。

    (1)エンドトキシン試験用水および 1-1 で調製した検量線作成用のエンドトキシン標準溶液 3濃度(1, 0.1,   0.01EU/mL)の各0.1mLずつをプレートの所定のウェルに分注する(ウェルパターン例参照)。

    1-2 各試料のプレートへの分注

    ウェルパターン例:予備試験(検量線の信頼性確認)

    blk : エンドトキシン試験用水St1~St3 : エンドトキシン標準溶液

    予備試験

    検量線作成に使用

    JP-RSE

    LRW

    添加量(mL)

    エンドトキシン濃度(EU/mL)

    10,000

    0.1

    0.9

    1,000

    0.1

    0.9

    100

    0.1

    0.9

    10

    0.1

    0.9

    1 0.1

    0.1

    0.9

    0.1

    0.9

    0.01

  • 38 パイロテル -T を用いたカイネティック -比濁法

    例:10倍希釈試料溶液を測定に用いる場合は、試料原液を5倍希釈します。(1)エンドスペシー®ES-50Mセットを用いたカイネティック-比色法:2-2 2倍濃度試料溶液の調製(p.12参照)に   従い、2倍濃度試料溶液を調製する。

    2-2 2倍濃度試料溶液の調製

    (1)1 検量線の信頼性確認試験:1-1 エンドトキシン標準溶液の調製に従い、検量線作成用エンドトキシン標準溶   液 3濃度(1, 0.1, 0.01 EU/mL)を調製する。

    2-1 エンドトキシン標準溶液の調製

    2 反応干渉因子試験

    2-4 ライセート試液の調製

    検量線の中点濃度(または中点付近濃度)のエンドトキシンの2倍濃度溶液(0.2EU/mL)を調製します。(1)試験管にエンドトキシン試験用水0.4mLを入れる。(2)2-1 で調製した1EU/mLエンドトキシン標準溶液を試験管ミキサーで1分間攪拌後、0.1mLを上記試験管に   加え、1分間攪拌する。

    (1) 1 検量線の信頼性確認試験:1-3 ライセート試液の調製に従い、ライセート試液を調製する。

    0.1mL

    エンドトキシン試験用水 0.4mL試料原液

    ・泡立てないよう、溶液が渦巻くよう攪拌してください。

    (1)パイロテル-Tのバイアルを軽く叩いて、飛散した粉末を底に落とし、汚染   させないようにゴム栓をピンセットで取り外し、アルミ箔でバイアルの口を   軽く覆う。(2)エンドトキシン試験用水5.0mLをピペットで加え、手でゆっくり円を描く   ように間欠的に攪拌する。

    1-3 ライセート試液の調製

    (1)完全に溶解したライセート試液 0.1mLをシリンジで所定のウェルに添加する。(2)プレートに蓋をかぶせ、ウェルリーダーアドバンスにセットし、測定を開始する。(3)測定終了後、測定結果を保存する。

    1-4 ライセート試液の添加および測定

    プレート

    LRW 5mL

    パイロテル-T

    (1)作成した検量線の相関係数 rを求め、その絶対値|r|が0.980以上であることを確認する。

    1-5 判定

    シリンジ

    ウェルリーダーアドバンス

    2-3 試料添加用エンドトキシン標準溶液の調製

  • 39パイロテル -T を用いたカイネティック -比濁法

    ウェルパターン例:予備試験(反応干渉因子試験)

    blk : エンドトキシン試験用水(D液)St1~St3 : エンドトキシン標準溶液(C液)T1 : 試料溶液(A液)Tr1 : 検量線の中点濃度(または中点付近濃度)のエンドトキシン添加試料溶液(B液)

    ①B液で測定されたエンドトキシン濃度とA液で測定されたエンドトキシン濃度の差に基づいて、B液の添加エ ンドトキシン濃度に対するエンドトキシンの回収率を計算する。②添加エンドトキシンの回収率が50~200%の範囲にあるとき、反応干渉因子は試料溶液に存在しないと判定 する(回収率が50~200%の範囲にあるとき「適合」)。

