ハリガネムシを、 - basf...ハリガネムシ類 さとうきび・かんしょ用殺虫剤...

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ハリガネムシ類 さとうきび・かんしょ用殺 虫 剤 ® = BASF 社の登録商標 散布状況が すぐにわかる、 あざやかな 青色のベイト 技術資料 No.5 No.5 15.05/1 ( CC ) 6102-004 本資料の記載内容は2015年5月現在のものです。 ●使用前にはラベルをよく読んでください。 ●ラベルの記載以外には使用しないでください。 ●小児の手の届く所には置かないでください。 ●使用後の空容器は圃場などに放置せず、環境に影響のないよう適切に処理してください。 ●防除日誌を記帳しましょう。 106-6121 東京都港区六本木6丁目10番1号 六本木ヒルズ森タワー21階 70120-014-660 503-3796-9419 http://www.agriculture.japan.basf.com プリンスベイトは下記の施薬器具で処理できることが確認されています。 1. (地域作製の)金属製ホッパーにバルブ栓を接合した重力落下式 2. パイオニア社製 ビレットプランター 3. みのる産業(株)製施薬アタッチメントのスリット改造型汎用施薬器 4. その他(地域作製の)汎用施薬器 ●植付時に使用する場合は、本剤の所定量を均一に植溝へ処理 し、土壌混和してください。 ●培土時に使用する場合は、本剤の所定量を均一に株元へ処理 し、土壌混和してください。 ●使用量に合わせ秤量し、使い切ってください。 ●本剤の使用に当っては、使用量、使用時期、使用方法を誤らな いよう注意し、特に初めて使用する場合には病害虫防除所等 関係機関の指導を受けることが望ましいです。 ●本剤による中毒に対しては、動物実験でフェノバルビタール製 剤の投与が有効であると報告されています。 ●かぶれやすい体質の人は取扱いに十分注意してください。 魚毒性…散布器具・容器の洗浄水は、河川等に流さないでくださ い。また、空容器、空袋等は、水産動植物に影響を与えな いよう適切に処理してください。 保 管…直射日光をさけ、食品と区別して、なるべく低温で乾燥 した場所に密封して保管してください。 作物名 適用病害虫名 使用方法 使用量 本剤の 使用回数 フィプロニルを含む 農薬の総使用回数 使用時期 植溝処理 土壌混和 植溝処理 土壌混和 株元処理 土壌混和 株元処理 土壌混和 6~9kg/10a 4~6kg/10a 植付時 植付時 培土時 培土時 さとうきび かんしょ ハリガネムシ類 メイチュウ類 1回 1回 6kg/10a 6kg/10a アオドウガネ幼虫 メイチュウ類 シロスジオサゾウムシ 適用病害虫と使用方法 プリンスベイトの使い方 効果・薬害等の注意 安全使用上の注意 全面処理 土壌混和 植付前 コガネムシ類 植溝処理 土壌混和 植付時 イエシロアリ ヤマトシロアリ アリモドキゾウムシ イモゾウムシ コガネムシ類 ハリガネムシ類

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Page 1: ハリガネムシを、 - BASF...ハリガネムシ類 さとうきび・かんしょ用殺虫剤 おびきよせて一斉防除。ハリガネムシを、 ®=BASF社の登録商標

ハリガネムシ類

さとうきび・かんしょ用殺虫剤

ハリガネムシを、

おびきよせて一斉防除。

®=BASF社の登録商標

散布状況がすぐにわかる、あざやかな青色のベイト

技術資料 No.5No.5

15.05/1(CC) 6102-004

本資料の記載内容は2015年5月現在のものです。

●使用前にはラベルをよく読んでください。 ●ラベルの記載以外には使用しないでください。 ●小児の手の届く所には置かないでください。●使用後の空容器は圃場などに放置せず、環境に影響のないよう適切に処理してください。 ●防除日誌を記帳しましょう。

〒106-6121 東京都港区六本木6丁目10番1号 六本木ヒルズ森タワー21階 70120-014-660 503-3796-9419 http://www.agriculture.japan.basf.com

