新型コロナ対策!...

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新型コロナ対策! 《初級編》家の中で身体を動かそう!! 新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、不要不急の外出を控えた方 がよいのですが、動く量(活動量)が減ると、生活不活発病になる恐 れがあります。そこで今回は生活の中で動く工夫について紹介します。 「動かない」と「動けなくなる」! 「寝るより座る、座るより歩く」! 「生活不活発病」とは、「動かない」(生活が不活発な)状態が続くこ とにより、心身の機能が低下して、「動けなくなる」ことを言います。 特に高齢の方は、筋力の低下、うつ状態、知的活動の低下、めまい・立 ちくらみが起こりやすくなります。 1.なるべく動くことを心がけよう。 3.身の回りを片付けよう。 歩きやすい通路を確保しましょう! 4.「安静第一」は思い込み。 「無理は禁物」「動くと邪魔になる」とは思いこまない でください。 2.日中、ずっと横にならない。 一日1回布団をたたもう! 予防の4つのポイント ※持病がある方、栄養状態が悪い方は、医師や医療関係者に相談してください 出典:生活不活発病予防リーフレット((公社)日本理学療法士協会版) 生活不活発病の予防は、生活の中で「ちょっと動く」だけでも効果が あります。することがなくてじっとしている時間があるのであれば、 積極的に「ながら運動」を取り入れて活動量を増やしましょう。 ながら運動のすすめ

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新型コロナ対策!《初級編》家の中で身体を動かそう!!

新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、不要不急の外出を控えた方がよいのですが、動く量(活動量)が減ると、生活不活発病になる恐れがあります。そこで今回は生活の中で動く工夫について紹介します。

「動かない」と「動けなくなる」!「寝るより座る、座るより歩く」!

「生活不活発病」とは、「動かない」(生活が不活発な)状態が続くことにより、心身の機能が低下して、「動けなくなる」ことを言います。特に高齢の方は、筋力の低下、うつ状態、知的活動の低下、めまい・立ちくらみが起こりやすくなります。

1.なるべく動くことを心がけよう。

3.身の回りを片付けよう。歩きやすい通路を確保しましょう!

4.「安静第一」は思い込み。「無理は禁物」「動くと邪魔になる」とは思いこまないでください。

2.日中、ずっと横にならない。一日1回布団をたたもう!

予防の4つのポイント

※持病がある方、栄養状態が悪い方は、医師や医療関係者に相談してください

出典:生活不活発病予防リーフレット((公社)日本理学療法士協会版)

生活不活発病の予防は、生活の中で「ちょっと動く」だけでも効果があります。することがなくてじっとしている時間があるのであれば、積極的に「ながら運動」を取り入れて活動量を増やしましょう。

ながら運動のすすめ

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◆日常生活の中で動く・散歩・昔ながらの家事(窓ふき、床掃除等)をおこなう

・階段昇り降り・立って靴下を履く(片足立ちバランス)等

おすすめの運動

◆筋力トレーニング足の筋力を鍛えるスクワット

◆ストレッチ体操姿勢を整える

おすすめの筋力トレーニング

筋力トレーニングは息を止めず、呼吸をしながらおこなってください。10回1セットから始め、可能であれば3~4セットが目安です。

①ひざのばし運動

②スクワット

椅子に座って、片方の膝をゆっくりとまっすぐに伸ばします。

伸ばしきったところで、3秒間止め、ゆっくりと下ろします。

余裕があれば重錘バンド(1キログラム程度)を足首に巻くとよいです。

立った姿勢から、正面を見ながらお尻を後ろにつきだすように膝を曲げます。

※後ろに倒れそうなときは前につかまるものを準備しましょう。

膝がつま先より出ないようにしましょう。

お尻、太ももにしっかり力が入っていることを意識してください。③かかとあげ運動

なるべく膝をのばしたまま、かかとを上げて、背伸びをします。

※後ろや前に倒れそうなときは前につかまるものを準備しましょう。

出典:公益社団法人日本理学療法士協会

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生活リズムを整えることがまず第一!いつもの時間に起きましょう!

新型コロナ対策!《中級編》座る姿勢を整えよう!!

