スライド 1形成外科 tqm推進委員会 岡 本 泰 岳 導 入 効 果 と 意...
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トヨタ記念病院
形成外科 TQM推進委員会
岡 本 泰 岳
導 入 効 果 と 意 義
-クリニカルパス医療の本質-
愛知クリニカルパス研究会主催 教育研修会 2018.6.16
講 義 内 容
テーマ1) クリニカルパスとは? 定義 と クリニカルパス用語
アウトカム、観察項目(アセスメント)、バリアンス
導入効果 と 意義
パス
質向上!
アウトカム
テーマ2) クリニカルパス医療 の 本質 アウトカム志向(PDCA と SDCA)
パスにおける標準(化)って?
クリニカルパスとは?
手術・治療・検査の日程表(予定表)!
見た目は
そうだけど・・・
日時 入院1日目 入院2日目 入院3日目 入院4日目
術前日 術前 術後 術後1日目 術後2日目
クリニカルパスの定義
DRGが決めている入院期間内で標準的な結果を得るために、患者に対して最も関わる医師及び看護師が行うべき手順と時間のリスト
検査や治療・ケアを効率よく組み合わせた予定(日程)表
スケジュールパス
患者のための目標を示し、それらの目標を最適効率で達成するための 理想的なスタッフ活動 の 順序とタイミングを提供するもの
患者状態と診療行為の目標、および評価・記録を含む 標準診療計画であり、標準からの偏位を分析することで医療の質を改善する手法
(日本クリニカルパス学会 2014)
アウトカム志向パス
定義 と クリニカルパス用語
患者状態と診療行為の目標、および
評価・記録を含む標準診療計画であり
標準から偏位を分析することで、
医療の質を改善する手法
アウトカム
バリアンス
標準プロセス 観察項目(アセスメント)
= (達成)目標
主語が患者=患者アウトカム
主語が医療者=医療者アウトカム
パスにおけるアウトカムの定義
(患者状態の目標)
(診療行為の目標)
アウトカム
主語が患者=患者アウトカム
医療者アウトカム
患者アウトカム
望ましい成果
あるべき状態
達成すべき状態
行うべき業務(タスク)
処置・検査・説明・記録
患者、医療者アウトカムの関係
患者アウトカムの設定
適切な設定と改訂がパスの質を高める!
パス運用の要!
使用(D):達成の確認、未達成時の対応 ⇒質の保証、個別性への対応
評価・見直し(C・A):意味のあるバリアンスの収集 ⇒根拠となるデータ
医療者アウトカム(タスク)の設定
患者アウトカムの達成のために必要なタスク
患者アウトカムの達成の確認に必要なタスク
(評価・記録には具体的・客観的な判定基準が必要)
観察項目(アセスメント)
観察項目(アセスメント)
診療行為の目標 って
=「患者状態の目標」 の達成
医療者アウトカム
患者アウトカム
観察項目(アセスメント)
評価・記録を含む
標準プロセス
標準診療計画
医療チーム と 患者が 目標 と
治療・ケアの 内容 や 流れ を 共有化!
アウトカム
バリアンス
定義 達成目標(アウトカム)が達成されなかったとき(事象)
バリアンス
患者アウトカムの未達成
医療者アウトカムの未達成
分類
時間(利益):正、負
影響:変動、逸脱、脱落
発生要因:患者・家族、医療スタッフ、病院、社会
←アウトカムの評価や見直し(改善)
クリニカルパス導入効果 と 意義
チーム医療 の推進
患者参加型医療 の提供
インフォームドコンセントの充実
質保証・質改善
医療安全 リスク管理
業務改善・効率化
経営戦略
業務効率化(⇒時間管理)
コスト管理
職員教育
医療の質の向上
臨床アウトカム
財務アウトカム
満足度アウトカム
患者状態と診療行為の目標
各専門職の
役割
と
介入内容
成果・結果
多職種チーム医療は クリニカルパスで!
医師 訪問看護
看護師
検査
薬剤
リハ 栄養
放射線
情報管理
連携室
医事 MSW
患者
チームの中で各部門が 専門性を充分発揮する
回復期
リハビリ病院 診療所
老健施設 在宅福祉
サービス
調剤薬局
各専門職の 役割 と 介入内容 の見える化
目標 と プロセス の 共有化
各施設
各専門職
地域連携クリニカルパス
クリニカルパス医療 の 本質
目標管理ツール
患者状態と診療行為の目標を管理(マネジメント)
医療の質の向上
アウトカム(治療成績、財務結果、満足度など)の向上
医療現場最前線における質保証、業務改善・効率化
チーム医療の推進(←患者目標、治療プロセスの共有化)
患者参加型医療の実践(インフォームドコンセントの充実)
パスの運用(ツールなので使い方次第!)
PDCA(作成→使用→分析→見直し)サイクルを回す
パス医療における PDCAサイクル
Do パス使用 アセスメント
Check
バリアンス分析
アウトカム評価 バリアンス対応
=個別性への対応
質保証
TQM (Toatal Quality Management)
質の向上
Act
パス改訂 プロセス改善
Plan
パス作成 アウトカム設定
標準化
質の評価
パスの運用
継続的改善のための
サイクル
アウトカム志向
アウトカム志向って?
広義:アウトカム=
狭義:クリニカルパスにおけるアウトカム
目指すべき 患者状態(目標)
⇔診療行為
志向=心がある目的に向かう minded 指向=事物がある目的に向く oriented
成績・結果
医療:臨床、財務、満足度アウトカム
①狭義のアウトカム
目指すべき患者状態(目標)を達成するべく
心(考え・意識) と 体(行動)が連動して歩き出す!