    以下の2つの条件に適合するとき、反応干渉因子試験は有効である。 ・C液:作成した検量線の相関係数 rを求め、その絶対値|r|が0.980以上である。 ・D液:ライセート試薬に設定されている空試験の限度値を超えないか、または検出限界未満である (本操作法:反応時間法における限度値は反応時間(Ta)がND(検出されず)である)。

    2-7 判定

    (1)完全に溶解したライセート試液0.1mLをシリンジで所定のウェルに添加する。(2)プレートに蓋をかぶせ、ウェルリーダーアドバンスにセットし、測定を開始する。(3)測定終了後、測定結果を保存する。

    (1)試験の有効性を確認する。

    (2)エンドトキシン回収率を算出し、試験の判定を行う。

    2-6 ライセート試液の添加および測定

    ・調製後のエンドトキシン標準溶液は使用直前に10秒間攪拌してください。・試料の分注後、ただちにプレートに蓋をかぶせてください。

    A, B, CおよびD液をマイクロプレート上で調製します。(1)エンドトキシン試験用水(D液)および 2-1 で調製した検量線作成用エンドトキシン標準溶液 3濃度(C液:1,    0.1, 0.01EU/mL)の各0.1mLずつをプレートの所定のウェルに分注する(ウェルパターン例参照)。(2)A液:所定のウェル(T1)にエンドトキシン試験用水を0.05mLずつ分注する。(3)B液:所定のウェル(Tr1)に 2-3 で調製した0.2 EU/mL試料添加用エンドトキシン標準溶液を0.05mLずつ分   注する。(4)A, B液:2-2 で調製した2倍濃度試料溶液を所定のウェル(T1、Tr1)に0.05mLずつ分注する。(5)プレートミキサーで1分間攪拌する。

    2-5 各試料のプレートへの分注

  • 40 パイロテル -T を用いたカイネティック -比濁法

    ウェルパターン例:定量

    blk : エンドトキシン試験用水(D液)St1~St3 : エンドトキシン標準溶液(C液)T1 : 試料溶液(A液)Tr1 : 検量線の中点濃度(または中点付近濃度)のエンドトキシン添加試料溶液(B液)

    ①A液の平均エンドトキシン濃度に基づき、被験試料(希釈しない前の元被験試料)のエンドトキシンの濃度 (EU/mL、EU/mg、EU/mEqまたはEU/単位)を算出する。

    ②その値が医薬品各条に規定されたエンドトキシン規格を満たすとき、被験試料はエンドトキシン試験に適合 とする。

    以下のすべての条件に適合するとき、本試験は有効である。・C液:作成した検量線の相関係数 rを求め、その絶対値|r|が0.980以上である。・B液で測定されたエンドトキシン濃度とA液で測定されたエンドトキシン濃度の差に基づいて計算され た、B液の添加エンドトキシン濃度に対するエンドトキシンの回収率が50~200%の範囲にある。・D液:ライセート試薬に設定されている空試験の限度値を超えないか、または検出限界未満である (本操作法:反応時間法における限度値は反応時間(Ta)がND(検出されず)である)。

    3-2 判定

    2 反応干渉因子試験と同様に、(1)エンドトキシン標準溶液、2倍濃度試料溶液、試料添加用エンドトキシン標準溶液、ライセート試液を調製する。(2)A, B, CおよびD液をマイクロプレート上で調製するため、プレートの所定のウェルに分注する。

    (3)完全に溶解したライセート試液 0.1mLをシリンジで所定のウェルに添加する。(4)プレートに蓋をかぶせ、ウェルリーダーアドバンスにセットし、測定を開始する。(5)測定終了後、測定結果を保存する。

    (1)試験の有効性を確認する。

    (2)試験の判定を行う。

    3-1 操作方法

    3 定量

    定 量定量

  • Pyrotell®によるゲル化法の標準操作法を示します。

    ゲル化法 標準操作法

    日本薬局方におけるエンドトキシン試験法

  • 42 日本薬局方におけるエンドトキシン試験法:ゲル化法

    試験条件を整備して再試験します

     ライセート試薬の表示感度確認試験は、調製した4種の濃度のエンドトキシン標準溶液(2λ, 1λ, 0.5λ, 0.25λ)を用いて、この4種の液を一組とした試験を4回行います。