■プリンスベイトは下記の施薬器具で処理できることが確認されています。1. (地域作製の)金属製ホッパーにバルブ栓を接合した重力落下式

2. パイオニア社製 ビレットプランター

3. みのる産業(株)製施薬アタッチメントのスリット改造型汎用施薬器

4. その他(地域作製の)汎用施薬器

●植付時に使用する場合は、本剤の所定量を均一に植溝へ処理し、土壌混和してください。●培土時に使用する場合は、本剤の所定量を均一に株元へ処理し、土壌混和してください。●使用量に合わせ秤量し、使い切ってください。●本剤の使用に当っては、使用量、使用時期、使用方法を誤らないよう注意し、特に初めて使用する場合には病害虫防除所等関係機関の指導を受けることが望ましいです。

●本剤による中毒に対しては、動物実験でフェノバルビタール製剤の投与が有効であると報告されています。●かぶれやすい体質の人は取扱いに十分注意してください。

魚毒性…散布器具・容器の洗浄水は、河川等に流さないでください。また、空容器、空袋等は、水産動植物に影響を与えないよう適切に処理してください。

保 管…直射日光をさけ、食品と区別して、なるべく低温で乾燥した場所に密封して保管してください。

作物名 適用病害虫名 使用方法使用量 本剤の使用回数

フィプロニルを含む農薬の総使用回数

使用時期

植溝処理土壌混和

植溝処理土壌混和

株元処理土壌混和

株元処理土壌混和

6~9kg/10a

4~6kg/10a

植付時

植付時

培土時

培土時

さとうきび

かんしょ

ハリガネムシ類

メイチュウ類

1回 1回

6kg/10a

6kg/10a

アオドウガネ幼虫メイチュウ類シロスジオサゾウムシ

適用病害虫と使用方法

プリンスベイトの使い方

効果・薬害等の注意 安全使用上の注意

全面処理土壌混和

植付前コガネムシ類

植溝処理土壌混和

植付時

イエシロアリヤマトシロアリ

アリモドキゾウムシイモゾウムシコガネムシ類ハリガネムシ類

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さとうきび・かんしょの害虫防除に、新製剤プリンスベイト。

