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クラウド統合ストレージ 概要とメリット

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クラウド統合ストレージ –

概要とメリット

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クラウド統合ストレージ – 概要とメリット

Automated Cloud- Volume-level

目次

目次 ..................................................................................................................................... 2

概要 ..................................................................................................................................... 3

CiS のアーキテクチャ .................................................................................................. 3

エンタープライズ クラスのストレージ プラットフォーム ......................... 4

エンタープライズ ティア 2 SAN ストレージ .................................................... 4

アクティビティベースのストレージ 階層化とデータのランク付け ................ 5

データの削減と仮想プロビジョニング ......................................................................... 6

クラウド データ管理 ................................................................................................... 6

全体像 ................................................................................................................................ 9

まとめ ............................................................................................................................. 10

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クラウド統合ストレージ – 概要とメリット

Automated Cloud- Volume-level

概要

このドキュメントでは、クラウド統合スト

レージ (CiS) と呼ばれる、新しいクラスの

ストレージ テクノロジ の概要を説明しま

す。CiS は、iSCSI SAN、スナップショット、

バックアップ、重複除去、圧縮といったさ

まざまなストレージ テクノロジと、クラ

ウド サービス プロバイダーが提供するス

トレージ サービスを組み合わせています。

CiS アーキテクチャは、企業各社にとって

IT 環境への導入にふさわしい、新しい管理

機能を備えています。下の図 1 に、CiS の

基本構成を示します。

図 1: CiS の基本構成

CiS のアーキテクチャ

CiS 製品は、3 つの基礎コンポーネントで構成されています (図 2 を参照)。

CiS ストレージ ソフトウェア

Cis 互換の SAN ストレージ

CiS クラウド データ管理

図 2: CiS のコンポーネント

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クラウド統合ストレージ – 概要とメリット

エンタープライズ クラスのストレージ プラットフォーム

エンタープライズ クラスの高可用性スト

レージは、デュアル コントローラー、バ

ッテリ バックアップ対応メモリ、複数の

ポート、RAID などを使用してすべてのコ

ンポーネントを冗長化することで、単一障

害点を発生させないよう保護されています。

加えて、ホット スワップ可能なコンポー

ネントおよびソフトウェアの無停止アップ

グレード機能により、ハードウェアとソフ

トウェアをダウンタイムなしでアップグレ

ードできます。

Microsoft Windows Server 2008 / 2012 およ

び VMware によるオペレーティング システ

ム認定とプラットフォーム認定は、今日の

エンタープライズ ストレージ プラットフォ

ームに不可欠な構成要素です。また、

StorSimple CiS は広範なテストが実施され

ており、Windows Azure のようなクラウド

ストレージ プロバイダーを使用して展開さ

れます。

CiS システムにはアプリケーション整合性

のあるスナップショット機能が組み込まれ

ているため、アプリケーションのストレー

ジ API を使用して一時的に運用を停止し、

データのクリーンなポイントインタイム (特

定時点の) コピーを作成できます。このスナ

ップショットを使用すると、エラーを発生

させずに、すばやく正確にデータを復元で

き、データの不整合を解決するために管理

者が余計な手間をかける必要がありません。

エンタープライズ ティア 2 アプリケーション SAN ストレ

ージ

CiS は、業界標準の iSCSI SAN プロトコル

を使用してサーバーに接続します。iSCSI

は、マイクロソフトと VMware のどちら

のサーバーで使用する場合も簡単に設定

でき、ストレージ管理者の間で広く普及

しているプロトコルです。

CiS は、電子メール、ファイル共有、

Microsoft SharePoint、コンテンツ管理シス

テム、大量の仮想マシン (VM)、大規模な

非構造化データ リポジトリといった、

エンタープライズ ティア 2 アプリケーショ

ンのプライマリ ストレージとして運用する

ことを前提に設計されています。オンライ

ン トランザクション処理のような、待機時

間の短さが要求されるアプリケーションに

は適していません。ティア 2 データの特徴

のわかりやすい例として、図 3 に、こうし

たデータのライフサイクル曲線を示します。

データは作成直後の数日間に最も頻繁にア

クセスされ、その後はアクセス数が減って

いることがわかるでしょう。

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クラウド統合ストレージ – 概要とメリット

図 3: データのライフサイクル (出典: Oracle Corporation)