     必要な試験管の本数:16本

     日本薬局方におけるエンドトキシン試験法を実施するに際して、ゲル化法の精度と有効性を保証するため、予備試験としてライセート試薬の表示感度確認試験および反応干渉因子試験を行う必要があります。

     ライセート試薬の表示感度とは、ライセート試薬に規定されている条件下でのライセート試液の凝固に必要な最小エンドトキシン濃度です。使用する前にその表示感度λを確認しなければなりません。ライセート試薬の各ロットで、使用する前に、また試験結果に影響を及ぼす可能性が予想される試験条件の変更があるときに行います。

    ライセート試薬の表示感度確認試験

    各回の試験において、陽性を示す最小エンドトキシン濃度をエンドポイント濃度とし、次の式によって4回の試験の幾何平均エンドポイント濃度を求めます

    幾何平均エンドポイント濃度=antilog(Σe / f )

     Σe:各回のエンドポイント濃度の対数eの和  f:試験の回数

    求めた幾何平均エンドポイント濃度が0.5~2λの範囲であるとき「ライセート試薬の表示感度は確認された」と判定

    ・反応干渉因子試験、限度試験法および定量試験法には、上で求められた幾何平 均エンドポイント濃度ではなく、メーカーによって設定された表示感度を用い ます。

    4回の試験で 0.25λのエンドトキシン標準溶液がすべて陰性である

    すべて陰性 いずれか陽性

    試験は有効 試験は無効

    4回の試験の幾何平均エンドポイント濃度は、表計算ソフトを利用し、以下の計算式より算出することができます。

    ◆計算式 =POWER(10,(((LOG10(E1)+LOG10(E2)+LOG10(E3)+LOG10(E4))/4)))   E1~E4:1~4回目のエンドポイント濃度

    予備試験

    概要

    操作法

    判 定

    参考

    日本薬局方におけるエンドトキシン試験法:ゲル化法

  • 43日本薬局方におけるエンドトキシン試験法:ゲル化法

    試料溶液は反応干渉因子試験に適合

    最大有効希釈倍数を超えない範囲で試料溶液を更に希釈し、試験を行う

    ある ない

     表2に従い、A, B, CおよびD液を調製し、AおよびB液は4回、CおよびD液は2回試験を行います。

     反応干渉因子試験は、試料溶液について、反応を促進または阻害する因子の有無を調べる試験です。 試験結果に影響を及ぼす可能性が予想される試験条件の変更があるときにも行います。

    反応干渉因子試験

    反応干渉因子は試料溶液に存在しないものと判定

    試料溶液は反応干渉作用を有する ※注

    A*1

    B*2

    C*3

    D*4

    試料溶液

    エンドトキシン試験用水

    希釈液

    4

    4

    2

    2

    試験の回数

    4

    16

    8

    2

    計30本

    試験管の本数

    0/試料溶液

    2λ/試料溶液

    2λ/エンドトキシン試験用水

    0/エンドトキシン試験用水

    エンドトキシン濃度/被添加液

    エンドトキシン濃度

    2λ1λ0.5λ0.25λ

    2λ1λ0.5λ0.25λ

    1248

    1248

    希釈倍数

    *1 陰性対照。試料溶液のみ*2 反応干渉因子試験のための、標準エンドトキシンを添加した試料溶液*3 ライセート試薬の表示感度確認のためのエンドトキシン標準溶液*4 陰性対照。エンドトキシン試験用水のみ

    表2

    --

    反応干渉因子試験は有効

    A液およびD液の試験結果がすべて陰性で、C液の試験結果によりライセート試薬の

    表示感度が確認された

    B液の試験結果において、幾何平均エンドポイント濃度が0.5 ~ 2λの範囲にある

    ※注:反応干渉が認められるときは、試料溶液から反応干渉作用を除くために、試料溶液または希釈した試   料溶液につき、適切な処理(ろ過、反応干渉因子の中和、透析または加熱処理など)を施すことがで   きます。   ただし、処理によりエンドトキシンが損失しないことを保証するために、エンドトキシンを添加した   試料溶液に当該の処理を施すことにより、上記の試験に適合する結果が得られることを確認する必要   があります。