プリンスベイトは、水稲用育苗箱施用で定評のある有効成分

フィプロニルに穀物粉末を混合した新製剤です。

フィプロニルは、これまでのどのグループにも属さない系統である、

フェニルピラゾール系の殺虫剤で、

植付時処理や培土時処理を行うことにより、

さとうきびのハリガネムシ類、メイチュウ類、アオドウガネ、

シロスジオサゾウムシ、イエシロアリ、ヤマトシロアリを、

またかんしょでは、ハリガネムシ類、コガネムシ類、ゾウムシ類を防除できます。

本冊子では、プリンスベイトの特長、使用方法、防除効果をご紹介します。

今後の害虫防除にお役立ていただければ幸いです。

プリンスは、昆虫の神経に作用しますが、従来の殺虫剤とは異なる部位をターゲットとし、抑制性神経伝達物質の一つであるGABA(γ

-aminobutyric acid、γ-アミノ酪酸)受容器の作用を阻害します。通常、神経接合部での神経伝達では、GABAが放出されその受容器

に結合すると塩素チャネルが開き、塩素イオンが流入して膜電位が低下することで興奮が収まります。これに対してプリンスの存在下で

は、プリンスがGABAとは異なる部位に結合し、塩素チャネルが開かず、塩素イオン(陰イオン)の流入がなく、結果として神経の興奮の

抑制がきかず害虫を死に至らしめます。(プリンスは塩素チャネルにおけるアンタゴニスト(拮抗剤)として作用します)この作用は、従来

使用されてきた殺虫剤とは異なる作用機作であるため、従来剤に感受性の低下した害虫に対しても優れた効果を示します。

神経球

シナプス

シナプス前部神経

シナプス後部神経

Cl-Cl-

Cl-

Cl-

Cl-

Cl-

GABA

Cl-

Cl-

Cl-

Cl-

Cl-Cl-

Cl-

GABA

フィプロニル

昆虫の神経系 通常の神経伝達 プリンスの作用

GABA

GABA受容器に結合

12塩素チャネルが開き塩素イオンが流入3膜電位が低下する4興奮が収まる5

プリンスがGABAとは異なる部位に結合

塩素チャネルが開かず塩素イオンが流入しない

12興奮の抑制がきかない3害虫の死亡4

BASF本社で処方開発されたフィプロニルと穀物粉末からなる製剤で、ハリガネムシ類幼虫等が好んで摂食する

よう工夫されています。

成分・性状・安全性 3

プリンスベイトとは 3

プリンスの作用機作 3

主な対象害虫 4

特長 4

1. ベイトの殺虫効果 5

2. 植付け時処理の防除効果 6

3. 春植え・株出し体系の可能性 7

4. 培土時処理の防除効果 8

5. シロアリに対する防除効果 9

6. 新たな害虫シロスジオサゾウムシ 10

主な対象害虫 11

特長 11

1. コガネムシ類、ハリガネムシに対する防除効果 12

2. イモゾウムシ、アリモドキゾウムシとその生態 13

3. イモゾウムシ、アリモドキゾウムシに対する作用性 14

4. プリンスベイトの使い方 14

5. イモゾウムシ、アリモドキゾウムシに対する防除効果 15

さとうきび

目次

かんしょ

プリンスベイトの使い方 16

適用病害虫と使用方法 16

成分・性状・安全性

プリンスベイトとは?

プリンスの作用機作

■登録番号 第21839号

■農薬の種類及び名称 種類:フィプロニル粒剤 名称:プリンスベイト

■有効成分の種類及び含有量 フィプロニル・・・0.5%

■その他の成分 穀粉等・・・99.5%

■物理的性状 外 観 等:淡青色粒状 見掛比重:0.61■安全性(製剤) 人畜毒性:普通物(毒劇物に該当しないものを指していう通称) 急性毒性:経口 LD50 ラット ♂♀ >2000mg/kg 経皮 LD50 ラット ♂♀ >2000mg/kg 魚 毒 性:B-s類相当

2 3

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1 ■ベイトの殺虫効果

試験目的

ハリガネムシ類に対するベイトの殺虫効果を、市販のプリンス粒剤(水稲育苗箱専用)を用いて室内試験により比較検討。

プリンスベイトまたはプリンス粒剤

トレイの深さ:10cm土の厚さ :3cm

10g入ティーバッグ

22cm

29cm ハリガネムシ10頭

試験結果

ハリガネムシ類は、ベイトを摂食後に死亡したことが示されました。

ベイト剤とプリンス粒剤それぞれ10gをティーバッグ(9.5cm×7.0cm)に入れたものをトレイの角の2ヵ所に埋め、10日後に死亡数をカウントしました。

0

2

4

6

8

10

■殺虫試験(室内試験)におけるハリガネムシ類の平均死亡数の比較

プリンスベイト(フィプロニル0.5%)

平均死亡数

プリンス粒剤(フィプロニル1.0%)

無処理区

プリンス粒剤は、殺虫成分含量が倍にもかかわらず、死亡はほとんど無い。

8.75

0.25 0

(平成18年 沖縄県農研センター)

・ ハリガネムシ類を誘引して効率的に食毒で防除。

・ メイチュウ類に対しては、根より吸収され茎の中から防除。

・ 植付時の処理で、収穫後の株出し栽培のための地下芽子を確保。

・ 青色のベイト剤で散布状況がわかりやすい。

・ 培土時処理により株出し栽培にも使用可能。

・ イエシロアリ、ヤマトシロアリも植付時処理で防除。

ハリガネムシ類 アオドウガネ イエシロアリメイチュウ類

散布状況がすぐにわかるあざやかな青色のベイト

植付時に処理するだけで、

ハリガネムシ類を一斉防除、

メイチュウやシロアリにも優れた効果。

また、培土時処理で

ハリガネムシ類、メイチュウ類、

アオドウガネ、

シロスジオサゾウムシを防除。

プリンスベイトの特長

主な対象害虫

4 5

沖縄県農業研究センターの試験で、プリンスベイトの優れた特性が証明されました。

さとうきびの害虫とプリンスベイトの効果

さとうきび さとうきび

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■春植え・株出し体系の可能性

試験目的

春植え時に処理し、ハリガネムシ類を防除することにより、翌春の健全地下芽子および株出し時の萌芽数を確保して、株出し栽培の可能性を検討。

3

試験結果

春植え時の処理により、翌春の株出しが確保されることが示されました。

■春植時処理が翌年の萌芽に及ぼす影響

■翌春の株出し時の地下芽子に対する作用

■翌春の株出し時の状況

薬剤名 処理量 茎数(本/a) 収量(kg/a)萌芽数(本/a)萌芽率(%)