立つことに不自由・不安を感じている方を対象に、家での過ごし方や動く量(活動量)を増やすための工夫について紹介します。在宅勤務で座りっぱなしの方にも効果があるのでぜひ試してみてください。

なんとなく朝起き上がる意欲がわかなかったり、生活が不規則になってしまって横になってずっとウトウト…という方もいるかもしれませんが、まずはいつもと同じ時間に起きることを心がけましょう。また、外出自粛とはいっても、人が密集していなければ、家の周辺を散歩するこ

とは問題ありません。ずっと家の中にいる場合でも、窓を開けてこまめに換気したり、運動を意識しながら家事を行うなど、気分転換になる作業を探してみることもおすすめです。

正しい座り方にはバリエーションがある。いろいろ試してみよう!

ずっと同じ姿勢でいると、身体の筋肉が固まり、血行も悪くなります。適度にお尻や身体の位置を変えながら座ることが大切になります。もちろん、極端な姿勢の変化はかえって身体の負担を増やすことになりますし、椅子からずり落ちるなどの危険性も増えますので、注意が必要です。時には背もたれを使ったり、前方へ体を倒したり、身体を適度に動かして刺激を与えましょう。

深く座ったり、浅く座ることで姿勢に変化が生じます。

タオルを敷くと骨盤が少し前かがみになります。

筋力が弱っていて、立ち上がる時にふらつくなど不安がある場合にも、お尻の下にタオルや座布団を敷いて、座面を少し高くすると立ち上がりやすくなります。※ただし、その状態でずっと座っているとお尻が前にずれてしまい、座面から滑り落ちてしまうことがあるので注意が必要です。

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かかとが床についていると、①上体が起きる、②背筋が伸びる、③足を自然に踏ん張る、

という効果があります。

1.椅子の場合

座っているときは足を着地して安定させよう!

出典:公益社団法人日本理学療法士協会

椅子が高くて足がつかない場合、浅く座ると危険なこともあるので、台のようなものを置いて、かかとが床についている状態を保ちましょう。

足が浮いているより、地面についている方が安定しています。

2.車椅子の場合

車椅子には移動時に足の安全を守るために足台がついていますが、移動しないときは足台を上げて足を地面につけると先ほどの3つの効果が得られます。

※足台がないと安定した姿勢が取れない方はやめておきましょう。

食事のときもちょっとひと工夫

食事のとき、食器を置く位置を少し遠くするだけで、腕を動かす量や足を踏ん張る機会が増えて、生活不活発病の予防に効果があります。

ちょっとした工夫で活動量が増え、体によい効果をもたらすことができます。気分転換くらいの軽い気持ちでお試しください。

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新型コロナ対策《初級編》座ってできる運動!!

立つことに不自由・不安を感じている方を対象に、家での過ごし方や動く量(活動量)を増やす為の工夫を紹介します。今回は、座ってできる運動運動を行います。

どの運動も自分の体力や動かせる範囲、体調と相談しながら、身体に負荷がかかっていると感じられるくらいの強さでおこなってください。痛みがある場合は、動かす範囲を少し小さくしても構いません。

座ってできる運動-上半身を動かしましょう!

家で過ごすことが多いと、腕を肩より上げる機会が少なくなり、体幹も動く範囲が小さくなり、同じ姿勢を取りがちになります。まずは腕と体幹をしっかりと動かしましょう。 ※座ってできる運動ですが、立っておこなっても構いません。

腕の上げ下ろしの運動(前から上)

1.椅子に座って両腕を体の横に下ろします。

2.両方の手のひらが向かい合うように腕を伸ばして前から上に上げていきます。息を吸いながらゆっくりと上げていきましょう。

3.上まで上げたら、腕を伸ばしたまま前を通って下ろして元の姿勢に戻ります。息を吐きながらゆっくりと下ろします。

10回を目安に無理のない範囲と回数で繰り返します。

腕の上げ下ろしの運動(横から上)10回を目安に無理のない範囲と回数で繰り返します。

1.椅子に座って両腕を体の横に下ろします。

2.腕を伸ばして横から上に上げていきます。腕が水平の位置に来たら、手のひらを上に向けて、さらに上げていきます。息を吸いながらゆっくりと上げていきましょう。

3.上まで上げたら、腕を伸ばしたまま横を通って下ろして元の姿勢に戻ります。息を吐きながらゆっくりと下ろします。

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上半身を前後に動かす運動10回を目安に無理のない範囲と回数で繰り返します。