    操作法

    判 定

  • 44 日本薬局方におけるエンドトキシン試験法:ゲル化法

    操作法

    判 定

     限度試験法は、試料溶液が各条に規定されたエンドトキシン規格を超えるエンドトキシンを含むか否かを、ライセート試薬の表示感度に基づいてゲル化反応により判定する方法です。

    *1 限度試験のための試料溶液。最大有効希釈倍数を超えない範囲で希釈することができる*2 陽性対照。A液と同倍数で希釈された試料溶液で、終濃度2λとなるように標準エンドトキシンを  添加したもの*3 陽性対照。濃度2λのエンドトキシン標準溶液*4 陰性対照。エンドトキシン試験用水のみ

     表3に従い、A, B, CおよびD液を調製し、これらの4種の液を一組として試験を2回行います。AおよびB液の試料溶液は、予備試験:反応干渉因子試験に適合する溶液を用います。

    A*1

    B*2

    C*3

    D*4

    試験の回数

    2

    2

    2

    2

    試験管の本数

    2

    2

    2

    2

    計8本

    エンドトキシン濃度/被添加液

    0/試料溶液

    2λ/試料溶液

    2λ/エンドトキシン試験用水

    0/エンドトキシン試験用水

    表3

    BおよびC液の2回の試験結果がいずれも陽性で、D液の2回の試験結果がいずれも陰性

    試験は有効

    A液の2回の試験結果において

    いずれも陰性 いずれも陽性 1回が陰性、他の1回が陽性

    被検試料はエンドトキシン試験に適合

    被検試料はエンドトキシン試験に不適

    この2回の試験を繰り返し行う

    この2回の再試験結果が

    いずれも陰性両方または一方が陽性

    適合不適

    ただし、陽性の結果が得られたいずれの場合でも、試料溶液の希釈倍数が最大有効希釈倍数未満の場合、

    最大有効希釈倍数またはそれを超えない希釈倍数で試験をやり直すことができる

    限度試験法

  • 45日本薬局方におけるエンドトキシン試験法:ゲル化法

    操作法

    エンドトキシン濃度の算出および判定

    被検試料は、エンドトキシン試験に適合

    2回の試験により被検試料について求めた二つのエンドトキシン濃度(EU/mL, EU/mg, EU/mEqまたは EU/ 単位)の

    いずれもが、医薬品各条に規定されたエンドトキシン規格を満たす

    試料溶液のエンドトキシン濃度から、被検試料のエンドトキシン濃度(EU/mL,EU/mg, EU/mEqまたは EU/ 単位)を算出

    試料溶液のエンドトキシン濃度は、「λにA液の最小希釈倍数を

    乗じた値未満」

    試料溶液のエンドトキシン濃度は、「λにエンドポイントにおける希釈倍数を

    乗じて得た値」として算出

    試料溶液のエンドトキシン濃度は、「λにA液の最大希釈倍数を

    乗じた値以上」

     表4に従い、A, B, CおよびD液を調製し、これらの4種の液を一組として試験を2回行います。AおよびB液の試料溶液は、予備試験:反応干渉因子試験に適合する溶液を用います。

     定量試験法は、被検試料のエンドトキシン濃度をゲル化反応のエンドポイントを求めることによって測定する方法です。

    液 希釈液

    エンドトキシン試験用水

    エンドトキシン試験用水

    試験の回数

    2

    2

    2

    2

    エンドトキシン濃度/被添加液

    0/試料溶液

    2λ/試料溶液

    2λ/エンドトキシン試験用水

    0/エンドトキシン試験用水

    エンドトキシン濃度希釈倍数

    C*3

    D*4

    A*1

    B*2

    試験管の本数

    8

    2

    8

    2

    計20本

    *1 定量試験のための試料溶液。段階希釈倍数は、最大有効希釈倍数を超えない範囲で適宜変更することができる*2 陽性対照。A液の最小希釈倍数と同倍数で希釈された試料溶液に、終濃度2λとなるように標準エンドトキシンを添加したもの*3 ライセート試薬の表示感度確認のためのエンドトキシン標準溶液*4 陰性対照。エンドトキシン試験用水のみ