アクティビティベースのストレー

ジ階層化とデータのランク付け

CiS システムでは、パフォーマンス指向の

フラッシュ SSD、容量指向の SAS ディス

ク ドライブ、およびクラウド ストレージ

の 3 種類の記憶域を使用します。データ

は、相対的なアクティビティ レベルとユ

ーザー指定のポリシーに基づいて、それぞ

れのストレージ間で適宜移動され、アクセ

ス頻度が高くなったデータはパフォーマン

ス重視のストレージに、あまり使用されな

くなったデータは容量重視のストレージに

配置されます。

システム内は 4 つの論理階層で構成され、

SSD レベルに 2 階層、SAS レベルと

クラウド ストレージ レベルにそれぞれ 1

階層が割り当てられています。4 つの階層

の詳細を表 1 に示します。

表 1 の 3 列目の「データ アクティビティ」

は、各階層の相対的なアクセス頻度を表し

ています。ネイティブ層と高アクセス層に

は、最もアクセス頻度の高いデータが配置

されますが、ネイティブ層には CiS システ

ムに最近追加されたデータが含まれ、高ア

クセス層のデータはシステムに追加されて

からしばらく経過している点が異なります。

また、低アクセス層には最もアクセス頻度

の低いデータが格納され、アクセス頻度が

特に高くも低くもないデータが中アクセス

層に配置されます。

表 1: StorSimple CiS システムの論理階層

階層名 ストレージの種類 データ アクティビティ 削減テクノロジ

ネイティブ SSD 最もアクティブな新規データ 適用なし

高アクセス SSD 最もアクティブな既存データ 重複除去

中アクセス SAS 高アクセスと低アクセスの間 フル

低アクセス クラウド 最も非アクティブなデータ フル

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クラウド統合ストレージ – 概要とメリット

データのランク付けは、データのアクティ

ビティ レベル、作成後の経過時間、適用

されるポリシーを組み合わせ、データを配

置すべき階層を自動的に判定する機能です。

データの削減と

シンプロビジョニング

表 1 の 4 つ目の列は、各階層で使用され

るデータ削減テクノロジの種類を表します。

ネイティブ層にはデータ削減テクノロジが

適用されておらず、高アクセス層では重複

除去が行われます。また、中アクセス層と

低アクセス層にはフル リダクションが使用

されており、データの圧縮と重複除去の両

方が適用されます。ネイティブ層のデータ

を中アクセス層に移動する場合は、まず重

複除去を行ってから圧縮処理が施されます。

重複除去では、データの重複を特定し余

分な複製データを削除することで、シス

テム内に格納されたデータの量を削減し

ます。重複除去は、特に仮想サーバー環

境で効果を発揮します。圧縮では、反復

したデータ値を特定しエンコードされた

簡略表記に置き換えることで、システム

内に格納されたデータの量を削減します。

CiS システムではこの他に、記憶域容量の

節減テクノロジとして、シンプロビジョ

ニングも使用されます。これは、ストレ

ージ容量を前もって予約するのではなく、

必要に応じて随時割り当てるテクノロジ

です。CiS システムでは、全ストレージが

シンプロビジョニングされます。

クラウド データ管理

CiS では、アーカイブやバックアップ スト

レージなど、ユーザーに馴染みのある方法

でクラウド ストレージを活用できる各種

データ管理ツールを幅広く提供しています。

CiS システムのデータ管理ツールの多くは

自動的に処理を実行するため、管理者の作

業の負担が軽減されます。

クラウド スナップショットは、クラウド内

の低アクセス層に格納されており、データ

の特定の時点のコピーです。すべてのクラ

ウド スナップショットにはフル リダクシ

ョン (重複除去と圧縮) が適用され、ストレ

ージ消費量が最小限に抑えられます。

CiS システムによってクラウドに転送およ

び格納されるデータに対してあらかじめ

フル リダクションが適用され、クラウド

データの削減とクラウド ストレージの

WAN 最適化を実現します。これにより、

クラウド ストレージのコストだけでなく、

クラウドへのデータ格納に伴うトランザ

クション コストおよび WAN 帯域幅が最

小限に抑えられます。

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階層としてのクラウド (CaaT) とは、CiS シ

ステム内の低アクセス層として、クラウド

ストレージを自動的に利用することです。

CiS が最も下のレベルにランク付けしたデ

ータは、クラウド内の低アクセス層に送信

されます。該当データに再度アクセスする

と、データが中アクセス層に昇格されます。

クラウド シンプロビジョニングは、CiS シ

ステムが使用するクラウド ストレージに適

用されるシンプロビジョニング テクノロジ

です。クラウドシンプロビジョニングでは、

クラウド ストレージの容量を前もって予約

するのではなく、必要に応じて自動的に割

り当てるため、ユーザーはストレージに必

要以上のコストをかけずに済みます。

ボリュームレベルのクラウド マッピング