上半身を左右に倒す運動

1.椅子に座ります。 2.腰から体を前に倒し、お尻が椅子から浮かない範囲で前屈します。両手を太ももの上に置いて支えても構いません。

3.1の姿勢に戻ります。 4.骨盤は動かさないことを意識しながら背中をそらします。斜め上を見るように首を少しそらしましょう。

上半身をひねる運動※上半身が不安定な方は肘かけのある椅子でおこなってください。不安のない方は、腕を組んだ姿勢で体をひねってもよいでしょう。

1.椅子に座ります。 2.片手を肘かけに乗せ、逆側から上半身をひねります。

正面に戻ります。 反対側も同じようにおこなってください。

ゆっくりと左右5回ずつを目安に繰り返します。

1.椅子に座ります。 2.片手を肘かけに乗せ、逆の手を伸ばして上半身を横に倒します。

3.正面に戻ります。 4.反対側も同じようにおこなってください。

ゆっくりと左右5回ずつを目安に繰り返します。

出典:公益社団法人日本理学療法士協会

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新型コロナ対策《中級編》座ってできる運動!!

立つことに不自由・不安を感じている方を対象に、家での過ごし方や動く量(活動量)を増やす為の工夫を紹介します。今回は、座ってできる運動運動を行います。

どの運動も自分の体力や動かせる範囲、体調と相談しながら、身体に負荷がかかっていると感じられるくらいの強さでおこなってください。痛みがある場合は、動かす範囲を少し小さくしても構いません。

座ってできる運動-上半身を動かしましょう!

家で過ごすことが多いと、腕を肩より上げる機会が少なくなり、体幹も動く範囲が小さくなり、同じ姿勢を取りがちになります。まずは腕と体幹をしっかりと動かしましょう。 ※座ってできる運動ですが、立っておこなっても構いません。

肩や背中の運動(ウィンギング・エクササイズ※)

※この運動は肘を下げずにおこなうことを意識しておこないます。自分で思うより肘が下がりがちなので、鏡を見ながらやるとよいでしょう。

1.椅子に座ります。 2.両手を顔の前に持ってきます。肘が肩の高さになるように気をつけます。

3.肘の高さはそのままで両方の肩甲骨を引き寄せるように意識しながら、左右に腕を開きます。手のひらは外に向けます。肘が下がらないように注意します。

4.腕を上に上げて手の甲を合わせます。肩が痛む場合は上がるところまでで構いません。

4⇒3⇒2⇒3⇒4⇒3⇒2の順で10回を目安に繰り返します。下腹部に力をいれながら実施すると効果的です。上手にできる方はなるべく早い動きでやってみてください。

(※川野哲英:ファンクショナルエクササイズ, 2004.)

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座ってできる運動-下半身を動かしましょう!

かかとを上げる運動

交互に足踏みの運動

次に座ってできる下半身運動を紹介します。今回ご紹介する運動は、立ったり歩いたりするときに関係する大きな筋肉を使う運動です。また、大きな筋肉を使うことで全身の代謝も上がります。かかとを上げる運動やふくらはぎのストレッチは、むくみの予防・改善やエコノミー症候群の予防にも効果があります。

1.椅子に座ります。両足の向きは「ハの字」や「への字」にならないよう、つま先を正面に向ける(両足の向きが平行になる)ようにしてください。

2.両方のかかとを同時にゆっくり持ち上げます。2~3センチメートル程度で構いません。床を蹴るのではなく、

かかとを引き上げることを意識してください。膝の上を手で押さえたり、太ももの上に本を乗せたりすると負荷を上げることができます。

かかとをゆっくりと下ろします。

10回程度を目安に繰り返しましょう。

膝から足を伸ばす運動(+足首を曲げる運動) 片足ずつ10回を目安に繰り返します。

1.椅子に座ります。2.太もも前面の筋肉を意識しながらゆっくりと(1秒程度で)片足を上げます。

3.余裕がある方は、2の状態で足首を自分のほうに向けて曲げると、ふくらはぎのストレッチになります。

反対側も同じようにおこなってください。

椅子に座って、足踏みをするだけでも運動の効果が得られます。

出典:公益社団法人日本理学療法士協会

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新型コロナ対策《応用編》横になってできる運動!!