    表4

    2回の試験のいずれの結果においても、D液は陰性を、B液は陽性を示し、C液の幾何平均エンドポイント濃度が

    0.5~2λの範囲

    試験は有効

    A液の希釈系列において、陽性を示す最大の希釈倍数をエンドポイントとし、

    試料溶液のエンドトキシン濃度を算出

    A液の希釈系列の中に陽性を示すものがない

    A液の希釈系列にエンドポイントが存在 A液の希釈系列のすべてが陽性

    定量試験法

    ----

    1248

    1

    1248

    2λ1λ0.5λ0.25λ

  • 46 日本薬局方におけるエンドトキシン試験法:ゲル化法

    ・段階希釈では各1分間試験管ミキサーで攪拌してください。

    (1)エンドトキシン標準原液(10,000EU/mL)を試験管ミキサーで1分間攪拌する。(2)氷冷下でエンドトキシン試験用水を用いて10倍段階希釈を繰り返し、1.0 EU/mLを調製する。(3)さらに、下図のように2倍段階希釈を繰り返し、ライセート試薬の表示感度確認試験ならびにC液用のエンドトキ   シン標準溶液[0.06 (2λ), 0.03(1λ), 0.016(0.5λ), 0.008EU/mL(0.25λ)]を調製する。

    1-1 エンドトキシン標準溶液の調製

    1 標準溶液および試料溶液等の調製

    1.0mL

    1.00.5

    JP-RSE10,000EU/mL

    1.0mL

    1.00.25

    0.91,000

    1.0mL

    1.81

    0.2mL0.1mL

    0.910

    0.1mL 0.1mL

    0.9100

    1.0mL

    1.00.125

    1.0mL

    1.00.06(2λ)

    1.00.03(λ)

    エンドトキシン試験用水(mL)エンドトキシン濃度(EU/mL)

    1.0mL 1.0mL

    1.00.016(0.5λ)

    1.00.008

    (0.25λ)

    アルミキャップ

    JP-RSE

    LRW

    エンドトキシン濃度(EU/mL)

    10,000

    0.1

    0.9

    1,000

    0.1

    0.9

    100

    0.1

    0.9

    10

    0.2

    1.8

    1 0.5

    1.0

    1.0

    0.25

    1.0

    1.0

    0.125

    1.0

    1.0

    1.0

    1.0

    1.0

    1.0

    1.0

    1.0

    1.0

    1.0

    0.008(0.25λ)

    標準操作法

    必要な試薬および器具

     λ:0.03EU/mLのライセート試薬(パイロテルマルチテストおよびシングルテスト)および試料溶液(10倍希釈液)を用いる標準操作法を示します。

    パイロテルを用いたゲル化法

    0.016(0.5λ)

    0.03(λ)

    0.06(2λ)

    添加量(mL)

    試 薬

    ・ライセート試薬:パイロテル・標準品:日本薬局方エンドトキシン標準品(以下、JP-RSE)・エンドトキシン試験用水(以下、LRW)

    器 具

    ・トキシペットサンプラー200、トキシペットサンプラー1000・トキシペットディスペンサー・トキシペットチップ200、トキシペットチップ1000・トキシペットディスペンサー用シリンジ・乾熱滅菌試験管(希釈用)・パイロチューブ アルミキャップ付(パイロテルマルチテスト用:10×75mm)・乾熱滅菌アルミキャップ(以下、アルミキャップ)・乾熱滅菌アルミ箔(以下、アルミ箔)・試験管ミキサー

    恒温槽 ・サーモアルミバスALB-121

  • 47日本薬局方におけるエンドトキシン試験法:ゲル化法

    (2)B液の調製

    (3)D液の準備

    エンドトキシン試験用水

    (1)A液の調製

    1-2 その他の試料溶液の調製

    0.20mL

    試料原液

    0.25mL

    1.55mL0.06(2λ)