プリンスベイト 6kg/10a 1103 632 770 69.8

プリンスベイト 9kg/10a 1133 585 763 67.4

B剤 9kg/10a 923 532 400 43.3

春植えの茎数・収量は慣行薬剤と同等かやや増加傾向を示し、萌芽数はプリンスベイト処理区が大幅に増加しました。

プリンスベイト区では地下芽子の約80%が生存していましたが、慣行薬剤区では約30%しか生存していませんでした。

プリンスベイト処理株は健全芽子が多く、低い位置からの萌芽が確認できました。

健全芽子

株出2ヶ月後(平成18年5月24日)

萌芽率(%)=萌芽数÷前作茎数×100

0

5

10

15

C剤9kg/10a

株当たり地下芽子数 33%

プリンスベイト6kg/10a

株出し時の地下芽子の状態(各処理区27株調査)

76%

プリンスベイト9kg/10a

82%

死亡芽子

生存芽子

慣行粒剤(D剤)

慣行粒剤(B剤)

プリンスベイト

(平成16年 沖縄県農業試験場)

〈試験概要〉

植付日:平成17年5月19日

処理日:平成17年5月19日

調査日:収穫(平成18年3月27日)

萌芽数(平成18年5月1日)

地下芽子数(平成18年5月30日)

■植付け時処理の防除効果2■ハリガネムシ類に対する防除効果

試験目的

ハリガネムシ類に対する圃場での防除効果を、発芽数と株掘取後の被害芽数で検討。また、メイチュウ類に対する同時防除効果を検討。

プリンスベイト 6kg/10a 270 232 85.9 1 0.4

A剤 9kg/10a 270 212 78.5 21 9.9

無処理 ---- 270 138 51.1 122 88.4

被害芽数被害芽率(%)

試験年度

薬剤名 処理量 調査芽数 発芽数発芽率(%)

試験結果

プリンスベイトは慣行薬剤と比較して、ハリガネムシ類やメイチュウ類に対して同等もしくは優れた効果を示しました。

平成16年

プリンスベイト

無処理区

■カンシャシンクイハマキに対する防除効果

プリンスベイト4kg/10a

A剤6kg/10a

〈試験概要〉

植付日:平成16年9月1日

処理日:平成16年9月1日

調査日:平成16年10月7日(処理36日後)

芯枯茎数を調査

〈試験概要〉

植付日:平成16年9月1日

処理日:平成16年9月1日

調査日:平成16年10月7日

(処理36日後)

発芽数、被害芽数を調査

0 20 40 60 80 100防除価

100

62.9

(平成15年 沖縄県農業試験場)

(平成16年 沖縄県農業試験場)

6 7

さとうきび さとうきび

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■シロアリに対する防除効果

試験目的

さとうきびの新植栽培において、シロアリの食害による発芽不良が目立ってきているため、プリンスベイトの植溝散布土壌混和処理によるシロアリへの効果を検討。

5

試験結果

■こんな経験はありませんか?

■イエシロアリに対する防除効果(植溝処理土壌混和)

プリンスベイトをさとうきびの植付時に、6kg/10a横溝処理土壌混和することによって、イエシロアリ、ヤマトシロアリによるさとうきびの被害が抑制されました。

●さとうきびを植付けたが、部分的に不発芽が発生した(畑周辺に松林や古い家屋などがある)●掘り起こすと、シロアリが加害して苗の茎が空洞になり、発芽していなかった●被害拡大防止のため、被害苗を掘り取り、ビニール袋に入れて処分した●シロアリに登録の防除薬剤は無く、圃場からいなくなるのを待つしかなかった

不発芽が発生した畑 空洞になった苗 堀り取った被害苗 苗を食害しているイエシロアリ

(平成22年 沖縄県農業研究センター)