立つことに不自由・不安を感じている方を対象に、家での過ごし方や動く量(活動量)を増やす為の工夫を紹介します。今回は、座ってできる運動運動を行います。

どの運動も自分の体力や動かせる範囲、体調と相談しながら、身体に負荷がかかっていると感じられるくらいの強さでおこなってください。痛みがある場合は、動かす範囲を少し小さくしても構いません。

横になってできる運動-下半身を動かしましょう!

お尻を上げる運動

床に横になっておこなう運動は、上半身が安定するため、下半身を動かすことに集中できます。また、お尻の筋肉の運動は、座った状態よりも横になったほうがやりやすいです。寝た状態ではありますが、太ももの前の筋肉については、座って運動をするよりも、負荷がきつく、より大きな筋力が必要となります。ここでご紹介する運動も下肢の大きな筋肉を使うため、座ってする運動でご紹介したものと同じ効果が得られます

呼吸を意識しながらゆっくりと10回程度を目安に繰り返しましょう。

床に横になり、足を肩幅に開いて膝を立てます。頭の下にタオルなどを敷いて首に負担がかからないようにするとよいでしょう。

お尻をすぼめるように少し浮かします。お尻が床から離れるくらいでよいです。背中をそることのないようにしましょう。また、勢いをつけて上げないようにしましょう。

かかとを浮かさずに足を動かす運動(ヒールスライド)

床に横になり、足を伸ばします。

片側の足を、足の裏を床につけたままゆっくりと(1秒ぐらいで)反対側の膝ぐらいまでを目安に自分のほうに引き寄せます。

ゆっくりと(1秒ぐらいで)元に戻します。反対側の足も同じようにおこなってください。

片足ずつ10回を目安に繰り返します。

足を戻す際にゆっくりおこないづらい、膝に痛みがあるという方は、膝の下にあたるようにタオルを畳んで置いておくとよいでしょう。

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足を上げる運動

足を上げて曲げる運動(SLR4動作※)

かかとを上げる運動

立っておこなう運動-無理のない範囲で挑戦しましょう!

片足ずつ10回を目安に繰り返します。

出典:公益社団法人日本理学療法士協会

連続で10回程度おこないます

床に横になり、片足の膝を立てます。膝を立てた足とは反対側の足を伸ばしたままゆっくりと反対側の膝の高さの半分程度まで持ち上げます。(反対側の太ももの高さを超えると上げすぎです。)

ゆっくりと足を下ろします(元の姿勢に戻ります)。2で足を持ち上げた状態で足首を自分側に向かって曲げると、ふくらはぎのストレッチにもなります。

床に横になり、片足の膝を立てます。 膝を立てた足とは逆側の足を伸ばしたまま持ち上げます。

2の状態で膝を曲げます。できる人は、このとき膝が床につかないようにしましょう。

もう一度足を伸ばします(2の状態に戻ります)。

元の姿勢に戻ります。

力が入りづらい方は、膝の下にタオルや枕を入れて、膝が曲がった姿勢から始めても構いません。

(※川野哲英:ファンクショナルエクササイズ, 2004.)

椅子から立ち上がるだけでも運動の効果があります。テレビのリモコンをあえて遠くに置いて、チ立ち上がって移動するなど、立ち上がる機会を増やすようにしてみてください。

安定した椅子の背もたれや壁などを支えにすると安全です。

壁に手をつくか、安定した椅子の背もたれを持ち、上体を安定させます。足はハの字にならず平行になるようにしてください。

両方のかかとを同時に持ち上げます。2~3センチメートル程度で構いません。床を蹴るのではなく、かかとを引き上げることを意識してください。上半身が前後に揺れないように、ゆっくりとおこなってください。

10回程度を目安に繰り返しましょう。

実際に試してみると、筋肉が疲れているのを実感できると思います。どの場所の筋肉を使っているか、意識してみてください。徐々にうまく使えるようになると思います。

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新型コロナ対策正しく・安全にウォーキング!!!