機能により、CiS システム上のストレージ

ボリュームと、クラウド (複数可) 内のデ

ータ保存先をマッピングします。同一また

は複数のクラウド サービスを通じて、複

数のボリュームに低アクセス層を配置でき

ます。

各 CiS システムにはシステムの状態を記述し

たメタデータ マップがあり、スナップショ

ットを作成した時点の、ボリュームのコン

テンツ イメージを提供します。このマップ

のサイズは通常、格納データの 0.1% です。

CiS システムによってクラウドに転送およ

び格納されるデータにはすべて、セキュリ

ティを確保するために AES-256 暗号化が適

用されます。また、これらのデータには必

ず、データの整合性を保証する手段として、

SHA-256 ハッシュが適用されます。シン

リストア (thin restore) は CiS システムが行

う障害復旧プロセスであり、クラウドから

データを復旧します。最初にメタデータ マ

ップをダウンロードすることで、ユーザー

およびアプリケーションがデータにアクセ

スできるようになります。アクセスしたデ

ータはクラウドからダウンロードされ、ラ

ンク付けをした後で高アクセス層または中

アクセス層に配置されます。図 4 に、この

プロセスの仕組みを示します。

図 4: シン リストアのプロセス

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クラウド統合ストレージ – 概要とメリット

シン リストアを使用すると、メタデータ

マップをダウンロードしさえすればシス

テムがデータにアクセスできるようにな

るため、一般的には復旧時間目標 (RTO)

がきわめて短くなります。シン リストア

では、いずれのワーキング セットにも属

さない、低アクセス データは復元されま

せん。

下の図 5 では、3 種類のバックアップ シナ

リオの RTO を比較しています。一番上の

赤い線は、クラウド ストレージを仮想テー

プとして使用した場合です。このアプロー

チの問題は、すべてのデータを、

ネットワーク パフォーマンスがほぼ期待で

きない WAN 経由で復元しなければならな

い点です。真ん中の黒い線は、オフサイト

施設で保管される従来のテープを表します。

この場合は、必要なテープをすべてオフサ

イトの保管場所から取り寄せるため、復旧

に時間がかかるという問題があります。一

番下の緑の線は、CiS のクラウド スナップ

ショットによるデータ復旧を表します。こ

のシナリオでは、比較的少量のデータをダ

ウンロードするだけで、アプリケーション

とエンド ユーザーがデータ アクセスを再

開できます。

図 5: クラウドベースの仮想テープ、従来のテープ、および CiS によるシン リストアの RTO の比較

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クラウド統合ストレージ – 概要とメリット

適切なインターネット接続さえあれば、

どこからでもシン リストアを実行でき、

場所の制約のない復旧を実現します。従

来の障害復旧操作との違いは、実行場所

が特定の復旧用サイトに限定されない点

です。場所への依存性を解消すると、復

旧プロセスのさらなる冗長化が可能とな

り、従来のレプリケーション ソリューシ

ョンのような設備投資も必要ありません。

複数のデータセンターを運営している場

合は、それぞれの拠点で CiS システムを

稼働させることにより、あるサイトで障

害が発生しても、他の任意のサイトから

データを復旧できるようになります。同

様に、1 つの CiS システムを特定の場所に

配置し、他のすべてのサイトのスペアと

して使用すれば、きわめてコスト効率に

優れた DR システムを構築できます。

全体像

下の図 6 に、CiS システムを構成するさま

ざまな要素と、CiS の 3 本の軸足とも言え

る、高機能 SAN ストレージ、

クラウド データ管理、および可用性に優

れたエンタープライズ クラス プラットフ

ォームの関係を示します。

図 6: クラウド統合ストレージの全体像

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クラウド統合ストレージ – 概要とメリット

まとめ

CiS は、SAN ストレージとクラウド デー

タ管理を、可用性に優れたプラットフォー

ム上で統合した新しいストレージ システ

ムです。CiS は、比較的少規模なワーキン

グ セットを備え、SAN のパフォーマンス

を要するエンタープライズ ティア 2 アプ

リケーションの要件と、使用頻度が少なく、

相対的に容量の大きい低アクセス データ

の要件を満たすよう開発されています。

CiS の充実した管理機能により、従来のス

トレージ環境で最も多くの時間を費やし

ていた手動プロセスの一部を自動的に処

理できます。CiS システムを使用すると、

バックアップや DR といったデータ保護

プロセスが合理化され、両方の処理にか

かるコストと時間が大幅に削減されます。

このドキュメントに記載された内容は情報提供のみを目的としています。明示または黙示にかかわらず、

この内容に関してマイクロソフトはいかなる責任も負わないものとします。文書公開日: 2013 年 6 月