〈試験概要〉

植付月日 : 4月13日(春植)

処理月日 : 4月13日(植溝処理土壌混和)

調査月日 : 6月2日(処理50日後)

調査項目 : 苗を掘り取り、切開調査 シロアリ食害さとうきび苗数

被害茎率(%)

0

10

20

30

40

50

0

プリンスベイト 6kg/10a

40

無処理

■ヤマトシロアリに対する防除効果(植溝処理土壌混和)

(平成24年 鹿児島県農業開発総合センター大島支場)

〈試験概要〉

植付月日 : 10月12日

処理月日 : 10月12日

調査月日 : 11月14日(処理33日後)

調査項目 : 苗を掘り取り、切開調査 食害さとうきび苗数および芽数

被害率(%)

0

10

30

40

50

60

20

0 0

プリンスベイト 6kg/10a

38.5

57.7

無処理

被害苗率被害芽率

■培土時処理の防除効果4 試験目的

さとうきびにおける、プリンスベイトの培土時株元処理土壌混和の、防除効果および薬害についての検討。

試験結果

プリンスベイトの培土時株元処理土壌混和(6kg/10a)は、対照薬剤と比較して効果がまさり、また薬害は認められません。

■ハリガネムシ類に対する防除効果

プリンスベイト6kg/10a

A剤6kg/10a

〈試験概要〉処理日:平成21年5月12日  発生程度:中発生調査日:平成21年6月25日(処理44日後)被害芽数を調査

0 20 40 60 80 100防除価

70.4

63.0

プリンスベイト6kg/10a

A剤6kg/10a

0 20 40 60 80 100防除価

74.2

66.1

プリンスベイト6kg/10a

A剤6kg/10a

0 20 40 60 80 100防除価

76.8

64.6

プリンスベイト6kg/10a

A剤6kg/10a

0 20 40 60 80 100防除価

70.6

47.1

(平成21年 沖縄農研センター)

(平成19年 沖縄農研センター)

(平成19年 沖縄農研センター)

(平成21年 沖縄農研センター)

■メイチュウ類に対する防除効果

〈試験概要〉処理日:平成19年4月30日  発生程度:中発生調査日:平成19年6月1日(処理32日後)芯枯茎数を調査

■メイチュウ類に対する防除効果

〈試験概要〉処理日:平成19年4月30日  発生程度:中発生調査日:平成19年6月1日(処理32日後)芯枯茎数を調査

■メイチュウ類に対する防除効果

〈試験概要〉処理日:平成21年5月12日  発生程度:少発生調査日:平成21年6月25日(処理44日後)芯枯茎数を調査

(サキシマカンシャクシコメツキ)

(カンシャシンクイハマキ)

プリンスベイト6kg/10a

C剤6kg/10a

0 20 40 60 80 100密度指数

27.8

61.6

無処理 100

(平成19年 沖縄農研センター 宮古島支所)

■アオドウガネに対する防除効果

〈試験概要〉植付日:平成18年9月16日  処理日:平成19年7月19日発生程度:多発生(成虫放飼)調査日:平成19年8月20日(処理32日後)生存幼虫数を調査

(イネヨトウ)

(カンシャシンクイハマキ)

8 9

さとうきび さとうきび

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■シロスジオサゾウムシに対する防除効果

(平成21年 沖縄県農業研究センター)

〈試験概要〉

処理月日 : 6月4日

発生程度 : 中発生

処理方法 : 培土時株元散布土壌混和

調査月日 : 処理前(6月4日)、 処理14日後、35日後、63日後

調査方法 : 誘引トラップを設置、 7日後に誘引された虫数を調査

トラップ当りの虫数

0

20

40

60

80

3.16.5

処理前

1.4

16.3

14日後

3.4

39.2

35日後

4.0

71.3

63日後

プリンスベイト 6kg/10a無処理

(平成22年 沖縄県農業研究センター)