ウォーキングの効果を出すポイントは、有酸素運動

片足ずつ10回を目安に繰り返します。

新型コロナウイルス感染拡大を防ぐための緊急事態宣言の対象地域が4月17日から全国になりました。不要不急の外出を控えるように要請されていますが、3密を避けたウォーキングは、心身の健康の維持におすすめの運動です。

今回は、正しく・安全にウォーキングするためのコツをお届けします。

効果的におこなうウォーキングには気分転換、持久力が上がる、免疫機能が上がる効果があります。

ただ歩くだけの散歩では効果が見込めません。気分転換ならゆっくり歩くだけでも構いませんが、活動量を増やすためには次のことを意識しましょう。①まずは20分を目標に!信号などで途中で止まらないようなコースがおすすめです。信号がある場合は、赤信号のときも足踏みを続けましょう。

②運動の強さは「息が弾むくらい」が目安!感覚的には「楽である」~「ややきつい」くらいです。ウォーキングの際にはこの2点を取り入れてみてください。

1. 準備•靴は足の甲、足首が固定されるもの歩きやすいのはもちろん足関節の保護になります。•水分補給脳卒中や熱中症などの予防のためにも適度に水分補給をしてください。•マスクマスクがあると息苦しさを感じるのであれば外しても構いません。ただし、他者との距離を確実に取ってください。

2. 時間日中の食後1時間後くらいがよいでしょう。朝早い時間は血圧が安定しなかったり、朝食前は血糖値が低くなる恐れがあること、夜は足元が見にくいため、安全上の理由からおすすめしません。混雑しない時間を選んでください。

正しく・安全なウォーキング実践のポイント!

4. 一人で歩く平常時であれば、親しい人とおしゃべりをしながらのウォーキングはとても楽しいですが、今は「ソーシャル・ディスタンス」(他人との距離を取ること)が必要です。両手を伸ばした距離=2メートル離れることを最低の目安にしましょう。

3. 歩く場所決まったコースをおすすめします。慣れたコースであれば、危険を回避しやすくなります。混雑しない場所を選んでください。

5. 記録をとるカレンダーなどにかかった時間や歩数、疲れ具合などを記録すると継続の励みになるだけでなく、同じコースで時間が短くなった=早く歩けるようになった同じコースを歩いても疲れなくなった=体力がついたなど、効果を実感できます。

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歩き方のポイント!

片足ずつ10回を目安に繰り返します。

天気が悪いとき・足腰が痛いときは慎重に!

少し前方(2メートルくらい前)を見るようにすると障害物にも早く気づけます。ただし、時々は視線を上げて前方の安全を確認してください。

一般的には、自分の身長の45~50パーセントが適正と言われていますが、急に無理をして歩幅を広げるのは禁物です。まずは、いつもより一歩(ご自分の握り拳1つ分)大股で歩いてください。もし、腰が痛くなるようでしたら、普通の歩幅に戻してください。

歩幅が狭い例(左)と、歩幅が広い例(右)

前の足は、大きく踵から地面につきます。後ろの足は、足の指で地面を蹴るようにしましょう。お尻の筋肉(大殿筋)を意識すると大股で歩けます

肘を直角くらいに曲げて脇をしめ、大きく前後に振ります。そのときに上半身が反らないことに注意しましょう。「歩く」というのは足の筋肉だけを使っていると思いがちですが、腕を大きく振ることにより、全身運動になります。

•いつもと調子が違うな、と思ったら無理をしないで、その日は「家の中でもできる運動」に変更しましょう。思いつめることは危険です。

•運動は「諸刃の剣」と言われています。正しい方法で運動をおこなわなければ、運動がかえって害になることもあります。

•歩くときに心配なときは、歩行器や杖を使ったウォーキングも可能です。

•過去1年間に転倒の経験がある高齢者は、転倒したことのない高齢者に比べて、約3~4倍転倒しやすくなると言われています。ウォーキングの際には、ご自身も周りの方も安全に実施できるようご配慮ください。

•身近に理学療法士がいましたら、ぜひご相談ください。

外出自粛が続く中でもできることに取り組んで、健康な暮らしを送れるように心がけましょう。ウォーキングの習慣化は、緊急事態宣言が解除された後の生活にもプラスになるはずです!

出典:公益社団法人日本理学療法士協会

歩幅

足の運び

腕の振り

姿勢