    0.5EU/mLエンドトキシン標準溶液

    10倍希釈試料溶液エンドトキシン濃度(EU/mL)

    1.0mL

    1.00.016(0.5λ)

    1.00.008

    (0.25λ)

    1.0mL1.0mL

    1.00.03(λ)

    エンドトキシン試験用水(mL)エンドトキシン濃度(EU/mL)

    試料溶液での希釈

    アルミキャップ0.6mL0.2mL

    0.610×4

    試料原液

    0.610×8

    0.6mL

    1.810×1

    0.6mL

    0.610×2

    エンドトキシン試験用水(mL)試料原液希釈倍数

  • 48 日本薬局方におけるエンドトキシン試験法:ゲル化法

    (1)アルミキャップで蓋をし、試験管ミキサーで1~2秒間攪拌する。(2)ドライブロック恒温槽で37(±1)℃で60(±2)分間静置する。

    ・加温中は振動を与えないように注意してください。

    1-5 加温

    (1)恒温槽より静かに取り出し、180°転倒する。

    1-6 転倒 1-7 判定(ゲル化法)

     予 備 試 験:ライセート試薬の表示感度確認試験 16本       反応干渉因子試験         30本 限度試験法:                  8本 定量試験法:    20本

    1-3 ライセート試薬の準備

    (1)下図に従い、必要本数分のライセート試薬を準備する。

    [マルチテスト]A~D液の0.1mLずつをチップでパイロチューブに分注した後、溶解したパイロテルの0.1mLずつをシリンジ等で添加します。

    [シングルテスト]A~D液の0.2mLずつをチップで添加します。

    (1)下図に従い、試料溶液等を添加する。

    1-4 試料溶液等の添加

    LRW 5mL

    使用前に静かに混合します。数分で溶解します。

    パイロテル[マルチテスト]

    [シングルテスト]

    バイアルの蓋を取り、アルミキャップをかぶせます。

    0.1mLパイロテル0.1mL

    パイロテル溶液

    パイロチューブ

    陽性:180°転倒しても   ゲルが崩れません。

    陰性:180°転倒するとゲルが落ちる   またはゲルが形成されません。

    A~D液(試料溶液等)

    0.2mL

  • 50

     エンドトキシン試験法は,カブトガニ(Limulus polyphemus又はTachypleus tridentatus )の血球抽出成分より調製されたライセート試薬を用いて,グラム陰性菌由来のエンドトキシンを検出又は定量する方法である.本法には,エンドトキシンの作用によるライセート試液のゲル形成を指標とするゲル化法及び光学的変化を指標とする光学的定量法がある.光学的定量法には,ライセート試液のゲル化過程における濁度変化を指標とする比濁法,及び合成基質の加水分解による発色を指標とする比色法がある. エンドトキシン試験は,ゲル化法,比濁法又は比色法によって行う.ただし,その結果について疑義がある場合又は係争が生じた場合は,別に規定するもののほか,ゲル化法の限度試験法によって最終の判定を行う. 本法はエンドトキシンによる汚染を避けて行う.

    1. 器具

     試験に用いる全てのガラス製及びその他の耐熱性器具は,有効とされている方法により乾熱処理を行う.通例,少なくとも250℃で30分間の乾熱処理を行う.また,マルチウエルプレート及びマイクロピペット用チップなどのプラスチック製品を用いる場合は,エンドトキシンが検出されないこと及びエンドトキシン試験に対する干渉作用のないことが確認されたものを用いる.

    2. 溶液の調製

    2.1. エンドトキシン標準原液の調製

     エンドトキシン標準原液はエンドトキシン標準品をエンドトキシン試験用水で溶解して調製する.エンドトキシン標準品の力価は,世界保健機関のエンドトキシン国際標準品を基準として標定される.なお,エンドトキシン単位はEUで示し,1 EUは1エンドトキシン国際単位(IU)に等しい.

    2.2. エンドトキシン標準溶液の調製

     エンドトキシン標準溶液はエンドトキシン標準原液を