〈試験概要〉

処理月日 : 5月25日

発生程度 : 中発生

処理方法 : 培土時株元散布土壌混和

調査月日 : 処理前(5月25日)、 処理14日後、28日後、42日後

調査方法 : 誘引トラップを設置、 7日後に誘引された虫数を調査

トラップ当りの虫数

0

5

20

30

35

10

15

25

33.6

11.8

処理前

1.9

8.8

14日後

5.2

18.0

28日後

3.3

28.4

42日後

プリンスベイト 6kg/10a無処理

・ 植付時処理で、ハリガネムシ類を誘引して効率的に食毒で防除。

・ 植付時から収穫期まで長く効く。

・ コガネムシ類幼虫、ゾウムシ類にも長く効く。

・ 食毒作用とともに、根からの吸収移行により、

植物を摂食した害虫にも一定期間効果が持続。

・ ゾウムシ類多発圃では、かんしょの生育期に使用する薬剤との組み合わせが効率的。

ハリガネムシ類 イモゾウムシ アリモドキゾウムシコガネムシ類

植付時処理で

ハリガネムシ類、コガネムシ類、

ゾウムシ類を防除

プリンスベイトの特長

かんしょの主な対象害虫

かんしょの害虫とプリンスベイトの効果■新たな害虫シロスジオサゾウムシ6 試験目的

近年、さとうきび畑に侵入し、被害がみられるようになった新たな害虫シロスジオサゾウムシへの効果を確認。

試験結果

プリンスベイトは培土時の株元処理土壌混和によって、シロスジオサゾウムシの増殖を強く抑制しました。

シロスジオサゾウムシは南方からの侵入害虫であり、主な寄主植物はヤシ類ですが、沖縄県では1993年に初めてさとうきびへの被害が確認され、その後も沖縄県内で被害が拡大しています。シロスジオサゾウムシの幼虫は茎の中に生息し、成虫は土中に生息するため、茎葉処理剤散布による防除は困難です。成虫の寿命は非常に長く200日以上で、その産卵期間は170日、産卵総数は230個以上と特異な性質をもち、さとうきびの茎部で特に傷がついた部分に産卵します。幼虫は孵化後、茎内を食害し甚だしい場合にはさとうきびは食害された部分から折れてしまいます。

10 11

さとうきび かんしょ

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2 ■イモゾウムシ、アリモドキゾウムシとその生態

イモゾウムシ アリモドキゾウムシ

イモゾウムシ、アリモドキゾウムシは、かんしょ、グンバイヒルガオ、ノアサガオなどのヒルガオ科植物に寄生する熱帯地区由来の害虫です。本害虫は、かんしょを加害する害虫で、加害されたかんしょは悪臭を発し、苦くなり食用、加工用にも利用できないことから、世界的にかんしょの重要害虫になっています。本害虫は、飛翔能力は低く、自力では海を越えることはできませんが、植物に寄生して伝播されます。このため、本害虫発生地区からのかんしょやヒルガオなど寄生植物の地域外移動は禁止されており、撲滅事業が実施されています。

発生源は、放置イモと管理の悪い圃場

植付2ヶ月以降の圃場

イモゾウムシ、アリモドキゾウムシ成虫の圃場への侵入時期は、植付2ヶ月以降

圃場に侵入したイモゾウムシ、アリモドキゾウムシは地際部の茎に産卵します。茎で生育した成虫は土のひび割れ部から入り、塊根部(イモ)に産卵、増殖し加害します。

新成虫は土のひび割れ部分から土中に侵入。イモに産卵・ふ化し、幼虫が加害

先ず、地際部の茎に産卵・ふ化し、幼虫が加害

イモゾウムシの被害イモゾウムシの被害イモゾウムシの被害

■コガネムシ類、ハリガネムシに対する防除効果

試験目的

プリンスベイトの植付時処理で、ハリガネムシ類およびコガネムシ類幼虫に対する効果を検討。

1

試験結果

■コガネムシ類に対する防除効果

■発生源と圃場への侵入

■かんしょへの加害

ハリガネムシ類およびコガネムシ類幼虫に対して、6kg/10aの植付時の植溝処理土壌混和で対照剤と同等~優る効果が確認されました。

(平成23年 鹿児島県農業開発総合センター大隅支場)〈試験概要〉品  種 : べにはるか発生程度 : 中~少発生 (アオドウガネ、ヒメコガネ他)処 理 日 : 5月16日定 植 日 : 5月17日調 査 日 : 10月18日