アウトカム志向には2つの意味が!
②広義のアウトカム
良い成果・結果 に結びつく(結びつかせたい)
パスの評価・改善
医療者アウトカム 患者アウトカム 連動
臨床・財務・満足度アウトカムの向上
パスの 作成・使用
=目標(考え方・進め方)の見える化
=治療・ケア内容の見える化
患者アウトカムの設定
医療者アウトカムの設定
アウトカム志向パスの作成
チームメンバー(特に医師)の
頭の中(ブラックボックス)を
患者アウトカムという形で
明らかにさせる!
クリニカルパスの作成=診療プロセスの 可視化 見える化
=目標(考え方・進め方)の見える化
=治療・ケア内容の見える化
患者アウトカムの設定
医療者アウトカムの設定
アウトカム志向パスの作成
患者アウトカム達成のために
必要な医療行為は?
患者アウトカム達成の確認に
必要な判定基準、記録は?
クリニカルパスの作成=診療プロセスの 可視化 見える化
標 準 化 ムダ、ムリ、ムラを無くす!
ベストプラクティスをめざす!
診療・ケアの目標と内容の標準化
患者アウトカムの用語としての標準化
BOM 午後の特別講演で!
標準化って?
標準化:
「標準を決めて資材・製品などの規格や種類を統一すること」
「個々のものや方法を標準的なところに近づけること」
の意味で使用されることが多い
標準:
①物事を行う場合のよりどころとなるもの
(ア)手本、模範 (イ)目安、目標
②平均的であること 普通、並み
パスの作成、使用、見直しにおける
標 準 化 の 概念
自施設においてその時点で一番良いと考えられる治療方針や基準の標準を決めて可視化する。 作成したパスを使用し評価・分析することにより、 より良い標準へ見直しを図る (クリニカルパス用語解説集増補改訂版 より引用)
パスを現場で使用する際、標準化された医療者
アウトカムを確実に実施することは重要だが、
盲目的に一律に実施すること(画一化)ではない!
診療プロセスの 標準化 と 画一化 の違い
通常の経過を辿っている場合は標準的な治療でよい
バリアンスは患者の個別性
バリアンス対応は個別性への対応
標準化≠画一化
標準的治療=手本・模範
同じ病態 同じ経過 同じ治療 良好なアウトカム
違う経過 不良なアウトカム 違う治療
標準化 ≒ 最適化
診療プロセスの 標準化 と 画一化 の違い
通常の経過を辿っている場合は標準的な治療でよい
バリアンスは患者の個別性
バリアンス対応は個別性への対応
標準化≠画一化
標準的治療=手本・模範
同じ病態 同じ経過 同じ治療 良好なアウトカム
違う経過 患者アウトカムの
バリアンス
不良なアウトカム 違う治療 医療者アウトカムの
バリアンス
バリアンスの定義
アウトカムが達成されなかった状態
標準化 ≒ 最適化
治療目標や内容の予定が
事前にわかる安心感
治療目標やプロセスの
共有化(共通理解)
患者側 医療者側
医療者満足度アップ
パス医療:通常の経過 (クリティカルなバリアンスが発生しない場合)
標準化(最適化)された医療・看護の提供
患者満足度アップ
福井総合病院 勝尾信一先生講演 + 国保旭中央病院 松永高志先生講演を改変
予定(期待)通りの回復
予定通りの期間とコスト
医療・看護業務の効率化
納得の臨床・財務アウトカム
(クリティカルな)バリアンスが発生
もし気がつかなければ
経過不良
不良なアウトカム
医療事故 個別性に対応した
治療・ケアの提供
患者満足度アップ
適切な対応
早期解決による
良好な経過
(重大な)患者アウトカムが未達成
パス医療:通常とは違う経過 (クリティカルなバリアンスが発生した場合)
福井総合病院 勝尾信一先生講演を改変
患者アウトカムの設定と
達成の確認が重要! ここにパワーを集中
S:アウトカム志向パスの作成 =
患者・医療者アウトカムの標準を決定
SDCAサイクルとパス
Standardize標準を決定
Do 標準を守る
Act 適切な対応
Check 異常への気づき
(いつもと違う!)
日常管理(日常業務)
現場における質保証
D:パスに基づいて治療・ケアを実施
=標準を守る
A:バリアンスへの対応=異常に対する適切な対応
C:患者アウトカムの達成を確認
未達成=バリアンス ⇒異常への気づき(いつもと違う!)
S:アウトカム志向パスの作成 =
患者・医療者アウトカムの標準を決定
SDCAサイクルとパス
Standardize標準を決定
Do 標準を守る
Act 適切な対応
Check 異常への気づき
(いつもと違う!) D:パスに基づいて治療・ケアを実施
=標準を守る
A:バリアンスへの対応=異常に対する適切な対応
C:患者アウトカムの達成を確認
未達成=バリアンス ⇒異常への気づき(いつもと違う!)
標準化 されてこそ
「いつもと違う(異常)!」に
素早く気づく事が可能
バリアンス分析
日常管理(日常業務)
現場における質保証
PDCAサイクル と SDCAサイクル
Plan
パス作成 アウトカム設定
Check
バリアンス分析
アウトカム評価
=個別性への対応
TQM (Toatal Quality Management)
Act
パス改訂 プロセス改善
質の向上
質の評価
SDCAサイクル
Do パス使用 アセスメント
質保証
標準化
パスの運用
バリアンス対応
アウトカム志向には
2つの意味が!
PDCA & SDCA