トキソカラ症 (犬・猫回虫幼虫移行症) - nihon...
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わが国の犬・猫の回虫陽性率地域 年度 由来 陽性率 文献
藤沢市 2004~2010年 保護センター 犬回虫:3.2~60%猫回虫:5.4~50%
平成23年度 関獣連大会要旨集
埼玉県 1999 ~2007年 保護センター 犬回虫:12.5%猫回虫:21.8%
感染症誌83:223~228,2009
青森県 2000年 動物病院 猫回虫室内群:53.3~83.7%室外群:16.3~46.7%
感染症誌74:824~827,2000
症状ヒト
動物
犬(子犬),猫(子猫)は下痢,食欲不振,嘔吐などを起こし,重度感染では腸閉塞,肺炎,気管支炎などを起こす。
小児に多い。重度感染を受けると慢性の好酸球増多,肝臓腫大,肺炎症状,喘息発作,関節痛,筋肉痛,眼症状(斜視,失明など)。
人体内では成虫にまで発育しない。寄生臓器に肉芽腫を形成。
治療
予防
1. 虫卵による経口感染を避ける。
2. 犬,猫との接触後あるいは砂場で遊んだ後の手洗いの励行。
3. 動物の肝臓,筋肉の生食を避ける。
人では特異療法はない。
犬,猫ではパモ酸ピランテル,フルモキサールなどの駆虫薬を用いる。
回虫の生活環・症状犬回虫:Toxocara canis猫回虫:Toxocara cati
寄生虫証明期:T. canis: 28-35 日T. cati: 21 日
小腸で虫卵を産卵
糞便中に虫卵排出
成熟
環境中の幼虫包蔵卵は長期間生存
待機宿主
待機宿主の組織中の幼虫
幼虫包蔵卵
子犬に垂直感染
発咳,下痢,衰弱,体重減少,肺炎
人
症状髄膜脳炎,神経系の後遺症,一側性の網膜炎,失明。
イヌ回虫やネコ回虫に起因する幼虫移行症に較べて重篤の例が多い。イヌ・ネコ回虫の幼虫は0.5mm以下であるのに対して、アライグマ回虫は2.0mm近くまで急速に発育して体内を移行し,特に中枢神経系での障害が激しいため。