0

10

20

30

被害イモ率(%)

プリンスベイト 6kg/10a植付時作条処理土壌混和

A粒剤 9kg/10a植付時全面処理土壌混和

無処理区

プリンスベイト 6kg/10a植付時作条処理土壌混和

B粒剤 9kg/10a植付時作条処理土壌混和

無処理区

被害度

0.9 0.6

18.8

27.8

1.11.7

■ハリガネムシに対する防除効果

(平成22年 鹿児島県大隅)〈試験概要〉品  種 : ベニオトメ発生程度 : 少発生(ハリガネムシ類)処 理 日 : 5月1日定 植 日 : 5月6日、14日、21日調 査 日 : 10月22日

0

5

10

被害イモ率(%) 被害度

0.31.1

2.8

9.1

3.4

1.0

(平成23年 日本植物防疫協会研究所宮崎試験場)〈試験概要〉品  種 : 宮崎紅発生程度 : 少発生 (ドウガネブイブイ若齢幼虫放虫)処 理 日 : 6月29日定 植 日 : 6月30日調 査 日 : 10月11日

0

10

20

30

被害度

2.20.3

12.7

12 13

かんしょ かんしょ

Page 8: ハリガネムシを、 - BASF...ハリガネムシ類 さとうきび・かんしょ用殺虫剤 おびきよせて一斉防除。ハリガネムシを、 ®=BASF社の登録商標

■イモゾウムシ、アリモドキゾウムシに対する防除効果

試験目的

イモゾウムシ、アリモドキゾウムシの茎、塊根に対する防除効果と、イモゾウムシに対する摂食による防除効果を検討。

試験結果

■イモゾウムシ、アリモドキゾウムシに対する防除効果

イモゾウムシ、アリモドキゾウムシに対して塊根に高い被害防止効果を示し、イモゾウムシに対して摂食による殺虫活性が認められました。

(平成22年 鹿児島県農業開発総合センター大島支場)

〈試験概要〉品  種 : コガネセン植 付 日 : 6月10日収 穫 日 : 10月8日処 理 日 : 6月10日調 査 日 : 10月8日発生程度 : 少→中発生

0

20

30

10

40

50

プリンスベイト 6kg/10a

被害茎率(%)被害塊根率(%)

無処理

43.347.6

9.3

30.6

(平成22年 沖縄県病害虫防除技術センター)

〈試験概要〉品  種 : ツマコイベツ植 付 日 : 5月28日収 穫 日 : 10月26日処 理 日 : 5月28日調 査 日 : 10月26日発生程度 : 少→中発生

0

20

30

10

40

50

プリンスベイト6kg/10a

被害茎率(%)被害塊根率(%)

プリンスベイト(♂)

0

8.8

■イモゾウムシに対する摂食効果

(平成22年 沖縄病害虫防除技術センター)

試験方法:容器試験9.3R容器に水で湿らせた濾紙を敷き、プリンスベイト(0.5g)とイモゾウムシ成虫〔♂10, ♀10頭)を入れ、処理10日後までの死虫率を調査。反  復:1区20頭 4反復

0

20

100

40

60

80

0 1日後 3日後 10日後

5

A粒剤9kg/10a

24.128.8

無処理

22.2

46.6

生存率(%)

プリンスベイト(♀)

無処理(♂)

無処理(♀)

3 ■イモゾウムシ、アリモドキゾウムシに対する作用性

4 ■プリンスベイトの使い方

畦立て時に6kg/10aを植溝処理し、土壌混和後かんしょ苗を挿苗してください。

成虫がベイトを摂食し殺虫効果を示します。また、塊根内の幼虫の生育阻害を示すと考えられます。

畦立て 薬剤処理 土壌混和 挿苗

放置イモ、管理不良圃場、ノアサガオなどから侵入したイモゾウムシ、アリモドキゾウムシは茎の地際部に産卵し、ふ化した幼虫が加害、新成虫は土のひび割れ部から侵入し、塊根に産卵し幼虫がイモを加害します。

幼虫の成育阻害産卵は防止できないので、茎への被害が生じます。

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かんしょ かんしょ